(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030739
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】インクジェット塗布装置及びその清掃方法
(51)【国際特許分類】
B05C 11/10 20060101AFI20220210BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20220210BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20220210BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20220210BHJP
B41J 2/17 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
B05C11/10
B05C5/00 101
B05D1/26 Z
B05D3/00 A
B41J2/17 203
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020134938
(22)【出願日】2020-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大霜 征彦
(72)【発明者】
【氏名】浅井 一夫
【テーマコード(参考)】
2C056
4D075
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
2C056EA27
2C056JC13
4D075AC06
4D075AC84
4D075AC88
4D075BB65Z
4D075CA47
4D075DA04
4D075DA06
4D075DB13
4D075DB31
4D075EA05
4D075EA33
4F041AA02
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA13
4F041BA32
4F041BA60
4F042AA02
4F042BA06
4F042BA12
4F042CA01
4F042CA07
4F042CB03
4F042CB10
4F042CB11
4F042CB19
4F042CC04
4F042CC08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】廃液ラインに残留した塗布液が硬化して配管詰まりが生じるのを抑えることができるインクジェット塗布装置及びその清掃方法を提供する。
【解決手段】塗布液を吐出させるインクジェットヘッド4を有するインクジェット塗布装置であって、インクジェットヘッドに供給すべき塗布液が送液される供給ライン6と、排液すべき塗布液が送液される廃液ライン8とを備えており、さらに、廃液ラインを清掃する清掃ユニット9を有しており、この清掃ユニットにより廃液ラインに塗布液が滞留して硬化するのを抑制されるように構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液を吐出させるインクジェットヘッドを有するインクジェット塗布装置であって、
インクジェットヘッドに供給すべき塗布液が送液される供給ラインと、
排液すべき塗布液が送液される廃液ラインと、
を備えており、
さらに、前記廃液ラインを清掃する清掃ユニットを有しており、この清掃ユニットにより前記廃液ラインに塗布液が滞留して硬化するのを抑制されることを特徴とするインクジェット塗布装置。
【請求項2】
前記清掃ユニットは、廃液ライン毎に選択的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット塗布装置。
【請求項3】
前記清掃ユニットは、前記廃液ラインに洗浄液を供給する洗浄液ラインと、前記廃液ラインにエアを供給するエアラインとを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット塗布装置。
【請求項4】
前記清掃ユニットは、前記廃液ラインに接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット塗布装置。
【請求項5】
前記廃液ラインには、前記清掃ユニットを接続するための接続口が設けられており、前記接続口に前記洗浄液ライン、前記エアラインが取り外し可能に接続されていることを特徴とする請求項1~4に記載のインクジェット塗布装置。
