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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030152
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20220210BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
H02M7/48 E
H02M3/28 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133942
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中田 健一
(72)【発明者】
【氏名】植竹 正樹
(72)【発明者】
【氏名】谷川 友春
【テーマコード(参考)】
5H730
5H770
【Fターム(参考)】
5H730AA15
5H730BB27
5H730BB57
5H730CC05
5H730DD03
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE04
5H770AA09
5H770CA02
5H770DA01
5H770DA14
5H770DA41
5H770EA01
5H770JA17W
5H770JA17Y
(57)【要約】
【課題】外部から供給された交流電圧を直流電圧に変換しつつ、外部から供給された交流電圧とは異なる電圧の交流電圧を供給するための構成を簡素化することができる電力変換装置を提供することである。
【解決手段】電力変換装置1は、交流電源V1の第1端t11と、交流負荷V2の第1端t21とを接続する接続線と、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、中性点に接続線が接続された共用ハーフブリッジ回路10cと、交流電源V1の第2端t12が接続され、共用ハーフブリッジ回路10cと協働して交流電源V1から出力される第1交流電圧を第1直流電圧に変換するAC/DC変換回路ct1と、交流負荷V2の第2端t22が接続され、ハーフブリッジ回路10cと協働して第1直流電圧を第1交流電圧とは異なる第2交流電圧に変換するDC/AC変換回路ct2とを備えるものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源の第1端と、交流負荷の第1端とを接続する接続線と、
第1出力線及び第2出力線と、
前記第1出力線及び前記第2出力線の間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、中性点に前記接続線が接続された共用ハーフブリッジ回路と、
前記交流電源の第2端が接続され、前記共用ハーフブリッジ回路と協働して前記交流電源から出力される第1交流電圧を第1直流電圧に変換し、変換した前記第1直流電圧を前記第1出力線と前記第2出力線とに供給するAC/DC変換回路と、
前記交流負荷の第2端が接続され、前記共用ハーフブリッジ回路と協働して前記第1直流電圧を前記第1交流電圧とは異なる電圧の第2交流電圧に変換し、変換した前記第2交流電圧を前記交流負荷に出力するDC/AC変換回路と、
を備える電力変換装置。
【請求項2】
前記AC/DC変換回路は、前記第1出力線と前記第2出力線との間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、第1コイルを介して中性点に前記交流電源の第2端が接続された第1ハーフブリッジ回路を有し、
前記DC/AC変換回路は、前記第1出力線と前記第2出力線との間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、第2コイルを介して中性点に前記交流負荷の第2端が接続された第2ハーフブリッジ回路を有する、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第2ハーフブリッジ回路の中性点への接続を切り替える切替器を更に備え、
前記切替器は、前記交流負荷の第2端及び前記第2ハーフブリッジ回路の中性点が接続された第1切替状態、又は、前記交流電源の第2端及び前記第2ハーフブリッジ回路の中性点が接続された第2切替状態とに切り替わるものであり、
前記DC/AC変換回路は、
前記切替器が前記第1切替状態である場合、前記共用ハーフブリッジ回路と協働して前記第1直流電圧を前記第2交流電圧に変換し、変換した前記第2交流電圧を前記交流負荷に出力する一方、
前記切替器が前記第2切替状態である場合、前記共用ハーフブリッジ回路と協働して前記第1交流電圧を前記第1直流電圧に変換し、変換した前記第1直流電圧を前記第1出力線と前記第2出力線とに供給する、
請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
一次巻線及び二次巻線を有するトランスを有し、前記AC/DC変換回路が変換した第1直流電圧を第2直流電圧に変換し、変換した前記第2直流電圧を第3出力線と第4出力線との間に生じさせるDC/DC変換回路を更に備え、
