(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030053
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】シールド板装置
(51)【国際特許分類】
A47C 7/74 20060101AFI20220210BHJP
【FI】
A47C7/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133791
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】591172157
【氏名又は名称】信菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169188
【弁理士】
【氏名又は名称】寺岡 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】福与 知広
(72)【発明者】
【氏名】久保田 秀文
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084JA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特に、バスまたは、新幹線等の電車、劇場等の密閉空間において、隣接する座席間での飛沫感染を抑制できるシールド板装置を提供する。
【解決手段】第1の板10と第2の板11とを有し、第1の板10の端部には、その板面の2つ以上の孔と、第2の板11の端部には、その板面と実質的に垂直の溝であって、孔の2つ以上と係合するものと、第2の板11の端部には、その板面の一部となる板面の平行方向に突出する、1つ以上の凸部であって、孔の1つ以上に挿入するものと、を有している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の板と第2の板とを有し、
前記第1の板の端部には、その板面の2つ以上の孔と、
前記第2の板の端部には、その板面と実質的に垂直の溝であって、前記孔の2つ以上と係合するものと、
前記第2の板の端部には、その板面の一部となる前記板面の平行方向に突出する、1つ以上の凸部であって、前記孔の1つ以上に挿入するものと、
を有している、シールド板装置。
【請求項2】
第4の板と第5の板とを有し、
前記第4の板には、その板面と実質的に垂直の第1の溝と、
前記第5の板には、その板面と実質的に垂直の第2の溝であって、前記第1の溝と係合するものと、
を有している、シールド板装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のシールド板装置であって、
第1の板または第2の板、もしくは第4の板または第5の板のそれぞれ一方の板を座席の背もたれに固定し、
前記一方の板以外の他方の板を、その座席と隣り合う座席の間に配置する、
シールド板装置。
【請求項4】
請求項3記載のシールド板装置であって、前記一方の板を固定した座席の背もたれ以外の、前記座席の背もたれに、板部材を固定する、
シールド板装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的な感染症の蔓延によって、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を人間の間に設けて、社会生活をすることが想定される。しかし、飛沫感染を抑制するためには、ソーシャルディスタンスを設けるだけでは、十分ではない。特に、バスまたは、新幹線等の電車、劇場等の密閉空間では、隣接する座席間で飛沫感染が生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、あまりにも飛沫感染をおそれて、特許文献1のようなフェイスシールドを人間1人1人が装着するような社会生活では、社会生活がつまらなくなる上に、息苦しい。
【0005】
そこで本発明の目的は、特に、バスまたは、新幹線等の電車、劇場等の密閉空間において、隣接する座席間での飛沫感染を抑制できるシールド板装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のシールド板装置は、第1の板と第2の板とを有し、第1の板の端部には、その板面の2つ以上の孔と、第2の板の端部には、その板面と実質的に垂直の溝であって、孔の2つ以上と係合するものと、第2の板の端部には、その板面の一部となる板面の平行方向に突出する、1つ以上の凸部であって、孔の1つ以上に挿入するものと、を有している。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のシールド板装置は、第4の板と第5の板とを有し、第4の板には、その板面と実質的に垂直の第1の溝と、第5の板には、その板面と実質的に垂直の第2の溝であって、第1の溝と係合するものと、を有している。