【請求項6】
前記エアライン及び前記洗浄液ラインは、それぞれ供給ラインで使用される供給ライン用エアライン及び供給ライン用洗浄液ラインから分岐されて設けられていることを特徴とする請求項1~5に記載のインクジェット塗布装置。
【請求項7】
前記清掃ユニットは、エアラインのみで形成されていることを特徴とする請求項1、2、4~6のいずれかに記載のインクジェット塗布装置。
【請求項8】
基材上に液滴状の塗布液を吐出する塗布動作を行うインクジェットヘッドを備えるインクジェット塗布装置の清掃方法であって、
前記インクジェットヘッドに塗布液を供給する供給ラインと、
排液すべき塗布液を送液する廃液ラインと、
前記廃液ラインを清掃する清掃ユニットと、
を有しており、
前記インクジェットヘッドの塗布動作中に前記清掃ユニットにより前記廃液ラインの清掃が行われることを特徴とするインクジェット塗布装置の清掃方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不要になった塗布液が排出される廃液ラインに、残留した塗布液が滞留して硬化するのを抑えることができるインクジェット塗布装置及びその清掃方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガラスやフィルム等の基材上にインクジェット塗布装置により塗布液を液滴状に吐出し、線分、矩形状等、様々な形状の塗布膜(膜パターンともいう)が形成されている。インクジェット塗布装置は、塗布液が貯留される塗布液タンク100と、インクを吐出する複数のノズルを備えたインクジェットヘッド101と、塗布液タンク100から供給された塗布液を一時的に保留しつつ、ノズル内の圧力を調整するサブタンク102とを備えており、それぞれが供給ライン103(チューブ等の配管部材)によって接続されている。
図3の例では、塗布液タンク100から気泡除去タンク104、フィルタユニット105、サブタンク102、及び、インクジェットヘッド101が供給ライン103で接続されている。これにより、塗布液タンク100から供給された塗布液は、気泡除去タンク104、フィルタユニット105により、気泡、異物が除去され、サブタンク102に供給される。そして、サブタンク102で塗布液の圧力が負圧に調節されることにより、インクジェットヘッド101内に塗布液が保持され、インクジェットヘッド101内がピエゾ駆動等で瞬間的に加圧されることによりノズルから塗布液が液滴状に吐出されるようになっている。
【0003】
また、インクジェット塗布装置は、廃液ライン106が設けられており、この廃液ライン106を通じて、気泡等が混入した塗布液を強制的に排出し塗布液内の気泡が除去されるようになっている。すなわち、インクジェット塗布装置では、ブリード処理、フラッシング処理を行うことにより強制的に塗布液が排出される。具体的には、ブリード処理によりノズルから一定量の塗布液を廃液トレイ107に吐出させることにより気泡が除去される。なお、供給ライン103内の気泡は、気泡除去タンク104、フィルタユニット105、サブタンク102に接続された廃液ライン106を通じて除去されるようになっている。また、フラッシング処理では、ノズルから液滴状の塗布液を継続して廃液トレイ107に吐出させることにより、ノズルの先端が大気に曝されることにより乾燥によるノズル詰まりが発生するのを抑えることができるようになっている。これにより、インクジェット塗布装置を長期に亘って安定して稼働させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年におけるインクジェット塗布装置の塗布液は、長期間放置されたり、熱の影響を受けることにより硬化する。そのため、供給ライン103では、塗布動作、フラッシング処理が行われることにより塗布液の流動を伴うため塗布液が長期間放置されることはなく硬化することはないが、廃液ライン106の塗布液は、長時間、流動しないことが多く、滞留する箇所で硬化することにより配管詰まりを発生してしまう。廃液ライン106に詰まりが生じると、塗布液を強制的に排出させることができず、供給ライン103において塗布液の送液が安定せず、インクジェット塗布装置を安定して稼働させることができないという問題があった。
【0006】
