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特開2022-29435情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029435
(43)【公開日】2022-02-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20220209BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220209BHJP
   G06Q 30/00 20120101ALI20220209BHJP
【FI】
G06Q20/08 302
G06Q50/10
G06Q30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122198
(22)【出願日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】P 2020132274
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】507088613
【氏名又は名称】株式会社キャッチボール
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】端 郁夫
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB22
5L049CC11
5L055AA36
(57)【要約】
【課題】代金や料金の決済に銀行口座からの引き落としが利用される状況下においても、当該料金の決済に係る手続きに伴う事業者への負担や不利益の発生をより好適な態様で低減する。
【解決手段】商品の販売またはサービスの提供を行う事業者に替えて、あらかじめ登録された銀行口座から、消費者による前記商品の購入に伴う代金または前記サービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する代行者サーバを含み、前記代行者サーバは、前記代金または前記料金の請求の対象となる前記消費者に対する所定の審査の結果を取得する取得手段と、前記審査の結果に応じて、前記事業者に対する前記代金または前記料金の入金を保証する管理手段と、を備える、情報処理システム。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の販売またはサービスの提供を行う事業者に替えて、あらかじめ登録された銀行口座から、消費者による前記商品の購入に伴う代金または前記サービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する代行者サーバを含み、
前記代行者サーバは、
前記代金または前記料金の請求の対象となる前記消費者に対する所定の審査の結果を取得する取得手段と、
前記審査の結果に応じて、前記事業者に対する前記代金または前記料金の入金を保証する管理手段と、
を備える、
情報処理システム。
【請求項2】
前記管理手段は、前記審査の結果に応じて、前記事業者に対する前記代金または前記料金の入金に係る処理を制御する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記取得手段は、前記商品の販売または前記サービスの提供に係る取引ごとに前記審査の結果を取得し、
前記管理手段は、
前記審査の結果が所定の条件を満たす場合には、前記銀行口座からの前記代金または前記料金の引き落としの可否に関わらず、前記事業者に対する当該代金または当該料金の入金に係る処理を実行し、
前記銀行口座からの前記代金または前記料金の引き落としができなかった場合には、前記代金または前記料金の請求の対象となる前記消費者に対する当該代金または当該料金の督促に係る処理を実行する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記管理手段は、
前記審査の結果が所定の条件を満たさず、かつ、前記銀行口座からの前記代金または前記料金の引き落としができなかった場合には、前記代金または前記料金の請求の対象となる前記消費者に対する当該代金または当該料金の督促に係る処理を実行し、
当該消費者からの当該代金または当該料金の支払いが確認された後に、前記事業者に対する当該代金または当該料金の入金に係る処理を実行する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記取得手段は、前記商品の販売または前記サービスの提供に係る取引ごとに前記審査の結果を取得し、
前記管理手段は、
所定の期間内に発生した複数の前記取引のうち、前記審査の結果が所定の条件を満たす1以上の前記取引について発生した前記代金または前記料金が、当該期間の経過後の所定のタイミングにおいて一括して前記銀行口座から引き落とされるように、当該代金または当該料金の引き落としに係る処理を実行し、
前記銀行口座からの引き落としが行われた前記代金または前記料金が前記事業者に入金されるように、当該代金または当該料金の入金に係る処理を実行する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記管理手段は、前記審査の結果が前記所定の条件を満たさない取引については、前記事業者に替えての前記銀行口座からの前記代金または前記料金の引き落としに係る処理の対象から除外する、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記料金は、疑似通貨のチャージに伴う料金であり、
消費者からの依頼に基づき前記疑似通貨のチャージに係る処理を実行する事業者サーバを含み、
前記事業者サーバは、前記審査の結果が前記所定の条件を満たす場合における前記管理手段による前記入金の保証に応じて、前記疑似通貨のチャージに係る処理を実行し、
前記管理手段は、前記疑似通貨のチャージが行われた後の前記所定のタイミングにおいて、当該疑似通貨のチャージに伴う前記料金が前記銀行口座から引き落とされるように、当該料金の引き落としに係る処理を実行する、
請求項5または6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記代行者サーバは、
消費者ごとに当該消費者からの指示に基づき前記代金または前記料金の決済方法を登録する登録手段と、
登録された前記決済方法に応じて、前記代金または前記料金の決済に係る処理を実行する決済手段と、
を備え、
前記登録手段は、前記審査の結果に基づき、前記消費者からの指示に基づき登録された前記決済方法を、前記事業者に対する前記代金または前記料金の入金の保証が適用される決済方法に切り替える、
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記登録手段は、前記審査の結果が所定の条件を満たさなかった場合に、前記消費者からの指示に基づき登録された前記決済方法を、前記事業者に対する前記代金または前記料金の入金の保証が伴う決済方法に切り替える、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
商品の販売またはサービスの提供を行う事業者に替えて、あらかじめ登録された銀行口座から、消費者による前記商品の購入に伴う代金または前記サービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する代行者サーバを含む情報処理システムにより実行される情報処理方法であって、
前記代行者サーバが、前記代金または前記料金の請求の対象となる前記消費者に対する所定の審査の結果を取得する取得ステップと、
前記代行者サーバが、前記審査の結果に応じて、前記事業者に対する前記代金または前記料金の入金を保証する管理ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項11】
商品の販売またはサービスの提供を行う事業者に替えて、あらかじめ登録された銀行口座から、消費者による前記商品の購入に伴う代金または前記サービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する管理手段と、
前記代金または前記料金の請求の対象となる前記消費者に対する所定の審査の結果を取得する取得手段と、
を含み、
前記管理手段は、前記審査の結果に応じて、前記事業者に対する前記代金または前記料金の入金を保証する、
