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▶ まつもと合成株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030189
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】包装具
(51)【国際特許分類】
   B65D 65/04 20060101AFI20220210BHJP
【FI】
B65D65/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133997
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】504171684
【氏名又は名称】まつもと合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100194629
【弁理士】
【氏名又は名称】小嶋 俊之
(72)【発明者】
【氏名】松本 稔史
(72)【発明者】
【氏名】仲田 和史
【テーマコード(参考)】
3E086
【Fターム(参考)】
3E086AA22
3E086AC01
3E086AD30
3E086BA02
3E086BA15
3E086CA01
3E086CA02
(57)【要約】
【課題】 構造が充分に簡素であり、単純な製造様式によって製造することができ、比較的安価であるにも拘わらず、平たい収容箱を簡便に包装して実質上水平状態で持ち運ぶことを可能にする、合成樹脂フィルムから一体に形成された包装具を提供する。
【課題手段】 合成樹脂フィルムから一体に形成されている包装具は、矩形状の主部及びこの主部の両端縁の各々から長さ方向外側に延出し且つ長さ方向外側に向って幅が漸次低減する形状の延出部を有する下層と、両側縁が下層の主部の両側縁に夫々接続され、下層の主部に対応した形状の両端部に両端縁から長さ方向内側に延出し且つ長さ方向内側に向って幅が漸次低減する形状の切欠が形成された形状である上層とから構成されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂フィルムから一体に形成されている包装具にして、
矩形状の主部、及び該主部の両端縁の各々から長さ方向外側に延出し且つ長さ方向外側に向っては幅が漸次低減する形状の延出部を有する下層と、
両側縁が該下層の該主部の両側縁に夫々接続され、該下層の該主部に対応した形状の両端部に両端縁から長さ方向内側に延出し且つ長さ方向内側に向って幅が漸次低減する形状の切欠が形成された形状である上層と、
から構成されている、ことを特徴とする包装具。
【請求項2】
該下層の該延出部及び該上層の該切欠は二等辺三角形状又は等脚台形状である、請求項1記載の包装具。
【請求項3】
該下層の該延出部の各々は該主部の該両端縁の各々の全長を底辺又は下底辺とする二等辺三角形状又は等脚台形状であり、該上層の該切欠の各々は該両側縁の各々の両端間を結ぶ直線の全長を底辺又は下底辺とする二等辺三角形状又は等脚台形状である、請求項2記載の包装具。
【請求項4】
該延出部及び該切欠は同一の二等辺三角形状又は等脚台形状である、請求項2又3記載の包装具。
【請求項5】
該二等辺三角形状又は該等脚台形状の底角は30乃至60度である、請求項2から4までのいずれかに記載の包装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂フィルムから一体に形成された包装具、特に、それに限定されるものではないが、ピザ又は多数の握り寿司等を収容した、平面積に対して高さが小さい即ち平たい収容箱を実質上水平状態で持ち運ぶのに適した、合成樹脂フィルムから一体に形成された包装具に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1及び2には、ピザ又は多数の握り寿司等を収容した平たい収容箱を実質上水平状態で持ち運ぶための合成樹脂フィルム製手提袋が開示されている。かかる手提袋は、扁平状態において、矩形状の底壁、この底壁に重なるカバー壁、及び底壁の両側縁の各々をカバー壁の両側縁の各々に夫々接続する両側壁を含んでいる。両側壁の各々は幅方向内側に横断面においてW字形状に折り込まれている。底壁、カバー壁及び両側壁の両端縁は溶着されている。カバー壁は幅方向中心において長手方向全体に渡って分離されており、底壁及びカバー壁の両端縁の各々の幅方向中央部には切欠が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-101096号公報
