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  • 特開-装飾具及び装飾具連結体 図1
  • 特開-装飾具及び装飾具連結体 図2
  • 特開-装飾具及び装飾具連結体 図3
  • 特開-装飾具及び装飾具連結体 図4
  • 特開-装飾具及び装飾具連結体 図5
  • 特開-装飾具及び装飾具連結体 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030167
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】装飾具及び装飾具連結体
(51)【国際特許分類】
   A44C 7/00 20060101AFI20220210BHJP
   A44C 25/00 20060101ALI20220210BHJP
   A44C 5/00 20060101ALI20220210BHJP
   A44B 99/00 20100101ALI20220210BHJP
【FI】
A44C7/00 A
A44C25/00 A
A44C5/00 501C
A44B99/00 611P
A44B99/00 601P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133958
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】594137579
【氏名又は名称】三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】森本 精次
(72)【発明者】
【氏名】山崎 かおり
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA12
(57)【要約】
【課題】軽量で耐久性に優れ、身体への装着も容易な装飾具及び装飾具連結体を提供する。
【解決手段】装飾具1は、周回方向の一箇所が切目2となって途切れているC字形状である。凸条7を有する凸部と、凹条8を有する凹部とが周回方向において交番して現われる。切目2付近を除いて、前面側において凸条7となっている部分は、後面側では凹条9となっており、前面側において凹条8となっている部分は、後面側では凸条10となっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周回方向の一箇所において途切れたC字形状の合成樹脂成形体よりなる装飾具。
【請求項2】
前記装飾具は、
それぞれ周回方向に延在する内周面及び外周面と、
該内周面と外周面とをつなぐ第1の面(以下、前面という。)と、
該内周面と外周面とをつなぐ第2の面(以下、後面という。)と、
を有する請求項1の装飾具。
【請求項3】
前記後面は前面よりも粗度が高い粗面となっている請求項2の装飾具。
【請求項4】
前記装飾具は、周回方向において前面側に向って凸となる部分と前面側に向って凹となる部分とが交番して現われる波形状を有する請求項1~3のいずれかの装飾具。
【請求項5】
前面側に向って凸となる部分は凸条を有し、前面側に向って凹となる部分は凹条を有しており、
該凸条及び凹条は、それぞれ、装飾具の内周面から外周面まで延在している請求項4の装飾具。
【請求項6】
少なくとも一部の前記凸条及び凹条は、装飾具の放射方向に対して交差方向に延在している請求項5の装飾具。
【請求項7】
内周側の厚みが外周側の厚みよりも大きい請求項1~6のいずれかの装飾具。
【請求項8】
切目付近を除いて、内周側から外周側にかけて徐々に厚みが小さくなっている請求項7の装飾具。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項の装飾具が複数個、直接又は線状体によって連結されている装飾具連結体。
【請求項10】
輪状となっている請求項9の装飾具連結体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体や室内等の装飾に用いられる装飾具及び装飾具連結体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
耳に装着される耳飾りとして、特許文献1に、耳に保持されるバネ鋼よりなる弓弧状の保持部と、該保持部にロウ付け等により取り付けられた線材よりなる装飾部とを有したものが記載されている。
【0003】
特許文献2には耳に直接に取り付けられる取付部材と、該取付部材に対し吊支された光輝装飾体とを有する装身具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録3165474号公報
【特許文献2】特開2018-114258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、軽量で耐久性に優れ、身体への装着も容易な装飾具及び装飾具連結体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、次を要旨とするものである。
[1] 周回方向の一箇所において途切れたC字形状の合成樹脂成形体よりなる装飾具。
[2] 前記装飾具は、
それぞれ周回方向に延在する内周面及び外周面と、
該内周面と外周面とをつなぐ第1の面(以下、前面という。)と、
該内周面と外周面とをつなぐ第2の面(以下、後面という。)と、
を有する[1] の装飾具。
[3] 前記後面は前面よりも粗度が高い粗面となっている[2]の装飾具。
[4] 前記装飾具は、周回方向において前面側に向って凸となる部分と前面側に向って凹となる部分とが交番して現われる波形状を有する[1]~[3]のいずれかの装飾具。
[5] 前面側に向って凸となる部分は凸条を有し、前面側に向って凹となる部分は凹条を有しており、
該凸条及び凹条は、それぞれ、装飾具の内周面から外周面まで延在している[4]の装飾具。