前記交流電源の第2端は、前記一次巻線の中間タップに接続されており、
前記AC/DC変換回路は、
前記第1出力線と前記第2出力線との間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、第3コイル、前記一次巻線の第1端及び前記中間タップを介して中性点に前記交流電源の第2端が接続された第3ハーフブリッジ回路と、
前記第1出力線と前記第2出力線との間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、第4コイル、前記一次巻線の第2端及び前記中間タップを介して中性点に前記交流電源の第2端が接続された第4ハーフブリッジ回路と、
を備え、
前記DC/DC変換回路は、前記第1出力線と前記第2出力線との間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、第5コイルを介して中性点に前記交流負荷の第2端が接続された第5ハーフブリッジ回路を有する、
請求項1に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換して充電式バッテリを充電したり、外部負荷に交流電圧を供給したりする電力変換装置について知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-92310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、交流電圧から直流電圧への変換に加えて、交流負荷への交流電圧の供給を行うことができる電力変換装置においては、構成の複雑化が懸念される。また、交流電源から供給される交流電圧と、交流負荷から要求される交流電圧とが異なる場合がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換することと、直流電圧を交流電源から供給される交流電圧とは異なる電圧の交流電圧を供給することとを比較的簡素な構成で行うことができる電力変換装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する電力変換装置は、交流電源の第1端と、交流負荷の第1端とを接続する接続線と、第1出力線及び第2出力線と、前記第1出力線及び前記第2出力線の間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、中性点に前記接続線が接続された共用ハーフブリッジ回路と、前記交流電源の第2端が接続され、前記共用ハーフブリッジ回路と協働して前記交流電源から出力される第1交流電圧を第1直流電圧に変換し、変換した前記第1直流電圧を前記第1出力線と前記第2出力線とに供給するAC/DC変換回路と、前記交流負荷の第2端が接続され、前記共用ハーフブリッジ回路と協働して前記第1直流電圧を前記第1交流電圧とは異なる電圧の第2交流電圧に変換し、変換した前記第2交流電圧を前記交流負荷に出力するDC/AC変換回路とを備えるものである。
【0007】
かかる構成によれば、電力変換装置がAC/DC変換回路を備えることにより、交流電源から出力される第1交流電圧を第1直流電圧に変換することができる。また、電力変換装置がDC/AC変換回路を備えることによって、第1直流電圧を第2交流電圧に変換することができる。また、AC/DC変換及びDC/AC変換の双方において共用ハーフブリッジ回路が用いられる。このため、構成の簡素化を図ることができる。
【0008】
上記電力変換装置について、前記AC/DC変換回路は、前記第1出力線と前記第2出力線との間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、第1コイルを介して中性点に前記交流電源の第2端が接続された第1ハーフブリッジ回路を有し、前記DC/AC変換回路は、前記第1出力線と前記第2出力線との間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、第2コイルを介して中性点に前記交流負荷の第2端が接続された第2ハーフブリッジ回路を有するものであってもよい。
【0009】
かかる構成によれば、第1ハーフブリッジ回路と共用ハーフブリッジ回路とによってAC/DC変換が行われ、第2ハーフブリッジ回路と共用ハーフブリッジ回路とによってDC/AC変換が行われる。この場合、第2ハーフブリッジ回路の上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子のデューティ比を調整することにより、第2交流電圧を第1交流電圧とは異ならせることができる。また、AC/DC変換回路とDC/AC変換回路とのそれぞれに2つのハーフブリッジ回路を設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。
【0010】