情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータを、請求項11に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気、ガス、水道等の公共料金、商品の購入やサービスの利用に伴う料金、及び電子マネーに代表される疑似通貨のチャージに伴う料金等の決済に係る方法として、指定された銀行口座から料金を引き落とす方法(例えば、口座振替取引等)が知られている。例えば、特許文献1には、口座振替により料金の引き落としが行われる自動振替サービスの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-122931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、銀行口座からの引き落としにより代金や料金の決済が行われる場合には、当該銀行口座の登録に係る手続き上の誤りの発生や、残高不足等による当該銀行口座からの代金や料金の引き落とし不能に伴う督促の発生等により、決済に係る手続きが煩雑化する場合がある。このような決済に係る手続きの煩雑化は、料金の請求元となる事業者への負担や不利益の発生の要因となる場合がある。
このような背景から、代金や料金の決済に銀行口座からの引き落としが利用される状況下において、当該代金や当該料金の決済に係る手続きに伴う事業者への負担や不利益の発生をより低減する仕組みの実現が求められている。
【0005】
本発明は上記の問題を鑑み、代金や料金の決済に銀行口座からの引き落としが利用される状況下においても、当該決済に係る手続きに伴う事業者への負担や不利益の発生をより好適な態様で低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、商品の販売またはサービスの提供を行う事業者に替えて、あらかじめ登録された銀行口座から、消費者による前記商品の購入に伴う代金または前記サービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する代行者サーバを含み、前記代行者サーバは、前記代金または前記料金の請求の対象となる前記消費者に対する所定の審査の結果を取得する取得手段と、前記審査の結果に応じて、前記事業者に対する前記代金または前記料金の入金を保証する管理手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、代金や料金の決済に銀行口座からの引き落としが利用される状況下においても、当該決済に係る手続きに伴う事業者への負担や不利益の発生をより好適な態様で低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムの概略的なシステム構成の一例を示した図である。
図2】サーバのハードウェア構成の一例を示した図である。
図3】端末装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
図4】比較例に係る情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
図5】比較例に係る情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
図6】第1の実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
図7】利用者情報の一例を示した図である。
図8】第1の実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
図9】審査利用明細情報の一例を示した図である。
図10】第1の実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
図11】第1の実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
図12】審査利用明細情報の一例を示した図である。
図13】比較例に係る情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
図14】第2の実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
図15】審査利用明細情報の一例を示した図である。
図16】第2の実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
図17】変形例に係る情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
<概要>
本実施形態に係る情報処理システムにより実現されるサービスの一例について概要を説明したうえで、当該情報処理システムのシステム構成の一例について説明する。
電気、ガス、水道等の公共料金、商品の購入に伴う代金、サービスの利用に伴う料金、及び電子マネーに代表される疑似通貨のチャージに伴う料金等の決済に係る方法として、指定された銀行口座から料金を引き落とす方法(所謂口座振替取引)が知られている。一方で、銀行口座からの引き落としにより代金や料金の決済が行われる場合には、当該銀行口座の登録に係る手続き上の誤りの発生や、残高不足等のよる当該銀行口座からの代金や料金の引き落とし不能に伴う督促の発生等により、決済に係る手続きが煩雑化する場合がある。
このような状況を鑑み、本開示では、上記に例示した代金や各種料金の決済に際し、所定の銀行口座からの当該代金や当該料金の引き落としに係る各種手続きを、商品の販売やサービスの提供を行う事業者に替えて代行者が行うことで、代金や料金の決済に係る手続きの煩雑化を防止可能とする仕組みを提案する。
【0011】
ここで、本開示において使用される用語の定義について説明する。本開示において、「消費者」とは、商品の購入やサービスの利用の主体となるユーザ(エンドユーザ)を示すものとする。また、「事業者」とは、消費者に対して商品の販売やサービスの提供を行う企業や個人事業主等を示している。例えば、ECサイト等を介した電子商取引により消費者に対して商品を販売する販売主は、「事業者」の一例に相当する。また、本開示においては、「事業者」が提供するサービスには、消費者が商品の購入やサービスの利用に際し代金や料金の支払いに利用する疑似通貨(例えば、電子マネー等)のチャージも含まれるものとする。また、「代行者」は、消費者による商品の購入やサービスの利用に伴う代金や料金の請求や決済に係る手続きを、事業者に替えて実行する代行業者等を示している。具体的な一例として、本開示における代行者は、代金や各種料金の決済に際し、事業者に替えてあらかじめ登録された銀行口座(例えば、消費者の銀行口座)から当該代金や当該料金の引き落としを行い、当該事業者に対して当該料金の入金を行う。
【0012】
ここで、図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの概略的なシステム構成の一例について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、代行者サーバ110と、事業者サーバ130と、消費者端末210とを含む。代行者サーバ110と、事業者サーバ130と、消費者端末210とは、所定のネットワークNを介して相互に情報やデータを送受信可能に接続されている。
【0013】
なお、ネットワークNは、代行者サーバ110と、事業者サーバ130と、消費者端末210と、の間を接続することが可能であれば、その種別は特に限定されない。具体的な一例として、ネットワークNとして、インターネット、専用線、公衆回線(例えば、電話回線、移動体通信回線等)、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が適用されてもよい。また、ネットワークNは、無線のネットワークであってもよく、有線のネットワークであってもよい。また、ネットワークNは、複数種類の異なるネットワークを含んでもよい。具体的な一例として、代行者サーバ110と、事業者サーバ130と、消費者端末210との間の通信が、他の通信装置により中継されてもよい。この場合において、当該他の通信装置と、代行者サーバ110、事業者サーバ130、及び消費者端末210それぞれとの間の通信に対して、互いに異なる種別のネットワークが適用されてもよい。
【0014】
事業者サーバ130は、電子商取引を含む通信販売のように実店舗を介さずに消費者に対して商品の販売やサービスの提供を行う事業者が管理するサーバであって、当該商品の販売や当該サービスの提供に係る各種手続きを実現するための処理を実行する。具体的な一例として、事業者サーバ130は、消費者が商品の購入やサービスの利用を行うための、当該消費者と事業者との間の取引のための各種手続きに係る処理を実行する。なお、事業者サーバ130の処理の詳細については別途後述する。
【0015】
代行者サーバ110は、消費者による商品の購入に伴う代金やサービスの利用に伴う料金の決済に係る手続きを、当該商品の販売や当該サービスの提供を行う事業者(換言すると、当該事業者が管理する事業者サーバ130)に替えて実行する。具体的な一例として、代行者サーバ110は、消費者と事業者との間の取引に伴い消費者に対する代金や料金の請求が発生した場合に、事業者に替えて(換言すると、事業者サーバ130に替えて)、あらかじめ登録された銀行口座から当該代金や当該料金の引き落としに係る処理を実行する。また、代行者サーバ110は、事業者に替えて代金や料金の引き落としに係る処理を実行する場合には、当該事業者に対する当該代金や当該料金の入金に係る処理を実行する。
