(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030185
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】店舗の混雑情報を出力する処理装置、プログラムおよび処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220210BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133991
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 政揆
(72)【発明者】
【氏名】春口 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】加地 由季子
(72)【発明者】
【氏名】篠原 清志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】店舗の混雑情報を出力する処理装置において、最初に検索した範囲内に空席がある店舗が存在しない場合に、ユーザが再度検索する手間を省略できるものを提供する。
【解決手段】空席管理サーバ200またはユーザ端末300は、店舗の混雑情報を出力する。第1範囲501に含まれる少なくとも1つの第1店舗群について、各店舗の混雑情報を取得し、第1店舗群に混雑情報が所定の混雑基準を満たす店舗が存在しない場合に、第1範囲に含まれない領域を含む第2範囲502を設定し、第2範囲502に含まれる少なくとも1つの店舗を含む第2店舗群について、各店舗の混雑情報を取得し、第2店舗群に含まれる少なくとも1つの店舗の店舗位置情報および混雑情報を出力する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の混雑情報を出力する処理装置であって、
第1範囲に含まれる少なくとも1つの店舗を含む第1店舗群について、各店舗の混雑情報を取得する手段と、
前記第1店舗群に混雑情報が所定の混雑基準を満たす店舗が存在しない場合に、前記第1範囲に含まれない領域を含む第2範囲を設定し、前記第2範囲に含まれる少なくとも1つの店舗を含む第2店舗群について、各店舗の混雑情報を取得する手段と、
前記第2店舗群に含まれる少なくとも1つの店舗の店舗位置情報および混雑情報を出力する手段と、
を備える、処理装置。
【請求項2】
前記処理装置は、前記第1店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報を出力する手段をさらに備える、請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記処理装置は、前記第1店舗群に混雑情報が前記混雑基準を満たす店舗が存在しない場合に、所定の切替指示の入力を受け付ける手段をさらに備え、
前記第2店舗群に含まれる少なくとも1つの店舗の店舗位置情報および混雑情報を出力する前記手段は、前記切替指示に応じて動作する、
請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記第2範囲は、前記第1範囲の全体を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の処理装置。
【請求項5】
前記処理装置は、
通信ネットワークを介して検索基準位置を取得する手段と、
前記検索基準位置に基づき、前記第1範囲を取得する手段と、
混雑情報が前記混雑基準を満たす店舗が前記第1店舗群に存在するか否かを判定する手段と、
前記第2範囲を決定する手段と、
を備え、
前記第2店舗群に含まれる各店舗の前記店舗位置情報および前記混雑情報を、前記通信ネットワークを介して送信することにより出力する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の処理装置。
【請求項6】
前記処理装置は、前記第2店舗群に含まれる各店舗の前記店舗位置情報および前記混雑情報に基づいて、表示範囲を決定する手段と、
前記表示範囲を、前記通信ネットワークを介して送信する手段と、
を備える、
請求項5に記載の処理装置。
【請求項7】
前記表示範囲の表示縮尺と、前記第1範囲の表示縮尺とは等しい、請求項6に記載の処理装置。
【請求項8】
前記処理装置は、
検索基準位置を取得する手段と、
前記検索基準位置を、通信ネットワークを介して送信する手段と、
混雑情報が前記混雑基準を満たす店舗が前記第1店舗群に存在するか否かを判定する手段と、
前記第2範囲を決定する手段と、
を備え、
前記第1店舗群に含まれる各店舗の混雑情報と、前記第2店舗群に含まれる各店舗の前記店舗位置情報および前記混雑情報とを、前記通信ネットワークを介して受信することにより取得し、
前記第2店舗群に含まれる少なくとも1つの店舗の前記店舗位置情報および前記混雑情報を、表示装置に表示することにより出力する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の処理装置。
【請求項9】
前記処理装置は、前記第2店舗群に含まれる少なくとも1つの店舗の前記店舗位置情報および前記混雑情報を、地図画像に重畳して表示する手段をさらに備える、請求項8に記載の処理装置。
【請求項10】
