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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030548
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】チャイルドシート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/818 20180101AFI20220210BHJP
   B60N 2/28 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
B60N2/818
B60N2/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020134642
(22)【出願日】2020-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】596101130
【氏名又は名称】株式会社シーエー産商
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100136995
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 千織
(72)【発明者】
【氏名】戸谷 正昭
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE06
3B087DC06
(57)【要約】
【課題】ヘッドレスト部を簡便に背もたれ部の本体部に組み付けることができるチャイルドシートを提供すること。
【解決手段】座部3と背もたれ部9とを備える。背もたれ部が、本体部10と、本体部の前面10a側に高さ調整可能に組み付けられるヘッドレスト部21と、を備える。組付は、上下の係合部32,42による。上側係合部32は、本体部の前面側の首部36と係止頭部35とを有する上係止凸部34と、ヘッドレスト部側における係止頭部を係止した状態で首部を摺動可能とするガイド溝40及び係止頭部を貫通可能な挿入口部39を有した上係止凹部38と、を備える。下側係合部42は、本体部側の下係止凹部43と、ヘッドレスト部側の下係止凸部48と、を備える。下係止凹部は、下係止凸部を前面10a側から挿入可能な挿入用開口44と、下係止凸部の前方側への外れを防止しつつ、下係止凸部を摺動可能に係止する係止溝45と、からなる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と背もたれ部とを備えて構成されるとともに、
前記背もたれ部が、本体部と、該本体部の前面側に、高さ調整機構により、高さ調整可能に組み付けられるヘッドレスト部と、を備えて構成されるチャイルドシートであって、
前記ヘッドレスト部の前記本体部への組付が、相互に係合する係合部を、上下に配設させて、組み付ける構成とするとともに、
前記係合部における上側係合部が、
前記本体部の前面側に設けられて、前記ヘッドレスト部側に突出する首部と、該首部の先端に幅寸法を広げて配置される係止頭部と、を有して構成される上係止凸部と、
前記ヘッドレスト部側に設けられて、前記係止頭部を後方側から前方側に突出させて、前記ヘッドレスト部の高さ調整時に、前記係止頭部の裏面側を係止した状態として、前記首部を摺動可能とするガイド溝を有するとともに、該ガイド溝の下端側に設けられて、前記係止頭部を、後方側から前方側に向けて貫通させ、前記ガイド溝に前記首部を配置可能な挿入口部を有して構成される上係止凹部と、
を備えて構成され、
前記係合部における下側係合部が、
前記本体部側に設けられる下係止凹部と、前記ヘッドレスト部側に設けられて、前記下係止凹部に、上下動可能に係合される下係止凸部と、を備えて構成されるとともに、
前記下係止凹部に、前記下係止凸部を前記本体部の前面側から挿入可能な挿入用開口と、該挿入用開口から連なって、前記ヘッドレスト部の高さ調整時に、前記下係止凸部の前方側への外れを防止しつつ、前記下係止凸部を摺動可能に係止する係止溝と、を配設させて構成されていることを特徴とするチャイルドシート。
【請求項2】
前記下側係合部の前記ヘッドレスト部側に設けられる前記下係止凸部が、
前記本体部側に突出する首部と、該首部の先端に幅寸法を広げて配置される係止頭部と、を有して構成され、
前記下側係合部の前記本体部側に設けられた前記下係止凹部の前記挿入用開口が、前記下係止凸部の前記係止頭部を、前方側から後方側へ貫通可能として、前記係止溝の下端側に設けられ、
前記係止溝が、前記ヘッドレスト部の高さ調整時に、前記係止頭部の裏面側を係止した状態として、前記首部を摺動可能とするように配設されていることを特徴とする請求項1に記載のチャイルドシート。
【請求項3】
前記上側係合部の前記上係止凸部における前記係止頭部が、挿入させる前記挿入口部に対して、圧入させて、前記ガイド溝に挿入可能な幅寸法とし、
前記下側係合部の前記下係止凸部における前記係止頭部が、挿入させる前記挿入用開口に対して、圧入させて、前記係止溝に挿入可能な幅寸法として、構成されていることを特徴とする請求項2に記載のチャイルドシート。
【請求項4】
前記下側係合部の前記ヘッドレスト部側に設けられた前記下係止凸部が、
前記ヘッドレスト部の下端側に配置されて、左右両側にフランジ部を突設させて構成され、
前記下側係合部の前記本体部側に設けられた前記係止溝が、上端側に、前記左右両側の前記フランジ部を挿入可能な前記挿入用開口を開口させて、前記本体部の前面側から断面L字状の鍔部を設けて、前記本体部の前面側と前記鍔部との間で、前記フランジ部を摺動可能に、形成されていることを特徴とする請求項1に記載のチャイルドシート。
【請求項5】
前記本体部が、合成樹脂からなる成形品として、
前記下係止凸部の前記フランジ部における前記下係止凹部の前記挿入用開口への挿入後における前記挿入用開口からの抜けを規制可能で、かつ、前記フランジ部における前記下係止凹部の前記挿入用開口への挿入方向への移動を許容するように、前記ヘッドレスト部に当接可能な逆止ばね片を、前記本体部の成形時に一体的に成形されて、配設させていることを特徴とする請求項4に記載のチャイルドシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背もたれ部に配設されたヘッドレスト部の高さを調整可能なチャイルドシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドレスト部を高さ調整する高さ調整機構を備えたチャイルドシートでは、背もたれ部が、本体部とヘッドレスト部とを備えて構成されて、ヘッドレスト部は、本体部の前面側に、高さ調整機構により、高さ調整可能に組み付けられていた(例えば、特許文献1参照)。具体的には、ヘッドレスト部は、ヘッドレスト部の前面側に配置されるカバーを、ヘッドレスト部を前後方向に貫通する複数のボルトを利用して、本体部側に連結させて、カバーにより、本体部の前面側から外れることを防止され、そして、ヘッドレスト部に組み付けられた所定の操作レバーを操作して、高さ調整機構における本体部側に設けられた所定の高さの高さ調整用凹部に、操作レバー側の位置決め凸部を挿入させるまで、高さ調整することができた。