また、廃液ライン106に配管詰まりが生じると、廃液ライン106を交換するなどの作業が必要になり、インクジェット塗布装置の復帰に長時間要するという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、廃液ラインに残留した塗布液が硬化して配管詰まりが生じるのを抑えることができるインクジェット塗布装置及びその清掃方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のインクジェット塗布装置は、塗布液を吐出させるインクジェットヘッドを有するインクジェット塗布装置であって、インクジェットヘッドに供給すべき塗布液が送液される供給ラインと、排液すべき塗布液が送液される廃液ラインと、を備えており、さらに、前記廃液ラインを清掃する清掃ユニットを有しており、この清掃ユニットにより前記廃液ラインに塗布液が滞留して硬化するのを抑制されることを特徴としている。
【0009】
上記インクジェット塗布装置によれば、廃液ラインに清掃ユニットが設けられているため、廃液ラインに塗布液が滞留した場合でも清掃ユニットが清掃することにより廃液ラインに長時間、塗布液が流動しない状態を回避することができる。したがって、廃液ラインに塗布液が滞留して硬化することを抑えることができるため、塗布液が滞留することに起因して廃液ラインが詰まる問題を回避してインクジェット塗布装置を長期に亘って安定して稼働させることができる。
【0010】
また、前記清掃ユニットは、廃液ライン毎に選択的に設けられている構成にしてもよい。
【0011】
上記構成によれば、排液の頻度が大きい廃液ラインのみ、又は、排液の頻度の小さい廃液ラインのみ、又は、すべての廃液ラインに清掃ユニットを選択的に設ける構成にすることにより、清掃ユニットのコストを抑えることができる。また、選択的に設けることにより、塗布液が滞留し詰まりの発生しやすい廃液ラインの清掃ユニットのみを作動させる等、効率よく清掃ユニットを稼働させることができる。
【0012】
また、前記清掃ユニットは、前記廃液ラインに洗浄液を供給する洗浄液ラインと、前記廃液ラインにエアを供給するエアラインとを有している構成にしてもよい。
【0013】
上記構成によれば、清掃ユニットの洗浄液ラインにより廃液ラインに滞留した塗布液を洗浄し、廃液ラインから引き剥がすことができる。また、エアラインより滞留した塗布液を風圧で押し流すことができるとともに、洗浄液で洗浄した配管ライン内をエアにより乾燥させて、廃液ラインの清掃処理を早期に完了させることができる。
【0014】
また、前記清掃ユニットは、前記廃液ラインに接続されている構成にしてもよい。
【0015】
上記構成によれば、清掃ユニットが直接廃液ラインに接続されているため、清掃処理時のつなぎ替え等の作業を省くことができる。
【0016】
また、前記廃液ラインには、前記清掃ユニットを接続するための接続口が設けられており、前記接続口に前記洗浄液ライン、前記エアラインが接続されるように形成されている構成にしてもよい。
【0017】
上記構成によれば、廃液ラインを清掃するのに必要なタイミングで洗浄液ライン、エアラインを接続することができ、インクジェット塗布装置が配置される建屋に設けられた既存のエア供給源、洗浄液供給源を利用することができる。
【0018】
具体的な様態としては、例えば、前記エアライン及び前記洗浄液ラインは、それぞれ供給ラインで使用される供給ライン用エアライン及び供給ライン用洗浄液ラインから分岐されて設けられている構成にすることにより、エアライン、洗浄液ラインを新たに新設する必要がなく、低コストでエアライン、洗浄液ラインを設けることができる。
【0019】
また、前記清掃ユニットは、エアラインのみで形成されている構成にしてもよい。
【0020】
この構成によれば、エアのみで清掃が行われるため、洗浄液等を用いる場合に比べて、配管内に清掃処理による溶剤が残留することがなく、清掃処理後のインクジェット塗布装置の復帰を容易にすることができる。また、洗浄液を廃棄するための処理が不要になるため、洗浄液が含まれる塗布液を廃棄するためのコストを抑えることができる。
【0021】
また、上記課題を解決するために本発明のインクジェット塗布装置の清掃方法は、基材上に液滴状の塗布液を吐出する塗布動作を行うインクジェットヘッドを備えるインクジェット塗布装置の清掃方法であって、前記インクジェットヘッドに塗布液を供給する供給ラインと、排液すべき塗布液を送液する廃液ラインと、前記廃液ラインを清掃する清掃ユニットと、を有しており、前記インクジェットヘッドの塗布動作中に前記清掃ユニットにより前記廃液ラインの清掃が行われることを特徴としている。
【0022】
