(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030122
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム及び管理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20220210BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20220210BHJP
H04N 5/247 20060101ALI20220210BHJP
G06Q 10/00 20120101ALI20220210BHJP
【FI】
H04N5/232 290
H04N5/77
H04N5/247
H04N5/232 300
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133903
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】秦 由季
【テーマコード(参考)】
5C122
5L049
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122EA07
5C122FH21
5C122GA20
5C122GA21
5C122GC14
5C122GC52
5C122HA85
5C122HB01
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】情報漏洩を抑制できる管理装置、管理システム及び管理方法を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、管理装置は、位置データ生成部と、マスキング部と、を具備する。位置データ生成部は、機密情報を表示する1つ以上の情報表示媒体が撮影された撮影データに基づいて情報表示媒体の位置を特定する位置データを生成する。マスキング部は、位置データ及び撮影データに基づいて、情報表示媒体に表示された機密情報のすべてのマスキングを実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機密情報を表示する1つ以上の情報表示媒体が撮影された撮影データに基づいて前記情報表示媒体の位置を特定する位置データを生成する位置データ生成部と;
前記位置データ及び前記撮影データに基づいて、前記情報表示媒体に表示された前記機密情報のすべてのマスキングを実行するマスキング部と;
を具備する、管理装置。
【請求項2】
機密情報を表示する1つ以上の情報表示媒体が撮影された撮影データが有する複数のフレームを含む動画データから選択された基準フレームに基づいて、前記情報表示媒体の位置を特定する位置データを生成する位置データ生成部と;
前記位置データ及び前記動画データに基づいて、前記情報表示媒体に表示された前記機密情報のマスキングを実行するマスキング部と;
を具備する、管理装置。
【請求項3】
前記位置データ生成部は、複数の前記フレームの一部であるフレーム群から選択される前記基準フレームに基づいて前記位置データを生成し、
前記マスキング部は、前記位置データ及び前記動画データに基づいて、前記フレーム群に含まれる前記機密情報のマスキングを実行する、
請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記機密情報のマスキングが実行された前記撮影データを処理装置に送信する管理部を具備する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記機密情報のマスキングが実行された前記撮影データをマスキングデータとして記憶する記憶部を具備し、
前記管理部は、前記マスキングデータの中から指定された要求マスキングデータを示す指定情報を、前記処理装置から取得し、
前記管理部は、前記指定情報に基づいて、前記要求マスキングデータを前記処理装置に送信する、
請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の管理装置と、前記撮影データを生成する撮像部とを備え、
前記撮像部は、前記情報表示媒体が設けられる場所において、鉛直方向について前記情報表示媒体より高い位置に設置される、
管理システム。
【請求項7】
機密情報を表示する情報表示媒体が撮影された撮影データに基づいて、前記情報表示媒体の位置を特定する位置データを生成することと;
前記位置データ及び前記撮影データに基づいて、前記情報表示媒体に表示された前記機密情報のすべてのマスキングを実行することと;
を含む、管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラにより記録されたデータは、データの所有者等の特定の人物や警備会社等の特定の業者において、すなわち限定された範囲内において閲覧されることが多かった。近年、解析技術の発展にともなって、ディープラーニング等を利用した解析を専門に行う業者など、これまでこれらのデータを閲覧することがなかった範囲の人物や業者までが、これらのデータを閲覧することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-36812号公報