なお、高さ調整機構の操作レバーは、ヘッドレスト部の後面側と本体部の前面側との間に配設されて、位置決め凸部を、操作時に前方移動可能に後方側に突設させ、そして、高さ調整用凹部は、本体部の前面側に、上下方向に沿って複数並設されていた。そのため、高さ調整時には、操作レバーを操作して、後方へ突設させて所定の高さ調整用凹部に挿入させていた位置決め凸部を、前方移動させて、挿入させていた高さ調整用凹部から離脱させ、そして、ヘッドレスト部を所定の高さに調整した後、対応する高さ調整用凹部に挿入させるように、操作レバーを操作して、位置決め凸部を対応する高さ調整用凹部に後方移動させて挿入させることにより、ヘッドレスト部を所定の高さ位置で停止させるように、調整していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-77876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のチャイルドシートでは、ヘッドレスト部を背もたれ部における本体部の前面側から外れないように、押えるカバー、ボルト、ナット等が必要となり、簡便に、ヘッドレスト部を、上下に摺動可能に、本体部に組み付け難かった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ヘッドレスト部を簡便に背もたれ部の本体部に組み付けることができるチャイルドシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るチャイルドシートは、座部と背もたれ部とを備えて構成されるとともに、
前記背もたれ部が、本体部と、該本体部の前面側に、高さ調整機構により、高さ調整可能に組み付けられるヘッドレスト部と、を備えて構成されるチャイルドシートであって、
前記ヘッドレスト部の前記本体部への組付が、相互に係合する係合部を、上下に配設させて、組み付ける構成とするとともに、
前記係合部における上側係合部が、
前記本体部の前面側に設けられて、前記ヘッドレスト部側に突出する首部と、該首部の先端に幅寸法を広げて配置される係止頭部と、を有して構成される上係止凸部と、
前記ヘッドレスト部側に設けられて、前記係止頭部を後方側から前方側に突出させて、前記ヘッドレスト部の高さ調整時に、前記係止頭部の裏面側を係止した状態として、前記首部を摺動可能とするガイド溝を有するとともに、該ガイド溝の下端側に設けられて、前記係止頭部を、後方側から前方側に向けて貫通させ、前記ガイド溝に前記首部を配置可能な挿入口部を有して構成される上係止凹部と、
を備えて構成され、
前記係合部における下側係合部が、
前記本体部側に設けられる下係止凹部と、前記ヘッドレスト部側に設けられて、前記下係止凹部に、上下動可能に係合される下係止凸部と、を備えて構成されるとともに、
前記下係止凹部に、前記下係止凸部を前記本体部の前面側から挿入可能な挿入用開口と、該挿入用開口から連なって、前記ヘッドレスト部の高さ調整時に、前記下係止凸部の前方側への外れを防止しつつ、前記下係止凸部を摺動可能に係止する係止溝と、を配設させて構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るチャイルドシートでは、ヘッドレスト部を背もたれ部の本体部に組み付ける際には、まず、上側係合部における本体部側の上係止凸部における係止頭部を、上側係合部におけるヘッドレスト部側の上係止凹部の挿入口部に対して、後方側から前方側に向けて貫通させるように挿入させて、上側係合部における本体部側の上係止凸部とヘッドレスト部側の上係止凹部とを相互に係合させ、ついで、上係止凸部の係止頭部や首部を摺動させつつ、上係止凸部をヘッドレスト部側のガイド溝に沿わせて、下側係合部におけるヘッドレスト部側の下係止凸部を、下側係合部における本体部側の下係止凹部の挿入用開口と対向させるまで、下降させる。そして、ヘッドレスト部側の下係止凸部を、本体部の前面側から、本体部側の下係止凹部の挿入用開口に挿入させ、ついで、下係止凸部を下係止凹部の係止溝に係止させれば、下側係合部における本体部側の下係止凹部とヘッドレスト部側の下係止凸部とを相互に係合させることができる。そして、上側係合部における本体部側の上係止凸部とヘッドレスト部側の上係止凹部との係合では、上係止凸部の係止頭部が、上係止凹部のガイド溝の周縁を係止することから、ヘッドレスト部は、上下方向の摺動を可能として、本体部からの前方側への外れが防止される。また、下側係合部における本体部側の下係止凹部とヘッドレスト部側の下係止凸部との係合でも、ヘッドレスト部側における下係止凸部が、前方側への外れを防止されて、下係止凹部の係止溝の周縁を係止することから、ヘッドレスト部は、上下方向の摺動を可能として、本体部からの前方側への外れが防止される。すなわち、上下に離れた上側係合部と下側係合部とのそれぞれの係合により、ヘッドレスト部が、上下方向に摺動可能で、かつ、前方に外れることなく、本体部に組み付けられることとなる。そして、その組み付け作業も、単に、上側係合部における本体部側の上係止凸部の係止頭部をヘッドレスト部側の上係止凹部の挿入口部に挿入させ、また、下側係合部におけるヘッドレスト部側の下係止凸部を本体部側の下係止凹部の挿入用開口に挿入させるだけで、ボルト・ナット等を使用せずに、部品点数少なく、簡便に行える。さらに、最初に係合させる上側係合部では、本体部の前面側で、ヘッドレスト部を後方移動させるように、ヘッドレスト部側の挿入口部からガイド溝の領域に、本体部側の係止頭部を挿入させる作業で行え、本体部の上端から離れた上方側に、ヘッドレスト部の下端を配置させて、下方移動させて、ヘッドレスト部を本体部に組み付けるのではなく、ヘッドレスト部の下部のガイド溝側を、本体部の係止頭部の前方側に、重ねるように、配置させるだけで、組み付けの準備を行えて、ヘッドレスト部を大きく持ち上げる必要も無いことから、大きな作業スペースを要さず、省スペースで、簡便に、組み付けることができる。
【0008】
したがって、本発明に係るチャイルドシートでは、ヘッドレスト部を簡便に背もたれ部の本体部に組み付けることができる。
【0009】
そして、本発明に係るチャイルドシートでは、前記下側係合部の前記ヘッドレスト部側に設けられる前記下係止凸部が、
前記本体部側に突出する首部と、該首部の先端に幅寸法を広げて配置される係止頭部と、を有して構成され、
前記下側係合部の前記本体部側に設けられた前記下係止凹部の前記挿入用開口が、前記下係止凸部の前記係止頭部を、前方側から後方側へ貫通可能として、前記係止溝の下端側に設けられ、
前記係止溝が、前記ヘッドレスト部の高さ調整時に、前記係止頭部の裏面側を係止した状態として、前記首部を摺動可能とするように配設されていてもよい。
【0010】
このような構成では、下側係合部においても、本体部側とヘッドレスト部側とで、上側係合部と逆の構成となるものの、ヘッドレスト部側の下係止凸部の係止頭部を、本体部側の下係止凹部の係止溝に係止させるように、下係止凹部の挿入用開口に対して、後方側へ突出させるように、挿入させるだけで、簡便に、下係止凸部を本体部側の下係止凹部に、係合させることができる。すなわち、上側係合部と下側係合部とが、単に、本体部側の上係止凸部の係止頭部をヘッドレスト部側の上係止凹部の挿入口部に挿入させ、また、ヘッドレスト部側の下係止凸部の係止頭部を本体部側の下係止凹部の挿入用開口に挿入させるだけで、簡便に、係合状態とすることができる。
