(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029875
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】包装容器入りの飲料原料、調製容器および飲料の調製方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/40 20060101AFI20220210BHJP
A47J 43/27 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
A47J31/40 104
A47J43/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133433
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】390010283
【氏名又は名称】岡部 俊彦
(71)【出願人】
【識別番号】513154751
【氏名又は名称】内藤 俊一
(72)【発明者】
【氏名】内藤 俊一
(72)【発明者】
【氏名】岡部 俊彦
【テーマコード(参考)】
4B053
4B104
【Fターム(参考)】
4B053AA03
4B053CA19
4B104AA01
4B104AA20
4B104BA59
4B104EA19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】飲料原料と溶媒とを混合するためのシェーカー部を使用して、ユーザーが手動でシェークを行うようにする、飲料の調製方法を提供すること。
【解決手段】プロテイン粉末200が入った状態のペットボトル100の口110からキャップを外し、この口110にウォーターサーバーの注水口300を差し入れて水を注ぎ入れる。次いでキャップで口110を固く閉じ、シェーカー部170の空間を使ってペットボトル100をシェークした後、プロテイン飲料が落ち着くまで時間を置いてからキャップを取る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装容器に入った飲料原料であって、包装容器の飲料原料の溶媒を注入する上限とする位置より上に、飲料原料と溶媒とを混合するためのシェーカー部が設けられている、包装容器入りの飲料原料。
【請求項2】
包装容器に入った飲料原料であって、包装容器の、飲料原料の溶媒を注入する際の上限の目安とする位置に目印を有して、この目印より上に飲料原料と溶媒とを混合するためのシェーカー部が設けられている、包装容器入りの飲料原料。
【請求項3】
更に包装容器にシェーク時の補助的な撹拌手段が入っている、請求項1または請求項2に記載の包装容器入りの飲料原料。
【請求項4】
包装容器の前記目安とする高さに形成された凹部または凸部を目印とした、請求項2に記載の包装容器入りの飲料原料。
【請求項5】
包装容器の少なくとも前記目安とする高さの辺りを透明または半透明にすることにより目印とした、請求項2に記載の包装容器入りの飲料原料。
【請求項6】
包装容器の前記透明または半透明の部位に付けられた線または点を目印とした、請求項5に記載の包装容器入りの飲料原料。
【請求項7】
包装容器に前記目安とする高さの辺りまで外装を施して、この外装の上縁部を目印とした、請求項2に記載の包装容器入りの飲料原料。
【請求項8】
請求項2乃至請求項7の何れか一に用いるための調製容器であって、前記目印より上に飲料原料と溶媒とをより良く混合するためのシェーカー部が設けられている、飲料原料を入れていない空の調製容器。
【請求項9】
飲料原料とこの溶媒とをシェークして飲料を得る方法であって、予め飲料原料を入れて封をした包装容器入りの飲料原料を用意しておき、これを開封して、上限とする位置まで溶媒を入れた後に、包装容器の前記上限とする位置より上に設定された飲料原料と溶媒とを混合するためのシェーカー部を使用して、ユーザーが手動でシェークする、飲料の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粉末状のプロテインなどの食品を水などの液体にシェークして溶かすことが可能な、包装容器入りの飲料原料、調製容器や、飲料の調製方法に関する。この発明は特開2020-031535、特願2020-031006と、継続して行って来た研究の成果でもある。
【背景技術】
【0002】
