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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029572
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】自動分析装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20220210BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
G01N35/00 A
G01N1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020132910
(22)【出願日】2020-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000004271
【氏名又は名称】日本電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 雄太
【テーマコード(参考)】
2G052
2G058
【Fターム(参考)】
2G052GA11
2G052GA28
2G052GA29
2G052HB07
2G052HB08
2G052HB10
2G052JA06
2G052JA07
2G052JA08
2G052JA18
2G058AA05
2G058GA01
2G058GD02
2G058GD03
2G058GD05
2G058GD06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】測定結果のトレーサビリティを確保しつつ、運用に十分な数の検量線を記憶することができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】自動分析装置1は、作成済みの検量線の試薬情報の一部を書き換えたコピー検量線を記憶する第一の記憶領域353と、標準試料を測定して作成した原検量線を記憶する第二の記憶領域354と、検体測定データの処理に使用する検量線を検索する際に、少なくとも第一の記憶領域及び第二の記憶領域のいずれかに記憶された検量線の試薬情報と、検体測定に使用した試薬の試薬情報とを比較する検量線検索部311と、試薬情報の一部が一致する検量線が検索された場合、当該検量線の試薬情報の一部を検体測定に使用した試薬の試薬情報に書き換えた上で、当該検量線を検体測定データの処理に使用する測定データ処理部312と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作成済みの検量線の試薬情報の一部を書き換えたコピー検量線を記憶する第一の記憶領域と、
標準試料を測定して作成した原検量線を記憶する第二の記憶領域と、
検体測定データの処理に使用する検量線を検索する際に、少なくとも前記第一の記憶領域及び前記第二の記憶領域のいずれかに記憶された検量線の試薬情報としての試薬ロット情報及び試薬容器情報と、検体測定に使用した試薬の試薬ロット情報及び試薬容器情報とを比較する検量線検索部と、
前記検量線検索部により前記試薬容器情報が一致せず前記試薬ロット情報のみが一致する検量線が検索された場合、当該検量線の試薬情報のうち前記試薬容器情報を検体測定に使用した試薬の前記試薬容器情報に書き換えた上で、当該検量線を検体測定データの処理に使用する測定データ処理部と、を備える
自動分析装置。
【請求項2】
前記測定データ処理部により前記試薬容器情報が書き換えられた検量線は、前記コピー検量線として前記第一の記憶領域に記憶される
請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記検量線検索部は、
前記第二の記憶領域よりも先に前記第一の記憶領域を検索し、前記検体測定データの処理に使用可能な検量線が見つからなかった場合に、前記第二の記憶領域を検索する
請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
標準試料を測定して作成される原検量線は、前記第二の記憶領域、及び前記第一の記憶領域に記憶される
請求項3に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記第一の記憶領域及び前記第二の記憶領域は、記憶できる検量線の上限数に達すると、最も古い検量線を消去して最新の検量線を記憶する
請求項4に記載の自動分析装置。
【請求項6】
作成済みの検量線の試薬情報の一部を書き換えたコピー検量線と、標準試料を測定して作成した原検量線と、を記憶する全体記憶領域と、
前記コピー検量線が前記全体記憶領域に記憶された際に、測定項目ごとに、前記全体記憶領域内の前記コピー検量線の保存個所を示す情報を記憶する第一の項目別記憶領域と、
前記原検量線が前記全体記憶領域に記憶された際に、前記測定項目ごとに、前記全体記憶領域内の前記原検量線の保存個所を示す情報を記憶する第二の項目別記憶領域と、
検体測定データの処理に使用する検量線を検索する際に、検索対象の検量線の測定項目に該当する少なくとも前記第一の項目別記憶領域及び前記第二の項目別記憶領域のいずれかの情報に基づいて前記全体記憶領域を検索し、前記全体記憶領域に記憶された検量線の試薬情報としての試薬ロット情報及び試薬容器情報と、検体測定に使用した試薬の試薬ロット情報及び試薬容器情報とを比較する検量線検索部と、
前記検量線検索部により前記試薬容器情報が一致せず前記試薬ロット情報のみが一致する検量線が検索された場合、当該検量線の試薬情報のうち前記試薬容器情報を検体測定に使用した試薬の前記試薬容器情報に書き換えた上で、当該検量線を検体測定データの処理に使用する測定データ処理部と、を備える
自動分析装置。
【請求項7】
前記測定データ処理部により前記試薬容器情報が書き換えられた検量線は、前記コピー検量線として前記全体記憶領域に記憶される
請求項6に記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記検量線検索部は、
前記第二の項目別記憶領域よりも先に前記第一の項目別記憶領域の情報に基づいて前記全体記憶領域を検索し、前記検体測定データの処理に使用可能な検量線が見つからなかった場合に、前記第二の項目別記憶領域の情報に基づいて前記全体記憶領域を検索する
請求項7に記載の自動分析装置。
【請求項9】
標準試料を測定して作成される原検量線の保存箇所を示す情報は、前記第二の項目別記憶領域に加えて、前記第一の項目別記憶領域にも記憶される
請求項8に記載の自動分析装置。
【請求項10】
前記全体記憶領域、前記第一の項目別記憶領域、及び前記第二の項目別記憶領域は、記憶できる情報量の上限数に達すると、最も古い情報を消去して最新の情報を記憶する
請求項9に記載の自動分析装置。
【請求項11】
作成済みの検量線の試薬情報の一部を書き換えたコピー検量線を第一の記憶領域に記憶する手順と、
標準試料を測定して作成した原検量線を第二の記憶領域に記憶する手順と、
検体測定データの処理に使用する検量線を検索する際に、少なくとも前記第一の記憶領域及び前記第二の記憶領域のいずれかに記憶された検量線の試薬情報としての試薬ロット情報及び試薬容器情報と、検体測定に使用した試薬の試薬ロット情報及び試薬容器情報とを比較する手順と、