【0011】
この場合、前記上側係合部の前記上係止凸部における前記係止頭部が、挿入させる前記挿入口部に対して、圧入させて、前記ガイド溝に挿入可能な幅寸法とし、前記下側係合部の前記下係止凸部における前記係止頭部が、挿入させる前記挿入用開口に対して、圧入させて、前記係止溝に挿入可能な幅寸法として、構成されていることが望ましい。
【0012】
このような構成では、上側係合部と下側係合部とのそれぞれの係止頭部が、挿入口部や挿入用開口から抜け難くなることから、簡便な組付性を維持して、ヘッドレスト部の本体部からの外れを、好適に規制できる。
【0013】
また、本発明に係るチャイルドシートでは、前記下側係合部の前記ヘッドレスト部側に設けられた前記下係止凸部が、
前記ヘッドレスト部の下端側に配置されて、左右両側にフランジ部を突設させて構成され、
前記下側係合部の前記本体部側に設けられた前記係止溝が、上端側に、前記左右両側の前記フランジ部を挿入可能な前記挿入用開口を開口させて、前記本体部の前面側から断面L字状の鍔部を設けて、前記本体部の前面側と前記鍔部との間で、前記フランジ部を摺動可能に、形成されていてもよい。
【0014】
このような構成では、ヘッドレスト部の下端側の左右両側に、下側係合部の下係止凸部としてのフランジ部が突設されて、本体部側の断面L字状の鍔部からなる下係止凹部の係止溝に、左右のフランジ部が、左右に幅広い状態として、上下方向に摺動可能に係合されることから、ヘッドレスト部の本体部に対する上下移動が、前後左右にぶれ難くなって、安定して行える。
【0015】
この場合、前記本体部が、合成樹脂からなる成形品として、
前記下係止凸部の前記フランジ部における前記下係止凹部の前記挿入用開口への挿入後における前記挿入用開口からの抜けを規制可能で、かつ、前記フランジ部における前記下係止凹部の前記挿入用開口への挿入方向への移動を許容するように、前記ヘッドレスト部に当接可能な逆止ばね片を、前記本体部の成形時に一体的に成形されて、配設させていることが望ましい。
【0016】
このような構成では、逆止ばね片が、下係止凸部としての前記フランジ部における前記下係止凹部の前記挿入用開口への挿入後における前記挿入用開口からの抜けを、規制できることから、外れることなく、安定して、ヘッドレスト部を、本体部の前面側に組み付けておくことができる。また、逆止ばね片は、ヘッドレスト部と一体的に成形されて、別途、組み付けなくともよく、ヘッドレスト部の製造時の組付工数やコストの低減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る第1実施形態のチャイルドシートの正面側から見た概略斜視図であり、クッション部分を省いた状態を示す。
図2】第1実施形態のチャイルドシートの座部と、背もたれ部の本体部と、ヘッドレスト部と、の分解斜視図であり、クッション部分を省いた状態を示す。
図3】第1実施形態の背もたれ部を構成する本体部、ヘッドレスト部、高さ調整機構の操作レバー、ロックプレート、及び、ばね、を示す概略分解斜視図である。
図4】第1実施形態の背もたれ部における本体部の前面側とヘッドレスト部の背面側とを示す概略斜視図である。
図5】第1実施形態のチャイルドシートにおける左右方向の中央付近の概略縦断面図である。
図6】第1実施形態のチャイルドシートにおける高さ調整機構の操作レバーの操作時を説明するための概略縦断面図である。
図7】第1実施形態のチャイルドシートにおける高さ調整機構の操作レバーの操作時を示す概略縦断面図であり、図6の後の状態を示す。
図8】第1実施形態のチャイルドシートにおける高さ調整機構を動作させて、ヘッドレスト部側における位置決め凸部を高さ調整用凹部から抜いた状態を示す概略縦断面図である。
図9】第1実施形態のチャイルドシートにおける高さ調整機構における位置決め凸部を高さを変えた高さ調整用凹部に挿入させて、ヘッドレスト部の高さを調整する状態を示す概略縦断面図である。
図10】第1実施形態のチャイルドシートの上側係合部における上係止凸部を上係合凹部に係止させる状態を示す概略縦断面図である。
図11】第1実施形態のチャイルドシートの下側係合部における下係止凸部を下係止凹部に係止させるように、ヘッドレスト部を下方移動させている状態を示す概略縦断面図である。
図12】第1実施形態のチャイルドシートの下側係合部における下係止凸部を下係止凹部に係止させる状態を説明する概略縦断面図である。
図13】第1実施形態の上側係合部における上係止凸部が上係止凹部に係止されている状態を示す概略横断面図である。
図14】第1実施形態の下側係合部における下係止凸部が下係止凹部に係止される状態を説明する概略横断面図である。
図15】第2実施形態のチャイルドシートの正面側から見た概略斜視図であり、クッション部分を省いた状態を示す。
図16】第2実施形態のチャイルドシートの背もたれ部の本体部、ヘッドレスト部、高さ調整機構の操作レバー、及び、ばね、を示す概略分解斜視図である。
図17】第2実施形態の背もたれ部における本体部の前面側とヘッドレスト部の背面側とを示す概略斜視図であり、併せて、操作レバーを外した状態のヘッドレスト部の背面側を示す。
図18】第2実施形態のチャイルドシートにおける左右方向の中央付近の概略縦断面図である。
図19】第2実施形態のチャイルドシートの操作レバーの操作時を説明するための概略縦断面図である。
図20】第2実施形態のチャイルドシートにおける高さ調整機構の位置決め凸部を高さ調整用凹部から抜いた状態を示す概略縦断面図である。
図21】第2実施形態のチャイルドシートの上側係合部における上係止凸部を上係止凹部に係止させる状態を示す概略正面図である。
図22】第2実施形態のチャイルドシートの上側係合部における上係止凸部を上係止凹部に係止させる直前状態を示す概略縦断面図である。
図23】第2実施形態のチャイルドシートの上側係合部における上係止凸部を上係止凹部に係止させて、下側係合部における下係止凸部を下係止凹部に係止させる状態を示す概略縦断面図である。
図24】第2実施形態のチャイルドシートの下側係合部における下係止凸部を下係止凹部に係止させた状態を示す概略正面図である。
図25】第2実施形態のチャイルドシートにおける上側係合部の係合状態と下側係合部の係合状態とを示す概略横断面図である。
図26】第2実施形態のチャイルドシートのヘッドレスト部の本体部からの外れを防止するための逆止ばね片の動作状態を説明する概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態のチャイルドシート1は、自動車の座席に搭載して、幼児を着座させるものであり、図1~4に示すように、座部3と背もたれ部9とを備えて構成されている。なお、座部3と背もたれ部9との周囲には、図示しないクッションが配設されている。また、座部3と背もたれ部9とは、後述する操作レバー61やロックプレート72等の組付部品を除き、ブロー成形から形成されるポリエチレン等の中空状の合成樹脂品としている。
【0019】
座部3は、幼児の着座する座本体部4と、座本体部4の左右両縁で、座本体部4から上方に延びるように配設される座側壁部8と、を備えて構成されている。座本体部4の後端の左右には、後方へ突出する突出片部6が、配設されている。各突出片部6には、上面側に、左右方向に沿って凹み、前後方向に複数並設された係止溝6aが、配設されている。また、座部3の後縁側には、各突出片部6の下方側に、背もたれ部9の係止爪部12を周縁の係止縁部7aに係止させるための係止孔部7が配設されている(図5参照)。
