(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029782
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】重量検査装置
(51)【国際特許分類】
G01G 23/36 20060101AFI20220210BHJP
【FI】
G01G23/36 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133280
(22)【出願日】2020-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】水野 絵美
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 平之助
(57)【要約】
【課題】本体を置くべき場所に構造物がある場合、本体を別置きにする等の対応をとる必要があり、通常よりも負荷や費用がかかる、という課題がある。
【解決手段】重量検査装置100は、搬送部20と、計量部30と、本体40と、フレーム50とを備える。搬送部20は、被検査物Pを搬送する。計量部30は、搬送部20上の被検査物Pの重量を計量する。本体40は、計量部30が行う計量に関する画面42aを有する。フレーム50は、搬送部20と、計量部30とを固定する。フレーム50は、搬送部20の搬送方向TDに延びるレール部材51a,51b,51c,51dを有する。本体40は、搬送部20及び計量部30から独立しており、搬送方向TDの位置を変更できるように、レール部材51a,51bに取り付けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物を搬送する搬送部と、
前記搬送部上の前記被検査物の重量を計量する計量部と、
前記計量部が行う計量に関する画面を有する本体と、
前記搬送部と、前記計量部と、を固定するフレームと、
を備え、
前記フレームは、前記搬送部の搬送方向に延びるレール部材を有し、
前記本体は、前記搬送部、及び前記計量部から独立しており、前記搬送方向の位置を変更できるように前記レール部材に取り付けられている、重量検査装置。
【請求項2】
前記本体は、自身の荷重を前記レール部材にかけた状態で、前記搬送方向にスライドすることで、自身の前記搬送方向の位置を変更できる、
請求項1に記載の重量検査装置。
【請求項3】
前記本体は、自身と、前記レール部材と、を固定する固定具を緩めることで、前記搬送方向にスライド可能になり、かつ前記固定具を締めることで、前記搬送方向にスライド不能になる、
請求項2に記載の重量検査装置。
【請求項4】
前記フレームは、前記レール部材として、上下並行に配置される第1レール部材及び第2レール部材、を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の重量検査装置。
【請求項5】
前記フレームは、前記レール部材とは別に、前記搬送部、及び、前記計量部を支持する支持部材をさらに有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の重量検査装置。
【請求項6】
前記レール部材の長さは、前記本体の前記搬送方向の長さの2倍より大きい、
請求項1から5のいずれか一項に記載の重量検査装置。
【請求項7】
前記本体は、前記搬送部、前記計量部、及び、前記レール部材に対して、自身の高さ方向に位置の変更が可能である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の重量検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
重量検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許第6062745号)に示されているように、従来の重量検査装置では、本体は、基本的には位置の変更ができないように、フレームに固定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の重量検査装置では、本来、本体を置くべき場所に構造物がある場合、フレームから本体を分解して、本体を別置きにする等の対応をとる必要があり、通常よりも負荷や費用がかかる、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の重量検査装置は、搬送部と、計量部と、本体と、フレームとを備える。搬送部は、被検査物を搬送する。計量部は、搬送部上の被検査物の重量を計量する。本体は、計量部が行う計量に関する画面を有する。フレームは、搬送部と、計量部とを固定する。フレームは、搬送部の搬送方向に延びるレール部材を有する。本体は、搬送部、及び、計量部から独立しており、搬送方向の位置を変更できるように、レール部材に取り付けられている。
