(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029895
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】無停電取替装置およびその無停電取替装置を備えた電気装置
(51)【国際特許分類】
G01R 11/00 20060101AFI20220210BHJP
G01R 11/04 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
G01R11/00 H
G01R11/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133485
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】000236780
【氏名又は名称】不二電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】山崎 高司
(72)【発明者】
【氏名】藤田 信輔
(57)【要約】
【課題】2種類の配線が対向するように並べられた電気装置に対応できる無停電取替装置およびその無停電取替装置を備えた電気装置を提供する。
【解決手段】無停電取替装置10は第1端子14、第2端子16、第1接触子18、第2接触子20、第3接触子22、第4接触子24、短絡部材26、第1筐体28および第2筐体30を備える。短絡部材26が第4接触子24に挿入されているときは第3接触子22と第4接触子24は絶縁されている。短絡部材26が両方の接触子22、24に挿入されると、第3接触子22と第4接触子24が短絡し、第1端子14と第2端子16が短絡する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1外部配線および第2外部配線に電気器具を接続または切断するための無停電取替装置であって、
前記第1外部配線に接続される第1端子と、
前記第1端子と同電位であり、電気器具の端子が接続される第1接触子と、
前記第2外部配線に接続され、前記第1端子と対向する位置に配置された第2端子と、
前記第2端子と同電位であり、電気器具の端子が接続される第2接触子と、
前記第1端子および第1接触子と同電位である第3接触子と、
前記第2端子および第2接触子と同電位であり、前記第3接触子と対向する位置に配置された第4接触子と、
前記第3接触子と第4接触子の短絡と絶縁を切り替える短絡部材と、
前記第1端子、第1接触子、第2端子、第2接触子、第3接触子および第4接触子を固定する第1筐体と、
前記第1端子、第1接触子、第2端子、第2接触子、第3接触子、第4接触子および短絡部材を覆う第2筐体と、
を備えた無停電取替装置。
【請求項2】
前記短絡部材が往復運動できる請求項1の無停電取替装置。
【請求項3】
前記短絡部材が第3接触子または第4接触子に取り付けられ、第3接触子と第4接触子に対して往復運動することによって第3接触子、第4接触子またはその両方に接続される請求項2の無停電取替装置。
【請求項4】
前記短絡部材を移動させるレバーを備えた請求項1から3のいずれかの無停電取替装置。
【請求項5】
前記短絡部材に設けられ、端部に第1凹部を備えた作用部材と、
前記第1筐体または第2筐体に設けられ、端部に第2凹部を備えた支点部材と、
を備え、
前記レバーに前記第1凹部に入れられる第1凸部および第2凹部に入れられる第2凸部が設けられており、
前記第1凸部が第1凹部に入れられ、第2凸部が第2凹部に入れられた状態で第2凸部を中心にしてレバーを回転させることで、前記短絡部材が往復運動できる請求項4の無停電取替装置。
【請求項6】
前記短絡部材の移動方向を規制する被ガイド部およびガイド部を備えた請求項2から5のいずれかの無停電取替装置。
【請求項7】
前記ガイド部が第1筐体に形成され、短絡部材の往復運動する方向を向いており、
前記被ガイド部が短絡部材に設けられ、該短絡部材の往復運動に合わせて前記ガイド部の中を移動する
請求項6の無停電取替装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかの無停電取替装置と、
前記第1接触子および第2接触子に接続された電気器具と、
を備えた電気装置。
【請求項9】
前記電気器具が電力量計または電流計である請求項8の電気装置。
【請求項10】
前記電気器具の端子と第1接触子を接続および電気器具の端子と第2接触子を接続するアダプターを備えた請求項8または9の電気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無停電取替装置およびその無停電取替装置を備えた電気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電力量計を交換する際に、無停電で作業を行うための装置が開発および開示されている。たとえば、下記特許文献1の装置は、3本の電源側配線と3本の負荷側配線が横に並べられた電力量計を無停電で取り換えるための装置である。電力量計に端子台が取り付けられ、その端子台で電源側配線と負荷側配線が短絡されるようになっている。
