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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029357
(43)【公開日】2022-02-17
(54)【発明の名称】換気システム及び換気方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20220209BHJP
   F24F 7/08 20060101ALI20220209BHJP
   F24F 9/00 20060101ALI20220209BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20220209BHJP
   F24F 11/77 20180101ALI20220209BHJP
   F24F 13/06 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F7/08 Z
F24F9/00 A
F24F11/80
F24F11/77
F24F13/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020132664
(22)【出願日】2020-08-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】513017995
【氏名又は名称】株式会社楠風エナジーシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100125450
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 広明
(72)【発明者】
【氏名】川野 明久
【テーマコード(参考)】
3L056
3L080
3L260
【Fターム(参考)】
3L056BD07
3L056BF06
3L080BB05
3L260AA08
3L260AB17
3L260BA13
3L260BA25
3L260CA03
3L260FC03
(57)【要約】
【課題】対面に居る客同士等の会話等において生じ得る飛沫の相手方への到達を確度高く防止又は抑制し得る換気システム及び換気方法を提供する。
【解決手段】本発明の1つの換気システムは、板体又は台体と、該板体上、該板体の上方、又は該板体の内部、あるいは該台体上、該台体の上方、又は該台体の内部に配置される複数の給気ノズルを備えるとともに、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気を該給気ノズルから供給する給気部と、該給気ノズルの上方に配置され、前述の板体又は前述の台体に向けて開口する少なくとも1つの排気口を有する排気部と、を備える。加えて、この換気システムは、前述の給気ノズルから供給される各々の前述の空気が、前述の排気口から排気されるまでに合流するように該給気ノズルが配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板体又は台体と、
前記板体上、該板体の上方、又は該板体の内部、あるいは前記台体上、該台体の上方、又は該台体の内部に配置される複数の給気ノズルを備えるとともに、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気を前記給気ノズルから供給する給気部と、
前記給気ノズルの上方に配置され、前記板体又は前記台体に向けて開口する少なくとも1つの排気口を有する排気部と、を備え、
前記給気ノズルから供給される各々の前記空気が、前記排気口から排気されるまでに合流するように前記給気ノズルが配置される、
換気システム。
【請求項2】
前記複数の該給気ノズルから供給される各々の前記空気が、前記排気口から排気されるまでに合流するように制御する制御部を、さらに備える、
請求項1に記載の換気システム。
【請求項3】
前記空気に近接する人を検出する検出部と、
前記人の数が所定の数になったときに、前記給気ノズルの吐出口における前記空気の流速を速くするように前記給気部を制御する制御部、
及び/又は、
前記人の数が所定の数になったときに、前記排気口における前記空気の排気速度を速くするように前記排気部を制御する制御部とを、さらに備える、
請求項1又は請求項2に記載の換気システム。
【請求項4】
前記給気ノズルから吐出される前記空気の吐出方向に直交する面と、前記空気を導入する側の前記給気ノズルの開口面との成す角が、30°以上60°以下である、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の換気システム。
【請求項5】
前記給気ノズルから吐出される前記空気が、前記給気ノズルの先端から、250mm以上400mm以下離れた位置で合流する、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の換気システム。
【請求項6】
前記空気の吐出方向に沿って設けられる薄板体をさらに備え、
前記薄板体の高さは、前記給気ノズルから吐出される前記空気が合流する位置よりも高い、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の換気システム。
【請求項7】
前記排気口が設けられている平面から鉛直下方に50mm以上200mm以下離れた位置に、合流した前記空気の進行方向を変更し該空気を前記排気口に集めるための気流ガイドをさらに備え、
前記気流ガイドは、水平面となす俯角が35°以上60°以下である、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の換気システム。
【請求項8】
前記給気ノズルから吐出される前記空気の、前記給気ノズルの吐出口における流速が、2m/秒以上4m/秒以下である、
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の換気システム。
【請求項9】
前記板体又は前記台体が室内に配置され、
室外から前記室内に外気を供給するための給気ファンと、
前記空気を、前記室外に放出するための排気ファンと、を備え、
前記排気ファンから前記室外に至るまでの正圧の前記空気が流れる排気流路が気密状態である、
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の換気システム。
