(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030712
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】キャリアパレット車及びキャリアパレット車の誘導方法
(51)【国際特許分類】
B61D 47/00 20060101AFI20220210BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20220210BHJP
【FI】
B61D47/00 A
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020134897
(22)【出願日】2020-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 圭悟
(72)【発明者】
【氏名】宮下 裕司
(72)【発明者】
【氏名】安田 克己
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG08
5H301HH03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】キャリアパレット車を無人運転化した場合に、キャリアパレット車をパレットの下に適正に進入可能にする。
【解決手段】本発明の誘導方法は、キャリアパレット車が有するアプローチセンサ6を用いて、左側の脚部の表面にある点Cまでの距離と角度を検出する第1検出ステップと、キャリアパレット車が有する側面センサ8を用いて、左側の脚部の表面において点Cと異なる点Dまでの距離を検出する第2検出ステップと、第1検出ステップにより検出された距離とアプローチセンサが点Cを検出したときの角度と第2検出ステップにより検出された距離に基づいて、キャリアパレット車とパレット10との相対角度θ
Sを算出する相対角度算出ステップと、第2検出ステップにより検出された距離が所定範囲にあり且つ相対角度算出ステップにより算出された相対角度θ
Sが所定の角度となるようにキャリアパレット車を位置調整する位置調整ステップとを有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物を載置する載置台と、載置台を支持する左右1対の脚部とを有するパレットの前記載置台下部へ進入するキャリアパレット車であって、
前記キャリアパレット車が有する第1センサを用いて、左右何れか一方の脚部の表面にある第1所定点までの距離と前記第1センサが前記第1所定点を検出したときの角度を検出する第1検出手段と、
前記キャリアパレット車が有する第2センサを用いて、前記一方の脚部の表面において前記第1所定点と異なる第2所定点までの距離を検出する第2検出手段と、
前記第1検出手段により検出された距離と前記第1センサが前記第1所定点を検出したときの角度と前記第2検出手段により検出された距離に基づいて、前記キャリアパレット車と前記パレットの相対角度θSを算出する相対角度算出手段と、
前記第2検出手段により検出された距離が所定範囲にあり且つ前記相対角度算出手段により算出された相対角度θSが所定の角度となるように、前記キャリアパレット車を位置調整する位置調整手段とを有することを特徴とするキャリアパレット車。
【請求項2】
前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部に配置されており、前記第2センサは、前記キャリアパレット車の側面に配置されることを特徴とする請求項1に記載のキャリアパレット車。
【請求項3】
前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部の端部に配置されることを特徴とする請求項2に記載のキャリアパレット車。
【請求項4】
前記第1センサまたは前記第2センサは、検出光を出射し、前記脚部からの反射光を受光することで前記脚部と前記第1センサまたは前記第2センサとの距離を測定することを特徴とする請求項1~3に記載のキャリアパレット車。
【請求項5】
貨物を載置する載置台と、載置台を支持する左右1対の脚部とを有するパレットの前記載置台下部へキャリアパレット車を進入させるキャリアパレット車の誘導方法であって、
前記キャリアパレット車が有する第1センサを用いて、左右何れか一方の脚部の表面にある第1所定点までの距離と前記第1センサが前記第1所定点を検出したときの角度を検出する第1検出ステップと、
前記キャリアパレット車が有する第2センサを用いて、前記一方の脚部の表面において前記第1所定点と異なる第2所定点までの距離を検出する第2検出ステップと、
前記第1検出ステップにより検出された距離と前記第1センサが前記第1所定点を検出したときの角度と前記第2検出ステップにより検出された距離に基づいて、前記キャリアパレット車と前記パレットの相対角度θSを算出する相対角度算出ステップと、
前記第2検出ステップにより検出された距離が所定範囲にあり且つ前記相対角度算出ステップにより算出された相対角度θSが所定の角度となるように、前記キャリアパレット車を位置調整する位置調整ステップとを有することを特徴とするキャリアパレット車の誘導方法。
【請求項6】
