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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029557
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】車両用収容物保持装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/10 20060101AFI20220210BHJP
   B60R 7/06 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
B60N3/10 A
B60R7/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020132884
(22)【出願日】2020-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】309018445
【氏名又は名称】明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083091
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 経雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141416
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 智雄
(72)【発明者】
【氏名】西尾 和久
(72)【発明者】
【氏名】古山 陽司
【テーマコード(参考)】
3B088
3D022
【Fターム(参考)】
3B088LA02
3B088LB01
3B088LB02
3B088LB05
3D022CA07
3D022CA16
3D022CB01
3D022CC02
3D022CC19
3D022CC25
3D022CD17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ドアによる収容物の支持性能の向上、大径収容物を保持可能、の少なくともいずれか一方を達成できる、車両用収容物保持装置の提供。
【解決手段】ドア30が、閉位置にある状態から、第1、第2の分割ドア31,32をホルダ20に対して上方に回動させることで開位置30bに達するようになっている。そのため、収容物Cの側面を上方位置で支持できる。よって、ドア30による収容物Cの支持性能を高めることができる。また、ストッパ40が、弾性材で構成されており、ストッパ40を弾性変形させることで開位置30bにあるドア30をさらに開くことができるようになっている。そのため、開位置30bにおける第1、第2の分割ドア31,32の間隔よりも収容物Cが大径である場合でも、ストッパ40を弾性変形させることで装置10にて収容物Cを保持できる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開放する収容部を備えるホルダと、
同期機構により互いに同期して動く第1、第2の分割ドアを備えており、前記収容部の開口を開閉するとともに前記収容部に収容される収容物の側面を前記第1、第2の分割ドアで両側から挟んで支持する観音開きタイプのドアと、
前記ドアが開位置にあるときに前記ドアが当接するストッパと、
を有し、
前記ドアは、閉位置にある状態から、前記第1、第2の分割ドアを前記ホルダに対して上方に回動させることで前記開位置に達するようになっており、
前記ストッパは、弾性材で構成されており、該ストッパを弾性変形させることで前記開位置にある前記ドアをさらに開くことができるようになっている、車両用収容物保持装置。
【請求項2】
前記ドアは、前記収容物の側面を、前記収容部の開口よりも上方の位置のみで支持する、請求項1記載の車両用収容物保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観音開きタイプであり収納物の側面を支持(サポート)するドアを有する車両用収容物保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用収容物保持装置は、たとえば特許文献1,2に開示されている。
(i)特許文献1(特開2015-58797号公報)
特許文献1は、ホルダに対して下方に回転して開く両開きドア(フラップ)を有しており、下方に回転したドアにて収容物を両側から挟んで支持する装置を開示している。
