(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029855
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】樹脂容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 49/78 20060101AFI20220210BHJP
B29C 49/64 20060101ALI20220210BHJP
B29C 49/06 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
B29C49/78
B29C49/64
B29C49/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133399
(22)【出願日】2020-08-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】594082648
【氏名又は名称】株式会社フロンティア
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 喜則
(72)【発明者】
【氏名】祢津 陽一
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AG07
4F208AH55
4F208AP19
4F208AR19
4F208LA01
4F208LA09
4F208LB01
4F208LG03
4F208LG28
4F208LH01
4F208LH09
4F208LH10
4F208LJ13
4F208LJ14
4F208LJ15
4F208LJ22
4F208LJ23
4F208LJ26
4F208LJ27
4F208LN23
(57)【要約】
【課題】生産効率を低下させることなくブロー成形に最適な温度状態となるようにプリフォームの温度調整を行うことのできる射出延伸ブロー成形により樹脂容器を製造する樹脂容器の製造システムを提供すること。
【解決手段】樹脂容器の製造システム1では、24個のプリフォームの射出成形が行われる毎に、温調装置6の温調ユニット61をプリフォーム受入れ位置6Aに移動して、72個の温調ポット62のうち空の状態の24個の温調ポット62にプリフォーム2を受け入れる。温調ユニット61がプリフォーム取出し位置6Bに戻る毎に、プリフォーム移送装置7により、72個の温調ポットのうち、最も先にプリフォーム2を受け入れた24個の温調ポット62から、プリフォーム2を取り出して、延伸ブロー成形装置5に送り込み、延伸ブロー成形を施して、24個の樹脂容器3を得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形装置により、同時に複数個の有底筒形状あるいはカップ形状の熱可塑性樹脂からなるプリフォームを射出成形し、当該プリフォームを前記熱可塑性樹脂のガラス転移点以下まで冷却して射出成形型から取出す射出成形工程と、
温調装置の温調ポットに、前記射出成形型から取り出される複数個の前記プリフォームを受け入れ、前記温調ポット内において前記プリフォームをブロー成形可能な温度状態となるように温度調整を施す温調工程と、
プリフォーム移送装置により、前記温調ポットからブロー成形可能な温度状態の複数個の前記プリフォームを取り出し、取り出したプリフォームをブロー成形装置に移送し、当該ブロー成形装置の複数個のブロー成形型に挿入する移送工程と、
前記ブロー成形装置の前記ブロー成形型において、前記プリフォームのそれぞれにブロー成形あるいは延伸ブロー成形を施して複数個の樹脂容器を成形するブロー成形工程と
を含む樹脂容器の製造方法において、
前記射出成形型において同時に射出成形される複数個の前記プリフォームを受け入れ可能な個数の前記温調ポットを備えた温調ポット群を、Nを2以上の整数とすると、前記温調装置に、N組配置し、
前記プリフォームが入っていない空き状態の前記温調ポット群を、空き温調ポット群とすると、
前記射出成形工程をN回以下の複数回行うまでは、
前記移送工程および前記ブロー成形工程を行わず、前記射出成形工程が行われる毎に前記温調工程を並行して行って、射出成形される前記プリフォームを1組の前記空き温調ポット群に属する前記温調ポットのそれぞれに受け入れて前記温度調整を開始し、
前記射出成形工程を前記複数回行った後においては、
前記射出成形工程が行われる毎に、前記移送工程、前記ブロー成形工程および前記温調工程を並行して行い、
最も早い時点で行われた前記射出成形工程において射出成形された前記プリフォームが入っている前記温調ポット群を、プリフォーム取出し対象の温調ポット群に設定し、
前記移送工程においては、前記プリフォーム取出し対象の温調ポット群に属する前記温調ポットのそれぞれから前記プリフォームを取り出して、前記ブロー成形装置に移送して、前記ブロー成形型に挿入し、
前記ブロー成形工程においては、前記ブロー成形型に挿入された前記プリフォームにブロー成形あるいは延伸ブロー成形を施して、複数個の前記樹脂容器を成形し、
前記温調工程においては、1組の前記空き温調ポット群に属する前記温調ポットのそれぞれに、射出成形された前記プリフォームを受け入れて前記温度調整を開始することを特徴とする樹脂容器の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記射出成形工程をN回行うまでは、前記移送工程および前記ブロー成形工程を行わず、前記射出成形工程が行われる毎に前記温調工程を並行して行い、
前記射出成形工程をN回行った後においては、前記射出成形工程が行われる毎に、前記移送工程、前記ブロー成形工程および前記温調工程を並行して行う樹脂容器の製造方法。
【請求項3】
請求項1において、
前記ブロー成形装置では、複数個の前記ブロー成形型が、予め定めた配列ピッチで配列されており、
前記射出成形装置の前記射出成形型は、前記プリフォームを射出成形するための射出成型用キャビティを規定する雄型および雌型の対が、前記配列ピッチと同一のピッチで配列されており、
前記温調装置の前記温調ポット群のそれぞれにおいて、前記温調ポットが、前記配列ピッチと同一のピッチで配列されており、
前記プリフォーム移送装置は、前記プリフォームの口部に挿入可能な複数個の挿入コアを備えており、前記挿入コアは、前記配列ピッチと同一のピッチで配列されている樹脂容器の製造方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記温調工程における前記射出成形型から前記プリフォームを前記温調ポットに受け入れる工程では、
前記射出成形装置において型開き状態の前記雄型に貼り付いている前記プリフォームのそれぞれに対して、同軸に、前記温調ポットのそれぞれを対峙させ、
前記雄型からエジェクトされる前記プリフォームを真空吸引して前記温調ポットに受け入れて、前記温調ポットの内表面に前記プリフォームの外表面を密着させた状態にし、
前記移送工程における前記温調ポットから前記プリフォームを取出す工程では、
前記取出し対象の温調ポット群に属する前記温調ポットのそれぞれに入っている前記プリフォームの口部に対して、前記プリフォーム移送装置の前記挿入コアを同軸に挿入し、