前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部に配置されており、前記第2センサは、前記キャリアパレット車の側面に配置されることを特徴とする請求項4に記載のキャリアパレット車の誘導方法。
【請求項7】
前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部の端部に配置されることを特徴とする請求項5に記載のキャリアパレット車の誘導方法。
【請求項8】
前記第1センサまたは前記第2センサは、検出光を出射し、前記脚部からの反射光を受光することで前記脚部と前記第1センサまたは前記第2センサとの距離を測定することを特徴とする請求項5~7に記載のキャリアパレット車の誘導方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば貨物を載置したパレットを搬送するキャリアパレット車及びキャリアパレット車の誘導方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製鉄所やコンテナ船の貨物運搬に使用されるキャリアパレット車は、自走可能であり、貨物を載置したパレットの下に進入した後、キャリアパレット車の荷台を上昇させて、貨物を載置したパレットごと搬送する。
【0003】
近年、キャリアパレット車の無人運転化により物流を合理化することが検討されている。キャリアパレット車を無人運転化するためには、貨物を載置したパレットの下にキャリアパレット車を自動的に進入させる必要がある。そのため、キャリアパレット車をパレットの脚部材に衝突しないように、キャリアパレット車をパレットの前方において、キャリアパレット車の荷台の長手方向中心線をパレットの長手方向中心線と一致させてパレットの下方に進入させる。
【0004】
無人運転が行われる無人搬送車として、車体フレームの中心線上の前部と後部にパレットを検知するためのアプローチセンサと、荷台の両側端にパレットの両脚の柱部の内法面との間の距離を検知するための複数個の側面センサとが設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、無人搬送車が自立走行して、パレットの前方に定められた所定の位置にくると、アプローチセンサによりパレットの検知が行われる。
【0005】
具体的には、無人搬送車の右側から左側へ一定の間隔でレーザ光を走査し、アプローチセンサの中心からパレットの両脚の柱部までの距離を計測し、無人搬送車の長手方向中心線がパレットの長手方向中心線に一致するように誘導した後、無人搬送車をパレットの下に進入させる。無人搬送車がある程度パレットに進入して、側面センサがパレットの脚の柱部の内法面を検知したら、アプローチセンサの作動を停止し、側面センサの検知信号による誘導に切り換えられる。なお、車体フレームの前部と後部の両方にアプローチセンサがあるのは、特許文献1の無人搬送車は前部と後部、どちらを前進方向としても運用可能であるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の誘導方法では、無人搬送車がある程度パレットに進入した後、無人搬送車が左右の側面センサにより検出される距離がほぼ等しくなるように、無人搬送車の走行が制御される。しかしながら、
図11に示すように、左右の側面センサの中間点がパレットの中心線上にあれば、無人搬送車がパレットに対して傾斜している場合でも、左右の側面センサにより検出される距離は同一になる(D1=D2)。
【0008】
特許文献1において、側面センサの検知信号による誘導に切り換えられる場合、無人搬送車の左右側面に配置された2つの側面センサでは、パレット内において、無人搬送車の長手方向中心線がパレットの長手方向中心線に一致するように誘導するのは不可能である。そのため、無人搬送車には、最低でも4個の側面センサを取り付ける必要があり、コストが増大する問題がある。
【0009】
そこで本発明は、コストの増大を抑制しつつ、パレット内においてキャリアパレット車誘導を適正に行うことを可能とするキャリアパレット車及びキャリアパレット車の誘導方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明に係るキャリアパレット車は、貨物を載置する載置台と、載置台を支持する左右1対の脚部とを有するパレットの前記載置台下部へ進入するキャリアパレット車であって、前記キャリアパレット車が有する第1センサを用いて、左右何れか一方の脚部の表面にある第1所定点までの距離と前記第1センサが前記第1所定点を検出したときの角度を検出する第1検出手段と、前記キャリアパレット車が有する第2センサを用いて、前記一方の脚部の表面において前記第1所定点と異なる第2所定点までの距離を検出する第2検出手段と、前記第1検出手段により検出された距離と前記第1センサが前記第1所定点を検出したときの角度と前記第2検出手段により検出された距離に基づいて、前記キャリアパレット車と前記パレットの相対角度θSを算出する相対角度算出手段と、前記第2検出手段により検出された距離が所定範囲にあり且つ前記相対角度算出手段により算出された相対角度θSが所定の角度となるように、前記キャリアパレット車を位置調整する位置調整手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係るキャリアパレット車の誘導方法は、貨物を載置する載置台と、載置台を支持する左右1対の脚部