(ii)特許文献2(特開2012-61871号公報)
特許文献2は、ホルダに対して上方に回転して開く両開きドア(リッド)を有する装置を開示している。
【0003】
しかし、上記公報開示の装置にはつぎの問題点がある。
(i)特許文献1
下方に回転したドア(フラップ)にて収容物を支持するため、ドアによって収容物を支持する位置が低くなってしまう。そのため、ドアによる収容物の支持性能を向上させる点において改善の余地がある。
(ii)特許文献2
第1、第2の分割ドア(第1、第2のリッド)を開位置よりもさらに開くことができる構造になっていないため、開位置にある第1、第2の分割ドアの間隔よりも収容物が大径である場合、収容物を装置で保持することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-58797号公報
【特許文献2】特開2012-61871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ドアによる収容物の支持性能の向上、大径収容物を保持可能、の少なくともいずれか一方を達成できる、車両用収容物保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 上方に開放する収容部を備えるホルダと、
同期機構により互いに同期して動く第1、第2の分割ドアを備えており、前記収容部の開口を開閉するとともに前記収容部に収容される収容物の側面を前記第1、第2の分割ドアで両側から挟んで支持する観音開きタイプのドアと、
前記ドアが開位置にあるときに前記ドアが当接するストッパと、
を有し、
前記ドアは、閉位置にある状態から、前記第1、第2の分割ドアを前記ホルダに対して上方に回動させることで前記開位置に達するようになっており、
前記ストッパは、弾性材で構成されており、該ストッパを弾性変形させることで前記開位置にある前記ドアをさらに開くことができるようになっている、車両用収容物保持装置。
(2) 前記ドアは、前記収容物の側面を、前記収容部の開口よりも上方の位置のみで支持する、(1)記載の車両用収容物保持装置。
【発明の効果】
【0007】
上記(1)の車両用収容物保持装置では、つぎの効果を得ることができる。
ドアが、閉位置にある状態から、第1、第2の分割ドアをホルダに対して上方に回動させることで開位置に達するようになっているため、第1、第2の分割ドアをホルダに対して下方に回動させることで開位置に達するようになっている場合に比べて、収容物の側面を上方位置で支持できる。よって、ドアによる収容物の支持性能を高めることができる。
【0008】
また、ストッパが、弾性材で構成されており、ストッパを弾性変形させることで開位置にあるドアをさらに開くことができるようになっているため、開位置における第1、第2の分割ドアの間隔よりも収容物が大径である場合でも、ストッパを弾性変形させることで装置にて収容物を保持できる。
【0009】
上記(2)の車両用収容物保持装置では、つぎの効果を得ることができる。
ドアが、収容物の側面を、収容部の開口よりも上方の位置のみで支持するため、ドアが収容物の側面を収容部の開口よりも下方の位置のみで支持する場合に比べて、収容物の側面を上方位置でサポートでき、ドアによる収容物の支持性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明実施例の車両用収容物保持装置の、ドアが閉位置にあるときにおける斜視図である。
図2】本発明実施例の車両用収容物保持装置の、ドアが開位置にあるときにおける斜視図である。
図3】本発明実施例の車両用収容物保持装置の、ドアが閉位置にあるときにおける分解斜視図である。
図4】本発明実施例の車両用収容物保持装置の、ドアが閉位置にあるときにおける要部模式側面図である。
図5】本発明実施例の車両用収容物保持装置の、ドアが開位置にあるときにおける要部模式側面図である。
図6】本発明実施例の車両用収容物保持装置の、開位置における第1、第2の分割ドアの間隔よりも大径の収容物を装置にねじ込むことで、ストッパを弾性変形させて開位置にあるドアをさらに開いたときにおける要部模式側面図である。
図7】本発明実施例の車両用収容物保持装置の、図6の大径の収容物を保持しているときにおける要部模式側面図である。
図8】本発明実施例の車両用収容物保持装置の、図7の状態から大径の収容物を装置から引き抜いたときにおける要部模式側面図である。
図9】本発明実施例の車両用収容物保持装置の、図8の状態から閉位置までドアを移動させたときにおける要部模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照して、本発明実施例の車両用収容物保持装置10を説明する。なお、図中、UPは上方を示す。