前記処理装置は、前記第2店舗群に含まれる各店舗の前記店舗位置情報および前記混雑情報に応じて異なる範囲の前記地図画像を取得する手段をさらに備える、請求項9に記載の処理装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1~10のいずれか一項に記載の処理装置として機能させるプログラム。
【請求項12】
店舗の混雑情報を出力する処理方法であって、
第1範囲に含まれる少なくとも1つの店舗を含む第1店舗群について、各店舗の混雑情報を取得するステップと、
前記第1店舗群に混雑情報が所定の混雑基準を満たす店舗が存在しない場合に、前記第1範囲に含まれない領域を含む第2範囲を設定し、前記第2範囲に含まれる少なくとも1つの店舗を含む第2店舗群について、各店舗の混雑情報を取得するステップと、
前記第2店舗群に含まれる少なくとも1つの店舗の店舗位置情報および混雑情報を出力するステップと、
を含む処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗の混雑情報を出力する処理装置、プログラムおよび処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、スマートフォンなどのユーザ端末に飲食店等の店舗の混雑情報を提供するための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、飲食店情報提供サーバが、各店舗から取得した混雑度の情報と、各店舗の所在位置情報とを基に、各店舗の混雑を示すアイコンを生成し、地図上にこのアイコンを配置して地図画像を生成し、ユーザ端末からの要求に応じて送信する技術が開示されている。この技術を用いると、ユーザは、リアルタイムに各店舗の混雑情報を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、最初に店舗を検索した範囲内に、空いている店舗が存在するとは限らない。範囲内のすべての店舗が混雑している場合には、ユーザは別の範囲を指定して、再度検索しなければならず、利便性が低下するという課題があった。
【0005】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、店舗の混雑情報を出力する処理装置において、空きのある店舗を探したいユーザに対して、要望に応えた情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る処理装置は、
店舗の混雑情報を出力する処理装置であって、
第1範囲に含まれる少なくとも1つの店舗を含む第1店舗群について、各店舗の混雑情報を取得する手段と、
前記第1店舗群に混雑情報が所定の混雑基準を満たす店舗が存在しない場合に、前記第1範囲に含まれない領域を含む第2範囲を設定し、前記第2範囲に含まれる少なくとも1つの店舗を含む第2店舗群について、各店舗の混雑情報を取得する手段と、
前記第2店舗群に含まれる少なくとも1つの店舗の店舗位置情報および混雑情報を出力する手段と、
を備える。
【0007】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを上述の処理装置として機能させる。
【0008】
本発明に係る処理方法は、
店舗の混雑情報を出力する処理方法であって、
第1範囲に含まれる少なくとも1つの店舗を含む第1店舗群について、各店舗の混雑情報を取得するステップと、
前記第1店舗群に混雑情報が所定の混雑基準を満たす店舗が存在しない場合に、前記第1範囲に含まれない領域を含む第2範囲を設定し、前記第2範囲に含まれる少なくとも1つの店舗を含む第2店舗群について、各店舗の混雑情報を取得するステップと、
前記第2店舗群に含まれる少なくとも1つの店舗の店舗位置情報および混雑情報を出力するステップと、
を含む処理方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、空きのある店舗を探したいユーザに対して要望に応えた情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1に係る混雑情報処理システムの構成例を示す図。
【
図4】実施形態1に係る空席管理テーブルの構成例を示す図。
【
図5】実施形態1に係る混雑情報処理システムの動作の例を説明するフローチャート。
【
図7】
図5のステップS105において表示される画面の例を示す図。
【
図8】
図5のステップS108において表示される画面の例を示す図。
【
図9】実施形態2に係る混雑情報処理システムの動作の例を説明するフローチャート。
【
図10】
図9のステップS120において表示される画面の例を示す図。
【
図11】実施形態3に係る混雑情報処理システムの動作の例を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態は本開示の技術を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが上記課題の解決手段に必須のものとは限らない。
(1)実施形態1
<混雑情報処理システムの構成>
図1に、実施形態1に係る混雑情報処理システム10の構成例を示す。混雑情報処理システム10は、空席管理サーバ200と、ユーザ端末300と、複数の検出部401とを備える。検出部401は、それぞれ店舗400に設けられる。空席管理サーバ200は、ユーザ端末300および各検出部401と、通信ネットワーク(インターネット、移動体通信ネットワーク、等)を介して通信可能である。
