(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029971
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】コントローラスティック用後付操作具
(51)【国際特許分類】
H01H 3/02 20060101AFI20220210BHJP
F16B 39/12 20060101ALI20220210BHJP
A63F 13/98 20140101ALI20220210BHJP
H01H 25/04 20060101ALN20220210BHJP
【FI】
H01H3/02 C
F16B39/12 Z
A63F13/98
H01H25/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133608
(22)【出願日】2020-08-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2020-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】520296484
【氏名又は名称】株式会社維新ゲーミング
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 裕太
【テーマコード(参考)】
5G031
【Fターム(参考)】
5G031AS07H
5G031GS12
5G031HU02
(57)【要約】
【課題】コントローラスティックの操作高さを所定の範囲でユーザーが希望する任意の高さに調整することができるコントローラスティック用後付操作具を提供する。
【解決手段】機械の操作装置であるコントローラのスティック2の頭部3に着脱可能に取り付けることで、スティック2の操作高さHを変更するための後付操作具であり、スティック2の頭部3に対して着脱可能に装着される取付基部11と、取付基部11から、スティック2の軸線方向上方に伸び、外周に雄ネジ12sを有するロッド部12と、ロッド部12の先端部にネジ結合される操作部13とを備えている。取付基部11と操作部13との間には、ロッド部12にネジ結合しかつ操作部13の下面13dと当接することで、ロッド部12に対する操作部13の位置決めおよび固定を行う位置決めナット14が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械の操作装置であるコントローラ(1)のスティック(2)の頭部(3)に着脱可能に取り付けることで、スティック(2)の操作高さ(H)を変更するための後付操作具であって、
前記スティック(2)の頭部(3)に対して着脱可能に装着される取付基部(11)と、
この取付基部(11)から、前記スティック(2)の軸線方向上方(U)に伸び、外周に雄ネジ(12s)を有するロッド部(12)と、
このロッド部(12)の先端部(12c)にネジ結合される操作部(13)と、
を備えたことを特徴とするコントローラスティック用後付操作具。
【請求項2】
請求項1において、
前記取付基部(11)と操作部(13)との間には、前記ロッド部(12)にネジ結合しかつ操作部(13)の下面(13d)と当接することで、ロッド部(12)に対する操作部(13)の位置決めおよび固定を行う位置決めナット(14)が設けられていることを特徴とするコントローラスティック用後付操作具。
【請求項3】
請求項2において、
前記位置決めナット(14)の厚さ(T1)は、操作部(13)の厚さ(T2)よりも薄いことを特徴とするコントローラスティック用後付操作具。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記位置決めナット(14)の直径(D2)は、前記操作部(13)の最大径(D3)より小さく、前記操作部(13)の位置決めナット(14)との接触面(14d)の直径(D1)よりも大きいことを特徴とするコントローラスティック用後付操作具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラスティック用後付操作具に関するものである。より詳しくは、機械の操作装置であるコントローラ、主として、ゲーム機のコントローラのスティックに後付けして操作高さを調整できるようにするコントローラスティック用後付操作具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願発明者は、すでに、非特許文献1に見られるように、また、本願の
図7に示すように、
ゲーム機用コントローラ1のスティック2の頭部3に着脱可能に取り付けることで、スティックの操作高さを変更することができる後付操作具5を市場に提供している。
【0003】
この後付操作具5は、スティック2の頭部3に対してスティック2の軸線方向上方から着脱可能に装着される取付基部5bと、
この取付基部5bから、前記軸線方向上方に伸びるロッド部5rと、
このロッド部5rの先端部に設けられた操作部5hと、
を備えている。
【0004】
このコントローラスティック用後付操作具5によれば、スティック2の頭部3に装着することによって、スティック2の操作高さを変えることができる。
【0005】
また、
図7(c)に示すように、後付操作具5の頭部5hに対して着脱可能な、厚さ(高さ)の異なる複数のリング6を用意することによって、さらにスティック2の操作高さを変えることができる。
【0006】
しかし、上述した従来のコントローラスティック用後付操作具では、段階的な操作高さの選択は可能であるものの、ユーザーが希望する任意の操作高さに調整することは困難である。
【0007】
なお、特許文献1には、「指1本で操作可能な小型ジョイスティックに設けられる操作桿を掌で操作する場合に、微妙な移動方向や移動量の調整が容易で、操作性の優れた、新規な操作桿カバーを提供する」ことを課題とし、「操作桿の軸方向に沿って延びる柱状部と、柱状部の下端部に形成されかつ操作桿の頭部に装着される装着部と、柱状部の上端部に形成され使用者の掌と当接した状態で吸着する吸盤部を備える」操作桿カバー(同文献要約欄)が記載されている。