前記試薬容器情報が一致せず前記試薬ロット情報のみが一致する検量線が検索された場合、当該検量線の試薬情報のうち前記試薬容器情報を検体測定に使用した試薬の前記試薬容器情報に書き換えた上で、当該検量線を検体測定データの処理に使用する手順を、
コンピューターに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
作成済みの検量線の試薬情報の一部を書き換えたコピー検量線と、標準試料を測定して作成した原検量線と、を全体記憶領域に記憶する手順と、
前記コピー検量線が前記全体記憶領域に記憶された際に、測定項目ごとに、前記全体記憶領域内の前記コピー検量線の保存個所を示す情報を第一の項目別記憶領域に記憶する手順と、
前記原検量線が前記全体記憶領域に記憶された際に、前記測定項目ごとに、前記全体記憶領域内の前記原検量線の保存個所を示す情報を第二の項目別記憶領域に記憶する手順と、
検体測定データの処理に使用する検量線を検索する際に、検索対象の検量線の測定項目に該当する少なくとも前記第一の項目別記憶領域及び前記第二の項目別記憶領域のいずれかの情報に基づいて前記全体記憶領域を検索し、前記全体記憶領域に記憶された検量線の試薬情報としての試薬ロット情報及び試薬容器情報と、検体測定に使用した試薬の試薬ロット情報及び試薬容器情報とを比較する手順と、
前記試薬容器情報が一致せず前記試薬ロット情報のみが一致する検量線が検索された場合、当該検量線の試薬情報のうち前記試薬容器情報を検体測定に使用した試薬の前記試薬容器情報に書き換えた上で、当該検量線を検体測定データの処理に使用する手順を、
コンピューターに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検量線を用いて検体に含まれる成分を分析する自動分析装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め試薬の組み合わせごとに検量線を作成している。濃度算出に用いる値が同じであっても試薬情報が異なる測定結果に対しては、作成済みの検量線から試薬情報を変更したコピー検量線を作成することで、測定結果と試薬情報のトレーサビリティを確保する。
【0003】
例えば、特許文献1には、分析に使用可能な検量線を所定数記憶する第1記憶領域と、過去に使用した検量線を記憶する第2記憶領域を備える試料分析装置が記載されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の試料分析装置では、承認された検量線を第1記憶領域と第2記憶領域に記憶する。そして、過去に使用した検量線を再度使用するための手順は、検索条件入力画面を表示しその入力内容に基づいて第2記憶領域から検量線を検索し、合致する検量線があれば第1記憶領域に記憶するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-249576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来、記憶できる検量線数と操作のリアルタイム性がトレードオフとなる。大量の検量線を記憶するために記憶領域を大きくすると、目的の検量線を検索するのに時間がかかり操作性が低下する。例えば一つの測定項目に対し50個を超える検量線が作成されることもある。一方で、記憶領域を小さくすると、コピー検量線が大量に作成された場合(処理件数が多い施設の場合)に予め作成したオリジナル検量線が記憶領域から消失し、再度標準試料の測定が必要となる。
【0006】
コピー検量線による測定結果のトレース機能では、一つのロット組み合わせに対して複数のコピー検量線を記憶する必要がある。特許文献1のように「分析に使用可能な検量線」と「過去に使用した検量線」で分けた場合、両方の記憶領域にコピー検量線を記憶することになるので、記憶容量が大きな記憶領域を用意する必要がある。また、第2記憶領域の検量線を第1記憶領域に記憶させるには、オペレーターが入力画面を表示させて手動で第2の記憶領域の検量線を指定し、第1記憶領域にコピーする必要がある。
【0007】
上記の状況から、測定結果のトレーサビリティを確保しつつ、運用に十分な数の検量線を記憶する手法が要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様の自動分析装置は、作成済みの検量線の試薬情報の一部を書き換えたコピー検量線を記憶する第一の記憶領域と、標準試料を測定して作成した原検量線を記憶する第二の記憶領域と、検体測定データの処理に使用する検量線を検索する際に、少なくとも第一の記憶領域及び第二の記憶領域のいずれかに記憶された検量線の試薬情報としての試薬ロット情報及び試薬容器情報と、検体測定に使用した試薬の試薬ロット情報及び試薬容器情報とを比較する検量線検索部と、この検量線検索部により試薬容器情報が一致せず試薬ロット情報のみが一致する検量線が検索された場合、当該検量線の試薬情報のうち試薬容器情報を検体測定に使用した試薬の試薬容器情報に書き換えた上で、当該検量線を検体測定データの処理に使用する測定データ処理部と、を備える。
【0009】
また、本発明の他の態様の自動分析装置は、作成済みの検量線の試薬情報の一部を書き換えたコピー検量線と、標準試料を測定して作成した原検量線と、を記憶する全体記憶領域と、コピー検量線が全体記憶領域に記憶された際に、測定項目ごとに、全体記憶領域内のコピー検量線の保存個所を示す情報を記憶する第一の項目別記憶領域と、原検量線が全体記憶領域に記憶された際に、測定項目ごとに、全体記憶領域内の原検量線の保存個所を示す情報を記憶する第二の項目別記憶領域と、検体測定データの処理に使用する検量線を検索する際に、検索対象の検量線の測定項目に該当する少なくとも第一の項目別記憶領域及び第二の項目別記憶領域のいずれかの情報に基づいて全体記憶領域を検索し、全体記憶領域に記憶された検量線の試薬情報としての試薬ロット情報及び試薬容器情報と、検体測定に使用した試薬の試薬ロット情報及び試薬容器情報とを比較する検量線検索部と、この検量線検索部により試薬容器情報が一致せず試薬ロット情報のみが一致する検量線が検索された場合、当該検量線の試薬情報のうち試薬容器情報を検体測定に使用した試薬の試薬容器情報に書き換えた上で、当該検量線を検体測定データの処理に使用する測定データ処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の少なくとも一態様によれば、測定結果のトレーサビリティを確保しつつ、運用に十分な数の検量線を記憶可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係る自動分析装置の全体構成例を示す模式図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る計算機の内部構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る標準試料測定処理の手順例を示すフローチャートである。
図4】本発明の第1の実施形態に係る患者検体測定処理の手順例を示すフローチャートである。
図5】本発明の第1の実施形態に係る標準試料測定及び患者検体測定の具体例を示す図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る自動分析装置の内部構成例を示すブロック図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る患者検体測定の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0013】