【0020】
背もたれ部9は、本体部10と、本体部10の前面10a側に、高さ調整機構60により、高さ調整可能に組み付けられるヘッドレスト部21と、を備えて構成されている。
【0021】
本体部10は、下端側の両側に、座部3の係止孔部7に係止させる係止爪部12を配設させるとともに、座部3の突出片部6を挿通させて係止する係止孔13を配設させて構成されている。左右の係止孔13は、それぞれ、係止爪部12を係止孔部7の係止縁部7aに係止させた状態で、突出片部6を挿入させれば、各突出片部6の所定の係止溝6aに、内周面の突起13a(図5参照)を係止させて、背もたれ部9を、所定の傾斜角度で、座部3上に組み付ける構成としている。
【0022】
また、本体部10は、左右両縁に、前方へ延びる背側壁部19を突設させるとともに、左右方向の中央部位に、後方側へ凹んで、ヘッドレスト部21の下部側を収納する収納凹部15を配設させている(図2,3参照)。収納凹部15は、下部側の左右方向の幅寸法を狭めた細幅部15aと、上部側の左右方向の幅寸法を広げた広幅部15bと、を配設させて構成されている。収納凹部15の底面(前面)17側には、左右方向の中央付近の両側に、後方へ凹む高さ調整用凹部66が、上下方向に沿って、多数配設されている。さらに、収納凹部15の左右方向の中央部位には、上下方向に沿い、かつ、前後方向に貫通した長穴状の下係止凹部43が、配設されている。さらに、下係止凹部43の上方の本体部10の上縁側には、上係止凸部34が前方側に突設されている。
【0023】
ヘッドレスト部21は、図1~5に示すように、上下方向に延びる左右方向の中央の中央部22と、中央部22の上部側の左右両縁から前方に延びる側部26と、を備えて構成され、中央部22の下部22d側には、背もたれ部9の収納凹部15の細幅部15aに収納される細幅部23と、収納凹部15の広幅部15bに収納される広幅部24と、が形成されている。ヘッドレスト部21は、下部22dが、左右方向の移動を規制されて、上下動可能に、収納凹部15に収納されるとともに、収納凹部15に収納された中央部22の下部22d側は、前面22aが、収納凹部15の周縁の本体部10の前面10aと略面一となるように、構成されている(図1参照)。
【0024】
また、ヘッドレスト部21は、中央部22の左右方向の中央側の下端側に、下係止凸部48が、後方に突設され、下係止凸部48の上方側におけるヘッドレスト部21の左右方向の中央に、前後方向に貫通する長穴状の上係止凹部38が、配設されている。
【0025】
そして、ヘッドレスト部21と本体部10とは、相互に対応する上下の係合部30としての上側係合部32と下側係合部42とのそれぞれの対応部位相互の係合により、上下方向に摺動可能とした状態を維持して、組み付けられている。
【0026】
係合部30における上部側の上側係合部32は、本体部10側の上係止凸部34とヘッドレスト部21側の上係止凹部38と、から構成されている。下側係合部42は、本体部10側の下係止凹部43とヘッドレスト部21側の下係止凸部48と、から構成されている。
【0027】
上側係合部32における本体部10側の上係止凸部34は、本体部10の前面10a側、特に、第1実施形態では、上端の前面10a側に設けられて、ヘッドレスト部21側に突出する首部36と、首部36の先端に左右方向の幅寸法を広げて配置される係止頭部35と、を有して構成されている(図13参照)。
【0028】
上側係合部32におけるヘッドレスト部21側の上係止凹部38は、係止頭部35を後方側から前方側に突出させて、ヘッドレスト部21の高さ調整時に、係止頭部35の裏面側を係止した状態として、首部36を摺動可能とするガイド溝40を有するとともに、ガイド溝40の下端40a側に設けられて、係止頭部35を、後方側から前方側に向けて貫通させ、ガイド溝40に首部36を配置可能な挿入口部39を有して構成されている(図13参照)。
【0029】
第1実施形態の場合、上係止凹部38の挿入口部39は、ヘッドレスト部21の細幅部23の上部側における左右方向の中央付近で、前後方向に沿って貫通するような略長方形形状に開口され、ガイド溝40は、挿入口部39の開口幅を狭めた開口幅で、挿入口部39から、中央部22の上部22c付近まで上方へ延びている。
【0030】
下側係合部42における本体部10側に設けられる下係止凹部43は、下係止凸部48を本体部10の前面10a(17)側から挿入可能な挿入用開口44と、挿入用開口44から連なって、ヘッドレスト部21の高さ調整時に、下係止凸部48の前方側への外れを防止しつつ、下係止凸部48を摺動可能に係止する係止溝45と、を配設させて構成されている。第1実施形態の場合、挿入用開口44は、本体部10の下部10d側における左右方向の中央付近で、前後方向に沿って貫通するような略長方形形状に開口され、係止溝45は、挿入用開口44の開口幅を狭めた開口幅で、挿入用開口44から、上係止凸部34の下方における上部10c付近まで延びている。なお、係止溝45自体は、挿入用開口44の下方に、僅かに、延びるように配設されて、係止溝45の最下端に下係止凸部48を配置させた際、下係止凸部48(詳しくは後述する係止頭部49)が、挿入用開口44と前後方向で一致せずに、挿入用開口44の下方側にずれて配置されるように、構成されている。
【0031】
下側係合部42におけるヘッドレスト部21側の下係止凸部48は、下係止凹部43に、上下動可能に係合されるもので、第1実施形態の場合、本体部10側の左右方向の中央の下端22eから、後方へ突出するように配設されている。具体的には、本体部10側に突出する首部50と、首部50の先端に左右方向の幅寸法を広げて配置される係止頭部49と、を有して構成されている(図14参照)。
【0032】
そして、下側係合部42の本体部10側に設けられた下係止凹部43の挿入用開口44は、下係止凸部48の係止頭部49を、前方側から後方側へ貫通可能として、係止溝45の下端45a側に設けられている。そして、係止溝45は、ヘッドレスト部21の高さ調整時に、係止頭部49の裏面側を係止した状態として、首部50を摺動可能とするように配設されている。
【0033】
第1実施形態では、ヘッドレスト部21を本体部10に組み付ける際には、まず、図10に示すように、上側係合部32の本体部10側の上係止凸部34における係止頭部35を、上側係合部32のヘッドレスト部21側の上係止凹部38の挿入口部39に対し、後方側から前方側に貫通させるように挿入する。その後、図11,12に示すように、係止頭部35をガイド溝40に係止させた状態で、首部36をガイド溝40に摺動させて、ヘッドレスト部21を下降させ、下側係合部42のヘッドレスト部21側の下係止凸部48である係止頭部49を、下側係合部42の本体部10側の下係止凹部43の挿入用開口44に対向させる。そして、図14のA,Bや図12の二点鎖線に示すように、係止頭部49を、後方へ貫通させるように、挿入用開口44に押し込んで、係止頭部49を、係止溝45に係止させれば、ヘッドレスト部21を本体部10に組み付けることができる(図5参照)。この組付状態では、上側係合部32の本体部10側の上係止凸部34における係止頭部35が、上側係合部32のヘッドレスト部21側の上係止凹部38におけるガイド溝40の前面側周縁の係止面40bに係止され(図13参照)、また、下側係合部42のヘッドレスト部21側の下係止凸部48における係止頭部49が、下側係合部42の本体部10側の下係止凹部43における係止溝45の後面側周縁の係止面45bに係止されて(図14のB参照)、ヘッドレスト部21が本体部10から前方側に外れず、その状態で、首部36,50がガイド溝40や係止溝45を摺動して、ヘッドレスト部21を、本体部10に対して、上下移動させて、高さを調整することができる。