【特許文献2】国際公開第2020/045598号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように、多数の人物や業者が撮影内容データを閲覧することがあるため、これらのデータに記録された多数の情報からの情報漏洩を抑制することが求められている。例えば、これらのデータに含まれるパソコンやタブレットのモニタ画面、プロジェクタの投影画像等から、企業の機密情報の漏洩を抑制することが求められている。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、情報漏洩を抑制できる管理システム及び管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、管理装置は、位置データ生成部と、マスキング部と、を具備する。位置データ生成部は、機密情報を表示する1つ以上の情報表示媒体が撮影された撮影データに基づいて情報表示媒体の位置を特定する位置データを生成する。マスキング部は、位置データ及び撮影データに基づいて、情報表示媒体に表示された機密情報のすべてのマスキングを実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報漏洩を抑制できる管理装置、管理システム及び管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る管理システムの使用場所の一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る管理システムを使用した一例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る管理システムの一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る管理システムにおいて、処理装置から管理装置に撮影データが送信された場合に、管理装置が実行する処理を示すフローチャートの一例である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る管理システムにおいて、マスキングデータを指定する指定情報がマスキングデータの利用者の処理装置を介して送信された場合に、管理装置が実行する処理を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の管理装置(203)は、位置データ生成部(208)と、マスキング部(206)と、を具備する。位置データ生成部(208)は、機密情報を表示する1つ以上の情報表示媒体(102)が撮影された撮影データに基づいて、情報表示媒体(102)の位置を特定する位置データを生成する。マスキング部(206)は、位置データ及び撮影データに基づいて、情報表示媒体(102)に表示された機密情報のすべてのマスキングを実行する。これにより、情報表示媒体に表示された機密情報がマスキングされるため、機密情報の漏洩を抑制することができる。
【0010】
実施形態の管理装置(203)では、位置データ生成部(208)と、マスキング部(206)と、を具備する。位置データ生成部(208)は、機密情報を表示する1つ以上の情報表示媒体(102)が撮影された撮影データが有する複数のフレームを含む動画データから選択された基準フレームに基づいて、情報表示媒体(102)の位置を特定する位置データを生成する。マスキング部(206)は、位置データ及び動画データに基づいて、情報表示媒体(102)に表示された機密情報のマスキングを実行する。これにより、情報表示媒体に表示された機密情報がマスキングされるため、動画データからの機密情報の漏洩を抑制できる。
【0011】
実施形態の管理装置(203)では、位置データ生成部(208)は、複数のフレームの一部であるフレーム群から選択される基準フレームに基づいて位置データを生成する。マスキング部(206)は、位置データ及び動画データに基づいて、フレーム群に含まれる機密情報のマスキングを実行する。これにより、動画データにおける機密情報が、基準フレームに基づいてマスキングされる。よって、動画データにおける機密情報が効率よくマスキングされる。
【0012】
実施形態の管理装置(203)は、管理部(205)を具備する。管理部(205)は、機密情報のマスキングが実行された撮影データを処理装置(202)に送信する。これにより、第3者が、機密情報がマスキングされたマスキングデータを、利用可能となる。
【0013】
実施形態の管理装置(203)は、記憶部(207)を具備する。記憶部(207)は、機密情報のマスキングが実行された撮影データをマスキングデータとして記憶する。管理部(205)は、マスキングデータの中から指定された要求マスキングデータを示す指定情報を、処理装置(202)から取得する。管理部(205)は、指定情報に基づいて、要求マスキングデータを処理装置(202)に送信する。これにより、マスキングデータの利用者は、指定したマスキングデータを利用可能となる。
【0014】
実施形態の管理システム(200)は、管理装置(203)と、撮影データを生成する撮像部(204)と、を備える。撮像部(204)は、情報表示媒体(102)が設けられる場所(101)において、鉛直方向について情報表示媒体(102)より高い位置に設置される。これにより、撮像部は、撮像部の設置場所においてより広い範囲を撮影可能となる。
【0015】
実施形態の管理方法では、機密情報を表示する情報表示媒体(102)が撮影されたデータに基づいて、情報表示媒体(102)の位置を特定する位置データを生成する。管理方法では、位置データ及び撮影データに基づいて、情報表示媒体(102)に表示された機密情報のすべてのマスキングを実行する。これにより、情報表示媒体に表示された機密情報がマスキングされるため、機密情報の漏洩を抑制することができる。
【0016】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、実施形態に係る管理システムの使用状態を示す概略図である。
図1に示すように、実施形態に係る管理システムは、例えば、カメラ100が設置される場所101において使用される。カメラ100は、例えば、場所101の状況確認、場所101の防犯確保などの目的に使用され、画像データ及び/又は動画データを生成(撮影)することが可能である。場所101としては、これらに限定されるものではないが、例えば、オフィス環境、カフェ、貸会議室、ファミリーレストラン、貸スペース、屋内スペース及び屋外スペースなどが挙げられる。