【0003】
特許文献1に示されている電力量計は電源側配線と負荷側配線が横に並べられているが、電力量計の中には電源側配線と負荷側配線が対向するように並べられているものも存在する。特許文献1の装置は配線が対向するように並べられた電力量計に対応できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、2種類の配線が対向するように並べられた電気装置に対応できる無停電取替装置およびその無停電取替装置を備えた電気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の無停電取替装置は、第1外部配線および第2外部配線に電気器具を接続または切断するための無停電取替装置である。無停電取替装置は、前記第1外部配線に接続される第1端子と、前記第1端子と同電位であり、電気器具の端子が接続される第1接触子と、前記第2外部配線に接続され、前記第1端子と対向する位置に配置された第2端子と、前記第2端子と同電位であり、電気器具の端子が接続される第2接触子と、前記第1端子および第1接触子と同電位である第3接触子と、前記第2端子および第2接触子と同電位であり、前記第3接触端子と対向する位置に配置された第4接触子と、前記第3接触子と第4接触子の短絡と絶縁を切り替える短絡部材と、前記第1端子、第1接触子、第2端子、第2接触子、第3接触子および第4接触子を固定する第1筐体と、前記第1端子、第1接触子、第2端子、第2接触子、第3接触子、第4接触子および短絡部材を覆う第2筐体とを備える。本発明の電気装置は、上記の無停電取替装置に電気器具が接続されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、第3接触子と第4接触子が短絡部材によって短絡されたり、絶縁されたりする。電気装置を通常使用するときは、第3接触子と第4接触子が絶縁されており、電気器具を交換するときに、第3接触子と第4接触子を短絡させる。第3接触子と第4接触子が短絡されており、電気器具を取り外しても無停電取替装置は電気を流すことができる。無停電で電気器具を交換できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の無停電取替装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】アダプターが取り付けられた電気器具を示す斜視図である。
【
図3】第2筐体を取り外した無停電取替装置の斜視図である。
【
図4】第2筐体を取り外した無停電取替装置の正面図である。
【
図5】第1端子、第2端子、第1接触子、第2接触子、第3接触子、第4接触子および短絡部材を示す図であり、(a)は第3接触子と第4接触子が短絡部材で短絡された図であり、(b)は第3接触子と第4接触子が絶縁された図である。
【
図7】第1凹部と第2凹部にレバーが取り付けられた斜視図である。
【
図8】
図7の状態からレバーを操作した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の無停電取替装置およびその無停電取替装置を備えた電気装置について図面を使用して説明する。
【0010】
[実施形態1]
図1に示す本発明の無停電取替装置10は、第1外部配線および第2外部配線に電気器具を接続または切断する装置である。たとえば、第1外部配線は電源に接続される配線であり、第2外部配線は負荷に接続される配線である。
図2に示す電気器具12は第1外部配線と第2外部配線とに直列接続されて動作する器具であれば限定されず、たとえば電力量計または電流計などである。
【0011】
図1、
図3、
図4に示すように、無停電取替装置10は第1端子14、第2端子16、第1接触子18、第2接触子20、第3接触子22、第4接触子24、短絡部材26、第1筐体28および第2筐体30を備える。
【0012】
第1端子14、第2端子16、第1接触子18、第2接触子20、第3接触子22および第4接触子24が第1筐体28に取り付けられている。第1端子14、第2端子16、第1接触子18、第2接触子20、第3接触子22、第4接触子24および短絡部材26の全部または一部が第2筐体30で覆われる。第2筐体30は、少なくとも第1端子14、第2端子16、第1接触子18および第2接触子20が外部から見えるように開口等を設けておく。第1端子14などに外部から端子等を接続するためである。図面では第1端子14、第2端子16、第1接触子18、第2接触子20、第3接触子22、第4接触子24および短絡部材26はそれぞれ3つになっているが、電気器具12の構成、第1外部配線の本数および第2外部配線の本数に応じて適宜変更してもよい。