【0012】
本発明実施例の車両用収容物保持装置(以下、単に保持装置または装置ともいう)10は、特に限定されるものではないが、たとえば、車両のインストルメントパネル、コンソールボックス(パネル)、アームレスト、等に配設される、飲料容器(カップ類)、スマートフォンなどの小物類を収容可能な、装置である。
【0013】
保持装置10は、図3に示すように、ホルダ20と、ドア30と、ストッパ40と、を有する。
【0014】
ホルダ20は、たとえば樹脂製である。ホルダ20は、一部品構成であってもよく、複数部品構成であってもよい。なお、図示例では、ホルダ20が、互いに別体に形成されて互いに固定されるロアパネル20aとアッパパネル20bの2部品構成である場合を示している。
【0015】
ホルダ20は、装置10が配置される車両の内装部材に固定して取付けられている。図2に示すように、ホルダ20は上方に開放する収容部21を有する。収容部21の開口21aの周囲にあるホルダ20の上面22は、周囲の図示略の車両内装部材と面一または略面一とされており装置10の意匠性が高められていることが望ましい。
【0016】
図4に示すように、ドア30は、ホルダ20に第1の軸芯P1まわりに上下方向に回動可能に支持され収容部21の開口21aの一部(半分)を開閉する第1の分割ドア31と、ホルダ20に第2の軸芯P2まわりに上下方向に回動可能に支持され収容部21の開口21aの残り(残り半分)を開閉する第2の分割ドア32と、第1、第2の分割ドア31,32を互いに同期させる同期機構33と、を有する。
【0017】
ドア30は、第1、第2の分割ドア31,32で収容部21の開口21aを開閉するとともに、収容部21に収容される収容物C(図5図7)の側面を第1、第2の分割ドア31,32で両側から挟んで支持(保持、サポート)する観音開きタイプのドアである。ドア30が閉位置30aにあるときにおける、第1、第2の分割ドア31,32の上面(ドア30の上面30c)は、ホルダ20の上面22と面一またはほぼ面一とされており、装置10の意匠性が高められていることが望ましい。
【0018】
第1の分割ドア31は、第2の分割ドア32側の端が自由端となっており、第2の分割ドア32と反対側の端部またはその近傍に第1の軸芯P1がある。同様に、第2の分割ドア32は、第1の分割ドア31側の端が自由端となっており、第1の分割ドア31と反対側の端部またはその近傍に第2の軸芯P2がある。
【0019】
第1、第2の分割ドア31、32は、それぞれ、自由端側の端部にサポート部31a、32aを有している。サポート部31a、32aは、収容部21に収容される収容物Cを支持する部分である。サポート部31a、32aは、ドア30が閉位置30aにあるとき、下方に延びている。サポート部31a、32aには、図2に示すように、収容部21に収容される収容物Cの側面の一部を受け入れる凹部31b、32bがそれぞれ設けられている。
【0020】
第1、第2のドア31,32は、同期機構30により同期して動くようになっている。同期機構33は、図4に示すように、たとえばリンクで構成されており、一端部33aで第1の分割ドア31に第1の軸芯P1とは異なる位置で連結されており、他端部33bで第2の分割ドア32に第2の軸芯P2とは異なる位置で連結されている。なお、同期機構33は、リンクに限定されるものではなく、図示はしないが、ベルトで構成されていてもよく、ギアで構成されていてもよい。
【0021】
ドア30は、ターンオーバースプリングとして用いられるトーションスプリング50にて、ホルダ20に対して付勢されている。詳しくは、ドア30は、ホルダ20に対して、閉位置30aと開位置30bとの間のターンオーバー位置より閉位置30a側にあるときには閉位置30a側に付勢され、該ターンオーバー位置より開位置30b側にあるときには開位置30b側に付勢されている。なお、トーションスプリング50は、一端部でホルダ20に連結されており、他端部で第1、第2の分割ドア31,32の一方に連結されている。
【0022】
図5に示すように、ドア30は、閉位置30aにある状態から、第1、第2の分割ドア31,32をホルダ20に対して上方に回動させることで開位置30bに達するようになっている。ドア30が開位置30bにあるとき、第1、第2の分割ドア31,32のそれぞれのサポート部31a、32aは、収容部21の開口21aよりも上方の位置にある。そのため、ドア30は、収容物Cの側面を、収容部21の開口21aよりも上方の位置のみで支持するようになっている。