【0005】
第1観点の重量検査装置では、本体は、搬送部、及び、計量部から独立しており、搬送方向の位置を変更できるように、レール部材に取り付けられている。その結果、本来、本体を置くべき場所に構造物がある場合でも、本体の搬送方向の位置を変更することで、負荷や費用をかけずに、重量検査装置を設置することができる。
【0006】
第2観点の重量検査装置は、第1観点の重量検査装置であって、本体は、自身の荷重をレール部材にかけた状態で、搬送方向にスライドすることで、自身の搬送方向の位置を変更できる。
【0007】
第2観点の重量検査装置では、本体は、自身の荷重をレール部材にかけた状態で、搬送方向にスライドすることで、自身の搬送方向の位置を変更できる。その結果、本体を搬送方向にスライドすることで、容易に本体の位置を変更できる。
【0008】
第3観点の重量検査装置は、第2観点の重量検査装置であって、本体は、自身とレール部材とを固定する固定具、を緩めることで、搬送方向にスライド可能になる。本体は、固定具を締めることで、搬送方向にスライド不能になる。
【0009】
第3観点の重量検査装置では、本体は、自身とレール部材とを固定する固定具、を緩めることで、搬送方向にスライド可能になる。本体は、固定具を締めることで、搬送方向にスライド不能になる。その結果、固定具を用いて、スライドの可否を容易に調節できる。
【0010】
第4観点の重量検査装置は、第1観点から第3観点のいずれかの重量検査装置であって、フレームは、レール部材として、上下並行に配置される第1レール部材及び第2レール部材、を有する。
【0011】
第4観点の重量検査装置では、フレームは、レール部材として、上下並行に配置される第1レール部材及び第2レール部材、を有する。その結果、上下並行に配置される2本のレール部材に、本体を取り付けることで、本体をより安定させることができる。
【0012】
第5観点の重量検査装置は、第1観点から第4観点のいずれかの重量検査装置であって、フレームは、レール部材とは別に、搬送部、及び、計量部を支持する支持部材をさらに有する。
【0013】
第5観点の重量検査装置では、フレームは、レール部材とは別に、搬送部、及び、計量部を支持する支持部材をさらに有する。その結果、搬送部、及び、計量部とは無関係に、本体の搬送方向の位置を変更することができる。
【0014】
第6観点の重量検査装置は、第1観点から第5観点のいずれかの重量検査装置であって、レール部材の長さは、本体の搬送方向の長さの2倍より大きい。
【0015】
第6観点の重量検査装置では、レール部材の長さは、本体の搬送方向の長さの2倍より大きい。その結果、2つの重量検査装置を背中合わせで設置する場合、2つの本体を、搬送方向に並べることで、省スペース化を図ることができる。
【0016】
第7観点の重量検査装置は、第1観点から第6観点のいずれかの重量検査装置であって、本体は、搬送部、計量部、及び、レール部材に対して、自身の高さ方向に位置の変更が可能である。
【0017】
第7観点の重量検査装置では、本体は、搬送部、計量部、及び、レール部材に対して、自身の高さ方向に位置の変更が可能である。その結果、本体が有する計量に関する画面の高さを、容易に変更することができる。
【発明の効果】
【0018】
重量検査装置は、本体の搬送方向の位置を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】本体とレール部材との取り付け方法を示す図である。
【
図4】本体とレール部材との取り付け方法を示す図である。
【
図5】2つの重量検査装置を、背中合わせで設置する場合を示す図である。
【
図6】2つの重量検査装置を、背中合わせで設置する場合を示す図である。
【
図7】レール部材と脚部材とを、固定具を用いて取り付ける場合を示す図である。
【
図8】レール部材と脚部材とを、固定具を用いて取り付ける場合を示す図である。
【
図9】本体を上下方向に位置変更した様子を示す側面図である。
【
図10】変形例1Bにおける方法によって、フレームに取り付けられた本体を示す図である。
