(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029966
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 9/02 20060101AFI20220210BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20220210BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20220210BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220210BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220210BHJP
【FI】
F21S9/02 200
F21S8/02 430
F21V23/06
F21V23/00 120
F21S9/02 214
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133588
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴留 和幸
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014HA03
(57)【要約】
【課題】セルケースとは別体として設けられた蓄電池側コネクタを備えた蓄電池用セルを使用した場合に、蓄電池側コネクタを安定して保持させることができる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具は、光を照射する光源ユニットと、光源ユニットに電力を供給する電源部と、電源部に接続される蓄電池と、を備えている。蓄電池は、複数の蓄電池用セルと、蓄電池用セルを収容するセルケースと、を有している。蓄電池用セルには、電源部に接続される蓄電池側コネクタがケーブルを介して接続されている。セルケースには、蓄電池用セルを収容した状態で、蓄電池側コネクタを保持するコネクタ保持部が設けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する光源ユニットと、
前記光源ユニットに電力を供給する電源部と、
前記電源部に接続される蓄電池と、を備え、
前記蓄電池は、
複数の蓄電池用セルと、
前記蓄電池用セルを収容するセルケースと、を有しており、
前記蓄電池用セルには、前記電源部に接続される蓄電池側コネクタがケーブルを介して接続されており、
前記セルケースには、前記蓄電池用セルを収容した状態で、前記蓄電池側コネクタを保持するコネクタ保持部が設けられている、照明器具。
【請求項2】
前記コネクタ保持部は、前記セルケースの側面から外方に向かって突き出す一対の壁体として構成されており、一対の壁体の間で前記蓄電池側コネクタを保持する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記コネクタ保持部は、各壁体の内面に互いに向かい合う一対の突起部を有しており、一対の壁体の間に配置した前記蓄電池側コネクタを前記突起部で保持する構成である、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記コネクタ保持部は、各壁体の下端部が、保持した状態の前記蓄電池側コネクタの下端部よりも下方に突き出す長さで形成されている、請求項2又は3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記コネクタ保持部は、各壁体の下端部に、前記セルケースの側面へ向かって凹む切り欠き部が形成されている、請求項2~4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記セルケースは、一面が開口した箱形状のケース本体部と、前記ケース本体部の開口面を塞ぐケース蓋部と、を有しており、