上記電力変換装置は、前記第2ハーフブリッジ回路の中性点への接続を切り替える切替器を更に備え、前記切替器は、前記交流負荷の第2端及び前記第2ハーフブリッジ回路の中性点が接続された第1切替状態、又は、前記交流電源の第2端及び前記第2ハーフブリッジ回路の中性点が接続された第2切替状態とに切り替わるものであり、前記DC/AC変換回路は、前記切替器が前記第1切替状態である場合、前記共用ハーフブリッジ回路と協働して前記第1直流電圧を前記第2交流電圧に変換し、変換した前記第2交流電圧を前記交流負荷に出力する一方、前記切替器が前記第2切替状態である場合、前記共用ハーフブリッジ回路と協働して前記第1交流電圧を前記第1直流電圧に変換し、変換した前記第1直流電圧を前記第1出力線と前記第2出力線とに供給するものであってもよい。
【0011】
かかる構成によれば、切替器を第1切替状態にすることにより、AC/DC変換とDC/AC変換とを同時に行うことができる。また、切替器が第2切替状態である場合、第2ハーフブリッジ回路は、共用ハーフブリッジ回路と協働してAC/DC変換を行うものとして機能する。これにより、第2交流電圧を供給する必要がない場合には、切替器を第2切替状態にすることにより、AC/DC変換の電力を大きくすることができる。
【0012】
上記電力変換装置は、一次巻線及び二次巻線を有するトランスを有し、前記AC/DC変換回路が変換した第1直流電圧を第2直流電圧に変換し、変換した前記第2直流電圧を第3出力線と第4出力線との間に生じさせるDC/DC変換回路を更に備え、前記交流電源の第2端は、前記一次巻線の中間タップに接続されており、前記AC/DC変換回路は、前記第1出力線と前記第2出力線との間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、第3コイル、前記一次巻線の第1端及び前記中間タップを介して中性点に前記交流電源の第2端が接続された第3ハーフブリッジ回路と、前記第1出力線と前記第2出力線との間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、第4コイル、前記一次巻線の第2端及び前記中間タップを介して中性点に前記交流電源の第2端が接続された第4ハーフブリッジ回路とを備え、前記DC/DC変換回路は、前記第1出力線と前記第2出力線との間に、直列に接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子を有し、第5コイルを介して中性点に前記交流負荷の第2端が接続された第5ハーフブリッジ回路を有するものであってもよい。
【0013】
かかる構成によれば、共用ハーフブリッジ回路がAC/DC変換及びDC/AC変換の双方に用いられるため、構成の簡素化を図ることができる。また、本構成によれば、AC/DC変換回路の第3ハーフブリッジ回路及び第4ハーフブリッジ回路がDC/DC変換回路の一部としても用いられる。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、外部から供給された交流電圧を直流電圧に変換しつつ、直流電圧を外部から供給された交流電圧とは異なる電圧の交流電圧を供給するための構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係る電力変換装置1の構成の一例を示す図。
図2】第2実施形態に係る電力変換装置2の構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して第1実施形態について説明する。
[全体構成]
電力変換装置1は、例えば、車両(例えば電気自動車)に搭載される装置である。電気自動車は、例えば、充電式バッテリを搭載し、充電式バッテリに蓄電された電力によってモータを駆動して動作する。
【0017】
図1に示すように、電力変換装置1は、例えば、一以上のハーフブリッジ回路10と、ハーフブリッジ回路10の動作を制御する制御部20と、第1コイルL1と、第2コイルL2と、切替器SWとを備える。
【0018】
電力変換装置1には、例えば、交流電源V1と、交流負荷V2とが接続される。交流電源V1は、例えば、充電式バッテリを充電する充電機器が備える電源である。交流電源V1は、車外に設けられている。交流電源V1は、例えば、周波数が60[Hz](或いは、50[Hz])であって、電圧が100[V]や200[V]の交流電圧を出力する。交流負荷V2は、例えば、車室内に備えられるコンセント等に接続される機器であって、電力変換装置1から供給される交流電力を消費する装置等である。交流負荷V2は、例えば、電力変換装置1から供給される交流電力であって、電圧が100[V]の交流電力を消費する。
【0019】
以降の説明において、交流電源V1が電力変換装置1に供給する交流電圧を「第1交流電圧」と記載し、交流負荷V2が電力変換装置1から供給される交流電圧を「第2交流電圧」と記載する。以下、第1交流電圧と、第2交流電圧とが異なる電圧である場合について説明する。例えば、第1交流電圧が200[V]であるのに対し、第2交流電圧が100[V]であるものとする。つまり、第2交流電圧は、第1交流電圧よりも低い。
【0020】
交流電源V1は、第1端t11と、第2端t12とを備える。また、交流負荷V2は、第1端t21と、第2端t22とを備える。第1端t11、t21は第1端子ともいえ、第2端t12、t22は第2端子ともいえる。交流電源V1の第1端t11、及び第2端t12は、電力変換装置1に接続されているとともに、交流負荷V2の第1端t21、及び第2端t22は、電力変換装置1に接続されている。