【0023】
ドア30は、第1、第2の分割ドア31,32の少なくともいずれか一方に設けられるノブ部34に手指を引っ掛けてドア30をトーションスプリング50の付勢力に抗して回動させることで、開く。そして、ドア30が開位置30bに達した時、第1、第2の分割ドア31,32にそれぞれ設けられるストッパ当接部31c、32cがストッパ40に当たることで、ドア30は開位置30bで止まる。
【0024】
第1の分割ドア31に設けられるストッパ当接部31cは、第1の軸芯P1とは異なる位置で第1の分割ドア31に固定して設けられている。第2の分割ドア32に設けられるストッパ当接部32cは、第2の軸芯P2とは異なる位置で第2の分割ドア32に固定して設けられている。それぞれのストッパ当接部31c、32cは、同時(略同時を含む)にストッパ40に下方から接近してストッパ部40の下面に当たるようになっている。
【0025】
ストッパ40は、ホルダ20に取付けられている。ストッパ40は、弾性材で構成されており、たとえば金属製または樹脂製の薄板状の板スプリングで構成されている。弾性材で構成されるストッパ40の付勢力は、トーションスプリング50の付勢力よりも大とされている。
【0026】
ストッパ40は、第1、第2の軸芯P1、P2間で第1、第2の軸芯P1,P2の一方付近から他方付近まで延びて配置されている。ストッパ40は、延び方向中間部(中央部)41でホルダ20に固定して取付けられており、両端部42,43が上下方向に弾性変形可能な自由端部とされている。そして、ドア30を閉位置30aから開位置30bまで開いたとき、第1、第2の分割ドア31,32のストッパ当接部31c、32cが同時に下方から端部42,43にそれぞれ当接することで、ドア30が開位置30b(詳細にはストッパ40とトーションスプリング50の力が釣り合う位置)に保持される。
【0027】
ドア30が開位置30bにあるとき、第1、第2の分割ドア31,32のストッパ当接部31c、32cが弾性変形可能なストッパ40の端部42,43に当接するため、図6に示すように、開位置30bにあるドア30にさらに開く方向に力を加えることで、ストッパ40を弾性変形させて(撓ませて)開位置30bにあるドア30をさらに開くことができる。
【0028】
ここで、本発明実施例の作動(ドア30の開閉動)を説明する。
【0029】
(a)ドア30が閉位置30aにあるとき
図4に示すように、ドア30は、第1の分割ドア31および/または第2の分割ドア32がホルダ20に当接することで、閉位置30aを維持している。ドア30は、トーションスプリング50により閉側に付勢されており、車両の走行振動等でドア30がホルダ20に対してがたつく(動く)ことが抑制されている。
【0030】
(b)ドア30を閉位置30aから開位置30bに移動させるとき
図5に示すように、ドア30のノブ部34に手指を引っ掛けてドア30をトーションスプリング50の付勢力に抗して上方に回動させる。すると、閉位置30aと開位置30bの間の途中位置でトーションスプリング50がターンオーバーし、トーションスプリング50の付勢方向が閉側から開側に変わる。その後は、トーションスプリング50の付勢力でドア30が開位置30bまで回動する。そして、ドア30が開位置30bに達した時、第1、第2の分割ドア31,32のストッパ当接部31c、32cが同時に下方からストッパ40の端部42,43にそれぞれ当接し、ドア30の回動が止まる。
【0031】
(c)ドア30が開位置30bにあるとき
第1、第2の分割ドア31,32のストッパ当接部31c、32cが下方からストッパ40の端部42,43に当接しており、ドア30が開位置30bに保持されている。このとき、トーションスプリング50は開側にドア30を付勢しているが、ストッパ40の付勢力がトーションスプリング50の付勢力よりも大とされているため、ドア30は安定的に開位置30bにて保持されている。第1、第2の分割ドア31,32の間隔以下の径の収容物C1を、装置10に挿入させることで、第1、第2の分割ドア31,32で収容物C1の側面を支持しつつ装置10で収容物C1を保持できる。
【0032】
(d)開位置30bにおける第1、第2の分割ドア31,32の間隔よりも大径の収容物C2を装置10にねじ込むとき