従来の飲料原料として例えば粉末や顆粒のインスタントコーヒーは、カップなどの容器に入れてお湯を注ぐだけで溶くことが出来ている。本格的な撹拌やシェーク(片腕や両腕を使って振って混ぜること)はしなくとも良く、せいぜいスプーンで一掻き二掻きすれば十分である。水からアイスコーヒーを作る場合でも難しくはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-031535
【特許文献2】特願2020-031006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに対して、例えば粉末状のプロテインを容器に入れて水や牛乳で溶いてプロテイン飲料を得ようとすると、プロテインが水や牛乳とうまく混ざり合わずにだまが出来てしまうことが多かった。このような問題はココアや黄粉や寒天粉やインスタント味噌汁や小麦粉を溶く場合にも同様に発生していた。
【0005】
またプロテイン粉末などは、計量スプーンに擦り切り1杯分を取り、粉末を盛ったままの計量スプーンを容器まで運んで、粉末を容器に移すことを数回繰り返すようにして所望の分量を得るようにしていたが、零さないように慎重を要する作業である上、何度も同じ作業を繰り返さなくてはならず面倒であると言う欠点があった。粉末を容器に移すことを幾度繰り返したかを忘れることもあった。なおこの背景には、作り置きではなく作り立ての新鮮なプロテイン飲料などを飲みたいとする強い欲求がある。
【0006】
特願2018-157887や特願2020-031006では、粉末状のプロテインなどの溶けにくい食品を飲料の容器に入れて水などの液体を加えたり、先に容器に水などの液体を入れておいてからその液体に溶けにくい食品を加えたりした時点でうまく混ざり合わなくなるので、この解決に主眼を置いていた。或いはプロテイン粉末などの取り扱いに際して零したり、同じ作業を繰り返したりと言った面倒をなくすることを課題としていた。そしてこれ等の課題は当発明者らにより上手く解決された。
【0007】
しかしながら現在では比較的溶けやすいプロテインなどもある。そこでこの発明では、溶けにくいような食品と水などの溶媒とを容器内で合わせたならば直にシェークし始めれば問題は少ないため、むしろより良くシェーク出来るものを提供したい。またこの課題に於いても、プロテイン粉末などの飲料原料の取り扱いに際して、零したり同じ作業を繰り返したりと言った面倒を少なくすることは相変わらず重要である。従ってこれ等の問題が解決されれば、作り置いたものではなく作り立ての新鮮なプロテイン飲料などをいつでも気軽に飲むことが可能になる。この発明はこのような課題の何れか一をまたは双方を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこでこの発明では、包装容器に入った飲料原料であって、包装容器の飲料原料の溶媒を注入する上限とする位置より上に、飲料原料と溶媒とをシェークするための空間が設けられている、包装容器入りの飲料原料を提供する。すなわち一つ個の容器内に、予め飲料原料を入れて封をしたものを提供するのであるが、この容器には更に溶媒が入る空間と、飲料原料と溶媒とをシェークするための空間であるシェーク部と、が設けられている点に特徴を有する。このような「シェーク部のある包装容器に入って販売される飲料原料」と言う思想はこれまでには存在しなかった。
【0009】
飲料原料は包装容器に入った状態で販売されるために、ユーザーにとっては飲料原料を量る作業を繰り返したり飲料原料を零したりと言った面倒がない。またこの発明は言わばシェーカー付きの包装容器であるため、この容器に水などの溶媒を入れた後、ユーザーはシェークと言う行為を容易にかつ確実に行うことが出来る。
【0010】
飲料原料がプロテインである例で説明すれば、また例えばこの包装容器入りの飲料原料をスポーツクラブやコンビニエンスストア等で提供するのであれば、ウォーターサーバーによるミネラルウォーターの自動計量での注入が好適である。例えば店員がこの包装容器をウォーターサーバーの水の出口にセットすれば、定量のミネラルウォーターが包装容器に注入されるようなシステムにすれば良い。こうして注水の上限とする位置までミネラルウォーターが注入された時に、それより上方がシェーカー空間として確保されることになる。
【0011】
次いで包装容器に蓋をしたならば、そのまま液密の容器をシェークし始めるようにすることで、勢いの付いた水とプロテインとが容器内のシェークのための空間を効果的に使って混ざり合い、良質のプロテイン溶液が得られる。この空間が確保されなければシェークは上手く行かないのである。このようにしてプロテイン飲料が入った容器では、この容器に口を付けて容器から直接飲むようにしたり、この容器から別のカップに移し替えて飲むようにしたりすれば良い。
【0012】