【0016】
消費者端末210は、消費者が各種手続きを実行するために利用する端末装置を模式的に示している。消費者端末210は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、及びタブレット端末等のように、ネットワークを通信が可能な情報処理装置により実現され得る。
【0017】
なお、図1に示すシステム構成はあくまで一例であり、必ずしも本実施形態に係る情報処理システムのシステム構成を限定するものではない。具体的な一例として、事業者サーバ130及び代行者サーバ110のうち少なくともいずれかが複数のサーバが協働することで実現されてもよい。また、他の一例として、事業者サーバ130及び代行者サーバ110のうち少なくともいずれかが、1以上のサーバにより実現される仮想サーバにより実現されてもよい。より具体的な一例として、1以上のサーバにより実現される複数の仮想サーバそれぞれが、互いに異なる事業者の事業者サーバ130として割り当てられてもよい。
【0018】
<ハードウェア構成>
本実施形態に係る情報処理システムに含まれる各装置のハードウェア構成の一例について以下に説明する。
【0019】
(サーバのハードウェア構成)
図2を参照して、代行者サーバ110や事業者サーバ130として適用可能なサーバ100のハードウェア構成の一例について説明する。サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、ネットワークI/F105とを含む。CPU101、ROM102、RAM103、HDD104、及びネットワークI/F105は、システムバス106を介して相互に通信可能に接続されている。
【0020】
CPU101は、ROM102に記憶された制御プログラムをRAM103に展開し、展開された当該制御プログラムを実行することでサーバ100の各種機能を実現する。ROM102は、サーバ100の各種機能を実現するためのプログラム(例えば、OS:Operation System等)やデータ等を記憶する。RAM103は、CPU101の主記憶領域や、ワークエリア等のような各種情報や各種データを一時的に記憶する記憶領域として用いられる。
HDD104は、各種データや各種プログラムを記憶する補助記憶装置である。なお、HDD104に替えて、またはHDD104とともに、SSD(Solid State Drive)に代表される不揮発性メモリ等のような、HDD104以外の他の記憶装置が使用されてもよい。
ネットワークI/F105は、サーバ100が、外部の装置(例えば、他のサーバ100や後述する端末装置200等)と所定のネットワークを介して通信を行うための通信インタフェースである。
【0021】
CPU101が、ROM102やHDD104等に記憶されたプログラムをRAM103に展開して実行することで、後述する代行者サーバ110または事業者サーバ130の処理が実現される。
【0022】
(端末装置のハードウェア構成)
図3を参照して、消費者端末210として適用可能な端末装置200のハードウェア構成の一例について説明する。端末装置200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD204と、ネットワークI/F205とを含む。また、端末装置200は、入力装置206と、出力装置207とのうち少なくともいずれかを含んでもよい。CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、ネットワークI/F205、入力装置206、及び出力装置207は、システムバス208を介して相互に通信可能に接続されている。
【0023】
CPU201は、ROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に展開し、展開された当該制御プログラムを実行することで端末装置200の各種機能を実現する。ROM202は、端末装置200の各種機能を実現するためのプログラム(例えば、OS:Operation System等)やデータ等を記憶する。RAM203は、CPU201の主記憶領域や、ワークエリア等のような各種情報や各種データを一時的に記憶する記憶領域として用いられる。
HDD204は、各種データや各種プログラムを記憶する補助記憶装置である。なお、HDD204に替えて、またはHDD204とともに、SSDに代表される不揮発性メモリ等のような、HDD204以外の他の記憶装置が使用されてもよい。
ネットワークI/F205は、端末装置200が、外部の装置(例えば、サーバ100等)と所定のネットワークを介して通信を行うための通信インタフェースである。
【0024】
入力装置206は、ユーザからの各種指示の受け付けに利用される。例えば、入力装置206は、ポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル等の入力装置により実現され得る。また、他の一例として、入力装置206は、マイクロフォン等の集音デバイスを含み、ユーザが発話した音声を集音してもよい。この場合には、集音された音声に対して音響解析や自然言語処理等の各種解析処理が施されることで、この音声が示す内容がユーザからの指示として認識される。また、入力装置206として適用されるデバイスは、ユーザからの指示を認識する方法に応じて適宜変更されてもよい。また、入力装置206として複数種類のデバイスが適用されてもよい。
【0025】
出力装置207は、各種情報を出力する装置であり、ユーザに対する各種情報の提示に利用される。例えば、出力装置207は、ディスプレイ等の表示装置により実現され得る。この場合には、出力装置207は、各種表示情報を表示させることで、ユーザに対して情報を提示する。また、他の一例として、出力装置207は、音声や電子音等の音を出力する音響出力デバイスにより実現されてもよい。この場合には、出力装置207は、音声や電子音等の音を出力することで、ユーザに対して情報を提示する。なお、出力装置207として適用されるデバイスは、ユーザに対して情報を提示するために利用する媒体に応じて適宜変更されてもよい。
【0026】
CPU201が、ROM202やHDD204等に記憶されたプログラムをRAM203に展開して実行することで、後述する消費者端末210の処理が実現される。
【0027】
<第1の実施形態>
本開示に係る情報処理システムの第1の実施形態について、公共料金や定期購入に伴う料金のように定期的に発生する料金の支払いが、口座振替取引等のようにあらかじめ登録された銀行口座からの引き落としにより実現される場合に着目して説明する。
【0028】
(比較例)
まず、本実施形態に係る情報処理システムの特徴をより分かりやすくするために、比較例として、図4及び図5を参照して、一般的に採用されている銀行口座からの料金の引き落としを実現するための仕組みの一例について説明する。なお、ここでは、商品の販売やサービスの提供を行う事業者が管理する事業者サーバ130が、銀行口座の登録に係る処理や、当該銀行口座からの料金の引き落としに係る処理を実行するものとする。
【0029】
まず、図4を参照して、料金の引き落としに利用される銀行口座の登録に係る処理の流れの一例について説明する。
S101において、事業者サーバ130は、消費者端末210を介した消費者からの、銀行口座からの料金の引き落としに係るサービスを利用するための申し込みを受けると、あわせて銀行口座の登録に係る依頼を受け付ける。この際に、事業者サーバ130は、消費者により指定された登録の対象となる銀行口座に関する情報(例えば、口座番号等)を、消費者端末210から取得する。
S102において、事業者サーバ130は、取得した銀行口座に関する情報に基づき、対象となる銀行にアクセスし、指定された銀行口座の登録(例えば、既に開設されている銀行口座の確認等)に係る処理を実行する。
S103において、事業者サーバ130は、銀行口座の登録に係る処理の結果に応じた情報を消費者端末210に通知する。
【0030】
なお、S101において指定された銀行口座に関する情報に誤りがある場合には、S102の処理において当該銀行口座の登録に係る処理においてエラーが発生し、S103において銀行口座の登録が行われなかった旨の情報が消費者端末210に通知される。このような状況下において、銀行口座の登録に係る手続きが継続される場合には、改めて図4に示す銀行口座の登録に係る一連の処理が実行されることとなり、このような煩雑な手続きが事業者側への負担となるような状況も想定され得る。
【0031】
次いで、図5を参照して、銀行口座からの料金の引き落としに係る処理の一例について説明する。なお、図5を参照して説明する例では、消費者が消費者端末210を介して事業者サーバ130にアクセスすることで所定のサービスを利用した場合に、当該サービスの利用に伴う料金が、口座振替等により登録された銀行口座から引き落とされるものとする。