とを有するパレットの前記載置台下部へキャリアパレット車を進入させるキャリアパレット車の誘導方法であって、前記キャリアパレット車が有する第1センサを用いて、左右何れか一方の脚部の表面にある第1所定点までの距離と前記第1センサが前記第1所定点を検出したときの角度を検出する第1検出ステップと、前記キャリアパレット車が有する第2センサを用いて、前記一方の脚部の表面において前記第1所定点と異なる第2所定点までの距離を検出する第2検出ステップと、前記第1検出ステップにより検出された距離と前記第1センサが前記第1所定点を検出したときの角度と前記第2検出ステップにより検出された距離に基づいて、前記キャリアパレット車と前記パレットの相対角度θSを算出する相対角度算出ステップと、前記第2検出ステップにより検出された距離が所定範囲にあり且つ前記相対角度算出ステップにより算出された相対角度θSが所定の角度となるように、前記キャリアパレット車を位置調整する位置調整ステップとを有することを特徴とする。
【0012】
これにより、本発明に係るキャリアパレット車及びキャリアパレット車の誘導方法では、キャリアパレット車が第1センサ及び第2センサの2つのセンサを有していれば、キャリアパレット車を無人運転化した場合でも、キャリアパレット車をパレット内において適正に誘導することが可能である。そのため、キャリアパレット車のコストを低減可能である。
【0013】
本発明に係るキャリアパレット車において、前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部に配置されており、前記第2センサは、前記キャリアパレット車の側面に配置されることを特徴とする。
【0014】
本発明に係るキャリアパレット車の誘導方法において、前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部に配置されており、前記第2センサは、前記キャリアパレット車の側面に配置されることを特徴とする。
【0015】
これにより、本発明に係るキャリアパレット車及びキャリアパレット車の誘導方法では、第2センサがキャリアパレット車の側面に配置されるため、柱部を検出する距離が短くなるため、第1センサよりも高精度に距離を検出可能である。
【0016】
本発明に係るキャリアパレット車において、前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部の端部に配置されることを特徴とする。
【0017】
本発明に係るキャリアパレット車の誘導方法において、前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部の端部に配置されることを特徴とする。
【0018】
これにより、本発明に係るキャリアパレット車及びキャリアパレット車の誘導方法では、キャリアパレット車の前部より後方にある柱部を検出する場合でも、車体に遮られるのを防止できるため、容易に柱部までの距離を検出可能である。
【0019】
本発明に係るキャリアパレット車において、前記第1センサまたは前記第2センサは、検出光を出射し、前記脚部からの反射光を受光することで前記脚部と前記第1センサまたは前記第2センサとの距離を測定することを特徴とする。
【0020】
本発明に係るキャリアパレット車の誘導方法において、前記第1センサまたは前記第2センサは、検出光を出射し、前記脚部からの反射光を受光することで前記脚部と前記第1センサまたは前記第2センサとの距離を測定することを特徴とする。
【0021】
これにより、本発明に係るキャリアパレット車及びキャリアパレット車の誘導方法では、第1センサまたは第2センサにより、パレットの脚部との距離を容易に測定することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、コストの増大を抑制しつつ、キャリアパレット車の誘導を適正に行うことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るキャリアパレット車の平面図及び側面図である。
【
図2】キャリアパレット車により搬送されるパレットの平面図及び側面図である。
【
図3】
図1のキャリアパレット車の制御ブロック図である。
【
図4】
図1のキャリアパレット車をパレット内に進入させる方法を説明する図である。
【
図5】
図1のキャリアパレット車をパレット内において誘導する方法を説明する図である。
【
図6】
図1のキャリアパレット車をパレット内に進入させた後、パレット内において誘導する方法を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第2実施形態に係るキャリアパレット車を説明する図である。
【
図8】
図7のキャリアパレット車をパレット内において誘導する方法を説明する図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係るキャリアパレット車をパレット内において誘導する方法を説明する図である。
【
図10】本発明のキャリアパレット車が進入するパレットの変形例を示す図である。
【
図11】従来技術の課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
(第1実施形態)
キャリアパレット車1は、