【0013】
第1端子14は第1外部配線に接続される端子である。第2端子16は第2外部配線に接続される端子である。第1端子14と第2端子16は同一形状になっている。
図5(a)、(b)に示すように、本願はL字形状の第1金具32、第2金具34および第3金具36が重ね合わせられており、3つの金具が重ねられた部分が第1端子14または第2端子16になっている。第1端子14および第2端子16にねじ38を通す開口が設けられており、ねじ38によって3つに重ねられた金具32、34、36が第1筐体28に取り付けられている。さらに、そのねじ38によって第1端子14に第1外部配線、第2端子16に第2外部配線が取り付けられる。なお、ねじ38で金具32、34、36を第1筐体28に取り付ける以外に、リベットで取り付けてもよいし、第1筐体28にはめ込んで取り付けられるようにするなど、適宜取り付け方法を変更してもよい。
【0014】
第1金具32と第2金具34における第1端子14または第2端子16の反対部分が第1接触子18または第2接触子20である。第1接触子18と第2接触子20は、第1金具32と第2金具34は隙間を開けかつ対向して配置されている。第1接触子14と第2接触子16の部分で第1金具32と第2金具34は互いに近接するようにした折り曲げ部40、42を備える。第1金具32と第2金具34の間に電気器具12の端子が挿入される。電気器具12の端子は折り曲げ部40、42に接触し、第1金具32と第2金具34は互いに離れる方向にたわむ。第1金具32と第2金具34の弾性力によって電気器具12の端子が第1金具32と第2金具34の間から抜けにくくなる。第1金具32と第2金具34の中央にスリット44を備える。第1金具32と第2金具34がたわみやすくなっている。
【0015】
第3金具36に第4金具46が取り付けられている。第3金具36における第1端子14または第2端子16の反対部分にねじ48が通される開口が形成されており、その開口にねじ48が通され、第4金具46が第3金具34にねじ止めされている。
【0016】
第4金具46は帯状の金属の両端部分が互いに対向するように折り曲げられている(
図5(a)、(b))。第4金具46の中央部分は平面状になっており、その中央部分が第3金具36にねじ48で取り付けられている。本願は第4金具46が第3金具36にねじ止めされているが、第3金具36を省略して、第4金具46を第2金具34に溶接等されて固定されてもよい。
【0017】
第4金具46の両端部分が第3接触子22または第4接触子24である。第4金具46の両端部分は互いに近接するようにした折り曲げ部50を備える。短絡部材26が第4金具46の両端部分に挿入される。
【0018】
短絡部材26は長板状の金属である。短絡部材26は第4金具46の両端部分の間に挿入される。短絡部材26は第4金具46の両端部分の折り曲げ部50に接触し、第4金具46の両端部分は互いに離れる方向にたわむ。第4金具46の弾性力によって短絡部材26が第4金具46の両端部分に挟まれて保持される。
【0019】
短絡部材26の一端が第3接触子22に挿入され、短絡部材26の他端が第4接触子24に挿入される。短絡部材26は長手方向に直線的な運動で往復運動できる。
図5(a)、(b)に示すように、短絡部材26の他端が常に第4接触子24に挿入されている。短絡部材26が往復運動することで、両方の接触子22、24に挿入され、または第4接触子24に挿入される。短絡部材26が第4接触子24にのみ挿入されているときは第3接触子22と第4接触子24は絶縁されている。短絡部材26が両方の接触子22、24に挿入されると、第3接触子22と第4接触子24が短絡し、第1端子14と第2端子16が短絡する。なお、第4端子24の代わりに第3端子22が常に短絡部材26を挟み込んでもよい。
【0020】
複数の短絡部材26は平面が同一面になるように並べられている(
図3、
図4)。複数の短絡部材26は板状の固定部材52に固定されている。固定部材52は長板状であり、固定部材52の長さ方向は短絡部材26の長さ方向に対して垂直方向を向いている。本願は2枚の固定部材52で短絡部材26を挟み込んで固定しているが、1枚の固定部材52に短絡部材26をねじ止め等して固定してもよい。
【0021】
固定部材52は短絡部材26の長さ方向を向いた棒状の被ガイド部54を備える。被ガイド部54は短絡部材26同士の間に配置されている。第1筐体28に被ガイド部54が挿入される溝状のガイド部56を備える。ガイド部56は第1筐体28における第1端子14同士の間および第2端子16同士の間に設けられている。被ガイド部54がガイド部56に入り、短絡部材26の往復運動の方向を定める。被ガイド部54の長さ方向は短絡部材26の長さ方向を向いており、短絡部材26を長さ方向に往復運動させることができる。被ガイド部54がガイド部56に入りやすいように、被ガイド部54の先端が徐々に細くなるようにしてもよい。