【0021】
本実施形態の電力変換装置1は、交流電源V1の第1端t11と交流負荷V2の第1端t21とを接続する接続線cw1を有している。交流電源V1と交流負荷V2とは、電力変換装置1内の接続線cw1によって互いに接続されている。なお、電力変換装置1内における交流電源V1の第2端t12及び交流負荷V2の第2端t22の接続態様の詳細は、後述する。
【0022】
また、電力変換装置1は、第1出力線OL1と、第2出力線OL2と、コンデンサC1とを備える。コンデンサC1の正極端子は、第1出力線OL1に接続され、コンデンサC1の負極端子は、第2出力線OL2に接続される。コンデンサC1は、例えば、直流電圧を平滑化する。
【0023】
なお、第1出力線OL1に生じる電位は、コンデンサC1の正極端子に生じる電位であり、第2出力線OL2に生じる電位は、コンデンサC1の負極端子に生じる電位である。このため、第1出力線OL1は、コンデンサC1の正極端子と同電位となる正極電位部ともいえ、第2出力線OL2は、コンデンサC1の負極と同電位となる負極電位部ともいえる。また、第1出力線OL1と第2出力線OL2との間に発生する電圧は、コンデンサC1の両端に生じる電圧である。
【0024】
本実施形態の電力変換装置1は、ハーフブリッジ回路10aと、ハーフブリッジ回路10bと、ハーフブリッジ回路10cとの三つのハーフブリッジ回路10を備える。ハーフブリッジ回路10aは、「第1ハーフブリッジ回路」の一例であり、ハーフブリッジ回路10bは、「第2ハーフブリッジ回路」の一例であり、ハーフブリッジ回路10cは、「共用ハーフブリッジ回路」の一例である。
【0025】
以降の説明において、ハーフブリッジ回路10aが備える構成については、符号の末尾に「a」を付し、ハーフブリッジ回路10bが備える構成については、符号の末尾に「b」を付し、ハーフブリッジ回路10cが備える構成については、符号の末尾に「c」を付す。また、以降の説明において、ハーフブリッジ回路10a、ハーフブリッジ回路10b、及びハーフブリッジ回路10cを互いに区別しない場合には、単に「ハーフブリッジ回路10」と記載する。
【0026】
図1に示すように、ハーフブリッジ回路10aと、ハーフブリッジ回路10bと、ハーフブリッジ回路10cとは、第1出力線OL1と第2出力線OL2との間に、互いに並列に接続される。ハーフブリッジ回路10は、同様の構成を有する。以下、ハーフブリッジ回路10のうち、ハーフブリッジ回路10aの構成について説明し、他の二つのハーフブリッジ回路10の構成については、説明を省略する。したがって、ハーフブリッジ回路10b、及びハーフブリッジ回路10cについては、符号の末尾の記号を「a」を「b」や「c」に読み替えればよい。
【0027】
ハーフブリッジ回路10aは、例えば、セル11aと、セル12aとを備える。セル11aと、セル12aとは、一以上のスイッチング素子と、スイッチング素子の数に応じたダイオードとをそれぞれ備える。スイッチング素子は、例えば、n型のパワーMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)や、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)により実現される。以下、セル11aと、セル12aとが、IGBGTにより実現されるスイッチング素子と、ダイオードとをそれぞれ一つずつ備える場合について説明する。スイッチング素子と、ダイオードとは、互いに並列に接続される。具体的には、スイッチング素子のコレクタと、ダイオードのカソードとが接続され、スイッチング素子のエミッタと、ダイオードのアノードとが接続される。
【0028】
セル11aと、セル12aとは、第1出力線OL1と第2出力線OL2との間に互いに直列接続される。具体的には、セル11aが備えるスイッチング素子のコレクタと、ダイオードのカソードとは、第1出力線OL1に接続される。また、セル11aが備えるスイッチング素子のエミッタと、ダイオードのアノードと、セル12aが備えるスイッチング素子のコレクタと、ダイオードのカソードとが接続される。また、セル12aが備えるスイッチング素子のエミッタと、ダイオードのアノードとは、第2出力線OL2に接続される。以降の説明において、セル11aと、セル12aとが接続される接続点を「中性点」とも記載する。ハーフブリッジ回路10cの中性点には、交流電源V1の第1端t11と交流負荷V2の第1端t21とを接続する接続線cw1が接続される。
【0029】
本実施形態の電力変換装置1は、ハーフブリッジ回路10aの中性点と交流電源V1の第2端t12とを接続する第1配線wd1を備え、第1コイルL1は、第1配線wd1上に設けられている。第1コイルL1とハーフブリッジ回路10aとによってAC/DC変換回路ct1が構成されている。すなわち、AC/DC変換回路ct1は、ハーフブリッジ回路10aを備えるといえる。
【0030】
本実施形態の電力変換装置1は、ハーフブリッジ回路10bの中性点に接続された第2配線wd2と、第2配線wd2上に設けられた第2コイルL2とを備える。本実施形態では、第2コイルL2とハーフブリッジ回路10bとによってDC/AC変換回路ct2が構成されている。すなわち、DC/AC変換回路ct2は、ハーフブリッジ回路10bを備えるといえる。