図1に示すように、車体2と、車体2に対して昇降可能に設けられた荷台3とを有している。
【0026】
キャリアパレット車1は、荷台3を下降させた状態で、パレット10の載置台11の下へ進入し、荷台3を上昇させて、パレット10を荷台3上に搭載し、その状態で載置台11に載置された貨物をパレット10ごと搬送する。その後、パレット10を所定の場所まで搬送すると、キャリアパレット車1は、荷台3を下降させて、パレット10を所定の場所に設置する。
【0027】
車体2は、左右一対の前側車輪5a及び左右一対の後側車輪5b(
図1では、車体2の左方を前部、右方を後部としている)の4つの車輪5を有している。4つの車輪5は、それぞれ、車体2に対する向きが変化することにより、車体2の進行方向を変更可能に設けられる。
【0028】
車体2の前部には、レーザ光を円弧状に走査(出射)して距離を検出するアプローチセンサ6(第1センサ)が設置され、左側の側面部には、レーザ光を出射してパレット10の脚部12の柱部12aとの距離(隙間)を検出する側面センサ8(第2センサ)が設置される。
【0029】
アプローチセンサ6は、車体2の前部の幅方向中央部より左側に配置される。アプローチセンサ6としては、レーザ光を出射する投光器と、その反射光を受ける受光器と、投光器および受光器を水平に円弧を描くように回動させるモータとを備えた光学スキャナ(例えばLiDARなど)が使用されている。
【0030】
側面センサ8としては、レーザ光を発射する投光器と、その反射光を受ける受光器とを備えた光学スキャナが使用されている。側面センサ8では、車体2の中心線に対して垂直な方向にレーザ光を出射する。
【0031】
パレット10は、
図2に示すように、貨物が載置される載置台11と、載置台11の下面の短辺方向両端において載置台11と一体に形成された脚部12とを有している。脚部12は、載置台11の両側にそれぞれ配置された5本の柱部12aを有している。
【0032】
アプローチセンサ6は、キャリアパレット車1がパレット10内に進入していない状態において、パレット10に向かって右左方向へ180度の範囲を一定の間隔(例えば、0.5度間隔)でレーザ光を出射して、パレット10の前部にある2つの柱部12aまでの距離を検出する。
【0033】
また、アプローチセンサ6は、キャリアパレット車1の前部がパレット10内に進入した後において、レーザ光を左右どちらかのパレット10の脚部12の内法面に向かって出射して、パレット10の柱部12aまでの距離を検出する。本実施形態では、左側の柱部12aを基準とする。
【0034】
側面センサ8は、キャリアパレット車1の前部がパレット10内に進入した後において、レーザ光をパレット10の脚部12の内法面に向かって出射して、パレット10の柱部12aまでの距離を検出する。側面センサ8は、車体2の中心線に対して垂直な方向にレーザ光を出射して、その方向にある柱部12aまでの距離を検出する。
【0035】
キャリアパレット車1の制御部30は、
図3に示すように、例えば、マイクロコンピュータなどで構成されており、CPUと、キャリアパレット車1の動作を制御するプログラムが格納されたROMと、上記プログラムを実行する際に用いられるデータ等が一時的に記憶されるRAMとを備えている。キャリアパレット車1の運転動作は、この制御部30によって制御される。なお、サーバ等、外部のシステムが制御部30の一部の機能、またはすべての機能を有してもよい。
【0036】
制御部30は、第1検出部31と、第2検出部32と、相対角度算出部33と、位置調整部34とを有している。位置調整部34は、第1位置調整部34aと、第2位置調整部34bとを有している。また、制御部30には、アプローチセンサ6と、側面センサ8と、4つの車輪5とが接続されている。なお、本実施形態では説明を簡略化するため、車輪5が制御部30に接続していることとしたが、本発明を実際にキャリアパレット車1へ適用する場合には、ハンドルのステアリングやアクセル、ブレーキ等、キャリアパレット車1の走行制御に必要な構成要素と接続する必要がある。
【0037】
第1検出部31は、キャリアパレット車1が有するアプローチセンサ6からレーザ光を出射し、パレット10の脚部12の柱部12aまでの距離と角度を検出する。
【0038】
第2検出部32は、キャリアパレット車1が有する側面センサ8からレーザ光を出射し、パレット10の脚部12の柱部12aまでの距離を検出する。
【0039】
相対角度算出部33は、第1検出部31により検出された距離および角度と第2検出部32により検出された距離に基づいて、キャリアパレット車1とパレット10の相対角度θS(キャリアパレット車1の中心線とパレット10の中心線との相対角度θS)を算出する。相対角度θSの算出方法については、後で説明する。
【0040】
第1位置調整部34aは、キャリアパレット車1の前部がパレット10内に進入してない状態において、キャリアパレット車1の中心線がパレット10の中心線と一致するように、4つの車輪5を制御して、キャリアパレット車1を位置調整する。第1位置調整部34aは、4つの車輪5をそれぞれが独立して制御する。
【0041】
第1位置調整部34aの制御方法について、
図4に基づいて説明する。
図4は、キャリアパレット車1がパレット10の前方に移動した状態を示している。
図4では、キャリアパレット車1の中心線Lとパレット10の中心線L
