(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029928
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】貨物自動車、自動保管装置、自動保管方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B62D 33/04 20060101AFI20220210BHJP
B60P 1/00 20060101ALI20220210BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20220210BHJP
B65G 1/00 20060101ALN20220210BHJP
【FI】
B62D33/04 F
B60P1/00 Z
B65G1/137 E
B65G1/00 551B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133540
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】514174925
【氏名又は名称】ワム・システム・デザイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100121223
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 悟道
(72)【発明者】
【氏名】上野 潔
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022BB00
3F022EE01
3F022FF06
3F022FF14
3F022FF16
3F022MM13
3F522AA10
3F522BB02
3F522BB28
3F522BB35
3F522BB36
3F522CC07
3F522GG02
3F522GG13
3F522LL17
(57)【要約】
【課題】荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる貨物自動車を提供する。
【解決手段】1または2以上の荷物が積載される荷台を備えた貨物自動車1であって、荷台に積載された1以上の荷物の位置を荷台上で自動的に変更する自動保管装置10を備えるうようにした貨物自動車1であり、例えば、次に配送される荷物の位置を、荷物の荷下位置の近くに移動させたり、配送順が早い荷物の位置が、より荷物の荷下位置の近くとなるよう荷物を移動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または2以上の荷物が積載される荷台を備えた貨物自動車であって、
前記荷台に積載された1以上の荷物の位置を前記荷台上で自動的に変更する自動保管装置を備えた貨物自動車。
【請求項2】
前記自動保管装置は、前記荷台に積載された1以上の荷物の位置を、前記貨物自動車の移動に応じて、変更する請求項1記載の貨物自動車。
【請求項3】
前記自動保管装置は、
前記積載される荷物の中から、前記貨物自動車の移動に応じて、位置を変更する荷物を決定する移動決定部と、
前記移動決定部が決定した荷物を、荷台の荷下ろしを行う荷下位置に近い位置に移動させる荷物移動部と、を備えた請求項2記載の貨物自動車。
【請求項4】
前記自動保管装置は、
貨物自動車の現在位置を取得する現在位置取得部と、
積載されている荷物の荷物識別子と、当該荷物の配送先の場所を示す配送先情報とが対応付けて格納されている配送先格納部とをさらに備え、
前記移動決定部は、前記現在位置取得部が取得した貨物自動車の現在位置と、前記配送先格納部に格納されている配送先情報とを用いて、位置を変更する荷物を決定する請求項3記載の貨物自動車。
【請求項5】
前記移動決定部は、積載されている荷物のうちの、対応する配送先情報が示す荷物の配送先が、前記現在位置取得部が取得した貨物自動車の現在位置に対して設定される特定の領域内に位置する荷物を、位置の変更対象となる荷物として決定する請求項4記載の貨物自動車。
【請求項6】
前記移動決定部は、積載されている荷物のうちの、対応する配送先情報が示す荷物の配送先と、前記現在位置取得部が取得した貨物自動車の現在位置と、が最も近い荷物を、位置を変更する荷物に決定する請求項4または請求項5記載の貨物自動車。
【請求項7】
前記自動保管装置は、積載されている荷物の配送順を示す配送順情報が格納される配送順格納部をさらに備え、
前記移動決定部は、前記配送順格納部に格納された配送順情報に応じて、位置を変更する荷物を決定する請求項3記載の貨物自動車。
【請求項8】
前記移動決定部は、前記配送順情報に応じて、積載されている荷物のうちの配送順番が最も早い荷物を、位置を変更する荷物に決定する請求項4記載の貨物自動車。
【請求項9】
前記自動保管装置は、
積載される荷物の配送順を示す配送順情報が格納される配送順格納部と、
前記配送順格納部に格納された配送順情報に応じて、積載された各荷物の位置を、配送順番の早いものが、荷台の荷下ろしを行う荷下位置により近い位置となるよう変更する荷物移動部と、を備えた請求項2記載の貨物自動車。
【請求項10】
前記自動保管装置は、自動で回転する回転棚を備えた請求項1から請求項9いずれか一項記載の貨物自動車。
【請求項11】
前記自動保管装置は、荷物が配置される1以上の配置部を有する1以上の無人搬送体を備えた請求項1から請求項9いずれか一項記載の貨物自動車。
【請求項12】
前記自動保管装置は、前記荷物を移動させるクレーンを有している請求項1から請求項9いずれか一項記載の貨物自動車。
【請求項13】
1または2以上の荷物が積載される荷台を備えた貨物自動車に設置される自動保管装置であって、
前記荷台に積載された1以上の荷物の位置を前記荷台上で自動的に変更する自動保管装置。
【請求項14】
1または2以上の荷物が積載される荷台を備えた貨物自動車の荷台に積載された1以上の荷物の位置を、前記荷台上で自動的に変更するステップを備えた自動保管方法。
【請求項15】
コンピュータを、
1または2以上の荷物が積載される荷台を備えた貨物自動車の荷台に積載される荷物の位置を、前記荷台上で自動的に変更する自動保管装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物を積載する貨物自動車等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、貨物積載用棚を構成する規格部材と、それに結合して長さを可変調節し得る調整部材とを用いて棚フレームを構成し、棚フレームを要所で車体内壁に当接させることにより、積載用棚を少種類の規格部材で、車種の異なる車体の内壁に、車体に加工を施こすことなく着脱容易に固定支持し得るようにした貨物自動車の荷物積載装置が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5-72665号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の貨物自動車においては、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができない、という課題があった。例えば、複数個所で荷物を荷下ろしする場合、荷物を順不同に積載すると、荷下ろし時に荷物を探す必要があり、荷下ろしを容易に行うことが困難であった。また、荷下ろしの順番を考慮して荷物を積載すれば、荷下ろしを容易に行うことが可能となるが、積載時に、積載する荷物の荷下ろし場所を確認し、荷下ろしを行う順番を考慮して、荷物を積載しなければならず、積載を容易に行うことが困難であった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたものであり、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる貨物自動車等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の貨物自動車は、1または2以上の荷物が積載される荷台を備えた貨物自動車であって、荷台に積載された1以上の荷物の位置を荷台上で自動的に変更する自動保管装置を備えた貨物自動車である。
【0007】
かかる構成により、荷物の位置を荷台への積載後に自動的に変更することができ、例えば、ユーザが積載する位置を考慮せずに荷物を荷台に積載した場合においても、適切な位置に荷物を移動させることができ、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【0008】
また、本発明の貨物自動車は、前記貨物自動車において、自動保管装置は、荷台に積載された1以上の荷物の位置を、貨物自動車の移動に応じて、変更するようにしてもよい。
【0009】
かかる構成により、荷台上の荷物の位置を、貨物自動車の移動に応じて適切な位置に移動させることができ、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【0010】
また、本発明の貨物自動車は、前記貨物自動車において、自動保管装置は、積載される荷物の中から、貨物自動車の移動に応じて、位置を変更する荷物を決定する移動決定部と、移動決定部が決定した荷物を、荷台の荷下ろしを行う荷下位置に近い位置に移動させる荷物移動部と、を備えるようにしてもよい。
【0011】
かかる構成により、移動に応じて、適切な荷物を、荷下位置に近い位置に移動させることができ、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【0012】
また、本発明の貨物自動車は、前記貨物自動車において、自動保管装置は、貨物自動車の現在位置を取得する現在位置取得部と、積載されている荷物の荷物識別子と、荷物の配送先の場所を示す配送先情報とが対応付けて格納されている配送先格納部とをさらに備え、移動決定部は、現在位置取得部が取得した貨物自動車の現在位置と、配送先格納部に格納されている配送先情報とを用いて、位置を変更する荷物を決定するようにしてもよい。
【0013】
かかる構成により、貨物自動車の現在位置に応じて、位置を変更する荷物を決定することができ、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【0014】
また、本発明の貨物自動車は、前記貨物自動車において、移動決定部は、積載されている荷物のうちの、対応する配送先情報が示す荷物の配送先が、現在位置取得部が取得した貨物自動車の現在位置に対して設定される特定の領域内に位置する荷物を、位置の変更対象となる荷物として決定するようにしてもよい。
【0015】
かかる構成により、配送先が貨物自動車の現在位置の近くである荷物を荷下位置に近い位置に移動させることができ、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【0016】
また、本発明の貨物自動車は、前記貨物自動車において、移動決定部は、積載されている荷物のうちの、対応する配送先情報が示す荷物の配送先と、現在位置取得部が取得した貨物自動車の現在位置と、が最も近い荷物を、位置を変更する荷物に決定するようにしてもよい。
【0017】
かかる構成により、貨物自動車の現在位置に配送先が最も近い荷物を荷下位置に近い位置に移動させることができ、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【0018】
また、本発明の貨物自動車は、前記貨物自動車において、自動保管装置は、積載されている荷物の配送順を示す配送順情報が格納される配送順格納部をさらに備え、移動決定部は、配送順格納部に格納された配送順情報に応じて、位置を変更する荷物を決定するようにしてもよい。
【0019】
かかる構成により、荷物の配送順に応じて荷物の位置を変更することができ、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【0020】
また、本発明の貨物自動車は、前記貨物自動車において、移動決定部は、配送順情報に応じて、積載されている荷物のうちの配送順番が最も早い荷物を、位置を変更する荷物に決定するようにしてもよい。
【0021】
かかる構成により、配送順が早い荷物を、荷下位置の近くに移動させることができ、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【0022】
また、本発明の貨物自動車は、前記貨物自動車において、自動保管装置は、積載される荷物の配送順を示す配送順情報が格納される配送順格納部と、配送順格納部に格納された配送順情報に応じて、積載された各荷物の位置を、配送順番の早いものが、荷台の荷下ろしを行う荷下位置により近い位置となるよう変更する荷物移動部と、を備えるようにしてもよい。
【0023】
かかる構成により、配送順が早い荷物が、荷下位置の近くに配置されるよう、荷台に積載された荷物を配列することができる。配送順に沿って配送を行う際に、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【0024】
また、本発明の貨物自動車は、前記貨物自動車において、自動保管装置は、自動で回転する回転棚を備えるようにしてもよい。
【0025】
かかる構成により、回転棚を回転させて、荷台に積載された荷物の位置を変更することができる。
【0026】
また、本発明の貨物自動車は、前記貨物自動車において、自動保管装置は、荷物が配置される1以上の配置部を有する1以上の無人搬送体を備えるようにしてもよい。
【0027】
かかる構成により、無人搬送体を荷台上で移動させることにより、無人搬送体に配置された荷物を移動させることができる。
【0028】
また、本発明の貨物自動車は、前記貨物自動車において、自動保管装置は、荷物を移動させるクレーンを有していてもよい。
【0029】
かかる構成により、クレーンを用いて、荷台に積載された荷物の位置を変更することができる。例えば、荷台に設置された固定棚等の棚に配置された荷物の位置を変更することができる。
【0030】
本発明の自動保管装置は、1または2以上の荷物が積載される荷台を備えた貨物自動車に設置される自動保管装置であって、荷台に積載された1以上の荷物の位置を荷台上で自動的に変更する自動保管装置である。
【0031】
かかる構成により、荷物の位置を荷台への積載後に自動的に変更することができ、例えば、ユーザが積載する位置を考慮せずに荷物を荷台に積載した場合においても、適切な位置に荷物を移動させることができ、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明による貨物自動車等によれば、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の実施の形態における貨物自動車を有する配送システムのブロック図