この発明は、プロテイン以外の溶けにくい飲食物であるココアやインスタント味噌汁などを溶く場合にも適用可能である。ただし熱湯を容器に入れてシェイクするのは憚られるやも知れず、せいぜい温湯とするのが安心である。この意味で冷し味噌汁や冷製スープはこの発明に好適な料理であると言うことが出来る。これ等を粉末や顆粒や後述する個状体などとして用いるのである。またヨーグルト粉末をより良く溶かしたい場合にも適用可能である。また飲料を泡立てたい場合もあろう。
【0013】
なお飲料原料や溶媒に食用の添加物を含めるようにしても良い。例えば上述したように飲料原料がプロテインであり溶媒がミネラルウォーターである時に、ミネラルウォーターにビタミンCやクエン酸や野菜粉末などを添加するのである。或いは果汁飲料や乳飲料を混合するのである。このようにして食用の添加物を含むプロテイン飲料を手軽に作ることが出来るようになる。従って食用の添加物の種類毎のミネラルウォーターのボトルを並べて提供することが可能となる。なおプロテインの側に付いても同様であり、食用の添加物の種類毎のプロテイン入り容器を並べて提供することが可能である。
【0014】
次にこの発明では、包装容器に入った飲料原料であって、包装容器の、飲料原料の溶媒を注入する際の上限の目安とする位置に目印を有し、この目印よりも上に飲料原料と溶媒とをシェークするための空間が設けられた、包装容器入りの飲料原料を提供することによって、上記課題を解決する。
【0015】
上記では、スポーツクラブやコンビニエンスストアの店員がこの包装容器をウォーターサーバーの水の出口にセットして、定量のミネラルウォーターを包装容器に注入する例を取り上げた。これに対して、家庭、運動公園、学校や職場と言った場所でユーザー自らが自宅や公園の水道の口から、ミネラルウォーターのボトルから、プロテイン入りの容器に水を注ぐような状況では、注入する際の上限の目安とする位置に目印を有していると便利である。注水は目分量でも良いが、プロテイン飲料の濃さをほぼ一定なものにしたり、この発明に特有のシェークするための特定空間を適切に確保したいのであれば、目印を設けることは好ましいことである。
【0016】
次に、包装容器には飲料原料と共にシェーク時の補助的な撹拌手段が入っているものとすることが出来る。撹拌手段としてはシェーカーボールのような球状のものが知られているが、例えば不織布製の四面体の袋詰めシリカゲルをこれに当てることが出来る。溶媒を注入するまでは乾燥材として働き、溶媒注入後のシェーク時にはその最後の役目としての撹拌を担わせることが可能である。
【0017】
次に、包装容器の前記目安とする高さに形成された凹部または凸部を目印とすることが出来る。例えば包装容器の外周を一周する凹条部や凸条部が設けてあれば、そのラインを溶媒を入れるべき高さとするのである。包装容器はこれを立てて用いるから溶媒を入れるべき高さと言うのである。包装容器として注ぎ口付きの底ガゼット袋も立てて使うものであるからこれにも同じことが言える。なお凹条部や凸条部が形成されているペットボトルの外周をシュリンクフィルムの外装で覆って、凹条部や凸条部がシュリンクフィルム面に現れるようにすることが出来る。凹条部や凸条部は連続したものであっても不連続なものであっても良い。なお凹条部や凸条部はシェークの際の滑り止めともなり得る。
【0018】
包装容器が透明や半透明であったり、外装がある場合の外装が透明や半透明であれば、注いでいる溶媒の高さは外から見て見当が付く。凹条部や凸条部が設けてあれば便利である。包装容器が不透明であったり外装が不透明である場合であっても、包装容器の口から内部を覗けば水位の見当を付けられる場合もある。
【0019】
また、包装容器の少なくとも前記目安とする高さの辺りを透明または半透明にすることにより目印とすることが出来る。包装容器が全体として不透明であっても、目安の高さの辺りが透明または半透明であれば、包装容器の内部を覗き見ることが出来る。或いは外装がある場合の包装容器が透明で、外装の目安の高さの辺りが透明または半透明であれば、やはり包装容器の内部を覗き知ることが出来る。この透明または半透明にした辺りを目印とするのである。この透明な部分や半透明な部分は、部分的な窓であっても良いし、包装容器の外周を一周する窓であっても良い。
【0020】
これに関して、包装容器の前記透明または半透明の部位に付けられた線または点を目印とすることが出来る。包装容器の目安の高さの辺りの透明や半透明の部位は、それだけで目印となるが、更に包装容器の外周を一周する線を付したり、点(矢印等のマークなども点の一種である)を付したりすると、ユーザーにとってより分かりやすくなる。
【0021】