【0032】
まず、S111~S113として、サービスの利用に伴う料金の引き落としが成功する場合の処理の流れの一例について説明する。
事業者サーバ130は、S111において消費者端末210を介して消費者によりサービスが利用されると、S112において当該消費者に宛てて当該サービスの利用に伴う料金の明細書を発行する。例えば、図5に示す例では、事業者サーバ130は、サービスを利用した消費者の消費者端末210に対して、当該サービスの利用に伴う料金の明細書を通知している。
また、S113において、事業者サーバ130は、登録された銀行口座に対応する銀行にアクセスし、当該銀行口座からのS111におけるサービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する。なお、ここでは、銀行口座からの料金の引き落としが成功したものとする。この場合には、銀行口座からの料金の引き落としに係る処理が正常に終了する。
【0033】
次いで、S114~S117として、サービスの利用に伴う料金の引き落としが失敗する場合(例えば、残高不足等により失敗する場合)の処理の流れの一例について説明する。なお、S114及びS115の処理は、上述したS111及びS112の処理と実質的に同様であるため、詳細な説明は省略する。
S116において、事業者サーバ130は、登録された銀行口座に対応する銀行にアクセスし、当該銀行口座からのS114におけるサービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する。なお、ここでは、残高不足等により銀行口座からの料金の引き落としができなかった(料金の引き落としに失敗した)ものとする。
S117において、事業者サーバ130は、料金の請求先である消費者に対する料金の督促に係る処理を実行する。具体的には、事業者サーバ130は、当該消費者に宛てて当該料金の督促状を発行する。例えば、図5に示す例では、事業者サーバ130は、サービスを利用した消費者の消費者端末210に対して、当該サービスの利用に伴う料金の督促を通知している。
【0034】
この場合には、消費者が、料金の督促に従い所望の支払い方法により料金の支払いを行うことで、事業者に対して料金の入金が行われることとなる。そのため、銀行口座からの料金の引き落としが行えなかった場合には、料金の督促状の発行に係る作業のコストや、当該督促状の郵送に係るコストが、事業者への負担となるような状況が想定され得る。また、料金の支払い方法(例えば、コンビニ振込、郵便振込、口座指定振込、モバイル決済等)に応じて対応する督促状の発行が必要となる場合があり、この支払方法に応じて発行する督促状を切り替える作業が、事業者への負担となるような状況も想定され得る。また、督促状の発行後に消費者により支払いの手続きが行われるという特性から、事業者に対して料金が入金されるまでに遅延が生じることとなり、支払いが行われず再度督促状の発行が行われることでさらに当該遅延が発生するような状況も想定され得る。
なお、上記では、サービスの利用に伴い請求される料金を口座振替等により銀行口座から引き落とす場合に着目して説明したが、商品の購入に伴う料金を銀行口座から引き落とす場合についても同様である。
【0035】
以上のような状況を鑑み、本実施形態では、料金の引き落としに利用される銀行口座の登録に係る手続きや、当該銀行口座からの料金の引き落としに係る手続きを事業者に替えて代行者が代行することで、当該事業者への負担や不利益の発生をより好適な態様で低減可能とする仕組みを提案する。
【0036】
(処理)
次いで、本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例について説明する。本実施形態に係る情報処理システムでは、事業者サーバ130に替えて、代行者が管理する代行者サーバ110が、銀行口座の登録に係る処理や、当該銀行口座からの料金の引き落としに係る処理を実行する。そこで、以降では、銀行口座の登録に係る処理と、当該銀行口座からの料金の引き落としに係る処理と、のそれぞれについて個別に説明を行うものとする。
【0037】
まず、図6を参照して、料金の引き落としに利用される銀行口座の登録に係る処理の流れの一例について説明する。
S201において、事業者サーバ130は、消費者端末210を介した消費者からの、銀行口座からの料金の引き落としに係るサービスを利用するための申し込みを受けると、あわせて銀行口座の登録に係る依頼を受け付ける。
S202において、事業者サーバ130は、銀行口座の登録を行うために代行者サーバ110にアクセスするためのアクセス情報(例えば、URL等)を含む口座登録案内を消費者端末210に通知する。これにより、消費者端末210は、事業者サーバ130から通知された口座登録案内に含まれる情報(例えば、アクセス情報)に基づき、事業者サーバ130に替えて銀行口座の登録に係る処理を実行する代行者サーバ110にアクセスすることが可能となる。なお、代行者サーバ110にアクセスするためのアクセス情報については、事業者サーバ130にあらかじめ登録しておけばよい。
【0038】
S203において、代行者サーバ110は、消費者端末210から上記銀行口座の登録に係る依頼を受け付ける。この際に、代行者サーバ110は、消費者により指定された登録の対象となる銀行口座に関する情報を、消費者端末210から取得する。
S204において、代行者サーバ110は、取得した銀行口座に関する情報に基づき、対象となる銀行にアクセスし、指定された銀行口座の登録(例えば、既に開設されている銀行口座の確認等)に係る処理を実行する。
【0039】
代行者サーバ110は、S204において銀行口座の登録に係る処理が正常に完了した場合には、S205において消費者に関する情報を利用者情報として登録する。
例えば、図7は、利用者情報の一例を示した図である。利用者情報は、例えば、電話番号、名前、及び住所等のような消費者に関する情報(換言すると消費者を一意に特定するための情報)を含む。なお、上記消費者に関する情報はあくまで一例であり、消費者を一意に特定可能な情報であれば、利用者情報に含まれる消費者に関する情報の種別や数は特に限定はされない。具体的な一例として、利用者情報は、所謂ID等のように、消費者を識別するための識別情報を、上記消費者に関する情報として含んでもよい。また、利用者情報は、銀行口座からの料金の引き落としの利用対象となる事業者に関する情報や、口座番号の等のような銀行口座に関する情報等を含む。
【0040】
ここで改めて図6を参照する。S205において、代行者サーバ110は、銀行口座の登録に係る処理の結果に応じた情報を消費者端末210に通知する。
なお、上記では料金の引き落としに利用される銀行口座の登録に係る処理の流れの一例について説明したが、既に登録が行われている銀行口座が利用される場合には、図6に示す一連の処理については省略されてもよい。
【0041】
次いで、図8図12を参照して、銀行口座からの料金の引き落としに係る処理の一例について説明する。本実施形態に係る情報処理システムでは、銀行口座からの料金の引き落としが行われる場合に、事前に消費者の審査が行われ、当該審査の結果に応じて、当該銀行口座からの料金の引き落としに係る処理と、事業者への当該料金の入金に係る処理とが制御される。そこで、以降では、本実施形態に係る情報処理システムの処理について、審査結果がOKの場合と、審査結果がNGの場合とに分けて説明する。また、審査結果がOKの場合については、銀行口座からの料金の引き落としが可能な場合と、銀行口座からの料金の引き落としが不可能な場合とについて、本実施形態に係る情報処理システムの処理の説明を行うものとする。また、図8図12を参照して説明する例では、消費者が消費者端末210を介して事業者サーバ130にアクセスすることで所定のサービスを利用した場合に、当該サービスの利用に伴う料金が、口座振替等により登録された銀行口座から引き落とされるものとする。
【0042】
まず、図8を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例について、消費者の審査結果がOKとなり、かつ銀行口座からの料金の引き落としが可能な場合に着目して説明する。
事業者サーバ130は、S211において消費者端末210を介して消費者によりサービスが利用されると、S212において料金の請求対象となる当該消費者の審査を代行者サーバ110に依頼する。
【0043】
代行者サーバ110により事業者サーバ130からの消費者の審査に係る依頼が受け付けられると、S213において、当該代行者サーバ110または当該代行者サーバ110を管理する代行者により当該消費者の審査が行われる。なお、消費者の審査については、当該消費者が過去に事故を起こしているか否かや、不正利用をする可能性があるか否か等のように、銀行口座からの料金の引き落としの代行を行って問題ないかを判断するための所定の条件に基づき行われればよく、当該条件については代行者ごとに決定されてもよい。また、図8に示す例では、上述したように消費者の審査結果がOKとなった(消費者が審査に係る所定の条件を満たしていた)ものとする。