図1では、場所101の一例として、オフィス環境を示している。場所101では、情報表示媒体102に会議や打ち合わせに関連する内容を表示して、会議や打ち合わせが行われる。会議等の参加者は、情報表示媒体102を介して互いに情報を共有する。情報表示媒体102としては、これらに限定されるものではないが、電子機器の表示画面及び紙媒体等が挙げられる。電子機器の表示画面としては、例えば、コンピュータのモニタ画面、スマートデバイスの表示画面及びプロジェクタの投影面等が挙げられる。紙媒体としては、これらに限定されるものではないが、印刷物、手書きのメモ等が挙げられる。
図1では、情報表示媒体102の一例として、コンピュータの表示画面及びプロジェクタの投影面を示している。
【0018】
このような場所101では、前述のカメラ100を介して、場所101の状況が撮影される。この場合、場所101で使用する情報表示媒体102に表示された情報も、カメラ100を介して撮影される。例えば、情報表示媒体102に表示される内容には、参加者のみに開示されなければならない機密情報(秘匿情報)が含まれる。このような機密情報は、参加者以外に開示されてはならない。ある一例では、後述する管理装置203が、
図2に示すように、カメラ100を介して撮影された内容に含まれる機密情報のすべてをマスキングする。別のある一例では、カメラ100を介して撮影された内容に含まれる紙媒体のすべてを機密情報としてマスキングする。このように、本実施形態に係る管理システムでは、撮影データに含まれる情報表示媒体102に表示された機密情報のすべてがマスキングされることにより、機密情報の漏洩を抑制する。なお、撮影データに含まれる情報表示媒体102に機密情報が表示されているかは問わず、情報表示媒体102のすべてをマスキングされることにより、機密情報の漏洩が抑制されてもよい。
【0019】
ここで、機密情報とは、少なくとも秘密管理性の意図をもって管理される情報である。例えば、表示された内容に「マル秘」等の秘密であることを明示する記載が付された情報、「社外秘」等の内容の開示先を限定する記載が付された情報等が挙げられる。このような表示が情報に付されている場合、当該情報のすべてが機密情報であってもよく、このような表示が付されている部分が機密情報であってもよい。ある一例では、スライドの表紙に機密情報であることを示す記載がある場合、そのスライド全体が機密情報である。別のある一例では、スライドの一部が機密情報であることを示す記載がある場合、当該部分が機密情報である。なお、機密情報は秘密管理性の意図をもって管理される情報であればよいことから、機密情報には、秘密管理性の表示を必ずしも明示的に記載していなくてもよい。ある一例では、数値を記載した情報が機密情報に含まれてもよい。数値を記載した情報としては、例えば、グラフ及び表等が挙げられる。別のある一例では、私的なメモ書きが機密情報に含まれてもよい。
【0020】
以下では、主に情報表示媒体102のすべてをマスキングすることにより、機密情報の漏洩が抑制される場合を説明する。
図3は、実施形態に係る管理システム200の一例を示す。管理システム200は、撮影データのマスキングを実行する。管理システム200は、処理装置(第1の処理装置)201、処理装置(第2の処理装置)202及び管理装置203を備える。処理装置201は、撮像部204を備える。撮像部204は、例えば、場所101を撮影するカメラ100である。撮像部204は、場所101を撮影した撮影データを生成する。撮像部204は、情報表示媒体102が設けられる場所101において、鉛直方向について情報表示媒体102より高い位置に設置されることが好ましい。撮像部204が、例えば情報表示媒体102が設けられる屋内スペースに設置される場合、撮像部204は天井に設置されることが好ましい。なお、撮影データは、撮像部204で生成されるだけではなく、処理装置201によって加工等がなされてもよい。
【0021】
処理装置202は、例えば、機密情報の開示が禁止されている者(第3者)によって利用される。機密情報の開示が禁止されている者としては、例えば、秘密保持契約等がされていない撮影データの利用者(映像解析者等)が挙げられる。すなわち、これらの者が、後述するマスキングデータの利用者である。管理装置203は、管理システム200の機能を実行する。管理装置203は、処理装置201,202のそれぞれと通信可能である。なお、管理システム200のすべての機能が、管理装置203で実行されなくてもよい。すなわち、管理システム200の一部の機能が、処理装置201,202の少なくとも1つで実行されてもよい。
【0022】
処理装置201,202のそれぞれは、例えば、コンピュータ、スマートデバイスであってもよい。この場合、処理装置201,202のそれぞれは、プロセッサ及び記憶媒体を備える。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及び、DSP(Digital Signal processor)等のいずれかを含む。記憶媒体には、メモリ等の主記憶装置に加え、補助記憶装置が含まれ得る。記憶媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、及び、半導体メモリ(USBメモリ、SSD等)等が挙げられる。処理装置201,202のそれぞれでは、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれは、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。