【0008】
ここで、第1の板または第2の板、もしくは第4の板または第5の板のそれぞれ一方の板を座席の背もたれに固定し、一方の板以外の他方の板を、その座席と隣り合う座席の間に配置することとしても良い。
【0009】
また、一方の板を固定した座席の背もたれ以外の、座席の背もたれに、板部材を固定することしても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、特に、バスまたは、新幹線等の電車、劇場等の密閉空間において、隣接する座席間での飛沫感染を抑制できるシールド板装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施の形態に係る第1の板の平面図である。
【
図2】第1の実施の形態に係る第2の板の平面図である。
【
図3】第1の実施の形態に係る第1の板と第2の板とを、結合させた様子を示した図である。
【
図4】座席の背もたれに、第1の実施の形態に係る第1の板と第2の板が結合したものを取り付けた様子と、第1の実施の形態に係る第3の板を取り付けた様子を示した模式図である。
【
図6】座席の背もたれに、第2の実施の形態に係る第4の板と第2の板が結合したものを取り付けた様子と、第2の実施の形態に係る第6の板を取り付けた様子を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態に係るシールド板装置の構成)
以下、第1の実施の形態について、図面に基づいて説明する。第1の実施の形態に係るシールド板装置は、
図1および
図2に示すように、第1の板10と第2の板11とを有している。第1の板10は、厚み0.5mmのポリエチレンテレフタレート製で、輪郭が丸みを帯びた四角形である。また、その四角形の一つの隅は、丸みを帯びた四角形に切り取った形状に抉れた抉れ部20を有している。抉れ部20に隣接して、第1の板10の端部に、溝孔21,22および溝孔23の3つの溝孔が形成されている。これらの溝孔21,22,23は、同一直線上に溝孔が形成されている。溝孔23は、溝孔21,22よりも溝の長さが短い。
【0013】
第2の板11は、厚み3mmのポリカーボネイト製で、輪郭が丸みを帯びた四角形である。そして第2の板11の端部には、凸部31,32,33を有している。凸部31,32には、その板面と実質的に垂直の溝34,35を有している。また、第2の板11には、座席の背もたれのネジ孔に固定するための一組の固定孔36a,36bと、もう一組の固定孔36c,36dを有している。
【0014】
この第1の板10と第2の板11とを、結合させる方法を
図3に基づいて説明する。まず、第1の板10の溝孔21,22の図面における右端と、第2の板11の、溝34,35とを係合する。次にその係合状態を維持するために、第1の板10の溝孔23に第2の板11の凸部33を挿入する。
【0015】
ここで、第1の板10の板厚は、第2の板11の、溝34,35の溝幅と同一である。そのため、第1の板10の溝孔21,22の図面における右端と、第2の板11の、溝34,35とは、隙間無く係合している。また、第1の板10の溝孔23の寸法と、第2の板11の凸部33の縦横の寸法は同一である。そのため、第1の板10の溝孔23に第2の板11の凸部33が隙間無く挿入している。
【0016】
また、
図3に示す第2の板11の凸部33は、第2の板11の端部の、凸部31,32よりも高さ、つまり第1の板10の溝孔23から突出する(第2の板11の板面の一部となる板面の平行方向に突出すること
図2:突出方向:M)凸部33の寸法は、第2の板11の端部の、凸部31,32が第1の板10の溝孔21,22から突出する寸法よりも大きい。これは、第1の板10の溝孔21,22の図面における右端と、第2の板11の、溝34,35とを係合する際に、第1の板10を撓ませ、溝孔23の突出方向Mの凸部33を超えなければならないため、それを容易にするためである。
【0017】
図4は第1の板10または第2の板11の一方の板(第2の板11)を座席の背もたれ40,41に固定し、一方の板以外の他方の板(第1の板10)を、その座席と隣り合う座席の間に配置した図である。
図4では、第1の板10と第2の板11とが結合していないように描写しているが、第1の板10と第2の板11とが
図3に示すように結合している。
【0018】
また、
図4は、第1の実施の形態に係るシールド板装置1を、隣り合う座席の背もたれ40,41に取り付けた状態を示している。厳密に言うと、座席の背もたれ40に第2の板11を取り付け、第1の実施の形態に係るシールド板装置1を固定し、座席の背もたれ41に第3の板12を取り付けている。取り付け方は、取っ手42,43のネジ(図示省略)を孔36a,36b,36c,36d,44a,44b,44c,44dに挿入し、それら合計8本のネジをネジ孔(図示省略)にネジ結合する。