【請求項10】
前記空気の温度を、前記空気が前記給気部に送給される前に18℃以上26℃以下となるように調節する、温度調節器をさらに備える、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の換気システム。
【請求項11】
板体上、該板体の上方、又は該板体の内部、あるいは台体上、該台体の上方、又は該台体の内部に配置される複数の給気ノズルから上方に向けて、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気を供給するとともに、該給気ノズルの上方に配置され、前記板体又は前記台体に向けて開口する少なくとも1つの排気口から前記空気が排気されるまでに、前記空気が合流するように供給する給気工程と、
合流した前記空気を排気する排気工程と、を含む、
換気方法。
【請求項12】
給気ファンによって室外から、前記板体又は前記台体が配置された室内に外気を供給し、
排気ファンによって前記空気を前記室外に放出し、かつ
前記排気ファンから前記室外に至るまでの正圧の前記空気が流れる排気流路が気密状態である、
請求項11に記載の換気方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気システム及び換気方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲食業及び接客業に代表される多くの客への対応が必要とされる業種においては、その客が占有するテーブルや場所の全体を換気する換気システム又は換気方法が採用されている。しかしながら、世界的に流行している新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のような種々のウィルスや細菌に対する感染症対策としては十分ではない場合が多い。
【0003】
これまでに、室内空間の空気中に浮遊する細菌やウィルス類を殺菌又は不活性化をする為に、在室の人畜の体高よりも十分に高い室内高所から、室内空間を対流する空気中へ向けて水平に紫外線を照射する装置が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-231007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、飛沫感染が感染原因の一つであるウィルス感染症に対して特許文献1の手段が採用されたとしても、対面に座る客同士の、あるいは客と接客者との会話において生じ得る飛沫(マイクロ飛沫及びエアロゾルを含む。)を高く防止又は抑制することはできない。
【0006】
特に、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のような未知のウィルスは、その感染力が不明であるため、それまでに法で定められた、又は行政が示すガイドライン等に沿った換気システム又は換気方法では対応できない可能性がある。したがって、飲食業等は、行政に頼ることなく、独自の先進的な対応を取ることは事業の継続のための重要な対策であるといえる。
【0007】
また、世界中で猛威を振るう新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のような状況下にあっても、地球温暖化のための空調の負荷の低減を図ることは考慮されるべき要素である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題のうち少なくとも1つ解決し、飲食業又は接客業等において、例えば、対面に居る客同士の、あるいは客と接客者との会話や談笑等において生じ得る飛沫の相手方への到達を確度高く防止又は抑制することができる換気システム及び換気方法の実現に大きく貢献し得る。
【0009】
本願発明者は、外気から室内に取り入れる空気を局所的に、又は細分化した態様で送り込むことが、感染症対策に代表される健康被害をより確度高く防止することにつながると考え、鋭意研究と分析を重ねて検討を行った。
【0010】
多くの試行錯誤を重ねた結果、本願発明者は、客からの飛沫(マイクロ飛沫及びエアロゾルを含む。以下、総称して「飛沫」という。)を、他人に到達させる前に、一つの定まった方向、より具体的には、上昇する向きの空気の流れ(気流)に乗せて排気口又は陰圧領域まで到達させることが、該飛沫の他人への到達の防止又は抑制に有効であることを知得した。加えて、その上昇する気流について更に分析が重ねられた結果、本願発明者は、細分化された少なくとも隣り合う個別の気流が上昇する過程において合流するように工夫し、いわば上昇気流による空気のカーテンを形成することによって、該飛沫の他人への到達を確度高い防止又は抑制を実現し得ることを見出した。
【0011】
また、本願発明者は、外気から室内に空気を取り入れる際の給気についても研究と分析を重ね、特に空気の吐出の際の圧力調整を工夫することによって安全性を高めることが可能となることを見出した。本発明は、上述の各知見に基づいて創出された。
【0012】
本発明の1つの換気システムは、板体又は台体と、該板体上、該板体の上方、又は該板体の内部、あるいは該台体上、該台体の上方、又は該台体の内部に配置される複数の給気ノズルを備えるとともに、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気を該給気ノズルから供給する給気部と、該給気ノズルの上方に配置され、前述の板体又は前述の台体に向けて開口する少なくとも1つの排気口を有する排気部と、を備える。加えて、この換気システムは、前述の給気ノズルから供給される各々の前述の空気が、前述の排気口から排気されるまでに合流するように該給気ノズルが配置される。
【0013】
この換気システムにおいては、複数の給気ノズルから吐出される、上方に向かうに従って断面積が大きくなる各々の空気が、排気口から排気されるまでに合流するように該給気ノズルが配置される。その結果、いわば上昇気流による空気のエレベーター又はベルトコンベアが形成されることによって、その空気の一方側に居る者の会話や談笑等による飛沫がその空気の上昇気流に乗って排気されるため、該飛沫が該空気の他方側に居る者に到達することを確度高く防止又は抑制し得る。
【0014】