S214において、代行者サーバ110は、上記審査の結果と、対象となる消費者に関する情報と、請求の対象となる料金の明細に関する情報と、を管理するための管理情報(以下、「審査利用明細情報」とも称する)を生成して、管理対象として登録する。
【0044】
例えば、図9は、図8に示す例において生成される審査利用明細情報の一例を示した図である。
審査利用明細情報は、料金の請求対象となる消費者に関する情報を含む。具体的には、「電話番号」、「名前」、及び「住所」は、消費者に関する情報の一例に相当する。なお、この消費者に関する情報に基づき、審査利用明細情報と、図7を参照して説明した利用者情報とが関連付けられる。これにより、審査利用明細情報及び利用者情報のうち、一方の情報に基づき、他方の情報を抽出することも可能となる。
また、利用者情報と同様に、上記消費者に関する情報はあくまで一例であり、消費者を一意に特定可能な情報であれば、審査利用明細情報に含まれる消費者に関する情報の種別や数は特に限定はされない。具体的な一例として、審査利用明細情報は、所謂ID等のように、消費者を識別するための識別情報を、上記消費者に関する情報として含んでもよい。
【0045】
また、審査利用明細情報は、請求の対象となる料金の明細に関する情報を含む。例えば、「請求金額」及び「発行日時」は、請求の対象となる料金の明細に関する情報の一例に相当する。「請求金額」は、請求の対象となる料金の金額に関する情報である。また、「発行日時」は、利用明細が発行された日時に関する情報である。
【0046】
また、審査利用明細情報は、消費者の審査の結果に関する情報を含む。例えば、「承認番号」及び「審査OK区分」は、消費者の審査の結果に関する情報の一例に相当する。「承認番号」は、S213における消費者の審査の結果に応じて入力される情報であり、当該審査の結果を一意に識別するための識別情報に相当する。なお、承認番号は、各取引が一意に特定されるように、取引ごとに個別に設定される。換言すると、審査利用明細情報は、取引ごとに生成されることとなる。「審査OK区分」は、上記審査の結果に関する情報である。なお、図8に示す例の場合には、消費者の審査の結果がOKとなったため、「審査OK区分」に対して値として「OK」が設定されている。
【0047】
ここで改めて図8を参照する。S215において、代行者サーバ110は、S213における審査の結果に応じた情報を事業者サーバ130に通知する。例えば、図8に示す例では、代行者サーバ110は、上記審査の結果を識別するための承認番号を、当該審査の結果に応じた情報として、事業者サーバ130に通知している。これにより、事業者サーバ130は、対象となる消費者の審査の結果を、代行者サーバ110から通知される情報(例えば、承認番号)に基づき特定することが可能となる。
【0048】
S216において、代行者サーバ110は、料金請求の対象となる消費者に宛ててサービスの利用に伴う料金の明細書を発行する。例えば、図8に示す例では、代行者サーバ110は、サービスを利用した消費者の消費者端末210に対して、当該サービスの利用に伴う料金の明細書を通知している。
また、S217において、代行者サーバ110は、登録された銀行口座に対応する銀行にアクセスし、当該銀行口座からのS211におけるサービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する。なお、ここでは、銀行口座からの料金の引き落としが可能であるものとする。
【0049】
S218において、代行者サーバ110は、事業者に対するS211におけるサービスの利用に伴う料金の入金に係る処理を実行する。このとき、代行者サーバ110は、事業者または事業者サーバ130に対して承認番号の通知を行ってもよい。これにより、事業者または事業者サーバ130は、入金の対象となる料金がどの取引に対応しているかを、通知された承認番号に基づき特定することが可能となる。
以上により、銀行口座からのサービスの利用に伴う料金の引き落としと、事業者への当該料金の入金と、に係る一連の処理が終了する。
【0050】
なお、消費者の審査結果がNGの場合においても、銀行口座からの料金の引き落としが可能な場合には、上述した図8に示す例と同様に、銀行口座からの料金の引き落としと、事業者への当該料金の入金と、に係る処理が実行される。そのため、消費者の審査結果がNGとなり、かつ銀行口座からの料金の引き落としが可能な場合については、詳細な説明は省略するものとする。
【0051】
次いで、図10を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例について、消費者の審査結果がOKとなり、かつ銀行口座からの料金の引き落としが不可能な場合に着目して説明する。なお、S211~S216の処理については、図8に示すS211~S216の処理と実質的に同様のため、詳細な説明は省略する。
【0052】
S221において、代行者サーバ110は、登録された銀行口座に対応する銀行にアクセスし、当該銀行口座からのS211におけるサービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する。なお、ここでは、銀行口座からの料金の引き落としが、残高不足等により不可能であるものとする。
【0053】
S222において、代行者サーバ110は、審査利用明細情報の審査OK区分にOKが設定されていることから、対象となる消費者の審査の結果がOKであったことを認識する。この場合には、代行者サーバ110は、事業者に対するS211におけるサービスの利用に伴う料金の入金に係る処理を実行する。また、このとき、代行者サーバ110は、事業者または事業者サーバ130に対して承認番号の通知を行う。このように、本実施形態に係る情報処理システムでは、S213における消費者に対する審査の結果がOKであった場合には、S221における銀行口座からの料金の引き落としが不可能であった場合においても、事業者に対する料金の入金に係る処理が実行される。
【0054】
S223において、代行者サーバ110は、料金の請求先である消費者に対する料金の督促に係る処理を実行する。具体的には、代行者サーバ110は、当該消費者に宛てて当該料金の督促状を発行する。例えば、図10に示す例では、代行者サーバ110は、サービスを利用した消費者の消費者端末210に対して、当該サービスの利用に伴う料金の督促を通知している。
そして、督促の対象となる消費者が料金の督促に従い所望の支払い方法により料金の支払いを行うと、S224において、代行者サーバ110は、当該消費者による当該料金の支払いを確認し、対象となる取引の料金の決済に係る一連の手続きを終了する。
【0055】
次いで、図11を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例について、消費者の審査結果がNGとなり、かつ銀行口座からの料金の引き落としが不可能な場合に着目して説明する。なお、S211及びS212の処理については、図8に示すS211及びS212の処理と実質的に同様のため、詳細な説明は省略する。
【0056】
S213において、代行者サーバ110または当該代行者サーバ110を管理する代行者により料金の請求の対象となる消費者の審査が行われる。なお、審査の内容については、図8に示す例と同様である。また、図11に示す例では、上述したように消費者の審査結果がNGとなった(消費者が審査に係る所定の条件を満たしていなかった)ものとする。
S214において、代行者サーバ110は、上記審査の結果と、対象となる消費者に関する情報と、請求の対象となる料金の明細に関する情報と、を管理するための審査利用明細情報を生成して、管理対象として登録する。
例えば、図12は、図11に示す例において生成される審査利用明細情報の一例を示した図である。図11に示す例の場合には、消費者の審査の結果がNGとなったため、「審査OK区分」に対して値として「NG」が設定されている。
【0057】
ここで改めて図11を参照する。S215及びS216の処理については、図8に示すS215及びS216の処理と実質的に同様のため、詳細な説明は省略する。
S231において、代行者サーバ110は、登録された銀行口座に対応する銀行にアクセスし、当該銀行口座からのS211におけるサービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する。なお、ここでは、銀行口座からの料金の引き落としが、残高不足等により不可能であるものとする。
【0058】