<第1の実施形態>
[自動分析装置の全体構成例]
まず、本発明の第1の実施形態に係る自動分析装置の全体構成について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る自動分析装置の全体構成例を示す模式図である。
図1に示す自動分析装置1は、本発明に係る自動分析装置を生化学分析装置に適用した例である。生化学分析装置は、血液や尿等の生体試料に含まれる特定の成分の量を自動的に測定する。
【0014】
図1に示すように、自動分析装置1は、測定機構1Aと、計算機30とを備える。測定機構1Aは、測定部の一例であり、サンプルターンテーブル2と、希釈ターンテーブル3と、第1試薬ターンテーブル4と、第2試薬ターンテーブル5と、反応ターンテーブル6と、を備えている。また、測定機構1Aは、サンプル希釈ピペット7と、サンプリングピペット8と、希釈撹拌装置9と、希釈洗浄装置11と、第1試薬ピペット12と、第2試薬ピペット13と、第1反応撹拌装置14と、第2反応撹拌装置15と、多波長光度計16と、恒温槽17と、反応容器洗浄装置18とを備えている。
【0015】
サンプルターンテーブル2(検体容器配列部の一例)は、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されている。このサンプルターンテーブル2には、複数の検体容器21と、複数の希釈液容器22が収容されている。サンプルターンテーブル2の内側には、キャリブレータ2a(標準検体)やコントロール2b(管理検体)が設置される。また、サンプルターンテーブル2の内側の部分(内側の2列)は、主にキャリブレータ2aやコントロール2bを保冷する目的で保冷されている。検体容器21には、血液や尿等からなる検体(サンプル)が収容される。希釈液容器22には、通常の希釈液である生理食塩水以外の特別な希釈液が収容される。因みに、サンプルターンテーブル2を駆動するときは、内側と外側を同時に駆動することになる。
【0016】
複数の検体容器21は、サンプルターンテーブル2の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。また、サンプルターンテーブル2の周方向に並べられた検体容器21の列は、サンプルターンテーブル2の半径方向に所定の間隔を開けて2列セットされている。
【0017】
複数の希釈液容器22は、複数の検体容器21の列よりもサンプルターンテーブル2の半径方向の内側に配置されている。複数の希釈液容器22は、複数の検体容器21と同様に、サンプルターンテーブル2の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。そして、サンプルターンテーブル2の周方向に並べられた希釈液容器22の列は、サンプルターンテーブル2の半径方向に所定の間隔を開けて2列セットされている。
【0018】
なお、複数の検体容器21及び複数の希釈液容器22の配列は、2列に限定されるものではなく、1列でもよく、あるいはサンプルターンテーブル2の半径方向に3列以上配置してもよい。
【0019】
サンプルターンテーブル2は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。そして、サンプルターンテーブル2は、不図示の駆動機構により、周方向に所定の角度範囲ごとに、所定の速度で回転する。また、サンプルターンテーブル2の周囲には、希釈ターンテーブル3が配置されている。
【0020】
サンプルターンテーブル2の側面には、サンプルバーコードリーダ10が設けられている。サンプルバーコードリーダ10は、サンプルターンテーブル2に収容された検体容器21、希釈液容器22、キャリブレータ2aの容器及びコントロール2bの容器の側面に付されたバーコードを読み取る。制御部31は、サンプルバーコードリーダ10により読み取られた情報を元に、サンプルターンテーブル2に収容された検体、希釈液を管理している。
【0021】
希釈ターンテーブル3、第1試薬ターンテーブル4、第2試薬ターンテーブル5及び反応ターンテーブル6は、サンプルターンテーブル2と同様に、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されている。希釈ターンテーブル3及び反応ターンテーブル6は、不図示の駆動機構により、その周方向に所定の角度範囲ずつ、所定の速度で回転する。なお、反応ターンテーブル6は、1回以上の回転動作を経て周方向にほぼ1回転(例えば1回の回転動作で約1/3以上回転)するように設定されている。
【0022】
希釈ターンテーブル3には、複数の希釈容器23が希釈ターンテーブル3の周方向に並べて収容されている。希釈容器23には、サンプルターンテーブル2に配置された検体容器21から吸引され、希釈された検体(以下、「希釈検体」という)が収容される。
【0023】
第1試薬ターンテーブル4には、複数の第1試薬容器24が第1試薬ターンテーブル4の周方向に並べて収容されている。また、第2試薬ターンテーブル5には、複数の第2試薬容器25が第2試薬ターンテーブル5の周方向に並べて収容されている。そして、第1試薬容器24には、濃縮された第1試薬が収容され、第2試薬容器25には、第2試薬が収容される。試薬ターンテーブル4,5は複数の試薬容器を収容可能に構成されたトレイ状の装置であればよく、ターンテーブルに限定されない。
【0024】
第1試薬ターンテーブル4は、第1試薬ターンテーブル収納部24Sに収納されている。第1試薬ターンテーブル収納部24Sは、第1試薬ターンテーブルと略同一方向の軸を有する、有底の略円筒状をなす容器状に形成されている。また、第2試薬ターンテーブル5は、第2試薬ターンテーブル収納部25Sに収納されている。第2試薬ターンテーブル収納部25Sは、第2試薬ターンテーブルと略同一方向の軸を有する、有底の略円筒状をなす容器状に形成されている。第1試薬ターンテーブル収納部24S及び第2試薬ターンテーブル収納部25Sはそれぞれ、試薬ターンテーブルを取り外し及び取り付けできるように構成されている。
【0025】
さらに、第1試薬ターンテーブル4、第1試薬容器24、第2試薬ターンテーブル5及び第2試薬容器25は、不図示の保冷機構によって所定の温度に保たれている。そのため、第1試薬容器24に収容された第1試薬と、第2試薬容器25に収容された第2試薬は、所定の温度で保冷される。
【0026】
反応ターンテーブル6は、希釈ターンテーブル3と、第1試薬ターンテーブル4及び第2試薬ターンテーブル5の間に配置されている。反応ターンテーブル6には、複数の反応容器26が反応ターンテーブル6の周方向に並べて収容されている。反応容器26には、希釈ターンテーブル3の希釈容器23からサンプリングした希釈検体と、第1試薬ターンテーブル4の第1試薬容器24からサンプリングした第1試薬と、第2試薬ターンテーブル5の第2試薬容器25からサンプリングした第2試薬が注入される。そして、この反応容器26内において、希釈検体と、第1試薬及び第2試薬が撹拌され、反応が行われる。
【0027】