【
図11】変形例1Bにおける本体とレール部材との取り付け方法を示す図である。
【
図12】変形例1Bにおける本体とレール部材との取り付け方法を示す図である。
【
図13】変形例1Bにおける本体とレール部材との取り付け方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(1)全体構成
以下、方向や位置関係を説明する際に「前」、「後」、「上」、「下」、「上流」、「下流」という表現を用いる場合があるが、特に断りのない限り、
図1等の矢印に従い、「前」、「後」、「上」、「下」、「上流」、「下流」という表現を使用する。
【0021】
図1は、重量検査装置100の正面図である。
図2は、重量検査装置100の斜視図である。
図1及び
図2に示すように、重量検査装置100は、上流から下流に流れる被検査物Pの重量が、許容範囲内であるか否かの検査を行う。以下、上流及び下流の方向を、搬送方向TDと記載する。
【0022】
重量検査装置100は、主として、搬送部20と、計量部30と、本体40と、フレーム50とを備える。
【0023】
(2)詳細構成
(2-1)取込部
図1及び
図2に示すように、取込部10は、上流側から被検査物Pを受け入れ、下流にある計量部30へ当該被検査物Pを搬送する。取込部10は、取込コンベア11と、駆動部12とを備えている。
【0024】
取込コンベア11は、被検査物Pを搬送する。取込コンベア11は、コンベアフレーム111と、駆動ローラ112a及び従動ローラ112bと、搬送ベルト113とを有している。コンベアフレーム111は、取込コンベア11の前側及び後側に配置された一対の支持部材54によって支持されている。駆動ローラ112a及び従動ローラ112bは、コンベアフレーム111の搬送方向TDの上流側及び下流側に、それぞれ回転可能に取り付けられている。搬送ベルト113は、駆動ローラ112a及び従動ローラ112bの間に巻き掛けられた、無端状のベルトである。
【0025】
駆動部12は、取込コンベア11を駆動させる。駆動部12は、駆動モータ122と、モータボックス121とを有している。駆動モータ122は、駆動ローラ112aを回転させる。モータボックス121は、駆動モータ122を収容している。モータボックス121は、支持部材54に固定されている。駆動モータ122を動作させると、駆動モータ122の駆動力が図示しないタイミングベルトを介して、駆動ローラ112aに伝達し、駆動ローラ112aを主動回転させる。これにより、駆動ローラ112aと従動ローラ112bとの間で搬送ベルト113が回動し、搬送ベルト113上の被検査物Pが計量部30へ搬送される。
【0026】
(2-2)搬送部
図1及び
図2に示すように、搬送部20は、被検査物Pを搬送する。搬送部20は、取込部10から受け入れた被検査物Pを、下流側に搬送するための計量コンベアである。
【0027】
搬送部20は、コンベアフレーム21と、駆動ローラ22a及び従動ローラ22bと、搬送ベルト23とを有している。
【0028】
コンベアフレーム21は、搬送部20の前側及び後側に配置された、一対の支持部材55によって支持されている。駆動ローラ22a及び従動ローラ22bは、コンベアフレーム21の搬送方向TDの上流側及び下流側に、それぞれ回転可能に取り付けられている。搬送ベルト23は、駆動ローラ22a及び従動ローラ22bの間に巻き掛けられた、無端状のベルトである。
【0029】
搬送部20は、計量部30と共に、フレーム50の支持部材53に支持されている。
【0030】
(2-3)計量部
図1及び
図2に示すように、計量部30は、搬送部20上の被検査物Pの重量を計量する。
【0031】
計量部30は、駆動部31と、計量ボックス32とを備えている。
【0032】
駆動部31は、搬送部20を駆動させる。駆動部31は、駆動モータ311と、モータボックス312とを有している。駆動モータ311は、駆動ローラ22aを回転させる。モータボックス312は、駆動モータ311を収容している。モータボックス312は、支持部材55に固定されている。モータボックス312内の駆動モータ311を動作させると、駆動モータ311の駆動力が図示しないタイミングベルトを介して駆動ローラ22aに伝達し、駆動ローラ22aを主動回転させる。これにより、駆動ローラ22aと従動ローラ22bとの間で搬送ベルト23が回動し、搬送ベルト23上の被検査物Pが下流側へ搬送される。
【0033】