上記インクジェット塗布装置の清掃方法によれば、塗布動作中であっても清掃ユニットにより廃液ラインを清掃することができる。したがって、塗布動作に影響を受けることなく、廃液ラインに残留する塗布液が硬化する前に適宜清掃を行うことができ、塗布液が滞留することに起因して廃液ラインが詰まる問題を回避することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、インクジェット塗布装置における廃液ラインに残留した塗布液が硬化して配管詰まりが生じるのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明のインクジェット塗布装置の一実施形態における流路を示す構成図である。
【
図2】上記インクジェット塗布装置の動作を示すフローチャートである。
【
図3】従来のインクジェと塗布装置の流路を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のインクジェット塗布装置に係る実施の形態について図面を用いて説明する。
【0026】
図1は、インクジェット塗布装置の一実施形態における流路を示す構成図である。
【0027】
インクジェット塗布装置は、
図1に示すように、塗布液を貯留する塗布液タンク1と、塗布液中の気泡を除去する気泡除去タンク2と、塗布液中の異物を取り除くフィルタユニット3と、基材に対して液滴を吐出するインクジェットヘッド4と、インクジェットヘッド4の圧力を調節するサブタンク5とを備えており、これらが供給ライン6(チューブ等の配管部材)で連結されている。そして、塗布液タンク1の塗布液は、塗布液タンク1が加圧されることにより供給ライン6を通じて気泡除去タンク2、フィルタユニット3、及び、サブタンク5の順に送液され、インクジェットヘッド4から液滴状の塗布液が吐出されるようになっている。
【0028】
なお、本実施形態の供給ライン6は、樹脂製のチューブを用いているが、金属製の配管でもよく、流路を形成するものであれば、特に限定しない。
【0029】
塗布液タンク1は、インクジェットヘッド4から基材に吐出するための塗布液を貯留するためのものである。塗布液タンク1には、生産に必要となる量の塗布液が貯留されており、供給ライン6を通じてインクジェットヘッド4に塗布液が送液される。すなわち、塗布液タンク1は、サブタンク5を介して供給ライン6によって連結されており、塗布液タンク1が加圧されることにより供給ライン6を通じてサブタンク5に塗布液が送液されるようになっている。
【0030】
気泡除去タンク2は、塗布液内の気泡を除去するためのものである。この気泡除去タンク2は、塗布液内の異物を除去する異物除去部である。具体的には、気泡除去タンク2は、収容容器として形成されており、上方が大気開放されている。底面部21は、供給ライン6が接続されており、塗布液タンク1から送液された塗布液は供給ライン6を通じて気泡除去タンク2に収容されるようになっている。そして、気泡除去タンク2に塗布液が収容されると、塗布液内に存在している気泡が、時間の経過とともに気泡が比重により上昇する。すなわち、収容された塗布液は、上方部分に気泡が集まり、下方部分に気泡のない状態が形成される。一方、底面部21には、フィルタユニット3に接続される供給ライン6が接続されている。したがって、この供給ライン6を通じて気泡除去タンク2から塗布液が送液されることにより、下方部分の塗布液が送液されることにより、気泡が除去された塗布液がフィルタユニット3に送液される。
【0031】
フィルタユニット3は、塗布液内の異物を除去するためのものである。このフィルタユニット3は、気泡除去タンク2と同様、異物除去部である。具体的には、フィルタユニット3は、収容容器として形成されており、その内部に異物を除去するフィルタ(不図示)が設けられている。そして、フィルタユニット3の底面部31に供給ライン6が接続されており、気泡除去タンク2から供給ライン6を通じて塗布液が供給されると、塗布液がフィルタを通過することにより異物が除去されるようになっている。また、フィルタユニット3には、サブタンク5と連結される供給ライン6(下流側)が接続されており、フィルタを通過した塗布液がこの供給ライン6を通じてサブタンク5に送液されるようになっている。
【0032】
サブタンク5は、インクジェットヘッド4に供給される塗布液の圧力を調節するためのものである。本実施形態では、サブタンク5に所定量の塗布液が貯留されており、サブタンク5内の圧力が調節されることによりインクジェットヘッド4の塗布液の圧力が調節される。このサブタンク5により、ノズルの先端にメニスカスが形成された状態でノズル内に塗布液を保持することができるようになっている。