1とが一致しておらず、キャリアパレット車1は、パレット10に対して傾斜している。
図4では、パレット10の脚部12の5本の柱部12aの内法面を通過する直線が、柱部12aの内法線(パレット10の内法線)として図示されている。その内法線は、パレット10の中心線L
1と平行である。
【0042】
第1位置調整部34aは、第1検出部31により検出されたパレット10の前端にある柱部12aまでの距離に基づいて、パレット10の中心線L1を検出する。具体的には、第1位置調整部34aは、脚部12の柱部12aの内法の位置を演算で抽出し、求めた内法点の座標およびその中点座標から、パレット10の中心線L1を求める。
【0043】
また、キャリアパレット車1において、アプローチセンサ6の取り付け位置に基づいて、アプローチセンサ6から車体2の中心線Lまでの距離Tは、既知である。そのため、第1位置調整部34aは、車体2の中心線Lとパレット10の中心線L1との相対角度θ1が0となり、且つ、アプローチセンサ6とパレット10の中心線L1の距離がTとなるように、車体2を制御して、キャリアパレット車1をパレット10内へ進入させる。
【0044】
第2位置調整部34bは、キャリアパレット車1の前部がパレット10内に進入した後において、側面センサ8により検出される距離が所定範囲にあり、且つ、相対角度算出部33により算出された相対角度θSが0となるように、4つの車輪5を制御して、キャリアパレット車1を位置調整する。第2位置調整部34bは、4つの車輪5をそれぞれが独立して制御する。4つの車輪5を独立制御できない車両の場合は、車輪5を最適な角度に制御し、キャリアパレット車1の位置調整を行う。
【0045】
側面センサ8により検出される距離が所定範囲にあり、且つ、相対角度θSが0となる状態とは、キャリアパレット車1の前部がパレット10内に進入した後、車体2がパレット10の脚部12と接触しないで、キャリアパレット車1がパレット10内を進行方向に移動可能な状態である。そのため、車体2の左右幅と、パレット10の脚部12の柱部12a間の距離(柱部12aの内法線間の距離)との差をDとすると、所定範囲は、0とDとの間の範囲である。また、所定範囲は0~20cmの範囲内とすると、車体2の制御をスムーズに行うことが可能である。
【0046】
第2位置調整部34bの制御方法について、
図5に基づいて説明する。
図5は、キャリアパレット車1の前部がパレット10内に進入した状態を示している。
図5では、路面状態やアプローチセンサ6の測定誤差などにより、キャリアパレット車1の中心線とパレット10の中心線とが一致しておらず、キャリアパレット車1は、パレット10に対して傾斜している。
【0047】
キャリアパレット車1の前部がパレット10内に進入して、側面センサ8のレーザ光の出射方向にパレット10の脚部12の柱部12aが配置されると、側面センサ8がパレット10の柱部12a(点D)を検知可能になり、アプローチセンサ6により進行方向の前方にあるパレット10の柱部12a(点C)を検出する。点Cは、パレット10の内法線上にある。
【0048】
引き続き、側面センサ8によりキャリアパレット車1の側面近傍にあるパレット10の柱部12a(点D)を検出する。点Dは、パレット10の内法線上にある。
【0049】
図5において、アプローチセンサ6の中心の座標点を点(0,0)とすると、アプローチセンサ6の座標軸X、Yは、車体2の前面と車体2の側面とそれぞれ平行である。側面センサ8の座標点は点B(X
1,Y
1)とする。X
1,Y
1は、それぞれ既知である。
【0050】
アプローチセンサ6の検出値である直線ACの長さ及びレーザ光軸の角度θから、点Cの座標点(cX,cY)を算出し、側面センサ8の検出値である直線BDの長さから、点Dの座標点(dX, Y1)を算出する。
【0051】
点Cの座標点(cX,cY)と、点Dの座標点(dX, Y1)に基づいて、アプローチセンサ6の座標軸X、Yにおける直線CDの傾きと切片を演算する。
【0052】
直線CDの傾きと切片を演算することにより、パレット10の内法線を算出することができ、これを基に点Eの座標点(eX,0)を算出する。点Eは、パレット10の内法線上にある。
【0053】
よって、キャリアパレット車1の車体2とパレット10の相対角度θ
Sは、下記のように算出される。
【数1】
【0054】
なお、車体2の前部の左端部(点At)とパレット10の内法線との距離をA1とし、車体2の側面センサ8とパレット10の内法線との距離をA2とすると、A1=A2である場合、車体2の側面とパレット10の内法線とが平行となる。その場合、車体2の側面とパレット10の内法線は平行であり、相対角度θSは0である。なお、点Aと点Atと点Eは、車体2の中心線Lに対して垂直な直線上にあり、点Bと点Dは、車体2の中心線Lに対して垂直な直線上にある。
【0055】
本実施形態のキャリアパレット車1がパレット10の下に進入するときの手順について、
図6に基づいて説明する。
【0056】
(ステップS1)
まず、キャリアパレット車1がパレット10の前方に移動する。なお、キャリアパレット車1には、自律走行制御装置が別途搭載されており、パレット10の前方までの移動は、自律走行制御装置により行われる。また、自律走行させなくても、パレット10の前方までは運転手がキャリアパレット車1を運転してもよい。キャリアパレット車1は、パレット10の前方に移動すると、荷台を低くする。その状態において、キャリアパレット車1の中心線Lとパレット10の中心線L1とを一致させた後、キャリアパレット車1をパレット10の下に進入させる。