処理装置201,202のそれぞれでは、プロセッサは、記憶媒体等に記憶されるプログラム等を実行することにより、処理を行う。また、処理装置201,202では、プロセッサによって実行されるプログラムが、ネットワークを介して接続された情報処理装置に格納されてもよい。ネットワークとしては、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、移動体通信網、Bluetooth(登録商標)などが挙げられる。また、情報処理装置としては、コンピュータ、サーバ、クラウド環境のサーバ等が挙げられる。この場合、プロセッサは、ネットワーク経由でプログラムをダウンロードする。なお処理装置201は、プロセッサは搭載せず、記憶媒体のみを備える構成であってもよく、プロセッサと記憶媒体を備えていない構成であってもよい。プロセッサは搭載せず、記憶媒体のみを備える構成の場合は、記憶媒体には主に撮像部204で撮像された撮像データが記憶される。プロセッサと記憶媒体を備えていない構成の場合は、撮像部204で撮像された撮像データは、処理部201で記憶されることなく管理部203へ送信される。
【0023】
処理装置201,202のそれぞれには、ユーザインタフェースが設けられてもよい。ユーザインタフェースでは、使用者によって各種の操作等が入力されるとともに、使用者に告知する情報等が表示等によって告知される。ある一例では、ユーザインタフェースは、タッチパネルを含む。
【0024】
管理装置203は、管理部205、マスキング部206及び記憶部207を備える。また、マスキング部206は、位置データ生成部208及びフレーム選択部209を備える。
【0025】
ある一例では、管理装置203は、処理装置201,202のそれぞれとネットワークを介して通信可能なサーバである。この場合、管理装置203は、処理装置201,202と同様に、プロセッサ及び記憶媒体を備え、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれは、処理装置201,202と同様にして構成される。管理部205並びに位置データ生成部208及びフレーム選択部209を含むマスキング部206は、管理装置203のプロセッサ等によって行われる処理の一部を実施し、管理装置203の記憶媒体が、記憶部207として機能する。
【0026】
別のある一例では、管理装置203は、クラウド環境に構築されるクラウドサーバである。この場合、クラウド環境のインフラは、仮想CPU等の仮想プロセッサ及びクラウドメモリによって、構成される。仮想プロセッサによって実行される処理の一部を、管理部205並びに位置データ生成部208及びフレーム選択部209を含むマスキング部206が実行する。そして、クラウドメモリが、記憶部207として機能する。
【0027】
なお、記憶部207は、例えば、管理装置203とは別の処理装置に設けられてもよい。ある一例では、別の処理装置は、管理装置203とは別のコンピュータ等である。この場合、管理装置203は、記憶部207等が設けられるコンピュータに、ネットワークを介して接続される。別のある一例では、管理装置203は、処理装置201に搭載されてもよい。この場合、処理装置201のプロセッサ等によって、管理装置203の処理が実行される。
【0028】
本実施形態の管理システム200では、処理装置201において、撮影データが生成(撮影)される。撮影データには、場所101において機密情報を表示した情報表示媒体102が撮影された撮影内容データを含む。撮影内容データには、例えば、画像データ及び/又は動画データが含まれる。撮影内容データが動画データを含む場合、撮影内容データには、動画データのフレームレート(FPS;frame per second)に関するデータが含まれる。また、撮影データには、撮影内容データに加えて、撮影付随データが含まれてもよい。撮影内容データが動画データを含む場合、撮影付随データは、例えば、撮影開始時刻に関するデータ、撮影終了時刻に関するデータ、撮影時間に関するデータ等を含んでもよい。また、撮影付随データは、例えば、撮影場所の位置を示すGPS(Global positioning system)の測位情報に関するデータ、撮影場所の名称に関するデータ等を含んでもよい。
【0029】
処理装置201は、生成された撮影データを管理装置203に送信する。そして、管理装置203の管理部205は、処理装置201から送信された撮影データを受け取る。管理部205は、受け取った撮影データをマスキング部206に出力する。マスキング部206は、管理部205から撮影データを受け取る。なお、撮影データは、処理装置201から、管理装置203のマスキング部206に送信されてもよい。この場合、マスキング部206は、処理装置201から撮影データを受け取る。
【0030】
マスキング部206は、撮影データを取得すると、撮影データに基づいて、情報表示媒体のマスキングに用いられる位置データを生成する。位置データは、撮影内容データに記録された撮影場所における情報表示媒体の位置を示すデータである。位置データには、情報表示媒体の空間的な位置を示すデータ、情報表示媒体の表示部分の空間的な位置を示すデータ等が含まれる。撮影内容データに動画データが含まれる場合、マスキング部206は、位置データに加えて基準フレームデータを生成する。基準フレームデータは、撮影内容データのマスキングの基準となるフレームを示すデータである。基準フレームデータには、例えば、全フレーム中における基準フレームの位置を示すデータが含まれる。
【0031】