また、本発明の1つの換気方法は、板体上、該板体の上方、又は該板体の内部、あるいは台体上、該台体の上方、又は該台体の内部に配置される複数の給気ノズルから上方に向けて、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気を供給するとともに、該給気ノズルの上方に配置され、前述の板体又は前述の台体に向けて開口する少なくとも1つの排気口から前述の空気が排気されるまでに、該空気が合流するように供給する給気工程と、合流した該空気を排気する排気工程と、を含む。
【0015】
この換気方法によれば、上方に向かうに従って断面積が大きくなる各々の空気が、排気口から排気されるまでに合流するように、複数の給気ノズルから空気が供給される給気工程が行われる。その結果、いわば上昇気流による空気のエレベーター又はベルトコンベアが形成されることによって、その空気の一方側に居る者の会話や談笑等による飛沫がその空気の上昇気流に乗って排気される排気工程が行われるため、該飛沫が該空気の他方側に居る者に到達することを確度高く防止又は抑制し得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明の1つの換気システムによれば、複数の給気ノズルからの上方に向かうに従って断面積が大きくなる各々の空気が、排気口から排気されるまでに合流することによって、その空気の一方側に居る者の会話や談笑等による飛沫がその空気の上昇気流に乗って排気されるため、該飛沫が他方側に居る者に到達することを確度高く防止又は抑制し得る。
【0017】
また、本発明の1つの換気方法によれば、上方に向かうに従って断面積が大きくなる各々の空気が、排気口から排気されるまでに合流するように供給されることにより、その空気の一方側に居る者の会話や談笑等による飛沫がその空気の上昇気流に乗って排気されるため、該飛沫が他方側に居る者に到達することを確度高く防止又は抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態の換気システムの構成を説明するための概要図である。
図2】第1の実施形態における給気部の一部端面図である。
図3】第1の実施形態の変形例(1)における図2に相当する給気部の一部端面図である。
図4】第1の実施形態の変形例(2)における図2に相当する給気部の一部端面図である。
図5】第1の実施形態の変形例(3)における図2に相当する給気部の一部端面図である。
図6】第2の実施形態の換気システムの構成を説明するための概要図である。
図7】第3の実施形態の換気システムの構成を説明するための概要図である。
図8】第3の実施形態の気流ガイドの構成を説明するための概要図である。
図9】第3の実施形態の変形例(1)の気流ガイドの構成を説明するための概要図である。
図10】第4の実施形態の換気システムの構成を説明するための概要図である。
図11】第5の実施形態の換気システムの構成を説明するための概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態である換気システム100及び換気システム100の換気方法を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。なお、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素は必ずしも互いの縮尺を保って記載されるものではない。さらに、各図面を見やすくするために、一部の符号が省略され得る。
【0020】
<第1の実施形態>
(換気システムの全体構成)
図1は、本実施形態の換気システム100の構成を説明するための概要図である。また、図2は、本実施形態の換気システム100の給気部20の一部端面図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、本実施形態の換気システム100は、テーブル、机、又はバーカウンターに代表される板体又は台体(以下、総称して「板体」という。)90と、板体90の上又は板体90の上方に配置される給気ノズル24を備えた給気部20と、給気ノズル24の上方に配置され、板体90に向けて開口する少なくとも1つの排気口50aを有する排気部50とを備える。なお、本実施形態においては、板体90は、建物内又は室内に配置される。
【0022】
また、本実施形態の換気システム100による給気を支援するため、室外(外気)から室内に空気を取り入れるとともに、室内の空気を室外に排気する、給排気のための構成が設けられる。
【0023】
具体的には、室内又は室外に配置される給気ファン10を用いて、室外の空気を第1給気管12から室内に導入する。給気ファン10によって正圧となった空気は、第2給気管13、熱交換器60、及び第3給気管14を経由して正圧の状態で給気部20に送給される。また、本実施形態の熱交換器60は、空調負荷の増大に対応するために全熱交換器であることが好ましい。
【0024】
給気部20に送られた空気は、給気ノズル24の各々の導入口24aから取り入れられ、各々の吐出口22から吐出されることによって、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気40aが形成される(図2のd)。代表的な空気40aの形状の例は、図1に示すような略円錐台状又は略楕円錐台状である。空気40aは、ある距離を上昇した後、排気口50aから排気されるまでに合流し、合流空気40bとなる(図2のJ)。換言すれば、本実施形態の複数の給気ノズル24は、給気ノズル24から供給される各々の空気40aが、排気口50aから排気されるまでに合流するように配置される。その結果、板体90上又はその上方に配置される複数の給気ノズル24から上方に向けて、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気を供給するとともに、給気ノズル24の上方に配置され、板体90に向けて開口する少なくとも1つの排気口50aから該空気が排気されるまでに、該空気が合流するように供給する給気工程が行われる。
【0025】
ところで、給気ノズル24から吐出される各々の空気40aが合流するまでの距離(図2のH)に関しては、給気ノズル24から供給される各々の空気40aが上昇した後、排気口50aから排気されるまでに合流すれば、本実施形態の効果の少なくとも一部は奏され得る。なお、給気ノズル24の先端(すなわち、吐出口22)から、上方に250mm以上400mm以下離れた位置で合流することは、その空気の一方側に居る者(例えば、図1の紙面左側の者)の会話や談笑等による飛沫が、他方側に居る者(例えば、図1の紙面右側の者)に到達することをより確度高く防止又は抑制し得る観点、及び空気40(合流空気40b)を確度高く排気し得る観点から、好適な一態様である。