【0019】
第1の実施の形態に係るシールド板装置1を、隣り合う座席の背もたれ40に取り付けると、第1の板10が、座席の背もたれ40と、座席の背もたれ41の空間を仕切るようにシールドする。また、座席の背もたれ41に固定された第3の板12は、座席の背もたれ41の前後の空間を仕切るようにシールドする。
図4は、第2の板11(一方の板)を固定した座席の背もたれ40以外の、座席の背もたれ41に、第3の板12(板部材)を固定する図である。
【0020】
図5に第3の板12の平面図を示す。第3の板12は、第2の板11の凸部31,32,33を無くした以外は第2の板11と同一の構成である。第2の板11の孔36a,36b,36c,36dの代わりに、それらと同じ位置に孔44a,44b,44c,44dが存在している。
【0021】
(第2の実施の形態に係るシールド板装置の構成)
以下、第2の実施の形態に係るシールド板装置2について、
図6に基づいて説明する。第2の実施の形態に係るシールド板装置2は、第4の板13と第5の板14とを有している。第4の板13には、その板面と実質的に垂直の第1の溝50を有している。第5の板14は、その板面と実質的に垂直の第2の溝61であって、第1の溝50と係合するものと、を有している。
【0022】
図6は第4の板13または第5の板14の板の一方の板(第5の板14)を乗り物の座席の背もたれ40,41に固定し、一方の板以外の他方の板(第4の板13)を、その座席と隣り合う座席の間に配置した図である。
【0023】
この第1の溝50と第2の溝61とが係合することで、第2の実施の形態に係るシールド板装置2が完成する。なお、
図6は、第1の溝50と第2の溝61とが係合する前の状態を示している。そのシールド板装置2を座席の背もたれ41に固定するためには、シールド板装置1と同様の方法を採用する。すなわち、取り付け方は、取っ手43のネジ(図示省略)を孔62a,62b,62c,62dに挿入し、それら合計4本のネジをネジ孔(図示省略)にネジ結合する。
【0024】
なお、第5の板14は、第2の板11とは違い、若干、座席の背もたれ40側に幅広になっている。これは、第2の溝61の位置を座席の背もたれ40と座席の背もたれ41の間にして、第4の板13がそこから第5の板14の板面に対して実質的に垂直に突出させるためである。第4の板13がそこから第5の板14の板面に対して実質的に垂直に突出させるためには、第1の溝50の溝幅を第5の板14の板厚と実質的に同一とし、第2の溝61の溝幅を第4の板13の板厚と実質的に同一にすることも要する。
【0025】
また、座席の背もたれ40に固定される第6の板15は、第5の板14と干渉しないように、第2の板11とは違い、若干、幅狭になっている。第6の板15を座席の背もたれ40に固定するためには、シールド板装置1と同様の方法を採用する。すなわち、取り付け方は、取っ手42のネジ(図示省略)を孔71a,71b,71c,71dに挿入し、それら合計4本のネジをネジ孔(図示省略)にネジ結合する。
【0026】
図6は、第4の板13(一方の板)を隣り合う座席の背もたれ41以外の、座席の背もたれ40に、第6の板15(板部材)を固定する図である。
【0027】
第6の板15の材質、板厚、孔71a,71b,71c,71d等の構成は、若干、幅狭になっている以外は、第2の板11と同様である。また、第5の板14の構成は、若干、幅広になっていること、第2の溝61が存在していること以外は第3の板12と同様である。第4の板13は、材質、板厚に関しては、第1の板10と同様である。
【0028】
なお、第4の板13には、第1の溝50に第2の溝61が係合しやすくなるよう、第1の溝50の延長上51に縁63が沿うことのできる部分を有している。また、第1の溝50の延長上51の下部には、抉れ部52が形成されている。
【0029】
(本実施の形態によって得られる主な効果)
第1から第2の実施の形態では、特に、バスまたは、新幹線等の電車、劇場等の密閉空間において、隣接する座席間での飛沫感染を抑制できるシールド板装置1,2を提供することができた。
【0030】
図4、
図6は第1の板10または第2の板11の板、第4の板13または第5の板14のそれぞれ一方の板を座席の背もたれ40,41に固定し、一方の板以外の他方の板を、その座席と隣り合う座席の間に配置した図である。このような構成は、隣り合う座席が3つ以上あるときも適用できる。たとえば、隣り合う座席が3つの場合に、一方の板を2つの座席の背もたれに固定し、他方の板を隣り合う座席の間に2つ配置することができる。
【0031】
図4、
図6は第1の板10または第2の板11の板、第4の板13または第5の板14のそれぞれ一方の板を固定した座席の背もたれ40,41以外の、座席の背もたれに、第3の板12、第6の板15(板部材)を固定する図である。このような構成は、隣り合う座席が3つ以上あるときも適用できる。たとえば、隣り合う座席が3つの場合に、一方の板を2つの座席の背もたれに固定し、残りの1つの座席の背もたれに板部材を固定することができる。