サンプル希釈ピペット7(検体注入部の一例)は、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の周囲に配置される。サンプル希釈ピペット7は、不図示の希釈ピペット駆動機構により、サンプルターンテーブル2及び希釈ターンテーブル3の軸方向(例えば、上下方向)に移動可能に支持されている。また、サンプル希釈ピペット7は、希釈ピペット駆動機構により、サンプルターンテーブル2及び希釈ターンテーブル3の開口と略平行をなす水平方向に沿って回動可能に支持されている。そして、サンプル希釈ピペット7は、水平方向に沿って回動することで、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の間を往復運動する。なお、サンプル希釈ピペット7がサンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の間を移動する際、サンプル希釈ピペット7は、不図示の洗浄装置を通過する。
【0028】
ここで、サンプル希釈ピペット7の動作について説明する。
サンプル希釈ピペット7がサンプルターンテーブル2における開口の上方の所定位置に移動した際、サンプル希釈ピペット7は、サンプルターンテーブル2の軸方向に沿って下降し、その先端に設けたピペットを検体容器21内に挿入する。このとき、サンプル希釈ピペット7は、不図示のサンプル用ポンプが作動して検体容器21内に収容された検体を所定量吸引する。次に、サンプル希釈ピペット7は、サンプルターンテーブル2の軸方向に沿って上昇してピペットを検体容器21内から抜き出す。そして、サンプル希釈ピペット7は、水平方向に沿って回動し、希釈ターンテーブル3における開口の上方の所定位置に移動する。
【0029】
次に、サンプル希釈ピペット7は、希釈ターンテーブル3の軸方向に沿って下降して、ピペットを所定の希釈容器23内に挿入する。そして、サンプル希釈ピペット7は、吸引した検体と、サンプル希釈ピペット7自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)を希釈容器23内に吐出する。その結果、希釈容器23内で、検体が所定倍数の濃度に希釈される。その後、サンプル希釈ピペット7は、洗浄装置によって洗浄される。
【0030】
サンプリングピペット8(検体注入部の一例)は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間に配置されている。サンプリングピペット8は、不図示のサンプリングピペット駆動機構により、サンプル希釈ピペット7と同様に、希釈ターンテーブル3の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、サンプリングピペット8は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
【0031】
このサンプリングピペット8は、希釈ターンテーブル3の希釈容器23内にピペットを挿入して、所定量の希釈検体を吸引する。そして、サンプリングピペット8は、吸引した希釈検体を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
【0032】
第1試薬ピペット12(第1の試薬注入部の一例)は、反応ターンテーブル6と第1試薬ターンテーブル4の間に配置され、第2試薬ピペット13は、反応ターンテーブル6と第2試薬ターンテーブル5の間に配置されている。第1試薬ピペット12は、不図示の第1試薬ピペット駆動機構により、反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、第1試薬ピペット12は、第1試薬ターンテーブル4と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
【0033】
第1試薬ピペット12は、第1試薬ターンテーブル4の第1試薬容器24内にピペットを挿入して、所定量の第1試薬を吸引する。そして、第1試薬ピペット12は、吸引した第1試薬を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
【0034】
また、第2試薬ピペット13(第2の試薬注入部の一例)は、不図示の第2試薬ピペット駆動機構により、第1試薬ピペット12と同様に、反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、第2試薬ピペット13は、第2試薬ターンテーブル5と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
【0035】
第2試薬ピペット13は、第2試薬ターンテーブル5の第2試薬容器25内にピペットを挿入して、所定量の第2試薬を吸引する。そして、第2試薬ピペット13は、吸引した第2試薬を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
【0036】
希釈撹拌装置9及び希釈洗浄装置11は、希釈ターンテーブル3の周囲に配置されている。希釈撹拌装置9は、不図示の撹拌子を希釈容器23内に挿入し、検体と希釈液を撹拌する。
【0037】
希釈洗浄装置11は、サンプリングピペット8によって希釈検体が吸引された後の希釈容器23を洗浄する装置である。この希釈洗浄装置11は、複数の希釈容器洗浄ノズルを有している。複数の希釈容器洗浄ノズルは、不図示の廃液ポンプと、不図示の洗剤ポンプに接続されている。希釈洗浄装置11は、希釈容器洗浄ノズルを希釈容器23内に挿入し、廃液ポンプを駆動させて挿入した希釈容器洗浄ノズルによって希釈容器23内に残留する希釈検体を吸い込む。そして、希釈洗浄装置11は、吸い込んだ希釈検体を不図示の廃液タンクに排出する。
【0038】
その後、希釈洗浄装置11は、洗剤ポンプから希釈容器洗浄ノズルに洗剤を供給し、希釈容器洗浄ノズルから希釈容器23内に洗剤を吐出する。この洗剤によって希釈容器23内を洗浄する。その後、希釈洗浄装置11は、洗剤を希釈容器洗浄ノズルによって吸引し、希釈容器23内を乾燥させる。
【0039】
第1反応撹拌装置14、第2反応撹拌装置15及び反応容器洗浄装置18は、反応ターンテーブル6の周囲に配置されている。第1反応撹拌装置14は、不図示の撹拌子を反応容器26内に挿入し、希釈検体と第1試薬を撹拌する。これにより、希釈検体と第1試薬との反応が均一かつ迅速に行われる。なお、第1反応撹拌装置14の構成は、希釈撹拌装置9と同一であるため、ここではその説明は省略する。
【0040】
第2反応撹拌装置15は、不図示の撹拌子を反応容器26内に挿入し、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬とを撹拌する。これにより、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬との反応が均一かつ迅速に行われる。なお、第2反応撹拌装置15の構成は、希釈撹拌装置9と同一であるため、ここではその説明は省略する。
【0041】
反応容器洗浄装置18は、検査が終了した反応容器26内を洗浄する装置である。この反応容器洗浄装置18は、複数の反応容器洗浄ノズルを有している。複数の反応容器洗浄ノズルは、希釈容器洗浄ノズルと同様に、不図示の廃液ポンプと、不図示の洗剤ポンプに接続されている。なお、反応容器洗浄装置18における洗浄工程は、上述した希釈洗浄装置11と同様であるため、その説明は省略する。
【0042】
また、多波長光度計16は、反応ターンテーブル6の周囲における反応ターンテーブル6の外壁と対向するように配置されている。多波長光度計16は、反応容器26内に注入され、第1試薬及び第2試薬と反応した希釈検体(標準検体を含む)に対して光学的測定を行って、検体中の様々な成分の量を「吸光度」という数値データとした測定結果を出力し、希釈検体の反応状態を検出する。多波長光度計16には、計算機30が接続されている。