本実施形態では、位置データは、位置データ生成部208により生成される。位置データ生成部208は、撮影データに含まれる撮影内容データに基づいて、情報表示媒体の位置を特定する。撮影内容データにおける情報表示媒体の位置は、種々の物体検出方法を用いて特定される。そして、位置データ生成部208は、情報表示媒体の空間的な位置を示すデータ及び情報表示媒体の表示部分の空間的な位置を示すデータを、位置データとして生成する。ある一例では、情報表示媒体はコンピュータのモニタ画面である。この場合、位置データ生成部208は、物体検出方法を用いてコンピュータのモニタ画面の空間的な位置を示すデータを取得するとともに、モニタ画面の表示部分の空間的な位置を示すデータを取得する。
【0032】
撮影内容データに複数の情報表示媒体が含まれている場合、位置データ生成部208は、複数の情報表示媒体のそれぞれの位置を、物体検出方法により特定する。位置データ生成部208は、特定された複数の情報表示媒体のそれぞれの位置を、位置データとして生成する。位置データには、情報表示媒体のそれぞれの位置を示すデータ、情報表示媒体のそれぞれの表示部分の位置を示すデータ等が含まれる。この場合、位置データは、複数の情報表示媒体のそれぞれの位置をすべて含む単一の位置データとして生成されてもよく、複数の情報表示媒体ごとに1つずつ位置データが生成されてもよい。
【0033】
ある一例では、複数の情報表示媒体はコンピュータのモニタ画面及びプロジェクタの投影画面である。位置データ生成部208は、物体検出方法を用いて、コンピュータのモニタ画面の位置を示すデータ、コンピュータのモニタ画面の表示部分の位置を示すデータ、プロジェクタの投影面の位置を示すデータ及びプロジェクタの投影面の表示部分の位置を示すデータを取得する。単一の位置データが生成される場合、位置データは、コンピュータのモニタ画面の位置を示すデータ、コンピュータのモニタ画面の表示部分の位置を示すデータ、プロジェクタの投影面の位置を示すデータ及びプロジェクタの投影面の表示部分の位置を示すデータをすべて含む。また、情報表示媒体ごとに1つずつ位置データが生成される場合、コンピュータに対応する位置データは、コンピュータのモニタ画面の位置を示すデータ及びコンピュータのモニタ画面の表示部分の位置を示すデータを含む。そして、プロジェクタに対応する位置データは、プロジェクタの投影画面の位置を示すデータ及びプロジェクタの投影画面の表示部分の位置を示すデータを含む。
【0034】
本実施形態では、基準フレームデータは、フレーム選択部209により生成される。フレーム選択部209は、動画データに基づいてマスキングが実行される場合に、動画データからフレームの選択を実行する。フレームの選択は、動画データからの単一フレームの選択であってもよく、動画データからの複数フレームの選択であってもよい。ある一例では、フレーム選択部209は、動画データに含まれる全フレーム数に基づいて、単一フレームの選択又は複数フレームの選択のいずれかを実行する。なお、撮影内容データとして画像データを含み、画像データに基づいてマスキングが実行される場合も、フレーム選択部209が、基準フレームデータを生成してもよい。この場合、フレーム選択部209は、基準フレームとして撮影画像を選択する。
【0035】
フレーム選択部209が単一フレームの選択を実行する場合、フレーム選択部209は、動画データに含まれる全フレームの中から1つのフレームを、基準フレームとして選択する。この場合、基準フレームとしては、予め設定されたフレームが選択されてもよく、ユーザ等により指定されたフレームが選択されてもよく、動画データの内容から最適なフレームが選択されてもよい。フレーム選択部209が複数フレームの選択を実行する場合、フレーム選択部209は、動画データに含まれる全フレームの中から複数のフレームを、基準フレームとして選択する。この場合、基準フレームデータは、複数の基準フレームのすべてについて全フレーム中の位置が示される、単一の基準フレームデータとして生成されてもよい。また、基準フレームデータは、全フレーム中の位置が複数の基準フレームごとに1つのデータとして示される、複数の基準フレームデータとして生成されてもよい。
【0036】
マスキング部206は、位置データ及び基準フレームデータに基づいて、撮影データをマスキングする。画像データがマスキングされる場合、マスキング部206は、位置データに基づいて、画像データにおける情報表示媒体102の位置又は情報表示媒体102の表示部分の位置を、被マスク領域として特定する。マスキング部206は、被マスク領域に対してマスキング処理を実行する。マスキング処理としては、被マスク領域の詳細が視認不可能な状態となる処理であれば特に制限されるものではないが、例えば、被マスク領域のモザイク処理(ぼかし処理)、被マスク領域へのランダムノイズの重畳処理、被マスク領域の墨消し処理、被マスク領域の白抜き処理等が挙げられる。なお、被マスク領域は、位置データに基づいて特定される領域より広くてもよい。この場合、被マスク領域は、例えば、位置データに基づいて特定される領域から外側にマージンが加えられた領域として特定される。また、マスキング部206は、機密情報が撮影データに含まれるか否かを判断してもよい。機密情報が撮影データに含まれると判断した場合、マスキング部206は、前述したマスキング処理を実行する。機密情報が撮影データに含まれないと判断した場合、マスキング部206は、前述したマスキング処理を実行しない。
【0037】
動画データがマスキングされる場合、マスキング部206は、基準フレームデータに基づいて、動画データに対するマスキング処理の基準となる基準フレームを、動画データの全フレームの中から特定する。基準フレームが単一フレームである場合、マスキング部206は、位置データに基づいて、動画データ(基準フレーム)における情報表示媒体の位置及び/又は情報表示媒体の表示部分の位置を、被マスク領域として特定する。マスキング部206は、前述の画像データの場合と同様にして、被マスク領域に対してマスキング処理を実行する。マスキング部206は、動画データの基準フレーム以外のフレームに対しても、基準フレームに対するマスキング処理と同様の処理を実行する。すなわち、マスキング部206は、動画データの全フレームを、同一のマスキング処理によりマスキングする。