前記ケース蓋部には、前記コネクタ保持部に保持された前記蓄電池側コネクタの周囲を囲って該蓄電池側コネクタの移動を規制するコネクタ蓋部が設けられている、請求項1~5のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電池を備えた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば天井等に設置され、室内空間等の照明空間に光を照射する埋め込み型の非常用照明器具が知られている。例えば特許文献1に開示された照明器具は、光を照射する光源ユニットと、光源ユニットに電力を供給する電源部と、電源部に接続される蓄電池と、を備えている。蓄電池は、複数の蓄電池用セルと、蓄電池用セルを収容するセルケースと、を有している。セルケースには、蓄電池と電源部とを電気的に接続するための蓄電池側コネクタが一体的に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、照明器具には、蓄電池側コネクタがセルケースに一体的に設けられておらず、例えば蓄電池用セルに接続されたケーブルに蓄電池側コネクタが設けられた構成がある。この場合、特許文献1の照明器具では、蓄電池側コネクタがセルケースに一体的に設けられているため、セルケースとは別体として設けられた蓄電池側コネクタを備えた蓄電池用セルを使用することができない。一方で、セルケースとは別体として設けられた蓄電池側コネクタを備えた蓄電池用セルを使用した場合、蓄電池側コネクタを安定して保持させることが問題となる。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、セルケースとは別体として設けられた蓄電池側コネクタを備えた蓄電池用セルを使用した場合に、蓄電池側コネクタを安定して保持させることができる、照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、光を照射する光源ユニットと、前記光源ユニットに電力を供給する電源部と、前記電源部に接続される蓄電池と、を備え、前記蓄電池は、複数の蓄電池用セルと、前記蓄電池用セルを収容するセルケースと、を有しており、前記蓄電池用セルには、前記電源部に接続される蓄電池側コネクタがケーブルを介して接続されており、前記セルケースには、前記蓄電池用セルを収容した状態で、前記蓄電池側コネクタを保持するコネクタ保持部が設けられているものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、セルケースに蓄電池用セルを収容した状態で、蓄電池側コネクタを保持するコネクタ保持部がセルケースに設けられているので、セルケースとは別体として設けられた蓄電池側コネクタを備えた蓄電池用セルを使用した場合であっても、蓄電池側コネクタを安定させて保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る照明器具を照射側から示した斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る照明器具の電源部を示した斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る照明器具の蓄電池を示した斜視図である。
【
図5】実施の形態に係る照明器具の蓄電池の分解斜視図である。
【
図6】実施の形態に係る照明器具の蓄電池の縦断面図である。
【
図7】実施の形態に係る照明器具であって、セルパックをセルケースに収容する手順を示した説明図である。
【
図8】実施の形態に係る照明器具であって、セルパックをセルケースに収容する手順を示した説明図である。
【
図9】実施の形態に係る照明器具であって、セルパックをセルケースに収容する手順を示した説明図である。
【
図10】実施の形態に係る照明器具であって、コネクタ蓋部で蓄電池側コネクタの上部の周囲を囲った部分の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0010】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る照明器具を照射側から示した斜視図である。
図2は、実施の形態に係る照明器具の分解斜視図である。
図1及び
図2を含む各図において、説明の便宜上、X1を上方としX2を下方として説明する。
【0011】
本実施の形態に係る照明器具100は、例えば天井等の被取付面に形成された取付穴に挿入されて設置され、室内空間等の照明空間に光を照射する埋め込み型の非常用照明器具である。照明器具100は、
図1及び
図2に示すように、本体部1と、光源ユニット2と、枠部3と、を備えている。
【0012】
本体部1は、
図1及び
図2に示すように、カバー4と、端子台5と、電源部6と、取付金具7と、蓄電池8と、を有している。カバー4は、例えば板金を筒状に形成した構成である。カバー4の内部には、端子台5、電源部6、取付金具7、蓄電池8及び光源ユニット2が収容されている。カバー4は、天面が塞がっており、下面が開口している。下面の開口部の周囲には、外側に向かって形成された鍔部40が設けられる。鍔部40は、天井等の被取付面に設けられた取付孔の外周に引っ掛けるために設けられている。なお、カバー4は、アルミダイキャスト又は絞りで形成してもよい。