【0032】
第1から第2の実施の形態では、特に、バスまたは、新幹線等の電車等の座席の背もたれ40,41のたとえば、取っ手42,43のネジ孔に、孔71a,71b,71c,71d,62a,62b,62c,62d,44a,44b,44c,44d,36a,36b,36c,36dを重ねて、孔71a等を取っ手42,43と座席の背もたれ40,41で挟んでネジ結合することで、第2の板11,第3の板12,第5の板14および第6の板15を座席の背もたれ40,41に固定できる。座席の背もたれ40,41の取っ手42,43のネジ孔の位置は、高速バス等では略全国的に統一されているため、座席の背もたれ40,41の取っ手42,43のネジ孔の位置を基準に、シールド板装置1,2を固定するのは有利な設計である。
【0033】
また、第1の板10,第4の板13は、厚み0.5mmのポリエチレンテレフタレートである。そのため、可撓性があり、人間の間に配置しても、邪魔にならない。また、第1の板10,第4の板13は、厚みが薄いため、その形成にトムソン型等の製造コストの小さい型を用いることができる。大凡、トムソン型を使うことができるのは、厚みが1.5mm以下の板に対してであると言われている。また、第1の板10,第4の板13の輪郭が丸みを帯びた四角形であるのは、人間の間に配置したときに、その丸みが人間に対して優しく接触するとともに、トムソン型等の寿命を延ばす効果がある。
【0034】
また、第1の実施の形態に係るシールド板装置1は、第1の板10に抉れ部20を有している。そのため、座席の背もたれ40,41に挟まれない第1の板10の部分を作ることができ、第1の板10の可撓性をより発揮することができる。また、第2の実施の形態に係るシールド板装置2の、第4の板13に形成された抉れ部52も、第1の実施の形態に係るシールド板装置1の第1の板10に形成された抉れ部20と同様の機能を有する。
【0035】
第1の実施の形態に係るシールド板装置1の、第1の板10と第2の板11とを、結合させる方法は、
図3に示すように、まず、第1の板10の溝孔21,22の図面における右端と、第2の板11の、溝34,35とを係合する。次にその係合状態を維持するために、第1の板10の溝孔23に第2の板11の凸部33を挿入する。このような簡単な操作で第1の板10と第2の板11とを、結合させることができる。そのため、第1の板10だけを交換して、汚れた第1の板10を新たに組み込むことも容易である。
【0036】
また、第2の実施の形態に係るシールド板装置2の、第4の板13と第5の板14とを、結合させる方法は、第4の板13の、板面と実質的に垂直の第1の溝50と、第5の板14の板面と実質的に垂直の第2の溝61を、係合させる。このように、第2の実施の形態に係るシールド板装置2の、第4の板13と第5の板14とを、結合させる方法は、第1の実施の形態に係るシールド板装置1の、第1の板10と第2の板11とを、結合させる方法よりも簡単である。そのため、第1の実施の形態に係るシールド板装置1の、第1の板10に相当する、第2の実施の形態に係るシールド板装置2の、第4の板13を交換して、汚れた第1の板10を新たに組み込むことが、より容易である。
【0037】
また、第4の板13には、第1の溝50に第2の溝61が係合しやすくなるよう、第1の溝50の延長上51に縁63が沿うことのできる部分を有している。第1の溝50の延長上51に縁63を滑らせることで、スムーズに第1の溝50と溝61とを係合させることができる。
【0038】
また、第1の板10の板厚は、第2の板11の、溝34,35の溝幅と同一である。そのため、第1の板10の溝孔21,22の図面における右端と、第2の板11の、溝34,35とは、隙間無く係合している。また、第1の板10の溝孔23の寸法と、第2の板11の凸部33の縦横の寸法は同一である。そのため、第1の板10の溝孔23に第2の板11の凸部33が隙間無く挿入している。このように、隙間無く係合させたり、隙間無く挿入することで、結合力の高い係合および挿入が可能となる。
【0039】
(他の形態)
上述した本実施の形態に係るシールド板装置1から2は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変形実施が可能である。
【0040】
第1の実施の形態に係るシールド板装置1の、第3の板12、および第2の実施の形態に係るシールド板装置2の、第6の板15は、必須の構成要素ではないため、省略することができる。
【0041】
また、第1の実施の形態に係るシールド板装置1の第1の板10に形成された抉れ部20と、第2の実施の形態に係るシールド板装置1の、第4の板13に形成された抉れ部52も、必須の構成要素ではないため、省略することができる。また、第1の板10,第4の板13の輪郭が丸みを帯びた四角形であるが、これも、必須の構成要素ではないため、省略することができる。