【0038】
基準フレームが複数フレームである場合、マスキング部206は、ある基準フレームに対応する位置データに基づいて、動画データ(対応する基準フレーム)における情報表示媒体の位置及び/又は情報表示媒体の表示部分の位置を、被マスク領域として特定する。マスキング部206は、前述の画像データの場合と同様にして、被マスク領域に対してマスキング処理を実行する。マスキング部206は、動画データの基準フレーム以外のフレームに対しても、基準フレームに対するマスキング処理と同様の処理を実行する。この場合、基準フレームが複数フレームであるため、マスキング部206は、いずれかの基準フレームと同様の処理を基準フレーム以外のフレームに実行する。これにより、マスキング部206は、動画データの全フレームをマスキングする。
【0039】
フレーム選択部209は、動画データに含まれる全フレームを、1以上のフレームを含む複数のフレーム群に分割してもよい。複数のフレーム群のそれぞれは、互いに異なるフレームを含む。すなわち、動画データに含まれる同一のフレームが複数のフレーム群に含まれていない。また、複数のフレーム群の数の最大値は、動画データに含まれる全フレーム数と同一である。複数のフレーム群の数が最大である場合、フレーム群のそれぞれは、単一のフレームを含む。動画データのフレーム群への分割数は、動画に撮影された場所101の使用状況に応じて調整されてもよい。
【0040】
フレーム選択部209は、フレームとフレーム群とを対応付ける対応フレームデータを生成する。複数のフレーム群のそれぞれでは、前述の単一フレームの選択と同様にして、基準フレームがそれぞれ選択される。フレーム選択部209は、選択したフレームを基準フレームとして示す基準フレームデータを生成する。
【0041】
この場合、マスキング部206は、ある基準フレームに対応する位置データに基づいて、動画データ(基準フレーム)における情報表示媒体の位置及び/又は情報表示媒体の表示部分の位置を、被マスク領域として特定する。マスキング部206は、前述の画像データの場合と同様にして、被マスク領域に対してマスキング処理を実行する。マスキング部206は、対応フレームデータに基づいて、基準フレームが属するフレーム群を特定フレーム群として特定する。マスキング部206は、対応フレームデータに基づいて、特定フレーム群に属するフレームに対して、基準フレームに対するマスキング処理と同様の処理を実行する。すなわち、マスキング部206は、特定フレーム群に属する全フレームを、同一のマスキング処理によりマスキングする。マスキング部206は、他のフレーム群に対しても、同様の処理を繰り返す。すなわち、複数のフレーム群それぞれに対するマスキング処理は、複数のフレーム群の間で異なり、複数のフレーム群のそれぞれに属するフレームに対するマスキング処理は、属するフレーム群が同一となる複数のフレームの間では同一である。これにより、マスキング部206は、動画データの全フレームをマスキングする。
【0042】
ある一例では、フレーム選択部209は、30fpsの動画データに対して、フレーム群のそれぞれに30フレームが属するように動画データを分割する。すなわち、フレーム群のそれぞれが1秒の動画データに対応する。フレーム選択部209は、それぞれのフレーム群において基準フレームを選択する。例えば、各フレーム群の15フレーム目が、基準フレームとして選択される。マスキング部206は、15フレーム目に対するマスキング処理を実行し、同一の処理をフレーム群の1~14フレーム目及び16~30フレーム目に対して実行する。マスキング部206は、他のフレーム群に対しても同様の処理を繰り返す。
【0043】
マスキング部206は、前述のようにしてマスキングを実行したマスキングデータを、記憶部207に出力する。記憶部207は、マスキング部206からマスキングデータを受け取る。なお、撮影内容データは、記憶部207に出力されず、マスキング部206においてマスキングデータが生成された後に破棄されることが好ましい。
【0044】
記憶部207は、マスキングデータを記憶する。マスキングデータには、撮影内容マスキングデータが含まれる。撮影内容マスキングデータは、機密情報を表示する情報表示媒体がマスキングされたデータである。撮影内容マスキングデータは、マスキング画像データ及び/又はマスキング動画データを含む。また、撮影内容マスキングデータがマスキング動画データを含む場合、撮影内容マスキングデータには、マスキング動画データのフレームレート(FPS)に関するデータが含まれる。なお、マスキングデータには、撮影内容マスキングデータに加えて、撮影データに含まれる撮影付随データが含まれてもよい。
【0045】
マスキングデータの利用者がマスキングデータを利用する場合、マスキングデータの利用者は、どのマスキングデータを利用するかを指定する。ある一例では、マスキングデータの利用者は、処理装置202において、マスキングデータの撮影日時を指定することで利用するマスキングデータを指定する。別のある一例では、処理装置202が、ユーザインタフェースを介して、マスキングデータのプレビューを表示させる。マスキングデータの利用者は、マスキングデータのプレビュー表示から利用するマスキングデータを指定する。管理部205は、マスキングデータの利用者がいずれのマスキングデータを利用するかを指定した指定情報を、処理装置202から取得する。管理部205は、上述の指定情報に基づいて、マスキングデータの中から利用が要求されているマスキングデータを、要求マスキングデータとして特定する。管理部205は、記憶部207から、要求マスキングデータを読み出す。管理部205は、要求マスキングデータを処理装置202に送信する。処理装置202は、要求マスキングデータを管理部205から受け取る。これにより、マスキングデータの利用者は、指定したマスキングデータを利用可能になる。
