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特開2022-29417トランジスタの活性領域内にI/Oポートを備えるトランジスタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029417
(43)【公開日】2022-02-17
(54)【発明の名称】トランジスタの活性領域内にI/Oポートを備えるトランジスタ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20220209BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20220209BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20220209BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
H01L29/80 U
H01L21/28 301B
H01L29/44 P
H01L29/50 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021097756
(22)【出願日】2021-06-11
(31)【優先権主張番号】16/984,286
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム カリル
(72)【発明者】
【氏名】ケビン キム
(72)【発明者】
【氏名】フマユーン カビール
【テーマコード(参考)】
4M104
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA04
4M104CC01
4M104FF01
4M104FF02
4M104FF11
4M104GG11
4M104GG18
5F102GA01
5F102GB01
5F102GB02
5F102GC01
5F102GL04
5F102GV03
(57)【要約】
【課題】ソース・ドレイン間のピッチを損なうことなく、占有面積の削減を可能にする。
【解決手段】半導体デバイスは、基板に形成された活性領域を含む。活性領域は、基板内に配置されるとともに、互いに実質的に平行に配向された入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガを含む。入力ポートは入力フィンガに電気的に接続され、出力ポートは出力フィンガに電気的に接続されている。共通領域は、共通フィンガに電気的に接続されている。入力ポートおよび出力ポートの少なくとも1つは、入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガの間の活性領域内に配置されている。共通領域は、ペアの共通フィンガがギャップによって離間されるように共通フィンガのペアの間に介在しており、入力ポートおよび出力ポートの少なくとも1つがギャップ内に配置されている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
基板内に形成された活性領域であって、前記基板内に配置されるとともに、互いに実質的に平行に配向された入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガを含む前記活性領域と、
前記入力フィンガに電気的に接続された入力ポートと、
前記出力フィンガに電気的に接続された出力ポートと、
前記共通フィンガに電気的に接続された共通領域と、を備え、前記入力ポートおよび前記出力ポートの少なくとも1つが、前記入力フィンガ、前記出力フィンガ、および前記共通フィンガの間の前記活性領域内に配置されている、半導体デバイス。
【請求項2】
前記共通領域は、ペアの前記共通フィンガがギャップによって離間されるように前記共通フィンガのペアの間に介在しており、前記共通領域は、ペアの前記共通フィンガの各々に電気的に接続されており、
前記入力ポートおよび前記出力ポートの少なくとも1つが前記ギャップ内に配置されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
ペアの前記共通フィンガの各々は、前記共通領域が位置している中間領域を有しており、前記ギャップは、前記共通領域の第1の側における第1のギャップであり、前記共通領域の第2の側において第2のギャップが形成されており、
前記入力ポートは前記第1のギャップ内に配置されており、