【0057】
(ステップS2)
キャリアパレット車1の前部がパレット20内に進入した後、側面センサ8のレーザ光出射方向にパレット10の柱部12a(点D)があるか否かを判定する。側面センサ8のレーザ光の出射方向にパレット10の柱部12a(点D)があると判定された場合、ステップS3に移行する。側面センサ8のレーザ光の出射方向にパレット10の柱部12a(点D)がないと判定された場合、ステップS1でのパレット10の下への進入およびステップS2を繰り返す。
【0058】
(ステップS3)
アプローチセンサ6により車体2の前部より進行方向の前方にあるパレット12の柱部12a(点C)までの距離を検出する。また、柱部12a(点C)を検出した際のレーザ光軸の角度θも検出する。
【0059】
(ステップS4)
側面センサ8と対向する位置にあるパレット10の柱部12a(点D)までの距離を検出する。
【0060】
(ステップS5)
ステップS3で検出された点Cまでの距離、点Cを検出した際のレーザ光軸の角度θ、及びステップS4で検出された点Dまでの距離に基づいて、点Cの座標点(cX,cY)及び点Dの座標点(dX,Y1)を算出する。
【0061】
(ステップS6)
車体2の側面とパレット10の内法線とが平行であるか否かを判定する。上述したように、
図5において、車体2の前部の左端部(点At(X
1,0))とパレット10の内法線との距離A
1と、車体2の側面センサ8とパレット10の内法線との距離A
2とが等しい場合、車体2の側面とパレット10の内法線とが平行となり、車体2の中心線Lとパレット10の中心線L
1との相対角度θ
Sは0となる。
【0062】
そのため、ステップS6において、
ACcosθ-X1=(直線BDの長さ)
であるか否かを判定する。なお、本実施形態のアプローチセンサ6の位置(点A)は(0,0)であり、点Atの座標は(X1,0)となる。よって、直線AEの長さからX1を引いた長さがA1の長さとなる。
【0063】
(ステップS7)
ステップS6において、車体2の側面とパレット10の内法線とが平行でないと判定された場合、直線CDの傾きと切片を演算する。
【0064】
(ステップS8)
ステップS7で演算した直線CDの傾きと切片に基づいて、点Eの座標点(eX,0)を算出する。
【0065】
(ステップS9)
点Eの座標点(e
X,0)と切片に基づいて、車体2の中心線Lとパレット10の中心線L
1との相対角度θ
Sを算出する。
【数1】
よって、アプローチセンサ6の座標を(0,0)とした場合のアプローチセンサ6と側面センサ8の検出結果から、車体2とパレット10の相対角度θ
Sが算出される。
【0066】
(ステップS10)
側面センサ8により検出される距離(直線BDの長さ)が所定範囲であり、且つ、相対角度θSが0となるように、即ち、車体2がパレット10内の略中央部を走行するように車体2を制御する。
【0067】
(ステップS11、S12)
ステップS6において、車体2の側面とパレット10の内法線とが平行であると判定された場合、相対角度θSは0であるため、車体2の進行方向が変化しないように、車体2を制御して、パレット10内においてキャリアパレット車1を誘導する。その後、ステップS2に移行する。
【0068】
本実施形態において、パレット10は5本の柱部12aを有しており、キャリアパレット車1の側面センサ8がパレット10内を移動して、側面センサ8のレーザ光出射方向に柱部12aが到達する度に、ステップS2~S12の処理が行われる。
【0069】
以上のように、本実施形態のキャリアパレット車1は、貨物を載置する載置台11と、載置台11を支持する左右1対の脚部12とを有するパレット10の載置台11の下部へ進入するキャリアパレット車1であって、キャリアパレット車1が有するアプローチセンサ6(第1センサ)を用いて、左側の脚部12の表面にある点C(第1所定点)までの距離とアプローチセンサ6(第1センサ)が点C(第1所定点)を検出したときの角度を検出する第1検出部31と、キャリアパレット車1が有する側面センサ8(第2センサ)を用いて、左側の脚部12の表面において点C(第1所定点)と異なる点D(第2所定点)までの距離を検出する第2検出部32と、第1検出部31により検出された距離とアプローチセンサ6(第1センサ)が点C(第1所定点)を検出したときの角度と第2検出部32により検出された距離に基づいて、キャリアパレット車1とパレット10との相対角度θSを算出する相対角度算出部33と、第2検出部32により検出された距離が所定範囲にあり且つ相対角度算出部33により算出された相対角度θSが0となるようにキャリアパレット車1を位置調整する位置調整部34(第2位置調整部34b)とを有する。
【0070】