前記温調ポットにおける前記プリフォームの真空吸引を解除して、前記プリフォームの口部に同軸に挿入される前記挿入コアに前記プリフォームを引渡し可能にし、
前記プリフォームの口部に挿入した前記挿入コアに、前記プリフォームを真空吸引し、あるいは、前記挿入コアを押し広げて当該挿入コアを前記口部の内周面に機械的に係合させることで、前記プリフォームを前記挿入コアに担持させる
樹脂容器の製造方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記移送工程における前記挿入コアに担持されている前記プリフォームを複数個の前記ブロー成形型に挿入する工程では、
前記挿入コアのそれぞれを、前記ブロー成形型のキャビティのそれぞれに対して、同軸に対峙するように位置決めし、
前記挿入コアのそれぞれに担持されている前記プリフォームを、前記ブロー成形型のキャビティのそれぞれに同軸に挿入し、
前記真空吸引あるいは機械的係合を解除して、前記挿入コアから前記プリフォームを外して前記ブロー成形型に引き渡す
樹脂容器の製造方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記プリフォームは、有底筒状あるいはカップ状をした胴部の上端にフランジの付いた口部を備え、当該口部の外周にはネジ部が備わっていない形状のものであり、
前記ブロー成形工程においては、前記プリフォームの前記胴部に対してのみブロー成形あるいは延伸ブロー成形を施し、前記フランジおよび前記口部がそのまま残っている前記樹脂容器を成形する樹脂容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形によって有底筒状あるいはカップ状のプリフォーム(一次予備成形品)を成形し、このプリフォームを成形樹脂のガラス転移点以上の温度状態にし、この温度状態のプリフォームをブロー成形あるいは延伸ブロー成形して樹脂容器を得る樹脂容器の製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
PETボトル等の樹脂容器の製造には、二軸延伸ブロー成形が広く用いられている。二軸延伸ブロー成形法は、射出成形されたプリフォーム(パリソン)の熱履歴の違いにより、ホットパリソン法とコールドパリソン法とに分けられる。ホットパリソン法は、プリフォームが完全に冷却しない状態で温調工程に移行し、ブロー成形する方法である。ホットパリソン法は、プリフォームの成形とブロー成形とが一連の成形システムにおいて連続的に行われるので、1ステージ法とも呼ばれている。コールドパリソン法は、射出成形されたプリフォームを室温まで冷却し、ブロー成形機で再加熱してブロー成形可能な温度状態に加熱したプリフォームをブロー成形する。コールドパリソン法は、プリフォームの成形と、プリフォームのブロー成形とが別個の成形システムによって行われるので2ステージ法とも呼ばれている。
【0003】
前者のホットパリソン法による樹脂容器の製造方法は、特許文献1~3に記載されている。これらの文献に記載されているように、ホットパリソン法による樹脂容器の製造方法では、プリフォームを完全に冷却することなく、射出時の残留熱を用いて樹脂容器をブロー成形することが原理であり、温調部に搬送して成形樹脂のガラス転移点以上の温度状態に調整する方式と、温調工程を経ず直接ブロー成形する方式があり、いずれも樹脂製の容器を成形し、成形された容器を容器取出し部に搬送して所定の回収場所に回収している。プリフォームの射出成形においては、射出成形されたプリフォームを射出成形型から取り出し可能な状態まで冷却するのに時間が掛かる。生産効率を高めるために、射出成形においては多数個取りの金型が使用される。また、プリフォームのネジ付きの口部の凹状の外周面形状を利用して、機械的な係合により口部を把持して、各部を経由する搬送経路に沿ってプリフォームを搬送すると共に、ブロー成形された容器を金型から取り出して回収している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017/142043号
【特許文献2】国際公開第2017/073685号
【特許文献3】特開2020-37273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~3に記載されているように、ホットパリソン法による射出ブロー成形では、射出成形されたプリフォームは、射出成形部から温調部、ブロー成形部および取出し部に、一定の時間隔で順次に間欠搬送される。成形樹脂の種類、プリフォームの肉厚・形状・サイズ等に応じて、温調部におけるプリフォームを温調してブロー成形に最適な温度状態を形成するために必要とされる時間も変動する。例えば、厚肉のプリフォームの温度調整時間は、薄肉のプリフォームに比べて時間が掛かるのが一般的である。温調部における処理時間が長い場合には、温調部の処理時間がネックになって、製造システムのタクトタイムが長くなり、生産効率が低下するおそれがある。また、温調部において、プリフォームがブロー成形に最適な温度状態にならないと、延伸ブロー成形において、プリフォームの各部を適切に延伸ブローできず、目標とする特性を備えた容器を得ることができないおそれがある。
【0006】
一方、樹脂製の容器の中には、乳酸飲料の容器等として用いられているものがある。このような容器の口部にはネジが無く、口部の外周縁を取り囲む状態にフランジが付いている。容器の口部の密閉は、アルミニウム箔等のフィルムをヒートシール等の方法でフランジの天面に貼り付けることによって行われる。この種の容器は、一般に、真空成形、押出ブロー成形によって製造されている。二軸延伸ブロー成形によって製造する場合、特に2ステージ法に於いては一般的なPETボトルなどのネジ部の付いた口部を備えた容器の製造システムにおいて使用されるような、口部外周面の凹部形状を利用して機械的係合によりプリフォームの口部を把持する構造のプリフォーム移送具あるいは容器移送具を使用できないという問題がある。
【0007】
すなわち、口部外周面にネジ部の付いた容器では、ネジ部あるいはネジ部の下側のサポートリングを利用して、プリフォームの口部を把持し、射出成形部から温調部を経由してブロー成形型に送り込み、ブロー成形により得られた容器を取出し部に送り出している。ねじ無しの口部を備えた容器では、このようなプリフォーム移送具あるいは移送機構を用いて、射出成形型からエジェクトされるプリフォームの口部を確実に把持することができず、したがって、プリフォームを、温調部、ブロー成形部、取出し部を経由する搬送路に沿って、高速かつ確実に移動させることが困難である。
【0008】
本発明の目的は、このような点に鑑みて、生産効率を低下させることなくブロー成形に最適な温度状態となるようにプリフォームの温度調整を行うことのできる射出ブロー成形により樹脂容器を製造する樹脂容器の製造方法を提案することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、生産効率を低下させることなくプリフォームの温度調整を行うことができると共に、ネジ部の無い口部を備えた樹脂容器を射出ブロー成形のための各工程を経由させて高速搬送して効率よく樹脂容器を製造できる樹脂容器の製造方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、