前記出力ポートは前記第2のギャップ内に配置されている、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記共通領域が、前記入力ポートと前記入力ポートとの間に介在するとともに、前記入力ポートおよび前記入力ポートの各々から電気的に絶縁されている、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記共通領域が、前記基板を貫通して延在するとともに、前記半導体デバイスの共通ノードに接続するビア接続を含む、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記ビア接続が第1のビア接続であり、前記共通領域が、前記第1のビア接続から離間している第2のビア接続をさらに含んでおり、前記第2のビア接続は、前記基板を貫通して延在するとともに、前記半導体デバイスの前記共通ノードに接続している、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記ビア接続は、主軸および副軸を有する非円形断面を有しており、前記主軸は主軸長を有しており、前記副軸は前記主軸よりも短い副軸長を有しており、前記主軸は、前記入力フィンガ、前記出力フィンガ、および前記共通フィンガの長手方向の寸法に平行に配向されている、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記入力ポートは、入力ボンドパッドを含んでおり、
前記出力ポートは、出力ボンドパッドを含んでおり、前記入力ボンドパッドおよび前記出力ボンドパッドの各々は、ワイヤボンディング用に構成されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記入力ポートは、入力パッドを含んでおり、
前記出力ポートは、出力パッドを含んでおり、
前記共通領域は、共通パッドを含んでおり、前記入力パッド、前記出力パッド、および前記共通パッドの各々は、フリップチップボンディング用に構成されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記入力フィンガは、ゲートフィンガであり、前記出力フィンガは、ドレインフィンガであり、前記共通フィンガは、トランジスタのソースフィンガである、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
半導体デバイスであって、
基板内に形成された活性領域であって、前記基板内に配置されるとともに、互いに実質的に平行に配向された入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガを含む前記活性領域と、
前記入力フィンガに電気的に接続された入力ポートと、
前記出力フィンガに電気的に接続された出力ポートと、
前記共通フィンガのペアの間に介在する共通領域と、を備え、前記共通領域は、ペアの前記共通フィンガの各々の中間領域に位置しており、前記共通領域は、ペアの前記共通フィンガの各々に電気的に接続されており、前記共通フィンガは、前記共通領域の第1の側における第1のギャップによって離間されており、前記共通フィンガは、前記共通領域の第2の側における第2のギャップによって離間されており、前記入力ポートは、前記活性領域内の前記第1のギャップ内に配置されており、前記出力ポートは、前記活性領域内の前記第2のギャップ内に配置されており、前記共通領域は、第1および第2の出力ポートの各々から電気的に絶縁されている、半導体デバイス。
【請求項12】
前記共通領域が、前記基板を貫通して延在するとともに、前記半導体デバイスの共通ノードに接続するビア接続を含む、請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記ビア接続が第1のビア接続であり、前記共通領域が、前記第1のビア接続から離間している第2のビア接続をさらに含んでおり、前記第2のビア接続は、前記基板を貫通して延在するとともに、前記半導体デバイスの前記共通ノードに接続している、請求項12に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記ビア接続は、主軸および副軸を有する非円形断面を有しており、前記主軸は主軸長を有しており、前記副軸は前記主軸よりも短い副軸長を有しており、前記主軸は、前記入力フィンガ、前記出力フィンガ、および前記共通フィンガの長手方向の寸法に平行に配向されている、請求項12に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記入力ポートは、入力ボンドパッドを含んでおり、
前記出力ポートは、出力ボンドパッドを含んでおり、前記入力ボンドパッドおよび前記出力ボンドパッドの各々は、ワイヤボンディング用に構成されている、請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記入力ポートは、入力パッドを含んでおり、
前記出力ポートは、出力パッドを含んでおり、
前記共通領域は、共通パッドを含んでおり、前記入力パッド、前記出力パッド、および前記共通パッドの各々は、フリップチップボンディング用に構成されている、請求項11に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
半導体デバイスであって、
基板内に形成された活性領域であって、前記基板内に配置されるとともに、互いに実質的に平行に配向された入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガを含む前記活性領域と、
前記入力フィンガに電気的に接続された入力ボンドパッドと、
前記出力フィンガに電気的に接続された出力ボンドパッドと、