【
図2】同貨物自動車を後方から見た一部切り欠き斜視図
【
図3】同貨物自動車の動作の一例について説明するフローチャート
【
図4】同貨物自動車の動作の他の例について説明するフローチャート
【
図5】同貨物自動車の動作の他の例について説明するフローチャート
【
図9】同貨物自動車の他の例を後方から見た一部切り欠き斜視図
【
図10】同貨物自動車の他の例の荷台上の平面模式図
【
図12】同貨物自動車の他の例を後方から見た一部切り欠き斜視図
【
図13】本発明の実施の形態におけるコンピュータシステムの外観の一例を示す図
【
図14】同コンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、貨物自動車等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0035】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における貨物自動車1を有する配送システム1000の構成を模式的に示すブロック図である。
【0036】
図2は、本実施の形態における貨物自動車1の構成を説明するための、貨物自動車1を後方から見た一部切り欠き斜視図である。
図2においては、貨物自動車1が、複数のトレイ199がそれぞれ配置された2段の棚を有する水平回転棚191と、オートリトリーバー192を有する移動装置1081を備えている例を示している。また、ここでは、2以上のトレイ199上に荷物が配置されている例を示している。
【0037】
配送システム1000は、貨物自動車1、端末装置2、およびサーバ装置3を備える。貨物自動車1は、自動保管装置10を有している。貨物自動車1の自動保管装置10、端末装置2およびサーバ装置3は、例えば、無線または有線の通信回線により情報が通信可能に接続される。例えば、貨物自動車1の自動保管装置10と端末装置2とは、有線接続や、無線インターネット等のネットワークや、無線近距離通信等により接続される。また、例えば、貨物自動車1の自動保管装置10と、サーバ装置3とは、無線インターネット等のネットワークを介して接続される。また、例えば、端末装置2と、サーバ装置3とは、無線インターネット等のネットワークを介して接続される。ただし、通信を行わない装置間は、通信可能に接続されていなくてもよい。
【0038】
自動保管装置10は、荷物識別子受付部101、配送先取得部102、配送先格納部103、配送順取得部104、配送順格納部105、現在位置取得部106、移動決定部107、および荷物移動部108を備える。荷物移動部108は、移動装置1081、位置格納部1082、および制御部1083を備える。
【0039】
貨物自動車1とは、荷台に荷物を積載して運搬する自動車である。貨物自動車1は、例えば、トラックである。貨物自動車1は、例えば、いわゆるドライバン等の箱型の荷室を有するトラックである。貨物自動車1の荷室は、荷台の一態様と考えてよい。貨物自動車1の荷室の、荷物を出し入れする扉は、貨物自動車1の後方に設けられていてもよく、側面に設けられていてもよい。例えば、貨物自動車1は、荷室の側面が跳ね上がって開くいわゆるウイング車であってもよい。ただし、貨物自動車1は荷台にキャンバス製の幌等をかぶせたトラック等であってもよい。また、貨物自動車1は、荷台に屋根が設けられていないいわゆる平ボディのトラックであってもよい。貨物自動車1のサイズ等は問わない。貨物自動車は、例えば、いわゆるミニバンやライトバン等であってもよい。
【0040】
自動保管装置10は、貨物自動車1の荷台に積載された1または2以上の荷物の位置を荷台上で自動的に変更する。自動保管装置10は、例えば、貨物自動車1の、荷台または荷室内やその周辺に設置される。荷台上で荷物の位置を変更するということは、例えば、荷台に積載された状態の荷物の、荷台上の位置を変更することである。荷台上で荷物の位置を変更するということは、例えば、一旦、荷台に積載された状態の荷物の位置を変更することである。荷物の位置を変更することは、荷物を移動させることと考えてもよい。荷台に積載される荷物は問わない。積載される荷物の形状や大きさ、重さ等は問わない。荷台に積載される2以上の荷物は、異なる荷物であってもよく、異なる荷物であってもよい。荷台に積載される2以上の荷物は、重ねて配置されてもよい。荷物の位置を自動的に変更するということは、例えば、ユーザが位置を変更するための操作を行わなくても、荷物の位置の変更が行われることである。荷物の位置を荷台上で自動的に変更する、ということは、荷台上での荷物の位置の変更に加えて、荷台に対する荷物の格納および取出しを自動で行うことも含むと考えてもよい。
【0041】
自動保管装置10は、例えば、いわゆる自動倉庫等の、物品の入出庫や保管、荷物の検索等を自動化するシステム等と同様の構成を有している装置である。例えば、自動保管装置10は、後述するような自動で回転する回転棚や、荷物が配置される配置部を備えており、配置された荷物を搬送する1または2以上の無人搬送車、荷物を移動させるクレーン等を有している。自動倉庫等の構成や動作等については、公知技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0042】
自動保管装置10は、例えば、荷台に積載された1以上の荷物の位置を、貨物自動車1の移動に応じて変更する。荷物の位置を貨物自動車1の移動に応じて変更するとは、例えば、貨物自動車1の現在の移動状況に応じて荷物の位置を変更することであってもよく、貨物自動車1の移動計画に応じて荷物の位置を変更することであってもよい。
【0043】
貨物自動車1の移動状況に応じて荷物の位置を変更するということは、例えば、貨物自動車1の現在位置に応じて、荷物の位置を変更することである。例えば、自動保管装置10は、貨物自動車1の現在位置と、貨物自動車1に積載されている各荷物の配送先との位置関係に応じて、位置の変更対象となる荷物を決定し、この荷物の位置を変更する。例えば、このような位置の変更は、自動保管装置10が有する現在位置取得部106、配送先格納部103、移動決定部107、および荷物移動部108を用いて行われる。この位置の変更の詳細については後述する。
【0044】
貨物自動車1の移動計画に応じて荷物の位置を変更するということは、例えば、貨物自動車の配送計画に応じて荷物の位置を変更することである。例えば、貨物自動車1の移動計画に応じて荷物の位置を変更するということは、貨物自動車1に積載されている荷物の配送順に応じて、荷物の位置を変更することであってもよい。例えば、荷物の配送順に荷台上の複数の荷物を配列することであってもよい。例えば、このような位置の変更は、自動保管装置10が有する配送順取得部104および荷物移動部108を用いて行われる。また、例えば、貨物自動車1の移動計画に応じて荷物の位置を変更するということは、貨物自動車1に積載されている荷物のうちの、次に配送される荷物の位置を変更することであってもよい。例えば、このような位置の変更は、自動保管装置10が有する配送順格納部105、移動決定部107および荷物移動部108を用いて行われる。この位置の変更の詳細については後述する。
【0045】
自動保管装置10は、荷物の荷台上における移動の待ち時間を削減するために、貨物自動車1の移動中、あるいは貨物自動車1の運転中に、位置を変更することが好ましいが、貨物自動車1の駐車中や、運転手が貨物自動車1から降りている際に、位置を変更するようにしてもよい。
【0046】
荷物識別子受付部101は、貨物自動車1の荷台に積載される荷物の荷物識別子を受け付ける。ここでの受付は、受信も含む概念である。荷物識別子は、例えば、荷物に割り当てられた文字列(数字も含む)である。荷物識別子受付部101は、例えば、1以上の荷物を貨物自動車1に積載する際に、ユーザ等の操作に応じて端末装置2が荷物に貼付された荷物識別子と対応付けられたバーコードやカラーコード等のコードを読み取って取得した荷物識別子を、端末装置2から受信する。また、荷物識別子受付部101は、自動保管装置10が有する1または2以上のコードリーダ(図示せず)等が、貨物自動車1に積載される荷物に貼付された荷物識別子と対応付けられたバーコードやカラーコード等のコードを読み取って取得した荷物識別子を受け付けてもよい。このコードリーダは、荷台の荷物の積載を行う位置の近傍に設けられていることが好ましい。荷物の積載を行う位置は、通常、荷物の荷下ろしを行う位置と同じである。また、荷物識別子受付部101は、入力デバイス(図示せず)を介して端末装置2等にユーザから手入力された貨物自動車1に積載される1以上の荷物の荷物識別子を受け付けてもよい。また、荷物識別子受付部101は、サーバ装置3や図示しない装置等から送信される貨物自動車1に積載される1以上の荷物の荷物識別子のリスト等を受信してもよい。なお、ここでの荷物識別子受付部101による荷物識別子の受け付けは、一例であり、上記に限定されるものではない。
【0047】
なお、荷物識別子受付部101は、例えば、貨物自動車1の荷台に積載される1または2以上の荷物の荷物識別子と、各荷物の配送先情報とを有する情報を、端末装置2や、サーバ装置3等から受信してもよい。配送先情報については、後述する。
【0048】
また、荷物識別子受付部101は、例えば、貨物自動車1の荷台から荷下ろしされる荷物の荷物識別子や、荷台に積載された荷物のうちの配送済の荷物の荷物識別子を、端末装置2等から受信してもよい。また、自動保管装置10が有する図示しないコードリーダ等が荷台から取り出される荷物のコードから読み取った荷物識別子を、荷下ろしされる荷物の荷物識別子や、配送済の荷物の荷物識別子として受け付けてもよい。
【0049】
荷物識別子受付部101が荷物識別子の入力を受け付ける場合、荷物識別子受付部101は、入力を受け付けるための入力デバイス等を有していてもよく、有していなくてもよい。この場合、荷物識別子受付部101は、入力デバイスのドライバ、または入力デバイスとそのドライバとで構成される。また、荷物識別子受付部101が荷物識別子を受信する場合、荷物識別子受付部101は、受信手段(図示せず)を有していてもよい。
【0050】
配送先取得部102は、貨物自動車1の荷台に積載される1または2以上の荷物のそれぞれについて、配送先情報を取得する。配送先情報は、例えば、荷物の配送先の場所を示す情報である。配送先は、例えば、荷物の荷下ろし先であってもよい。配送先情報は、例えば、緯度経度等で表される座標や、住所等である。なお、検索等により座標や住所等が取得可能であれば、配送先情報は、配送先の企業名や、配送先の個人の名前、配送先に割り当てられた配送先識別子等であってもよい。
【0051】
配送先取得部102は、例えば、荷物識別子受付部101が受け付けた各荷物識別子に対応する配送先情報を取得する。例えば、配送先取得部102は、荷物識別子受付部101が受け付けた荷物識別子をサーバ装置3に送信し、サーバ装置3から、送信した荷物識別子に対応する配送先情報を受信することにより、荷物識別子受付部101が受け付けた荷物識別子が示す荷物に対応する配送先情報を取得する。また、配送先取得部102は、図示しない入力デバイス等を介して、ユーザから手入力により配送先情報を受け付けてもよい。また、上述した荷物識別子受付部101が、貨物自動車1の荷台に積載される1または2以上の荷物の荷物識別子と、各荷物の配送先情報とを有する情報を、端末装置2等から受信する場合、配送先取得部102は、受信した情報が有する配送先情報を、この受信した情報が有する荷物識別子が示す荷物の配送先情報として取得するようにしてもよい。
【0052】
配送先取得部102は、例えば、各荷物について取得した配送先情報を、各荷物に対応する荷物識別子と対応付けて配送先格納部103に蓄積する。
【0053】
なお、配送先取得部102は、後述する配送順取得部104がサーバ装置3等から受信した配送順情報から、荷台に積載される荷物の荷物識別子を取得して、この荷物識別子を用いて、上記のように、配送先情報を取得してもよい。また、後述する配送順取得部104がサーバ装置3等から受信する配送順情報が積載される荷物の配送先情報も有する場合、配送先取得部102は、この配送順情報から、積載される荷物の荷物識別子と配送先情報とを取得してもよい。
【0054】
なお、配送先取得部102が、荷物識別子受付部101が取得した荷物識別子を用いずに配送先情報を取得する場合や、荷物識別子受付部101が受け付けた配送先情報を取得せずに配送先情報を取得する場合等においては、荷物識別子受付部101は省略してもよい。
【0055】
配送先取得部102が配送先情報の入力を受け付ける場合、配送先取得部102は、入力を受け付けるための入力デバイス等を有していてもよく、有していなくてもよい。この場合、配送先取得部102は、入力デバイスのドライバ、または入力デバイスとそのドライバとで構成される。また、配送先取得部102が配送先情報を受信する場合、配送先取得部102は、受信手段(図示せず)を有していてもよい。
【0056】
配送先格納部103には、貨物自動車1の荷台に積載される1または2以上の荷物の荷物識別子と、各荷物識別子が示す荷物の配送先情報とが対応付けて格納される。例えば、配送先格納部103には、配送先取得部102が積載される荷物について取得した配送先情報が、この荷物の荷物識別子と対応付けて蓄積される。ただし、配送先格納部103に対応付けて格納される荷物識別子と配送先情報は、配送先取得部102が取得した配送先情報と、この配送先情報に対応する荷物識別子に限定されるものではない。配送先格納部103に、どのようにして、積載される荷物の荷物識別子と、各荷物識別子が示す荷物の配送先情報とが対応付けて蓄積されるかは問わない。配送先格納部103に蓄積される荷物識別子と、各荷物識別子が示す荷物の配送先情報とが、配送先取得部102が取得した荷物識別子と配送先情報とでない場合、配送先取得部102や荷物識別子受付部101等は省略してもよい。
【0057】
配送先格納部103は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。かかることは他の格納部についても同様である。
【0058】
配送順取得部104は、配送順情報を取得する。配送順情報は、貨物自動車1の荷台に積載される1または2以上の荷物の配送順を示す情報である。配送順情報は、例えば、積載される1または2以上の荷物にそれぞれ対応する荷物識別子が、対応する荷物の配送順に配列された情報であってもよく、積載される1または2以上の荷物にそれぞれ対応する荷物識別子と、対応する荷物の配送順を示す情報とが対応付けられた情報であってもよい。配送順を示す情報は、例えば、配送順を示す連続した数字等の情報である。
【0059】