【0026】
上述のとおり、給気ノズル24から吐出された空気40は、各々の給気ノズル24から供給される各々の空気40a(図2のd)と、それらの空気40aが合流して形成された合流空気40b(図2のJ)とからなる。
【0027】
その後、空気(合流空気40b)は、排気ファン70を用いて排気される排気工程が行われる。具体的には、排気ファン70によって負圧となっている排気口50aを備える排気部50に空気(合流空気40b)が到達すると、第1排気管52、熱交換器60、第2排気管54、及び第3排気管55を経由して。室外に排気される。
【0028】
なお、本実施形態においては、給気ノズル24の吐出口22から排気口50aまでの最短距離は、空気40(合流空気40b)を確度高く排気できる距離であれば限定されない。なお、空気40(合流空気40b)をより確度高く排気できる観点から言えば、給気ノズル24の吐出口22から排気口50aまでの最短距離が、500mm以上2000mm以下であることは好適な一態様である。また、単位時間当たりの排気量が単位時間当たりの給気量に対して1.2倍以上であることが、その空気の一方側に居る者(例えば、図1の紙面左側の者)の会話や談笑等による飛沫が、他方側に居る者(例えば、図1の紙面右側の者)に到達することをより確度高く防止又は抑制し得る観点、及び空気40(合流空気40b)をより確度高く排気し得る観点から、好適な一態様である。
【0029】
ここで、排気部50から室外への排気に関して、特に、本実施形態の排気ファン70は、熱交換器60とは物理的に分離されていることは、熱交換器60内部への給気によるウィルス又は細菌等の浸潤を確度高く防止する又は抑制する観点から好ましい。また、排気ファン70から室外に至るまでの正圧の空気が流れる排気流路、すなわち第3排気管55が気密状態であることは、ウィルス又は細菌を等含有し得る空気40(合流空気40b)が室内に漏れ出すことを確度高く排気し得る観点から、好適な一態様である。
【0030】
なお、気密状態をより確度高く保持するために、第3排気管55の長さは、排気ファン70から室外と室内の境界に位置する排気のための開口部(室外に向けた開口部)までの距離が2m以内となるように構成される。該構成を採用することは、気密状態が確度高く保持されたうえで、空気40(合流空気40b)をより確度高く排気し得る観点から、好適な一態様である。
【0031】
上述のとおり、合流した空気40を排気する排気工程においては、例えば、板体90が配置された室内に給気ファン10によって室外から外気を供給し、排気ファン70によって空気40を室外に放出するときに、排気ファン70から室外に至るまでの正圧の空気40が流れる排気流路、すなわち第3排気管55が気密状態であることによって、ウィルス又は細菌を含有し得る空気40(合流空気40b)を確度高く排気し得る。
【0032】
また、第3排気管55の気密性と同様に、空気が流れる配管のうち、少なくとも第2給気管13、第3給気管14、第1排気管52、及び第2排気管54は、施工における経済性の観点から公知のシール材又はシール機構が採用されることは設置又は製造コスト低減の観点から好適な一態様である。
【0033】
次に、本実施形態の給気部20の内部、及び第3給気管14を経由して供給される空気の流れについてさらに詳しく説明する。
【0034】
図2の端面図に示すように、本実施形態においては、筒状の給気部20の内部空間20aに空気(図2のA)が紙面左側から右側に送給される場合、空気を導入する側の給気ノズル24の導入口24aの開口面は、該空気を導入し易いように、及び吐出される空気が略真上に向けて給気されるように、該空気の吐出口22からの吐出方向(図2のdの矢印方向)に直交する面に対して、給気ノズル24の開口面が傾いている。
【0035】
なお、各々の給気ノズル24の吐出口22から吐出される空気の吐出方向(図2のdの矢印方向)に直交する面と、空気を導入する側の給気ノズル24の導入口24aの開口面との成す角(図2の角度α)は、30°以上60°以下であることは該空気の導入をより容易にするとともに、吐出される空気がより確度高く略真上に向けて給気される観点から好適な一態様である。
【0036】
なお、本実施形態においては、給気ノズル24の上部24bが筒状の給気部20から突出するように設けられている。斯かる構成を採用することによって、給気部20から比較的離れた位置からであっても、空気が吐出する場所を容易に視認することが可能となる。
【0037】
また、本実施形態においては、給気ノズル24から供給される各々の空気40aが、排気口50aから排気されるまでに合流し得る速度であれば、特に速度は限定されない。なお、吐出される空気の一方側に居る者(例えば、図1の紙面左側の者)の会話や談笑等による飛沫が、他方側に居る者(例えば、図1の紙面右側の者)に到達することをより確度高く防止又は抑制し得る観点、及び空気40(合流空気40b)をより確度高く排気し得る観点から言えば、給気ノズル24の各々の吐出口22から吐出される空気の速度(流速)が、2m/秒以上4m/秒以下(より好適には、2.5m/秒以上、又は3.5m/秒以下)であることは、好適な一態様である。
【0038】
上述のとおり、本実施形態の換気システム100及び換気方法を採用することにより、複数の給気ノズル24から供給される、いわば上昇気流による空気40のエレベーター又はベルトコンベアが形成されることによって、空気40の一方側に居る者の会話や談笑等による飛沫が空気40の上昇気流に乗って排気されるため、該飛沫が空気40の他方側に居る者に到達することを確度高く防止又は抑制し得る。
【0039】
<第1の実施形態の変形例(1)>
本変形例においては、給気部20における給気ノズル24の代わりに、給気ノズル224が採用されている点を除いて、第1の実施形態の換気システム100と同じである。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。図3は、本変形例における図2に相当する給気部の一部端面図である。
【0040】