【0046】
前述のような管理システム200では、処理装置201から管理装置203に撮影データが送信されると、管理装置203は、
図4に示す処理を実行する。
図4に示す処理は、例えば、処理装置201から管理装置203に撮影データが送信されるたびに実行される。
図4に示す処理では、管理部205は、処理装置201から送信された撮影データを取得する(S401)。管理部205は、撮影データをマスキング部206に出力する(S402)。位置データ生成部208は、マスキング部206が取得した撮影データに含まれる撮影内容データに基づいて、位置データを生成する(S403)。フレーム選択部209は、マスキング部206が取得した撮影データに含まれる撮影内容データに基づいて、基準フレームデータを生成する(S404)。マスキング部206は、位置データ及び基準フレームデータに基づいて撮影内容データのマスキングを実行し、マスキングデータを生成する(S405)。マスキング部206は、マスキングデータを記憶部207に出力する(S406)。
【0047】
また、管理システム200では、撮影データの利用者が利用する処理装置202から管理装置203にマスキングデータを指定する指定情報が入力されると、管理装置203の管理部205は、
図5に示す処理を実行する。
図5に示す処理は、例えば、前述の指定情報が処理装置202を介して入力されるたびに実行される。
図5に示す処理では、管理部205は、処理装置202から指定情報を取得する(S501)。管理部205は、指定情報に基づいて、記憶部207のマスキングデータの中から要求マスキングデータを特定する(S502)。管理部205は、要求マスキングデータを記憶部207から取得する(S503)。管理部205は、要求マスキングデータを処理装置202に送信する(S504)。
【0048】
また、管理システム200は、コンピュータに以下の処理を実行させるプログラムにより実現される。プログラムは、コンピュータに、第1の処理装置から撮影データを取得させる。プログラムは、コンピュータに、撮影データに基づいて、情報表示媒体の位置を特定する位置データを生成させる。プログラムは、コンピュータに、位置データ及び撮影データに基づいて、情報表示媒体に表示された機密情報のマスキングを実行させる。
【0049】
本実施形態では、位置データ生成部は、機密情報を表示する1つ以上の情報表示媒体が撮影された撮影データに基づいて、情報表示媒体の位置を特定する位置データを生成する。マスキング部は、位置データ及び撮影データに基づいて、情報表示媒体に表示された機密情報のすべてのマスキングを実行する。これにより、情報表示媒体に表示された機密情報がマスキングされるため、機密情報の漏洩を抑制することができる。
【0050】
本実施形態では、マスキング処理に用いられた撮影内容データは、マスキングデータが生成された後に破棄されてもよい。これにより、情報表示媒体に表示された機密情報が含まれる撮影内容データが残らないため、機密情報の漏洩をより確実に抑制できる。
【0051】
本実施形態では、マスキング処理における被マスク領域は、位置データに基づいて特定される領域から外側にマージンが加えられた領域であってもよい。これにより、機密情報が表示された情報表示媒体をより確実にマスキングすることができるため、機密情報の漏洩をさらに確実に抑制できる。
【0052】
本実施形態では、撮影データは、情報表示媒体が撮影された複数のフレームを含む動画データを含んでもよい。この場合、位置データ生成部は、複数のフレームの中から選択された基準フレームに基づいて位置データを生成する。そして、マスキング部は、位置データ及び動画データに基づいて、複数のフレームに含まれる機密情報のマスキングを実行する。これにより、情報表示媒体に表示された機密情報がマスキングされるため、動画データからの機密情報の漏洩を抑制できる。
【0053】
本実施形態では、位置データ生成部は、複数のフレームの一部であるフレーム群から選択される基準フレームに基づいて位置データを生成してもよい。この場合、マスキング部は、位置データ及び動画データに基づいて、フレーム群に含まれる機密情報のマスキングを実行する。これにより、動画データにおける機密情報が、基準フレームに基づいてマスキングされる。よって、動画データにおける機密情報が効率よくマスキングされる。
【0054】
本実施形態では、動画データから複数の基準フレームが選択され、複数の基準フレームのいずれかに基づいて動画データがマスキングされてもよい。ある一例では、基準フレームのいずれかに対するマスキング処理と同様の処理が、他のフレームに対しても実行される。これにより、動画データにおける機密情報がさらに効率よくマスキングされる。
【0055】
本実施形態では、管理部は、機密情報のすべてのマスキングが実行された撮影データを第2の処理装置に送信してもよい。これにより、機密情報の漏洩が抑制された状態で、第3者は、機密情報がマスキングされたマスキングデータを、利用可能となる。
【0056】
本実施形態では、記憶部は、機密情報のすべてのマスキングが実行された撮影データをマスキングデータとして記憶してもよい。管理部は、マスキングデータの中から指定された要求マスキングデータを示す指定情報を、処理装置から取得する。管理部は、指定情報に基づいて、要求マスキングデータを処理装置に送信する。これにより、機密情報の漏洩が抑制された状態で、マスキングデータの利用者は、指定したマスキングデータを利用可能となる。
【0057】
本実施形態では、撮影データを生成する撮像部を備えてもよい。撮像部は、情報表示媒体が設けられる場所において、鉛直方向について情報表示媒体より高い位置に設置される。これにより、撮像部は、撮像部の設置場所においてより広い範囲を撮影可能となる。