【0034】
なお、第1実施形態では、ヘッドレスト部21の係止頭部49が、挿入用開口44に配置されても、そのヘッドレスト部21の本体部10への配置位置では、上方側の上側係合部32の係止頭部35が、上側係合部32の挿入口部39に一致する訳ではないことから、ヘッドレスト部21が本体部10から前方側に外れる虞れは生じない。
【0035】
さらに、第1実施形態では、上側係合部32の上係止凸部34における係止頭部35が、挿入させる挿入口部39に対して、圧入させて、ガイド溝40に挿入可能な幅寸法WUPとし、また、下側係合部42の下係止凸部48における係止頭部49が、挿入させる挿入用開口44に対して、圧入させて、係止溝45に挿入可能な幅寸法WDPとして、構成されている(図13図14のA参照)。具体的には、係止頭部35の左右方向の幅寸法WUPは、挿入口部39の左右方向の幅寸法WUHより、圧入可能に、僅かに、大きくし(若しくは、同等とし)、また、係止頭部49の左右方向の幅寸法WDPは、挿入用開口44の左右方向の幅寸法WDHより、圧入可能に、僅かに、大きく(若しくは、同等と)している。
【0036】
そのため、ヘッドレスト部21が本体部10から前方側に外れる虞れは生じ難い。
【0037】
第1実施形態の高さ調整機構60は、図1~5に示すように、既述した背もたれ部9の本体部10における左右方向の中央付近の両側に配設された高さ調整用凹部66、操作レバー61、操作時の操作レバー61を復帰させるための付勢手段としてのコイルばね71、及び、高さ調整用凹部66に嵌合する位置決め凸部77を有したロックプレート72、を備えて構成されている。
【0038】
操作レバー61は、左右両側に上下方向に沿って延びる縦杆部62,62と、縦杆部62,62の上端相互を連結するように配設される操作把持部61aと、縦杆部62,62の下端相互を連結するように配設されるばね座63と、から構成され、中央に、上係止凸部34を挿通させる長穴61cを設けた略四角環状としている。縦杆部62,62には、それぞれ、2箇所ずつに、本体部10の上下方向に延びる係止溝68に対して、上下方向に摺動可能に係止される係合爪62aを、前方側に突設させている。操作レバー61は、左右の係合爪62aを後方側から係止溝68に係止させれば、後方側へ外れること無く、ヘッドレスト部21に対して、上下移動可能に係止される。ばね座63には、ヘッドレスト部21の後面22b側に設けられたばね座69に上端を取り付けたコイルばね71の下端が取り付けられている。そのため、操作レバー61は、コイルばね71により、下方へ付勢されて、ロックプレート72の横杆部75に当接して、下方位置が規定されている。操作レバー61は、操作時、操作把持部61aとヘッドレスト部21の後面22b側の上縁の支持縁部61bとを把持して、操作把持部61aを上方へ引き上げるように操作する。また、ばね座63の左右両側には、斜め前下方に延びる屈曲部64,64を突設させている。屈曲部64,64は、操作レバー61の引上げ時、ロックプレート72の位置決め凸部77を、前方移動させるための傾斜した押圧面64aを前面側に配置させている。
【0039】
ロックプレート72は、左右両側に上下方向に延びるように配設される縦杆部74と、縦杆部74,74の下端相互を連結する横杆部75と、を備えて構成されている。横杆部75の左右両側の後面側には、位置決め凸部77,77が後方へ突設されている。また、縦杆部74,74の上端には、前方へ突出する係止脚部74aが突設され、各係止脚部74aは、ヘッドレスト部21の後面22b側の係止孔79に係止される。この係止により、ロックプレート72は、縦杆部74,74の上端側をヘッドレスト部21に固定された状態で、縦杆部74,74の下端の横杆部75を後方側に弾性変形可能に、ヘッドレスト部21に組み付けられることとなる。また、ロックプレート72には、縦杆部74,74の下端側に、左右両側に突出する被押圧部74bが配設されている。ロックプレート72は、左右の被押圧部74bが、操作レバー71の引上げ時において、屈曲部64の押圧面64aに押されて、前方移動することとなり、その移動時、位置決め凸部77を前方移動させることとなる。
【0040】
すなわち、この高さ調整機構60では、図6,7,8に示すように、操作レバー61の操作把持部61aと支持縁部61bとを把持して、操作把持部61aを支持縁部61bに接近させるように、操作レバー61を引き上げれば、縦杆部62,62の下端の屈曲部64が、上面側の前下がりの押圧面64a,64aを上昇させることから、ロックプレート72の被押圧部74bを前方移動させ、その結果、挿入させていた高さ調整用凹部66から位置決め凸部77が前方に抜けるように外れることとなる。その状態で、図9に示すように、ヘッドレスト部21を所定高さまで引き上げ、そして、所定の高さの高さ調整用凹部66の配置位置まで、位置決め凸部77が配置された後、操作把持部61aから手を離せば、コイルばね71の付勢力により、図9の二点鎖線に示すように、操作レバー61が下方移動して、屈曲部64の押圧面64aが被押圧部74bから下方側に離れることから、ロックプレート72は、撓ませていた縦杆部74を復元させるように、下端の横杆部75を後方移動させ、その結果、所定高さの高さ調整用凹部66に位置決め凸部77を挿入させる。そのため、ヘッドレスト部21が、所定高さに高さ調整されて、位置決めされることとなる。
【0041】
そして、第1実施形態のチャイルドシート1では、ヘッドレスト部21を背もたれ部9の本体部10に組み付ける際には、まず、図10に示すように、上側係合部32の本体部10側における上係止凸部34の係止頭部35を、上側係合部32のヘッドレスト部21側における上係止凹部38の挿入口部39に対して、後方側から前方側に向けて貫通させるように挿入させて、上側係合部32における本体部10側の上係止凸部34とヘッドレスト部21側の上係止凹部38とを相互に係合させ、ついで、図11に示すように、上係止凸部34の首部36を摺動させつつ、上係止凸部34をヘッドレスト部21側のガイド溝40に沿わせて、下側係合部42におけるヘッドレスト部21側の下係止凸部48を、下側係合部42における本体部10側の下係止凹部43の挿入用開口44と対向させるまで、下降させる(図12参照)。そして、ヘッドレスト部21側の下係止凸部48を、本体部10の前面10a(17)側から、本体部10側の下係止凹部43の挿入用開口44に挿入させ(図12の二点鎖線、図14のA参照)、ついで、下係止凸部48を下係止凹部43の係止溝45に係止させれば(図14のB,図5参照)、下側係合部42における本体部10側の下係止凹部43とヘッドレスト部21側の下係止凸部48とを相互に係合させることができる。