【0031】
切替器SWは、第1端t31と、第2端t32と、第3端t33とを備える。切替器SWの第1端t31は、第1配線wd1(詳細には、第1配線wd1における第1コイルL1と交流電源V1とを接続する部分)に接続されている。切替器SWの第2端t32は、交流電源V1の第2端t12に接続されている。切替器SWの第3端t33は、第2配線wd2に接続されている。このため、第3端t33は、第2コイルL2を介して、ハーフブリッジ回路10bの中性点に接続されている。
【0032】
切替器SWは、制御部20の制御に基づいて、第3端t33の接続先を第1端t31、又は第2端t32に切り替えるものである。ここで、第3端t33がハーフブリッジ回路10cの中性点に接続されている点に着目すれば、切替器SWは、ハーフブリッジ回路10bの中性点の接続先を、交流電源V1又は交流負荷V2に切り替えるものである。
【0033】
かかる構成によれば、切替器SWの第3端t33の接続先が第2端t32となっている場合、DC/AC変換回路ct2が交流負荷V2に接続される。詳細には、ハーフブリッジ回路10bの中性点には、第2コイルL2を介して交流負荷V2の第2端t22が接続される。
【0034】
一方、切替器SWの第3端t33の接続先が第1端t31となっている場合、第2コイルL2、及びハーフブリッジ回路10bが交流電源V1に接続される。詳細には、ハーフブリッジ回路10bの中性点には、第2コイルL2を介して交流電源V1の第2端t12が接続される。以降の説明において、第2端t32と第3端t33とが接続される状態を「第1切替状態」とする。また、第1端t31と第3端t33とが接続される状態を「第2切替状態」とする。
【0035】
制御部20は、例えば1つ以上の専用のハードウェア回路、及び、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ(制御回路)の少なくとも一方によって実現されるものである。換言すれば、制御部20は、制御回路ともいえる。制御部20は、交流負荷V2の状態に基づいて、切替器SWを制御する。制御部20は、例えば、交流負荷V2に第2交流電圧を供給する必要がある場合、切替器SWを第1切替状態にする。制御部20は、例えば、交流負荷V2に第2交流電圧を供給する必要がない場合、切替器SWを第2切替状態にする。交流負荷V2に第2交流電圧を供給する必要がない場合とは、例えば、交流負荷V2に交流電力を消費する装置が動作していない場合、またはこれらの装置を動作させる必要がない場合である。
【0036】
制御部20は、電力変換装置1が備えるセル11やセル12のスイッチング素子をPWM(Pulse Width Modulation)制御する。制御部20は、第1切替状態において、AC/DC変換回路ct1(詳細にはハーフブリッジ回路10a)と、ハーフブリッジ回路10cとを協働させて、交流電源V1から出力される第1交流電圧を直流電圧に変換する。制御部20は、例えば、セル11aとセル12cとをオン状態にしつつ、セル12aとセル11cとをオフ状態にする、又はセル11aとセル12cとをオフ状態にしつつ、セル12aとセル11cとをオン状態にする。これにより、第1交流電圧が直流電圧に変換され、当該直流電圧が両出力線(第1出力線OL1、及び第2出力線OL2)間に供給される。この場合、ハーフブリッジ回路10cは、第1交流電圧を全波整流するのに用いられる。以降の説明において、AC/DC変換回路ct1と、ハーフブリッジ回路10cとが協働して、第1交流電圧を変換し、両出力線(第1出力線OL1、及び第2出力線OL2)間に供給する直流電圧を、「第1直流電圧」とする。
【0037】
制御部20は、第1切替状態において、DC/AC変換回路ct2(詳細にはハーフブリッジ回路10b)と、ハーフブリッジ回路10cとを協働させて、第1直流電圧を第2交流電圧に変換する。制御部20は、例えば、セル11bとセル12cとをオン状態にしつつ、セル12bとセル11cとをオフ状態にする、又はセル11bとセル12cとをオフ状態にしつつ、セル12bとセル11cとをオン状態にする。この場合、制御部20は、AC/DC変換において動作しているハーフブリッジ回路10c(セル11c,12c)の動作に対応させて、ハーフブリッジ回路10b(セル11b,12b)を動作させる。この場合、ハーフブリッジ回路10cは、第1直流電圧を第2交流電圧の周波数に合わせて負電圧に反転させるのに用いられる。これにより、第1交流電圧が第1直流電圧に変換されつつ、第1直流電圧が第2交流電圧に変換される。つまり、AC/DC変換とDC/AC変換とが同時に行われる。
【0038】
ちなみに、制御部20は、第2交流電圧が第1交流電圧よりも小さい電圧になるようにハーフブリッジ回路10bのスイッチング素子を制御するPWM制御信号のパルス幅を変調して制御する。これにより、第1交流電圧よりも電圧が低い第2交流電圧が交流負荷V2に供給される。
【0039】