【0042】
また、第1から第2の実施の形態では、特に、バスまたは、新幹線等の電車等の座席の背もたれ40,41のたとえば、取っ手42,43のネジ孔に、孔71a,71b,71c,71d,62a,62b,62c,62d,44a,44b,44c,44d,36a,36b,36c,36dを重ねて、孔71a等を取っ手42,43と座席の背もたれ40,41で挟んでネジ結合することで、第2の板11,第3の板12,第5の板14および第6の板15を座席の背もたれ40,41に固定している。しかし、必ずしも座席の背もたれ40,41の取っ手42,43ネジ孔に、第2の板11,第3の板12,第5の板14および第6の板15を固定する必要はない。
【0043】
また、第1の板10,第4の板13は、厚み0.5mmのポリエチレンテレフタレートであるため、可撓性がある。しかし、第1の板10,第4の板13は、必ずしも可撓性を必要とはしない。逆に、第2の板11,第3の板12,第5の板14および第6の板15は、厚み3mmのポリカーボネイト製の板で、殆ど可撓性が無いと言えるが、可撓性があっても良い。また、第2の板11,第3の板12,第5の板14および第6の板15を可撓性のある複数の板を重ね合わせて、たとえば、厚み3mm等の可撓性の少ない、硬い板としても良い。可撓性のある複数の板を重ね合わせる利点は、各々の可撓性のある板を形成する際に、トムソン型等の製造コストの小さい型を用いることができる点である。
【0044】
また、第1の板10,第4の板13は、厚み0.5mmのポリエチレンテレフタレートであり、第2の板11,第3の板12,第5の板14および第6の板15は、厚み3mmのポリカーボネイト製の板である。しかし、板の材質、厚み等は、限定されない。ここで、板の材質は、他の樹脂、金属、木材等としても良い。
【0045】
また、第1の板10の溝孔21,22および溝孔23の数、形状、配置は、変更可能である。たとえば、溝孔21,22のうち、一つの溝孔を省略しても良い。また、たとえば、溝孔21,22と同様の溝孔を3つ以上配置し、溝孔23と同様の溝孔を2つ以上配置しても良い。
【0046】
また、
図3に示す第2の板11の凸部33は、第2の板11の端部の、凸部31,32よりも高さ、つまり第1の板10の溝孔23から突出する凸部33の寸法は、第2の板11の端部の、凸部31,32が第1の板10の溝孔21,22から突出する凸部33の寸法よりも大きい。しかし、そのような構成は、採用する必要はなく、たとえば、凸部33は、凸部31,32と高さを同等にするか、凸部31,32よりも高さを高くしても良い。
【0047】
第4の板13には、第1の溝50に第2の溝61が係合しやすくなるよう、第1の溝50の延長上51に縁63が沿うことのできる部分を有している。しかし、このようなガイド(延長上51)のような部分は、必須の構成要素ではないため、省略することができる。
【0048】
さらに、第5の板14は、第2の板11とは違い、若干、座席の背もたれ40側に幅広になっている。また、第6の板15は、第5の板14と干渉しないように、第2の板11とは違い、若干、幅狭になっている。しかし、このような構成は、必須の構成要素ではないため、省略することができる。
【0049】
また、第1の板10の板厚は、第2の板11の、溝34,35の溝幅と同一である。そのため、第1の板10の溝孔21,22の図面における右端と、第2の板11の、溝34,35とは、隙間無く係合している。また、第1の板10の溝孔23の寸法と、第2の板11の凸部33の縦横の寸法は同一である。そのため、第1の板10の溝孔23に第2の板11の凸部33が隙間無く挿入している。このように、隙間無く係合させたり、隙間無く挿入することで、結合力の高い係合および挿入が求められない場合には必要ない。また、より結合力の高い係合および挿入が求められる場合には、たとえば、第1の板10の板厚を、第2の板11の、溝34,35の溝幅よりも僅かに大きくするようにし、無理やり係合することができる。
【0050】
また、
図4および
図6に示すように、座席の背もたれ41は座席の背もたれ40よりも若干後ろに倒している。このような、隣り合う座席の背もたれ40,41が後ろに倒す度合いが異なると、隣り合う座席の間に隙間ができ、その隙間から飛沫が通りやすくなる可能性が高くなる。その隙間から飛沫が通り難くするためには、たとえば、
図4の第2の板11の右端と第3の板の左端をビニールシートまたはゴム膜等で繋げて、その隙間を遮断する等することが好ましい。
【符号の説明】
【0051】
1,2 シールド板装置
10 第1の板(他方の板)
11 第2の板(一方の板)
12 第3の板(板部材)
13 第4の板(他方の板)
14 第5の板(一方の板)
15 第6の板(板部材)
21,22,23 孔(溝孔)
31,32,33 凸部
34,35 溝
50 第1の溝
61 第2の溝