本実施形態のキャリアパレット車の誘導方法は、貨物を載置する載置台11と、載置台11を支持する左右1対の脚部材12とを有するパレット10の載置台11の下部へキャリアパレット車1を進入させるキャリアパレット車の誘導方法であって、キャリアパレット車1が有するアプローチセンサ6(第1センサ)を用いて、左側の脚部12の表面にある点C(第1所定点)までの距離とアプローチセンサ6(第1センサ)が点C(第1所定点)を検出したときの角度を検出する第1検出ステップと、キャリアパレット車1が有する側面センサ8(第2センサ)を用いて、左側の脚部12の表面において点C(第1所定点)と異なる点D(第2所定点)までの距離を検出する第2検出ステップと、第1検出ステップにより検出された距離とアプローチセンサ6(第1センサ)が点C(第1所定点)を検出したときの角度と第2検出ステップにより検出された距離に基づいて、キャリアパレット車1とパレット10との相対角度θSを算出する相対角度算出ステップと、第2検出ステップにより検出された距離が所定範囲にあり且つ相対角度算出ステップにより算出された相対角度θSが0となるようにキャリアパレット車1を位置調整する位置調整ステップとを有する。
【0071】
これにより、本実施形態のキャリアパレット車1及びキャリアパレット車の誘導方法では、キャリアパレット車1がアプローチセンサ6及び側面センサ8の2つのセンサを有していれば、キャリアパレット車1を無人運転化した場合でも、キャリアパレット車1をパレット10内において適正に誘導することが可能である。そのため、キャリアパレット車1のコストを低減可能である。
【0072】
本実施形態のキャリアパレット車1において、アプローチセンサ6(第1センサ)は、キャリアパレット車1の前部に配置されており、側面センサ8(第2センサ)は、キャリアパレット車1の側面に配置される。
【0073】
本実施形態のキャリアパレット車の誘導方法において、アプローチセンサ6(第1センサ)は、キャリアパレット車1の前部に配置されており、側面センサ8(第2センサ)は、キャリアパレット車1の側面に配置される。
【0074】
これにより、本実施形態のキャリアパレット車1及びキャリアパレット車の誘導方法では、側面センサ8がキャリアパレット車1の側面に配置されるため、柱部12aを検出する距離が短くなるため、アプローチセンサ6よりも高精度に距離を検出可能である。
【0075】
本実施形態のキャリアパレット車1において、アプローチセンサ6及び側面センサ8は、検出光を出射し、脚部12からの反射光を受光することで脚部12とアプローチセンサ6または側面センサ8との距離を測定する。
【0076】
本実施形態のキャリアパレット車の誘導方法において、アプローチセンサ6及び側面センサ8は、検出光を出射し、脚部12からの反射光を受光することで脚部12とアプローチセンサ6または側面センサ8との距離を測定する。
【0077】
これにより、本実施形態のキャリアパレット車1及びキャリアパレット車の誘導方法では、アプローチセンサ6及び側面センサ8により、パレット2の脚部12との距離を容易に測定することができる。
【0078】
(第2実施形態)
本実施形態のキャリアパレット車101と第1実施形態のキャリアパレット車1とが異なる点は、第1実施形態のキャリアパレット車1は、車体2の前部の中央部より左側に配置されたアプローチセンサ6を有するのに対し、本実施形態のキャリアパレット車101は、車体2の前部の左端部に配置されたアプローチセンサ6を有する点である。なお、キャリアパレット車101の説明において、キャリアパレット車1と同様の内容については詳細説明を省略する。
【0079】
本実施形態のキャリアパレット車101において、アプローチセンサ6は、
図7に示すように、車体2の前部の左端部に配置される。そのため、第1実施形態と同様に、アプローチセンサ6により車体2の前部より進行方向の前方にあるパレットの柱部(点C)を検出する代わりに、
図8に示すように、アプローチセンサ6により車体2の前部より進行方向の後方にあるパレットの柱部(点F)を検出することにより、キャリアパレット車101とパレット10との相対角度θ
Sを算出することも可能である。
【0080】
本実施形態のキャリアパレット車101及びキャリアパレット車の誘導方法では、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0081】
本実施形態のキャリアパレット車101において、アプローチセンサ6(第1センサ)は、キャリアパレット車101の前部の端部に配置される。
【0082】
本実施形態のキャリアパレット車の誘導方法において、アプローチセンサ6(第1センサ)は、キャリアパレット車101の前部の端部に配置される。
【0083】
これにより、本実施形態のキャリアパレット車101及びキャリアパレット車の誘導方法では、キャリアパレット車101の前部より後方にある柱部12aを検出する場合でも、車体2に遮られるのを防止できるため、容易に柱部12aまでの距離を検出可能である。
【0084】
(第3実施形態)
本実施形態のキャリアパレット車201と第1実施形態のキャリアパレット車1とが異なる点は、第1実施形態のキャリアパレット車1は、1つのアプローチセンサ6及び1つの側面センサ8とを有するのに対し、本実施形態のキャリアパレット車201は、側面センサ8を有しないで、2つのアプローチセンサ6を有する点である。本実施形態のキャリアパレット車1は、上述した特許文献1の無人搬送車と同じく、前後方向どちらを前方としても走行可能となっている。なお、キャリアパレット車201の説明において、キャリアパレット車1と同様の内容については詳細説明を省略する。
【0085】
本実施形態のキャリアパレット車201において、2つのアプローチセンサ6は、