前記共通フィンガに電気的に接続された共通領域と、を備え、前記共通領域は、前記基板を貫通して延在するとともに、前記半導体デバイスの共通ノードに接続するビア接続を含んでおり、前記入力ボンドパッドおよび前記出力ボンドパッドの少なくとも1つが前記共通フィンガのペアの間の前記活性領域内に配置されており、前記入力ボンドパッドおよび前記出力ボンドパッドの各々がワイヤボンディング用に構成されている、半導体デバイス。
【請求項18】
前記共通領域は、前記共通フィンガのペアの間に介在しており、前記共通領域は、前記ペアの前記共通フィンガの各々の中間領域に位置しているとともに、ペアの前記共通フィンガの各々に電気的に接続されており、前記共通フィンガは、前記共通領域の第1の側における第1のギャップによって離間されており、前記共通フィンガは、前記共通領域の第2の側における第2のギャップによって離間されており、前記入力ボンドパッドは、前記活性領域内の前記第1のギャップ内に配置されており、前記出力ボンドパッドは、前記活性領域内の前記第2のギャップ内に配置されている、請求項17に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記ビア接続が第1のビア接続であり、前記共通領域は、前記第1のビア接続から離間している第2のビア接続をさらに含んでおり、前記第2のビア接続は、前記基板を貫通して延在するとともに、前記半導体デバイスの前記共通ノードに接続している、請求項17に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
前記ビア接続は、主軸および副軸を有する非円形断面を有しており、前記主軸は主軸長を有しており、前記副軸は前記主軸よりも短い副軸長を有しており、前記主軸は、前記入力フィンガ、前記出力フィンガ、および前記共通フィンガの長手方向の寸法に平行に配向されている、請求項17に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、半導体デバイスに関する。より具体的には、本発明は、トランジスタの活性領域内に配置されるとともに、入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガの間に配置された入力および出力(I/O)ポートを利用するトランジスタのレイアウトに関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタデバイスは、様々な電子回路用途において利用されている。電界効果トランジスタ(FET)デバイスは、通常、ドレインリード、ソースリード、およびゲートリードを含む。チャネルはドレインとソースとの間に配置されており、チャネルは、FETデバイスがオンしたときに電流を伝導するFETデバイスの部分である。ゲートは、チャネル内の電流の流れを制御するために使用されるデバイスの制御入力である。
【0003】
様々な回路用途において、FETデバイスは2ポート能動デバイスとして利用され得る。2ポート構成では、3つのFETリードのうち2つが入力ポートおよび出力ポートとして機能するとともに、第3のFETリードが回路の接地電位に接続される共通接続として使用される。特定の2ポート構成に応じて、3つのFETリードのいずれかを入力ポート、出力ポート、または共通接続として利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0002137号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2018/0226506号明細書
【特許文献3】米国特許第10734303号明細書
【特許文献4】米国特許第10594276号明細書
【特許文献5】米国特許第10075132号明細書
【発明の概要】
【0005】
開示の態様は、添付の特許請求の範囲において定義されている。
第1の態様では、基板内に形成された活性領域であって、基板内に配置されるとともに、互いに実質的に平行に配向された入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガを含む活性領域と、入力フィンガに電気的に接続された入力ポートと、出力フィンガに電気的に接続された出力ポートと、共通フィンガに電気的に接続された共通領域と、を備え、入力ポートおよび出力ポートの少なくとも1つが、入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガの間の活性領域内に配置されている、半導体デバイスが提供される。
【0006】
第2の態様では、基板内に形成された活性領域であって、基板内に配置されるとともに、互いに実質的に平行に配向された入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガを含む活性領域と、入力フィンガに電気的に接続された入力ポートと、出力フィンガに電気的に接続された出力ポートと、共通フィンガのペアの間に介在する共通領域と、を備え、共通領域は、ペアの共通フィンガの各々の中間領域に位置しており、共通領域は、ペアの共通フィンガの各々に電気的に接続されており、共通フィンガは、共通領域の第1の側における第1のギャップによって離間されており、共通フィンガは、共通領域の第2の側における第2のギャップによって離間されており、入力ポートは、活性領域内の第1のギャップ内に配置されており、出力ポートは活性領域内の第2のギャップ内に配置されており、共通領域は第1および第2の出力ポートの各々から電気的に絶縁されている、半導体デバイスが提供される。