射出成形装置により、同時に複数個の有底筒形状あるいはカップ形状の熱可塑性樹脂からなるプリフォームを射出成形し、射出成形型内でガラス転移点以下まで冷却して取出す射出成形工程と、
温調装置の温調ポットに、前記射出成形型から取り出される複数個の前記プリフォームを受け入れ、前記温調ポット内において前記プリフォームをブロー成形可能な温度状態となるように温度調整を施す温調工程と、
プリフォーム移送装置により、前記温調ポットからブロー成形可能な温度状態の複数個の前記プリフォームを取り出し、取り出したプリフォームをブロー成形装置に移送し、当該ブロー成形装置の複数個のブロー成形型に挿入する移送工程と、
前記ブロー成形装置の前記ブロー成形型において、前記プリフォームのそれぞれにブロー成形あるいは延伸ブロー成形を施して複数個の樹脂容器を成形するブロー成形工程と
を含む樹脂容器の製造方法において、
前記射出成形型において同時に射出成形される複数個の前記プリフォームを受け入れ可能な個数の前記温調ポットを備えた温調ポット群を、Nを2以上の整数とすると、前記温調装置に、N組配置し、
前記プリフォームが入っていない空き状態の前記温調ポット群を、空き温調ポット群とすると、
前記射出成形工程をN回以下の複数回行うまでは、
前記移送工程および前記ブロー成形工程を行わず、前記射出成形工程が行われる毎に前記温調工程を並行して行って、射出成形される前記プリフォームを1組の前記空き温調ポット群に属する前記温調ポットのそれぞれに受け入れて前記温度調整を開始し、
前記射出成形工程を前記複数回行った後においては、
前記射出成形工程が行われる毎に、前記移送工程、前記ブロー成形工程および前記温調工程を並行して行い、
最も早い時点で行われた前記射出成形工程において射出成形された前記プリフォームが入っている前記温調ポット群を、プリフォーム取出し対象の温調ポット群に設定し、
前記移送工程においては、前記プリフォーム取出し対象の温調ポット群に属する前記温調ポットのそれぞれから前記プリフォームを取り出して、前記ブロー成形装置に移送して、前記ブロー成形型に挿入し、
前記ブロー成形工程においては、前記ブロー成形型に挿入された前記プリフォームにブロー成形あるいは延伸ブロー成形を施して、複数個の前記樹脂容器を成形し、
前記温調工程においては、1組の前記空き温調ポット群に属する前記温調ポットのそれぞれに、射出成形された前記プリフォームを受け入れて前記温度調整を開始することを特徴としている。
【0011】
本発明の樹脂容器の製造方法では、射出成形装置の多数個取りの射出成形型から同時に取り出されるプリフォームが、例えば、温調装置の第1~第N温調ポット群のそれぞれに、順次に受け入れられ、ブロー成形に適した温度状態となるように、プリフォームに温度調整が施される。第1~第N温調ポット群のそれぞれにプリフォームが受け入れられた後、すなわち、第N+1回目以降の射出成形工程のそれぞれにおいては、最初にプリフォームを受け入れた温調ポット群、例えば、第1温調ポット群の温調ポットのそれぞれからプリフォームを取り出してブロー成形型に送り込み、ブロー成形を施して樹脂容器を成形する。第1温調ポット群の温調ポットに受け入れたプリフォームのそれぞれは、第2回目から第N回目までの(N-1)回分の射出成形工程の間に亘って温度調整が施される。
【0012】
したがって、従来の射出ブロー成形システムの場合のように、1回分の射出成形工程に要する処理時間に、温調工程におけるプリフォームの温度調整時間が制約されることがない。よって、プリフォームに必要とされる十分な温度調整時間を確保できる。また、例えば、温調ポット群の数Nを増減することで、プリフォームの温度調整時間を増減できる。よって、肉厚の異なるプリフォーム、形状の異なるプリフォームであっても、生産効率を低下させることなく、温調ポットにおいて、ブロー成形に最適の温度状態に加熱することができる。
【0013】
多数個取りのブロー成形装置においては、例えば、複数個の前記ブロー成形型が、予め定めた配列ピッチで配列される。この場合、前記射出成形装置の前記射出成形型では、前記プリフォームを射出成形するための射出成型用キャビティを規定する雄型および雌型の対が、前記ブロー成形型の配列ピッチと同一のピッチで配列しておく。また、前記温調装置の前記温調ポット群のそれぞれにおいて、前記温調ポットを、前記ブロー成形型の配列ピッチと同一のピッチで配列しておく。さらに、前記プリフォーム移送装置においては、前記プリフォームの口部に挿入可能な複数個の挿入コアを前記ブロー成形型の配列ピッチと同一のピッチで配列しておく。
【0014】
従来のシステムでは、一般に、狭いピッチで同時に射出成形された複数個のプリフォームを、これよりも広い配列ピッチのブロー成形型に合うように、プリフォームの移送途中において、ピッチ変換を行う必要がある。本発明では、ブロー成形型の配列ピッチに、各部の配列ピッチが一致している。プリフォーム移送中にプリフォームの配列ピッチを変換する必要がない。ピッチ変換機構、その設置スペースが不要なので、プリフォーム移送装置、移送機構を、シンプルかつコンパクトに構成できる。
【0015】
本発明の製造方法において、各工程にけるプリフォームの受け渡しを、次のように行うことができる。まず、前記射出成形型から前記プリフォームを前記温調ポットに受け入れる工程では、前記射出成形装置において型開き状態の前記雄型に貼り付いている前記プリフォームのそれぞれに対して、同軸に、前記温調ポットのそれぞれを対峙させ、前記雄型からエジェクトされる前記プリフォームをエジェクト板で突き出し、更に真空吸引して前記温調ポットに受け入れて、前記温調ポットの内表面に前記プリフォームの外表面を密着させた状態にする。
【0016】
また、前記温調ポットから前記プリフォームを取出す工程では、取出し対象の前記プリフォームが入っている前記温調ポット群に属する前記温調ポットのそれぞれを、前記プリフォーム移送装置の前記挿入コアを前記プリフォームの口部に対して同軸状態で挿入可能な取出し位置に位置決めし、前記温調ポットにおける前記プリフォームの真空吸引を解除して、前記温調ポットに入っている前記プリフォームの口部に同軸に挿入される前記挿入コアに前記プリフォームを引渡し可能にし、前記プリフォームの口部に挿入した前記挿入コアに、前記プリフォームを真空吸引し、あるいは、前記挿入コアを押し広げて当該挿入コアを前記口部の内周面に機械的に係合させることで、前記プリフォームを前記挿入コアに担持させる。
【0017】
さらに、前記挿入コアに担持されている前記プリフォームを複数個の前記ブロー成形型に挿入する工程では、上方に開口している前記ブロー成形型のそれぞれの真上に、前記挿入コアのそれぞれを同軸に対峙するように位置決めし、前記挿入コアのそれぞれに担持されている前記プリフォームを、前記ブロー成形型のそれぞれに挿入し、前記真空吸引あるいは機械的係合を解除して、前記挿入コアから前記プリフォームを外して前記ブロー成形型に引き渡す。
【0018】
このように、各工程におけるプリフォームの移送、引渡しを、プリフォームの口部を外周側から機械的に把持することなく行うことができる。よって、口部外周のネジ部の凹部形状を利用して機械的に口部を把持することでプリフォームを移送する機構を使用できない形状のプリフォームの移送、引渡しを、高速かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(A)は本発明を適用した射出延伸ブロー成形による樹脂容器の製造システムの主要部の平面レイアウトを示す説明図であり、(B)は主要部の立面レイアウトを示す説明図であり、(C)はプリフォームおよび樹脂容器の一例を示す概略断面である。