図3に示すように、本変形例の給気ノズル224は、第1の実施形態のような筒状の給気部20から突出する給気ノズル24の上部24bを備えていない。従って、給気部20が備える開口部と給気ノズル224の吐出口22は略一致しているため、外観的には、給気部20が備える開口部から空気40が吐出されたように見えることになる。
【0041】
本変形例の構成を採用すれば、例えば、給気部20が備える開口部の形状を変更することによって、給気ノズル24の吐出口22の形状を変更することなく、給気部20が供給する空気40(特に、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気40a)の形状を容易に変更することが可能となる。
【0042】
本変形例の構成が採用された場合であっても、第1の実施形態の換気システム100又は換気方法の効果の少なくとも一部の効果を奏し得る。
【0043】
<第1の実施形態の変形例(2)>
本変形例においては、第1の実施形態の変形例(1)の給気部20を、板体90の下側、又は板体90の内部に配置した点を除いて、第1の実施形態の換気システム100又は第1の実施形態の変形例(1)と同じである。従って、第1の実施形態又は第1の実施形態の変形例(1)と重複する説明は省略され得る。図4は、本変形例における図2に相当する給気部の一部端面図である。
【0044】
図4に示すように、本変形例の給気ノズル224を備えた給気部20は、板体90の下側、又は板体90の内部(換言すれば、板体90内に埋め込まれた位置)に配置されている。従って、外観的には、板体90が備える開口部から空気40が吐出されたように見えることになる。なお、本変形例は、図4に示す位置関係に限定されず、板体90が備える開口部と給気ノズル24の各々の吐出口22とが連通していれば、板体90と給気部20との相対的な位置関係は限定されない。
【0045】
本変形例の構成が採用された場合であっても、第1の実施形態の換気システム100又は換気方法の効果の少なくとも一部の効果を奏し得る。
【0046】
<第1の実施形態の変形例(3)>
また、例えば、図5に示すように、風量調整用のバッフル(邪魔板)25を、各給気ノズル24の間に、気流が各給気ノズル24に近接と離間とを繰り返すように、換言すれば、蛇行するように適宜設けることにより、給気部20内の風量を調整し、略均一に供給されるようにすることは他の好適な一態様である。
【0047】
<第2の実施形態>
本実施形態の換気システム200は、給気部20から供給される空気の流速、単位時間当たりの給気量、及び/又は排気部50の単位時間当たりの排気量を制御する制御部80が設けられている点を除いて、第1の実施形態の換気システム100と同様である。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0048】
図6は、本実施形態の換気システム200の構成を説明するための概要図である。
【0049】
図6に示すように、本実施形態においては、制御部80は、配線82を介して給気部20と電気的に接続し、配線84を介して排気部50と電気的に接続し、配線88aを介して給気ファン10と電気的に接続し、配線88bを介して排気ファン70と電気的に接続している。その結果、制御部80は、公知の気体の流速制御手段、給気量制御手段、及び排気量制御手段を用いて、給気部20から供給される空気及び排気部50の排気量に関する上述の各要素を制御し、複数の給気ノズル24から供給される各々の空気40aが排気口50から排気されるまでに合流するように、換言すれば、各々の空気40aから合流空気40bが形成されるように制御する。
【0050】
また、本実施形態においては、制御部80は、配線86を介して第2排気管54が備える公知の圧力センサーと電気的に接続することによって、第2排気管54内の排気される空気の圧力を監視することは採用し得る一態様である。なお、図示しないが、制御部80が、第2排気管54とは別に、又は第2排気管54とともに、第1給気管12、第3給気管14、第1排気管52、第2排気管54、及び/又は第3排気管55が備える公知の圧力センサーと電気的に接続することによって、給気される、及び/又は排気される空気の各々の圧力を監視することも採用し得る他の一態様である。
【0051】
従って、換気システム200によれば、給気部20から供給される空気の流速、単位時間当たりの給気量、及び/又は排気部50の単位時間当たりの排気量を制御する制御部80によって管理された、各々の空気40a、合流空気40b、及び/又は合流空気40bの排気を実現し得る。その結果、その空気の一方側に居る者(例えば、図1の紙面左側の者)の会話や談笑等による飛沫が、他方側に居る者(例えば、図1の紙面右側の者)に到達することをより確度高く防止又は抑制し得るとともに、空気40(合流空気40b)をより確度高く排気し得る。
【0052】
<第2の実施形態の変形例>
ところで、本実施形態の変形例の1つとして、換気システム200は、空気40に近接する人を検出する公知のセンサーを備えた検出部(図示しない)と、第2の実施形態の給気部20から供給される空気及び排気部50の排気量に関する第2の実施形態において説明した各要素の代わりに、又は前述の各要素とともに、次の(1)及び/又は(2)の制御を行う制御部とを採用し得る。
(1)該検出部が空気40に近接する人の数が所定の数(例えば、2人又は3人)になったことを検知したときに、給気ノズル24の吐出口22における前記空気の流速を速くするように給気部20を制御する制御部
(2)該検出部が空気40に近接する人の数が所定の数(例えば、2人又は3人)になったことを検知したときに、排気口50における空気40の排気速度を速くするように排気部50を制御する制御部
【0053】
この変形例の構成を採用することにより、その空気の一方側に居る者(例えば、図1の紙面左側の者)の会話や談笑等による飛沫が、他方側に居る者(例えば、図1の紙面右側の者)に到達することをより確度高く防止又は抑制し得る観点、及び空気40(合流空気40b)をより確度高く排気し得る観点から、好適な一態様である。
【0054】
<第3の実施形態>
本実施形態の換気システム300は、排気部50の周囲に、合流空気の流れの方向をガイドする複数の気流ガイド56を備えている点、及び複数個の換気システムが表示されている点を除いて、第1の実施形態の換気システム100又は第1の実施形態の変形例(1)と同様である。従って、第1の実施形態又は第1の実施形態の変形例(1)と重複する説明は省略され得る。