【0013】
カバー4の外側面には、取付バネ42を取り付けるバネ取付部41が2つ設けられている。バネ取付部41は、径方向に対向させて設けられている。取付バネ42は、基端部がバネ取付部41に取り付けられ、先端部が外方に向かって突き出すように設けられている。取付バネ42は、例えばステンレス等の弾性を有する材質であり、帯状の板材を湾曲させて形成した板バネである。天井等の被取付面に本体部1を取り付ける際は、取付バネ42をカバー4に向けた方向に弾性変形させ、取付バネ42と共に本体部1を取付孔に挿入する。その後、カバー4の鍔部40が取付孔の縁部に当接する場所で取付バネ42が元の形状に戻る方向に変形し、本体部1が被取付面に固定される。
【0014】
端子台5は、外部電源に接続された電線(図示せず)と接続され、外部電線から電力が供給される端子を有するものである。端子台5は、外部電源から供給された電力を電源部6へ供給する。外部電源とは、例えば商用電源である。
【0015】
電源部6は、端子台5と図示省略の電線で電気接続されている。電源部6は、端子台5を介して外部から供給される電力を変化させ、光源ユニット2に電力を供給すると共に、蓄電池8を充電するものである。
【0016】
取付金具7は、端子台5と電源部6をカバー4の内部で固定させるために設けられている。取付金具7の上部には、端子台5が固定される。取付金具7の下部には、電源部6が固定される。取付金具7は、端子台5と電源部6とを固定した状態で、カバー4の天面に例えばネジ等の接合部材70によって取り付けられる。
【0017】
蓄電池8は、電源部6に取り付けられ、非常時に照明器具100の電源となるものである。蓄電池8は、電源部6によって充電される。
【0018】
光源ユニット2は、電源部6からの電力供給により点灯する光源(図示省略)と、光学制御部材20と、放熱板21と、熱伝導シート(図示省略)と、ホルダ22と、を有している。光源は、1個又は複数個のLEDが実装された光源基板を有している。光源は、電源部6にハーネス等により電気的に接続されており、電源部6からの電力供給により点灯する。また、光源は、非常時において、蓄電池8を電源とする電源部6からの電力供給により点灯する。
【0019】
光学制御部材20は、具体的にはレンズであり、光源から発光される光を目標の方向に制御するものである。放熱板21は、光源から発生する熱を放熱するものである。放熱板21は、例えばアルミニウム合金といった熱伝導率の高い金属である。熱伝導シートは、光源から発生する熱を放熱板21に伝達するために設けられている。熱伝導シートは、例えばシリコン系材料又はアクリル系材料からなる。ホルダ22は、光源、光学制御部材20、放熱板21及び熱伝導シートを保持した状態で、電源部6に取り付けられる。
【0020】
枠部3は、
図1及び
図2に示すように、円盤状であり、カバー4の下面開口を塞ぐと共に光源ユニット2の下面側を覆うように、カバー4に取り付けられる。枠部3の中央部には、光学制御部材20を露出させる開口部30が形成されている。
【0021】
次に、
図3を参照して電源部6の具体的な構造を説明する。
図3は、実施の形態に係る照明器具の電源部を示した斜視図である。電源部6は、略直方体形状の電源部ケース60の内部に、図示省略の回路基板が収容された構成である。電源部ケース60は、例えばプラスチック、又は適切な絶縁処置が施された金属等で成型されている。
【0022】
電源部ケース60の外面には、蓄電池8が取り付けられる。電源部ケース60は、蓄電池8が取り付けられる側面に、蓄電池8の蓄電池側コネクタ802を接続する電源部側コネクタ61が設けられている。電源部側コネクタ61は、電源部ケース60の下面から上方に向かって内方に凹んだ矩形状の凹部60aの内部に設けられている。電源部側コネクタ61と蓄電池側コネクタ802とは、いずれか一方が他方に挿し込まれて接続される構成である。なお、本実施の形態では、蓄電池側コネクタ802が電源部側コネクタ61に挿し込まれて接続される構成を示している。
【0023】
また、電源部ケース60には、蓄電池8が取り付けられる側面に、蓄電池8を取り付けるための電源部側ガイド部62が設けられている。電源部側ガイド部62は、凹部60aの左右両側に設けられ、電源部ケース60の側面から蓄電池8に向かって突き出す一対のL字状で構成されている。電源部側ガイド部62は、上下方向に沿って長手状に形成されている。また、電源部ケース60には、蓄電池8が取り付けられる側面に、蓄電池8を位置決めして固定するための溝部63が形成されている。
【0024】