【特許文献2】特開2020-59543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1及び2に開示されている手提袋は、平たい収容箱を実質上水平状態で持ち運ぶのに好都合に使用することができるものであるが、構造が充分に簡素ではなく且つ製造様式が比較的複雑であることに起因して比較的高価である、手提袋を広げて収容箱を搬入する操作が煩雑である、という問題を有する。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、構造が充分に簡素であり、単純な製造様式によって製造することができ、比較的安価であるにも拘わらず、平たい収容箱を簡便に包装して実質上水平状態で持ち運ぶことを可能にする、従来の手提袋とは全く異質の独特な形態である、合成樹脂フィルムから一体に形成された包装具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する包装具として、
合成樹脂フィルムから一体に形成されている包装具にして、
矩形状の主部、及び該主部の両端縁の各々から長さ方向外側に延出し且つ長さ方向外側に向っては幅が漸次低減する形状の延出部を有する下層と、
両側縁が該下層の該主部の両側縁に夫々接続され、該下層の該主部に対応した形状の両端部に両端縁から長さ方向内側に延出し且つ長さ方向内側に向って幅が漸次低減する形状の切欠が形成された形状である上層と、
から構成されている、ことを特徴とする包装具が提供される。
【0007】
好ましくは、該下層の該延出部及び該上層の該切欠は二等辺三角形状又は等脚台形状である。該下層の該延出部の各々は該主部の該両端縁の各々の全長を底辺又は下底辺とする二等辺三角形状又は等脚台形状であり、該上層の該切欠の各々は該両側縁の各々の両端間を結ぶ直線の全長を底辺又は下底辺とする二等辺三角形状又は等脚台形状であるのが好ましい。該延出部及び該切欠は同一の二等辺三角形状又は等脚台形状であるのが好適である。該二等辺三角形状又は該等脚台形状の底角は30乃至60度であるのが望ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の包装具によれば、円筒形状の合成樹脂製フィルムを単に幅方向全幅に渡って延在する切断線に沿って切断することによって製造することができ、従って安価に製造することができる。収容箱を下層の主部と上層との間に挿入し、上層の主部の両側に存在する延出部の先端部を相互に結び合わせるという簡便な作業によって平たい収容箱を包装し、実質上水平な状態で持ち運ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に従って構成された包装具の好適実施形態を示す正面図。
図2図1に示す包装具の平面図。
図3図2に示す包装具の底面図。
図4図1に示す包装具の製造様式を説明するための簡略図。
図5図1に示す包装具の使用様式を説明するための斜面図。
図6図1に示す包装具の使用様式を説明するための斜面図。
図7】本発明に従って構成された包装具の他の好適実施形態を示す平面図。
図8図7に示す包装具の平面図。
図9図7に示す包装具の底面図。
図10図7に示す包装具の製造様式を説明するための簡略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に従って構成された包装具の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳述する。
【0011】
図1乃至図3を参照して説明すると、全体を番号2で示す本発明に従って構成された包装具の好適実施形態は、例えば厚さが0.02乃至0.08mm程度のポリエチレンフィルムの如き適宜の合成樹脂フィルムから一体に形成されており(製造方法については後述する)、下層4と上層6とから構成されている。下層4は、細長矩形状の主部8(図3)及びこの主部8の両端縁から長さ方向(図1乃至図3において左右方向)外側に延出し且つ長さ方向外側に向って幅が漸次低減する形状の延出部10a及び10bを有する。図示の実施形態においては、延出部10a及び10bは二等辺三角形状である。二等辺三角形状の二点鎖線14a及び14bで示す底辺は主部8の両端縁の全長であるのが好ましい。上層6は、下層4の主部8に対応した形状の両端部に両端から長さ方向内側に延出し且つ長さ方向内側に向って幅が漸次低減する形状の切欠16a及び16bを形成した形状である。図示の実施形態においては、切欠16a及び16bも二等辺三角形状である。かかる二等辺三角形状の二点鎖線18a及び18bで示す底辺も、下層4の上記二等辺三角形状の底辺と同様に、上層6の両側縁の各々の両端間を結ぶ直線であるのが好ましい。上層6の両側縁(図2において上側縁及び下側縁)20a及び20bは下層4の両側縁(図3において上側縁及び下側縁)12a及び12bに夫々接続されている。所望ならば、延出部10a及び10b並びに切欠16a及び16bが規定する二等辺三角形状をその底辺が図2及び図3において上下方向中央部のみに位置する形態、従って図2及び図3において上下方向両側部には延出部10a及び10b並びに切欠16a及び16bが存在しない形態にすることもできる。
【0012】