【0055】
図7は、本変形例の換気システム300の構成を説明するための概要図である。また、図8(a)は本変形例の気流ガイド56の構成を説明するための概要側面図であり、図8(b)は本変形例の気流ガイド56の構成を説明するための概要正面図である。
【0056】
図7及び図8に示すように、本変形例の換気システム300においては、複数個の換気システムが、第1給気管12、第2給気管13、熱交換器60、第3給気管14、第1排気管52、第2排気管54、及び第3排気管55を共に利用している。
【0057】
従って、室外(外気)から給気ファン10を用いて、壁99によって区切られた室内に空気を取り入れた後、第1給気管12、第2給気管13、熱交換器60、及び第3給気管14を経由して供給される空気は、各々の板体90の上又は板体90の上方に配置される給気部20に送られる。
【0058】
給気部20に送られた空気は、給気ノズル224の各々の吐出口22から吐出されることによって、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気40aが形成され、さらに各々の空気40aが合流すると合流空気40bが形成される。
【0059】
本変形例においては、空気40(合流空気40b)の大部分は、排気口50aに到達するまでに気流ガイド56に一旦、衝突する。図7及び図8(a)に示すように、気流ガイド56は、空気40の流れを変えるための板状体であり、排気部50が設けられている壁面に固定された略U字状の支持部56bの端部に回転軸56aを中心に回動可能に取り付けられている。また、気流ガイド56は、所望の角度で固定できる機構を備えている。
【0060】
また、気流ガイド56は、排気口50aが設けられている平面(代表的な例は、水平面)を基準として、鉛直下方に所定の距離(図8(b)のL)離れた位置に気流ガイド56の上端が位置するように、傾斜して配置される。なお、排気口50aに対向する位置に設けられた給気ノズル224の吐出口22から吐出された一部の空気40は、気流ガイド56に衝突することなく、排気口50aに到達し得る。
【0061】
その結果、図8(a)の矢印に示すように、気流ガイド56の各々によって進行方向が変更された各々の空気40(合流空気40b)は、排気口50aが設けられている平面から気流ガイド56の上端までの間に形成される空間内(図8(b)のLの距離によって形成された空間内)を移動し、集められた後、排気口50aから排気されることになる。なお、図8(b)のLの距離が50mm以上200mm以下(より好適には、100mm以上、又は200mm以下)であることは、空気40(合流空気40b)をより確度高く排気し得る観点から、好適な一態様である。また、気流ガイドが水平面となす俯角(図7のθ)が35°以上60°以下(より好適には、40°以上、又は55°以下)であることは、空気40(合流空気40b)をより確度高く排気し得る観点から、好適な一態様である。
【0062】
上述のとおり、本変形例の換気システム300は、排気口50aが設けられている平面(代表的な例は、水平面)を基準として、鉛直下方に所定の距離(図8(b)のL)離れた位置に、空気40(合流空気40a)の進行方向を変更し、空気40を排気口50aに集めるための気流ガイド56が設けられているため、空気40(合流空気40b)をより確度高く排気することができる。
【0063】
<第3の実施形態の変形例(1)>
ところで、第3の実施形態の換気システム300においては、図8に示すような気流ガイド56を備えているが、気流ガイド56の代わりに、図9(a)、図9(b)及び図9(c)に示す気流ガイド356を採用することも好適な一態様である。なお、図9(c)は、図9(a)におけるQの方向から気流ガイド356を見たときの図である。
【0064】
具体的には、第3の実施形態の気流ガイド56が、さらに図9に示す補助ガイド56cを備えている。補助ガイド56cは、空気40(合流空気40b)の進行方向を変更する気流ガイド356の役割を補助し得る。気流ガイド56と同様に板状体である気流ガイド356の本体と、板状体である補助ガイド56cとの成す角(図9(c)のγ)の一例が、20°以上60°以下であることは、空気40(合流空気40b)をより確度高く排気し得る観点から、好適な一態様である。
【0065】
本変形例の気流ガイド356が採用された場合であっても、空気40(合流空気40b)をより確度高く排気することができる。
【0066】
<第4の実施形態>
本実施形態の換気システム400は、給気部20に沿って薄板体30が配置されている点を除いて、第1の実施形態の換気システム100又は第3の実施形態の換気システム300と同様である。従って、第1の実施形態及び第3の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0067】
図10は、本実施形態の換気システム400の構成を説明するための概要図である。
【0068】
図10に示すように、本実施形態においては、薄板体30が板体90の幅の略全てに亘るように給気部20に沿って配置される。換言すれば、薄板体30は、給気ノズル224の吐出口22から空気40aが吐出される方向(本実施形態においては、鉛直上向き)に沿って、薄板体30が板体90の幅の略全てに亘るように配置される。加えて、本実施形態の薄板体30は、給気ノズル224の吐出口22から吐出される、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気40aの少なくとも一部に接触する位置に配置される。
【0069】
また、図10に示すように、本実施形態の薄板体30の上端の位置は、各々の空気40aが合流する位置高くなるように形成又は配置される。換言すれば、給気ノズル224の吐出口22から薄板体30の上端までの距離又は高さ(図10のH)は、給気ノズル224の吐出口22から各々の空気40aが合流するまでの距離又は高さ(図10のH)よりも長く、又は高くなるように形成又は配置される。その結果、薄板体30は、空気40(40a及び40b)の流れを、いわば整流する役割も果たし得る。
【0070】
なお、薄板体30が給気部20と一体的に成型させることは、他の好適な一態様である。また、薄板体30の材質は限定されないため、該材質は、木製であっても樹脂製であってもよい。飲食店等における客同士の視認性、あるいは店員等のサービスを提供する者の視認性を高める観点から言えば、透明性を有する樹脂材料によって形成させることは好適な一態様である。