配送順取得部104は、例えば、端末装置2や、サーバ装置3、貨物自動車1に搭載されているカーナビゲーションシステム(図示せず)や、図示しない装置等から、積載される1または2以上の荷物についての配送順情報を受信してもよい。配送順取得部104が受信する配送順情報は、配送順に対応する各荷物の配送先情報をさらに有していてもよい。また、配送順取得部104は、例えば、図示しない入力デバイス等を介してユーザから手入力された配送順情報を受け付けてもよい。また、配送順取得部104は、配送先格納部103に格納されている貨物自動車1の荷台に積載される1または2以上の荷物の配送先情報を用いて経路探索を行うことによって、配送順情報を取得してもよい。例えば、配送順取得部104は、積載されている2以上の荷物の荷物識別子と対応付けられて配送先格納部103に格納されている各荷物の配送先の場所を示す配送先情報を用いて、各配送先情報が示す全ての場所を巡回する最適な移動経路を検出し、検出した移動経路における荷物の配送先が出現する順番を示す情報を、荷物の配送順情報として取得する。最適な経路とは、例えば、距離が最短になる経路であってもよく、移動時間が最短になる経路であってもよい。なお、ここで説明した荷物の配送先を巡回する経路探索の処理は、一例であり、配送順取得部104が、経路探索に利用する処理は、上記の処理に限定されるものではない。2以上の場所を巡回する移動経路を探索する処理については、公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。配送順取得部104が、配送順情報を取得する際に行う経路探索の処理において利用する道路に関する情報(例えば、ノードや、ノードごとのコストの情報)は、配送先取得部102がアクセス可能な格納部(図示せず)に予め格納しておくようにしてもよい。また、また、配送順取得部104は、経路探索等を行うWEBサイト等に、配送先情報等を送信して経路探索を行わされるようにし、これにより得られた経路情報を受信することにより、経路情報を取得して、この経路情報から配送順情報を取得してもよい。
【0060】
なお、配送先の予定等によって、配送順が変更になる場合には、配送順取得部104は、変更が適用された新たな配送順情報を取得するようにしてもよい。
【0061】
配送順取得部104は、例えば、取得した配送順情報を、配送順格納部105に蓄積する。なお、新たな配送順情報を取得した場合、配送順取得部104は、例えば、取得した新たな配送順情報で配送順格納部105に格納されている古い配送順情報を更新する。
【0062】
配送順取得部104が配送順情報の入力を受け付ける場合、配送順取得部104は、入力を受け付けるための入力デバイス等を有していてもよく、有していなくてもよい。この場合、配送順取得部104は、入力デバイスのドライバ、または入力デバイスとそのドライバとで構成される。また、配送順取得部104が配送順情報を受信する場合、配送順取得部104は、受信手段(図示せず)を有していてもよい。
【0063】
配送順格納部105には、配送順情報が格納される。配送順格納部105には、配送順取得部104が取得した配送順情報が格納される。
【0064】
現在位置取得部106は、貨物自動車1の現在位置を取得する。現在位置とは、現在位置を示す緯度経度等で表される座標や、住所等である。例えば、現在位置取得部106が、GPS(グローバルポジショニングシステム)や、携帯電話の基地局の位置情報を利用して位置情報を取得するシステムや、IPアドレス等を利用して位置情報を取得するシステム等の、位置情報を取得するシステムや、その一部等を有するようにし、これらを利用して、現在位置を取得してもよい。また、現在位置取得部106は、貨物自動車1のカーナビゲーションシステム(図示せず)が取得する現在位置の情報を受信してもよく、運転手等が有する端末装置2がGPS等を利用して取得する現在位置の情報を受信してもよい。これらの位置情報を取得する処理等は公知技術であるため、ここでは、詳細な説明は省略する。現在位置取得部106が現在位置を取得する処理は、上記の処理に限定されるものではない。現在位置取得部106が現在位置を受信する場合、現在位置取得部106は、受信手段(図示せず)を有していてもよい。現在位置取得部106が現在位置を取得するタイミング等は問わない。例えば、一定や不定の時間間隔ごとに現在位置を取得してもよく、後述する移動決定部107が、位置を変更する荷物を決定する直前等に取得するようにしてもよい。
【0065】
移動決定部107は、貨物自動車1の荷台に積載される荷物の中から、位置を変更する1または2以上の荷物を決定する。例えば、移動決定部107は、貨物自動車1の荷台に積載される荷物の中から、貨物自動車1の移動に応じて、位置を変更する荷物を決定する。移動決定部107は、例えば、位置の変更を決定した荷物の荷物識別子を取得する。移動決定部107は、決定した荷物を移動させる指示を、荷物移動部108に出力する。この指示は、例えば、決定した荷物の荷物識別子を有する指示である。
【0066】
移動決定部107は、例えば、現在位置取得部106が取得した貨物自動車1の現在位置と、配送先格納部103に格納されている配送先情報とを用いて、位置を変更する荷物を決定する。
【0067】
例えば、移動決定部107は、積載されている荷物のうちの、対応する配送先情報が示す荷物の配送先が、現在位置取得部106が取得した貨物自動車1の現在位置に対して設定される特定の領域内に位置する荷物を、位置の変更対象となる荷物として決定する。ここで決定する荷物は、例えば、後述するように荷台の荷下ろしを行う位置等の、荷台上の所望の位置に移動させる荷物である。現在位置に対して設定される特定の領域とは、例えば、現在位置からの距離が予め決められた距離以下となる領域、現在位置からの移動時間が予め決められた時間以下となる領域、または現在位置からの経路のコストが、予め決められた閾値以下となる領域である。現在位置からの距離は、現在位置からの直線距離であってもよく、現在位置から荷物の配送先までの経路長であってもよい。例えば、移動決定部107は、積載されている各荷物の配送先が、現在位置取得部106が取得した貨物自動車1の現在位置に対して設定される特定の領域内に位置するか否かを判断し、特定の領域内に位置すると判断された荷物を、移動対象の荷物と判断する。
【0068】
ただし、移動決定部107は、荷物が、特定の領域内に位置するかを判断する際に、特定の領域を設定しても、設定しなくてもよい。例えば、移動決定部107は、現在位置から一の荷物の配送先までの経路のコストが予め決められた閾値以下であれば、この荷物を、特定の領域内に位置する荷物と判断してもよい。
【0069】
なお、上記の特定の領域は、貨物自動車1の現在位置と同じ区域であってもよい。ここでの区域は、例えば、都道府県や、市町村区、丁目、番地等の、住所表記上において分類される区域であってもよく、湾岸地域、南部地域等の俗称で表される地域であってもよく、その粒度等は問わない。
【0070】
また、例えば、移動決定部107は、積載されている荷物のうちの、対応する配送先情報が示す荷物の配送先と、現在位置取得部106が取得した貨物自動車1の現在位置と、が最も近い1以上の荷物を、位置を変更する荷物に決定する。荷物の配送先と、貨物自動車1の現在位置と、が最も近いとは、例えば、荷物の配送先と貨物自動車1の現在位置との距離が最も近いことであってもよく、貨物自動車1の現在位置から荷物の配送先までの移動時間が最も短いことであってもよく、貨物自動車1の現在位置から荷物の配送先までの経路のコストが最も小さいことであってもよい。荷物の配送先と貨物自動車1の現在位置との距離は、荷物の配送先と貨物自動車1の現在位置との間の直線距離であってもよく、貨物自動車1の現在位置から荷物の配送先までの経路長であってもよい。移動決定部107は、例えば、積載されている荷物のそれぞれについて、現在位置取得部106が取得した貨物自動車1の現在位置から、対応する配送先情報が示す荷物の配送先まで距離、経路長、移動時間、または経路のコストを取得し、取得した値が最も近い荷物を、位置を変更する荷物に決定する。最も近い荷物が複数存在する場合、これらの複数の荷物を位置の変更対象に決定してもよい。
【0071】
なお、上記のように、移動決定部107は、積載されている荷物のうちの、対応する配送先情報が示す荷物の配送先が、現在位置取得部106が取得した貨物自動車1の現在位置に対して設定される特定の領域内に位置する荷物であって、荷物の配送先と、貨物自動車1の現在位置と、が最も近い荷物を、位置を変更する荷物に決定してもよい。
【0072】
また、移動決定部107は、例えば、配送順格納部105に格納された配送順情報に応じて、位置を変更する荷物を決定してもよい。
【0073】
例えば、移動決定部107は、配送順情報に応じて、積載されている荷物のうちの配送順が最も早い荷物を、位置を変更する荷物に決定する。積載されている荷物のうちの配送順が最も早い荷物とは、配送順が新しい荷物や、次に配送される荷物と考えてもよい。例えば、移動決定部107は、配送順情報を用いて、貨物自動車1の荷台に積載されている荷物のうちの配送順が最も早い荷物の荷物識別子を、位置を変更する荷物の荷物識別子として取得する。例えば、配送順取得部104は、積載されている荷物のうちの配送順情報が示す配送順が最も配送順が早い荷物を、位置を変更する荷物に決定する。
【0074】
例えば、移動決定部107は、配送順情報が配送順を示す荷物のうちの、荷下ろしされた荷物を除外した荷物の中から、最も配送順が早い荷物を、位置を変更する荷物に変更する。例えば、移動決定部107は、配送先情報や配送順情報が有する荷物識別子の、配送済みとなった荷物の荷物識別子に、配送済みであることや削除されたことを示すフラグ等を順次付与するようにし、このフラグ等の情報を利用して、配送順情報が配送順を示す荷物のうちの、配送済みであることや削除済みであることを示すフラグ等の情報と対応付けられていない荷物識別子が示す荷物の中から、配送順情報が示す配送順が最も早い1以上の荷物を、位置を変更する荷物に決定するようにしてもよい。また、移動決定部107は、配送先情報や配送順情報から、配送済みとなった荷物の荷物識別子を順次削除し、削除されずに残った荷物識別子が示す荷物の中から、配送順情報が示す配送順が最も早い1以上の荷物を、位置を変更する荷物に決定するようにしてもよい。なお、配送済の荷物は、荷台から荷下ろしされた荷物と実質的に同じものと考えてよい。
【0075】
移動決定部107は、例えば、端末装置2等から荷物識別子受付部101や図示しない受付部が、配送された荷物の荷物識別子を受け付けた場合に、受け付けた荷物識別子に対して配送済であることを示すフラグ等の情報を付与してもよく、配送順情報の、受け付けた荷物識別子に対応する配送順を示す情報に配送済であるフラグを付与してもよい。
【0076】
また、移動決定部107は、端末装置2等から荷物識別子受付部101や図示しない受付部が、配送された荷物の荷物識別子を受け付けた場合に、この荷物識別子に対応する配送先情報を削除してもよく、配送順情報から、この荷物識別子に対応する配送順を示す情報を削除してもよい。
【0077】
なお、移動決定部107は、位置の変更対象に決定した荷物が荷下ろしされるごとに、配送順情報が示す配送順が次の荷物を、積載されている荷物のうちの配送順が最も早い荷物と判断するようにしてもよい。
【0078】
上記で説明した配送済の荷物の荷物識別子は、配送されたと判断される荷物の荷物識別子であってもよい。例えば、現在位置取得部106が取得した現在位置が、1以上の荷物の荷物識別子の配送先情報が示す配送先の場所と一致した場合に、移動決定部107等が、この1以上の荷物が配送された(あるいは、荷下ろしされた)と判断してもよい。ここでは、例えば、現在位置と配送先の場所とが完全一致した場合や、現在位置と配送先の場所との間の距離が閾値以下となった場合に、これらの場所が一致したと判断する。また、自動保管装置10に設置された1以上のコードリーダ等が、荷台から出ていく荷物のコードから読み取った荷物識別子を荷物識別子受付部101等が受け付けた場合に、移動決定部107は、この荷物識別子が示す荷物が配送済となったと判断してもよい。このように配送された荷物を判断することで、配送済の荷物の荷物識別子等の受付を省略することができる。これにより、例えば、ユーザによる位置を変更する荷物を決定するための配送済の荷物のコード等を、端末装置2等を利用して読み取る操作等を不要とすることができる。
【0079】
なお、配送順取得部104が変更された配送順情報を取得した場合、移動決定部107は、例えば、この変更された配送順情報を用いて、位置を変更する荷物を決定するようにしてもよい。
【0080】
移動決定部107が、位置を変更する荷物を決定する処理を行うタイミングは問わない。例えば、貨物自動車1の現在位置に応じて、位置を変更する荷物を決定する場合、貨物自動車1に配送する荷物の積載後や、貨物自動車1の移動中や運転中に、位置を変更する荷物を決定する。また、次に配送する荷物を、位置を変更する荷物に決定する場合、例えば、貨物自動車1に配送する荷物の積載後や、1以上の荷物が荷下ろしされるごとや、配送済となるごとに、位置を変更する荷物を決定する。
【0081】
荷物移動部108は、貨物自動車1に積載された1または2以上の荷物を移動させる。例えば、荷物移動部108は、移動決定部107が決定した位置を変更する荷物を移動させる。例えば、荷物移動部108は、移動決定部107が決定した位置を変更する荷物を、荷台の荷下位置の近くに移動させる。荷下位置とは、荷物の荷下ろしを行う位置である。荷台の荷下位置とは、例えば、荷台の、荷物が荷下ろしされる部分であり、例えば、荷室に設けられた荷物の荷下ろしに用いられる扉や、荷下ろし口である。扉はシャッター等も含むと考えてよい。ただし、荷台上の、荷物が荷下ろししやすい位置を荷下位置と考えてもよい。
図2の貨物自動車1においては、荷台の後方が荷下位置11aである例を示している。荷下位置の近くは、荷下位置近傍と考えてもよい。荷下位置の近くに移動させるということは、例えば、位置を変更する荷物を、荷下位置に隣り合う位置に移動させることであってもよく、他の荷物よりも荷下位置の近くに位置するように移動させることや、荷下位置と位置を変更する荷物との間に他の荷物が存在しないように移動させることであってもよい。なお、例えば、移動決定部107が決定した位置を変更する荷物が複数である場合、荷物移動部08は、複数の荷物の位置を、荷下位置の近くに変更するようにしてよい。荷下ろし口等の荷下位置が複数の荷物が配置可能となる広さを有する場合、荷物移動部108が移動させた荷物に加えて、これ以外の荷物も荷下位置の近くに存在していてもよい。
【0082】
荷物移動部108は、例えば、移動決定部107が決定した位置を変更する荷物を、移動決定部107が位置の変更対象に決定した荷物について取得した荷物識別子を用いて特定する。
【0083】