回路基板は、光源ユニット2に電力を供給するための電力を生成する電源回路と、蓄電池8を充電する充電回路と、外部電源が停電した際に蓄電池8の電力で光源ユニット2を点灯させる点灯回路と、を備えている。また、回路基板は、蓄電池8により規定の時間の間、光源ユニット2を点灯可能か否か判定する点検回路と、点検動作を開始するためのスイッチと、リモートコントローラにより点検動作を実行するための信号受信部と、を備えている。
【0025】
次に、
図4~
図6を参照して蓄電池8の具体的な構造を説明する。
図4は、実施の形態に係る照明器具の蓄電池を示した斜視図である。
図5は、実施の形態に係る照明器具の蓄電池の分解斜視図である。
図6は、実施の形態に係る照明器具の蓄電池の縦断面図である。蓄電池8は、
図4~
図6に示すように、複数の蓄電池用セル800を纏めたセルパック80と、該セルパック80を収容するセルケース81と、を有している。
【0026】
セルパック80は、複数の蓄電池用セル800と、パッケージ801と、蓄電池側コネクタ802と、ケーブル803と、を備えている。
【0027】
蓄電池用セル800は、円柱形状であり、電源部6から供給される電力を蓄積するものである。
図4~
図6に示すセルパック80では、6つの蓄電池用セル800を、縦列に3つ、横列に2つ配置してパッケージ801で纏めた構成とされている。なお、蓄電池用セル800の個数は、図示した6個に限定されない。
【0028】
パッケージ801は、複数の蓄電池用セル800が一体になるように保護するものである。パッケージ801は、例えば樹脂シートで形成されている。
【0029】
蓄電池側コネクタ802は、電源部側コネクタ61に接続され、蓄電池8と電源部6とを電気的に接続させるものである。蓄電池側コネクタ802は、電源部側コネクタ61に嵌合する箱形状のコネクタ主部802aと、コネクタ主部802aの一端面に設けられたコネクタ鍔部802bと、を有している。コネクタ主部802aの内部には、接続端子として機能する図示省略の金具が収容されている。コネクタ主部802aには、金具と接続するケーブル803が配設されている。また、コネクタ鍔部802bは、電源部側コネクタ61に接続されるコネクタ主部802aの接続部分とは反対側の端面に設けられている。コネクタ鍔部802bは、コネクタ主部802aの外面よりも外方に向かって突き出すように形成されている。また、コネクタ鍔部802bには、ケーブル803を通すための貫通孔が形成されている。
【0030】
ケーブル803は、複数の蓄電池用セル800と蓄電池側コネクタ802の金具とを接続するために設けられている。ケーブル803は、セルパック80と共にセルケース81の内部に収容される。
【0031】
セルケース81は、一面が開口した箱形状のケース本体部810と、セルパック80を内部に収容したケース本体部810の開口面を塞ぐケース蓋部811と、を有している。セルケース81は、電源部6の側面に構造的に取り付けられる。
【0032】
ケース本体部810は、6つの蓄電池用セル800を備えたセルパック80を、隙間がなくきっちりと収納できる大きさで形成されている。セルパック80を安定させて収容させるためである。なお、隙間がないようにとは、追加で蓄電池用セル800を収納できるスペースがない程度のことをいう。
【0033】
ケース本体部810は、電源部6に取り付けられる側面に、蓄電池側コネクタ802を保持するコネクタ保持部82と、電源部6に固定される固定部83と、電源部6の電源部側ガイド部62と係合する蓄電池側ガイド部84と、を有している。
【0034】
コネクタ保持部82は、電源部6に取り付けられるケース本体部810の側面から外方に向かって突出し、上下方向に延びる一対の壁体として構成されている。コネクタ保持部82は、一対の壁体の間に挿し込まれた蓄電池側コネクタ802を保持する。コネクタ保持部82の内壁面には、対向する壁体に向かって突き出し、蓄電池側コネクタ802のコネクタ鍔部802bを支持する一対の突起部82aが設けられている。
【0035】
また、コネクタ保持部82は、突起部82aよりも下方部分が、蓄電池側コネクタ802を電源部側コネクタ61へ挿し込む際に、凹部60aの内側に嵌め込まれる。コネクタ保持部82は、蓄電池側コネクタ802が一対の壁体間に挿入された状態で、その下端部が蓄電池側コネクタ802の下端部よりも下方に突き出す大きさとされ、蓄電池側コネクタ802を電源部側コネクタ61へ所定の位置まで挿し込むと、突き出した下端部が凹部60aの上壁面に突き当たるように構成されている。つまり、コネクタ保持部82は、下端部が凹部60aの上壁面に突き当たることで、蓄電池側コネクタ802を電源部側コネクタ61へ挿し込み過ぎる事態を抑制している。蓄電池側コネクタ802を電源部側コネクタ61へ挿し込み過ぎると、蓄電池側コネクタ802及び電源部側コネクタ61は互いに負荷が掛かって損傷するおそれがあるからである。