【0022】
短絡部材26を往復運動させるために、固定部材52に作用部材58が取り付けられている(
図3、
図4)。作用部材58は長板状であり、その長さ方向は短絡部材26の長さ方向に対して垂直方向を向いている。作用部材58の両端部分は垂直方向に折れ曲がっている。作用部材58の両端部分に第1凹部60が形成されている。
【0023】
第2筐体30に支点部材62が取り付けられている(
図1)。支点部材62は長板であり、その長さ方向は作用部材58の長さ方向と同じ方向を向いている。支点部材62の両端部分は垂直方向に折れ曲がっている。支点部材62の両端部分に第2凹部64が形成されている。
【0024】
本願はレバー66を備える(
図6)。レバー66は両端部が対向するように折れ曲がった板状体または棒状体である。板状体または棒状体の中央部分が直線状になっている。レバー66の対向する部分に第1凸部68と第2凸部70が備えられている。
【0025】
レバー66の第1凸部68は第1凹部60に入り、第2凸部70は第2凹部64に入る。各凸部68、70を各凹部60、64に入れた状態でレバー66の中央部分を持って、レバー66を回転させる。第2凸部70が支点、第1凸部68が作用点になり、作用部材58を移動させることができる(
図7、
図8)。作用部材58と短絡部材26は一体になっているため、作用部材58の移動によって短絡部材26が移動される。短絡部材26が移動されることで、第3接触子22と第4接触子24の短絡状態と絶縁状態を切り替えることができる(
図5(a)、(b))。
【0026】
第1筐体28または第2筐体30にレバー66の両端および第1凸部68が入る隙間72を設ける(
図1)。レバー66の両端を隙間72に入れ、さらに第1凸部68を第1凹部60に入れる。
【0027】
図1に示すように、作用部材58の両端部分に、作用部材58の長さ方向に対して垂直方向を向き、L字形状になった停止部74を設ける。第1筐体28または第2筐体30の側部に、作用部材58の当接部76を設け、停止部74が当接部76に当たるようにする。作用部材58を所定位置で停止させることができる。
【0028】
レバー66が短絡部材26、第1筐体28および第2筐体30に対して別部材になっていることで、レバー66のみを独自に保管することになる。電気器具12の取替等を行う者がレバー66を保管し、電気器具12の取替等を行うときにレバー66を操作する。誤操作およびいたずらで短絡部材26を移動させることを防止できる。
【0029】
電気器具12は第1接触子18と第2接触子20に接続され、電気器具12が第1筐体28および第2筐体30に取り付けられる(
図6、
図7)。電気器具12は第1接触子18と第2接触子20に直接接続されてもよいし、アダプター78を介して接続されてもよい。たとえば、電気器具12の端子が第1端子14と第2端子16と同方向を向いている場合、電気器具12の端子は第1接触子18と第2接触子20に接続できない。
図2に示すように、電気器具12の端子に第1接触子18と第2接触子20に挿入される端子80を備えたアダプター78を接続する。アダプター78の端子80が第1接触子18と第2接触子20に接続される。
【0030】
本願の無停電取替装置10に電気器具12を接続することで、本願の電気装置90になる(
図7、
図8)。たとえば、電気器具12が電力量計であれば、電気装置90は電力量計として動作する。
【0031】
次に本願の無停電取替装置10および電気装置90の使用方法について説明する。(1)電気器具12を配置したい位置に無停電取替装置10を配置し、無停電取替装置10の第1端子14に第1外部配線を接続し、第2端子16に第2外部配線を接続する。その際、第1外部配線および第2外部配線は電力供給されていない状態にしておく。
【0032】
(2)第3接触子22と第4接触子24が短絡部材26で短絡されていないことを確認する。第3接触子22と第4接触子24が短絡されていれば、レバー66を用いて短絡部材26を移動させ、第3接触子22と第4接触子24を絶縁する。
【0033】
(3)第1接触子18および第2接触子20に電気器具12の端子を接続する。電気器具12はアダプター78を介して第1接触子18と第2接触子20に接続されてもよい。電気器具12が接続されることで、無停電取替装置10と電気器具12を備えた電気装置90となる。第3接触子22と第4接触子24が絶縁されていることで、第1接触子18と第2接触子20に電気器具12が直列接続される。その後、第1外部配線および第2外部配線に電力が印加された状態(活電状態)にする。電気器具12に電力供給され、電気器具12が動作する。
【0034】