また、荷物移動部108は、例えば、配送順格納部105に格納された配送順情報に応じて、積載された各荷物の位置を、配送順の早いものが、荷台の荷下ろしを行う荷下位置により近い位置となるよう変更するようにしてもよい。例えば、荷物移動部108は、配送順が早い荷物が、荷台の荷下位置である扉等に近い位置により位置するように、荷台上の複数の荷物の位置を移動させる。この場合、荷物移動部108は、荷台上の複数の荷物の位置をすべて並べ替えられるような構成を有している必要がある。ここでの積載された各荷物とは、積載されたすべての荷物であることが好ましいが、ユーザ等により指定された荷物や、あらかじめ決められた条件等を満たす荷物等や、荷物移動部108により移動させることができない荷物等の、一部の荷物は除外するようにしてもよい。なお、荷下ろし口等の荷下位置の近傍が、複数の荷物が配置可能となる広さを有する場合、荷下位置近傍の特定の領域に、最も配送順が早い荷物を移動させるようにしてもよく、荷下位置近傍のいずれかの位置の近くに、最も配送順が早い荷物を移動させるようにしてもよい。また、荷物が重ねて配置される場合、荷下位置近傍の最も上部に重ねられる荷物が、最も配送順が早い荷物となるように、荷物を移動させるようにしてもよい。
【0084】
荷物移動部108は、例えば、配送順情報が有する荷物識別子を用いて、位置を変更する荷物を特定して、各荷物の位置を上記のような位置となるよう移動させる。
【0085】
なお、荷物移動部108は、一の荷物を所望の位置に移動させる際に、この一の荷物の移動経路上の他の荷物を、他の位置に移動させてもよい。例えば、移動決定部107が決定した位置を変更する荷物を、荷台の荷下位置の近くに移動させるために、荷物移動部108は、荷物の移動経路上の他の荷物を、他の位置に移動させてもよい。また、例えば、積載された各荷物の位置を、配送順の早いものが、荷台の荷下位置により近い位置となるよう変更する際に、各荷物の移動経路上の他の荷物を、他の位置に移動させてもよい。例えば、移動決定部107が決定した位置を変更する荷物を、荷台の荷下位置の近くに移動させるということは、決定した荷物が、このような位置に移動するように、すでに荷下位置の近くに配置されていた荷物等の、荷台上の他の荷物を、他の位置に移動させることも含む概念と考えてもよい。また、例えば、配送順格納部105に格納された配送順情報に応じて、積載された各荷物の位置を、配送順の早いものが、荷台の荷下位置により近い位置となるよう変更することは、各荷物の位置がこのような位置に変更されるよう、適宜、各荷物の位置を変更することも含む概念と考えてもよい。
【0086】
荷物移動部108は、例えば、移動決定部107が位置を変更する荷物を決定した直後に、荷物を移動させることが好ましい。ただし、荷物移動部108が荷物を移動させるタイミングは、上記に限定されるものではない。
【0087】
移動決定部107によって位置を変更する対象として決定された荷物を移動させる場合、荷物移動部108は、この荷物の配送先に貨物自動車が到着する前に荷物を移動させることが好ましく、到着までに、位置の変更が完了しているようにすることが好ましい。なお、このためには、例えば、移動決定部107が、貨物自動車1の現在位置に対して特定の領域に位置する荷物を、位置の変更対象に決定する場合、この特定の領域の外周までの距離や移動時間、コスト等は、荷台のいずれの位置に配置された荷物が位置の変更対象となった場合であっても、この外周まで貨物自動車1が移動する間に、変更対象となった荷物の荷下位置の近くの位置までの移動が完了するような距離や移動時間、コスト等に設定することが好ましい。
【0088】
荷物移動部108は、荷物を荷台に積載する際にも、積載された荷物を所望の位置や任意の位置に移動させてもよい。例えば、荷物の積載が容易となるように、荷下位置の近くに積載された荷物を、荷台の荷下位置から離れた位置等に移動させてもよい。
【0089】
また、荷物移動部108は、荷下ろしを行う際にも、ユーザが指定する荷物を、荷下位置の近く等の所望の位置に移動させてもよい。例えば、荷物移動部108は、図示しない受付部等がユーザから受け付けた荷物識別子が示す荷物を、所望の位置に移動させてもよい。
【0090】
荷物移動部108は、荷台に積載された1または2以上の荷物の位置を荷台上で自動的に変更可能なものであれば、どのように構成であってもよい。以下、本実施の形態においては、荷物移動部108が、移動装置1081と、位置格納部1082と、制御部1083とを備えた場合について説明する。ただし、荷物移動部108の構成は、この構成に限定されるものではない。荷物移動部108としては、例えば、いわゆる自動倉庫等において利用される、物品の入出庫を自動化するシステムや、荷物の格納および格納された荷物の検索等に利用されるシステム等と同様の構成が利用可能である。例えば、荷物移動部108は、例えば、後述するような回転棚や、無人搬送車、クレーン等を有している。
【0091】
移動装置1081は、荷台に積載された荷物を移動させる装置である。荷物移動部108は、例えば、荷台に設置される。移動装置1081の動作は、例えば、制御部1083により制御される。
【0092】
移動装置1081は、例えば、自動で回転する回転棚を有していてもよい。この回転棚は、
図2に示す水平回転棚191のような、水平に回転する1または2段以上の棚を有する水平回転棚であってもよく、垂直方向に回転する2以上の棚を有する垂直式回転棚であってもよい。回転棚の荷物が配置される1以上の部分には、荷物を配置するための1以上のトレイや、荷物を吊り下げるハンガーラック(図示せず)等が設置されていてもよい。
図2においては、トレイ199が配置されている例を示している。トレイ199の形状や構造等は問わない。また、移動装置1081は、さらに、
図2に示すような、回転棚への荷物の入出庫を行うオートリトリーバー192や、荷物をオートリトリーバー192と棚との間や、オートリトリーバー192と、荷下位置の近くとの間で受け渡しするためのいわゆるフォークや、プッシャー等の受け渡し手段(図示せず)等を有していてもよい。この受け渡し手段は、オートリトリーバー192が有していてもよい。オートリトリーバー192は、自動入出庫装置とも呼ばれる。オートリトリーバーは、荷台の荷下位置に近い位置に設置することが好ましい。例えば、移動装置1081は、回転棚を回転させることで、位置を変更する対象となる荷物を、荷下位置に近い位置等の所望の位置に移動させることが可能である。また、例えば、移動装置1081は、回転棚を回転させて、位置を変更する対象となる荷物を荷下位置に近い位置に設置されたオートリトリーバー192に載せ替え可能な位置に移動させて、この荷物をオートリトリーバー192に載せ替えて、オートリトリーバー192により、荷物を荷下位置に近い位置に移動させることで、位置を変更する対象となる荷物を、荷下位置に近い位置等の所望の位置に移動させることが可能である。ここでの移動は、例えば、上下方向および水平方向のうちの1以上方向への移動である。また回転棚に配置された荷物を、回転棚を回転させ、オートリトリーバー192等に一旦載せ替え、さらに回転棚を回転させて、回転棚の荷物が配置されていない位置にオートリトリーバー192に乗せ換えた荷物を配置することを1回以上行うことで、荷物の配列順を変更することが可能となる。なお、回転棚や、オートリトリーバー192等の回転棚に対する荷物の入出庫等を行う手段等については自動倉庫等の技術として公知の技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。なお、棚への荷物の配置は、棚への荷物の載置であってもよく、棚に荷物を吊り下げること等であってもよい。かかることは、棚が上記のような回転棚である場合であっても、回転しない固定棚である場合であっても同様である。
【0093】
また、移動装置1081は、例えば、荷物を自動で移動させるクレーン等を有していてもよい。クレーンは、例えば、水平方向の移動および荷物の昇降が可能な、いわゆるスタッカクレーンである。移動装置1081は、クレーンと、棚や、荷下位置に近い位置との間で荷物の受け渡しが可能なフォークやプッシャー等の受け渡し手段(図示せず)を有していてもよい。この受け渡し手段は、クレーンが有していてもよい。移動装置1081は、さらに、クレーンにより運ばれた荷物を配置するための棚等を有していてもよい。この棚は、通常固定棚であるが、回転棚等の移動する棚であってもよい。棚の、荷物が配置される部分には、上記のようなトレイ等が設置されていてもよい。例えば、移動装置1081は、クレーンを、位置を変更する対象となる荷物に隣接する位置に移動させ、この荷物を棚からクレーンに移動させ、クレーンを荷物の荷下位置の近傍等の所望の位置に移動させることで、荷物を荷下位置に近い位置等の所望の位置に移動させることが可能である。また、例えば、棚に配置されている荷物を、クレーンで他の位置に載せ替える処理を行うことで、荷物の配列順を変更することが可能となる。なお、クレーン等については自動倉庫等の技術として公知の技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。なお、ここでは、クレーンが棚に荷物を配置する場合や、棚に配置された荷物を移動させる場合について説明したが、クレーンは、荷台上や、荷台上に配置されたパレット上等に荷物を配置したり、移動させたりするようにしてもよい。
【0094】
また、移動装置1081は、例えば、荷物が配置される1以上の配置部(図示せず)を有しており、自動で移動する1または2以上の無人搬送体を有していてもよい。無人搬送体は、例えば、無人搬送車や、無人搬送ロボット等である。各無人搬送体を移動させることで、各無人搬送体に配置された荷物の位置を変更することができる。無人搬送体の移動は、無人搬送体の位置を変更しない回転であってもよい。例えば、無人搬送体の上部の前後にそれぞれ荷物が配置されている場合、無人搬送体が位置を変更せずに180度回転することで、配置された荷物の位置を前後で入れ替えることができる。ここでの荷物の配置は、荷物の載置であってもよく、荷物の吊り下げ等であってもよい。配置部は、例えば、無人搬送体の上面であってもよく、無人搬送車の上面に設置されたトレイであってもよく、無人搬送車の上部に設置された1段以上の棚であってもよく、無人搬送車の上部に設けられたハンガーラック等であってもよい。移動装置1081は、複数の無人搬送体を有することが好ましい。
【0095】
ここでは、主として、移動装置1081が備えている1または2以上の無人搬送体が、1または2以上の無人搬送車(AGV)である場合について説明する。なお、荷台上に2以上の無人搬送車をする場合、無人搬送車が移動可能となるようなスペースが荷台上に存在するようにすることが好ましい。特に、荷台上に2以上の無人搬送車を配置する場合、1以上の無人搬送車が移動して、無人搬送車の位置関係や、無人搬送車の配列順等の変更が可能となるようなスペースが荷台上に存在するようにすることが好ましい。例えば、位置の変更対象となる荷物が配置された無人搬送車を、荷下位置の近傍等の所望の位置に移動させることで、この荷物を所望の位置に移動させることができる。また、1以上の無人搬送車の位置を変更することで、2以上の荷物に配置された2以上の荷物の配列順を変更することが可能となる。なお、無人搬送車等については、自動倉庫等の技術として公知の技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0096】
なお、上記の移動装置1081を、例えば、荷物を荷台に積載する際にも利用してよいことは言うまでもない。例えば、移動装置1081は、荷台の荷下位置にユーザが配置した荷物を、荷下位置以外の場所に移動させてもよい。
【0097】
なお、上記で説明した移動装置1081は一例であり、移動装置1081としては、自動倉庫等で利用される上記以外の移動装置1081を利用してもよい。例えば、移動装置1081としては、シャトルを用いて固定棚等と荷下位置との間で荷物の位置を変更可能なシャトルタイプの装置を用いてもよい。また、例えば、1以上のロボットアームやドローン等を用いて、固定棚等と荷下位置との間で荷物の位置を変更可能な装置を用いてもよい。
【0098】
位置格納部1082には、貨物自動車1に積載された荷物の荷物識別子と、この荷物識別子が示す荷物の荷台における位置情報とが対応付けて格納される。本実施の形態においては、一例として、荷物移動部108が、位置格納部1082を有しており、荷物移動部108が、この位置格納部1082に格納された位置情報を用いて、位置を変更する荷物を特定する場合を主として説明する。荷物の位置情報は、荷物の位置が特定可能な情報であればよい。例えば、荷物の位置情報は、移動装置1081により移動させる荷物の位置を特定可能な情報であればよい。荷物の位置情報は、例えば、上述した回転棚や棚の、荷物が配置される各部分や、荷物が配置される各トレイやハンガーラック等の識別子(以下、配置識別子と称す)であってもよく、荷物が配置された配置部を有する無人搬送車の識別子(以下、搬送車識別子と称す)であってもよい。
【0099】
例えば、荷物の位置情報が、固定された棚の荷物が配置された部分または荷物が配置されたトレイの識別子である配置識別子である場合、一の荷物の位置を、所望の位置に変更する際には、移動装置1081が、この荷物に対応する位置情報である配置識別子が示す部分やトレイに配置された荷物を、クレーン等で所望の位置に移動させることにより、この一の荷物の位置を所望の位置(例えば、荷下位置に近い位置等)に移動させることができる。
【0100】
また、例えば、荷物の位置情報が、固定された棚の荷物が配置される部分や、荷物が配置された部分に配置されたトレイの配置識別子である場合、一の荷物の位置を、所望の位置に変更する際には、移動装置1081が、この荷物に対応する位置情報である配置識別子が示す荷物が配置されている部分またはトレイが所望の位置に移動するよう回転棚を移動させることにより、この一の荷物の位置を所望の位置に移動させることができる。この場合、例えば、移動装置1081または後述する制御部1083が、常に、回転棚の荷物が配置される各部分や、回転棚に配置された各トレイ等が、現在どの位置に位置しているか特定可能な情報を把握しておく(例えば、図示しない格納部等に蓄積しておく)ようにすることが好ましい。各部分や各トレイが、現在どの位置に位置しているか特定可能な情報は、各部分や各トレイが、現在どの位置に位置しているかを示す情報であってもよく、回転棚の基準となる部分や、基準となるトレイが現在どの位置に位置しているかを示す情報であってもよい。基準となる部分やトレイの現在の位置が分かれば、この基準となる部分の位置から、位置を変更する荷物が配置されているトレイの位置を特定可能である。なお、回転棚の荷物が配置される部分やトレイに取り付けられたこれらの部分やトレイに対応する配置識別子と対応付けられたバーコードやカラーコード等を、所望の位置(例えば、荷下位置に近い位置)で読み取り、読み取った情報が、位置を変更する荷物に対応する配置識別子である場合に、回転棚の回転を停止させることで、位置を変更する荷物を所望の位置に移動させるようにしてもよい。