また、包装容器に前記目安とする高さの辺りまで外装を施して、この外装の上縁部分を目印とすることが出来る。例えば包装容器が全体として透明であって外装が不透明であるとすると、外装の上縁部が目印と成ることは一目瞭然である。なお包装容器が全体として不透明であるとしても、凹条部や凸条部の場合と同様に、外装の上縁部を頼りに包装容器の口から内部を覗けばおおよその水位の見当を付けられる場合が確かにあるのである。
【0022】
さて、上述した何れの包装容器にも関連することであるが、前記目印より上に飲料原料と溶媒とをより良く混合するための特定空間であるシェーカー部が設けられている、飲料原料を入れていない空の包装容器(調製容器と称す)を提供することが可能である。この調製容器の特徴は、溶媒を入れる上限となる目印よりも上に飲料原料と溶媒とをシェークするための空間が、特定の範囲を確保して設けられている点にあり、極めて貴重なものである。上述した何れの包装容器でも使い捨てるに忍びないと言うのであれば再利用出来るに越したことはない。そこで再利用を前提にした、初めから飲料原料を入れていない空の調製容器の提供もあり得ると考えた。
【0023】
この空の調製容器には飲料原料を量り入れるか、袋入りなどの個包装の飲料原料を用いるようにすれば良い。何れにせよ飲料原料の量と溶媒の量との合計の量に上限が設定されておりシェーカー部が確保されているため、ユーザーはシェークと言う行為を容易にかつ確実に行うことが可能であり、更にこの利益を何度でも享受することが出来る。
【0024】
次にこの発明は、飲料原料とこの溶媒とをシェークして飲料を得る方法であって、予め飲料原料を入れて封をした包装容器入りの飲料原料を用意しておき、これを開封して上限とする位置まで溶媒を入れた後に、包装容器の前記上限とする位置より上に設定された、飲料原料と溶媒とを混合するためのシェーカー部を使用して、ユーザーが手動でシェークを行うようにする、飲料の調製方法を提供する。
【0025】
容器に入れておく飲料原料に付いて、これを粉末状や顆粒状とする以外にも、個状体にしておくことが可能である。内部まで固形でなく、内部は粉末状であっても、表皮のようなもので覆われていれば個状体であると見做して良い。例えば特開平06-315353や、実開平01-82787に記載されている不二製油株式会社製のプロテインシートでプロテイン粉末を包むようにして個状体を得ることが出来る。また一例プロテイン粉末をオブラートで包むようにしても個状体が得られる。澱粉質のオブラートを避けてゼラチンやアルギン酸等々の素材をベースにした水溶性可食フィルムを用いるようにしても良い。この表皮のようなものは水などの溶媒に触れて溶けるのであるが、仮に溶け切らなかったとしても問題は少ない。また飲料原料の個状体を得るためにインスタントの味噌汁のようにフリーズドライ製法を利用する場合がある。
【0026】
飲料原料が粉の状態ではなく個状体であれば、上述した包装容器の再利用に於いて飲料原料を再利用の都度入れる方式にとっても有利である。すなわち指やトングで摘まむことが出来るため、それを容器に移すのは楽な作業になるからである。取り扱いは所要の分量の粉末を1個の纏まりにしておけば一番楽になるが、それよりも小さい単位の個状体であっても粉末に比べれば格段に便利である。なお飲料原料が個状体であると、粉末の場合の零してしまって拭き作業をすると言うようなことが起こり難い。また個状物の個数は見れば分かるため、粉末の場合の何杯量って容器に入れたかを忘れて、またゼロから量り直しになると言うようなことが無くなる。このことは袋入り個包装の飲料原料に付いても言うことが出来る。
【発明の効果】
【0027】
飲料原料を包装容器に入れた状態で販売する点に関しては、飲料原料を量る作業を繰り返したり飲料原料を零したりと言った面倒がなくなっている。シェーカー部が付いた包装容器である点に関しては、この容器に水などの溶媒を入れた後に、ユーザーはシェークと言う行為を容易にかつ確実に行うことが出来るようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】左図は実施例1を縦断面で表した説明図であり、右図は比較のための従来の包装容器の説明図である。
【
図12】実施例8を縦断面で表した使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では8種類の実施例に付いて説明するが、この発明はこれ等の実施例に限定されるものではなく、更に自由に設計することが出来るものである。
【実施例0030】
図1乃至