なお、この時、図5に示すように、下係止凸部48(係止頭部49)は、挿入用開口44の下方側にずれて、係止溝45の最下端に配置されることとなる。そして、上側係合部32における本体部10側の上係止凸部34とヘッドレスト部21側の上係止凹部38との係合では、上係止凸部34の係止頭部35が、上係止凹部38のガイド溝40の周縁(係止面)40bを係止することから、ヘッドレスト部21は、上下方向の摺動を可能として、本体部10からの前方側への外れが防止される。また、下側係合部42における本体部10側の下係止凹部43とヘッドレスト部21側の下係止凸部48との係合でも、ヘッドレスト部21側における下係止凸部48が、前方側への外れを防止されて、下係止凹部43の係止溝45の周縁(係止面)45bを係止することから、ヘッドレスト部21は、上下方向の摺動を可能として、本体部10からの前方側への外れが防止される。すなわち、上下に離れた上側係合部32と下側係合部42とのそれぞれの係合により、ヘッドレスト部21が、上下方向に摺動可能で、かつ、前方に外れることなく、本体部10に組み付けられることとなる。そして、その組み付け作業も、単に、上側係合部32における本体部10側の上係止凸部34の係止頭部35をヘッドレスト部21側の上係止凹部38の挿入口部39に挿入させ、また、下側係合部42におけるヘッドレスト部21側の下係止凸部48を本体部10側の下係止凹部43の挿入用開口44に挿入させるだけで、ボルト・ナット等を使用せずに、部品点数少なく、簡便に行える。さらに、最初に係合させる上側係合部32では、本体部10の前面10a側で、ヘッドレスト部21を後方移動させるように、ヘッドレスト部21側の挿入口部39からガイド溝40の領域に、本体部10側の係止頭部35を挿入させる作業で行え、本体部10の上端から離れた上方側に、ヘッドレスト部21の下端22eを配置させて、下方移動させて、ヘッドレスト部21を本体部10に組み付けるのではなく、ヘッドレスト部21の下部22dのガイド溝40側を、本体部10の係止頭部35の前方側に、重ねるように、配置させるだけで、組み付けの準備を行えて、ヘッドレスト部21を大きく持ち上げる必要も無いことから、大きな作業スペースを要さず、省スペースで、簡便に、組み付けることができる。
【0042】
したがって、第1実施形態のチャイルドシート1では、ヘッドレスト部21を簡便に背もたれ部9の本体部10に組み付けることができる。
【0043】
そして、第1実施形態では、下側係合部42のヘッドレスト部21側に設けられる下係止凸部48が、本体部10側に突出する首部50と、首部50の先端に幅寸法を広げて配置される係止頭部49と、を有して構成されている。また、下側係合部42の本体部10側に設けられた下係止凹部43の挿入用開口44が、下係止凸部48の係止頭部49を、前方側から後方側へ貫通可能として、係止溝45の下端45a側に設けられ、係止溝45が、ヘッドレスト部21の高さ調整時に、係止頭部49の裏面側を係止した状態として、首部50を摺動可能とするように配設されている。
【0044】
そのため、第1実施形態では、下側係合部42においても、本体部10側とヘッドレスト部21側とで、上側係合部32と逆の構成となるものの、ヘッドレスト部21側の下係止凸部48の係止頭部49を、本体部10側の下係止凹部43の係止溝45に係止させるように、下係止凹部43の挿入用開口44に対して、後方側へ突出させるように、挿入させるだけで、簡便に、下係止凸部48を本体部10側の下係止凹部43に、係合させることができる。すなわち、上側係合部32と下側係合部42とが、単に、本体部10側の上係止凸部34の係止頭部35をヘッドレスト部21側の上係止凹部38の挿入口部39に挿入させ、また、ヘッドレスト部21側の下係止凸部48の係止頭部49を本体部10側の下係止凹部43の挿入用開口44に挿入させるだけで、簡便に、係合状態とすることができる。
【0045】
この場合、第1実施形態では、上側係合部32の上係止凸部34における係止頭部35が、挿入させる挿入口部39に対して、圧入させて、ガイド溝40に挿入可能な幅寸法WUPとし、下側係合部42の下係止凸部48における係止頭部49が、挿入させる挿入用開口44に対して、圧入させて、係止溝45に挿入可能な幅寸法WDPとして、構成されている(図13,14参照)。詳しくは、係止頭部35の左右方向の幅寸法WUPは、挿入口部39の左右方向の幅寸法WUHより、圧入可能に、僅かに、大きくし(若しくは、同等とし)、また、係止頭部49の左右方向の幅寸法WDPは、挿入用開口44の左右方向の幅寸法WDHより、圧入可能に、僅かに、大きく(若しくは、同等と)している。
【0046】
そのため、第1実施形態では、上側係合部32と下側係合部42とのそれぞれの係止頭部35,49が、挿入口部39や挿入用開口44から抜け難くなることから、簡便な組付性を維持して、ヘッドレスト部21の本体部10からの外れを、好適に規制できる。
【0047】
つぎに、図15~18に示す第2実施形態のチャイルドシート1Aについて説明する。この第2実施形態のチャイルドシート1Aは、座部3Aと背もたれ部9Aの本体部10Aとが、シート本体2として、ポリプロピレン等の合成樹脂から射出成形等により一体成形されて、形成されている。背もたれ部9Aは、本体部10Aと、本体部10Aの前面10a側に組み付けられるヘッドレスト部21Aと、から構成されている。なお、座部3Aと背もたれ部9Aとの周囲には、図示しないクッションが配設されている。
【0048】
ヘッドレスト部21Aを本体部10Aに組み付ける係合部は、第1実施形態と同様に、上側係合部32Aと下側係合部42Aとの上下2箇所に配設されている。上側係合部32Aは、本体部10A側の上係止凸部34Aとヘッドレスト部21A側の上係止凹部38Aとから構成され、下側係合部42Aは、本体部10A側の下係止凹部43Aとヘッドレスト部21A側の下係止凸部48Aとから構成されている。
【0049】
そして、上側係合部32Aにおける本体部10A側の上係止凸部34Aは、本体部10Aの前面10a側の左右方向の中央における上部側に設けられて、ヘッドレスト部21A側となる前方に突出する首部36Aと、首部36Aの先端に左右方向の幅寸法を広げて配置される係止頭部35Aと、を有して構成される。首部36Aは、上下方向に沿って延びる薄板状とし、係止頭部35Aは、首部36Aの前端で、左右に広がる略長方形板状としている。
【0050】
上側係合部32Aにおけるヘッドレスト部21A側の上係止凹部38Aは、係止頭部35Aを後方側から前方側に突出させて、ヘッドレスト部21Aの高さ調整時に、係止頭部35Aの裏面側を係止した状態として(図25のA参照)、首部36Aを摺動可能とするガイド溝40Aを有するとともに、ガイド溝40Aの下端40a側に設けられて、係止頭部35Aを、後方側から前方側に向けて貫通させ、ガイド溝40Aに首部36Aを配置可能な挿入口部39Aを有して構成される。挿入口部39Aは、ヘッドレスト部21Aの左右方向の中央付近における細幅部23の上部側に開口され、ガイド溝40Aが、挿入口部39Aより細幅となって、挿入口部39Aから、中央部22の上部22c付近まで、上方に延びている。
【0051】