計量ボックス32は、フレーム50の支持部材53に支持されている。計量ボックス32は、ロードセル321を収容している。ロードセル321は、搬送部20に被検査物Pが載置されることで生じる歪みの変化を検出して、搬送部20に載置された被検査物Pの重量を計量する。
【0034】
(2-4)本体
図1及び
図2に示すように、本体40は、計量部30の後方に配置されている。
【0035】
本体40は、胴体部46と、制御部41と、ディスプレイ42と、電源スイッチ43と、取付けブラケット44a,44bとを有している。
【0036】
胴体部46は、上下方向に延びる縦長の筐体である。
【0037】
制御部41は、胴体部46の内部に収容されている。制御部41は、重量検査装置100の各部の動作を制御する。制御部41は、例えば、CPUやメモリを有するコンピュータにより構成され、駆動モータ122,311等と電気的に接続されている。制御部41は、駆動モータ122,311の動作を制御する。また、制御部41は、ロードセル321から出力された計量信号を受信し、計量信号により示される計量値が所定の許容範囲内にあるかどうかを判定する。
【0038】
ディスプレイ42は、本体40の上部に、画面42aを前方に向けて設置されている。ディスプレイ42の画面42aには、計量部30が行う計量に関する内容が表示される。例えば、ディスプレイ42の画面42aには、制御部41における判定の結果等が表示される。
【0039】
電源スイッチ43は、重量検査装置100の電源のオンオフを行う。
【0040】
取付けブラケット44a,44bは、胴体部46下面の、搬送方向TDの両端に溶着されている。取付けブラケット44aは、上流側に溶着されている。取付けブラケット44bは、下流側に溶着されている。取付けブラケット44a,44bは、本体40を、レール部材51bに固定するために用いられる。
【0041】
(2-5)フレーム
図1及び
図2に示すように、フレーム50は、レール部材51a~51dと、脚部材52a~52dと、梁部材58a,58bと、支持部材53とを有する。
【0042】
レール部材51a~51dは、搬送部20の搬送方向TDに延びている。レール部材51a~51dは、後方の上下方向に並行に配置されるレール部材51a(第1レール部材51a)及びレール部材51b(第2レール部材51b)と、前方の上下方向に並行に配置されるレール部材51c及びレール部材51dとを有する。本実施形態では、レール部材51a~51dの長さは、本体40の搬送方向TDの長さの2倍より大きい。
【0043】
本体40の胴体部46の上流側及び下流側の側面と、レール部材51aとは、固定具57a,57bによって、取り付けられている。
図3は、本体40と、レール部材51aとの取り付け方法を説明するための図である。
図3に示すように、固定具57aは、取付け部材57a1,57a2と、螺子57a3,57a4とを有する。レール部材51aは、取付け部材57a1と、取付け部材57a2とによって、前後方向に挟まれる。取付け部材57a1と、取付け部材57a2とは、2本の螺子57a3によって、前方から後方に向けて螺合される。取付け部材57a1は、4本の螺子57a4によって、胴体部46の上流側の側面に、上流側から下流側に向けて螺合される。また、固定具57bは、取付け部材57b1,57b2と、螺子57b3,57b4とを有する。レール部材51aは、取付け部材57b1と、取付け部材57b2とによって、前後方向に挟まれる。取付け部材57b1と、取付け部材57b2とは、2本の螺子57b3によって、前方から後方に向けて螺合される。取付け部材57b1は、4本の螺子57b4によって、胴体部46の下流側の側面に、下流側から上流側に向けて螺合される。
【0044】
本体40の取付けブラケット44a,44bと、レール部材51bとは、固定具57c,57dによって、取り付けられている。
図4は、本体40と、レール部材51bとの取り付け方法を説明するための図である。固定具57cは、取付け部材57c1と、螺子57c2とを有する。レール部材51bは、取付けブラケット44aと、取付け部材57c1とによって、上下方向に挟まれる。取付けブラケット44aと、取付け部材57c1とは、4本の螺子57c2によって、下から上に向けて螺合される。なお、
図4には、取付けブラケット44aの上流側の2つの螺子穴は、表示されていない。また、固定具57dは、取付け部材57d1と、螺子57d2とを有する。レール部材51bは、取付けブラケット44bと、取付け部材57d1とによって、上下方向に挟まれる。取付けブラケット44bと、取付け部材57d1とは、4本の螺子57d2によって、下から上に向けて螺合される。なお、