図9に示すように、車体2の前部の左側端部及び車体2の後部の左側端部にそれぞれ配置される。そのため、第1実施形態と同様に、車体2の前部に配置されたアプローチセンサ6により車体2の前部より進行方向の前方にあるパレットの柱部(点C)を検出するとともに、車体2の後部に配置されたアプローチセンサ6により車体2の前部より進行方向の後方にあるパレットの柱部(点G)を検出することにより、キャリアパレット車201とパレット10との相対角度θ
Sを算出することも可能である。
【0086】
本実施形態のキャリアパレット車101及びキャリアパレット車の誘導方法では、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0087】
なお、具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0088】
例えば、上記第1実施形態のキャリアパレット車1は、車体2の前部に配置された第1センサ(アプローチセンサ6)と、車体2の側面に配置された第2センサ(側面センサ)とを有しているが、第1センサ及び第2センサの種類、配置は、任意である。
【0089】
第1センサ及び第2センサは、レーザ光を出射するセンサに限られず、例えばLED光を出射するセンサでもよいし、光を使用するセンサでなく、超音波を使用するセンサでもよい。
【0090】
例えば、車体2の前部に配置された第1センサ(アプローチセンサ6)は、車体の前部の何れの位置に配置されてもよい。すなわち、左右何れか一方の脚部の表面にある第1所定点までの距離を検出する第1センサと、その一方の脚部の表面において第1所定点と異なる第2所定点までの距離を検出する第2センサとを有するキャリアパレット車であれば、本発明の効果が得られる。第2所定点は、第1所定点に対して、進入方向上流側に配置されてもよいし、進入方向下流側に配置されてもよい。
【0091】
上記第3実施形態において、2つのアプローチセンサ6は、車体2の前部の左側端部及び車体2の後部の左側端部にそれぞれ配置されるが、2つのアプローチセンサ6の配置は、任意である。2つのアプローチセンサ6の少なくとも一方は、車体2の前部または車体2の後部以外の位置に配置されてよい。また、2つのアプローチセンサ6の少なくとも一方は、車体2の左側端部以外の位置に配置されてよい。
【0092】
上記第1~第3実施形態では、アプローチセンサ6及び側面センサ8によりパレット10の左側の脚部12の柱部12aの表面にある点の位置を検出することにより、キャリアパレット車とパレットとの相対角度θSを算出したが、アプローチセンサ6及び側面センサ8によりパレット10の右側の脚部12の柱部12aの表面にある点の位置を検出することにより、キャリアパレット車とパレットとの相対角度θSを算出してよい。
【0093】
上記第1~第3実施形態では、車体2の側面とパレット10の内法線とが平行であると判定された場合、相対角度θ
Sは0であるため、車体2の進行方向が変化しないように車体2を誘導する場合を説明したが、車体2の側面とパレット10の内法線とが平行であると判定された場合において、パレット10に対して車体2を幅方向に移動させてよい。例えば、
図5において、相対角度θs=0、BD=0.5cmの場合、少しのズレで衝突する可能性があるため、一時的に相対角度θs≠0となってでも車体2を中心方向に移動させることが考えられる。
【0094】
上記第1~第3実施形態において、パレット10の脚部12は、H鋼である柱部12aを有しており、第1センサ及び第2センサによりH鋼である柱部12aが検出することにより車体2の位置調整が行われるが、
図10に示すように、パレット10の脚部12は、脚部12の側面に取り付けられた鋼板212を有しており、第1センサ及び第2センサにより脚部12の鋼板212を検出して車体2の位置調整が行われてよい。鋼板212は、脚部12の内法面に取り付けられてよい。その場合、第1実施形態のように、側面センサ8のレーザ光出射方向に柱部12aが到達する度にステップS2~S12の処理が行われる代わりに、キャリアパレット車1とパレット10内を移動しながら、側面センサ8のレーザ光出射方向にある鋼板212を検出して、常にステップS2~S12の処理が行われてよい。
【0095】
上記第1~第3実施形態において、パレット10の脚部12は、H鋼である柱部12aを有しているが、柱部12aの形状は、任意である。また、パレット10の脚部12の形状は任意であり、例えばラーメンまたはトラス構造に形成されてよい。
【0096】
上記第1~第3実施形態のキャリアパレット車は、前側車輪5a及び後側車輪5bを含む4つの車輪5を有しているが、キャリアパレット車の車輪の数及び配置は任意である。
【0097】
上記第1~第3実施形態では、距離を検出する第1センサ及び第2センサが、キャリアパレット車の車体2に配置されているが、例えば荷台などの車体2以外の部分に配置されてよい。
【符号の説明】
【0098】
1、101、201 キャリアパレット車
2 車体
3 荷台
5 車輪
6 アプローチセンサ(第1センサ)
8 側面センサ(第2センサ)
10 パレット
11 載置台
12 脚部
12a 柱部
31 第1検出部(第1検出手段)
32 第2検出部(第2検出手段)
33 相対角度算出部(相対角度算出手段)
34 位置調整部(位置調整手段)
34a 第1位置調整部(第1位置調整手段)
34b 第2位置調整部(第2位置調整手段)