【
図2】(A1)、(A2)は温調ユニットの温調ポットの配列状態を示す概略平面図および概略断面図であり、(B1)、(B2)は挿入コアの配列状態を示す概略平面図および概略側面図であり、(C1)、(C2)は延伸ブロー成形型を示す概略平面図および概略断面図である。
【
図3】(A1)、(B1)、(C1)は、射出成形装置のエジェクト位置に位置決めされる温調ユニット、プリフォームを受け入れる温調ポットの位置、移送装置の取出し位置に位置決めされた温調ユニットを示す説明図であり、(A2)、(B2)、(C2)は第1~第3温調ポット群を示す説明図である。
【
図5】(A)~(E)は、プリフォーム移送装置の動き、および、延伸ブロー成形装置の動きを示す説明図である。
【
図6A】樹脂容器の製造装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6B】樹脂容器の製造装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した射出延伸ブロー成形により樹脂容器を製造する樹脂容器の製造システムの実施の形態を説明する。なお、以下の実施の形態は本発明の一例を示すものであり、本発明を実施の形態に限定されることを意図したものではない。例えば、製造される樹脂容器の形状、プリフォームの形状として異なる形状のものであってもよいことは勿論である。また、各部における移動機構として多軸ステージ機構、スカラーロボット等、各種の機構を用いることができる。さらに、実施の形態では24個取りの金型を用いているが、これ以外の個数の多数個取りの金型を用いてもよいことは勿論である。
【0021】
図1(A)は本発明を適用した実施の形態に係る射出延伸ブロー成形による樹脂容器の製造システムの主要部の平面レイアウトを示す説明図であり、(B)は主要部の立面レイアウトを示す説明図であり、(C)は、射出成形により得られるプリフォームおよび、このプリフォームを二軸延伸ブローして得られる樹脂容器の一例を示す概略断面図である。
【0022】
(プリフォーム、樹脂容器の例)
まず、
図1(C)を参照して、樹脂容器の製造システム1において射出成形されるプリフォーム2、および、プリフォーム2に二軸延伸ブロー成形を施して得られる樹脂容器3を説明する。本例の樹脂容器3は、例えば乳飲料用容器であり、底付きの円筒状胴部3aと、円筒状胴部3aの上端部に形成された口部3b、口部3bの上端縁を取り囲む状態に形成された円環状のフランジ3cとを備えている。口部3bの外周面にはネジ部は形成されておらず、サポートリング等も付いていない。樹脂容器3に内容物を充填した後に、フランジ3cの上面にヒートシール等の方法により貼り付けたアルミニウム箔等のフィルム(図示せず)によって口部3bが密閉される。
【0023】
樹脂容器3の製造に用いるプリフォーム2は、底付きの円筒状胴部2aと、この円筒状胴部2aの上端部に形成された口部2bと、口部2bの上端縁を取り囲む状態に形成された円環状のフランジ2cとを備えている。円筒状胴部2aは延伸ブロー成形が施されて樹脂容器3の円筒状胴部3aとなる部分である。口部2bおよびフランジ2cは、延伸ブロー成形が施されることなく、そのまま、樹脂容器3の口部3bおよびフランジ3cとなる部分である。プリフォーム2の成形樹脂は、延伸ブロー成形可能な熱可塑性樹脂である。
【0024】
本例の樹脂容器の製造システム1は、PET樹脂製の乳飲料容器、カップ状またはポット状のヨーグルト容器の製造に適している。PET樹脂は、世界的にリサイクルされリユースされており、環境問題にも適合した樹脂である。一方、多くの乳飲料やヨーグルト容器はスチロール樹脂系の素材が大量に使用され、その大半がフランジ形状を持つ容器であり、口部外周面にネジ部等が付いていない。
【0025】
(樹脂容器の製造システムの全体構成)
図1(A)、(B)を参照して説明すると、樹脂容器の製造システム1(以下、単に「製造システム1」と言う。)は、同時に複数個のプリフォーム2を成形可能な多数個取りの射出成形型40を備えた射出成形装置4と、延伸ブロー成形可能な温度に調整された状態のプリフォーム2に延伸ブロー成形を施して樹脂容器3を得るための多数個取りの延伸ブロー成形型52を備えた延伸ブロー成形装置5とを備えている。また、製造システム1は、射出成形されたプリフォーム2の温度調整を行う複数個の温調ポット62が配列された温調ユニット61を備えた温調装置6と、温度調整後のプリフォーム2を延伸ブロー成形装置5に移送して延伸ブロー成形型52に挿入するプリフォーム移送装置7と、各部の駆動を制御する制御装置8とを備えている。
【0026】
温調装置6の温調ポット62は、プリフォーム受入れ位置6Aにおいて、射出成形装置4における型開き状態の射出成形型40からエジェクトされるプリフォーム2を受け入れる。プリフォーム2を受け入れた後の温調ポット62は、射出成形型40から離れたプリフォーム取出し位置6Bに戻り、ここで待機する。温調ポット62内で、プリフォーム2は、成形樹脂のガラス転移点以上の延伸ブロー成形に適した温度状態に調整される。温度調整後のプリフォーム2は、取出し位置6Bにおいて、プリフォーム移送装置7によって取り出される。プリフォーム移送装置7は、温調ポット62から取り出したプリフォーム2を、延伸ブロー成形装置5の側に移送し、プリフォーム挿入位置5Aに待機している延伸ブロー成形型52に挿入する。
【0027】
延伸ブロー成形装置5の延伸ブロー成形型52は、挿入位置5Aにおいてプリフォーム2が挿入された後は、延伸ブロー位置5Bに移動する。延伸ブロー位置5Bにおいて、延伸ブロー成形型52に挿入されている各プリフォーム2に二軸延伸ブローが施されて、樹脂容器3が得られる。延伸ブロー成形型52は、左右に開閉可能な割型である。延伸ブロー成形型52が左右に開き、樹脂容器3が自重により落下して、下方に設置されている容器回収部9に回収される。
【0028】
(射出成形装置)
射出成形装置4は、一般的な多数個取りの射出成形装置と同様に構成されている。射出成形装置4の射出成形型40は、固定ダイプレートに取り付けた雌型43と移動ダイプレートに取り付けた雄型44とを備えている。例えば、射出成形型40は、24個取りの金型である。したがって、雄型44と雌型43の組が、上下方向に一定のピッチで6組配列されている。6組配列された列が、左右方向に一定のピッチで4本配置されている。雄型44と雌型43の組の上下方向の配列ピッチおよび左右方向の配列ピッチは、多数個取りの延伸ブロー成形型52の縦方向および横方向の配列ピッチと同一である。
【0029】
射出成形型40の型閉め状態において、各組の雄型44と雌型43の間に、プリフォーム2を射出成形するためのキャビティが形成される。各組の雄型44と雌型43のそれぞれの内部には、5℃から20℃に設定された冷却水が循環する循環路(図示せず)が形成されている。型閉め状態において、溶融状態の熱可塑性樹脂が各組の雄型44と雌型43の間のキャビティに射出されて、24個のプリフォーム2が同時に射出成形される。プリフォーム2の温度が成形樹脂のガラス転移点よりも低い温度まで冷却されると、雄型44が型締め位置4Aから型開き位置4Bまで、雌型43に対して後退する。プリフォーム2は、雌型43から離型され、雄型44に付いた状態で型開き位置4Bまで移動する。次に、ストリッパプレート(図示せず)によって、雄型44からプリフォーム2がその軸線方向にエジェクトされる(突き出される)。なお、所定の時間をおいて、エジェクトエアーを噴出させることで、プリフォーム2を雄型44から確実にエジェクトさせる場合もある。