【0007】
第3の態様では、基板内に形成された活性領域であって、基板内に配置されるとともに、互いに実質的に平行に配向された入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガを含む活性領域と、入力フィンガに電気的に接続された入力ボンドパッドと、出力フィンガに電気的に接続された出力ボンドパッドと、共通フィンガに電気的に接続された共通領域と、を備え、共通領域は、基板を貫通して延在するとともに、半導体デバイスの共通ノードに接続するビア接続を含み、入力ボンドパッドおよび出力ボンドパッドの少なくとも1つが、共通フィンガのペアの間の活性領域内に配置されており、入力ボンドパッドおよび出力ボンドパッドの各々がワイヤボンディング用に構成されている、半導体デバイスが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図は、同様の参照番号が異なる図の全体にわたって同一または機能的に同じ構成要素を参照しているが、これらの図は、必ずしも縮尺通りに描かれておらず、以下の詳細な説明とともに本明細書に組み込まれるとともに、本明細書の一部を形成しているので、本発明による様々な実施形態をさらに図示するとともに、様々な原理および利点を説明するのに役立つ。
図1】共通ソースFETデバイス構成の概略図である。
図2】従来技術のFETデバイスのレイアウトの平面図である。
図3】一実施形態によるFETデバイスのレイアウトの平面図である。
図4図3のFETデバイスの一部の拡大平面図である。
図5図4の断面線5-5に沿ったFETデバイスの側面断面図である。
図6】別の実施形態によるFETデバイスの拡大平面図である。
図7】別の実施形態によるFETデバイスのレイアウトの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
概要において、本明細書に開示される実施形態は、半導体デバイスに関するものであり、より具体的には、入力ポートおよび/または出力ポートが、ソース接続とともに、トランジスタデバイスの活性領域内に配置されているとともに、トランジスタデバイスの入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガの間に配置されているトランジスタに対するレイアウトに関するものである。トランジスタのレイアウトは、トランジスタフィンガ間のギャップを効果的に利用して、トランジスタデバイスの入力ポートおよび/または出力ポートを作成することを可能にする。入力ポートおよび/または出力ポートは、ワイヤボンディング用のボンドパッドまたはフリップチップボンディング用のはんだバンプを含み得る。従って、そのようなトランジスタのレイアウトは、マルチポート回路構成において適切に利用することができるとともに、ダイサイズおよび性能の両方において利点を得ることができる。さらに、基板貫通ビア(TSV:through substrate via)接続(「ビア接続」または「ソースビア」と呼ばれることもある)を含む実施形態では、このサイズの縮小によってソース・ドレイン間のピッチ(SDP:source-to-drain pitch)が損なわれることはない。本明細書で使用される場合、「ビア接続」または「ソースビア」という用語は、ウェハの2つ以上の層の間に延在する金属(例えば、金または銅)接続を意味し、その金属は、典型的には、ウェハの側面上の1つのトランジスタのソースを、基板を貫通して裏側の金属化層に電気的に接続する。「ソース・ドレイン間のピッチ」という用語は、所与のトランジスタのフィンガに関するソース接点とドレイン接点との中心間の距離を意味する。
【0010】
本開示は、本発明による少なくとも1つの実施形態を可能にする方法でさらに説明するために提供されるものである。本開示はさらに、本発明を何らかの方法で制限するものではなく、本発明の原理およびその利点に対する理解および認識を高めるために提供される。本発明は、本出願の係属中になされた補正を含む添付の特許請求の範囲および発行されたそれらの請求項のすべての均等物によってのみ定義される。
【0011】
第1および第2、上部および下部などのような関係用語がある場合、これらの用語は、ある実体または動作を別の実体または動作から互いに区別するためにのみ使用されており、これらの実体または動作間の実際の関係または順序を必ずしも必要とせず、また暗示するものではないことが理解されるべきである。さらに、いくつかの図は、異なる構成要素を区別するために様々な陰影および/またはハッチングを使用して説明され得る。これらの異なる構成要素は、堆積、パターニング、エッチングなどの現在および今後の微細加工技術を利用して製造することができる。従って、図では異なる陰影および/またはハッチングが利用されているが、異なる構成要素は同じ材料から形成され得る。