【0058】
本実施形態では、撮像部が屋内スペースに設置される場合、屋内スペースの天井に設置されてもよい。これにより、撮像部は、撮像部の設置場所において、さらに広い範囲を撮影可能となる。この場合、撮像部は、卓上に載せられた紙資料やスマートデバイスの表示画面等を撮影しやすくなる。すなわち、機密情報が撮影データに含まれる可能性が高くなる。よって、この場合においても、本実施形態による機密情報のマスキングを実施することで、機密情報の漏洩を抑制することができる。
【0059】
(変形例)
ある変形例では、管理装置203が撮影データを受け取ると、受け取った撮影データに対してマスキング部206がマスキングを実行し、記憶部207を経由せずに、マスキングデータが処理装置202に送信されてもよい。この場合、マスキングデータの送信先である処理装置202は、予め設定されていてもよく、処理装置202から管理装置203に送信された指定情報に基づいて送信先として設定されてもよい。また、マスキングデータは、処理装置202に送信されるとともに、記憶部207に出力されてもよい。本変形例では、マスキング部206は、処理装置201から受け取った撮影データに対して前述のようにしてマスキングを実行する。そして、マスキングデータが処理装置202に送信される。本変形例においても、管理システム200では前述と同様の処理が実行されるため、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。
【0060】
ある変形例では、管理システム200は、マスキング処理を実行するごとに、動画に撮影された場所101の使用状況に応じて基準フレームが選択される基準を学習してもよい。ある一例では、マスキング部206が、位置データに基づいて、情報表示媒体102が動画データにおいてほとんど移動しないことを認識した場合、フレーム群に含まれるフレーム数を増大させる。また、別のある一例では、複数の基準フレームが選択される場合、情報表示媒体102が動画データにおいてほとんど移動しないことを認識したことに基づいて、ある基準フレームと次の基準フレームとの間のフレーム数を増大させる。これにより、管理システム200が、マスキング処理をさらに効率的に実行可能となる。また、本変形例においても、管理システム200では前述と同様の処理が実行されるため、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。
【0061】
ある変形例では、撮影データにおける前述の被マスク領域のデータが、記憶部207に記憶されてもよい。すなわち、マスキング部206は、被マスク領域がマスキングされる前の状態の被マスク領域のデータ(マスク前領域データ)を撮影データから取得し、記憶部207に出力する。記憶部207は、マスク前領域データをマスキング部206から受け取り、記憶する。この場合、マスク前領域データは、対応するマスキングデータと対応付けて記憶部207に記憶されてもよい。これにより、マスク前領域データが記憶部207に記憶されるため、本変形例の管理システム200は、マスク前領域データ及びマスキングデータから撮影データを復元できる。また、本変形例においても、管理システム200では前述と同様の処理が実行されるため、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。
【0062】
ある変形例では、撮影付随データは、撮影データとともに処理装置201から取得されなくてもよい。この場合、管理装置203が、撮影時間の計測、及び、計測した時間と撮影データとの対応付けを行ってもよい。また、撮影付随データは、例えば、管理装置203の記憶部207に予め記憶されていてもよい。管理部205は、処理装置201から取得した撮影データと、記憶部207に予め記憶された撮影付随データとを対応付けて前述の処理を実行する。本変形例においても、管理システム200では前述と同様の処理が実行されるため、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。また、処理装置202から、マスキングデータを指定する指定情報を取得した場合においても、撮影データと撮影付随データとを対応付けて前述の処理が実行されるため、マスキングデータの利用者に要求マスキングデータを適切に提供することができる。
【0063】
ある変形例では、撮像部204は、照明装置と連動して動作してもよい。この場合、撮像部204は、照明装置と一体に設けられてもよく、照明装置と別体に設けられてもよい。また、照明装置は、第1の処理装置と一体に設けられてもよく、第1の処理装置とは別体に設けられてもよい。本変形例においても、管理システム200では前述と同様の処理が実行されるため、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。
【0064】
これら少なくとも一つの実施形態によれば、管理システムは、位置データ生成部と、マスキング部と、を具備する。位置データ生成部は、機密情報を表示する1つ以上の情報表示媒体が撮影された撮影データに基づいて、情報表示媒体の位置を特定する位置データを生成する。マスキング部は、位置データ及び撮影データに基づいて、情報表示媒体に表示された機密情報のすべてのマスキングを実行する。これにより、情報漏洩を抑制できる管理装置及び管理方法を提供することができる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
100…カメラ、101…場所、102…情報表示媒体、200…管理システム、201…処理装置(第1の処理装置)、202…処理装置(第2の処理装置)、203…管理装置、204…撮像部、205…管理部、206…マスキング部、207…記憶部、208…位置データ生成部、209…フレーム選択部。