図3はこの実施例のペットボトル100入りのプロテイン粉末200を表す。ペットボトル100にはネジ山120が設けられた口110があり、この口110にキャップ140が螺合している。キャップ140を口110から外す際にキャップ140から未開封確認のためのバンド130の部分が切り離されるようになっている。ペットボトル100は不透明であって、その中に入れたプロテイン粉末200を外から見ることは出来ない。充填ライン150は構造上ラインが引かれていると言うものではなく、プロテイン粉末200の上限が充填ライン150になる。充填ライン150まで入れるとプロテイン粉末200は限度一杯充填されたことになる。なお後述するが定量のミネラルウォーター310が口110から注がれると、その上限が注入ライン160となるのは、プロテイン粉末200の充填ライン150と同じことである。鎖線で表したプロテイン粉末200が飲料原料であり鎖線で表したミネラルウォーター310が溶媒である。このペットボトル100にはその最上部にシェーカー部170が設けられている。上記注入ライン160から上がシェーカー部170として確保されたシェークのための空間である。
【0031】
この使用法を
図2で模式的に、また
図3で流れ図として表す。プロテイン粉末200が入った状態のペットボトル100の口110からキャップ140を外し、この口110にウォーターサーバーの注水口300を差し入れて水を注ぎ入れる(ステップS1)。この時、注水口300からはミネラルウォーター310が注入ライン160までの定量を注がれるように、図示しないウォーターサーバーに設定されている。次いでキャップ140で口110を固く閉じたならば、シェーカー部170の空間を使ってペットボトル100をシェークすると、プロテイン粉末200とミネラルウォーター310とが十分に混合されてプロテイン飲料が得られる(ステップS2)。この後はプロテイン飲料が落ち着くまで少しだけ時間を置いてからキャップ140を取るようにすれば良い(ステップS3)。
【0032】
ステップS2に於いて、シェーカー部170の空間が確保されていなければシェークは上手く行かないことが分かる。またシェーカー部170が設けられていることがこの発明の特異な点である。このことを
図2の右図で説明する。右図は従来の包装容器を説明するものであり、比較のためこの実施例の充填ライン150や注入ライン160を当てはめて描いたものであって、この実施例に係る図解ではない。従来の包装容器であれば、ペットボトルB1にはプロテイン粉末200を「詰めて」販売されるのが通例であるから、実線で表すようなペットボトルB1の外形になるはずである。またもしプロテイン粉末200とミネラルウォーター310とを「詰めて」の販売であれば、ペットボトルB2は鎖線で表すような形状にするのが通例である。容器に物を中途半端に入れたのでは商品にならないと考えるのが普通であろう。しかしながらペットボトルB2でシェークしてみると良く分かるのであるが、この実施例のシェーカー部170が設けられたペットボトル100のように両者を十分に混合させることは困難なのである。実際にはプロテイン粉末200とミネラルウォーター310とは、注入ライン160から下の空間をも移動しているのであるが、シェーカー部170があればこそ効果的なシェークが可能になっているのであるから、シェーカー部170を設けたことの価値には極めて大きいものがある、と言うことが出来る。なお逆にシェーカー部の空間が多過ぎると内部の空気でスカスカして感触や気分の良くないシェークになるため、適宜に設計を行うようにすれば良い。
このペットボトル400は透明であるも、印刷されたシュリンクフィルムの外装490が施されているために、中に充填された飲料原料としてのプロテイン粉末200を外から見ることは難しい。充填ライン450は構造上でラインが引かれていると言うものではなく、プロテイン粉末200の上限が充填ライン450とされるのである。またこのペットボトル400には、溶媒としてのミネラルウォーターを注ぎ入れる時の注入ライン460の高さに、ペットボトル400の外周を一周する凸部の一種としての突出部480が設けられており、これが外装490の表面にも表れている。すなわち突出部480はミネラルウォーターを注ぎ入れる時の上限の目安となる。なおペットボトル400の中には乾燥剤210が入っている。
このペットボトル400にはその最上部にシェーカー部470が設けられている。後述するが、溶媒として定量のミネラルウォーターが口410から注がれるとその上限が注入ライン460となるのは、プロテイン粉末200の充填ライン450と同じである。この注入ライン460から上がシェーカー部470として確保された空間である。
この実施例によれば、突出部480から口410にかけてシェーカー部470が設けられている。このシェーカー部470として確保された空間はペットボトル400の全体のおおよそ三分の一であり、スカッとするような効果的なシェークが可能となっている。