実施形態1では、空席管理サーバ200が、混雑情報を出力する処理装置として機能し、本開示に係る処理方法を実行することにより、ユーザ端末300に店舗の混雑情報を出力する。ユーザ端末300はこれを受信し、ユーザに対して表示する。
空席管理サーバ200は、各店舗に対応する検出部401から受信する混雑情報を受け取り、各店舗の混雑状態を示す情報を管理するサーバである。ユーザ端末300は、例えば、スマートフォンなどのデバイスであり、空席管理サーバ200が提供するサービスを利用するユーザが操作する端末である。
【0012】
図2に、空席管理サーバ200の構成例を示す。空席管理サーバ200は、公知のコンピュータを用いて構成することができる。空席管理サーバ200は、演算部および記憶部を備える。演算部はたとえばCPU210を含み、記憶部はたとえばROM220、RAM230および記憶装置240を含む。記憶装置240はたとえば過渡的でない記憶媒体であり、例として磁気ディスク装置またはソリッドステートドライブである。また、空席管理サーバ200は通信装置250を備え、通信装置250を介して通信ネットワークに接続される。
ROM220、RAM230および/または記憶装置240には、空席管理サーバ200の動作を規定するプログラムが格納されてもよい。このプログラムがCPU210によって実行されることにより、空席管理サーバ200は本明細書に記載される機能を実現してもよい。すなわち、このプログラムは、CPU210によって実行されると、公知のコンピュータを空席管理サーバ200として動作させるものであってもよい。
空席管理サーバ200は、図示しない入力部および出力部を備えてもよい。入力部はたとえばキーボードおよびマウスを含み、出力部はたとえばディスプレイ装置および印刷装置を含む。
【0013】
図3に、ユーザ端末300の構成例を示す。ユーザ端末300は、公知のコンピュータ(たとえばスマートフォン)を用いて構成することができる。ユーザ端末300は、演算部および記憶部を備える。演算部はたとえばCPU310を含み、記憶部はたとえば過渡的でない記憶媒体であり、例としてメモリ350を含む。ユーザ端末300は表示装置として表示部320を備える。表示部320はたとえば液晶ディスプレイ(タッチパネルの一部であってもよい)である。ユーザ端末300は入力部330を備える。入力部330はたとえばタッチパネルである。ユーザ端末300は通信部340を備え、通信部340を介して通信ネットワークに接続される。
【0014】
メモリ350には、ユーザ端末300の動作を規定するプログラムが格納されてもよい。このプログラムがCPU310によって実行されることにより、ユーザ端末300は本明細書に記載される機能を実現してもよい。すなわち、このプログラムは、CPU310によって実行されると、公知のコンピュータをユーザ端末300として動作させるものであってもよい。
【0015】
図1の検出部401は、関連する店舗400の混雑状況を検出し、検出した結果を混雑情報として空席管理サーバ200に送信することができる。混雑情報は、たとえば店舗がどの程度混雑しているかを表す混雑度を含む。言い換えれば、混雑情報は、店舗に空きがあるかを示す空き状況を示す空き情報と言い換えることもできる。混雑情報の形式は任意に設計可能であるが、たとえば、「空きあり」、「混雑」、「満席」の3段階で表される。
【0016】
検出部401は、たとえばカメラを備え、画像処理等によって店舗の混雑情報を検出してもよい。また、検出部401は、たとえば各席に設置された人感センサや、待ち領域に設置された人感センサを備え、センサが感知した人数に応じて混雑情報を検出してもよい。たとえば店内の人数に基づいて検出する方法や、店内の各テーブルに着席している人数に基づいて検出する方法、店外の待ち行列の有無または人数に基づいて検出する方法を用いて混雑情報を検出することができる。
また、検出部401は、たとえばコンピュータを備え、店舗スタッフ等が入力する混雑情報を取得することによって混雑情報を検出してもよい。たとえば、店舗スタッフや店舗責任者は、店舗の混雑状態を目視で確認し、検出部401を構成するコンピュータに入力する。
また、検出部401は、たとえば混雑情報を入力するための専用端末を備えてもよい。専用端末の一例として、混雑情報を入力する手段として3つのボタンを備えるものを用いることができる。ボタンは、たとえば「空きあり」に対応するボタンと、「混雑」に対応するボタンと、「満席」に対応するボタンとを含む。店舗スタッフ等がいずれかのボタンを押すと、これに応じて専用端末は対応する混雑情報を検出する。
【0017】
このようにして、検出部401は、リアルタイムの混雑情報を検出し、空席管理サーバ200に送信する。空席管理サーバ200は、各検出部401から混雑情報を受信し、受信した混雑情報をデータベースの空席管理テーブルに格納することができる。
図4に、この空席管理テーブル510の構成例を示す。なお、本実施形態ではテーブル形式の空席管理テーブル510を用いるが、テーブル形式に限らず、混雑情報は任意の形式で格納することができる。
空席管理テーブル510は、空席管理サーバ200において店舗400をそれぞれ識別する店舗識別情報(店舗ID511)を含む。この店舗識別情報は、実際には、検出部401をそれぞれ識別する情報であってもよい。
【0018】
空席管理テーブル510は、店舗ID511に、その店舗の混雑情報517を関連付ける。空席管理サーバ200は、検出部401から混雑情報を受信することに応じ、常に混雑情報517が最新の状態を表すように更新してもよい。