【0101】
なお、上記において、例えば、回転棚や固定棚に配置されていた一の荷物が配置されていた部分やトレイが変更された場合、位置格納部1082に格納されている荷物に対応する位置情報を更新するようにすることが好ましい。例えば、この位置情報の更新は、例えば、後述する制御部1083が行うようにすればよい。
【0102】
また、例えば、荷物の位置情報が、荷物が配置された無人搬送車の搬送車識別子である場合、一の荷物の位置を、所望の位置に変更する際には、移動装置1081が、この荷物に対応する位置情報である搬送車識別子が示す無人搬送車が所望の位置に移動させることにより、この一の荷物の位置を所望の位置に移動させることができる。この場合、制御部1083等が、荷台上の無人搬送車の位置の情報を把握しておくようにすることが好ましい。無人搬送車の位置の情報とは、例えば、荷台上の無人搬送車の座標や、荷台上の無人搬送車が位置するエリアの情報等である。位置の情報を把握しておくということは、例えば、図示しない格納部等に蓄積しておくことと考えてもよい。
【0103】
なお、上記で説明した位置情報は、一例であり、本実施の形態において用いられる位置情報は、このような位置情報に限定されるものではない。また、位置情報を用いて、所望の荷物を、所望の位置に移動させる処理等は、上記の処理に限定されるものではない。位置情報を用いて、所望の荷物を、所望の位置に移動させる技術は、自動倉庫等の技術として公知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0104】
位置格納部1082には、例えば、上述したように、荷物を荷台に積載する際に荷物識別子受付部101等が受け付けた荷台に積載される荷物の荷物識別子と、回転棚や固定棚等の、移動装置1081のこの荷物が配置される部分やトレイに対応する配置識別子、またはこの荷物が配置される無人搬送車の搬送識別子である位置情報とが、対応付けられて格納される。配置される荷物に対応する位置情報としては、例えば、回転棚や固定棚等の、配置識別子の入力の前後に荷物が配置される部分やトレイの配置識別子、または配置識別子の入力の前後に荷物が配置される無人搬送車の搬送車識別子を制御部1083が取得する。例えば、移動装置1031のトレイ等に配置した荷物を荷台に格納させるための操作をユーザが図示しない操作受付部等に対して行った場合に、制御部1083が、荷物が配置されているトレイ等の識別子を、配置情報として取得する。荷物が配置されているトレイ等は、例えば、荷物が配置可能な位置に配置されているトレイ等である。ただし、配置情報の取得の仕方は上記に限定されるものではない。
【0105】
なお、荷物を配置する際に、荷物識別子と、荷物の位置情報とを取得して、蓄積する処理等は、上記の処理に限定されるものではない。また、荷物を配置する際に、荷物識別子と、荷物の位置情報とを取得する処理や、これらを対応付けて蓄積する処理等は、自動倉庫等において、入出庫する荷物を管理する情報を取得する処理等として公知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0106】
制御部1083は、例えば、位置格納部1082に格納された位置情報を用いて、荷物が所望の位置に移動するよう移動装置1081を制御する。例えば、制御部1083は、移動決定部107が位置を変更することを決定した荷物を、荷下位置に近い位置に移動するよう移動装置1081を制御する。例えば、制御部1083は、位置を変更する荷物の荷物識別子を移動決定部107から取得し、この荷物識別子に対応する位置情報を、位置格納部1082から取得し、この位置情報が示す位置に配置された荷物が、荷下位置に近い位置に移動するよう、移動装置1081を制御する。例えば、移動装置1081が有する回転棚を回転させて、回転棚の位置情報が示す位置に配置された荷物を、荷下位置に近い位置に移動させる。また、例えば、移動装置1081が有するクレーンにより、固定棚等の位置情報が示す位置に配置された荷物を、荷下位置に近い位置に移動させる。また、例えば、移動装置1081が有する1以上の無人搬送車のうちの、少なくとも位置情報が示す無人搬送車を移動させて、この位置情報が示す無人搬送車の配置部に配置された荷物を、荷下位置に近い位置に移動させる。
【0107】
また、制御部1083は、例えば、配送順取得部104が取得した配送順情報と、位置格納部1082に格納された位置情報とを用いて、積載された各荷物の位置が、配送順の早い荷物が荷台の荷下位置により近い位置となるよう変更されるよう移動装置1081を制御する。例えば、制御部1083は、移動装置1081が有するクレーンにより、固定棚に配置された荷物を、固定棚の荷物が配置されていない位置に移動させる処理を繰り返して、積載された各荷物のうちの、配送順情報が示す配送順が早い荷物識別子が示す荷物の位置が、荷下位置により近い位置となるようにする。また、制御部1083は、例えば、移動装置1081が有する回転棚を回転させ、回転棚に配置された荷物を、オートリトリーバーに一旦移動させ、再度回転棚を回転させて、荷物が配置されていない部分に、オートリトリーバーに移動させた荷物を配置する処理を繰り返し行って、積載された各荷物のうちの、配送順情報が示す配送順が早い荷物識別子が示す荷物の位置が、荷下位置により近い位置となるようにする。また、制御部1083は、例えば、配送順情報が示す配送順が早い荷物識別子と対応付けられた無人搬送車の位置が、荷下位置により近い位置となるように移動装置1081が有する無人搬送車を移動させることにより、積載された各荷物のうちの、配送順情報が示す配送順が早い荷物識別子が示す荷物の位置が、荷下位置により近い位置となるようにする。
【0108】
また、制御部1083は、上述したような荷物の積載時に荷物識別子受付部101等が受け付けた配置される荷物の荷物識別子と、回転棚や固定棚等の、この荷物が配置される部分やトレイに対応する配置識別子、またはこの荷物が配置される無人搬送車の搬送車識別子である位置情報とを、対応付けて、位置格納部1082に蓄積してもよい。また、荷物が配置される位置が変更された場合に、この荷物の荷物識別子に対応付けられて位置格納部1082に格納された位置情報を、変更後の位置を示す位置情報で更新してもよい。また、制御部1083は、回転棚の荷物が配置される各部分や、回転棚に配置された各トレイ等が、現在どの位置に位置しているか特定可能な情報や、無人搬送車の現在の位置を示す情報等を取得して、図示しない格納部等に蓄積するようにしてもよい。
【0109】
また、荷物が荷台から荷下ろしされた場合に、この荷下ろしされた荷物の荷物識別子等を、図示しない受付部等が上記と同様に受け付けるようにし、制御部1083が、この荷下ろしされた荷物識別子に対応付けられた位置情報を、位置格納部1082から削除してもよい。ここでの削除は、実際に情報を削除することであってもよく、削除されたことを示すフラグや、配送済みであることを示すフラグ等の情報を付与して、このフラグ等が付与された位置情報を、削除された位置情報として扱うようにすることであってもよい。削除された位置情報として扱うということは、例えば、位置情報を、その後の処理に利用しないことであってもよい。
【0110】
なお、上記の制御部1083の処理は一例であり、制御部1083の処理は上記の処理に限定されるものではない。制御部1083の処理等は、自動倉庫等の制御部の処理等として公知の技術であるため、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0111】
端末装置2は、例えば、貨物自動車1の運転手や、荷物の配送員等が利用する端末装置である。端末装置2は、例えば、いわゆるスマートフォン等の多機能携帯電話端末、タブレット型端末、専用情報通信端末等により実現される。端末装置2は、例えば、荷物のコードを読み取って荷物識別子を取得するコードリーダ(図示せず)等を有しており、コードリーダが取得した荷物識別子を、ユーザの操作に応じて、積載する荷物の荷物識別子や、配送済の荷物の荷物識別子として貨物自動車1の自動保管装置10に送信する。配送済みの荷物は、貨物自動車1から荷下ろしされた荷物や、自動保管装置10から出庫された荷物等と考えてもよい。また、端末装置2は、例えば、ユーザ等から、積載する荷物や配送済の荷物の荷物識別子の入力を受け付けて、受け付けた荷物識別子を、貨物自動車1に積載する荷物の荷物識別子や、配送済の荷物識別子として自動保管装置10に送信してもよい。また、積載する荷物の荷物識別子を受け付けた場合に、この荷物識別子に対応する配送先情報を、サーバ装置3等から取得して、取得した配送先情報と荷物識別子とを自動保管装置10に送信してもよい。また、端末装置2は、サーバ装置3から配送順情報を受信し、受信した配送順情報を自動保管装置10に送信するようにしてもよい。また、端末装置2は、積載する複数の荷物の配送先情報を、経路探索等を行うウェブサービスを提供するサーバ(図示せず)に送信して、このサーバから配送順情報を取得してもよい。
【0112】
なお、端末装置2の構成は、上記の構成に限定されるものではない。
【0113】
サーバ装置3は、例えば、クラウドサーバや、ASP(アプリケーションサーバ)である。サーバ装置3は、例えば、コンピュータ等により実現される。サーバ装置3には、例えば、1または2以上の荷物識別子と、各荷物識別子が示す荷物の配送先情報とが対応付けて格納されており、自動保管装置10や端末装置2から、荷物識別子を有する情報であって、配送先情報を要求する情報を受信した場合に、この荷物識別子に対応する配送先情報を読み出して、この情報の送信元に送信する。また、サーバ装置3には、配送順情報が格納されており、自動保管装置10や端末装置2から、配送順情報を要求する情報を受信した場合に、配送順情報を読み出して、この情報の送信元に送信する。
【0114】
なお、サーバ装置3の構成は、上記の構成に限定されるものではない。
【0115】
次に、貨物自動車1の動作の一例について
図3のフローチャートを用いて説明する。ここでは、貨物自動車1に積載された荷物の配送先情報を用いて、積載された荷物の中から、移動する荷物を決定し、決定した荷物を移動させる場合について説明する。
【0116】
(ステップS101)荷物識別子受付部101は、貨物自動車1に積載する荷物の荷物識別子と配送先情報とを有する情報を受け付けたか判断する。例えば、荷物識別子受付部101は、貨物自動車1に積載する荷物の荷物識別子と配送先情報とを有する情報を端末装置2から受信したか判断する。受け付けた場合、ステップS102に進み、受け付けていない場合、ステップS101に戻る。
【0117】
(ステップS102)配送先取得部102は、荷物識別子受付部101が受け付けた荷物識別子と配送先情報とを取得し、これらを対応付けて、配送先格納部103に蓄積する。
【0118】
(ステップS103)荷物移動部108は、ステップS101で受け付けた荷物識別子が示す荷物を荷台に格納する。荷物の格納は、例えば、制御部1083が移動装置1081を制御することにより行われる。荷物移動部108(例えば、荷物移動部108の制御部1083)は、格納された荷物の位置情報を取得する。
【0119】
(ステップS104)荷物移動部108(例えば、荷物移動部108の制御部1083)は、ステップS103で格納した荷物の荷物識別子と、格納した荷物の位置情報とを対応付けて位置格納部1082に蓄積する。そして、ステップS101に戻る。
【0120】
(ステップS105)荷物移動部108は、荷物の積載が終了したか判断する。例えば、自動保管装置10の図示しない受付部や荷物識別子受付部101等が、荷物の積載が終了したことを示す情報を受け付けた場合に、積載が終了したと判断する。荷物の積載が終了したことを示す情報の受け付けは、端末装置2からの荷物の積載が終了したことを示す情報の受信であってもよい。ただし、どのように積載の終了を判断してもよく、例えば、貨物自動車1が移動を開始したことを検出した場合に、積載の終了を判断してもよい。積載が終了した場合、ステップS106に進み、終了していない場合、ステップS101に戻る。
【0121】
(ステップS106)移動決定部107は、積載された荷物の位置を変更するタイミングであるか否かを判断する。例えば、移動決定部107は、荷物の積載が終了した直後や、終了してから予め決められた時間の経過後、直前に荷物の移動を変更するタイミングと判断された時刻から、予め決められた一定または不定の時間が経過した後等に、荷物の位置を変更するタイミングであると判断する。荷物の位置を変更するタイミングである場合、ステップS107に進み、タイミングでない場合、ステップS112に進む。
【0122】
(ステップS107)現在位置取得部106は、現在位置を取得する。
【0123】
(ステップS108)移動決定部107は、配送先格納部103に格納された配送先情報を用いて、現在位置情報が示す現在位置から配送先までの距離が最も近い荷物を検出する。例えば、移動決定部107は、配送先格納部103に格納された各配送先情報が示す場所と、ステップS107で取得した現在位置情報が示す現在位置との距離をそれぞれ算出し、算出した距離が最も短い配送先情報に対応付けられた荷物識別子を取得する。この荷物識別子が示す荷物が、配置されている荷物のうちの、配送先が現在位置に最も近い荷物である。ここでは距離を用いたが、距離の代わりに、現在位置から配送先までの経路のコスト等を用いて、配送先までのコスト等が最も小さい荷物を検出してもよい。かかることは、以下のステップS109においても同様である。また、最も近い荷物を検出する際に、すでに配送済みの荷物は、検出対象から除外する。なお、直前に荷物移動部108が移動させた荷物の荷物識別子と、このステップS108で検出した荷物の荷物識別子とが同じであると移動決定部107が判断した場合、ステップS106に戻るようにしてもよい。
【0124】
(ステップS109)移動決定部107は、現在位置から、ステップS108で検出した荷物の配送先までの距離が閾値以下であるか判断する。閾値以下である場合、ステップS110に進み、閾値以下でない場合、ステップS106に戻る。
【0125】
(ステップS110)移動決定部107は、ステップS108で検出した荷物、すなわちステップS108で取得した荷物識別子が示す荷物を位置変更の対象に決定する。
【0126】