【0071】
本実施形態の薄板体30を採用することにより、その空気40の一方側に居る者(例えば、図1の紙面左側の者)の会話や談笑等による飛沫が、他方側に居る者(例えば、図1の紙面右側の者)に到達することを非常に確度高く防止又は抑制し得ることになる。
【0072】
<第5の実施形態>
本実施形態の換気システム420は、第3給気管14の一部が温度調節器65を備えている点を除いて、第4の実施形態の換気システム400と同様である。従って、第1の実施形態乃至第4の実施形態と重複する説明は省略され得る。
【0073】
図11は、本実施形態の換気システム420の構成を説明するための概要図である。
【0074】
図11に示すように、本実施形態の換気システム420は、第1給気管12から給気された空気が、熱効果器60を経て給気部20に至るまでに、空気の温度を調節するための温度調節器65を備えている。温度調節器65により、季節に応じて人間が快適に感じることのできる温度となるように、熱効果器60を通過した空気の温度(例えば、18℃~26℃)を調整する。
【0075】
本実施形態の換気システム420を採用することにより、室内に冷暖房器具を別途設けることなくても、又は冷暖房器具の数を低減した状態であっても、室内に居る人に快適な温度の空気を提供できるとともに、該冷暖房器具による室内の空気の攪乱要因を無くす、又は低減することが可能となる。その結果、その空気40の一方側に居る者(例えば、図1の紙面左側の者)の会話や談笑等による飛沫が、他方側に居る者(例えば、図1の紙面右側の者)に到達することを非常に確度高く防止又は抑制し得るとともに、空気40(合流空気40b)をより確度高く排気部50に誘導し得る。
【0076】
以上述べたとおり、上述の各実施形態の開示は、それらの実施形態の説明のために記載したものであって、本発明を限定するために記載したものではない。加えて、各実施形態の他の組み合わせを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、飲食業及び接客業を含む各種の産業に広く適用され得る。
【符号の説明】
【0078】
10 給気ファン
12 第1給気管
13 第2給気管
14 第3給気管
20a 内部空間
20 給気部
22 吐出口
24,224 給気ノズル
25 バッフル
24a 導入口
24b 給気ノズルの上部
30 薄板体
40 空気
40a 上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気
40b 合流空気
50 排気部
50a 排気口
50b 排気ガイド
52 第1排気管
54 第2排気管
55 第3排気管
56,356 気流ガイド
56a 回転軸
56b 支持部
56c 補助ガイド
60 熱交換器
65 温度調節器
70 排気ファン
80 制御部
82,84,86,88a,88b 配線
90 板体又は台体
99 壁
100,200,300,320,400,420 換気システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-01-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板体又は台体と、
前記板体上、該板体の上方、又は該板体の内部、あるいは前記台体上、該台体の上方、又は該台体の内部に配置される複数の給気ノズルを備えるとともに、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気を前記給気ノズルから供給する給気部と、
前記給気ノズルの上方に配置され、前記板体又は前記台体に向けて開口する少なくとも1つの排気口を有する排気部と、を備え、
前記給気ノズルから供給される各々の前記空気が、前記排気口から排気されるまでに合流し、合流空気(ウィルス又は細菌を含有し得る)となるように前記給気ノズルが配置される、
感染症対策用換気システム。
【請求項2】
前記複数の該給気ノズルから供給される各々の前記空気が、前記排気口から排気されるまでに合流するように制御する制御部を、さらに備える、
請求項1に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項3】
前記空気に近接する人を検出する検出部と、
前記人の数が所定の数になったときに、前記給気ノズルの吐出口における前記空気の流速を速くするように前記給気部を制御する制御部、
及び/又は、
前記人の数が所定の数になったときに、前記排気口における前記空気の排気速度を速くするように前記排気部を制御する制御部とを、さらに備える、
請求項1又は請求項2に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項4】
前記給気ノズルから吐出される前記空気の吐出方向に直交する面と、前記空気を導入する側の前記給気ノズルの開口面との成す角が、30°以上60°以下である、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項5】
前記給気ノズルから吐出される前記空気が、前記給気ノズルの先端から、250mm以上400mm以下離れた位置で合流する、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項6】
前記空気の吐出方向に沿って設けられる薄板体をさらに備え、
前記薄板体の高さは、前記給気ノズルから吐出される前記空気が合流する位置よりも高い、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項7】
前記排気口が設けられている平面から鉛直下方に50mm以上200mm以下離れた位置に、合流した前記空気の進行方向を変更し該空気を前記排気口に集めるための気流ガイドをさらに備え、
前記気流ガイドは、水平面となす俯角が35°以上60°以下である、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項8】
前記給気ノズルから吐出される前記空気の、前記給気ノズルの吐出口における流速が、2m/秒以上4m/秒以下である、
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項9】
前記板体又は前記台体が室内に配置され、