S232において、代行者サーバ110は、審査利用明細情報の審査OK区分にNGが設定されていることから、対象となる消費者の審査の結果がNGであったことを認識する。この場合には、代行者サーバ110は、料金の請求先である消費者に対する料金の督促に係る処理を実行する。具体的には、代行者サーバ110は、当該消費者に宛てて当該料金の督促状を発行する。例えば、図11に示す例では、代行者サーバ110は、サービスを利用した消費者の消費者端末210に対して、当該サービスの利用に伴う料金の督促を通知している。
督促の対象となる消費者が料金の督促に従い所望の支払い方法により料金の支払いを行うと、S224において、代行者サーバ110は、当該消費者による当該料金の支払いを確認する。
【0059】
そして、代行者サーバ110は、S233において消費者による料金の支払いを確認した後に、S234において事業者に対する当該料金(すなわち、S211におけるサービスの利用に伴う料金)の入金に係る処理を実行する。また、このとき、代行者サーバ110は、事業者または事業者サーバ130に対して承認番号の通知を行う。このように、本実施形態に係る情報処理システムでは、S213における消費者に対する審査の結果がNGであった場合において、S231における銀行口座からの料金の引き落としが不可能であった場合には、消費者からの当該料金の支払いが確認された後に、事業者に対する当該料金の入金に係る処理が実行される。
【0060】
なお、上記では、サービスの利用に伴い請求される料金を口座振替等により銀行口座から引き落とす場合に着目して説明したが、商品の購入に伴う代金を銀行口座から引き落とす場合についても同様である。
【0061】
(作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システムでは、代行者サーバ110は、事業者に替えて、あらかじめ登録された銀行口座から、消費者による商品の購入に伴う代金またはサービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する。この際に、代行者サーバ110は、消費者に対する審査の結果に応じて、事業者への代金や料金の入金に係る処理を制御する。
【0062】
具体的には、代行者サーバ110は、消費者に対する審査の結果がOKであった場合には、銀行口座からの料金の引き落としの可否に関わらず、事業者に対する当該料金の入金に係る処理を実行する。そのうえで、代行者サーバ110は、銀行口座からの料金の引き落としが不可能であった場合には、消費者に対する上記料金の督促に係る処理を実行する。
一方で、代行者サーバ110は、消費者に対する審査の結果がNGであり、かつ銀行口座からの料金の引き落としが不可能であった場合には、当該消費者に対して当該料金の督促を行い、当該料金の支払いが確認された後に、事業者に対する当該料金の入金に係る処理を実行する。
【0063】
このように、本実施形態に係る情報処理システムでは、代行者サーバ110は、消費者に対する審査の結果がOKであった場合には、銀行口座からの料金の引き落としの可否に関わらず、事業者に対する当該料金の入金を保証する。これにより、銀行口座からの料金の引き落としが不可能な場合における、当該料金の督促状の発行に係る作業のコストや、当該督促状の郵送に係るコスト等といった、事業者への負担の発生を防止することが可能となる。これは、消費者による商品の購入に伴う代金の引き落としについても同様である。
また、本実施形態に係る情報処理システムにおいては、消費者に対する審査の結果がNGであった場合においても、代行者サーバ110により料金の督促に係る処理が実行される。そのため、この場合においても、料金の督促状の発行に伴う事業者への負担の発生を防止する効果が期待できる。
特に、督促状の発行については、料金の支払い方法に応じて発行する督促状の切り替えが必要となる場合があるが、本実施形態に係る情報処理システムに依れば、このような支払い方法に応じた督促状の切り替えに係る事業者への負担を軽減することも可能となる。
すなわち、本実施形態に係る情報処理システムに依れば、料金の決済に銀行口座からの引き落としが利用される状況下においても、当該料金の決済に係る手続きの煩雑化を防止し、当該手続きに伴う事業者への負担や不利益の発生をより好適な態様で低減する効果が期待できる。
【0064】
<第2の実施形態>
続いて、本開示に係る情報処理システムの第2の実施形態について、電子マネーに代表される疑似通貨のチャージに伴う料金の支払いが、あらかじめ登録された銀行口座からの引き落としにより実現される場合に着目して説明する。
【0065】
(比較例)
まず、本実施形態に係る情報処理システムの特徴をより分かりやすくするために、比較例として、図13を参照して、一般的に採用されている、疑似通貨のチャージに伴う料金の支払いを、銀行口座からの料金の引き落としにより実現するための仕組みの一例について説明する。なお、ここでは、疑似通貨のチャージに係るサービスの提供を行う事業者が管理する事業者サーバ130が、銀行口座の登録に係る処理や、当該銀行口座からの料金の引き落としに係る処理を実行するものとする。
【0066】
S301において、事業者サーバ130は、消費者端末210を介した消費者からの、銀行口座からの料金の引き落としを利用した疑似通貨のチャージに係る申し込みを受け付ける。この際に、事業者サーバ130は、消費者により指定された、疑似通貨のチャージに係る金額(以下、「チャージ金額」とも称する)に関する情報と、当該チャージに係る料金の引き落としの対象となる銀行口座に関する情報(例えば、口座番号等)と、を消費者端末210から取得する。
S302において、事業者サーバ130は、取得した銀行口座に関する情報に基づき、対象となる銀行にアクセスし、指定された銀行口座からの疑似通貨のチャージに係る料金(チャージ金額に応じた料金)の引き落としに係る処理を実行する。
S303において、事業者サーバ130は、S302において料金の引き落としができた場合には、S301において指定されたチャージ金額分の疑似通貨のチャージに係る処理を実行する。
S304において、事業者サーバ130は、疑似通貨のチャージに係る処理の結果に応じた情報を消費者端末210に通知する。
【0067】
なお、上記比較例においては、指定された銀行口座からの疑似通貨のチャージに伴う料金の引き落としが、当該チャージに係る取引ごとにリアルタイムで実行され、当該料金の引き落としが行われた場合に、当該疑似通貨のチャージが行われる。
このような特性から、上記比較例においては、例えば、消費者からの疑似通貨のチャージに係る申し込みが受け付けられたタイミングにおいて、残高不足等により料金の引き落としができなかった場合には、当該疑似通貨のチャージに係る処理の実行が制限される。このような状況下では、例えば、消費者が、事業者が提供する決済に係るサービスの利用を制限されるといった事態が発生する(換言すると、機会損失が発生する)場合がある。
また、上記比較例においては、疑似通貨のチャージに係る取引ごとに、銀行口座からの当該チャージに係る料金の引き落としが行われる。そのため、疑似通貨のチャージに係る取引ごとに、銀行口座からの料金の引き落としに係る手数料が発生する場合がある。
【0068】
以上のような状況を鑑み、本実施形態では、電子マネーに代表される疑似通貨のチャージに関して、銀行口座からの料金の引き落としに係る手続きを事業者に替えて代行者が代行することで、当該事業者への負担や不利益の発生をより好適な態様で低減可能とする仕組みを提案する。
【0069】
(処理)
次いで、本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例について説明する。本実施形態に係る情報処理システムでは、疑似通貨のチャージに際し、事業者サーバ130に替えて代行者サーバ110が、銀行口座からの当該チャージに関する料金の引き落としに係る処理を実行する。
【0070】
本実施形態に係る情報処理システムにおいて、前述した第1の実施形態と同様に、事前に消費者の審査が行われ、当該審査の結果に応じて、当該銀行口座からの料金の引き落としに係る処理と、事業者への当該料金の入金に係る処理とが制御される。なお、審査結果がNGの場合については、図13を参照して説明した例と同様に、指定された銀行口座からの疑似通貨のチャージに伴う料金の引き落としが、当該チャージに係る取引ごとにリアルタイムで実行され、当該料金の引き落としが行われた場合に、当該疑似通貨のチャージが行われる。そのため、以降では、審査結果がOKの場合に着目して説明し、審査結果がNGの場合については詳細な説明は省略する。また、審査結果がOKの場合については、銀行口座からの料金の引き落としが可能な場合と、銀行口座からの料金の引き落としが不可能な場合とについて、本実施形態に係る情報処理システムの処理の説明を行うものとする。
【0071】
まず、図14を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例について、疑似通貨のチャージに際して、消費者の審査結果がOKとなり、かつ銀行口座からの料金眼の引き落としが可能な場合に着目して説明する。