【0012】
図1を参照すると、図1は、共通ソース電界効果トランジスタ(FET)デバイス構成20の概略図を示す。共通ソースFET構成20において、ゲートGは入力ポート22として機能し、ドレインDは出力ポート24として機能する。ソースSは、図1に示されるように接地されているFETのリードであるため、共通ソース構成20における共通接続26として機能する。従って、共通ソース構成20は、FETの3つのリードのうちの2つが入力ポートおよび出力ポートとして機能し、第3のリードが共通接続として利用される2ポート能動デバイスの例である。説明を明確にするために、本明細書で説明するトランジスタのレイアウトは、共通ソース構成20を有する。しかしながら、以下の説明は、例えば、ゲートが共通接続として機能するか、または、ドレインが共通接続として機能する、他の2ポート能動半導体デバイス構成にも同等に適用される。
【0013】
図2は、従来技術のFETデバイス30のレイアウトの平面図を示す。FETデバイス30は、半導体基板32内に配置されるように構成された多層回路手法を採用することができる。FETデバイス30は、実質的に平行な構成で基板32内に配置された複数組の交互配置されたゲートフィンガ36(6個が示される)、ドレインフィンガ38(3個が示される)、およびソースフィンガ40(4個が示される)を有する、全体的に破線ボックス34によって示される活性領域を含む。ゲートフィンガ36はバス42によって共に結合されており、ボンドパッド(本明細書では入力ポート44と呼ばれる)は、活性領域34の入力側においてバス42に結合されている。同様に、ドレインフィンガ38は、別のバス46によって共に結合されており、ボンドパッド(本明細書では出力ポート48と呼ばれる)は、活性領域34の出力側においてバス46に結合されている。1つまたは複数のビア接続50は、各ソースフィンガ40に接続されている。ビア接続50は、基板32を貫通して延在するとともに、ソースフィンガ40を基板32の下面上の接地面(図示せず)に接続するように機能する。ビア接続50は、非円形(例えば、長楕円形、楕円形)または円形であり得るとともに、ゲートフィンガ36に隣接する各ソースフィンガ40内に配置される。FETデバイス30のさらなる詳細については、図示を明確にするために示されていない。
【0014】
FETデバイス30は、「スロットビア」レイアウト(例えば、長楕円形のビア接続50)を有する、6個のゲート(例えば、6個のゲートフィンガ36)の単一トランジスタセルを表す。典型的なトランジスタ製品では、FETデバイス30の単一のトランジスタセルを並べて複製して、フルサイズのトランジスタを構築することができる。FETデバイス30では、ピーク電力は、通常、ドレインフィンガ38の電流処理能力(幅)によって制限される。
【0015】
高効率パワーアンプ(PA)の設計は、ますますワイヤレス通信システムの不可欠な要素部分になりつつある。実際、携帯電話基地局の市場は、第5世代(5G)通信に適していると期待される窒化ガリウム(GaN)ベースの無線周波数(RF)製品へと徐々に移行している。ドハティ(Doherty)PA回路または他のマルチパスPA回路を採用する多くの実施では、商用ワイヤレスインフラストラクチャシステムに含まれるパワートランジスタ製品がますますコストに敏感になっているとともに、面積/体積/重量に敏感になっているため、物理的なダイ領域は、重要な懸念事項である。GaN技術では、1平方ミリメートルあたりの技術はシリコン(Si)または他のIII-V族ベースの半導体よりも大幅に高価であるため、これは特に重要である。GaNはネイティブ基板上に製造されないため、格子不整合により、直径が約6インチ(15.24センチメートル)を超えるウェハサイズの増大が妨げられる。従って、各GaNウェハは、Siウェハ技術を使用して通常達成可能な数よりも少ないパワートランジスタダイを生成する傾向がある。
【0016】
図2において、ボンドパッド領域(例えば、個々の出力ポート44、48を備えたバス42、46)は、FETデバイス30のかなりのダイ領域を消費することが観察され得る。いくつかの従来技術のトランジスタ構成では、ボンドパッド領域は、FETデバイス30のダイ領域全体の約50%を占有し得る。この不所望の高い領域占有は、ダイのコスト、面積、体積、および重量を削減するという目的に反している。本明細書で説明する実施形態は、ソース・ドレイン間のピッチを損なうことなく、従来技術の設計と比較して、占有面積の削減を可能にするトランジスタレイアウトをもたらす。
【0017】
図3図4を参照すると、図3は、本発明の一実施形態によるFETデバイス60のレイアウトの平面図を示し、図4は、FETデバイス60の一部の拡大平面図を示す。FETデバイス60は、半導体基板62内に配置されるように構成された多層回路手法を採用することができる。FETデバイス60は、基板62内に形成された活性領域64を含む。活性領域64は、全体的に破線のボックスで表される外周66によって囲まれている。活性領域64は、基板62内に配置されるとともに、互いに実質的に平行に配向された、複数組の交互配置された入力ゲートフィンガ68、出力ドレインフィンガ70、および共通ソースフィンガ72を含む。