【0030】
(温調装置)
射出成形装置4における射出成形型40の側方には、温調装置6が配置されている。温調装置6は、複数個の温調ポット62が配列された温調ユニット61と、当該温調ユニット61を水平方向に往復移動させる移動機構63とを備えている。移動機構63によって、温調ユニット61は、プリフォーム受入れ位置6Aとプリフォーム取出し位置6Bとの間を往復移動する。本例の温調ユニット61は、一定厚さの矩形板形状をしており、温調ユニット61には複数個の温調ポット62が上下、左右に所定のピッチで配列されている。
【0031】
図2(A1)、(A2)は、温調ユニット61の温調ポット62の配列状態を示す概略平面図および概略断面図である。温調ユニット61には多数個の温調ポット62が備わっている。温調ポット62の個数は、同時に射出成形されるプリフォーム2の個数のN倍(Nは2以上の整数)以上である。本例では3倍の個数である72個の温調ポット62を備えている。
【0032】
各温調ポット62は、温調ユニット61の垂直な前面61aにおいて水平方向に開口している。温調ポット62は、温調ユニット61の前面61aにおいて、上下方向に6個の温調ポット62が一定のピッチ(=p1)で6個配列された構成の温調ポット列が、横方向に一定のピッチ(=p2/3)で12本形成されている。これらの温調ポット62のうち、第1列、第4列、第7列および第10列の4本の温調ポット列に含まれる24個の温調ポット62を、第1温調ポット群62(1)と呼ぶものとする。第1温調ポット群62(1)に属する温調ポット62は、24個取りの射出成形型40の各組の雄型44と雌型43と同一の配列ピッチで配置されており、射出成形される24個のプリフォーム2を、第1温調ポット群62(1)の24個の温調ポット62のそれぞれに受け入れ可能である。したがって、第1温調ポット群62(1)の温調ポット62の上下方向および左右方向の配列ピッチは、多数個取りの延伸ブロー成形型52の配列ピッチ(p1、p2)と同一である。
【0033】
同様に、温調ポット62のうち、第2列、第5列、第8列および第11列の4本の温調ポット列に含まれる24個の温調ポット62を、第2温調ポット群62(2)の温調ポット62と呼ぶものとする。第2温調ポット群62(2)の温調ポット62の配列ピッチも、24個取りの射出成形型40の配列ピッチと同一である。残りの第3列、第6列、第9列および第12列の4本の温調ポット列に含まれる24個の温調ポット62を、第3温調ポット群62(3)の温調ポット62と呼ぶものとする。第3温調ポット群62(3)の温調ポット62も、24個取りの射出成形型40の配列ピッチと同一である。
【0034】
各温調ポット62はプリフォーム2の外周面形状と相補的な内周面形状のポットであり、温調ユニット61の前面61aに開口している温調ポット62に、プリフォーム2をその底側から同軸に挿入可能である。プリフォーム2を挿入した状態においては、温調ポット62の内周面にプリフォーム2の外周面が密着可能である。プリフォーム2のフランジ2cは、前面61aに開口する温調ポット62の開口縁外周部分に係合する。
【0035】
温調ユニット61の内部には、各温調ポット62を取り囲む状態に熱媒の循環路64が形成されている。熱媒によって温調ポット62の内周面が加熱され、内周面に接触しているプリフォーム2が温調される。温調ポット62によって、プリフォーム2を、全体として均一に加熱して、ガラス転移点以上の延伸ブロー成形に適した温度状態にできる。
【0036】
温調ユニット61の内部には、各温調ポット62の底に連通する吸引通路65が形成されている。各温調ポット62が射出成形型40の各雄型44に同軸に対峙した状態で不図示の真空吸引機構によって、温調ポット62の内部を真空吸引することで、雄型44からエジェクトされたプリフォーム2が確実に温調ポット62に受け入れられる。
【0037】
図3(A1)、(B1)および(C1)は、それぞれ、温調ユニット61のプリフォーム受入れ位置6Aおよびプリフォーム取出し位置6Bを示す説明図であり、
図3(A2)、(B2)および(C2)は、それぞれ、温調ユニット61の第1~第3温調ポット群62(1)~62(3)を示す説明図である。
図3(A2)には、第1温調ポット群62(1)に属する24個の温調ポット62を黒丸で示してある。
図3(B2)には、第2温調ポット群62(2)に属する24個の温調ポット62を黒丸で示してある。
図3(C2)には、第3温調ポット群62(3)に属する24個の温調ポット62を黒丸で示してある。
【0038】
温調ユニット61のプリフォーム受入れ位置6Aは、以下に述べるように、同時成形された24個のプリフォーム2を、温調ユニット61が受け入れ可能な位置である。温調ユニット61がプリフォーム受入れ位置6Aに位置決めされると、温調ユニット61における24個の温調ポット62のそれぞれが、型開き状態の射出成形型40における24個の雄型44のそれぞれに、同軸に水平方向から対峙し、雄型44からエジェクトされるプリフォーム2を受け入れ可能である。
【0039】
図3(A1)、(A2)に示すように、温調ユニット61の第1温調ポット群62(1)がプリフォーム受入れ位置6Aに位置決めされると、第1温調ポット群62(1)に属する24個の温調ポット62のそれぞれに、射出成形型40の雄型44のそれぞれからエジェクトされるプリフォーム2を受け入れ可能である。
図3(B1)、(B2)に示すように、温調ユニット61の第2温調ポット群62(2)がプリフォーム受入れ位置6Aに位置決めされると、第2温調ポット群62(2)に属する24個の温調ポット62のそれぞれに、射出成形型40の雄型44のそれぞれからエジェクトされるプリフォーム2を受け入れ可能である。同様に、
図3(C1)、(C2)に示すように、温調ユニット61の第3温調ポット群62(3)がプリフォーム受入れ位置6Aに位置決めされると、第3温調ポット群62(3)に属する24個の温調ポット62のそれぞれに、射出成形型40の雄型44のそれぞれからエジェクトされるプリフォーム2を受け入れ可能である。
【0040】
次に、温調ユニット61のプリフォーム取出し位置6Bは、プリフォーム移送装置7が、温調ユニット61から24個のプリフォーム2を取出し可能な位置である。
図3(A1)に示すように、プリフォーム取出し位置6Bに、温調ユニット61の第1温調ポット群62(1)が位置決めされると、第1温調ポット群62(1)に属する24個の温調ポット62から、プリフォーム移送装置7によってプリフォーム2を取出し可能である。
図3(B1)に示すように、プリフォーム取出し位置6Bに、温調ユニット61の第2温調ポット群62(2)が位置決めされると、第2温調ポット群62(2)に属する24個の温調ポット62のそれぞれから、プリフォーム移送装置7によってプリフォーム2を取出し可能である。
図3(C1)に示すように、プリフォーム取出し位置6Bに、温調ユニット61の第3温調ポット群62(3)が位置決めされると、第3温調ポット群62(3)に属する24個の温調ポット62のそれぞれから、プリフォーム移送装置7によってプリフォーム2が取出し可能である。