図4には、取付けブラケット44bの上流側の2つの螺子穴は、表示されていない。
【0045】
脚部材52a~52dは、レール部材51a~51dの上流側及び下流側の端部に溶着されている。脚部材52a~52dは、上流側の前後方向に並行に配置される脚部材52a及び脚部材52cと、下流側の前後方向に並行に配置される脚部材52b及び脚部材52dとを有する。脚部材52a~52dの下端部は、床面に当接し、重量検査装置100の全体を支持している。脚部材52a~52dにはそれぞれ、下端部の高さを調節する調節機構56a~56dが設けられている。脚部材52a~52dは、調節機構56a~56dを調節することにより、取込部10、搬送部20及び計量部30の、高さ位置や水平状態を調節することができる。
【0046】
梁部材58a,58bは、前後方向に延びている。梁部材58aの前後方向の両端は、脚部材52a及び脚部材52cに溶着されている。梁部材58bの前後方向の両端は、脚部材52b及び脚部材52dに溶着されている。梁部材58a,58bは、脚部材52a~52dの上下方向の真ん中より上方に溶着されている。
【0047】
支持部材53は、搬送方向TDに延びている。支持部材53の両端は、梁部材58a及び梁部材58bに掛け渡されている。支持部材53は、取込部10、搬送部20、及び、計量部30を支持している。
【0048】
(3)本体の搬送方向への位置変更
上述のように、本体40は、搬送部20、及び、計量部30から独立しており、搬送方向TDの位置を変更できるように、レール部材51a,51bに取り付けられている。
【0049】
本体40は、自身とレール部材51a,51bとを固定する固定具57a~57dを緩めることで、搬送方向TDにスライド可能になる。本体40は、固定具57a~57dを締めることで、搬送方向TDにスライド不能になる。本体40は、自身の荷重をレール部材51bにかけた状態で、搬送方向TDにスライドすることで、自身の搬送方向TDの位置を変更できる。
【0050】
本実施形態では、レール部材51a~51dの長さは、本体40の搬送方向TDの長さの2倍より大きい。そのため、2つの重量検査装置100,100’を、背中合わせで設置する場合、本体40,40’の搬送方向TDの位置を変更することによって、2つの重量検査装置100,100’を、省スペースで設置することができる。
図5及び
図6は、2つの重量検査装置100,100’を、背中合わせで設置する場合を示す図である。
図5及び
図6では、2つの重量検査装置100,100’を、上方から見下ろしている。
図5では、2つの重量検査装置100,100’が、前後方向に、背中合わせで設置されている。
図6では、
図5の重量検査装置100’の本体40’の位置を、上流側に移動させ、2つの本体40,40’が搬送方向TDに並ぶように、2つの重量検査装置100,100’を前後方向に近づけている。検証の結果、
図5における2つの重量検査装置100,100’のコンベア間の距離L1は、950mmであった。
図6における2つの重量検査装置100,100’のコンベア間の距離L2は、785mmであった。そのため、
図6の配置は、
図5の配置に比べて、2つの重量検査装置100,100’が、前後方向に省スペースで設置されていることがわかる。
【0051】
(4)特徴
(4-1)
従来の重量検査装置では、本体は、基本的には位置の変更ができないように、フレームに固定されていた。
【0052】
そのため、本来、本体を置くべき場所に構造物がある場合、フレームから本体を分解して、本体を別置きにする等の対応をとる必要があり、通常よりも負荷や費用がかかる、という課題があった。
【0053】
本実施形態の重量検査装置100では、本体40は、搬送部20、及び、計量部30から独立しており、搬送方向TDの位置を変更できるように、レール部材51a,51bに取り付けられている。その結果、本来、本体40を置くべき場所に構造物がある場合でも、本体40の搬送方向TDの位置を変更することで、負荷や費用をかけずに、重量検査装置100を設置することができる。
【0054】
(4-2)
本実施形態の重量検査装置100では、本体40は、自身の荷重をレール部材51bにかけた状態で、搬送方向TDにスライドすることで、自身の搬送方向TDの位置を変更できる。その結果、本体40を搬送方向TDにスライドすることで、容易に本体40の位置を変更できる。