【0019】
ここでは混雑情報517が「0」である場合には「空きあり」を表し、たとえば店舗には十分な空席があることを表すものとする。また混雑情報517が「1」である場合には「混雑」を表し、たとえば店舗に空席は存在するが新たなユーザを適切に受け入れるのに十分な量ではないことを表す。混雑情報517が「2」である場合には「満席」を表し、店舗に空席がないことを表すものとする。検出部401から混雑情報が受信されていない状態では、混雑情報517にはその旨を示す値(例えば空欄、NULLなど)が記録されてもよい。
また、空席管理テーブル510は、店舗ID511に、その店舗の所在地を表す店舗位置情報515を関連付ける。店舗位置情報515は、たとえば緯度および経度の組であってもよい。
空席管理テーブル510は、店舗ID511に、その店舗に関する他の情報を関連付けてもよい。
図4の例では、店舗を検索する際に用いることができる属性情報が関連付けられている。属性情報は、名称512と、店舗ジャンル513と、店舗紹介情報514と、電話番号516とを含む。
【0020】
<混雑情報処理システムの動作>
以上のように構成される混雑情報処理システム10の動作を、以下に説明する。何れかの店舗400を訪れようとしているユーザは、ユーザ端末300を介して、店舗400の混雑情報を空席管理サーバ200に対して照会することができる。混雑情報処理システム10は、ユーザの照会に応じて各店舗400の混雑情報を取得し、ユーザに対して出力する。
【0021】
この際に、最初に店舗400を検索した範囲内に、混雑情報が「空きあり」である店舗(所定の混雑基準を満たす店舗)が存在しない場合には、空席管理サーバ200が自動的に範囲を変更して再度検索を行う。このようにして、最初に検索した範囲内に混雑情報が「空きあり」である店舗が存在しない場合であっても、ユーザが再度検索する手間を省略することができる。以下、具体的な動作例を説明する。
図5は、混雑情報処理システム10の動作の例を説明するフローチャートである。上述のように、本実施形態では、空席管理サーバ200が混雑情報を出力する処理装置として機能し、ユーザ端末300に店舗の混雑情報を出力する。
図5の動作は、ユーザが店舗400の混雑情報を照会することに応じて開始される。混雑情報の照会は、たとえばユーザ端末300によって実行される特定のアプリケーションプログラムを用いて行われてもよい。
まず、ユーザ端末300は、店舗400を検索するための検索基準位置を取得する(ステップS101)。検索基準位置は、たとえばユーザ端末300がGPS機能を用いて自動的に取得することができる。または、ユーザ端末300は、ユーザからの入力に応じて異なる検索基準位置を取得してもよい。たとえば、ユーザは、ユーザ端末300に特定の地名または駅名を入力することによって、または、ユーザ端末300に表示された地図の特定地点をタップすることによって、検索基準位置をその特定地点に指定してもよい。
ステップS101において、ユーザ端末300は、検索に用いられる他の情報を取得してもよい。たとえば、店舗の種類(例えば、和食やフランス料理などの料理ジャンル、価格帯)、店舗の名称、等を取得してもよい。
【0022】
ユーザ端末300は、取得した情報(検索基準位置を含む)を、通信ネットワークを介して、空席管理サーバ200に送信する(ステップS102)。空席管理サーバ200は、この情報(検索基準位置を含む)を、通信ネットワークを介して受信することにより取得する(ステップS201)。
空席管理サーバ200は、検索基準位置に基づき、検索のための第1範囲の位置を決定する(ステップS202)。第1範囲は、たとえば検索基準位置を中心とし、半径をあらかじめ設定された所定の第1半径とする円形範囲として取得することができる。
図6に、特定の地域における第1範囲の具体例を示す。第1範囲501は、検索基準位置500を中心とする円形領域である。なお、
図6には後述の第2範囲502も示されている。
【0023】
空席管理サーバ200は、第1範囲501に含まれる少なくとも1つの店舗(第1店舗群)について、それぞれ混雑情報を取得する(ステップS203)。この処理は、たとえば空席管理テーブル510に基づいて実行することができる。検索のために他の情報(店舗の種類または名称等)が指定されている場合には、その情報も用いて店舗をさらに絞り込むことができる。
【0024】
次に、空席管理サーバ200は、第1店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報を、通信ネットワークを介して出力し、これによってユーザ端末300に送信する(ステップS204)。ユーザ端末300はこれを受信する(ステップS103)。
【0025】
ユーザ端末300は、検索基準位置500を含む地図画像を取得する(ステップS104)。たとえば検索基準位置500を中央として、その周辺の地図画像を取得する。地図画像は任意の方法で取得することができ、たとえばユーザ端末300が実行する他のアプリケーションプログラムを介して取得されてもよい。なお、ステップS104は、ステップS101の後、ステップS105の前であれば、任意の時点で実行することができる。
【0026】