【0043】
さらに、反応ターンテーブル6の周囲には、恒温槽17が配置されている。この恒温槽17は、反応ターンテーブル6に設けられた反応容器26の温度を常時一定に保持するように構成されている。
【0044】
[計算機の構成例]
次に、計算機30の構成例について図2を参照して説明する。
図2は、計算機30の内部構成例を示すブロック図である。
計算機30は、不図示のバスに接続された、制御部31と、分析部32と、入力装置33と、表示装置34と、記憶部35と、一時記憶部36と、時計部37とを備える。
【0045】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)若しくはマイクロプロセッサ等の演算処理装置によって構成される。制御部31は、不図示のインターフェース部を介して自動分析装置1(測定機構1A)の各ブロックと接続し、各ブロックへの動作タイミングの指示やデータの転送等を行って各ブロックの動作の制御を行い、自動分析装置1全体の動作を統括的に制御する。制御部31が、記憶部35に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、本発明に係る機能が実現される。
【0046】
制御部31は、本発明に係る機能として、検量線検索部311と測定データ処理部312を備える。
【0047】
検量線検索部311は、検体測定データの処理に使用する検量線を検索する際に、少なくとも記憶部35内の検量線データベース353及び元検量線データベース354のいずれかに記憶された検量線の試薬情報と、検体測定に使用した試薬の試薬情報とを比較する。より具体的には、検量線検索部311は、検量線データベース353及び元検量線データベース354のいずれかに記憶された検量線(オリジナル検量線、コピー検量線)の試薬情報としての試薬ロット情報及び試薬容器情報と、検体測定に使用した試薬の試薬ロット情報及び試薬容器情報とを比較する。その比較結果は、測定データ処理部312に送られる。ロットは、等しい条件で作られた試薬のひとまとまりの単位を指す。同じロットの試薬でも、試薬容器が異なる場合には使用された試薬容器を追跡、検証できることが求められる。
【0048】
測定データ処理部312は、検量線検索部311により試薬容器情報が一致せず試薬ロット情報のみが一致する検量線が検索された場合、当該検量線の試薬情報のうち試薬容器情報を検体測定に使用した試薬容器情報に書き換えて検量線を複製する。すなわち、測定データ処理部312は、試薬ロット情報のみが一致する検量線から、試薬容器情報を検体測定に使用した試薬容器情報に書き換えたコピー検量線を作成する。そして、測定データ処理部312は、そのコピー検量線を検体測定データの処理に使用する。
【0049】
制御部31は、分析部32と接続されており、測定機構1Aの多波長光度計16が測定した反応容器26の吸光度の測定結果が入力されると、測定結果を分析部32に出力する。
【0050】
分析部32は、多波長光度計16による測定結果に上記検量線を適用して検体の成分濃度等を分析し、分析結果を制御部31に出力する。なお、制御部31が、分析部32の分析機能を有していてもよい。
【0051】
入力装置33は、オペレーターによって行われる自動分析装置1に対する操作入力を受け付け、入力信号を制御部31に出力する。この入力装置33には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等が用いられる。オペレーターは、入力装置33を操作して、測定対象の検体の種類や検体数、分析項目(測定項目)、分析を実行する時間帯(時刻範囲)等、分析に必要な情報を入力する。なお、各検体には、検体を一意に識別できる検体ID(識別子)が割りふられている。
【0052】
表示装置34は、分析結果画面や警告画面、各種設定入力のための入力画面等を表示する。この表示装置34には、例えば、液晶ディスプレイ装置等が用いられる。
【0053】
記憶部35は、例えば、更新記憶可能なフラッシュメモリ等のROMによって構成されている。または、記憶部35は、内蔵或いはデータ通信端子で接続されたHDD(Hard disk drive)等の大容量の記録装置、CD-ROM等の情報記憶媒体及びその読取装置等によって実現されてもよい。記憶部35は、分析結果の他、自動分析装置1の動作に必要な各種プログラムや、これらプログラムの実行にかかるデータ等を格納する。記憶部35には、例えば測定対象指定プログラム351、測定制御プログラム352、検量線データベース353、及び元検量線データベース354が記憶されている。
【0054】
測定対象指定プログラム351は、例えばオペレーターが入力装置33を操作して、測定対象の検体又は測定項目(以下、単に「項目」と記載することがある)を指定するために、制御部31により実行されるプログラムである。制御部31は、測定対象指定プログラム351を実行することで、測定対象の検体及び項目(例えばRRA、EPAなど)を設定する。この測定対象指定プログラム351により、検体と項目が測定対象に指定される。ここで、オペレーターが入力装置33を操作して、検体の測定が実施される長さ、時間間隔又は時刻(時間帯)等を指定できるようにしてもよいし、検体又は項目を指定したときに該検体又は項目に応じて予め決定された長さ、時間間隔又は時刻等が自動的に設定されるようにしてもよい。そして、制御部31は、測定対象指定プログラム351により指定された内容を基に不図示の測定設定テーブルを作成し、記憶部35に記憶する。
【0055】
測定制御プログラム352は、指定された検体又は項目の測定を行うために、制御部31により実行されるプログラムである。制御部31は、不図示の測定設定テーブルに記憶された動作の内容を読み出し、読み出した動作の内容に基づく動作(測定対象の検体又は項目の測定)を実行する。なお、入力装置33から測定開始の指示を受信した場合には、制御部31は、即時に測定を開始する。
【0056】
検量線データベース353(第一の記憶領域の例)は、作成済みの検量線の試薬情報の一部を書き換えたコピー検量線を記憶する。コピー検量線は、標準試料を測定して作成した原検量線(オリジナル検量線)と濃度算出に使用する値は同一で、試薬情報(本実施形態では試薬容器情報)が異なる検量線である。試薬情報は、少なくとも試薬ロット情報、又は試薬容器情報(例えばシリアル番号等の識別子)のいずれかを含む。なお、試薬情報に、他の情報、例えば試薬の有効期限が含まれていてもよい。また、検量線データベース353には、標準試料を測定して作成した原検量線(オリジナル検量線)も記憶される。検量線データベース353は、過去に使用した検量線を記憶する検量線DBとも言える。
【0057】
元検量線データベース354(第二の記憶領域の例)は、標準試料を測定して作成した原検量線(オリジナル検量線)を記憶する。以下では、検量線データベースを「検量線DB」、元検量線データベースを「元検量線DB」と記載する。
【0058】
なお、図2の例では、検量線DB353と元検量線DB354は、同一の記憶部35に設けられているが、それぞれが異なる記憶部に設けられてもよい。
【0059】
一時記憶部36は、更新記憶可能なフラッシュメモリ等のRAMによって構成されている。一時記憶部36は、制御部31が記憶部35から読み出したプログラムやデータ、各種テーブルの一部又は全部の設定内容、測定結果等を一時的に記憶する。