【0036】
また、コネクタ保持部82には、突起部82aよりも下方部分において、セルケース81の側面側へ向かって切り欠いた円弧状の切り欠き部82bが形成されている。コネクタ保持部82の下方部分を凹部60aに嵌め込む際に、凹部60aの内部に設けられた他の部材との干渉を抑制するためである。また、蓄電池側コネクタ802を電源部側コネクタ61へ挿し込む際に、その様子を作業者が切り欠き部82bを通じて目視することができる。つまり、切り欠き部82bを設けることにより、蓄電池側コネクタ802を電源部側コネクタ61へ挿し込む際の作業性を向上させることができる。
【0037】
また、コネクタ保持部82の外面には、突起部82aよりも下方部分を広幅とすることで形成された段差部82cが設けられている。段差部82cは、図示例の場合、突起部82aと一体的に設けられている。
【0038】
固定部83は、電源部6に取り付けられた蓄電池8の位置を固定させるために設けられている。固定部83は、弾性性能を有している。固定部83は、ケース本体部810の側面から外方に向かって突き出し、ケース本体部810の側面と略平行に延伸する平板部83aと、電源部ケース60の溝部63に嵌る三角形状の凸部83bと、を有している。平板部83aは、ケース本体部810の側面に向かって弾性変形する。蓄電池8は、電源部6に取り付けられた際に、凸部83bが平板部83aの弾性力によって溝部63に押しつけられて嵌まることで下方向への移動が規制されて電源部6に固定される。
【0039】
蓄電池側ガイド部84は、蓄電池8を電源部6に取り付けるために設けられている。蓄電池側ガイド部84は、ケース本体部810の側面から電源部6に向かって突き出し、電源部側ガイド部62と摺動自在に嵌り合う一対のL字状で構成されている。蓄電池側ガイド部84は、電源部側ガイド部62と同様に、上下方向に沿って長手状に形成されている。蓄電池8は、蓄電池側ガイド部84と電源部側ガイド部62とが嵌り合うことで、電源部6に取り付けることができる。
【0040】
ケース蓋部811は、セルパック80を内部に収容したケース本体部810の開口面を塞ぐものである。ケース蓋部811は、ケース本体部810に着脱自在に取り付けられる。ケース蓋部811には、電源部6に取り付けられる側面に、外方に向かって突き出す矩形状のコネクタ蓋部811aが設けられている。コネクタ蓋部811aは、ケース本体部810のコネクタ保持部82に保持された蓄電池側コネクタ802の上部及びケーブル803を覆って保護するものである。また、コネクタ蓋部811aは、蓄電池側コネクタ802の上部の周囲を、突出する左右の側面及び前端面で囲って、蓄電池側コネクタ802の移動を規制している。
図6に示すように、コネクタ蓋部811aの前端面には、内側の下端部に、コネクタ鍔部802bを突き当てる段差が形成されており、段差で蓄電池側コネクタ802の前方への移動を規制している。つまり、本実施の形態に係る照明器具100では、上記構成を有することで、振動又は衝撃等により、蓄電池側コネクタ802が移動してコネクタ保持部82から外れる事態を抑制することができる。なお、コネクタ蓋部811aの前端面に設けた段差は、必ずしも設ける必要はない。
【0041】
次に、
図7~
図10を参照してセルパック80をセルケース81に収容する手順について説明図する。
図7~
図9は、実施の形態に係る照明器具であって、セルパックをセルケースに収容する手順を示した説明図である。
図10は、実施の形態に係る照明器具であって、コネクタ蓋部で蓄電池側コネクタの上部の周囲を囲った部分の縦断面図である。
【0042】
先ず、
図7に示すように、ケース本体部810からケース蓋部811を取り外し、蓄電池側コネクタ802をコネクタ保持部82の前方に配置させる。そして、ケース本体部810の内部にセルパック80を挿入し、
図8に示すように、前面側から蓄電池側コネクタ802をコネクタ保持部82である一対の壁体間へ挿し込む。蓄電池側コネクタ802は、突起部82aの上面にコネクタ鍔部802bを載置させることで、コネクタ保持部82に保持される。なお、ケーブル803は、コネクタ保持部82とケース本体部810の内部に収容される。
【0043】
そして、
図9及び
図10に示すように、ケース本体部810にケース蓋部811を取り付けて、ケース本体部810の開口面をケース蓋部811で塞ぐ。ケース蓋部811は、その下端面が、コネクタ保持部82の外面に設けられた段差部82cの上面に載置されて支持されている。このとき、蓄電池側コネクタ802は、上部の周囲がコネクタ蓋部811aの左右の側面及び前端面で囲まれて移動が規制されている。