次に、ユーザ端末300は、地図画像と、第1店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報とを、表示部320に表示する(ステップS105)。たとえば、第1店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報を、地図画像に重畳して表示する。表示の具体的形式は、当業者が適宜設計することができるが、具体例を以下に説明する。
図7は、ステップS105においてユーザ端末300の表示部320に表示される画面の例を示す。地図画像は、第1範囲501(たとえば検索基準位置500を中心として半径5kmの円形領域)を含む。
図7には、説明の便宜上、第1範囲501の外縁を一点鎖線で示しているが、このような第1範囲501を表す情報は画面に表示されてもよいし、表示されなくともよい。
画面には、第1店舗群に含まれる店舗それぞれについて、店舗の位置を表すピンが表示される。また、各ピンには、混雑情報が表記されている。たとえば、「混」は「混雑」を表し、「満」は「満席」を表す。また、
図7には含まれないが、「空」は「空きあり」を表す。
【0027】
図5に戻り、空席管理サーバ200は、ステップS204の後、混雑情報が所定の混雑基準を満たす店舗が第1店舗群に存在するか否かを判定する(ステップS205)。混雑基準は、空いている店舗を選択するための基準である。ここでは、混雑情報が「空きあり」の店舗は混雑基準を満たすが、混雑情報が「混雑」または「満席」の店舗は混雑基準を満たさないものとする。具体的な混雑基準は、混雑情報の形式に応じて適宜定義することができる。例えば、入店可能である「空きあり」及び「混雑」の店舗が混雑基準を満たし、「満席」のみ混雑基準を満たさないものとしても良い。なお、ステップS205の処理は、ステップS204より前に行われてもよい。
【0028】
混雑情報が混雑基準を満たす店舗が第1店舗群に存在する場合(すなわち混雑情報が「空きあり」である店舗が存在する場合)には、空席管理サーバ200は
図5の処理を終了する。この場合には、ユーザ端末300には「空きあり」である店舗の情報が表示されているので、空きのある店舗を探したいユーザは適切な店舗を選択して利用することができる。なお、この場合には、ユーザ端末300は後述のステップS106~S108を実行しない。
【0029】
図7の例のように、混雑情報が混雑基準を満たす店舗が第1店舗群に存在しない場合(たとえば第1店舗群に含まれる全店舗の混雑情報が混雑または満席である場合)には、空席管理サーバ200は検索のための第2範囲502(例として
図6参照)を設定する(ステップS206)。
【0030】
第2範囲502は、第1範囲501に含まれない領域を含む範囲である。空席管理サーバ200は、たとえば検索基準位置500を中心とし、半径を予め設定された所定の第2半径(ただし第1半径より大きい)とする円形範囲を第2範囲502として取得することができる。この場合には、第2範囲502は第1範囲501の全体を含む範囲となる。ただし、変形例として空席管理サーバ200は、検索基準位置500を変えることで第1範囲501の一部を含む範囲を第2範囲として設定してもよいし、検索基準位置500及び半径の少なくともいずれかを変更して第1範囲501とまったく重複しない範囲を第2範囲として設定してもよい。
【0031】
空席管理サーバ200は、第2範囲502に含まれる少なくとも1つの店舗(第2店舗群)について、それぞれ混雑情報を取得する(ステップS207)。この処理は、たとえばステップS203と同様にして実行することができる。なお、本実施形態では、第2範囲に含まれるが第1範囲に含まれない店舗が第2店舗群を構成するものとする。言い換えると、第2範囲502に含まれる店舗のうち、第1店舗群に属するものは、第2店舗群には含まれない。なお、変形例として、1つの店舗が第1店舗群および第2店舗群の双方に含まれ得るようにしてもよい。
【0032】
次に、空席管理サーバ200は、第2店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報に基づいて、表示範囲を決定する(ステップS208)。表示範囲は、たとえばユーザ端末300において地図画像を表示する際に、その表示される地図画像の範囲(地理的範囲)を表す。具体例として、第2店舗群に含まれ、混雑情報が「空きあり」である特定の店舗(以下、特定の空き店舗とする)を中心として半径5kmの円形領域を含む範囲とすることができる。この空席管理サーバ200は、たとえば第2店舗群に含まれ、かつ混雑情報が「空きあり」である店舗のうち、検索基準位置500から最も近い店舗を特定の空き店舗」とする。また他の例として、第2の店舗群に含まれる店舗のうち空席が最も多い店舗を特定の空き店舗としてもよい。
【0033】
このように、ステップS208において、表示範囲を決定する際に、検索基準位置500ではなく特定の空き店舗を基準とすることにより、空いている店舗を探したいユーザの利便性が向上する。たとえば、検索基準位置500を画面の中央に固定したまま広い第2範囲502の全体を表示すると縮尺が大きくなり地図画像が見にくくなるが、検索基準位置500ではなく店舗を基準として表示することにより、縮尺が小さく見やすい店舗周辺の地図画像を利用することができる。とくに、表示範囲の表示縮尺と、第1範囲501の表示縮尺とが等しくなるように表示範囲を決定すると、地図の縮尺が一定となり理解が容易になる。
【0034】