室外から前記室内に外気を供給するための給気ファンと、
前記空気を、前記室外に放出するための排気ファンと、を備え、
前記排気ファンから前記室外に至るまでの正圧の前記空気が流れる排気流路が気密状態である、
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項10】
前記空気の温度を、前記空気が前記給気部に送給される前に18℃以上26℃以下となるように調節する、温度調節器をさらに備える、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項11】
板体上、該板体の上方、又は該板体の内部、あるいは台体上、該台体の上方、又は該台体の内部に配置される複数の給気ノズルから上方に向けて、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気を供給するとともに、該給気ノズルの上方に配置され、前記板体又は前記台体に向けて開口する少なくとも1つの排気口から前記空気が排気されるまでに、前記空気が合流し、合流空気(ウィルス又は細菌を含有し得る)となるように供給する給気工程と、
合流した前記空気を排気する排気工程と、を含む、
感染症対策用換気方法。
【請求項12】
給気ファンによって室外から、前記板体又は前記台体が配置された室内に外気を供給し、
排気ファンによって前記空気を前記室外に放出し、かつ
前記排気ファンから前記室外に至るまでの正圧の前記空気が流れる排気流路が気密状態である、
請求項11に記載の感染症対策用換気方法。
【手続補正書】
【提出日】2021-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板体又は台体と、
前記板体上、該板体の上方、又は該板体の内部、あるいは前記台体上、該台体の上方、又は該台体の内部に配置される複数の給気ノズルを備えるとともに、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気を前記給気ノズルから供給する給気部と、
前記給気ノズルの上方に配置され、前記板体又は前記台体に向けて開口する少なくとも1つの排気口を有する排気部と、
前記排気口が設けられている平面から鉛直下方に50mm以上200mm以下離れた位置に、水平面となす俯角が35°以上60°以下である複数の気流ガイドと、を備え、
前記給気ノズルから供給される各々の前記空気が、前記排気口から排気されるまでに合流し、合流空気(ウィルス又は細菌を含有し得る)となるように前記給気ノズルが配置され、前記気流ガイドによって前記合流空気の進行方向を変更し該合流空気を前記排気口に集めて排気する、
感染症対策用換気システム。
【請求項2】
前記複数の該給気ノズルから供給される各々の前記空気が、前記排気口から排気されるまでに合流するように制御する制御部を、さらに備える、
請求項1に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項3】
前記空気に近接する人を検出する検出部と、
前記人の数が所定の数になったときに、前記給気ノズルの吐出口における前記空気の流速を速くするように前記給気部を制御する制御部、
及び/又は、
前記人の数が所定の数になったときに、前記排気口における前記空気の排気速度を速くするように前記排気部を制御する制御部とを、さらに備える、
請求項1又は請求項2に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項4】
前記給気ノズルから吐出される前記空気の吐出方向に直交する面と、前記空気を導入する側の前記給気ノズルの開口面との成す角が、30°以上60°以下である、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項5】
前記給気ノズルから吐出される前記空気が、前記給気ノズルの先端から、250mm以上400mm以下離れた位置で合流する、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項6】
前記空気の吐出方向に沿って設けられる薄板体をさらに備え、
前記薄板体の高さは、前記給気ノズルから吐出される前記空気が合流する位置よりも高い、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項7】
前記給気ノズルから吐出される前記空気の、前記給気ノズルの吐出口における流速が、2m/秒以上4m/秒以下である、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項8】
前記板体又は前記台体が室内に配置され、
室外から前記室内に外気を供給するための給気ファンと、
前記空気を、前記室外に放出するための排気ファンと、を備え、
前記排気ファンから前記室外に至るまでの正圧の前記空気が流れる排気流路が気密状態である、
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項9】
前記空気の温度を、前記空気が前記給気部に送給される前に18℃以上26℃以下となるように調節する、温度調節器をさらに備える、
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の感染症対策用換気システム。
【請求項10】
板体上、該板体の上方、又は該板体の内部、あるいは台体上、該台体の上方、又は該台体の内部に配置される複数の給気ノズルから上方に向けて、上方に向かうに従って断面積が大きくなる空気を供給するとともに、該給気ノズルの上方に配置され、前記板体又は前記台体に向けて開口する少なくとも1つの排気口から前記空気が排気されるまでに、前記空気が合流し、合流空気(ウィルス又は細菌を含有し得る)となるように供給する給気工程と、
前記排気口が設けられている平面から鉛直下方に50mm以上200mm以下離れた位置に、水平面となす俯角が35°以上60°以下である複数の気流ガイドによって、前記合流空気の進行方向を変更し該合流空気を前記排気口に集めて排気する排気工程と、を含む、
感染症対策用換気方法。
【請求項11】
給気ファンによって室外から、前記板体又は前記台体が配置された室内に外気を供給し、
排気ファンによって前記空気を前記室外に放出し、かつ
前記排気ファンから前記室外に至るまでの正圧の前記空気が流れる排気流路が気密状態である、
請求項10に記載の感染症対策用換気方法。