(ステップS111)荷物移動部108は、ステップS110で位置変更の対象に決定した荷物の位置を変更する。例えば、ステップS108で取得した荷物識別子が示す荷物の位置を、荷台の荷下位置に近い位置に移動させる。荷物の位置の変更は、例えば、制御部1083が、位置格納部1082に格納されている位置の変更の対象となる荷物の荷物識別子と対応付けられた位置情報を用いて移動装置108を制御することにより行われる。位置の変更によって、配置された1以上の荷物の位置情報に変更が生じた場合、制御部1083は、位置格納部1082に格納されている各荷物の位置情報を変更された位置情報で更新してよい。そして、ステップS106に戻る。なお、すでに、位置変更の対象となる荷物の位置が、移動先となる位置、例えば、荷下位置に近い位置に配置されている場合、位置の変更は行わないようにしてもよい。
【0127】
(ステップS112)荷物識別子受付部101等が、配送済みの荷物の荷物識別子を受け付けたか判断する。この配送済みの荷物の識別子の受け付けは、端末装置2から送信される配送済みの荷物の荷物識別子の受信であってもよい。受け付けた場合、ステップS113に進み、受け付けていない場合、ステップS115に進む。
【0128】
(ステップS113)移動決定部107は、ステップS112で受け付けた配送済みの荷物の荷物識別子に対応する配送先情報を配送先格納部103から削除する。なお、削除を行わずに、この配送先情報に、削除済であることを示すフラグ等の情報や、配送済みであることを示すフラグ等の情報を付与するようにして、この配送先情報が、移動決定部107等において、実質的に削除された配送先情報として扱われるようにしてもよい。これらの処理は、配送済の荷物に対応する配送先情報を除外する処理と考えてもよい。なお、制御部1083は、配送済みの荷物の位置情報を、位置格納部1082から削除してもよい。
【0129】
(ステップS114)移動決定部107は、積載されている荷物があるか判断する。例えば、配送先格納部103に、削除されていない配送先情報や、配送済であることを示すフラグ等の情報が付与されていない配送先情報が格納されているか判断し、格納されていれば、積載されている荷物があると判断し、格納されていなければ、積載されていない荷物がないと判断する。積載されていない荷物がある場合、ステップS102に戻り、積載されていない荷物がない場合、処理を終了する。
【0130】
次に、貨物自動車1の動作の他の例について
図4のフローチャートを用いて説明する。ここでは、貨物自動車1に積載された荷物の配送順情報を用いて、積載された荷物の中から、次に配送する荷物を検出して、この荷物を移動する荷物を決定し、決定した荷物を移動させる場合について説明する。
【0131】
なお、ステップS101からステップS105までの処理については、
図3を用いて説明した処理のステップS101からステップS105までの処理と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0132】
(ステップS206)ステップS105において、荷物の積載が終了したと判断された場合、配送順取得部104は、配送順情報を取得したか判断する。例えば、配送順取得部104は、端末装置2から送信される配送順情報を受信してもよい。また、例えば、配送順取得部104は、サーバ装置3に配送順情報を要求する情報を送信し、この要求に応じてサーバ装置3から送信される配送順情報を受信することで、配送順情報を取得してもよい。配送順情報を取得した場合、取得した配送順情報を配送順格納部105に蓄積してステップS207に進み、受信していない場合、ステップS206に戻る。
【0133】
(ステップS207)移動決定部107は、位置を変更する荷物を決定するタイミングであるか否かを判断する。移動決定部107は、どのような場合に、位置を変更する荷物を決定するタイミングであると判断してもよい。例えば、配送順取得部104が配送順情報を取得したあと、あらかじめ決められた時間が経過した場合に、位置を変更する荷物を決定するタイミングであると判断してもよい。例えば、配送順取得部104が配送順情報を取得したあとであって、貨物自動車1が移動を開始した場合等に、位置を変更する荷物を決定するタイミングであると判断してもよい。貨物自動車1が移動を開始したか否かは、貨物自動車1等から移動を開始したか否かの情報を受信することで判断してもよく、図示しない加速度センサ等のセンサを用いて検出してもよい。また、現在位置情報が変化した場合に、移動の開始を検出しても良い。位置を変更する荷物を決定するタイミングである場合、ステップS208に進み、タイミングでない場合、ステップS207に戻る。ただし、位置を変更する荷物を決定するタイミングは、上記のタイミングに限定されるものではない。また、配送順情報を取得した直後に位置変更を行う場合、このステップは省略してもよい。
【0134】
(ステップS208)移動決定部107は、現在荷台に積載されている荷物であって、配送順格納部105に格納された配送順情報が示す配送順が最も早い荷物を位置変更の対象に決定する。例えば、移動決定部107は、配送先格納部103等に格納されている削除されていない荷物識別子、または配送済であることを示すフラグが付与されていない荷物識別子の中から、配送順情報が示す配送順が最も早い荷物の荷物識別子を、位置の変更対象に決定する。
【0135】
(ステップS209)荷物移動部108は、ステップS208で決定した荷物の位置を変更する。例えば、決定した荷物を、荷台の荷下位置に近い位置に変更する。荷物移動部108による決定した荷物の位置の変更によって、積載された1以上の荷物の位置情報に変更が生じた場合、荷物移動部108(例えば、制御部1083)は、位置格納部1082に格納されている各荷物の位置情報を変更された位置情報で更新してよい。
【0136】
(ステップS210)移動決定部107は、ステップS208で決定した位置を変更する荷物が配送されたか判断する。配送されたかの判断を行うことは、荷下ろしされたかの判断を行うことであってもよい。例えば、ステップS208で決定した荷物と同じ荷物識別子を有する荷物が配送されたことを示す情報を、荷物識別子受付部101が受け付けた場合に、ステップS208で決定した荷物が配送されたと判断する。また、移動決定部107が、ステップS208で決定した位置を変更する荷物の配送先情報を取得し、現在位置取得部106が現在位置を順次取得するようにし、この現在位置が、配送先情報が示す場所と一致した場合に、ステップS208で決定した荷物が配送されたと判断してもよい。配送された場合、移動決定部107は、配送先情報や配送順情報の、配送された荷物の荷物識別子に対して、配送済であることを示すフラグ等の付与、または、配送された荷物の荷物識別子の削除を行う。配送された場合、ステップS211に進み、配送されていない場合、ステップS210に戻る。
【0137】
(ステップS211)移動決定部107は、荷台に積載されている荷物があるか判断する。荷物があるか否かはどのように判断してもよく、例えば、ステップS210によって、積載された全ての荷物が荷下ろしされたと判断された場合に、荷物がないと判断し、判断されていない場合、荷物があると判断する。また、配送順情報が示す最も配送順が遅い荷物が、配送されたと判断された場合に、荷物がないと判断してもよい。ある場合、ステップS212に進み、ない場合、処理を終了する。ただし、どのように積載された荷物の有無を判断するかは問わない。
【0138】
(ステップS212)移動決定部107は、次に位置を変更する荷物を決定するタイミングであるか否かを判断する。例えば、直前のステップ210で位置を変更する荷物が荷下ろしされたと判断されてからあらかじめ決められた時間が経過した場合に、次に位置を変更する荷物を決定するタイミングであると判断する。また、例えば、直前のステップ210で位置を変更する荷物が荷下ろしされたと判断されたあと、貨物自動車1が移動した場合に、荷物を決定するタイミングであると判断してもよい。位置を変更する荷物を決定するタイミングである場合、ステップS208に戻り、決定するタイミングでない場合、ステップS212に戻る。ただし、次に位置を変更する荷物を決定するタイミングは、上記のタイミングに限定されるものではない。
【0139】
次に、貨物自動車1の動作の他の例について
図5のフローチャートを用いて説明する。ここでは、貨物自動車1に積載された荷物の配送順情報を用いて、積載された各荷物を、配送順に配列する場合について説明する。
【0140】
(ステップS301)荷物識別子受付部101は、貨物自動車1に積載する荷物の荷物識別子を受け付けたか判断する。例えば、荷物識別子受付部101は、貨物自動車1に積載する荷物の荷物識別子を有する情報を端末装置2から受信したか判断する。受け付けた場合、ステップS102に進み、受け付けていない場合、ステップS101に戻る。
【0141】
(ステップS302)荷物移動部108は、ステップS301で受け付けた荷物識別子が示す荷物を荷台に格納する。荷物の格納は、例えば、制御部1083が移動装置1081を制御することにより行われる。荷物移動部108(例えば、荷物移動部108の制御部1083)は、格納された荷物の位置情報を取得する。
【0142】
(ステップS303)荷物移動部108(例えば、荷物移動部108の制御部1083)は、ステップS302で格納した荷物の荷物識別子と、格納した荷物の位置情報とを対応付けて位置格納部1082に蓄積する。そして、ステップS301に戻る。
【0143】
(ステップS304)荷物移動部108は、荷物の積載が終了したか判断する。この処理は、例えば、
図3のステップS105で示した処理と同様の処理が利用可能である。積載が終了した場合、ステップS305に進み、終了していない場合、ステップS301に戻る。
【0144】
(ステップS305)配送順取得部104は、配送順情報を取得したか判断する。この処理は、
図4のステップS206で説明した処理と同様の処理が利用可能である。配送順情報を取得した場合、取得した配送順情報を配送順格納部105に蓄積してステップS306に進み、受信していない場合、ステップS305に戻る。
【0145】
(ステップS306)荷物移動部108は、積層された各荷物の位置を、配送順が早い荷物ほど、搬送口により近い位置に配置されるよう変更する。荷物移動部108は、荷物の位置の変更によって、配置された1以上の荷物の位置情報に変更が生じた場合、荷物移動部108(例えば、制御部1083)は、位置格納部1082に格納されている各荷物の位置情報を変更された位置情報で更新してよい。そして、処理を終了する。
【0146】
なお、
図3から
図5において説明したフローチャートは、一例であり、例えば、配送先格納部103に配送先情報が蓄積される過程や、配送順格納部105に配送順情報が蓄積される過程や、位置格納部1082に位置情報が格納される過程等は、上記の処理に限定されるものではない。例えば、これらの情報は、それぞれ格納部にあらかじめ格納されていてもよい。
【0147】
(第一の具体例)
以下、本実施の形態における貨物自動車1の動作の第一の具体例について説明する。この具体例においては、貨物自動車1が、
図3のフローチャートを用いて説明したような動作を行う場合について説明する。この第一の具体例においては、貨物自動車1の荷物移動部108が有する移動装置1081が、
図2に示すような構成を有する場合について説明する。
【0148】
まず、貨物自動車1で荷物の配送を行う運転手等のユーザが、荷台に積載する直前の配送する荷物に貼付されたコードを、端末装置2のコードリーダで読み取る。コードは、コードが添付されている荷物の荷物識別子と対応付けられているものとする。例えば、一の荷物のコードからコードリーダが読み取った荷物識別子が「R001」であったとする。端末装置2は、この荷物識別子「R001」を、積載する荷物の荷物識別子としてサーバ装置3に、無線通信により送信する。
【0149】
サーバ装置3が端末装置2から、積載する荷物の荷物識別子「R001」を受信すると、サーバ装置3にあらかじめ格納されている配送先情報から、この荷物識別子「R001」と対応付けられた配送先情報を読み出して、端末装置2に送信する。配送先情報は、ここでは、配送先の住所と氏名であるとする。この住所は、「A県B市C町1-2-1」であり、氏名は「E山F男」であるとする。
【0150】
端末装置2の端末受信部が配送先情報を受信すると、受信した配送先情報を、上記で送信した荷物識別子「R001」と対応付けて図示しない格納部に蓄積する。また、端末送信部が、コードから取得した荷物識別子「R001」と、サーバ装置3から受信した配送先情報と、を対応付けて貨物自動車1の自動保管装置10に送信する。
【0151】
自動保管装置10の荷物識別子受付部101が、端末装置2から送信される荷物識別子と配送先情報とを受信すると、配送先取得部102が、この荷物識別子と配送先情報とを対応付けて蓄積する。
【0152】
ユーザがコードを読み取った荷物を、オートリトリーバー192の荷物を配置する台に配置して、荷物を荷台に格納するためのあらかじめ決められた操作(例えば、格納ボタン等を押す操作等)を行うと、オートリトリーバー192は、荷物を移動決定部191の一方の棚の一のトレイ199に配置する。荷物が配置された棚が回転することで、荷物がトレイ199とともに荷台上の任意の位置に格納される。各トレイにはトレイ識別子が対応付けられており、制御部1083は、各トレイ識別子が示すトレイが、現在移動決定部191のどの位置に存在しているかを特定可能となっている。制御部1083は、荷物が配置され、図示しない受付部が、上記のような荷物を荷台に格納するあらかじめ決められた操作を受け付けると、直前に荷物識別子受付部101が受け付けた荷物識別子と、この荷物が配置されたトレイ199のトレイ識別子とを、対応付けて、位置格納部1082に蓄積する。ここでは、このトレイ識別子が、荷物の位置情報として用いられる。
【0153】
同様にしてユーザが複数の荷物のコードを、順次、読み取り、読み取った荷物を、オートリトリーバー192に配置して、荷台に格納する操作を行っていくことで、荷台に配置された荷物の荷物識別子と、配送先情報とが対応付けられて、順次、配送先格納部103に蓄積されるとともに、荷台に配置された荷物の荷物識別子と位置情報とが対応付けられて、位置格納部1082に蓄積される。
【0154】
図6は、配送先格納部103に荷物識別子と対応付けられて格納された配送先情報を管理するための配送先管理表である。配送先管理表は、「荷物ID」と、「配送先」と、「配送済」という属性を有している。「荷物ID」は荷物識別子を示し、「配送先」は配送先情報を示す。また、「配送済」は、対応する荷物識別子が示す荷物が配送済であることを示すフラグの情報であり、値「1」は、配送済であることを示し、空欄は、値「NULL」を示しており、ここでは、荷物が配送されていないことを示す。配送先格納部103に配送先情報が蓄積される際の「配送済」の属性値は「NULL」に設定されるものとする。「配送先」はさらに、配送先の住所を示す「住所」と配送先の氏名を示す「氏名」という属性を有している。同じレコード(行)の「荷物ID」の属性値と、「配送先」の属性値とが互いに対応付けられた情報である。ここでは、貨物自動車1で配送する複数の荷物をすべて積載した状態の配送先管理表を示している。