下側係合部42Aは、本体部10A側に設けられる下係止凹部43Aと、ヘッドレスト部21A側に設けられて、下係止凹部43Aに、上下動可能に係合される下係止凸部48Aと、を備えて構成される。そして、下係止凹部43Aは、下係止凸部48Aを本体部10Aの前面10a側から挿入可能な挿入用開口44Aと、挿入用開口44Aから連なって、ヘッドレスト部21Aの高さ調整時に、下係止凸部48Aの前方側への外れを防止しつつ、下係止凸部48Aを摺動可能に係止する係止溝45Aと、を配設させて構成されている。
【0052】
特に、第2実施形態では、下側係合部42Aのヘッドレスト部21A側に設けられた下係止凸部48Aが、ヘッドレスト部21Aの下端22e側に配置されて、左右両側にフランジ部52,52を突設させて構成されている。
【0053】
また、下側係合部42Aの本体部10A側に設けられた係止溝45Aが、上端側に、左右両側のフランジ部52,52を挿入可能な挿入用開口44Aを開口させて、本体部10Aの前面10a側から断面L字状の鍔部46(L,R)を設けて、本体部10Aの前面10a側と鍔部46との間で、フランジ部52,52を摺動可能に、形成されている(図25のB参照)。左右両側に設けられる鍔部46L,46Rは、本体部10Aの前面10aから前方に突出する突出壁46aと、突出壁46aの先端から本体部10Aの左右方向の中央側に延びるカバー壁46bと、から構成され、左右の鍔部46L,46Rは、カバー壁46bと、本体部10Aの前面10aとの間に、ヘッドレスト部21Aの左右のフランジ部52,52を摺動させる係止溝45A,45Aを配設させることとなる。挿入用開口44A,44Aは、鍔部46L,46Rの上端で開口されて、その開口面は、上向きに開口させている。
【0054】
なお、左右両側の係止溝45A,45Aは、本体部10Aの下部10dの下端10e付近から、上下方向の中間部位付近に配置された挿入用開口44Aまで、上方に延びるように配設されている。
【0055】
また、本体部10Aの係止頭部35Aの下方には、ヘッドレスト部21Aの上方への抜け止めのための逆止ばね片54が配設されている。逆止ばね片54は、上端側の元部54a側が、本体部10Aから延びて、下端側の先端54bを、前方側に傾斜するように配設されて、本体部10Aの成形時、本体部10Aとともに、一体成形されて形成されている。逆止ばね片54の左右両縁や先端54bの周囲には、逆止ばね片54が弾性変形し易いように、切欠き56が形成されている。この逆止ばね片54は、フランジ部52,52が、挿入用開口44Aから飛び出す位置付近まで、到達すると、ヘッドレスト部21Aの左右方向の中央の下端22e側で、上方側を凹ませて後方側に突出する鍔状のストッパ部27に、先端54bを当接させて、フランジ部52,52の挿入用開口44Aからの外れを防止している(図26参照)。一方、ヘッドレスト部21Aの下方移動時等には、逆止ばね片54の先端54bは、ヘッドレスト部21Aの後面22b側と摺動して、ヘッドレスト部21Aの上下動を阻害することはない。すなわち、逆止ばね片54は、フランジ部52における下係止凹部43Aの挿入用開口44Aへの挿入方向への移動は、許容することとなる。
【0056】
さらに、本体部10Aの係止頭部35Aの直下付近の左右両側には、係止溝45Aの上下方向の中間付近まで延びるように、高さ調整機構60Aの高さ調整用凹部66Aが、前後方向に貫通するように、上下方向に沿って多数並設されている。
【0057】
ヘッドレスト部21Aの本体部10Aへの組付は、まず、図21,22に示すように、上側係合部32Aにおける本体部10A側の上係止凸部34Aにおける係止頭部35Aを、上側係合部32Aにおけるヘッドレスト部21A側の上係止凹部38Aの挿入口部39Aに対して、後方側から前方側に向けて貫通させるように挿入させて、上側係合部32Aにおける本体部10A側の上係止凸部34Aとヘッドレスト部21A側の上係止凹部38Aとを相互に係合させ、ついで、図23~25に示すように、上係止凸部34Aの首部36Aを摺動させつつ、上係止凸部34Aをヘッドレスト部21A側のガイド溝40Aに沿わせて、下側係合部42Aにおけるヘッドレスト部21A側の下係止凸部48Aとしてのフランジ部52,52の下端52aを、下側係合部42Aにおける本体部10A側の下係止凹部43Aの挿入用開口44Aと対向させるまで、下降させるとともに、図21の実線から二点鎖線に示すように、ヘッドレスト部21A側の下係止凸部48Aとしてのフランジ部52,52の下端52aを、本体部10Aの前面10a側から、本体部10A側の下係止凹部43Aの挿入用開口44A,44Aに挿入させ、ついで、下係止凸部48Aとしてのフランジ部52,52を下係止凹部43Aの係止溝45A,45Aに係止させれば、下側係合部42Aにおける本体部10A側の下係止凹部43Aとヘッドレスト部21A側の下係止凸部48Aとを相互に係合させることができる。そして、上側係合部32Aにおける本体部10A側の上係止凸部34Aとヘッドレスト部21A側の上係止凹部38Aとの係合では、上係止凸部34Aの係止頭部35Aが、上係止凹部38Aのガイド溝40Aの前面側周縁(係止面)40bを係止することから、ヘッドレスト部21Aは、上下方向の摺動を可能として、本体部10Aからの前方側への外れが防止される。また、下側係合部42Aにおける本体部10A側の下係止凹部43Aとヘッドレスト部21A側の下係止凸部48Aとの係合でも、ヘッドレスト部21A側における下係止凸部48Aのフランジ部52,52が、前方側への外れを防止されて、下係止凹部43Aのカバー壁46bと前面10aとの間から形成される係止溝45Aの周縁(カバー壁46b)を係止することから、ヘッドレスト部21Aは、上下方向の摺動を可能として、本体部10Aからの前方側への外れが防止される。すなわち、上下に離れた上側係合部32Aと下側係合部42Aとのそれぞれの係合により、ヘッドレスト部21Aが、上下方向に摺動可能で、かつ、前方に外れることなく、本体部10Aに組み付けられることとなる。そして、その組み付け作業も、単に、上側係合部32Aにおける本体部10A側の上係止凸部34Aの係止頭部35Aをヘッドレスト部21A側の上係止凹部38Aの挿入口部39Aに挿入させ、また、下側係合部42Aにおけるヘッドレスト部21A側の下係止凸部48Aのフランジ部52,52を本体部10A側の下係止凹部43Aの挿入用開口44A,44Aに挿入させるだけで、ボルト・ナット等を使用せずに、部品点数少なく、簡便に行える。さらに、最初に係合させる上側係合部32Aでは、本体部10Aの前面側で、ヘッドレスト部21Aを後方移動させるように、ヘッドレスト部21A側の挿入口部39Aからガイド溝40Aの領域に、本体部10A側の係止頭部35Aを挿入させる作業で行え、本体部10Aの上端から離れた上方側に、ヘッドレスト部21Aの下端22eを配置させて、下方移動させて、ヘッドレスト部21Aを本体部10Aに組み付けるのではなく、ヘッドレスト部21Aの下部22dのガイド溝40A側を、本体部10Aの係止頭部35Aの前方側に、重ねるように、配置させるだけで、組み付けの準備を行えて、ヘッドレスト部21Aを大きく持ち上げる必要も無いことから、大きな作業スペースを要さず、省スペースで、簡便に、組み付けることができる。
【0058】
したがって、第2実施形態のチャイルドシート1Aでも、ヘッドレスト部21Aを簡便に背もたれ部9Aの本体部10Aに組み付けることができる。
【0059】