【0060】
時計部37は、時刻を計時し、制御部31へ時刻を通知する。時計部37は、例えば一般的なパーソナルコンピュータ等に装備されている、現在の日時情報を出力するICであるリアルタイムクロック(Real Time Clock:RTC)が用いられる。その他、クロック信号のカウント値など、時系列が一意にわかる情報であればよい。
【0061】
[標準試料測定処理]
次に、自動分析装置1による標準試料測定処理の手順について図3を参照して説明する。
図3は、自動分析装置1による標準試料測定処理の手順例を示すフローチャートである。
まず、制御部31は、測定機構1Aにより目的の標準試料を測定し(S1)、その測定結果に基づいてオリジナル検量線を作成する(S2)。そして、制御部31は、作成したオリジナル検量線を、記憶部35の検量線DB353に記憶する(S3)。また、制御部31は、作成したオリジナル検量線を、記憶部35の元検量線DB354に記憶する(S4)。
【0062】
このように、標準試料を測定して作成されるオリジナル検量線は、元検量線DB354に加えて、検量線DB353にも記憶される。図4で詳細に説明するが、本実施形態において検体(例えば患者検体)を測定する場合には、はじめに濃度算出に使用できる検量線を検量線DB353から探す。そして、検量線DB353を探して目的の検量線が見つからない場合には、次に元検量線DB354の中を探す。
【0063】
[患者検体測定処理]
次に、自動分析装置1による患者検体測定処理の手順について図4を参照して説明する。
図4は、自動分析装置1による患者検体測定処理の手順例を示すフローチャートである。
まず、制御部31は、測定制御プログラム352を読み出して実行することにより、患者検体に対して目的の測定項目を測定する(S11)。次いで、制御部31の検量線検索部311は、目的の測定項目の測定に使用する検量線を検量線DB353から検索する(S12)。
【0064】
次いで、検量線検索部311は、目的の測定項目の濃度算出に使用できる検量線、すなわち目的の測定項目と同じ測定項目の検量線が、検量線DB353にあるかどうかを判定する(S13)。
【0065】
次いで、検量線DB353に目的の測定項目の濃度算出に使用できる検量線がある場合には(S13のYES)、検量線検索部311は、検量線DB353から検索した検量線の作成で使用した試薬の試薬情報と、患者検体の測定に使用した試薬の試薬情報が一致するかどうかを判定する(S14)。ここで、試薬情報が一致するとは、双方の試薬ロット情報及び試薬容器情報のそれぞれが一致することを指す。
【0066】
次いで、検量線の作成で使用した試薬の試薬情報と、患者検体の測定に使用した試薬の試薬情報が一致する場合には(S14のYES)、測定データ処理部312は、検量線DB353から検索した既存の検量線を測定(分析)に使用する(S15)。ここで、検量線DB353から検索する検量線は、オリジナル検量線又はコピー検量線である。
【0067】
一方、検索した検量線の作成で使用した試薬の試薬情報と、患者検体の測定に使用した試薬の試薬情報が一致しない場合には(S14のNO)、測定データ処理部312は、検量線DB353から検索した既存の検量線を複製してコピー検量線を作成する(S16)。本実施形態において、試薬情報が一致しないとは、試薬容器情報が一致せず、試薬ロット情報のみが一致することである。
【0068】
そして、測定データ処理部312は、作成したコピー検量線を検量線DB353に記憶する(S17)。その後、測定データ処理部312は、そのコピー検量線を患者検体の測定(分析)に使用する(S18)。
【0069】
ステップS13の判定処理において検量線DB353に目的の測定項目の濃度算出に使用できる検量線がない場合には(S13のNO)、検量線検索部311は、元検量線DB354を検索する(S19)。
【0070】
次いで、検量線検索部311は、目的の測定項目の濃度算出に使用できる検量線、すなわち目的の測定項目と同じ測定項目の検量線が、元検量線DB354にあるかどうかを判定する(S20)。
【0071】
次いで、元検量線DB354に目的の測定項目の濃度算出に使用できる検量線がある場合には(S20のYES)、検量線検索部311は、元検量線DB354から検索した検量線の作成で使用した試薬の試薬情報と、患者検体の測定に使用した試薬の試薬情報が一致するかどうかを判定する(S21)。
【0072】
次いで、検量線の作成で使用した試薬の試薬情報と、患者検体の測定に使用した試薬の試薬情報が一致する場合には(S21のYES)、測定データ処理部312は、元検量線DB354から検索した既存の検量線(オリジナル検量線)を測定に使用する(S22)。このように、測定データ処理部312は、元検量線DB354に記憶されたオリジナル検量線を自動的に測定データの処理に使用する。
【0073】
一方、検索した検量線の作成で使用した試薬の試薬情報と、患者検体の測定に使用した試薬の試薬情報が一致しない場合には(S21のNO)、測定データ処理部312は、元検量線DB354から検索した検量線(オリジナル検量線)を複製してコピー検量線を作成する(S23)。ここで、試薬情報が一致しないとは、ステップS14の場合と同様に、試薬容器情報が一致せず、試薬ロット情報のみが一致することである。
【0074】
そして、測定データ処理部312は、作成したコピー検量線を検量線DB353に記憶する(S17)。その後、測定データ処理部312は、そのコピー検量線を患者検体の測定(分析)に使用するように制御する(S18)。
【0075】
なお、本実施形態では、分析部32が多波長光度計16による測定結果に上記検量線を適用して患者検体の成分濃度等を分析する構成としているが、測定データ処理部312が上記検量線を用いて患者検体の成分濃度等を分析するように構成してもよい。
【0076】
また、ステップS20において元検量線DB354に目的の測定項目の濃度算出に使用できる検量線がない場合には(S20のNO)、検量線検索部311は、検量線なしと判断して所定の処理を実行する(S24)。例えば、検量線検索部311(制御部31)は、該当する検量線がないことを表すエラーメッセージを表示装置34に表示し、オペレーターからの指示を待つ。または、検量線検索部311(制御部31)は、該当する患者検体に対して目的の測定項目の測定をスキップし、他の測定項目の測定へ移行する。あるいは、検量線検索部311(制御部31)は、目的の測定項目について、該当する患者検体の測定をスキップし、他の患者検体の測定を実行する。
【0077】
ステップS15、S18、S22、又はS24の処理が終了後、本フローチャートの処理を終了する。
【0078】
[標準試料測定及び患者検体測定の具体例]
次に、自動分析装置1による標準試料測定及び患者検体測定の具体例について図5を参照して説明する。
図5は、自動分析装置1による標準試料測定及び患者検体測定の具体例を示す。図5では、測定対象、使用した試薬、従来技術による検量線DBの保持情報、及び本発明による検量線DB353と元検量線DB354の各々の保持情報を、測定の段階を追って示している。
【0079】
-従来技術-
まず、ある測定項目を測定する場合の従来技術について説明する。従来技術では、検量線を記憶するデータベースは一つのみである。
【0080】
(Step1)