【0155】
図7は、位置格納部1082に荷物識別子と対応付けて格納されている位置情報を管理するための位置管理表である。位置管理表は、「トレイID」と、「荷物ID」という属性を有している。同じレコード(行)の「荷物ID」の属性値と、「トレイID」の属性値とは、互いに対応付けられた情報である。「トレイID」は、トレイ199の識別子であり、ここでは、位置情報に相当する。「荷物ID」は、対応する「トレイID」が示すトレイに配置されている荷物の荷物識別子であり、
図6の「荷物ID」に相当する。なお、荷物が配置されていないトレイ199の識別子に対応する「荷物ID」の値は、「NULL」であり、ここでは空欄で表されている。ここでは、貨物自動車1で配送する複数の荷物をすべて積載した状態の位置管理表を示しているものとする。
【0156】
ユーザが、端末装置2に対して、すべての荷物の積載が完了したことを示す操作を行うと、端末装置2は、自動保管装置10に積載が完了したことを示す情報を送信する。また、端末装置2は、配送順情報を要求する情報をサーバ装置3に送信する。
【0157】
サーバ装置3が、配送順情報を要求する情報を受信すると、サーバ装置3は、配送順情報を読み出して、端末装置2に送信する。
【0158】
端末装置2が、サーバ装置3から配送順情報を受信すると、端末装置2は、この配送順情報を図示しない格納部等に蓄積する。また、端末装置2は、この配送順情報を、自動保管装置10に送信する。
【0159】
配送順取得部104は、端末装置2から配送順情報を受信し、受信した配送順情報を配送順格納部105に蓄積する。
【0160】
図8は、配送順格納部105に格納された配送順情報を示す図である。配送順情報は、「配送順」と「荷物ID」という属性を有している。「配送順」は、配送順を示しており、値が小さいものほど、配送順が早いことを示している。「荷物ID」は、
図6等の「荷物ID」に相当している。
【0161】
そして、ユーザは、荷物を積載した貨物自動車1を運転して配送に出発したとする。例えば、ユーザは、端末装置2に蓄積された配送順情報をモニタ(図示せず)に表示させ、この配送順情報が示す配送順に荷物の配送を行う。
【0162】
荷物の積載が完了して、予め決められた時間が経過すると、移動決定部107は、荷物を移動させるタイミングであると判断する。
【0163】
移動決定部107が荷物を移動させるタイミングであると判断すると、現在位置取得部106は、GPS等を利用して、現在位置を取得する。現在位置は、例えば、緯度と経度とで表される座標であるとする。ここで取得した座標は、(X1,Y1)であるとする。
【0164】
次に、移動決定部107は、
図6に示した配送先管理表の「配送済」の属性値が「1」ではない各レコードから順番に「住所」の属性値である配送先の住所を読み出し、各住所に対応する座標を取得し、取得した各座標と、現在位置取得部106が取得した現在位置との距離を取得する。ここでの距離は直線距離であるとする。そして、取得した距離の中から最も短い距離を選択する。ここでは、荷物識別子「R001」に対応する住所について取得した距離が最も短く、その距離である750mが選択されたとする。そして、移動決定部107は、選択した距離の値が、閾値以下であるか判断する。例えば、閾値は、800mであるとする。この閾値は、荷台のいずれの位置に配置されている荷物であっても、この荷物の配送場所に到着するまでに、荷台の荷下位置に移動させることが可能な時間に設定されていることが好ましい。ここでは、例えば、選択した距離が閾値以下であったとすると、移動決定部107は、この距離に対応する住所と対応付けられた荷物識別子を、位置を変更する荷物の荷物識別子として、
図6に示した配送先管理表から検出する。ここでは、例えば、位置を変更する荷物の荷物識別子として、「R001」を取得したとする。つまり、荷物識別子「R001」に対応する荷物が移動の対象に決定されたこととなる。
【0165】
荷物移動部108の制御部1083は、移動装置1081を制御して、移動決定部107が決定した荷物を、荷下位置に近い位置に移動させる。具体的には、制御部1083は、
図7に示した位置管理表から、移動決定部107が取得した荷物識別子「R001」に対応する位置情報であるトレイ識別子「T1001」を、取得する。そして、このトレイ識別子が示すトレイ199に配置された荷物がオートリトリーバー192で取り出し可能な位置に配置されるよう、水平回転棚191のこのトレイ199が配置された棚を回転させて、トレイ199とともに荷物を移動させ、トレイ199に配置された荷物を、荷台の荷下位置近くに設置されたオートリトリーバー192で取り出して、荷物を荷下位置の近くに移動させる。これにより、移動決定部107が位置を変更することを決定した荷物を、荷下位置の近くに移動させることができる。
【0166】
なお、現在、位置管理表の荷台の荷下位置近くに移動させられている荷物の荷物識別子には、メモリ等の記憶媒体に一時記憶しておくようにして、移動決定部107が、その後の処理で、同じ荷物識別子の荷物を、位置を変更する対象に決定しないようにする、あるいは、位置を変更する対象に決定した場合に、移動を行わないようにすることが好ましい。
【0167】
貨物自動車1が、荷物識別子「R001」に対応する荷物の配送先に到着すると、この荷物識別子「R001」に対応する荷物が、荷台の荷下位置の近くに位置していることとなるため、この荷物を迅速に荷台から荷下ろしして、配送先に配送することができる。
【0168】
運転手等のユーザは、荷物を荷下ろしする際に、荷物のコードを端末装置2のコードリーダ等で読み取り、読み取ったコードに対応する荷物を配送済みとするための操作を行うと、端末装置2は、コードから読み取られた荷物識別子「R001」を、配送済の荷物の荷物識別子として、自動保管装置10に送信する。
【0169】
自動保管装置10の、荷物識別子受付部101が、配送済みの荷物の荷物識別子として「R001」を端末装置2から受信すると、移動決定部107が、配送先格納部103に格納されている荷物識別子「R001」と対応付けられた配送先情報に対して、配送済みであることを示すフラグを付与する。具体的には、
図6に示した配送先管理表の「荷物ID」が「R001」であるレコードの「配送済」の属性値を、値「NULL」から、値「1」に更新する。これにより、この荷物識別子「R001」が示す荷物が、これ以降において、位置変更の対象から除外されることとなる。このようにすることで、これ以降の、位置を変更する荷物を決定する際には、配送済みの荷物を除外して、現在荷台に積載されている荷物の中から、位置を変更する荷物を決定することができる。
【0170】
上記のような処理が、例えば、自動保管装置10に積載されている荷物がなくなるまで、具体的には、すべての配送先情報の「配送済」の属性値が「1」となるまで行われる。
【0171】
なお、荷物移動部108も、位置管理表の荷下ろし済みの荷物の荷物識別子を削除して、荷物識別子「R001」が示す荷物の位置の管理を終了する。
【0172】
(第二の具体例)
以下、本実施の形態における貨物自動車1の動作の第二の具体例について説明する。この具体例においては、貨物自動車1が、
図4のフローチャートを用いて説明したような動作を行う場合について説明する。この第2の具体例においては、移動装置1081が第一の具体例の移動装置1081と同様の構成を有しているものとする。
【0173】
ここでは、例えば、貨物自動車1に、第一の具体例と同様に、荷物が積載され、第一の具体例と同様の、配送先情報、配送順情報、および位置情報が、それぞれ、配送先格納部103、配送順格納部105、および位置格納部1082に蓄積され、運転手であるユーザが貨物自動車1を運転して、荷物の配送に出発する。ここでは、ユーザは、配送順情報が示す配送順に従って荷物の配送を行うものとする。
【0174】
移動決定部107は、
図6に示した配送先管理表において、「配送済」の属性値が「1」であるレコードの「荷物ID」の属性値である荷物識別子を全て取得する。取得した属性値は、配送済みの荷物の荷物識別子である。そして、
図8に示した配送順管理表の、「荷物ID」の属性値が、取得した配送済みの荷物の荷物識別子と一致しないレコード(行)において、「配送順」の値が最も小さいレコードを検出し、検出したレコードの「荷物ID」の属性値である荷物識別子を取得する。取得した荷物識別子は、積載されている荷物のうちの最も配送順が早い荷物の荷物識別子である。なお、ここでは、配送先管理表に「配送済」の属性値が「1」であるレコードがないため、
図8に示した配送順管理表の、全てのレコードのうちの、「配送順」の値が最も小さいレコードの荷物ID」の属性値が取得される。取得した荷物識別子が、ここでは、「配送順」の値が「1」であるレコードの「荷物ID」の属性値である「R001」であったとする。この移動決定部107が取得した荷物識別子が、位置の変更対象として決定した荷物の荷物識別子である。
【0175】
荷物移動部108は、第一の具体例と同様に、移動決定部107が決定した荷物識別子が「R001」である荷物を、荷下位置に近い位置に移動させる。
【0176】
移動決定部107は、
図6に示した配送先管理表において、「荷物ID」の属性値が、上記で取得した荷物識別子「R001」と一致するレコード(行)の「住所」の属性値を取得する。この属性値は、荷物識別子「R001」が示す荷物の配送先情報、具体的には、配送先の住所である。そして、この住所に対応する緯度と経度とで表される座標を取得する。
【0177】
現在位置取得部106は、現在位置を取得する処理を繰り返し行っており、移動決定部107は、現在位置取得部106が順次取得する現在位置が、上記で取得した荷物識別子「R001」が示す荷物の配送先情報に対応する座標と一致するか繰り返し判断する。ここでは、例えば、座標間の距離が、閾値以下となる場合に、一致と判断する。
【0178】
貨物自動車1が、荷物識別子「R001」が示す荷物の配送先に到着し、ユーザが荷物を荷下ろしして、配送先に配送する。ここでも、上記の第一の具体例と同様に、配送先に到着した時点で容易にかつ迅速に荷物を取り出すことができる。
【0179】
また、ここでは、配送先に到着したことにより、上記の現在位置と配送先情報に対応する座標とが一致したと判断される。そして、次に、到着した配送先に配送する荷物の荷下ろしが完了し、貨物自動車1が次の配送先への移動を開始したとする。そして、上記の現在位置と配送先情報に対応する座標とが一致しなくなった場合に、移動決定部107は、上記で位置変更の対象とした荷物識別子が「R001」である荷物の、荷台からの荷下ろしあるいは配送先への配送が完了したと判断して、
図6に示した配送先管理表の「荷物ID」が「R001」であるレコードの「配送済」の値を「1」に更新する。
【0180】
そして、上記と同様の処理を行って、次に位置の変更を行う荷物の決定を行う。ここでは、移動決定部107は、「荷物ID」が「R001」であるレコードの「配送済」の値が「1」に更新された配送先管理表において、「配送済」の属性値が「1」であるレコードの「荷物ID」の属性値である荷物識別子を全て取得し、
図8に示した配送順管理表の、「荷物ID」の属性値が、取得した配送済みの荷物の荷物識別子と一致しないレコード(行)を検出し、検出したレコードにおいて「配送順」の値が最も小さいレコードを検出し、検出したレコードの「荷物ID」の属性値である荷物識別子を取得する。ここでは、配送先管理表から取得される荷物識別子として、荷物識別子「R001」が取得され、
図8に示した配送順管理表の、この荷物識別子を除いたレコードから「配送順」の値が最も小さいレコード、すなわち「配送順」の値が「2」であるレコードから、荷物識別子「R002」が取得される。この荷物識別子「R002」が示す荷物が、次の位置の変更対象として決定された荷物となる。その後は、上記と同様の処理が行われる。
【0181】
なお、この第二の具体例においては、現在位置と、位置の変更対象として決定された荷物の配送先と、が一致するか判断し、一致した場合に、荷物が荷下ろし、あるいは配送されたと判断するようにし、その直後の移動時に次の位置の変更対象となる荷物を検出するようにしたが、上記第一の具体例と同様に、荷下ろしされた荷物の荷物識別子等を荷物識別子受付部101が受け付けた場合等に、荷物が荷下ろしあるいは配送が完了したと判断して、この荷物に対して配送済であることを示すフラグ等を付与するようにし、この荷物を除外した現在配置されている荷物について、次の位置の変更対象となる荷物を検出するようにしてもよい。
【0182】
また、上記の第一の具体例において、この第二の具体例と同様に、荷下ろしされた荷物の荷物識別子等を荷物識別子受付部101が受け付ける代わりに、現在位置取得部106が取得する現在位置と、位置の変更対象として決定された荷物の配送先と、が一致するか判断し、一致した場合に、荷物が荷下ろし、あるいは配送されたと判断するようにし、この荷物を、その後の位置の変更対象から除外するようにしてもよい。
【0183】
(第三の具体例)
図9は、第三の具体例を説明するための、貨物自動車1の構成を説明するための、貨物自動車1を後方から見た一部切り欠き斜視図である。ここでは、自動保管装置10が有する荷物移動部108が、移動装置1081として荷物を配置可能な配置部195aを上面に備えた複数の無人搬送車195を備えている例について説明する。ここでは、配置部195aは、無人搬送車195の上面に取り付けられたトレイであるとする。ここでは、複数の荷物が、それぞれ、複数の無人搬送車195に配置されている例を示している。
【0184】
図10は、第三の具体例を説明するための、貨物自動車1の荷台11と、荷台11に配置された移動装置1081である複数の無人搬送車195とを示す上方から見た平面模式図である。ここでは、荷台の荷下位置11aが、荷台11の後端であるとする。
【0185】
荷台11には、複数の無人搬送車195が配置されている。各無人搬送車195は、情報から見た形状が正方形形状を有しており、上方から見て360度のどの方向へも移動可能な移動機構(図示せず)を備えている。複数の無人搬送車195は、荷台11上のm行n列(m、nは、2以上の整数)でマトリクス状に区切られたm×n区画の領域の、少なくとも1区画を除いた領域にそれぞれ配置されている。ここでは、6行3列の区画に17台の無人搬送車195が配置されている例を示している。図においては、説明の便宜上、各区画を、点線で区切られた区画として表している。この無人搬送車195が配置されていない1以上の空き区画に、この区画に隣接している無人搬送車195が移動することで、この無人搬送車195が配置されていた区画が空き区画となり、さらに、この空き区画に、この区画に隣接していた無人搬送車195が移動することで、この無人搬送車195が配置されていた領域が、他の無人搬送車195が移動可能な空き区画となる。このようにして、無人搬送車195を空き区画に移動させる処理を繰り返すことで、任意の無人搬送車195を、荷下位置等の所望の位置に移動させることが可能となる。なお、このように、マトリクス状に配置された複数の無人搬送車195を移動させて、無人搬送車を所望の位置に移動させるアルゴリズム等は公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0186】