【0044】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100は、光を照射する光源ユニット2と、光源ユニット2に電力を供給する電源部6と、電源部6に接続される蓄電池8と、を備えている。蓄電池8は、複数の蓄電池用セル800と、蓄電池用セル800を収容するセルケース81と、を有している。蓄電池用セル800には、電源部6に接続される蓄電池側コネクタ802がケーブル803を介して接続されている。セルケース81には、蓄電池用セル800を収容した状態で、蓄電池側コネクタ802を保持するコネクタ保持部82が設けられている。よって、本実施の形態に係る照明器具100は、セルケース81とは別体として設けられた蓄電池側コネクタ802を備えた蓄電池用セル800を使用した場合であっても、コネクタ保持部82で蓄電池側コネクタ802を安定させて保持できる。
【0045】
また、コネクタ保持部82は、セルケース81の側面から外方に向かって突き出す一対の壁体として構成されており、一対の壁体の間で蓄電池側コネクタ802を保持する。具体的には、コネクタ保持部82は、各壁体の内面に互いに向かい合う一対の突起部82aを有しており、一対の壁体の間に配置した蓄電池側コネクタ802を突起部82aで保持する構成である。よって、本実施の形態に係る照明器具100は、コネクタ保持部82が簡易な構造なので、コネクタ保持部82に蓄電池側コネクタ802を取り付ける作業が容易であり、更に製造も容易となり製造コストの削減に寄与することもできる。
【0046】
コネクタ保持部82は、各壁体の下端部が、保持した状態の蓄電池側コネクタ802の下端部よりも下方に突き出す長さで形成されている。よって、本実施の形態に係る照明器具100は、コネクタ保持部82の下端部を凹部60aの壁面に突き当てる構成とすることで、蓄電池側コネクタ802を電源部側コネクタ61へ挿し込み過ぎてしまう事態を抑制することができる。
【0047】
コネクタ保持部82は、各壁体の下端部に、セルケース81の側面へ向かって凹む切り欠き部82bが形成されている。よって、本実施の形態に係る照明器具100は、コネクタ保持部82の凹部60aに嵌め込む際に、凹部60aの内部に設けられた他の部材との干渉を抑制することができる。また、蓄電池側コネクタ802を電源部側コネクタ61へ挿し込む際に、その様子を作業者が切り欠き部82bを通じて目視することができるので、作業性を向上させることができる。
【0048】
セルケース81は、一面が開口した箱形状のケース本体部810と、ケース本体部810の開口面を塞ぐケース蓋部811と、を有している。ケース蓋部811には、コネクタ保持部82に保持された蓄電池側コネクタ802の周囲を囲って該蓄電池側コネクタ802の移動を規制するコネクタ蓋部811aが設けられている。よって、本実施の形態に係る照明器具100は、振動又は衝撃等により、蓄電池側コネクタ802が移動してコネクタ保持部82から外れる事態を抑制することができる。
【0049】
以上、実施の形態に基づいて照明器具100を説明したが、照明器具100は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した照明器具100の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよい。また、例えばコネクタ保持部82は、上記構成に限定されず、蓄電池側コネクタ802を保持できる構成であれば、他の形態でもよい。要するに、照明器具100は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【符号の説明】
【0050】
1 本体部、2 光源ユニット、3 枠部、4 カバー、5 端子台、6 電源部、7 取付金具、8 蓄電池、20 光学制御部材、21 放熱板、22 ホルダ、30 開口部、40 鍔部、41 バネ取付部、42 取付バネ、60 電源部ケース、60a 凹部、61 電源部側コネクタ、62 電源部側ガイド部、63 溝部、70 接合部材、80 セルパック、81 セルケース、82 コネクタ保持部、82a 突起部、82b 切り欠き部、82c 段差部、83 固定部、83a 平板部、83b 凸部、84 蓄電池側ガイド部、100 照明器具、800 蓄電池用セル、801 パッケージ、802 蓄電池側コネクタ、802a コネクタ主部、802b コネクタ鍔部、803 ケーブル、810 ケース本体部、811 ケース蓋部、811a コネクタ蓋部。