【0041】
(プリフォーム移送装置)
図1、
図2を参照して説明すると、プリフォーム取出し位置6Bに位置する温調ユニット61の前面61aの前方には、プリフォーム移送装置7が配置されている。プリフォーム移送装置7は、矩形板状のプリフォーム担持ユニット71と、プリフォーム担持ユニット71を、プリフォーム取出し位置6Bおよびプリフォーム挿入位置5Aに移動させる担持ユニット移動機構73とを備えている。
【0042】
プリフォーム担持ユニット71の前面には、プリフォーム2の口部2bに挿入可能な24個の挿入コア72が配列されている。
図2(B1)、(B2)は挿入コア72の配列状態およびプリフォーム担持ユニット71の内部構造を示す説明図である。24個の挿入コア72の縦横の配列ピッチは、温調ユニット61の第1~第3温調ポット群のそれぞれに属する24個の温調ポット62の配列ピッチと同一である。すなわち、24個取りの延伸ブロー成形型52の配列ピッチ(p1、p2)と同一である。
【0043】
図3(A1)に示すように、温調ユニット61の第1温調ポット群62(1)がプリフォーム取出し位置6Bに待機している状態では、プリフォーム担持ユニット71をプリフォーム取出し位置6Bに移動させると、24個の挿入コア72のそれぞれを、第1温調ポット群62(1)に属する24個の温調ポット62のそれぞれに対して、同軸に水平方向から挿入可能である。
図3(B1)に示すように、温調ユニット61の第2温調ポット群62(2)がプリフォーム取出し位置6Bに待機している状態では、プリフォーム担持ユニット71をプリフォーム取出し位置6Bに移動させると、24個の挿入コア72のそれぞれを、第2温調ポット群62(2)に属する24個の温調ポット62のそれぞれに対して、同軸に水平方向から挿入可能である。同様に、
図3(C1)に示すように、温調ユニット61の第3温調ポット群62(3)がプリフォーム取出し位置6Bに待機している状態では、プリフォーム担持ユニット71をプリフォーム取出し位置6Bに移動させると、24個の挿入コア72のそれぞれを、第3温調ポット群62(3)に属する24個の温調ポット62のそれぞれに対して、同軸に水平方向から挿入可能である。
【0044】
なお、本例では、温調ユニット61を移動させて、その第1~第3温調ポット群62(1)~62(3)のそれぞれを、プリフォーム取出し位置6Bに位置決めしている。プリフォーム担持ユニット71を移動させて、温調ユニット61の第1~第3温調ポット群62(1)~62(3)のそれぞれに位置決めしてもよいことは勿論である。
【0045】
本例の担持ユニット移動機構73は、プリフォーム取出し位置6Bにおいて垂直姿勢で待機している温調ユニット61に対して、プリフォーム担持ユニット71を垂直姿勢の状態で水平方向に接近および離れる方向に移動させる水平移動機構(図示せず)と、プリフォーム担持ユニット71を垂直姿勢から下向きの水平姿勢に旋回させる旋回機構75と、プリフォーム担持ユニット71を垂直方向に上下させる昇降機構76とを備えている。担持ユニット移動機構73としては、各種の機構を採用でき、例えば、スカラーロボットを用いて3軸方向に移動させることもできる。
【0046】
プリフォーム担持ユニット71は、挿入コア72に担持されたプリフォーム2が外れないように、プリフォーム2を挿入コア72に真空吸引する真空吸引機構が備わっている。真空吸引機構の代わりに、挿入コア72を開閉可能な分割コアとし、当該分割コアを押し広げてプリフォーム2の口部2bの内周面に押圧するコア開閉機構を備えていてもよい。
【0047】
(延伸ブロー成形装置)
図4は延伸ブロー成形装置5を示す概略構成図である。延伸ブロー成形装置5は、上方に開口した垂直姿勢の状態で、24個の延伸ブロー成形型52が配列された構成の成形型ユニット51と、延伸ブロー成形型52のそれぞれに対応する24組の延伸ブロー機構53を備えた上ユニット54と、成形型ユニット51をプリフォーム挿入位置5Aおよび延伸ブロー位置5B(
図1(A)、(B)参照)に移動させる成形型ユニット移動機構55とを備えている。上ユニット54の延伸ブロー機構53のそれぞれは、延伸ブロー成形型52のそれぞれに挿入されたプリフォーム2に延伸ブロー成形を施すための延伸ロッド56およびエアー吹き込み用のノズル57を備えている。また、上ユニット54には、延伸ロッド56、ノズル57の昇降機構58等が備わっている。
【0048】
成形型ユニット51では、
図2(C1)、(C2)に示すように、一定のピッチで6個の延伸ブロー成形型52が配列された列が、4列備わっている。延伸ブロー成形型52は分割型であり、水平方向に型開きを行って、延伸ブロー成形された樹脂容器3を自重により下方の容器回収部9に落下させることができる。
【0049】
成形型ユニット51がプリフォーム挿入位置5Aに位置決めされた状態において、プリフォーム移送装置7のプリフォーム担持ユニット71をプリフォーム挿入位置5Aに移動させると、挿入コア72のそれぞれに担持されているプリフォーム2が、下側に位置する延伸ブロー成形型52の各キャビティの上端開口部から同軸に挿入される。プリフォーム2が挿入された成形型ユニット51が延伸ブロー位置5Bに移動すると、上ユニット54の延伸ブロー機構53のそれぞれが、上側から延伸ブロー成形型52のキャビティの上端開口部のそれぞれに同軸状態で対峙する。上ユニット54を降下させると、延伸ブロー成形型52の各キャビティおよび挿入されているプリフォーム2の口部2bが封鎖され、フランジ2cが延伸ブロー機構53と延伸ブロー成形型52の上面との間に把持される。この状態で、延伸ロッド56が降下すると共に圧縮エアーがプリフォーム2にブローされる。プリフォーム2が二軸延伸ブローされて、樹脂容器3が成形される。この後は、延伸ブロー成形型52は左右に型開きが行われ、樹脂容器3が自重により落下して、下方に位置する容器回収部9に回収される。
【0050】
(プリフォーム移送装置の動作例および延伸ブロー成形装置の動作例)
図5(A)~(E)は、プリフォーム移送装置7によるプリフォーム移送動作と、延伸ブロー成形装置5における延伸ブロー成形型52の動き示す説明図である。プリフォーム担持ユニット71は、
図5(A)において矢印a1で示すように、待機位置7Aから想像線で示すプリフォーム取出し位置7Bに移動する。プリフォーム取出し位置7Bに至ると、プリフォーム担持ユニット71の24個の挿入コア72が、プリフォーム取出し位置6Bに待機している温調ユニット61の24個の温調ポット62のそれぞれに担持されているプリフォーム2の口部2bに同軸に挿入される。温調ポット62の側では、プリフォーム2の真空吸引を停止し、代わりに、挿入コア72の側においてプリフォーム2の真空吸引を開始する。この結果、プリフォーム担持ユニット71の24個の挿入コア72にプリフォーム2が引き渡される。
【0051】
24個のプリフォーム2を担持したプリフォーム担持ユニット71は待機位置7Aに戻る。プリフォーム担持ユニット71は、
図5(B)に示すように、旋回機構75によって、下向きの水平姿勢の位置7Cとなるように90度旋回されて、各挿入コア72から垂直にプリフォーム2が吊り下げられた状態になる。プリフォーム担持ユニット71の動作と並行して、延伸ブロー成形装置5の成形型ユニット51が延伸ブロー位置5Bからプリフォーム挿入位置5Aに移動する。プリフォーム挿入位置5Aは、位置7Cにあるプリフォーム担持ユニット71の真下の位置である。この後は、