上記の第一の具体例と同様に、運転手であるユーザが、配送を行うため、コードを読み取った荷物を、無人搬送車195の荷物を配置する配置部195aであるトレイに配置して、配置した荷物を格納させるための予め決められた操作を行うと、移動装置1081は、1以上の無人搬送車195が適宜移動して、荷物を配置された無人搬送車195が荷台11上の、上述したように区切られた区画のうちの一の区画に移動する。同様の処理を、配送する荷物について行うことで、荷物が各無人搬送車195の配置部195aに配置された状態で、荷台上に積載される。ただし、荷物が配置された無人搬送車195の一部を、配置された時点での位置に停止させておく場合、このような無人搬送車195については、荷物を配置した位置から移動させないようにしてもよい。
【0187】
各無人搬送車195には搬送車識別子が対応付けられており、制御部1083は、各搬送車識別子が示す無人搬送車195が、現在荷台11のどの位置に存在しているかを特定可能となっている。各無人搬送車195の荷台上の位置を示す情報や、この情報を用いて制御部1083が行う無人搬送車195の位置の制御や、この位置の情報の更新等については、公知技術であるため、詳細な説明は省略する。制御部1083は、荷物が無人搬送車195の配置部195aに配置され、上記の予め決められた操作を受け付けると、直前に荷物識別子受付部101が受け付けた荷物識別子と、この荷物が配置された無人搬送車195の搬送車識別子とを、対応付けて、位置格納部1082に蓄積する。ここでは、この搬送車識別子が、荷物の位置情報として用いられる。
【0188】
図11は、第三の具体例における位置格納部1082に荷物識別子と対応付けて格納されている位置情報を管理するための位置管理表である。位置管理表は、「搬送車ID」と、「荷物ID」という属性を有している。同じレコード(行)の「荷物ID」の属性値と、「トレイID」の属性値とは、互いに対応付けられた情報である。「搬送車ID」は、無人搬送車195の搬送車識別子であり、ここでは、位置情報に相当する。「荷物ID」は、対応する「搬送車ID」が示す無人搬送車195の配置部195aに配置されている荷物の荷物識別子であり、
図6の「荷物ID」に相当する。なお、荷物が配置されていない無人搬送車195の搬送車識別子に対応する「荷物ID」の値は、「NULL」であり、ここでは空欄で表されている。ここでは、貨物自動車1で配送する複数の荷物をすべて積載した状態の位置管理表を示しているものとする。
【0189】
ユーザが、端末装置2に対して、すべての荷物の積載が完了したことを示す操作を行うと、端末装置2の端末送信部(図示せず)は、自動保管装置10に積載が完了したことを示す情報を送信する。また、端末送信部は、配送順情報を要求する情報をサーバ装置3に送信する。
【0190】
サーバ装置3のサーバ受信部(図示せず)が、配送順情報を要求する情報を受信すると、サーバ送信部(図示せず)は、サーバ格納部(図示せず)から配送順情報を読み出して、端末装置2に送信する。
【0191】
端末装置2の端末受信部(図示せず)がサーバ装置3から配送順情報を受信すると、端末受信部は、この配送順情報を図示しない格納部等に蓄積する。また、端末送信部(図示せず)は、この配送順情報を、自動保管装置10に送信する。
【0192】
配送順取得部104は、端末装置2から配送順情報を受信し、受信した配送順情報を配送順格納部105に蓄積する。蓄積した配送順情報は、
図8に示した配送順情報と同様の配送順情報であるとする。
【0193】
そして、ユーザは、荷物を積載した貨物自動車1を運転して配送に出発したとする。例えば、ユーザは、端末装置2に蓄積された配送順情報をモニタ(図示せず)に表示させ、この配送順情報が示す配送順に荷物の配送を行う。
【0194】
荷物移動部108は、配送順取得部104が取得して配送順格納部105に蓄積した配送順情報を用いて、この配送順情報が示す配送順が早い荷物が、より荷下位置11aの近くに配置されるよう、移動装置1081である荷物が配置部195aに配置された複数の無人搬送車195の1以上を移動させる。例えば、
図8に示す配送順が「1」である荷物識別子が「R001」である荷物が配置された搬送車識別子が「C1001」である無人搬送車195、配送順が「2」である荷物識別子が「R002」である荷物が配置された搬送車識別子が「C1002」である無人搬送車195、および配送順が「3」である荷物識別子が「R001」である荷物が配置された搬送車識別子が「C1003」である無人搬送車195を、荷下位置11aである荷台の後方に最も近い位置に移動させる。また、この3台の無人搬送車195に対して、荷台11の前方側において隣接する位置に、配送順が「4」、「5」、および「6」である荷物が配置された3台の無人搬送車195を配置する。同様に、この3台の無人搬送車195に対して、荷台11の前方側において隣接する位置に、配送順が「7」以降の荷物を配置した無人搬送車195を移動させる。
【0195】
荷台11の荷下位置11aに近い位置から順に、配送順が早い荷物が配置された無人搬送車195が配置されているため、ユーザが、配送順情報が示す順に荷物の配送先に到着すると、荷下位置の最も近くに、到着した配送先で配送する荷物が配置されていることとなり、ユーザが荷物の荷下ろしを容易かつ迅速に行うことができる。また、配送する荷物を荷下ろしすることで、次に配送先の荷物が、荷下位置に対して最も近い位置に位置することとなる。
【0196】
なお、ここでは、m×n-1以下の複数の無人搬送車195が荷台のm行n列の区域にそれぞれ配置されている場合を例に挙げて説明したが、複数の無人搬送車195は、荷台における荷下位置11aに対する配置順を変更可能であれば、どのように配置されていてもよい。また、配置順を変更可能であれば、無人搬送車195の構造や形状等は問わない。
【0197】
また、この第三の具体例においては、荷台上に配置された無人搬送車195に荷物を載置するようにしたが、荷物を載置した1または2以上の無人搬送車195を、荷台の外から、荷台上に移動させることで、荷物を荷台に積層するようにしてもよい。例えば、配送する荷物を無人搬送車195に載置して倉庫等に格納していた場合、荷物を貨物自動車1に積載する際のユーザの作業等を軽減することができる。
【0198】
また、この第三の具体例においては、移動装置1081が複数の無人搬送車195を備えている場合について説明したが、荷物の位置を配送順情報が示す配送順が早いものほど、荷下位置に近い位置に位置するよう変更可能なものであれば、移動装置1081としては、どのようなものを用いるようにしてもよく、例えば、第一の具体例で説明したような水平回転棚191とオートリトリーバー192等を備えた移動装置を用いてもよい。
【0199】
また、上記の第一および第二の具体例において、水平回転棚191とオートリトリーバー192とを有する移動装置1081を用いる代わりに、この第三の具体例のような複数の無人搬送車195を備えた移動装置1081を用いるようにしてもよい。
【0200】
また、上記第一から第三の具体例において、貨物自動車1が有する移動装置1081として、上記のような水平回転棚191とオートリトリーバー192とを備えたものや、複数の無人搬送車195を備えたものの代わりに、
図12に示すように、荷物が配置される固定棚121と、固定棚121に対する荷物の出し入れが可能であって、荷物の昇降が可能であり、荷台の荷下位置と固定棚121との間を移動可能なクレーン122とを備えたものを用いるようにしてもよい。このようなクレーン122等の構成については、スタッカクレーン等として公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0201】
以上、本実施の形態によれば、荷物をどのような順番等で荷台に積載しても、荷物の配送先で荷物を容易にかつ迅速に積み下ろすことができ、荷物の積載および荷下ろしを容易に行うことができる。
【0202】
なお、自動保管装置10が、上記で説明したような処理の一部のみを行う場合、自動保管装置10が有する構成のうちの、この処理に利用しない構成等は、適宜省略してもよい。また、処理に不要な情報等の送受信や取得等は行わないようにしてよい。
【0203】
例えば、自動保管装置10が、
図3のフローチャートで説明したように、配送順情報を用いて荷物の位置の変更を行わない場合、配送順取得部104や、配送順格納部105等を設けないようにしてもよい。
【0204】
また、荷物移動部108が、配送先情報を用いて荷物の位置の変更を行わない場合において、例えば、配送先取得部102や、配送先格納部103、現在位置取得部106等を設けないようにしてもよい。
【0205】
また、荷物移動部108が、
図5のフローチャートで説明したように、移動決定部107を用いて、位置を変更する荷物を決定しない場合、配送先取得部102や、配送先格納部103、現在位置取得部106、移動決定部107等を設けないようにしてもよい。
【0206】
なお、移動決定部107は、貨物自動車1の移動に関係なく、位置を変更する荷物を決定するようにしてもよい。例えば、積載された順に位置を変更する荷物を決定してもよい。例えば、移動決定部107は、積載された順番が早い荷物から順に、積載された荷物を荷台の荷下位置に移動させる荷物に決定してもよい。具体的には、積載された順番が早い荷物が、貨物自動車1の荷台から、荷下ろしされると、その次に積載された順番が早い荷物を、荷台の荷下位置に移動させるようにしてもよい。
【0207】
また、荷物移動部108は、図示しない次配送受付部等が、次に配送する荷物の荷物識別子をユーザから受け付けた場合に、この荷物を、荷台の荷下位置の近くに移動させるようにしてもよい。
【0208】
なお、上記実施の形態において、配送システム1000が、端末装置2を利用しない場合、端末装置2を省略してもよい。また、配送システム1000が、サーバ装置3を利用しない場合、サーバ装置3を省略してもよい。
【0209】
なお、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0210】
また、上記各実施の形態において、一の装置の2以上の通信手段(荷物識別子受付部や配送順取得部等)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0211】
また、上記各実施の形態において、貨物自動車の各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、格納部(例えば、ハードディスクやメモリ等の記録媒体)にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。
【0212】
なお、上記各実施の形態における貨物自動車の自動保管装置10を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、1または2以上の荷物が積載される荷台を備えた貨物自動車の荷台に積載される荷物の位置を、前記荷台上で自動的に変更する自動保管装置として機能させるためのプログラムである。なお、このプログラムは、自動保管装置10の移動装置1081等が有するハードウェアを制御して、積載された荷物の位置を自動的に変更するプログラムと考えてもよい。
【0213】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0214】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0215】
図13は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による貨物自動車を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0216】
図13において、コンピュータシステム900は、CD-ROM(Compact Disk Read Only MemoRy)ドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0217】
図14は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。
図14において、コンピュータ901は、CD-ROMドライブ905に加えて、MPU(MicRo PRocessing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access MemoRy)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915を備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0218】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による貨物自動車等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM921に記憶されて、CD-ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD-ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0219】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による貨物自動車の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0220】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0221】
以上のように、本発明にかかる貨物自動車等は、複数の荷物を配送する貨物自動車等として適しており、特に、複数の配送先に荷物を配送する貨物自動車等として有用である。
【符号の説明】
【0222】
1 貨物自動車
2 端末装置
3 サーバ装置
10 自動保管装置
11a 荷下位置
101 荷物識別子受付部
102 配送先取得部
103 配送先格納部
104 配送順取得部
105 配送順格納部
106 現在位置取得部
107 移動決定部
108 荷物移動部
1000 配送システム
1081 移動装置
1082 位置格納部
1083 制御部