標準試料を、ロットAの試薬を用いて測定すると、検量線A(Org)が検量線DBに作成される。“検量線A”は、ロットAの試薬を用いて作成された検量線、“Org”はオリジナル検量線を意味する。説明を簡単にするため、検量線DBは、検量線10個分の情報を記憶する記憶領域を備える。
【0081】
(Step2)
次に、標準試料を、ロットBの試薬を用いて測定すると、検量線B(Org)が検量線DBに作成される。
【0082】
(Step3)
次に、患者検体をロットB_1の試薬(ロットBと試薬情報が一部異なる)を用いて測定すると、検量線B(Org)の情報をコピーして試薬情報を変更したコピー検量線B(Copy1)が検量線DBに作成される。異なる試薬情報とは、試薬容器情報であり、試薬容器情報を変更した上でコピー検量線が作成される。ここでは、試薬容器情報は“1”である。
【0083】
(Step4)
Step3の操作をロットB_9の試薬まで繰り返すと、コピー検量線B(Copy1)~B(Copy9)が作成され、検量線DBから検量線A(Org)が消失する。
【0084】
(Step5)
次に、患者検体をロットA_1の試薬を用いて測定すると、検量線DBに検量線Aが存在しないため、検量線なしと判定される。以上が従来技術の具体例の説明である。
【0085】
-本発明-
次に、ある測定項目を測定する場合の本発明の具体例について説明する。本発明では、検量線を記憶するデータベースとして、検量線DB353と元検量線DB354がある。本発明では、測定項目ごとに、検量線DB353と元検量線DB354を用意することが望ましい。
【0086】
(Step1)
標準試料を、ロットAの試薬を用いて測定すると、検量線A(Org)が検量線DB(検量線DB353)と元検量線DB(元検量線DB354)に作成される。説明を簡単にするため、検量線DB及び元検量線DBはそれぞれ、検量線5個分の情報を記憶する記憶領域を備える。
【0087】
(Step2)
次に、標準試料を、ロットBの試薬を用いて測定すると、検量線B(Org)が検量線DBと元検量線DBに作成される。
【0088】
(Step3)
次に、患者検体をロットB_1の試薬(ロットBと試薬情報が一部異なる)を用いて測定すると、検量線B(Org)の情報をコピーして試薬情報を変更したコピー検量線B(Copy1)が検量線DBに作成される。ここで、異なる試薬情報とは、従来技術の場合と同様に、試薬容器情報であり、試薬容器情報を変更した上でコピー検量線が作成される。
【0089】
(Step4)
Step3の操作をロットB_9の試薬まで繰り返すと、コピー検量線B(Copy1)~B(Copy9)が作成され、検量線DBから検量線A(Org)、B(Org)、B(Copy1)~B(Copy4)が消失する。
【0090】
(Step5)
次に、患者検体をロットA_1の試薬を用いて測定すると、元検量線DBの検量線A(Org)の情報をコピーして、コピー検量線A(Copy1)が検量線DBに作成される。これにより、ロットA_1の試薬を用いた測定に対し、測定データにコピー検量線A(Copy1)を適用して患者検体の測定項目の成分を測定できる。以上が本発明の具体例の説明である。
【0091】
以上のとおり、第1の実施形態に係る自動分析装置は、第一の記憶領域、第二の記憶領域、検量線検索部と、測定データ処理部と、を備えて構成される。
第一の記憶領域(例えば検量線DB353)は、作成済みの検量線の試薬情報(例えば試薬ロット情報、試薬容器情報)の一部を書き換えたコピー検量線を記憶するように構成されている。
第二の記憶領域(例えば元検量線DB354)は、標準試料を測定して作成した原検量線(オリジナル検量線)を記憶するように構成されている。
検量線検索部(例えば検量線検索部311)は、検体測定データの処理に使用する検量線を検索する際に、少なくとも第一の記憶領域及び第二の記憶領域のいずれかに記憶された検量線の試薬情報としての試薬ロット情報及び試薬容器情報と、検体測定に使用した試薬の試薬ロット情報及び試薬容器情報とを比較するように構成されている。
測定データ処理部(例えば測定データ処理部312)は、検量線検索部により試薬容器情報が一致せず試薬ロット情報のみが一致する検量線が検索された場合、当該検量線の試薬情報のうち試薬容器情報を検体測定に使用した試薬の試薬容器情報に書き換えた上で、当該検量線を検体測定データの処理に使用するように構成されている。
【0092】
上記構成を備えた第1の実施形態に係る自動分析装置によれば、記憶容量の大きな記憶領域を必要とせずに、測定結果のトレーサビリティ(どの試薬容器を用いて測定したか確認できる機能)を確保しつつ、運用に十分な数の検量線の情報を記憶することができる。それゆえ、試料の効率的な測定が可能である。
【0093】
また、第1の実施形態では、試薬容器情報のうち試薬ロット情報のみが一致する検量線から試薬容器情報を書き換えて複製した検量線、すなわちコピー検量線を検体測定データの処理に使用する。試薬容器情報を書き換えたコピー検量線が自動的に作成されて第一の記憶領域に保存されるため、オペレーターは操作に対するストレスが発生しにくい。それゆえ、本実施形態によれば、ストレスのない操作性を維持しつつ、測定結果のトレーサビリティを確保できる。
【0094】
また、第1の実施形態では、コピー検量線を記憶する検量線DBとは別に、オリジナル検量線を記憶する元検量線DBを備えるため、コピー検量線とオリジナル検量線を一つのデータベースに保存する場合と比較して、オリジナル検量線の記憶期間が長くなる。それゆえ、キャリブレーションの実施タイミングの選択肢が増えて、オペレーターが時間を有効に使える。
【0095】
また、本実施形態に係る自動分析装置では、検量線検索部(例えば検量線検索部311)は、第二の記憶領域(元検量線DB354)よりも先に第一の記憶領域(検量線DB353)を検索し、検体測定データの処理に使用可能な検量線が見つからなかった場合に、第二の記憶領域を検索するように構成されている。
【0096】
実際の運用では、試薬情報のうち、試薬ロット情報が同じであっても、試薬容器情報が異なるケースが多い、すなわちコピー検量線が作成されるケースが多いと考えられる。そのため、はじめにコピー検量線が記憶されうる第一の記憶領域を検索することは、検索時間を短縮できる可能性がある。
【0097】
また、本実施形態に係る自動分析装置では、第一の記憶領域(検量線DB353)及び第二の記憶領域(元検量線DB354)は、図5に示すように、記憶できる検量線の上限数に達すると、最も古い検量線を消去して最新の検量線を記憶するように構成されている。
【0098】
上記構成により、検量線としてオリジナル検量線又はコピー検量線が新たに作成された場合でも、随時、最新の検量線を第一の記憶領域又は第二の記憶領域に記憶することができる。
【0099】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施形態に係る自動分析装置1に対して、複数の測定項目に対するオリジナル検量線とコピー検量線を一つの記憶領域に記憶し、かつ、検量線DBと元検量線DBがキャッシュ機能を備えるものである。このキャッシュ機能では、制御部31が、一つの記憶領域にまとめて保存した検量線の情報を、測定項目ごとに他の記憶領域に保存する構成とすることで、測定項目に応じて目的の検量線の情報にすばやくアクセスできる。
【0100】
図6は、第2の実施形態に係る自動分析装置1の内部構成例を示すブロック図である。
図6に示す自動分析装置1は、第1の実施形態に係る自動分析装置1(図2)において、記憶部35に、全検量線データベース355、及びキャッシュ検量線データベース356X~356Zが記憶されている。