【0018】
入力ゲートフィンガ68はバス74によって共に結合されており、入力ポート76は活性領域64の入力側においてバス74に結合されている。従って、入力ポート76は、バス74を介して入力ゲートフィンガ68に電気的に接続されている。同様に、出力ドレインフィンガ70は、別のバス78によって共に結合されており、出力ポート80は、活性領域64の出力側においてバス78に結合されている。従って、出力ポート80は、バス78を介して出力ドレインフィンガ70に電気的に接続されている。共通ソース領域82は、共通ソースフィンガ72に電気的に接続されている。より具体的には、各共通ソース領域82は、共通ソースフィンガ72のペア84の間に介在するとともに、ペア84の共通ソースフィンガ72の各々に電気的に接続されている。従って、各共通ソース領域82およびその接続されたペア84の共通ソースフィンガ72は、ほぼ「H字型」の共通ソース構造をもたらす。即ち、共通ソース領域82は、各ペア84の共通ソースフィンガ72の間にまたがり、かつそれらと電気的に接続する。最も外側の入力ゲートフィンガ68に隣接する活性領域64の両端において、最も端の共通ソースフィンガ86は、「H字型」である必要はなく、代わりに、十分な幅のより従来的な細長いフィンガであり得る。
【0019】
一実施形態によれば、入力ポート76および出力ポート80のうちの少なくとも1つは、入力ゲートフィンガ68、出力ドレインフィンガ70、および共通ソースフィンガ72の間の活性領域64内に配置されている。図4の拡大図において最もよく分かるように、第1のギャップ88は、共通ソース領域82の第1の側90において形成されており、第2のギャップ92は、共通ソース領域82の第2の側94において形成されている。入力ポート76は第1のギャップ88内に配置されており、出力ポート80は第2のギャップ92内に配置されている。さらに、共通ソース領域82は、入力ポート76と出力ポート80との間に介在するとともに、入力ポート76および出力ポート80の各々から電気的に絶縁されている。従って、入力ポート76および出力ポート80は、共通ソース領域82によって互いに絶縁されている。入力ポート76(入力ボンドパッドとしての)および出力ポート80(出力ボンドパッドとしての)のこのような構成は、フィンガ68、70、72の間のスペース内においてFETデバイス60の活性領域64内に「折り畳まれている」と見なされ得る。フィンガ68、70、72間のスペースを効率的に使用することで、トランジスタの活性領域の外側にある入力ポートおよび出力ポート(例えば、図2に示されるように、入力ポート22および出力ポート24およびそれらに関連するボンドパッド44、48)を排除することによって、FETデバイス60のサイズを減少させることができる。
【0020】
図3図4の例示的な例では、入力ポート76および出力ポート80の両方が、FETデバイス60の活性領域64内に配置されている。しかしながら、代替の実施形態では、入力ポートのみ、または代わりに、出力ポートのみが、フィンガの間のスペース内において活性領域内に配置されて、トランジスタデバイスの入力側と出力側との間の効果的な絶縁を維持しながら、スペース削減を達成するようにしてもよい。
【0021】
ここで、図4に関連して図5を参照すると、図5は、図4の断面線5-5に沿ったFETデバイス60の側面断面図を示す。共通ソース領域82の各々は、基板62を貫通して延在するビア接続96を含んでおり、ビア接続96は、共通ソースフィンガ72を、基板62の下面100上の共通ノード(例えば、FETデバイス60の接地面98)に接続するように機能する。
【0022】
図3図4に戻ると、図4のビア接続96の拡大図において最もよく分かるように、いくつかの実施形態では、各ビア接続96は、例えば、第1の長さ104(または主軸長とも呼ばれる)を有する主軸102(例えば、長軸)と、第1の長さ104よりも短い第2の長さ108(または副軸長とも呼ばれる)を有する副軸106(例えば、短軸)とを有する非円形の断面を有してもよい。いくつかの実施形態では、ビア接続96の各々の主軸102は、ゲートフィンガ68、ドレインフィンガ70、およびソースフィンガ72の長手方向寸法110に平行に配向されている。長楕円形のビア接続96の特定の形状および配向は、共通ソース領域82のサイズ制約に適切に適合しながら、出力(例えば、出力ドレインフィンガ70)へのエレクトロマイグレーション制限の導入をほぼ防止し得る。非円形のビア接続が本明細書に示されているが、代替の構成は、円形のビア接続を含み得る。
【0023】
共通ソースフィンガ72は、一般的に、入力ゲートフィンガ68および出力ドレインフィンガ70の全長を延長しており、共通ソースフィンガ72は、ほぼ中央に配置されたソース領域82においてビア接続96に接続される。従って、共通ソースフィンガ72は、共通ソースフィンガ72の各々の遠位部分からソース電流を収集し、そのソース電流を、ビア接続96を介して接地面98に分流する。しかしながら、共通ソースフィンガ72の幅112は、個々の第1のギャップ88および第2のギャップ92内への入力ポート76および出力ポート80の位置決めに対応するために比較的小さい。現在および今後の製造プロセス能力によって、共通ソースフィンガ72の幅112の最小値が決定され得る。