次に、空席管理サーバ200は、表示範囲を示す情報と、第2店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報とを、通信ネットワークを介して出力し、これによってユーザ端末300に送信する(ステップS209)。さらに、ステップS204と同様に、第1の店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報を送信してもよい。ここで、空席管理サーバ200は、該当する店舗群に含まれるすべての店舗に係る情報を送信するものとするが、たとえば、表示範囲に含まれない店舗については情報の送信を省略してもよい。
【0035】
ユーザ端末300はこれを受信する(ステップS106)。次に、ユーザ端末300は、受信した表示範囲に対応する地図画像を取得する(ステップS107)。地図画像は任意の方法で取得することができ、たとえばユーザ端末300が実行する他のアプリケーションプログラムを介して取得されてもよい。
【0036】
次に、ユーザ端末300は、地図画像と、表示範囲に含まれる少なくとも1つの店舗(たとえば表示範囲に含まれるすべての店舗)について、各店舗の混雑情報とを、表示部320に表示する(ステップS108)。表示の具体的形式は、たとえばステップS105(
図7)と同様であり、表示範囲に含まれる少なくとも1つの店舗の混雑情報を、各店舗の店舗位置情報に基づいて地図画像に重畳して表示する。
【0037】
図8は、ステップS108においてユーザ端末300の表示部320に表示される画面の例を示す。表示範囲は
図7とは異なっており、混雑情報が「空きあり」である店舗の1つを中心として地図画像が表示されている。
図8には、
図6および
図7との対比を容易にするため、第1範囲501および第2範囲502の外縁を一点鎖線で示しているが、このような範囲を表す情報は画面に表示されてもよいし、表示されなくともよい。
【0038】
ここで、
図7と異なり、
図8の例では、混雑情報が「空きあり」である店舗が表示範囲に含まれているので、そのような店舗を探したいユーザはその店舗を確認して利用することができる。なお、
図5の処理によれば、最初に検索した範囲内に混雑情報が「空きあり」である店舗が存在しない場合(
図7)には、ユーザによる再度の検索処理を待たず、自動的に別の範囲内の混雑情報が「空きあり」である店舗が表示される(
図8)ので、ユーザは表示範囲の変更や検索操作をやり直す必要がなく、ユーザの利便性が向上する。
【0039】
(2)実施形態2
上述の実施形態1では、混雑情報の照会が開始されると、混雑情報処理システム10はステップS108までの処理を自動的に実行する。実施形態2は、実施形態1において、ステップS108の実行をユーザの操作に応じて行うよう変更するものである。
【0040】
図9は、混雑情報処理システム10の動作の例を説明するフローチャートである。
図9において、実施形態1(
図5)と共通する処理は図示を省略するか、または実施形態1と共通するステップ番号を付す。以下、実施形態2について説明するが、実施形態1と共通する部分については説明を省略する場合がある。
【0041】
実施形態2において、空席管理サーバ200は、実施形態1と同様に、第1店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報をユーザ端末300に送信する(ステップS204)。また、ユーザ端末300は、実施形態1と同様に、これを受信し(ステップS103)、地図画像を取得する(ステップS104)。
【0042】
ステップS104の後、ユーザ端末300は、地図画像と、第1店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報とを、表示部320に表示する(ステップS120)。また、実施形態1(ステップS105)と異なり、第1店舗群に混雑情報が混雑基準を満たす店舗が存在しないことを示す情報と、表示範囲を切り替えるための切替指示領域とを表示する。
【0043】
図10は、ステップS120においてユーザ端末300の表示部320に表示される画面の例を示す。
図7の表示内容に加え、切替指示領域503が表示されている。切替指示領域503は、たとえばテロップまたはボタンの形式で表示することができる。
図10の例では、切替指示領域503自体が表示されることによって、第1店舗群には混雑情報が「空きあり」である店舗が存在しないことが示されているが、混雑情報が「空きあり」である店舗が存在しないことを示す情報(メッセージ等)は、切替指示領域503とは別に表示されてもよい。なお、この切替指示領域503は、第1店舗群に混雑情報が所定の混雑基準を満たす店舗が存在する場合(すなわち混雑情報が「空きあり」である店舗が存在する場合)には表示されない。
【0044】
ユーザは、切替指示領域503を操作(たとえばタップ)することにより、表示範囲を切り替えるための切替指示を入力する。この操作に応じて、ユーザ端末300は切替指示を受け付ける(ステップS121)。
【0045】
次に、ユーザ端末300は切替指示を空席管理サーバ200に送信し(ステップS122)、空席管理サーバ200はこれを受信する(ステップS220)。このように、空席管理サーバ200は、第1店舗群に混雑情報が混雑基準を満たす店舗が存在しない場合に、所定の切替指示の入力を受け付ける。空席管理サーバ200は、切替指示を受け付けた後、ステップS206の処理を実行する。
【0046】
以降の処理は実施形態1と同様である。すなわち、第2店舗群に含まれる少なくとも1つの店舗の店舗位置情報および混雑情報を出力する手段は、ユーザ端末300から送信される切替指示に応じて動作する。