【0033】
インクジェットヘッド4は、塗布液を液滴状に吐出し、基材上に塗布膜を形成するためのものである。インクジェットヘッド4は、複数のノズルを有するヘッドモジュールを備えており、この複数のノズルから液滴状の塗布液が吐出される。すなわち、ヘッドモジュールは、インクが収容できるように形成されており、ヘッドモジュールは、供給ライン6を通じてサブタンク5と連結されている。そして、サブタンク5により塗布液の圧力が大気圧以下に調節されることにより、ヘッドモジュール内の塗布液が吸引力を受け、ノズル内に塗布液が保持される。すなわち、ヘッドモジュール内の塗布液は、ノズルの先端部分にメニスカスが形成された状態で保持される。この状態でヘッドモジュールに駆動電圧が印加されると、ヘッドモジュール内が一瞬収縮することによりメニスカスが破壊され、ノズルから液滴状の塗布液が吐出されるようになっている。
【0034】
また、インクジェット塗布装置には、廃液トレイ71が設けられている。廃液トレイ71は、インクジェットヘッド4から吐出された塗布液を一時的に受けるためのものである。すなわち、インクジェットヘッド4は、基材に塗布する塗布動作を一時的に停止する間、ノズル内で保持されている塗布液が固化してノズル詰まりを生じるのを回避するため、フラッシング動作を行い、一定時間、液滴状の塗布液を吐出する。廃液トレイ71は、吐出される塗布液を一時的に収容する。廃液トレイ71は、上部に開口した箱形状を有しており、すべてのインクジェットヘッド4を覆うことができる大きさに形成されている。したがって、フラッシング動作の際、すべてのインクジェットヘッド4のノズルから吐出された液滴を受けることができる。また、底面部には、後述の廃液ライン8が接続されており、廃液ライン8により廃液タンク72に接続されている。すなわち、廃液トレイ71に吐出された塗布液は、廃液ライン8を通じて廃液タンク72に排出されるようになっている。
【0035】
また、インクジェット塗布装置には、廃液ライン8が設けられている。廃液ライン8は、廃棄すべき塗布液、再利用可能な塗布液等、現在進行中の生産に不要な塗布液を送液するためのものである。この廃液ライン8は、塗布レシピの切替時、所定枚数の基材への塗布が完了したタイミング、塗布液の入れ替えのタイミングに各処理ユニットから塗布液を排出する場合に使用される。なお、廃液ライン8は、本実施形態では、樹脂製のチューブを用いているが、金属製の配管でもよく、流路を形成するものであれば、特に限定しない。
【0036】
廃液ライン8は、排液が必要になる各処理ユニット毎に設けられている。本実施形態では、サブタンク5、インクジェットヘッド4、気泡除去タンク2、フィルタユニット3、廃液トレイ71、ベントタンク73に接続して設けられており、特に、サブタンク5に設けられる廃液ライン8は、サブタンク廃液ライン85、インクジェットヘッド4に設けられる廃液ライン8は、ヘッド廃液ライン84、気泡除去タンク2及びフィルタユニット3に設けられる廃液ライン8は、異物除去部廃液ライン82、廃液トレイ71に設けられる廃液ライン8は、廃液トレイ廃液ライン87、ベントタンク73に設けられる廃液ライン8は、ベントタンク廃液ライン83と呼ぶこととする。なお、これらを区別する必要がない場合は、単に廃液ライン8と呼ぶことにする。
【0037】
ヘッド廃液ライン84は、インクジェットヘッド4に残留する気泡が混入した塗布液を排出するためのものである。ヘッド廃液ライン84は、バルブV1を有しており、バルブV1が開状態で供給ライン6から塗布液が送液されることにより、インクジェットヘッド4に残留する気泡が塗布液とともにヘッド廃液ライン84を通じて排出される。ヘッド廃液ライン84は、ベントタンク73と接続されており、排出された気泡が混入した塗布液はベントタンク73に送液され貯留される。このベントタンク73は、気泡が混入した塗布液を一時的に貯留するためのものである。なお、通常の塗布動作の際には、バルブV1は閉状態になっており、ヘッド廃液ライン84に塗布液が送液されないようになっている。
【0038】
また、サブタンク廃液ライン85は、サブタンク5に残留する気泡が混入した塗布液を排出するためのものである。サブタンク廃液ライン85は、バルブV2が設けられており、上述のヘッド廃液ライン84と同様に、バルブV2が開状態で供給ライン6から塗布液が送液されることにより、サブタンク5に残留する気泡が塗布液とともにサブタンク廃液ライン85を通じて排出される。サブタンク廃液ライン85は、ベントタンク73と接続されており、排出された気泡が混入した塗布液はベントタンク73に送液され貯留される。なお、通常の塗布動作の際には、バルブV2は閉状態になっており、ヘッド廃液ライン84に塗布液が送液されないようになっている。