さらに、第2実施形態では、ヘッドレスト部21Aの下端22e側の左右両側に、下側係合部42Aの下係止凸部48Aとしてのフランジ部52,52が突設されて、本体部10A側の断面L字状の鍔部46(L,R)からなる下係止凹部43Aの係止溝45A,45Aに、左右のフランジ部52,52が、左右に幅広い状態として、上下方向に摺動可能に係合されることから、ヘッドレスト部21Aの本体部10Aに対する上下移動が、前後左右にぶれ難くなって、安定して行える。なお、詳しくは、左右のフランジ部52,52が、鍔部46L,46Rの突出壁46aの内側面に当接したり、あるいは、フランジ部52近傍のヘッドレスト部21Aにおける細幅部23の側面23aが、鍔部46L,46Rのカバー壁46bの先端面に当接して、ヘッドレスト部21Aの左右方向のぶれが規制されている(図25のB参照)。
【0060】
また、第2実施形態では、本体部10Aが、合成樹脂からなる成形品として、下係止凸部48Aのフランジ部52における下係止凹部43Aの挿入用開口44Aへの挿入後における挿入用開口44Aからの抜けを規制可能で、かつ、フランジ部52における下係止凹部43Aの挿入用開口44Aへの挿入方向への移動を許容するように、ヘッドレスト部21Aのストッパ部27に当接可能な逆止ばね片54を、本体部10Aの成形時に一体的に成形されて、配設させている。
【0061】
そのため、第2実施形態では、図26に示すように、逆止ばね片54が、先端54bをストッパ部27に当接させて、下係止凸部48Aとしてのフランジ部52における下係止凹部43Aの挿入用開口44Aへの挿入後における挿入用開口44Aからの抜けを、規制できることから、外れることなく、安定して、ヘッドレスト部21Aを、本体部10Aの前面10a側に組み付けておくことができる。また、逆止ばね片54は、ヘッドレスト部21Aと一体的に成形されて、別途、組み付けなくともよく、ヘッドレスト部21Aの製造時の組付工数やコストの低減に寄与できる。
【0062】
なお、第2実施形態の高さ調整機構60Aは、図15~20に示すように、本体部10Aの高さ調整用凹部66A、操作レバー61A、ロックプレート72A、及び、付勢手段としてのコイルばね71A、を備えて構成されている。
【0063】
コイルばね71Aは、引張りコイルばね71Aとして、上端71aが、操作レバー61Aの下端のばね座63Aを形成する係止フック63aに、係止され、下端71bが、ヘッドレスト部21Aの後面22b側の下端22eに配設されたばね座69Aを形成する係止フック69aに係止されている。ばね座69Aは、ヘッドレスト部21Aの後面22b側の下端22eにおける左右方向の中央に配設されている。
【0064】
ロックプレート72Aは、左右両側の縦杆部74A,74Aと、縦杆部74A,74Aの上端74c相互を連結する横杆部75Aと、を備えて構成されるとともに、ヘッドレスト部21Aの成形時に一体成形されて形成されている。すなわち、ヘッドレスト部21Aの後面22b側の下端22eにおけるばね座69Aの左右両側から、両側の縦杆部74Aが、上方に延びており、縦杆部74A,74Aの下端74dが、ヘッドレスト部21Aの下端22eと一体的に結合されている。縦杆部74A,74Aの上端74cには、後方へ突出して、所定高さの高さ調整用凹部66Aに嵌合する位置決め凸部77Aが配設されている(図17の括弧書き参照)。縦杆部74A,74Aの上端74c側は、前後に撓み可能に配設されている。そして、横杆部75Aは、その下面側を被押圧部75aとして、操作レバー61Aの引上げ時に、屈曲部64Aの押圧面64aに押されて、前方移動し、嵌合していた高さ調整用凹部66Aから位置決め凸部77Aを離脱させるように構成されている。
【0065】
操作レバー61Aは、上下方向に延びる縦杆部62Aの上端に、操作時に把持する操作把持部61aを有して、操作把持部61aとヘッドレスト部21Aの後面22b側の支持縁部61bとを把持し、操作把持部61aを、支持縁部61b側に接近させるように、上方移動させて操作する。
【0066】
また、操作レバー61Aは、縦杆部62Aの下端側に、ばね座63Aを配設させるとともに、ばね座63Aの左右両側の上方部位から二又状に分岐して後方側に延び、さらに、その後端から斜め前下方向に屈曲して、ばね座63Aに接続される屈曲部64A,64Aを配設させている。屈曲部64A,64Aの傾斜した上面側が、押圧面64aとなり、操作レバー61Aの引上げ時、屈曲部64A,64Aの押圧面64aが上昇して、ロックプレート72Aの横杆部75Aの被押圧部75aを、前方移動させて、嵌合していた高さ調整用凹部66Aから位置決め凸部77Aを離脱させることとなる。
【0067】
操作レバー61Aは、縦杆部62Aが、ヘッドレスト部21Aのガイド部67に上下動可能に保持されている。ガイド部67は、ヘッドレスト部21Aの前面22a側で上下方向に沿って延びて、縦杆部62Aの上下動を案内可能に収納するガイド溝67aと、操作レバー61Aの操作把持部61aを、ヘッドレスト部21Aの後面22b側に突出させる挿通孔67bと、縦杆部62Aの下端付近の前面側を押える押え杆67cと、を備えて構成されている。
【0068】
この高さ調整機構60Aでは、図19,20に示すように、操作レバー61Aの操作把持部61aと支持縁部61bとを把持して、操作把持部61aを支持縁部61bに接近させるように、操作レバー61Aを引き上げれば、縦杆部62Aの下端の屈曲部64A,64Aが、上面側の前下がりの押圧面64a,64aを上昇させることから、ロックプレート72Aの横杆部75Aにおける被押圧部75aを前方移動させ、その結果、挿入されていた高さ調整用凹部66Aから位置決め凸部77Aが前方に抜けるように外れることとなる。その状態で、図18の二点鎖線に示すように、ヘッドレスト部21Aを所定高さまで引き上げ、そして、所定の高さの高さ調整用凹部66Aの配置位置まで、位置決め凸部77Aが配置された後、操作把持部61aから手を離せば、引張りコイルばね71Aの付勢力により、操作レバー61Aが下方移動して、屈曲部64A,64Aの押圧面64aが被押圧部75aから下方側に離れることから、ロックプレート72Aは、撓ませていた縦杆部74Aを復元させるように、上端74c側の横杆部75Aを後方移動させ、その結果、所定高さの高さ調整用凹部66Aに位置決め凸部77Aを嵌合させる。そのため、ヘッドレスト部21Aが、所定高さに高さ調整されて、位置決めされることとなる。
【符号の説明】
【0069】
1,1A…チャイルドシート、3,3A…座部、9,9A…背もたれ部、10,10A…本体部、10a…前面、17…(前面)底面、21,21A…ヘッドレスト部、30,30A…係合部、32,32A…上側係合部、34,34A…上係止凸部(本体部側)、35,35A…係止頭部、36,36A…首部、38,38A…上係止凹部(ヘッドレスト部側)、39,39A…挿入口部、40,40A…ガイド溝、40a…下端、42,42A…下側係合部、43,43A…下係止凹部(本体部側)、44,44A…挿入用開口、45,45A…係止溝、
45a…下端、46…(係止溝形成用)鍔部、48,48A…下係止凸部(ヘッドレスト部側)、49…係止頭部、50…首部、52…フランジ部、54…逆止ばね片、60,60A…高さ調整機構、
WUP…(上側係合部の係止頭部の)幅寸法、WUH…(上側係合部の挿入口部の)幅寸法、WDP…(下側系頭部の係止頭部の)幅寸法、WDH…(下側系頭部の挿入口部の)幅寸法。
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