【0024】
上記したように、入力ポート76および出力ポート80は、ボンドパッドを含み得る。即ち、入力ポート76の各々は、クロスハッチングによって示される入力ボンドパッド114を含んでおり、出力ポート80の各々は、同じくクロスハッチングによって示される出力ボンドパッド116を含んでいる。入力ボンドパッド114および出力ボンドパッド116の各々は、ワイヤボンディング用に構成されている。従って、入力ボンドパッド114および出力ボンドパッド116は、ボンドワイヤに対応するのに適切なサイズに設定されている。一例では、入力ボンドパッド114および出力ボンドパッド116の幅は、少なくとも50ミクロンであり得る。
【0025】
図6は、別の実施形態による、FETデバイス120の拡大平面図を示す。FETデバイス120には、FETデバイス60(図3図4)の多くの特徴が含まれている。例えば、FETデバイス120は、基板122内に形成された活性領域124を有する半導体基板122を含む。活性領域124は、基板122内に配置されているとともに、互いに実質的に平行に配向された、複数組の交互配置された入力ゲートフィンガ128、出力ドレインフィンガ130、および共通ソースフィンガ132を含む。
【0026】
入力ゲートフィンガ128は、バス134によって共に結合されており、入力ポート136は、活性領域124の入力側においてバス134に結合されている。従って、入力ポート136は、バス134を介して入力ゲートフィンガ128に電気的に接続されている。同様に、出力ドレインフィンガ130は、別のバス138によって共に結合されており、出力ポート140は、活性領域124の出力側においてバス138に結合されている。従って、出力ポート140は、バス138を介して出力ドレインフィンガ130に電気的に接続されている。共通ソース領域142は、共通ソースフィンガ132に電気的に接続されている。より具体的には、各共通ソース領域142は、共通ソースフィンガ132のペア144の間に介在するとともに、ペア144の共通ソースフィンガ132の各々に電気的に接続されている。従って、各共通ソース領域142およびその接続されたペア144の共通ソースフィンガ132は、ほぼ「H字型」の共通ソース構造をもたらす。即ち、共通ソース領域142は、各ペア144の共通ソースフィンガ132の間にまたがっている。第1のギャップ148は、共通ソース領域142の第1の側150において形成されており、第2のギャップ152は、共通ソース領域142の第2の側154において形成されている。入力ボンドパッド156(クロスハッチングで示される)を含む入力ポート136は、第1のギャップ148内に配置されており、出力ボンドパッド158(クロスハッチングで示される)を含む出力ポート140は、第2のギャップ152内に配置されている。
【0027】
この図示の例では、共通ソース領域142の各々は、基板122を貫通して延在する2つのビア接続160、162を含んでおり、ビア接続160、162は、共通ソースフィンガ132を、FETデバイス120の共通ノード(図示せず)に接続するように機能する。この例では、ビア接続160、162の各々は、主軸164(例えば、長軸)および副軸166(例えば、短軸)を有する非円形の断面を有する。さらに、ビア接続160、162の各々の主軸164は、入力ゲートフィンガ128、出力ゲートフィンガ130、および共通ソースフィンガ132の長手方向寸法168に対して垂直に配向されている。
【0028】
一般に、ビア接続160、162はソース電流を搬送する。複数のビア接続160、162は、図4の単一のビア接続構成と比較して、ゲートフィンガおよびドレインフィンガのフィンガ設計に応じて、より多くのソース電流を搬送するように実施され得る。例えば、比較的長いゲートフィンガ128およびドレインフィンガ130は、より大きなソース電流を生成し、さらに、複数のビア接続160、162のためのソース領域142における追加のスペースを設けることを可能にする。さらに、長楕円形のビア接続160、162の特定の形状、向き、およびペアは、図4の単一のビア接続構成と比較して、共通ソース領域82のサイズ制約に適切に適合しながら、出力(例えば、出力ドレインフィンガ130)へのエレクトロマイグレーション制限の導入をより効果的に防止し得る。当業者は、入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガの組み合わせ、および単位ゲート幅(UGW、通常は10~15ミクロンの範囲)を考慮して、ビア接続の他の様々な構成が導き出され得ることを認識するであろう。
【0029】