また、制御部20は、第2切替状態において、DC/AC変換回路ct2(詳細にはハーフブリッジ回路10b)と、ハーフブリッジ回路10cとを協働させて、第1交流電圧を第1直流電圧に変換する。制御部20は、例えば、ハーフブリッジ回路10aとハーフブリッジ回路10bとを同期して動作させ、第1交流電圧を第1直流電圧に変換する。すなわち、第2切替状態時では、DC/AC変換回路ct2は、第1交流電圧を第1直流電圧に変換するAC/DC変換を行うものとして機能する。換言すれば、DC/AC変換回路ct2は、切替器SWの状態に応じて、AC/DC変換またはDC/AC変換を行う双方向変換回路である。なお、第2切替状態におけるハーフブリッジ回路10aとハーフブリッジ回路10cとが協働する動作は、上述した第1切替状態の動作と同様の動作であるため、説明を省略する。
【0040】
なお、上述では、制御部20は、ハーフブリッジ回路10bと、ハーフブリッジ回路10cとを協働して動作させ、第1交流電圧を第2交流電圧に変換させる場合について説明したが、これに限られない。制御部20は、ハーフブリッジ回路10aとハーフブリッジ回路10cとが協働して動作して交流電源V1から出力される第1交流電圧を直流電圧に変換する際に、ハーフブリッジ回路10bとハーフブリッジ回路10cとのスイッチング素子をインターリーブ動作させ、力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路として動作させてもよい。
【0041】
第1実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1-1)電力変換装置1は、交流電源V1及び交流負荷V2の双方に接続されるものであって、第1出力線OL1及び第2出力線OL2を有する。交流電源V1は、第1交流電圧を出力するものであって第1端t11及び第2端t22を有する。交流負荷V2は、第1交流電圧とは電圧が異なる第2交流電圧が入力されるものであって第1端t21及び第2端t22を有する。電力変換装置1は、交流電源V1の第1端t11と交流負荷V2の第1端t21とを接続する接続線cw1と、共用ハーフブリッジ回路(この一例では、ハーフブリッジ回路10c)と、AC/DC変換回路ct1と、DC/AC変換回路ct2とを備えている。
【0042】
ハーフブリッジ回路10cは、互いに直列接続された状態で第1出力線OL1及び第2出力線OL2に接続された上アームスイッチング素子(セル11cのスイッチング素子)及び下アームスイッチング素子(セル12cのスイッチング素子)と、接続線cw1が接続された中性点と、を有する。AC/DC変換回路ct1は、交流電源V1の第2端t12が接続され、ハーフブリッジ回路10cと協働して交流電源V1から出力される第1交流電圧を第1直流電圧に変換し、その変換した第1直流電圧を両出力線(第1出力線OL1、第2出力線OL2)に供給する。
【0043】
DC/AC変換回路ct2は、交流負荷V2の第2端t22が接続され、ハーフブリッジ回路10cと協働して第1直流電圧を第2交流電圧に変換し、その変換した第2交流電圧を交流負荷V2に出力する。
【0044】
かかる構成によれば、第1交流電圧から第1直流電圧へのAC/DC変換と、第1直流電圧から第2交流電圧へのDC/AC変換と、の双方を行うことができる。この場合、AC/DC変換及びDC/AC変換の双方においてハーフブリッジ回路10cが用いられるため、構成の簡素化を図ることができる。
【0045】
(1-2)AC/DC変換回路ct1は、両出力線(第1出力線OL1、及び第2出力線OL2)に接続された第1ハーフブリッジ回路としてのハーフブリッジ回路10aと、第1コイルL1と、を有している。ハーフブリッジ回路10aは、互いに直列に接続された上アームスイッチング素子(セル11aのスイッチング素子)及び下アームスイッチング素子(セル12aのスイッチング素子)と、第1コイルL1を介して交流電源V1の第2端t12が接続された中性点と、を有している。
【0046】
DC/AC変換回路ct2は、両出力線(第1出力線OL1、第2出力線OL2)に接続された第2ハーフブリッジ回路としてのハーフブリッジ回路10bと、第2コイルL2と、を有している。ハーフブリッジ回路10bは、互いに直列に接続された上アームスイッチング素子(セル11bのスイッチング素子)及び下アームスイッチング素子(セル12bのスイッチング素子)と、第2コイルL2を介して交流負荷V2の第2端t22が接続された中性点と、を有している。
【0047】
かかる構成によれば、ハーフブリッジ回路10aとハーフブリッジ回路10cとによってAC/DC変換が行われ、ハーフブリッジ回路10bとハーフブリッジ回路10cとによってDC/AC変換が行われる。これにより、本実施形態の電力変換装置1は、ハーフブリッジ回路10bのセル11bのスイッチング素子、及びセル12bのスイッチング素子のデューティ比を調整することにより、第2交流電圧を第1交流電圧とは異ならせることができる。また、本実施形態の電力変換装置1は、AC/DC変換回路ct1とDC/AC変換回路ct2とのそれぞれに2つのハーフブリッジ回路を設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。
【0048】