【0055】
(4-3)
本実施形態の重量検査装置100では、本体40は、自身とレール部材51a,51bとを固定する固定具57a~57d、を緩めることで、搬送方向TDにスライド可能になる。本体40は、固定具57a~57dを締めることで、搬送方向TDにスライド不能になる。その結果、固定具57a~57dを用いて、スライドの可否を容易に調節できる。
【0056】
(4-4)
本実施形態の重量検査装置100では、フレーム50は、レール部材51a~51dとして、上下並行に配置される第1レール部材51a及び第2レール部材51b、を有する。その結果、上下並行に配置される2本のレール部材51a,51bに、本体40を取り付けることで、本体40をより安定させることができる。
【0057】
(4-5)
本実施形態の重量検査装置100では、フレーム50は、レール部材51a~51dとは別に、搬送部20、及び、計量部30を支持する支持部材53をさらに有する。その結果、搬送部20、及び、計量部30とは無関係に、本体40の搬送方向TDの位置を変更することができる。
【0058】
(4-6)
本実施形態の重量検査装置100では、レール部材51a~51dの長さは、本体40の搬送方向TDの長さの2倍より大きい。その結果、2つの重量検査装置100,100’を背中合わせで設置する場合、2つの本体40,40’を、搬送方向TDに並べることで、省スペース化を図ることができる。
【0059】
(5)変形例
(5-1)変形例1A
本実施形態では、本体40は、レール部材51a,51bに取り付けられ、レール部材51a,51bは、脚部材52a,52bに溶着されていた。しかし、レール部材51a,51bは、上下方向に位置の変更が可能となるように、脚部材52a,52bに取り付けられてもよい。その結果、本体40は、搬送部20、計量部30、及び、レール部材51c,51dに対して、自身の高さ方向に位置の変更が可能となる。
【0060】
図7及び
図8は、レール部材51a,51bと脚部材52a,52bとを、固定具61a~61dを用いて取り付ける場合を示す図である。
図7は、レール部材51a,51bと脚部材52a,52bとを、固定具61a~61dを用いて取り付けた後の状態を示している。レール部材51aと脚部材52aとは、固定具61aを用いて取り付けられている。レール部材51aと脚部材52bとは、固定具61bを用いて取り付けられている。レール部材51bと脚部材52aとは、固定具61cを用いて取り付けられている。レール部材51bと脚部材52bとは、固定具61dを用いて取り付けられている。
図8は、代表して、レール部材51aと脚部材52aとを、固定具61aを用いて取り付ける方法を示している。固定具61aは、一対の取付け部材61a11,61a12と、螺子61a2とを有する。取付け部材61a11,61a12はそれぞれ、湾曲部61a111,61a121と、突起部61a112,61a122とを有する。レール部材51aと脚部材52aとを取り付けるには、まず、取付け部材61a11の湾曲部61a111と、取付け部材61a12の湾曲部61a121とによって、脚部材52aを前後方向に取り囲む。このとき、取付け部材61a11の突起部61a112と、取付け部材61a12の突起部61a122とを、嵌め合わせて固定する。その後、レール部材51aと、取付け部材61a11,61a12とを、螺子61a2を用いて、後側から前側に向けて螺号する。
【0061】
上記のように、レール部材51a,51bと脚部材52a,52bとを、固定具61a~61dを用いて取り付けておくと、固定具61a~61dを緩めることで、本体40は、搬送部20、計量部30、及び、レール部材51c,51dに対して、自身の高さ方向に位置の変更が可能となる。
【0062】
図9は、本体40を上下方向に位置変更した様子を示す側面図である。
図9の左図は、本体40の高さを高くした場合を示しており、
図9の右図は、本体40の高さを低くした場合を示している。
【0063】
(5-2)変形例1B
本実施形態では、本体40は、
図3及び
図4に示す方法によって、レール部材51a,51bに取り付けられた。しかし、本体40は、本変形例における方法によって、フレーム50に取り付けられてもよい。
図10は、本変形例における方法によってフレーム50に取り付けられた本体40を示す図である。
図10に示すように、本体40は、本実施形態と同様、上側と下側の2か所で、フレーム50に取り付けられている。