【0008】
しかしこのものも、ユーザーが希望する任意の高さに調整することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】”Amazon|GAIMコントローラスティック用後付操作具 RAISコントローラスティック用後付操作具 エイムリングと併用可 エイムフリーク PS4 PCパッドに使用可 国内正規品” インターネット<URL:https://www.amazon.co.jp/dp/B07QHQSVQP>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、コントローラスティックの操作高さを所定の範囲でユーザーが希望する任意の高さに調整することができるコントローラスティック用後付操作具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明のコントローラスティック用後付操作具は、
機械の操作装置であるコントローラのスティックの頭部に着脱可能に取り付けることで、スティックの操作高さを変更するための後付操作具であって、
前記スティックの頭部に対して着脱可能に装着される取付基部と、
この取付基部から、前記スティックの軸線方向上方に伸び、外周に雄ネジを有するロッド部と、
このロッド部の先端部にネジ結合される操作部と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
このコントローラスティック用後付操作具は、機械の操作装置であるコントローラのスティックの頭部に取付基部を取り付けて装着することで、スティックの操作高さを変更することができる。
【0014】
そして、取付基部には、この取付基部からスティックの軸線方向上方に伸び、外周に雄ネジを有するロッド部が設けられ、このロッド部の先端部に、操作部がネジ結合されているので、ロッド部に対して操作部を軸線回りに回動させることで、操作部のロッド部に対する位置を調整し、これによって、操作部の高さを調整することができる。
調整可能な範囲は、操作部のロッド部に対するネジ結合可能な範囲である。
【0015】
以上のように、このコントローラスティック用後付操作具によれば、コントローラスティックの操作高さを所定の範囲(操作部のロッド部に対するネジ結合可能な範囲)でユーザーが希望する任意の高さに調整することができる。
【0016】
このコントローラスティック用後付操作具においては、
前記取付基部と操作部との間には、前記ロッド部にネジ結合しかつ操作部の下面と当接することで、ロッド部に対する操作部の位置決めおよび固定を行う位置決めナットが設けられている構成とすることができる。
【0017】
このように構成すると、ロッド部に対する操作部の位置を決めて固定できるので、操作性が安定する。
【0018】
このコントローラスティック用後付操作具においては、
前記位置決めナットの厚さは、操作部の厚さよりも薄い構成とすることができる。
【0019】
このように構成すると、位置決めナットによって操作部の操作性を安定化させることができると同時に、操作部のロッド部に対するネジ結合可能な範囲を長くし、コントローラスティックの操作高さの調整範囲を大きくすることができる。
【0020】
このコントローラスティック用後付操作具においては、
前記位置決めナットの直径は、前記操作部の最大径より小さく、前記操作部の位置決めナットとの接触面の直径よりも大きい構成とすることができる。
このように構成すると、位置決めナットによって操作部の操作性を安定化させることができると同時に、次のような効果が得られる。
位置決めナットの直径が操作部の最大径より小さいため、位置決めナットが設けられているにもかかわらず、位置決めナットが操作の邪魔になりにくい。
しかも、位置決めナットの直径は、操作部の位置決めナットとの接触面の直径よりも大きいので、位置決めナットを操作しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るコントローラスティック用後付操作具の実施の形態の断面図(
図2(a)における1-1断面図)。
【
図2】同実施の形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図、(e)は背面図、(f)は底面図。
【
図3】同実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は斜め上方から見た斜視図、(c)は斜め下方から見た斜視図。
【
図4】同実施の形態を示す図で、(a)は分解正面図、(b)は斜め上方から見た分解斜視図、(c)は斜め下方から見た分解斜視図。
【
図5】変形例を示す図で、(a)は正面図、(b)は斜め上方から見た斜視図、(c)は斜め下方から見た斜視図。
【
図6】銅片敬礼を示す図で、(a)は分解正面図、(b)は斜め上方から見た分解斜視図、(c)は斜め下方から見た分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るコントローラスティック用後付操作具の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0023】
図1~
図4(主として
図1)に示すように、この実施の形態のコントローラスティック用後付操作具10は、
機械の操作装置であるコントローラ1のスティック2の頭部3(
図1)に着脱可能に取り付けることで、スティック2の操作高さHを変更するための後付操作具であって、
スティック2の頭部3に対して着脱可能に装着される取付基部11と、
この取付基部11から、スティック2の軸線方向上方(
図1において矢印U方向)に伸び、外周に雄ネジ12sを有するロッド部12と、
このロッド部12の先端部12cにネジ結合される操作部13と、
を備えている。
【0024】
例えば