(1-3)電力変換装置1は、第2ハーフブリッジ回路としてのハーフブリッジ回路10bの中性点への接続を切り替える切替器SWを備えている。切替器SWは、交流負荷V2の第2端t22とハーフブリッジ回路10bの中性点とが接続された第1切替状態、または、交流電源V1の第2端t12とハーフブリッジ回路10bの中性点とが接続された第2切替状態に切り替わるものである。DC/AC変換回路ct2は、第1切替状態において、ハーフブリッジ回路10cと協働して交流電源V1から出力される第1交流電圧を第1直流電圧に変換するAC/DC変換を行う。また、DC/AC変換回路ct2は、第2切替状態において、ハーフブリッジ回路10cと協働して第1直流電圧を第2交流電圧に変換し、交流負荷V2に供給する。
【0049】
かかる構成によれば、切替器SWを第1切替状態にすることにより、AC/DC変換とDC/AC変換とを同時に行うことができる。また、切替器SWが第2切替状態である場合、ハーフブリッジ回路10bは、ハーフブリッジ回路10cと協働してAC/DC変換を行うものとして機能する。これにより、本実施形態の電力変換装置1は、第2交流電圧を供給する必要がない場合には、切替器SWを第2切替状態にすることにより、AC/DC変換の電力を大きくすることができる。
【0050】
なお、上述した実施形態では、電力変換装置1が切替器SWを備える場合について説明したが、これに限られない。電力変換装置1は、切替器SWを備えていなくてもよい。この場合、交流電源V1の第2端t12とハーフブリッジ回路10aの中性点とが第1配線wd1により接続される。また、この場合、交流負荷V2の第2端t22とハーフブリッジ回路10bの中性点とが第2配線wd2により接続される。この接続により、本実施形態の電力変換装置1は、常時、上述した第1切替状態として動作する。
【0051】
これにより、本実施形態の電力変換装置1は、AC/DC変換とDC/AC変換とを同時に行いつつ、AC/DC変換回路ct1とDC/AC変換回路ct2とのそれぞれに2つのハーフブリッジ回路を設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができる。
【0052】
<第2実施形態>
以下、図面を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態では、電力変換装置2が、DC/DC変換器を更に備える場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
図2に示すように、電力変換装置2は、例えば共用ハーフブリッジ回路であるハーフブリッジ回路10cと、AC/DC変換回路ct1と、DC/AC変換回路ct2と、DC/DC変換回路ct3とを備える。本実施形態のハーフブリッジ回路10cは、第1実施形態と同様に、第1出力線OL1、及び第2出力線OL2に接続され、中性点が、接続線cw1に接続されている。本実施形態のDC/AC変換回路ct2は、第1実施形態と同様に、ハーフブリッジ回路10bと、第2コイルL2とを有する。ハーフブリッジ回路10bは、第1出力線OL1及び第2出力線OL2に接続されている。ハーフブリッジ回路10bの中性点は、第2配線wd2によって交流負荷V2の第2端t22に接続され、第2配線wd2上には第2コイルL2が設けられる。
【0054】
本実施形態では、電力変換装置2において、AC/DC変換回路ct1と、DC/DC変換回路ct3とが一体化されている。詳細には、AC/DC変換回路ct1は、第3コイルL3と、第4コイルL4と、ハーフブリッジ回路10eと、ハーフブリッジ回路10dとを含む。DC/DC変換回路ct3は、ハーフブリッジ回路10dと、ハーフブリッジ回路10eと、第3コイルL3と、第4コイルL4と、トランスTRと、ハーフブリッジ回路10fと、ハーフブリッジ回路10gとを含む。すなわち、本実施形態では、第3コイルL3と、第4コイルL4と、ハーフブリッジ回路10eと、ハーフブリッジ回路10dとが、AC/DC変換回路ct1と、DC/DC変換回路ct3との双方において共用されている。
【0055】
ハーフブリッジ回路10dは、「第3ハーフブリッジ回路」の一例であり、ハーフブリッジ回路10eは、「第4ハーフブリッジ回路」の一例であり、ハーフブリッジ回路10fとハーフブリッジ回路10gとは、「第5ハーフブリッジ回路」の一例である。
【0056】
トランスTRは、1次巻線及び2次巻線を有する。交流電源V1の第2端t12は、トランスTRの一次巻線の中間タップに接続される。ハーフブリッジ回路10dは、第1出力線OL1、及び第2出力線OL2に接続されている。ハーフブリッジ回路10dの中性点は、第3コイルL3を介してトランスTRの一次巻線の第1端に接続されている。つまり、ハーフブリッジ回路10dの中性点は、第3コイルL3、トランスTRの一次巻線の第1端、及び中間タップを介して、交流電源V1の第2端t12に接続される。本実施形態において、第3コイルL3、及び第4コイルL4は、「第5コイル」の一例である。
【0057】