このように、実施形態2では、最初に検索した範囲内に混雑情報が「空きあり」である店舗が存在しない場合には、ユーザがこれを確認し、表示範囲を切り替えるための指示を入力することによって、さらなる範囲が検索される。ここで、表示範囲を切り替えるための指示は、たとえば単なるタップ操作であり、再度条件を指定して検索をやり直す操作に比べるとはるかに簡単である。このため、実施形態1と同様に、ユーザが混雑情報が「空きあり」である店舗を探すために地図の移動と再度検索を繰り返して混雑情報が「空きあり」である店舗がないか探す手間を省略することができる。
また、実施形態2では、最初検索した範囲内に混雑情報が「空きあり」である店舗が存在しないことをすぐにユーザが確認することができるので、ユーザが状況を理解しないうちに表示範囲が切り替わってしまうことがなく、ユーザが状況を確実に理解することができる。
【0047】
なお、実施形態2において、混雑情報が混雑基準を満たす店舗が存在するか否か(すなわち混雑情報が「空きあり」である店舗が存在するか否か)の判定は、空席管理サーバ200が行ってもよいし、ユーザ端末300が行ってもよい。判定を空席管理サーバ200が行う場合には、空席管理サーバ200は、店舗の位置情報等とともに、切替指示領域を表示させる指示をユーザ端末300に送信してもよい。
【0048】
(3)実施形態3
上述の実施形態1および2では、混雑情報処理システム10において、空席管理サーバ200が混雑情報を出力する処理装置として機能し、ユーザ端末300に店舗の混雑情報を出力する。実施形態3では、ユーザ端末300が混雑情報を出力する処理装置として機能し、空席管理サーバ200は必要な情報をユーザ端末300に提供する。
【0049】
図11は、実施形態3に係る混雑情報処理システム10の動作の例を説明するフローチャートである。
図11において、実施形態1(
図5)と共通する処理には実施形態1と共通するステップ番号を付す。以下、実施形態3について説明するが、実施形態1または2と共通する部分については説明を省略する場合がある。
【0050】
ユーザ端末300は、実施形態1と同様にステップS101およびS102を実行する。空席管理サーバ200は、ステップS201において検索基準位置500を取得した後、ステップS202,S203,S206,S207を、一連の処理として実行する。すなわち、第1店舗群に混雑情報が「空きあり」である店舗が存在するか否かに関わらず、第2範囲502を決定して第2店舗群に含まれる各店舗の情報を取得する。なお、第2範囲502が第1範囲501の全体を含む場合には、ステップS202およびS203を省略し、第1店舗群の店舗と第2店舗群の店舗とを区別せずに処理を行ってもよい。
【0051】
空席管理サーバ200は、取得した第1店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報と、第2店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報とを、通信ネットワークを介して出力する(ステップS240)。ユーザ端末300は、第1店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報と、第2店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報とを、通信ネットワークを介して受信することにより取得する(ステップS140)。
ステップS140において、第1範囲501および第2範囲502を表す情報が送受信されてもよい。その場合には、ユーザ端末300は通信ネットワークを介して第1範囲501および第2範囲502を取得するということができる。あるいは、ユーザ端末300は、検索基準位置500に基づいて第1範囲501および第2範囲502を決定し、これによって取得してもよい。第1範囲501および第2範囲502を決定する具体的な方法は、ステップS202およびS206と同様に設計することができる。
空席管理サーバ200において、第1店舗群と第2店舗群との区別がなされていない場合には、ユーザ端末300がこれらを区別してもよい。たとえば、第1範囲501に含まれる店舗は第1店舗群に含まれ、第1範囲501に含まれない店舗は第2店舗群に含まれる。
【0052】
ステップS140の後、ユーザ端末300は、実施形態1と同様にステップS104およびS105を実行し、たとえば
図7のような画像を表示する。
ステップS105の後、ユーザ端末300は、第1店舗群に混雑情報が混雑基準を満たす店舗が存在するか否かを判定する(ステップS141)。この処理は、実施形態1(
図5)のステップS205と同様に実行することができる。
混雑情報が混雑基準を満たす店舗が存在する場合(すなわち混雑情報が「空きあり」である店舗が存在する場合)には、ユーザ端末300は
図11の処理を終了する。この場合には、ユーザ端末300には混雑情報が「空きあり」である店舗の情報が表示されているので、ユーザは適切な店舗を選択して利用することができる。
【0053】
図7の例のように、第1店舗群に混雑情報が混雑基準を満たす店舗が存在しない場合(たとえば第1店舗群の全店舗が混雑または満席である場合)には、ユーザ端末300は、第2店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報に基づいて、表示範囲を決定する(ステップS142)。ステップS142の処理は、実施形態1(