図1に示すように、このコントローラスティック用後付操作具10は、機械の操作装置であるコントローラ(例えばゲーム機用コントローラ)1のスティック2の頭部3に取付基部11を取り付けて装着することで、スティック2の操作高さHを変更することができる。コントローラ1自体のスティック2の操作高さをH1で示す。
【0025】
取付基部11には、この取付基部11からスティック2の軸線方向上方に伸び、外周に雄ネジ12sを有するロッド部12が設けられ、このロッド部12の先端部12cに、操作部13がネジ結合されているので、ロッド部12に対して操作部13を軸線回りに回動させることで、操作部13のロッド部12に対する軸線方向の位置を調整し、これによって、操作部13の高さHを調整することができる。
【0026】
調整可能な範囲は、操作部13のロッド部12に対するネジ結合可能な範囲である。
図1に示すものの場合、調整可能な範囲は略Aで示す範囲である。
【0027】
以上のように、このコントローラスティック用後付操作具によれば、コントローラスティック2の操作高さHを所定の範囲(操作部13のロッド部12に対するネジ結合可能な範囲)でユーザーが希望する任意の高さに調整することができる。
【0028】
取付基部11と操作部13との間には、ロッド部12にネジ結合しかつ操作部13の下面13dと当接することで、ロッド部12に対する操作部13の位置決めおよび固定を行う位置決めナット14が設けられている。
【0029】
このように構成すると、ロッド部12に対する操作部13の位置を位置決めナット14で決めて固定できるので、操作性が安定する。
仮に、位置決めナット14が設けられていないとしたならば、操作部13の操作で操作部13がロッド部12回りに回動して操作高さが変動してしまうおそれがある。
これに対し、位置決めナット14を設けることで、ロッド部12に対する操作部13の位置を固定できるので、操作性が安定する。
【0030】
位置決めナット14の厚さT1は、操作部13の厚さT2よりも薄くする。
【0031】
このように構成すると、位置決めナット14によって操作部13の操作性を安定化させることができると同時に、操作部13のロッド部12に対するネジ結合可能な範囲を長くし、コントローラスティック2の操作高さHの調整範囲を大きくすることができる。
【0032】
図4(a)に示すように、位置決めナット14の直径D2は、操作部13の最大径D3より小さく、操作部13の位置決めナット14との接触面14dの直径D1よりも大きくする。
【0033】
このように構成すると、位置決めナット14によって操作部13の操作性を安定化させることができると同時に、次のような効果が得られる。
【0034】
位置決めナット14の直径D2が操作部13の最大径D3より小さいため、位置決めナット14が設けられているにもかかわらず、
図1~
図3からも分かるように、位置決めナット14が操作の邪魔になりにくい。
しかも、位置決めナット14の直径D2は、操作部13の位置決めナット14との接触面の13d直径D1よりも大きいので、位置決めナット14を操作しやすい。
【0035】
取付基部11は、スティック2の軸線方向上方からスティック2の頭部3に嵌め合わせることで装着可能な円板状のものであり、円周部から下方に伸びる複数(
図1のものは3つ)の爪(フック)11fでスティック2の頭部3を把持することで着脱可能に取り付けられる。
【0036】
この実施の形態のロッド部12は、取付基部11と一体に構成されているが別体で構成することもできる。
ロッド部12を取付基部11と別体で構成した場合、ロッド部12は取付基部11に対してネジ結合で着脱可能に取り付ける。
【0037】
ロッド部12の高さは適宜設定できる。
ロッド部12の高さを異にする複数の取付基部11を用意することで、ユーザーが好みの高さのものを選択して利用することができるようにすることができる。
【0038】
ロッド部12を取付基部11と別体に構成した場合には、高さ(長さ)の異なる複数のロッド部12を用意することで、ユーザーが好みの高さのものを選択して取付基部11にネジ結合して利用することができるようにする。
【0039】
操作部13は、ロッド部12の先端部12cにネジ結合可能な構造で、かつユーザーの手指による操作が可能な形状であれば、適宜の形状のものを採用することができる。
【0040】
図1に示す操作部13は、上部が下方に凹んだ凹状の円板状となっているが、例えば、
図5,
図6に示すように、上部が上方に膨らんだ円板状とすることもできる。
その他、図示はしないが球形等、適宜の形状とすることができる。
【0041】
操作高さHの調整可能な範囲Aは、操作部13のロッド部12に対するネジ結合可能な範囲を変えることで変更することができる。
【0042】
例えば、操作部13の雌ネジ穴13s(
図1,
図4(c))の深さを変えることで変更することができる。
【0043】
例えば、
図5,
図6に示したように、操作部13を、上部が上方に膨らんだ円板状とすることにより、雌ネジ穴13sの深さを長くしやすくなる。
【0044】
また、
図1に示す雌ネジ穴13sは、非貫通穴であるが、これを貫通穴とし、ロッド部12の先端部12cが、操作の邪魔にならない範囲で操作部13の上面に露出するようにすることもできる。
【0045】
位置決めナット14は、ロッド部12にネジ結合しかつ操作部13の下面13dと当接することで、ロッド部12に対する操作部13の位置決めおよび固定を行うことができる構造のものであれば任意の形状のものを採用できるが、前述したように、厚さT1は、操作部13の厚さT2よりも薄くし、直径D2は、操作部13の最大径D3より小さく、操作部13の位置決めナット14との接触面14dの直径D1よりも大きくすることが望ましい。
【0046】
以上のようなコントローラスティック用後付操作具1の各部は、それぞれ適宜の材料、例えば、合成樹脂、金属等で構成することができる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0048】
1: コントローラ
2: スティック
3: 頭部
10: コントローラスティック用後付操作具
11: 取付基部
12: ロッド部
13: 操作部
14: 位置決めナット