事業者サーバ130は、S311において消費者端末210を介して消費者から疑似通貨のチャージに係る依頼を、チャージ金額の指定とともに受け付けると、S312において、チャージ金額を指定したうえでチャージに伴う料金の請求対象となる当該消費者の審査を代行者サーバ110に依頼する。
代行者サーバ110により事業者サーバ130からの消費者の審査に係る依頼が受け付けられると、S314において、当該代行者サーバ110または当該代行者サーバ110を管理する代行者により当該消費者の審査が行われる。なお、当該審査の結果については、前述した第1の実施形態と同様に、審査利用明細情報が生成されることで、当該審査利用明細情報に基づき、請求対象と料金(すなわち、チャージに伴う料金)とともに管理される。また、図14に示す例では、上述したように消費者の審査結果がOKとなった(消費者が審査に係る所定の条件を満たしていた)ものとする。
【0072】
また、S313において、事業者サーバ130は、銀行口座の登録を行うために代行者サーバ110にアクセスするためのアクセス情報(例えば、URL等)を含む口座登録案内を消費者端末210に通知する。これにより、消費者端末210は、事業者サーバ130から通知された口座登録案内に含まれる情報(例えば、アクセス情報)に基づき、事業者サーバ130に替えて銀行口座の登録に係る処理を実行する代行者サーバ110にアクセスすることが可能となる。なお、代行者サーバ110にアクセスするためのアクセス情報については、事業者サーバ130にあらかじめ登録しておけばよい。
【0073】
S315において、代行者サーバ110は、消費者端末210から上記銀行口座の登録に係る依頼を受け付ける。この際に、代行者サーバ110は、消費者により指定された登録の対象となる銀行口座に関する情報を、消費者端末210から取得する。
S316において、代行者サーバ110は、取得した銀行口座に関する情報に基づき、対象となる銀行にアクセスし、指定された銀行口座の登録(例えば、既に開設されている銀行口座の確認等)に係る処理を実行する。
なお、S313、S315、及びS316として示した銀行口座の登録に係る処理については、既に登録が行われている銀行口座が利用される場合には省略されてもよい。
【0074】
S317において、代行者サーバ110は、S314における審査の結果がOKであるため、事業者サーバ130に対して、S312において指定された金額分の疑似通貨のチャージを承認し、チャージ承認番号を発行して通知する。チャージ承認番号は、承認が行われた疑似通貨のチャージに係る取引それぞれを識別するための識別情報である。
【0075】
例えば、図15は、図14において生成される審査利用明細情報の一例を示した図である。図15に示す例の場合には、消費者の審査の結果がOKとなったため、「審査OK区分」に対して値として「OK」が設定されている。また、疑似通貨のチャージの承認に伴い、審査利用明細情報に対して、発行されたチャージ承認番号が設定される。
【0076】
事業者サーバ130は、S317において代行者サーバ110からチャージ承認番号の通知を受けると、S318において、疑似通貨のチャージの依頼元となる消費者を対象としてS311において指定された金額分の疑似通貨のチャージに係る処理を実行する。
S319において、事業者サーバ130は、疑似通貨のチャージの依頼元となる消費者の消費者端末210に対して、チャージ結果の通知を行う。
【0077】
なお、本実施形態に係る情報処理システムでは、S314の審査がOKとなった場合には、疑似通貨のチャージに係る取引ごとには銀行口座からのチャージ金額の引き落としが行われず、当該チャージが行われた後の所定のタイミングにおいて、1以上の取引に係るチャージ金額が一括して引き落とされる。例えば、本実施形態に係る情報処理システムでは、所望の月において発生した疑似通貨のチャージに係る1以上の取引それぞれの料金(換言すると、チャージ金額)が、当該月の末日や翌月の初日に一括して登録された銀行口座から引き落とされる。
【0078】
具体的には、チャージ金額の引き落としが行われるタイミング(例えば、月末)が到来すると、S321において、代行者サーバ110は、料金の引き落としの対象となる期間(例えば、当月内)において発生した疑似通貨のチャージに係る取引を対象として、登録された銀行口座からの料金(チャージ金額)の引き落としに係る処理を実行する。ここでは、前述の通り、料金の引き落としが可能であるものとする。
【0079】
より具体的な一例として、代行者サーバ110は、審査利用明細情報に含まれる電話番号、名前、住所等の消費者に関する情報を参照して、対象となる消費者に対応する審査利用明細情報を抽出する。また、代行者サーバ110は、抽出した一連の審査利用明細情報それぞれに含まれる発行日時等の情報に基づき、料金の引き落としの対象となる期間において明細の発行が行われた審査利用明細情報の抽出を行う。また、代行者サーバ110は、抽出した一連の審査利用明細情報から、審査OK区分がOKであり、かつチャージ承認番号が設定された審査利用明細情報を、代行者が事業者に替えてチャージ金額の引き落としを代行する取引に対応する審査利用明細情報として特定する。そして、代行者サーバ110は、特定した一連の審査利用明細情報それぞれに対応する取引を対象として、登録された銀行口座から、チャージ金額の引き落としを一括して行う。
【0080】
代行者サーバ110は、S321において銀行口座からの料金(チャージ金額)の引き落としが完了すると、S322において対象となる事業者に対する当該料金の入金に係る処理を実行する。このとき、代行者サーバ110は、事業者または事業者サーバ130に対して、上記料金の入金の対象となる疑似通貨のチャージに係る取引に対応するチャージ承認番号の通知を行ってもよい。これにより、事業者または事業者サーバ130は、入金の対象となる料金がどの取引に対応しているかを、通知されたチャージ承認番号に基づき特定することが可能となる。
以上により、銀行口座からの疑似通貨のチャージに係る取引に伴う料金の引き落としと、事業者への当該料金の入金と、に係る一連の処理が終了する。
【0081】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システムでは、所定の期間内に発生した複数の取引のうち、消費者の審査の結果が所定の条件を満たす(例えば、OKとなる)1以上の取引について発生した料金が、当該期間の経過後の所定のタイミングにおいて一括して銀行口座から引き落とされる。そのため、取引ごとに料金の引き落としが行われる場合に比べて、当該料金の引き落としに伴い発生する手数料を低減する効果が期待できる。そのため、料金の決済に銀行口座からの引き落としが利用される状況下においても、当該料金の決済に係る手続きに伴う事業者への負担や不利益の発生をより好適な態様で低減することが可能となる。
なお、上述した例では、所定の期間内における1以上の取引について発生した料金が、当該期間の経過後の所定のタイミングにおいて一括して銀行口座から引き落とされる例について説明したが、取引ごとに個別に所望のタイミングで料金の引き落としが行われてもよい。
【0082】
次いで、図16を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例について、疑似通貨のチャージに際して、消費者の審査結果がOKとなり、かつ銀行口座からの料金眼の引き落としが不可能な場合に着目して説明する。なお、疑似通貨のチャージに係る依頼が受け付けられてから、当該チャージが実行されるまでの処理については、図14におけるS311~S319の処理と同様のため、主に料金の引き落とし及び当該料金の入金に係る処理に着目して説明を行うものとする。
【0083】
チャージ金額の引き落としが行われるタイミング(例えば、月末)が到来すると、S331において、代行者サーバ110は、料金の引き落としの対象となる期間(例えば、当月内)において発生した疑似通貨のチャージに係る取引を対象として、登録された銀行口座からの料金(チャージ金額)の引き落としに係る処理を実行する。ここでは、前述の通り、料金の引き落としが不可能であるものとする。
【0084】
具体的には、代行者サーバ110は、図14に示す例と同様に、代行者が事業者に替えてチャージ金額の引き落としを代行する1以上の取引それぞれに対応する審査利用明細情報を特定する。そして、代行者サーバ110は、特定した一連の審査利用明細情報それぞれに対応する取引を対象として、登録された銀行口座から、チャージ金額の引き落としを一括して行う。この際に、残高不足等により銀行口座からの料金の引き落としができなかった(料金の引き落としに失敗した)ものとする。
【0085】
この場合においても、代行者サーバ110は、対象となる取引についてはS314における消費者の審査の結果がOKであるため、S332において対象となる事業者に対する当該取引の料金(チャージ金額)の入金に係る処理を実行する。
【0086】