図5(C)に示すように、プリフォーム担持ユニット71が昇降機構76によって降下すると、プリフォーム2が各延伸ブロー成形型52に同軸に挿入された状態になる。挿入コア72によるプリフォーム2の真空吸引を停止する。この結果、プリフォーム挿入位置5Aに待機している延伸ブロー成形型52のそれぞれプリフォーム2が同軸に挿入される。
【0052】
次に、
図5(D)に示すように、プリフォーム担持ユニット71は位置7Cまで上昇し、しかる後に、90度旋回して、前向きの垂直姿勢の待機位置7Aに戻る。プリフォーム2が挿入された成形型ユニット51は、延伸ブロー位置5Bに戻る。延伸ブロー位置5Bにおいて、上ユニット54の延伸ブロー機構53が降下して、プリフォーム2を二軸延伸ブローして樹脂容器3を成形する。この後は、延伸ブロー機構53が上昇し、
図5(E)に示すように、延伸ブロー成形型52が開き、樹脂容器3が落下して下側の容器回収部9に回収される。成形型ユニット51は、型閉じ後に、プリフォーム挿入位置5Aに移動し、この位置で待機する。
【0053】
(製造システムの動作例)
このように構成された製造システム1において、制御装置8によって、各部が駆動制御されて一連の樹脂容器の製造が行われる。以下に、製造システム1による樹脂容器3の製造動作の一例を説明する。
【0054】
図6A、
図6Bは、製造システム1の動作の一例を示すフローチャートである。これらの図においては、プリフォームを「PF」と表示してある。製造システム1の射出成形装置4における射出成形工程S(4)では、射出成形装置4が型開き状態から型締め状態に切り替わり、成形樹脂が射出されて、同時に24個のプリフォーム2が射出成形される。プリフォーム2は射出成形型40によってガラス転移点温度よりも低い温度に冷却された後に雌型43から離型し、雄型44と共に型開き位置4Bまで移動して停止する。
【0055】
温調装置6の温調工程S(6)においては、射出成形型40の型開き後に、プリフォーム取出し位置6Bに待機している温調装置6の温調ユニット61が、プリフォーム受入れ位置6Aに移動する。プリフォーム受入れ位置6Aにおいて、24個の温調ポット62のそれぞれが、24個の雄型44のそれぞれのプリフォーム2に同軸に対峙する。雄型44からプリフォーム2を押し出して離型させる。同時に、温調ポット62のそれぞれの内部を真空引きする。プリフォーム2のそれぞれは、雄型44のそれぞれから押し出されて、温調ポット62のそれぞれに受け入れられる。24個のプリフォーム2を担持した状態の温調ユニット61は、プリフォーム受入れ位置6Aから、プリフォーム取出し位置6Bに移動する。次の射出成形工程における型開きが行われるまで、温調ユニット61はプリフォーム取出し位置6Bに待機する。
【0056】
温調ポット62においては、プリフォーム2が入っている間、当該プリフォーム2を加熱して、延伸ブロー成形に最適な温度状態にする温度調整動作が継続して行われる。すなわち、各温調ポット62の内周面にプリフォーム2の外周面が面接触した状態にある。温調ポット62の周囲には、例えば、ガラス転移点以上で、130℃以下の範囲に調整された熱媒体が循環している。よって、プリフォーム2は加熱され、ガラス転移点以下の温度状態から延伸ブロー成形に最適の温度状態になるように昇温調整される。昇温調整の間に、プリフォーム2に残存する射出成形の歪も除去されると共に、24個のプリフォームが全て同じ温度に温調され、同一履歴を保有するプリフォームとなることで、延伸ブロー成形型52内で全てが均一成形品となる。
【0057】
図6Aを参照して説明すると、全ての温調ポット62が空の状態にある第1回目の射出成形工程においては、温調ユニット61は、待機位置であるプリフォーム取出し位置6Bからプリフォーム受入れ位置6Aに移動して、第1温調ポット群62(1)をプリフォーム受入れ位置6Aに位置決めする。第1温調ポット群62(1)の24個の温調ポット62にプリフォーム2を受け入れた後は、温調ユニット61は、プリフォーム受入れ位置6Aからプリフォーム取出し位置6Bに戻り、第2温調ポット群62(2)をプリフォーム取出し位置6Bに位置決めした状態で待機する。
【0058】
第2回目の射出成形工程においては、温調ユニット61は、プリフォーム取出し位置6Bからプリフォーム受入れ位置6Aに向けて移動し、その第2温調ポット群62(2)をプリフォーム受入れ位置6Aに位置決めする。第2温調ポット群62(2)に属する24個の温調ポット62のそれぞれに、新たに射出成形された24個のプリフォーム2のそれぞれを受け入れる。温調ユニット61は、プリフォーム受入れ位置6Aからプリフォーム取出し位置6Bに戻り、その第3温調ポット群62(3)をプリフォーム取出し位置6Bに位置決めした状態で待機する。
【0059】
第3回目の射出成形動作においては、温調ユニット61は、プリフォーム取出し位置6Bからプリフォーム受入れ位置6Aに向けて移動し、その第3温調ポット群62(3)をプリフォーム受入れ位置6Aに位置決めする。第3温調ポット群62(3)に属する24個の温調ポット62のそれぞれに、新たに射出成形された24個のプリフォーム2のそれぞれを受け入れる。温調ユニット61は、プリフォーム受入れ位置6Aからプリフォーム取出し位置6Bに戻り、その第1温調ポット群62(1)をプリフォーム取出し位置6Bに位置決めした状態で待機する。
【0060】
第3回目の射出成形工程後の時点では、72個の温調ポット62の全てにプリフォーム2が挿入された満杯状態になる。この時点では、第1温調ポット群62(1)においては24個のプリフォーム2の温度調整が、2回分の射出成形工程に亘って行われており、第2温調ポット群62(2)の24個のプリフォーム2の温度調整が、1回分の射出成形工程に亘って行われている。
【0061】
第4回目以降の各射出成形工程においては、
図6Bに示すように、2回分の射出成形工程に亘って温度調整が施された24個のプリフォーム2が、温調ユニット61から取り出されて、延伸ブロー成形型52に挿入されるプリフォーム移送工程S(7)と、延伸ブロー成形型52においてプリフォーム2を二軸延伸ブローして樹脂容器を成形する延伸ブロー成形工程S(5)とが、射出成形工程S(4)および温調工程S(6)と並行して行われる。
【0062】
第4回目の射出成形工程が開始される時点では、温調ユニット61の第1温調ポット群62(1)において、24個のプリフォーム2が、第2回目および第3回目の2回分の射出成形工程の間に亘って温度調整が施された状態にある。第4回目の射出成形工程が開始されると、プリフォーム取出し位置6Bに位置決めされている第1温調ポット群62(1)の24個の温調ポット62からプリフォーム2が取り出され、第1温調ポット群62(1)の温調ポット62が空になる。射出成形装置4の型開きが行われると、温調ユニット61がプリフォーム受入れ位置6Aに移動し、第1温調ポット群62(1)がプリフォーム受入れ位置6Aに位置決めされ、第1温調ポット群62(1)の温調ポット62に、新たに射出成形されたプリフォーム2が受け入れられる。温調ユニット61は、第1回目の場合と同様に、プリフォーム受入れ位置6Aからプリフォーム取出し位置6Bに戻り、第2温調ポット群62(2)をプリフォーム取出し位置6Bに位置決めした状態で待機する。