図5)のステップS208と同様に実行することができる。
【0054】
ステップS142の後、ユーザ端末300は、決定した表示範囲に対応する地図画像を取得する(ステップS107)。ここで、ユーザ端末300は、第2店舗群に含まれる各店舗の店舗位置情報および混雑情報に応じて、異なる範囲の地図画像を取得することになる。次に、ユーザ端末300は、地図画像と、第2店舗群に含まれる少なくとも1つの店舗の店舗位置情報および混雑情報とを、表示部320に表示することにより出力する(ステップS108)。
【0055】
このように、実施形態3でも、実施形態1と同様に、最初に検索した範囲内に混雑情報が「空きあり」である店舗が存在しない場合(
図7)には、ユーザによる再度の検索処理を待たず、自動的に別の範囲内の混雑情報が「空きあり」である店舗が表示される(
図8)ので、ユーザは検索操作をやり直す必要がなく、ユーザの利便性が向上する。
【0056】
なお、上述のように、実施形態1では空席管理サーバ200が混雑情報を出力する処理装置として機能する(たとえば、第1店舗群に混雑基準を満たす店舗が存在するか否かを判定する)が、実施形態3ではユーザ端末300が混雑情報を出力する処理装置として機能している。
【0057】
(4)変形例
実施形態1および3において、第1店舗群の各店舗が表示された後(
図7、ステップS105)、第2店舗群を含む表示(
図8、ステップS108)に切り替わる際のタイミングは、適宜設計することができる。たとえば、タイミングを規定する処理をとくに行わず、各処理を順次実行してもよい。その場合には、ユーザ端末300において
図7の表示が瞬間的になされた直後に
図8の表示に切り替わることになる。
【0058】
または、ステップS105の実行後、所定時間が経過した後にステップS108を実行してもよい。このようにすると、第1範囲501に混雑情報が「空きあり」である店舗がないことをユーザに確認させ、その後に地図を切り替えることができる。
【0059】
実施形態1では、混雑情報が「空きあり」である店舗が第1店舗群に存在するか否かに関わらず、ステップS204およびステップS103~S105が実行されるので、ユーザは第1範囲501内に混雑情報が「空きあり」である店舗がないことを確認することができる。しかしながら、変形例として、ステップS205の判定をステップS204より先に行い、混雑情報が「空きあり」である店舗が第1店舗群に存在しない場合に、ステップS204およびステップS103~S105の実行を省略してもよい。このようにすると、ユーザは
図7のような画面の表示をスキップして
図8のように混雑情報が「空きあり」である店舗を表示させることができ、よりシンプルな形式でユーザに情報を提供することができる。同様の変形は実施形態3についても可能である。
【0060】
実施形態1において、ステップS209の後に、ステップS205と同様の判定を実行し、さらに混雑情報が「空きあり」である店舗を検索してもよい。すなわち、空席管理サーバ200は、混雑情報が混雑基準を満たす店舗が第2店舗群に存在するか否かを判定してもよい。そして、空席管理サーバ200は、混雑情報が混雑基準を満たす店舗が存在しない場合に、第1範囲501および第2範囲502のいずれにも含まれない領域を含む第3範囲を取得し、第3範囲に含まれる少なくとも1つの第3店舗について、それぞれ混雑情報を取得し、各第3店舗の店舗位置情報および混雑情報を出力してもよい。同様の変形は実施形態2および3についても可能である。
また、第1店舗群に所定の混雑基準を満たす店舗がなく、かつ、第2店舗群に所定の混雑基準を満たす店舗があった場合でも、例えば第2店舗群に含まれる混雑情報が「空きあり」である店舗に、検索基準位置500からの距離が所定の閾値以下である店舗がない場合は、当初の第1店舗群に対応する店舗群の表示範囲を表示させるようにしても良い。これは、今、混雑情報が「空きあり」である店舗を探したいユーザにとっては、すぐには到着できないほど遠い位置の空き店舗を表示させても利便性は向上しない場合があることを考慮している。この場合、実施形態2における
図10が示すテロップのように「現在、近くに空き店舗はありません」と表示させても良い。
【0061】
処理装置のハードウェア単位は、任意に設計可能である。実施形態1および2では、混雑情報処理システム10のうち空席管理サーバ200が処理装置であり、実施形態3では混雑情報処理システム10のうちユーザ端末300が処理装置であるが、混雑情報処理システム10のうち処理装置を構成する部分は任意に定義可能である。例として、以下の構成を備えるコンピュータ(または複数のコンピュータを含むシステム)は、処理装置を構成することができる。
‐第1範囲に含まれる少なくとも1つの店舗を含む第1店舗群について、各店舗の混雑情報を取得する手段
‐第1店舗群に混雑情報が所定の混雑基準を満たす店舗が存在しない場合に、第1範囲に含まれない領域を含む第2範囲502を設定し、第2範囲502に含まれる少なくとも1つの店舗を含む第2店舗群について、各店舗の混雑情報を取得する手段
‐第2店舗群に含まれる少なくとも1つの店舗の店舗位置情報および混雑情報を出力する手段
【符号の説明】
【0062】
200…空席管理サーバ(処理装置)
300…ユーザ端末(処理装置)
400…店舗
500…検索基準位置
501…第1範囲
502…第2範囲
515…店舗位置情報
517…混雑情報