図7は、本発明の別の実施形態による、FETデバイス170のレイアウトの平面図を示す。FETデバイス170は、フリップチップ相互接続方法に適した例示的なレイアウトとして提供されている。即ち、FETデバイス170は、はんだバンプが様々なトランジスタフィンガ上に堆積されるフリップチップボンディング用に構成され得る。上記したFETデバイスと同様に、FETデバイス170は、半導体基板172内に配置されるように構成された多層回路手法を採用することができる。FETデバイス170は、全体的に破線のボックスで表される外周176によって囲まれている、基板172内に形成された活性領域174を含む。活性領域174は、基板172内に配置されるとともに、互いに実質的に平行に配向された、複数組の交互配置された入力ゲートフィンガ178、出力ドレインフィンガ180、および共通ソースフィンガ182を含む。
【0030】
上記した構成と同様に、入力ゲートフィンガ178は、バス184によって共に結合されており、入力ポート186は、活性領域174の入力側においてバス184に結合されているため、入力ポート186は、バス184を介して入力ゲートフィンガ178に電気的に接続されている。同様に、出力ドレインフィンガ180は、別のバス188によって共に結合されており、出力ポート190は、活性領域174の出力側においてバス188に接続されているため、出力ポート190は、バス188を介して出力ドレインフィンガ180に電気的に接続されている。共通ソース領域192は、共通ソースフィンガ182に電気的に接続されている。より具体的には、各共通ソース領域192は、共通ソースフィンガ192のペア194の間に介在するとともに、ペア194の共通ソースフィンガ182の各々に電気的に接続されている。従って、各共通ソース領域192およびその接続されたペア194の共通ソースフィンガ182は、ほぼ「H字型」の共通ソース構造をもたらす。
【0031】
図示の実施形態では、入力ポート186の各々は、入力パッド196(クロスハッチングによって表される)を含んでおり、出力ポート190の各々は、出力パッド198(クロスハッチングによって表される)を含んでいる。入力パッド196および出力パッド198の各々は、1つまたは複数のはんだバンプの形態であり得る。さらに、共通ソース領域の各は、ビア接続(例えば、図4のビア接続94、図6のビア接続160、162)の代わりに、はんだバンプの形態で、少なくとも1つの共通パッド200(クロスハッチングによって表される)を含む。FETデバイス170を搭載するために、FETデバイス170は、その上面が下を向くように反転されるとともに、その入力パッド196、出力パッド198、および共通パッド200が、プリント回路基板(PCB)などの外部回路(図示せず)上の対応するパッド(図示せず)と一致するように整列される。はんだは、相互接続を完了するためにリフローされる。このような構成では、前面共通パッド200は、例えば、PCBの上面においてソースを(共通ソースフィンガ182および共通ソース領域192を介して)接続することができる。共通パッド200が入力パッド196および出力パッド198との間に実装されているため、ビア接続を使用することなく、ゲートとドレインとの間に効果的な絶縁を提供することができる。
【0032】
本明細書に記載の実施形態は、半導体デバイスに関するものであり、より具体的には、入力ポートおよび/または出力ポートがトランジスタデバイスの活性領域内に配置されているとともに、トランジスタデバイスの入力フィンガ、出力フィンガ、および共通フィンガの間に配置されているトランジスタデバイスのレイアウトに関するものである。トランジスタのレイアウトは、トランジスタフィンガ間のギャップを効果的に利用して、トランジスタデバイスの入力ポートおよび/または出力ポートを作製することを可能にする。入力ポートおよび/または出力ポートは、ワイヤボンディング用のボンドパッドまたはフリップチップボンディング用のはんだバンプを含み得る。従って、トランジスタのレイアウトは、ダイサイズおよび性能の両方で利点を得ることができる。さらに、基板貫通ビア(TSV:through substrate via)接続を含む実施形態では、このサイズの縮小によってソース・ドレイン間のピッチ(SDP:source-to-drain pitch)が損なわれることはない。
【0033】
本開示は、本発明の真の、意図された、そして公正な範囲および思想を制限するのではなく、本発明による様々な実施形態を形成するとともに使用する方法を説明することを意図している。前述の説明は、網羅的であること、または本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、改良または変形が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実用的な適用の最良の例示を提供するとともに、当業者が、企図される特定の用途に適した様々な実施形態において、および様々な改良において本発明を利用できるようにするために選択および説明されたものである。そのようなすべての改良および変形は、特許出願の係属中に補正される可能性がある、添付の特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲内にあり、それらのすべての均等物は、それらが公正に、法的に、かつ衡平に権利を与えられる範囲に従って解釈される場合には、本発明の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】