【0063】
第5回目の射出成形工程が開始される時点では、温調ユニット61の第2温調ポット群62(2)において、24個のプリフォーム2が、第3回目および第4回目の2回分の射出成形工程の間に亘って温度調整が施された状態にある。第5回目の射出成形工程では、プリフォーム取出し位置6Bに位置決めされている第2温調ポット群62(2)の温調ポット62から、プリフォーム移送装置7によってプリフォーム2が取り出され、第2温調ポット群62(2)の24個の温調ポット62が空になる。この後は、第2回目の場合と同様に、射出成形装置4の型開きが行われると、温調ユニット61がプリフォーム取出し位置6Bからプリフォーム受入れ位置6Aに移動し、第2温調ポット群62(2)がプリフォーム受入れ位置6Aに位置決めされ、24本のプリフォーム2が、第2温調ポット群62(2)の温調ポット62に担持される。温調ユニット61は、プリフォーム受入れ位置6Aからプリフォーム取出し位置6Bに戻り、その第3温調ポット群62(3)がプリフォーム取出し位置6Bに位置決めされた状態で待機する。
【0064】
第6回目の射出成形工程が開始される時点では、温調ユニット61の第3温調ポット群62(3)において、24個のプリフォーム2が、第4回目および第5回目の2回分の射出成形工程の間に亘って温度調整が施された状態にある。第6回目の射出成形工程では、プリフォーム取出し位置6Bに位置決めされている第3温調ポット群62(3)の温調ポット62から、プリフォーム移送装置7によってプリフォーム2が取り出され、第3温調ポット群62(3)の24個の温調ポット62が空になる。この後は、第3回目の場合と同様に、射出成形装置4の型開きが行われると、温調ユニット61がプリフォーム取出し位置6Bからプリフォーム受入れ位置6Aに移動し、第3温調ポット群62(3)がプリフォーム受入れ位置6Aに位置決めされ、24本のプリフォーム2が、第3温調ポット群62(3)の温調ポット62に担持される。温調ユニット61は、プリフォーム受入れ位置6Aからプリフォーム取出し位置6Bに戻り、その第1温調ポット群62(1)がプリフォーム取出し位置6Bに位置決めされた状態で待機する。
【0065】
第7回目以降の射出成形工程においては、上記の第4~第6回目の射出形成工程が繰り替えされて、24個ずつ、樹脂容器3が製造される。温調ユニット61においては、2回分の射出成形工程に亘って温度調整された24個のプリフォーム2が、順次に、取り出されて延伸ブロー成形装置5に移送される。
【0066】
以上説明したように、製造システム1においては、1回分の射出成形工程毎に、2回分の射出成形工程に亘って温度調整が施された24個のプリフォーム2が温調ポット62から取り出されて、延伸ブロー成形装置5に移送されて二軸延伸ブロー成形され、樹脂容器3が得られる。射出成形装置4における1回分の射出成形工程の時間に制約されることなく、プリフォーム2の温度調整時間を確保できる。また、生産効率を落とすことなく、プリフォーム2をブロー成形に適した温度状態に調整するための十分な整時間を確保できる。
【0067】
よって、射出成形後のプリフォーム2の残留温度や射出残留歪を無くすことができ、残留温度のばらつきに起因する延伸ブロー成形時の容器肉厚の不均一分布を均一にできる。例えば、肉厚の厚いプリフォームあるいは肉厚のばらつきの大きなプリフォームから樹脂容器を製造する場合等においても、プリフォームの各部分を、均一に加熱して、延伸ブロー成形に適した温度状態にして、延伸ブロー成形工程に移すことができる。
【0068】
ここで、1回分の射出成形工程の時間で、プリフォーム2の温度調整が可能な場合には、例えば、第1、第2温調ポット群62(1)、62(2)の48個の温調ポット62のみを使用すればよい。射出成形工程毎に、第1温調ポット群62(1)から24個のプリフォーム2を延伸ブロー成形装置5に移送し、空になった第1温調ポット群62(1)に新たに射出成形された24個のプリフォーム2を受け入れる動作と、第2温調ポット群62(2)から24個のプリフォーム2を延伸ブロー成形装置5に移送し、空になった第2温調ポット群62(2)に新たに射出成形された24個のプリフォーム2を受け入れる動作とを交互に行えばよい。
【0069】
また、温調ユニット61の温調ポット62の個数を増やすこともできる。例えば、温調ポット62に、第1温調ポット群から第M温調ポット群(Mは4以上の整数)を配置する。各温調ポット群に属する温調ポットの個数を、少なくとも、同時に射出成形されるプリフォーム2の本数と同数とする。これにより、プリフォーム2の温度調整時間を、(M-1)回分の射出成形工程に亘る時間にできる。
【0070】
なお、本例では、24個ずつプリフォーム2を射出成形し、24個ずつ樹脂容器3を製造している。同時成形されるプリフォーム2の個数は、24個に限定されるものではないことは勿論である。同時成形されるプリフォーム2の個数をL(Lは2以上の整数)とすると、温調装置6の各温調ポット群に属する温調ポット62の個数を、少なくとも、L個とすればよい。
【0071】
次に、本例の製造システム1では、口部2bにネジ部がない形状のプリフォーム2から樹脂容器3を製造している。通常のPETボトル等を製造するためのプリフォームと異なり、ネジ部付きの口部を外周側から把持して移送する機構を用いることが困難である。本例では、射出成形型40における型開き後の雄型44に食い付いているプリフォーム2に対して、温調ユニット61の温調ポット62を水平方向から同軸に対峙させ、雄型44からエジェクトされたプリフォーム2を温調ポット62に受け入れ、真空引きして温調ポット62の内表面に密着させている。また、温調ポット62に挿入されているプリフォーム2の口部2bに挿入コア72を挿入して真空吸引することで、プリフォーム2を温調ポット62から取り出して、延伸ブロー成形装置5に移送している。ネジ部の付いていないフランジ2c付き口部2bを備えたプリフォーム2の移送を確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
1 樹脂容器の製造システム
2 プリフォーム
2a 円筒状胴部
2b 口部
2c フランジ
3 樹脂容器
3a 円筒状胴部
3b 口部
3c フランジ
4 射出成形装置
4A 型閉め位置
4B 型開き位置
5 延伸ブロー成形装置
5A プリフォーム挿入位置
5B 延伸ブロー位置
6 温調装置
6A プリフォーム受入れ位置
6B プリフォーム取出し位置
7 プリフォーム移送装置
7A 待機位置
7B 位置
7C 位置
8 制御装置
9 容器回収部
40 射出成形型
43 雌型
44 雄型
51 成形型ユニット
52 延伸ブロー成形型
53 延伸ブロー機構
54 上ユニット
55 成形型ユニット移動機構
56 延伸ロッド
57 ノズル
58 昇降機構
61 温調ユニット
61a 前面
62 温調ポット
62(1) 第1温調ポット群
62(2) 第2温調ポット群
62(3) 第3温調ポット群
63 移動機構
64 循環路
65 吸引通路
71 プリフォーム担持ユニット
72 挿入コア
73 担持ユニット移動機構
75 旋回機構
76 昇降機構
S(4) 射出成形工程
S(5) 延伸ブロー成形工程
S(6) 温調工程
S(7) プリフォーム移送工程