図10に示すように、上側の取り付け部では、本体40は、レール部材51a’に取り付けられている。
図11は、本変形例における本体40とレール部材51a’との取り付け方法を示す図である。また、
図10に示すように、下側の取り付け部では、本体40は、レール部材51bに取り付けられている。
図12及び
図13は、本変形例における本体40とレール部材51bとの取り付け方法を示す図である。
【0064】
(5-2-1)上側の取り付け部
図10及び
図11に示すように、上側の取り付け部では、本体40の胴体部46と、レール部材51a’とが、固定具90a,90bによって取り付けられている。
【0065】
本変形例では、フレーム50は、本実施形態のレール部材51aに代えて、レール部材51a’を有する。レール部材51a’は、下面に、搬送方向TDに延びる溝を有する。レール部材51a’の溝には、上流側及び下流側に配置される一対の固定具90a,90bが取り付けられる。
図11では、固定具90bを、レール部材51a’に取り付ける方法を示している。固定具90bは、取付け部材90b1と、板ナット90b2と、螺子90b3,90b4と、ナット90b5とを有する。螺子90b4は、取付け部材90b1に溶着されている。板ナット90b2は、下流側から上流側に向けて、レール部材51a’内に挿入される。挿入された板ナット90b2と、取付け部材90b1とは、螺子90b3によって、下側から上側に向けて螺合される。固定具90bは、螺子90b4及びナット90b5によって、胴体部46の下流側の側面に、下流側から上流側に向けて螺合される。固定具90aについても同様である。固定具90aは、取付け部材90a1と、板ナット90a2と、螺子90a3,90a4と、ナット90a5とを有する。螺子90a4は、取付け部材90a1に溶着されている。
図11では、固定具90aは、レール部材51a’に既に取り付けられている。なお、
図11には、板ナット90a2及び螺子90a3は、表示されていない。固定具90aは、螺子90a4及びナット90a5によって、胴体部46の上流側の側面に、上流側から下流側に向けて螺合される。
【0066】
(5-2-2)下側の取り付け部
図10、
図12及び
図13に示すように、下側の取り付け部では、レール部材51bと、本体40の胴体部46とが、取付けブラケット91を介して取り付けられている。
【0067】
図12に示すように、レール部材51bと、取付けブラケット91とは、固定具90c,90dによって取り付けられる。固定具90cは、取付け部材90c1と、螺子90c2とを有する。レール部材51bは、取付けブラケット91と、取付け部材90c1とによって、前後方向に挟まれる。取付けブラケット91と、取付け部材90c1とは、2本の螺子90c2によって、前側から後側に向けて螺合される。なお、
図12には、取付けブラケット91の上流側の上側の螺子穴は、表示されていない。固定具90dについても同様である。固定具90dは、取付け部材90d1と、螺子90d2とを有する。レール部材51bは、取付けブラケット91と、取付け部材90d1とによって、前後方向に挟まれる。取付けブラケット91と、取付け部材90d1とは、2本の螺子90d2によって、前側から後側に向けて螺合される。なお、
図12には、取付けブラケット91の下流側の2つの螺子穴は、表示されていない。
【0068】
また、
図13に示すように、本体40の胴体部46と、取付けブラケット91とは、8個の螺子92によって、下側から上側に向けて螺合される。本実施形態では、取付けブラケット44a,44bは、胴体部46の下面に溶着されていたが、本変形例では、取付けブラケット91は、胴体部46の下面に螺合される。
【0069】
本変形例の重量検査装置100では、本体40は、自身とレール部材51a’,51bとを固定する固定具90a~90d、を緩めることで、搬送方向TDにスライド可能になる。本体40は、固定具90a~90dを締めることで、搬送方向TDにスライド不能になる。その結果、固定具90a~90dを用いて、スライドの可否を容易に調節できる。
【符号の説明】
【0070】
20 搬送部
30 計量部
40 本体
42a 画面
50 フレーム
51a~51d レール部材
53 支持部材
57a~57d 固定具
100 重量検査装置
P 被検査物
TD 搬送方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】