一方で、代行者サーバ110は、銀行口座からの料金の引き落としが不可能であったため、当該料金の請求先である消費者に対する料金の督促に係る処理を実行する。具体的な一例として、代行者サーバ110は、当該消費者に宛てて当該料金の督促状を発行する。例えば、図11に示す例では、代行者サーバ110は、疑似通貨のチャージに係るサービスを利用した消費者の消費者端末210に対して、当該サービスの利用に伴う料金(チャージ金額)の督促を通知している。
督促の対象となる消費者が料金の督促に従い所望の支払い方法により料金の支払いを行うと、S334において、代行者サーバ110は、当該消費者による当該料金の支払いを確認する。
【0087】
(作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システムでは、代行者サーバ110は、事業者に替えて、あらかじめ登録された銀行口座から、消費者による疑似通貨のチャージに係るサービスの利用に伴う料金の引き落としに係る処理を実行する。この際に、代行者サーバ110は、消費者に対する審査の結果に応じて、事業者への料金の入金に係る処理を制御する。
【0088】
具体的には、代行者サーバ110は、消費者に対する審査の結果がOKであった場合には、銀行口座からの料金の引き落としの可否に関わらず、事業者に対する当該料金の入金に係る処理を実行する。そのうえで、代行者サーバ110は、銀行口座からの料金の引き落としが不可能であった場合には、消費者に対する上記料金の督促に係る処理を実行する。
このように、本実施形態に係る情報処理システムでは、代行者サーバ110は、消費者に対する審査の結果がOKであった場合には、銀行口座からの料金の引き落としの可否に関わらず、事業者に対する当該料金の入金を保証する。これにより、銀行口座からの料金の引き落としが不可能な場合においても、所定のタイミングで事業者に対して当該料金の入金が行われるため、料金の回収の遅延に伴う事業者への負担の発生を防止することが可能となる。
【0089】
また、前述したように、本実施形態に係る情報処理システムでは、所定の期間内に発生した複数の取引のうち、消費者の審査の結果が所定の条件を満たす1以上の取引について発生した料金が、当該期間の経過後の所定のタイミングにおいて一括して銀行口座から引き落とされる。そのため、取引ごとに料金の引き落としが行われる場合に比べて、当該料金の引き落とし伴い発生する手数料を低減する効果が期待できる。そのため、料金の決済に銀行口座からの引き落としが利用される状況下においても、当該料金の決済に係る手続きに伴う事業者への負担や不利益の発生をより好適な態様で低減することが可能となる。
【0090】
すなわち、本実施形態に係る情報処理システムに依れば、疑似通貨のチャージに係る料金(チャージ金額)の決済に銀行口座からの引き落としが利用される状況下においても、当該料金の決済に係る手続きの煩雑化を防止し、当該手続きに伴う事業者への負担や不利益の発生をより好適な態様で低減する効果が期待できる。
【0091】
<変形例>
続いて、前述した各実施形態の変形例として、消費者に対する審査の結果に応じて、当商品の購入に伴う代金やサービスの利用に伴う料金の決済に対して、該消費者が利用可能な決済方法を制御する場合の一例について説明する。具体的には、本変形例に係る情報処理システムは、消費者に対する審査の結果がNGだった場合に、当該審査の結果の内容に応じて、消費者から指定された決済方法を、決済代行者による事業者への入金の保証が適用される決済方法に切り替える。
【0092】
例えば、図17は、本変形例に係る情報処理システムの処理の一例を示したシーケンス図である。
S401において、消費者端末210は、消費者からの指示に基づき事業者サーバ130にアクセスすることで、商品の販売に係るECサイトの画面を当該消費者に提示する。また、消費者端末210は、上記画面を介して入力された消費者からの、商品の注文に係る各種情報(以下、「注文情報」とも称する)を事業者サーバ130に送信することで、当該事業者サーバ130に商品の注文を行う。注文情報には、例えば、対象となる商品を示す情報、注文者である消費者に関する情報、及び商品の発送先に関する情報等が含まれる。
【0093】
S402において、事業者サーバ130は、消費者による商品の購入に伴う代金の決済に利用する決済種別(換言すると、支払い方法)の指定を受け付けるための画面を、消費者端末210を介して消費者に提示する。これにより、事業者サーバ130は、上記画面を介して決済種別の指定を消費者から受け付ける。
【0094】
S403において、事業者サーバ130は、代金の決済を代行する決済代行者が管理する代行者サーバ110に、当該代金の請求の対象となる消費者の審査を依頼する。
代行者サーバ110により事業者サーバ130からの消費者の審査に係る依頼が受け付けられると、S404において、当該代行者サーバ110または当該代行者サーバ110を管理する決済代行者により当該消費者の審査が行われる。本変形例に係る情報処理システムでは、消費者に対する審査の結果に応じて、上記代金の決済に利用する決済種別(すなわち、決済方法)を、上記各実施形態において説明した、決済代行者による事業者への入金の保証が適用される決済種別(決済方法)に切り替える。なお、図17に示す例では、対象となる消費者が所定の条件を満たしておらず審査がNGとなったものとする。この場合には、S405において、代行者サーバ110は、S402において消費者から指定された決済種別に関わらず、代金の決済に適用される決済種別(決済方法)を、決済代行者による事業者への入金の保証が適用される決済種別に切り替える。
【0095】
そのうえで、S406において、代行者サーバ110は、S404における審査の結果と、当該審査の結果を踏まえて代金の決済に係る種別を、決済代行者による事業者への入金の保証が適用される決済種別に切り替えたこととを事業者サーバ130に通知する。
【0096】
事業者サーバ130は、代行者サーバ110からの通知に基づき、審査がNGであったものの、代金の決済に適用される決済種別が決済代行者による事業者への入金の保証が適用される決済種別に切り替えられたことを認識する。この場合には、S407において、事業者サーバ130は、S401にて消費者端末210から送信された注文情報に基づく、決済代行者による事業者への入金の保証が適用される決済が指定された注文を受け付ける。
【0097】
そして、S408において、事業者サーバ130は、消費者端末210に対して審査が完了した旨を示す情報を通知する。
【0098】
なお、代金の決済に係る処理については、消費者に対する審査結果がNGであっても当該決済に係る処理が適用される点を除けば、図8を参照して説明した例と実質的に同様である。すなわち、S216において、代行者サーバ110は、代金請求の対象となる消費者に宛てて商品の購入に伴う代金の明細書を発行する。また、S217において、代行者サーバ110は、登録された銀行口座に対応する銀行にアクセスし、当該銀行口座からの代金の引き落としに係る処理を実行する。また、S218において、代行者サーバ110は、S217における銀行口座からの代金の引き落としの可否に関わらず、事業者に対する当該代金の入金に係る処理を実行する。
【0099】
以上のような処理が適用されることで、事業者側における請求書の発行、代金の回収、及び督促等の業務に係る負荷を低減(ひいては解消)することが可能となる。また、対象となる消費者の審査がNGだった場合においても、当該消費者に対して決済方法の変更等の促す必要がなくなる。これにより、例えば、消費者が指定した決済方法が利用できないことで商品の購入を取りやめるといった機会損失の発生を防止する効果も期待できる。
【0100】
なお、上記した例では、代行者サーバ110は、対象となる消費者に対する審査がNGだった場合に、代金の決済に適用される決済種別を決済代行者による事業者への入金の保証が適用される決済種別に切り替えていた。この際に、代行者サーバ110は、改めて対象となる消費者の審査を行うことで、当該消費者に対して決済代行者による事業者への入金の保証が適用される決済を適用可能か否かについて判定してもよい。また、適用可能か否かの判定については、S404の審査結果にNGの理由分類(分類例:初回利用で基準金額以上のご利用、過去に複数回支払遅延があった、住所不定未払いで詐欺濃厚等)を加えることで提供可能か否かの判断がなされてもよい。具体的な一例として、代行者サーバ110は、対象となる消費者に不正利用等の実績が確認された場合には、決済代行者による事業者への入金の保証が適用される決済の適用を制限してもよい。この場合には、前述した各実施形態における消費者に対する審査がNGだった場合と同様の制御が適用されることとなる。
【符号の説明】
【0101】
1 情報処理システム
110 代行者サーバ
130 事業者サーバ
210 消費者端末
図1
図2
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図5
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