(4)電気器具12の定期交換または故障によって電気器具12を無停電取替装置10から取り外す場合、レバー66の第1凸部68を第1凹部60に入れ、第2凸部70を第2凹部64に入れる。レバー66の第2凸部70を支点として、レバー66の中央部分を回すことで、第1凸部68が作用部材58を移動させ、作用部材58と一体になっている短絡部材26が移動する。短絡部材26が移動することで、短絡部材26が両方の第3接触子22と第4接触子24に挿入される。第3接触子22と第4接触子24が短絡部材26で短絡される。第3接触子22と第4接触子24が短絡部材26を通して通電する。
【0035】
(5)無停電取替装置10から電気器具12を取り外す。第3接触子22と第4接触子24が短絡されており、第1外部配線と第2外部配線は通電している。負荷を停止させなくても電気器具12を取り外すことができる。
【0036】
(6)新たな電気器具12の端子を第1接触子18と第2接触子20に接続する。上記のようにレバー66を用いて短絡部材26を移動させ、第3接触子22と第4接触子24を絶縁する。電気器具12に電力供給され、電気器具12が動作する。
【0037】
以上のように、本願の無停電取替装置10であれば、簡単な動作で電気器具12を無停電で交換できる。従来と異なり、第1外部配線と第2外部配線が対向して配置される電気器具12に対して無停電で交換することができる。無停電取替装置10の中でレバー66を別部品にすることで、誤操作やいたずらによる第3接触子22と第4接触子24の短絡と絶縁の切り替えを防止できる。
【0038】
[実施形態2]
第3接触子22と第4接触子24の短絡と絶縁を切り替えるために、短絡部材26が第3接触子22と第4接触子24の間を直線的な運動で往復運動したが、他の往復運動であってもよい。たとえば、短絡部材26が中心を軸として回転することで、短絡部材26が第3接触子22と第4接触子24に対して往復運動してもよい。また、短絡部材26が第3接触子22と第4接触子24に対して上下運動することで、短絡部材26が第3接触子22と第4接触子24に対して往復運動してもよい。第3接触子22と第4接触子24の短絡と絶縁が切り替えられれば、短絡部材26が第3接触子22と第4接触子24に対してどのように運動してもよい。短絡部材26が第3接触子22と第4接触子24に対して往復運動し、短絡と絶縁を切り替えられるのであれば、それらの形状等の構成は限定されず、短絡と絶縁が切り替えられるように適宜変更される。また、短絡部材26の位置が固定され、第3接触子22と第4接触子24の両方または一方が短絡部材26に対して接触と非接触が切り替えるように移動させ、第3接触子22と第4接触子24の短絡と絶縁を切り替えてもよい。短絡部材26、第3接触子22および第4接触子24のいずれもが移動し、短絡と絶縁が切り替えられてもよい。第3接触子22と第4接触子24の短絡と絶縁を切り替える構成は適宜変更されてもよい。
【0039】
第3接触子22と第4接触子24は第4金具46に限定されない。たとえば、第3接触子22と第4接触子24は複数の金具で開閉可能なように構成する。第3接触子22と第4接触子24が短絡部材26を挟み込んだり開放したりして、第3接触子22と第4接触子24の短絡と絶縁を切り替える。
【0040】
[実施形態3]
複数の短絡部材26の平面を同一面にする以外に、複数の短絡部材26の平面が平行になるように並べてもよい。短絡部材26ごとに平面の角度が異なっていていたり、短宅部材26の長さ方向の角度が異なっていたりしてもよいし、さらに短絡部材26の高さが異なっていてもよい。第1筐体28と第2筐体30に短絡部材26が収納されており、短絡部材26によって第3接触子22と第4接触子24の短絡と絶縁が切り替えられれば、短絡部材26の配置方法は限定されない。
【0041】
[実施形態4]
被ガイド部54の形状は棒状に限定されない。ガイド部56で被ガイド部54がガイドされて短絡部材26の移動方向が規制されれば、被ガイド部54の形状は任意である。たとえば被ガイド部54の形状は平板状であったり、凸状であったりする。ガイド部56の形状は被ガイド部54の形状によって適宜変更される。さらに、被ガイド部54とガイド部56を省略し、操作者によって短絡部材26を所定方向に移動させてもよい。
【0042】
[実施形態5]
短絡部材26が移動させられれば、レバー66の構造などは限定されない。たとえば、第1凹部60と第2凹部64を凸部に変更し、レバー66にその凸部を入れる凹部を形成してもよい。
【0043】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【符号の説明】
【0044】
10:無停電取替装置
12:電気器具
14:第1端子
16:第2端子
18:第1接触子
20:第2接触子
22:第3接触子
24:第4接触子
26:短絡部材
28:第1筐体
30:第2筐体
32:第1金具
34:第2金具
36:第3金具
46:第4金具
52:固定部材
54:被ガイド部
56:ガイド部
58:作用部材
60:第1凹部
62:支点部材
64:第2凹部
66:レバー
68:第1凸部
70:第2凸部
78:アダプター
90:電気装置