【0101】
全検量線データベース355(全体記憶領域の例)は、制御部31の制御の下で、作成済みの検量線の試薬情報(ロット情報、容器情報等)の一部を書き換えたコピー検量線と、標準試料を測定して作成した原検量線(オリジナル検量線)と、を記憶する。以降の説明では、全検量線データベースを「検量線DB_ALL」と記載する。
【0102】
キャッシュ検量線データベース356X~356Z(項目別記憶領域)は、制御部31の制御の下で、測定項目ごとに、全検量線DB355内のコピー検量線及びオリジナル検量線の保存個所を示す情報を記憶する。キャッシュ検量線データベース356X~356Zの各々は、検量線DBと、元検量線DBとを備える。以降の説明では、キャッシュ検量線データベースを「キャッシュ検量線DB」と記載する。
【0103】
検量線DB(第一の項目別記憶領域)は、コピー検量線が検量線DB_ALL355に記憶された際に、測定項目ごとに、検量線DB_ALL355内のコピー検量線の保存個所を示す情報を記憶する。また、本実施形態では、検量線DBは、標準試料を測定して作成したオリジナル検量線の検量線DB_ALL355内での保存箇所を示す情報を記憶する。保存箇所を示す情報は、例えば検量線DB_ALL355を格納する記憶部35のメモリ空間上でのアドレス(番地)である。このアドレスは、物理アドレス又は論理アドレスのいずれでもよい。
【0104】
元検量線DB(第二の項目別記憶領域)は、オリジナル検量線が検量線DB_ALL355に記憶された際に、測定項目ごとに、検量線DB_ALL355内のオリジナル検量線の保存個所を示す情報を記憶する。
【0105】
なお、検量線DB_ALL355とキャッシュ検量線DB356X~356Zは、同一の記憶部35に設けられているが、一部又は全部のDBが異なる記憶部に設けられてもよい。
【0106】
図7は、第2の実施形態における患者検体測定の具体例を示す。
図7の左側には、検量線DB_ALL355が示されている。また、図7の右側には、測定項目Xのキャッシュ検量線DB356X、測定項目Yのキャッシュ検量線DB356Y、及び測定項目Zのキャッシュ検量線DB356Zが示されている。図中、実線はメモリアドレスの記憶処理を表し、破線はメモリアドレスに基づく検量線へのアクセス処理を表す。
【0107】
検量線DB_ALL355では、検量線のデータと、当該検量線のデータが記憶されたメモリアドレスの情報とが示されている。検量線DB_ALL355には、測定項目(図7では項目)X~Yのオリジナル検量線と、コピー検量線が記憶されている。A~Dはロット情報を表す。また、Copyに付した添え字はオリジナル検量線と容器情報が異なることを示す。例えば、メモリ空間上の位置“1”の「項目Y(Org)_A」は、項目Yに対してロット“A”の試薬を用いて作成したオリジナル検量線を表す。また、位置“15”の「項目Z(Copy1)_B」は、項目Zに対してロット“B”かつ容器情報“1”の容器に収容された試薬を用いて作成したコピー検量線を表す。
【0108】
キャッシュ検量線DB356X~356Zには、それぞれ該当する測定項目の測定に使用する検量線の情報にアクセスするための、検量線DB_ALL355の検量線のメモリアドレスを示す。図7の例では、キャッシュ検量線DB356Xでは、検量線DBにメモリアドレス“13”、“14”、“17”が記載され、元検量線DBにメモリアドレス“2”、“3”、“9”が記載されている。
【0109】
以上のとおり、第2の実施形態に係る自動分析装置は、全体記憶領域、第一の項目別記憶領域、第二の項目別記憶領域、検量線検索部と、測定データ処理部と、を備えて構成される。
全体記憶領域(例えば全検量線データベース355)は、作成済みの検量線の試薬情報(例えば試薬ロット情報、試薬容器情報)の一部を書き換えたコピー検量線と、標準試料を測定して作成した原検量線(オリジナル検量線)と、を記憶するように構成されている。
第一の項目別記憶領域(例えば検量線DB)は、コピー検量線が全体記憶領域に記憶された際に、測定項目ごとに、全体記憶領域内のコピー検量線の保存個所を示す情報(メモリアドレス)を記憶するように構成されている。
第二の項目別記憶領域(例えば元検量線DB)は、原検量線が全体記憶領域に記憶された際に、測定項目ごとに、全体記憶領域内の原検量線の保存個所を示す情報を記憶するように構成されている。
検量線検索部(例えば検量線検索部311)は、検体測定データの処理に使用する検量線を検索する際に、検索対象の検量線の測定項目に該当する少なくとも第一の項目別記憶領域及び第二の項目別記憶領域のいずれかの情報に基づいて全体記憶領域を検索し、全体記憶領域に記憶された検量線の試薬情報としての試薬ロット情報及び試薬容器情報と、検体測定に使用した試薬の試薬ロット情報及び試薬容器情報とを比較するように構成されている。
測定データ処理部(例えば測定データ処理部312)は、検量線検索部により試薬容器情報が一致せず試薬ロット情報のみが一致する検量線が検索された場合、当該検量線の試薬情報のうち試薬容器情報を検体測定に使用した試薬の試薬容器情報に書き換えた上で、当該検量線を検体測定データの処理に使用するように構成されている。
【0110】
上記構成を備えた第2の実施形態に係る自動分析装置によれば、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果を奏する。本実施形態では、検量線の記憶領域(全検量線DB)をすべての測定項目で共通して使用しているが、測定項目ごとに測定に使用する検量線の情報にアクセスするための情報(メモリアドレス)を別途保持している。このように、測定項目ごとに検量線を抽出するキャッシュ機能を設けたことで、目的の検量線へのアクセスを高速化することができる。
<変形例>
【0111】
さらに、本発明は上述した各実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。例えば、上述した各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために自動分析装置の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成要素の追加又は置換、削除をすることも可能である。
【0112】
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。ハードウェアとして、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの広義のプロセッサデバイスを用いてもよい。
【0113】
また、図3及び図4に示すフローチャートにおいて、処理結果に影響を及ぼさない範囲で、複数の処理を並列的に実行したり、処理順序を変更したりしてもよい。
【符号の説明】
【0114】
1…自動分析装置、 2…サンプルターンテーブル、 2a…キャリブレータ、 2b…コントロール、 30…計算機、 31…制御部、 33…入力装置、 34…表示装置、 35…記憶部、36…一時記憶部、 311…検量線検索部、 312…測定データ処理部、 353…検量線データベース、 354…元検量線データベース、 355…全検量線データベース、 356X~356Z…キャッシュ検量線データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7