延出部10a及び10b並びに切欠16a及び16bは全て同一の二等辺三角形であるのが好ましい。二等辺三角形状の底角αは30乃至60度程度であり、従って二等辺三角形の頂角βは60乃至120度程度であるのが好適である。図示の実施形態においては、底角αは45度であり、頂角βは90度である。
【0013】
上述したとおりの包装具2は構造が極めて簡素であり、それ故に次のとおりの極めて単純な製造様式で製造することができる。即ち、図4に図示する如く、扁平にした円筒形状の合成樹脂フィルム素材22を上記傾斜角度αで幅方向に延びる切断線24aで切断すると共に長手方向に所定間隔をおいて切断線24aに対して逆方向に上記傾斜角度αで傾斜して延びる切断線24bで切断することによって形成することができる。次いで、長手方向に所定間隔をおいて上記傾斜角度αで切断線24aと同方向に傾斜して(従って切断線24bとは逆方向に傾斜して)延びる切断線24cで切断すると、次の包装具2を形成することができる。切断線24aと切断線24bとの間に形成される包装具2においては、合成樹脂フィルム素材22の中心線26よりも上方の部分が下層4を構成し、中心線26よりも下方の部分が上層6を構成する。切断線24bと切断線24cとの間に形成される包装具2においては、合成樹脂フィルム素材22の中心線26よりも下方の部分が下層4を構成し、中心線26よりも上方の部分が上層6を構成する。
【0014】
図5及び図6は、本発明に従って構成された包装具2の使用様式を図示している。ピザ又は多数の握り寿司等を収容した平たい収容箱28を包装具2によって包装する際には、図5に図示する如く、下層4の主部8と上層6との間に収容箱28を挿入し、次いで図6に図示する如く、下層4の延出部10a及び10bを上方に持ち上げてそれらの先端部を相互に結び合わせ、かくして著しく簡便な操作によって収容箱28の包装が完了する。しかる後に、相互に結び合わされた延出部10a及び10bの先端部を把持すれば、包装具2内に包装された収容箱28を実質上水平な状態で持ち運ぶことができる。
【0015】
図7乃至図9には、本発明に従って構成された包装具の他の好適実施形態が図示されている。全体を番号102で示す包装具においては、下層104の延出部110a及び110bは、二等辺三角形状ではなくて等脚台形状である。そしてまた、上層106の切欠116a及び116bも、二等辺三角形状ではなくて等脚台形状である。延出部110a及び110b並びに切欠116a及び116bは同一の等脚台形状であるのが好ましい。延出部110a及び110b並びに切欠116a及び116bが規定する等脚台形状の底角αは30乃至60度程度であるのが好適である。図7乃至図9に示す包装具102の上述した構成以外は、図1乃至図3に示す包装具2と同様である。
【0016】
図7乃至図9に示す包装具102は、図10に図示する如く、扁平にした円筒形状の合成樹脂フィルム素材122を切断線124a及び124bで切断することによって形成することができる。切断線124aの主部は上記傾斜角度αで傾斜して延びるが、切断線124aの両端部は合成樹脂フィルム素材122の中心線に対して垂直である。切断線124bの主部は上記切断線124aの主部に対して逆方向に上記傾斜角度αで延びるが、切断線124bの両端部は合成樹脂フィルム素材122の中心線に対して垂直である。更に、切断線124cで合成樹脂フィルム素材122を切断すると、次の包装具102を形成することができる。切断線124cの主部は上記切断線124bの主部に対して逆方向(従って上記切断線124aの主部と同方向)に傾斜して延びるが、切断線124cの両端部は合成樹脂フィルム素材122の中心線に対して垂直である。切断線124aと切断線124bとの間に形成される包装具102においては、合成樹脂フィルム素材122の中心線126よりも上方の部分が下層104を構成し、中心線126よりも下方の部分が上層106を構成する。切断線124bと切断線124cとの間に形成される包装具102においては、合成樹脂フィルム素材122の中心線126よりも下方の部分が下層104を構成し、中心線126よりも上方の部分が上層106を構成する。
【0017】
図7乃至図9に示す包装具102の使用様式は、図1乃至図3に示す包装具2の使用様式と実質上同一である。
【0018】
以上、添付図面を参照して本発明に従って構成された包装具の好適実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることは多言を要しない。例えば、下層の延出部を二等辺三角形状にし、上層の切欠を等脚台形状にする、或いは下層の延出部を等脚台形状にし、上層の切欠を二等辺三角形状にすることもできる。
【符号の説明】
【0019】
2:包装具
4:下層
6:上層
8:下層の主部
10a:下層の延出部
10b:下層の延出部
16a:上層の切欠
16b:上層の切欠
102:包装具
104:下層
106:上層
110a:下層の延出部
110b:下層の延出部
116a:上層の切欠
116b:上層の切欠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10