ハーフブリッジ回路10eは、第1出力線OL1、及び第2出力線OL2に接続されている。ハーフブリッジ回路10eの中性点は、第4コイルL4を介してトランスTRの一次巻線の第2端に接続されている。つまり、ハーフブリッジ回路10eの中性点は、第4コイルL4、トランスTRの一次巻線の第2端、及び中間タップを介して交流電源V1の第2端t12に接続される。
【0058】
電力変換装置2は、第3出力線OL3と、第4出力線OL4とを有する。ハーフブリッジ回路10fと、ハーフブリッジ回路10gとは、第3出力線OL3と、第4出力線OL4との間に、互いに並列に接続される。ハーフブリッジ回路10fの中性点は、トランスTRの二次巻線の第1端に接続される。また、ハーフブリッジ回路10gの中性点は、トランスTRの二次巻線の第2端に接続される。
【0059】
電力変換装置2は、コンデンサC2を備える。コンデンサC2は、ハーフブリッジ回路10bとハーフブリッジ回路10dとの間に設けられている。コンデンサC2は、AC/DC変換回路ct1によって変換された第1直流電圧を平滑化する。電力変換装置2は、コンデンサC3を備える。コンデンサC3は、DC/DC変換回路ct3によって変換された第2直流電圧を平滑化する。
【0060】
なお、上述では、制御部20は、ハーフブリッジ回路10bと、ハーフブリッジ回路10cとを協働して動作させ、第1交流電圧を第2交流電圧に変換させる場合について説明したが、これに限られない。制御部20は、ハーフブリッジ回路10c,10d,10eが協働して動作して交流電源V1から出力される第1交流電圧を直流電圧に変換する際に、ハーフブリッジ回路10bとハーフブリッジ回路10cとのスイッチング素子をインターリーブ動作させ、力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路として動作させてもよい。
【0061】
制御部20は、AC/DC変換回路ct1(詳細にはハーフブリッジ回路10d,10e)とハーフブリッジ回路10cとを協働して動作させることによって、第1交流電圧を第1直流電圧に変換させる。この場合、ハーフブリッジ回路10cは、第1交流電圧を全波整流するものとして機能する。また、制御部20は、DC/DC変換回路ct3(詳細にはハーフブリッジ回路10d,10e,10f,10g)を協働して動作させることによって、第1直流電圧を第2直流電圧に変換する。
【0062】
また、制御部20は、DC/AC変換回路ct2(詳細にはハーフブリッジ回路10b)とハーフブリッジ回路10cとを協働して動作させることによって第1交流電圧を第2交流電圧に変換する。
【0063】
第2実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(2-1)電力変換装置2は、一次巻線及び二次巻線を有するトランスTRを有し、AC/DC変換回路ct1が変換した第1直流電圧を第2直流電圧に変換し、変換した第2直流電圧を第3出力線OL3と第4出力線OL4との間に生じさせるDC/DC変換回路ct3を更に備える。DC/DC変換回路ct3は、ハーフブリッジ回路10dと、ハーフブリッジ回路10eと、第3コイルL3と、第4コイルL4と、トランスTRと、ハーフブリッジ回路10fと、ハーフブリッジ回路10gとを含む。また、電力変換装置2のAC/DC変換回路ct1は、第3コイルL3と、第4コイルL4と、ハーフブリッジ回路10eと、ハーフブリッジ回路10dとを含む。
【0064】
かかる構成によれば、共用ハーフブリッジ回路(詳しくはハーフブリッジ回路10c)がAC/DC変換及びDC/AC変換の双方に用いられ、更に第3コイルL3と、第4コイルL4と、ハーフブリッジ回路10eと、ハーフブリッジ回路10dとが、AC/DC変換回路ct1、及びDC/DC変換回路ct3との双方において共用されている。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
【0065】
(2-2)また、電力変換装置2では、トランスTRによってハーフブリッジ回路10d、及びハーフブリッジ回路10eが、ハーフブリッジ回路10f、及びハーフブリッジ回路10gから電気的に絶縁される。これにより、本実施形態の電力変換装置2においてハーフブリッジ回路10d、及びハーフブリッジ回路10eは、ハーフブリッジ回路10f、及びハーフブリッジ回路10gで発生した高電圧による電流の影響を抑制することができる。
【0066】
上記各実施形態は以下のように変更してもよい。また、技術的に矛盾が生じない範囲内で上記各実施形態と下記別例とを適宜組み合わせもよい。
○ AC/DC変換回路ct1の具体的な構成は任意である。同様に、DC/AC変換回路ct2の具体的な構成は任意である。
【0067】
○ 電力変換装置1,2が搭載される対象は、電気自動車に限られず、任意である。
【符号の説明】
【0068】
1、2…電力変換装置、10、10a、10b、10c、10d、10f、10g、10e…ハーフブリッジ回路、11、11a、11b、11c、12、12a、12b、12c…セル、20…制御部、C1、C2、C3…コンデンサ、L1…第1コイル、L2…第2コイル、L3…第3コイル、L4…第4コイル、V1…交流電源、V2…交流負荷、OL1…第1出力線、OL2…第2出力線、ct1…AC/DC変換回路、ct2…DC/AC変換回路、ct3…DC/DC変換回路。
図1
図2