図6に示すように、収容物C2によりドア30にさらに開く方向の力が加わる。すると、第1、第2の分割ドア31,32のストッパ当接部31c、32cがそれぞれストッパ40の端部42,43を上方に押し、ストッパ40が上方に弾性変形する。その結果、開位置30bにあるドア30が収容物C2により押されてさらに開き、第1、第2の分割ドア31,32の間隔が拡がり、収容物C2を装置10に挿入できる。よって、第1、第2の分割ドア31,32で収容物C2の側面を支持しつつ装置10で収容物C2を保持できる。このとき、トーションスプリング50は開側にドア30を付勢しているが、ストッパ40の付勢力がトーションスプリング50の付勢力よりも大とされているため、ストッパ40の付勢力によりドア30には閉側への付勢力がかかっており、収容物C2の支持力が高められている。
【0033】
(e)大径の収容物C2を装置10から上方に引き抜いたとき
図7図8に示すように、収容物C2を装置10から引き抜くと、ストッパ40の付勢力(復元力)により第1、第2の分割ドア31,32のストッパ当接部31c、32cが押し下げられ、ドア30が開位置30bまで戻る。ドア30が開位置30bまで戻ったとき、ストッパ40の付勢力が無くなり、ドア30にはトーションスプリング50の開側への付勢力のみがかかった状態になるため、ドア30は開位置30bに保持される。
【0034】
(f)ドア30を開位置30bから閉位置30aに移動させるとき
図9に示すように、ドア30をトーションスプリング50の付勢力に抗して下方に回動させる。すると、閉位置30aと開位置30bの間の途中位置でトーションスプリング50がターンオーバーし、トーションスプリング50の付勢方向が開側から閉側に変わる。その後は、トーションスプリング50の付勢力でドア30が閉位置30aまで回動する。そして、ドア30が閉位置30aに達した時、上記(a)の状態になる。
【0035】
つぎに、本発明実施例の作用、効果を説明する。
【0036】
本発明実施例では、ドア30が、閉位置30aにある状態から、第1、第2の分割ドア31,32をホルダ20に対して上方に回動させることで開位置30bに達するようになっているため、第1、第2の分割ドア31,32をホルダ20に対して下方に回動させることで開位置30bに達するようになっている場合に比べて、収容物Cの側面を上方位置で支持できる。よって、ドア30による収容物Cの支持性能を高めることができる。
【0037】
ストッパ40が、弾性材で構成されており、ストッパ40を弾性変形させることで開位置30bにあるドア30をさらに開くことができるようになっているため、開位置30bにおける第1、第2の分割ドア31,32の間隔よりも収容物Cが大径である場合でも、ストッパ40を弾性変形させることで装置10にて収容物Cを保持できる。
【0038】
ドア30が収容部21に収容される収容物Cの側面を両側から挟んで支持するため、ドア30とは別に収容物Cの側面を支持するためのサポート部材が不要になり、コスト上有利である。
【0039】
ドア30が、収容物Cの側面を、収容部21の開口21aよりも上方の位置のみで支持するため、ドア30が収容物Cの側面を収容部21の開口21aよりも下方の位置のみで支持する場合に比べて、収容物Cの側面を上方位置でサポートでき、ドア30による収容物Cの支持性能を高めることができる。
【0040】
〈本発明実施例の変形例〉
本発明実施例では、以下のような変形例を採り得る。
(i)ドア30が開位置30bにあるときに、ドア30をホルダ20に対してロックする図示略のロック装置(ロック形状)が、ドア30および/またはホルダ20に設けられていてもよい。
【0041】
(ii)ターンオーバースプリングとして働くトーションスプリング50のかわりに、ドア30の回動の全領域でドア30を開方向に付勢するスプリングと、ドア30を閉位置30aでロックするロック装置と、が設けられていてもよい。この場合、ドア30を閉位置30aでロックするロック装置として、公知のハートカムロック機構を有する装置を採用でき、ドア30をプッシュすることでロック解除してドア30を開くことができる。
【符号の説明】
【0042】
10 車両用収容物保持装置
20 ホルダ
20a ロアパネル
20b アッパパネル
21 収容部
21a 収容部の開口
22 ホルダの上面
30 ドア
30a 閉位置
30b 開位置
30c ドアの上面
31 第1の分割ドア
31a サポート部
31b 凹部
31c ストッパ当接部
32 第2の分割ドア
32a サポート部
32b 凹部
32c ストッパ当接部
33 同期機構
33a 同期機構の一端部
33b 同期機構の他端部
34 ノブ部
40 ストッパ
41 ストッパの延び方向中間部
42,43 ストッパの端部
50 トーションスプリング
C,C1,C2 収容物
P1 第1の軸芯
P2 第2の軸芯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9