[6] 少なくとも一部の前記凸条及び凹条は、装飾具の放射方向に対して交差方向に延在している[5]の装飾具。
[7] 内周側の厚みが外周側の厚みよりも大きい[1]~[6]のいずれかの装飾具。
[8] 切目付近を除いて、内周側から外周側にかけて徐々に厚みが小さくなっている[7]の装飾具。
[9] [1]~[8]のいずれか1項の装飾具が複数個、直接又は線状体によって連結されている装飾具連結体。
[10] 輪状となっている[9]の装飾具連結体。
【発明の効果】
【0007】
本発明の装飾具は、合成樹脂成形体よりなるため、軽量で耐久性に優れ、金属アレルギーのおそれもない。また、C字形状であるため、耳に対し容易に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る装飾具の前面側からの斜視図である。
図2】実施の形態に係る装飾具の後面側からの斜視図である。
図3】(a)は図2のIIIa-IIIa線断面図である。(b)は図2のIIIb-IIIb線断面図である。
図4】実施の形態に係る装飾具の正面図である。
図5】実施の形態に係る装飾具の断面図である。
図6】実施の形態に係る装飾具の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図6を参照して実施の形態について説明する。
【0010】
この実施の形態に係る装飾具1は、合成樹脂の射出成形品である。合成樹脂としては、ポリカーボネート、アクリル、ABSなどが好適である。この装飾具は、透明であってもよく、半透明であってもよく、不透明であってもよい。この合成樹脂組成物に離型剤や耐候剤やエラストマーを添加したり、光輝材や蓄光材や金属顔料や偏光顔料や蛍光顔料、ラメを添加したりすることにより、金属調あるいは偏光色を有した外観を具備させてもよい。
【0011】
装飾具1は、周回方向の一箇所が切目2となって途切れているC字形状である。切目2の周回方向の長さは、中心角として2~20゜特に4~15゜程度が好ましい。
【0012】
この装飾具1は、内周面3、外周面4、該内周面3と外周面4とを結ぶ前面(第1の面)5、及び前面と反対側の後面(第2の面)6を有している。
【0013】
この装飾具1は、周回方向において、前面側に向って凸となる部分と、前面側に向って凹となる部分とが交番して現われるように、周回方向において波状に屈曲した形状を有している。
【0014】
即ち、装飾具1を前面側から見た場合、切目2の近傍を除いて、凸条7を有した凸部と、凹条8を有した凹部とが周回方向において交番して現われる。凸条7及び凹条8は内周面3から外周面4にまで延在している。
【0015】
この実施の形態では切目2付近を除いて、装飾具1は板状である。そのため、前面側において凸条7となっている部分は、後面側では凹条9となっており、前面側において凹条8となっている部分は、後面側では凸条10となっている。
【0016】
この実施の形態では、図4に示すように、切目2の近傍を除いて、各凸条7及び凹条8は装飾具1の放射方向に対して斜交方向に延在している。この斜交角度θ(図4)は、100~170゜特に110~150゜であることが好ましい。
【0017】
切目2の近傍では、内周面3及び外周面4は円弧状となっているが、それ以外の大部分の内周面3及び外周面4は、屈曲線よりなる。屈曲線の屈曲部分に凸条7又は凹条8の末端が交わっている。
【0018】
装飾具の直径(外径)は20~90mm特に40~70mm程度が好適であり、凸条7の数は3~30個特に5~15個程度が好適である。
【0019】
切目2の近傍においては、装飾具1の径方向の幅は0.2~6mm特に0.5~4mm程度が好適である。装飾具1の径方向の幅は、切目2から直径方向反対側にかけて徐々に大きくなっている。切目2と直径方向反対側においては、装飾具1の径方向の幅は2~30mm特に5~20mm程度が好適である。
【0020】
装飾具1の厚みは、切目2付近を除いて(例えば、切目2から最も近い凸条7までの間を除いて)、外周面4側が最も小さく、内周面3側が最も大きいものとなっており、内周面3側から外周面4側にかけて厚みが徐々に小さくなっている。切目2付近を除いて、外周面4側の平均厚みは0.1~5mm特に0.3~3mm程度が好適である。内周面3側の平均厚みは1~10mm特に2~6mm程度が好適である。
【0021】
切目2付近における装飾具の厚みは0.5~9mm特に1~6mm程度が好適である。
【0022】
この実施の形態では、前面5の表面は平滑となっており、後面6の表面は前面5よりも粗度の高い粗面(例えばシボ面)となっている。前面5の表面の表面粗さRaは10μm以下特に2μm以下が好適である。
【0023】
1条の凸条7と1条の凹条8と周縁とで囲まれる領域の各々は、全体として平坦な平面より成っていてもよいが、微妙に湾曲又は屈曲していてもよい。
【0024】
図5はその一例を示すものであり、符号20は屈曲線条を示している。
【0025】
この装飾具1は、合成樹脂成形品よりなるため、軽量であり、耐久性(耐食性)に優れ、金属アレルギーをもたらすこともない。
【0026】
この装飾具1は、切目2部分を弾性的に押し広げることができ、耳やネクタイなどに容易に装着することができる。
【0027】
この装飾具1は、イヤーカフ、ネクタイ止め、ハンカチ止めなどに好適である。
【0028】
また、複数個の装飾具1を紐・鎖などの線状体によって連結して、あるいは装飾具1同士を直接連結して、身体装飾用又は室内装飾用の装飾具連結体としてもよい。
【0029】
身体装飾用装飾具連結体としては、これを輪状とすることにより、ネックレス、ベルト飾り、ブレスレット、レイ、冠等とすることができる。室内装飾用装飾具連結体としては、スダレ、カーテン等が例示される。
【符号の説明】
【0030】
1 装飾具
2 切目
3 内周面
4 外周面
5 前面
6 後面
7,10 凸条
8,9 凹条
図1
図2
図3
図4
図5
図6