【0039】
また、ベントタンク廃液ライン83は、ベントタンク73に貯留された塗布液を排出するためのものである。ベントタンク廃液ライン83は、バルブV3が設けられており、バルブV3が開状態にすることにより、ベントタンク廃液ライン83を通じて排液される。
ベントタンク73が加圧されることによりベントタンク73内に貯留された塗布液がベントタンク廃液ライン83を通じて排出される。ベントタンク廃液ライン83は、廃液タンク72と接続されており、排出された塗布液は、最終的に廃液タンク72に貯留される。なお、バルブV3は、通常は閉状態になっており、塗布液を排出する場合のみ、開状態なるように設定されている。
【0040】
また、廃液トレイ廃液ライン87は、廃液トレイ71に貯留された塗布液を排出するためのものである。廃液トレイ廃液ライン87は、バルブV4が設けられており、バルブV4が開状態でブリード、フラッシングにより廃液トレイ71に吐出された塗布液が廃液トレイ廃液ライン87を通じて排出される。廃液トレイ廃液ライン87は、廃液タンク72と接続されており、排出された塗布液は、最終的に廃液タンク72に貯留される。
【0041】
また、異物除去部廃液ライン82は、気泡除去タンク2、フィルタユニット3に貯留された塗布液を排出するためのものである。異物除去部廃液ライン82は、バルブV5、V6が設けられており、バルブV5、V6が開状態で気泡除去タンク2、フィルタユニット3が加圧されることにより、それぞれに貯留された塗布液が排出される。
【0042】
また、インクジェット塗布装置には、清掃ユニット9が設けられており、廃液ライン8を清掃できるようになっている。本実施形態では、清掃ユニット9が廃液ライン8毎に設けられており、それぞれの清掃ユニット9が独立して作動できるようになっている。すなわち、ヘッド廃液ライン84、サブタンク廃液ライン85、ベントタンク廃液ライン83、廃液トレイ廃液ライン87、異物除去部廃液ライン82には、それぞれ清掃ユニット9が設けられており、それぞれの清掃ユニット9が独立して作動するようになっている。
【0043】
清掃ユニット9は、本実施形態では、洗浄液ライン91とエアライン92を有している。清掃ユニット9は、洗浄液ライン91、及び、エアライン92が必ず必要というわけではなく、状況に応じてエアライン92のみで形成されていてもよい。例えば、洗浄液が残留することを避けたい場合や、使用した洗浄液の後処理が困難な場合には、清掃ユニット9はエアライン92のみを有する構成であってもよい。
【0044】
洗浄液ライン91は、洗浄液を送液するためのものであり、洗浄液ライン91により、廃液ライン8に洗浄液が供給される。洗浄液ライン91は、樹脂製のチューブを用いているが、金属製の配管でもよく、流路を形成するものであれば、特に限定しない。本実施形態の洗浄液は、塗布動作に使用する塗布液の溶媒が用いられている。そのため、廃液ライン8に供給されると、洗浄液により廃液ライン8に残留する塗布液が溶解、又は、軟化されることにより、廃液ライン8を流動しやすくなる。したがって、洗浄液ライン91から廃液ライン8に洗浄液を供給することにより、廃液ライン8を清掃され、廃液ライン8の詰まりを抑えることができる。
【0045】
また、エアライン92は、エアを供給するためのものであり、エアライン92により、廃液ライン8にエアが供給される。エアライン92も洗浄液ライン91と同様に、樹脂製のチューブを用いているが、金属製の配管でもよく、流路を形成するものであれば、特に限定しない。本実施形態では、エアとしてN2ガスが使用されており、このN2ガスが供給されることにより、廃液ライン8内に滞留した塗布液が吹き飛ばされる、あるいは、圧力で押し流される。これにより、廃液ライン8内が清掃され、廃液ライン8の詰まりを抑えることができる。また、エアライン92は、廃液ライン8内を乾燥させることにも使用することができる。すなわち、洗浄液ライン91から洗浄液が供給されることにより廃液ライン8内が清掃された後、エアライン92によりエアが供給されることにより、洗浄液による清掃後の廃液ライン8内に滞留する塗布液を押し流すとともに、エアの流れにより廃液ライン8内に残留する洗浄液を乾燥させることができる。なお、本実施形態では、N2ガスが使用されているが、他の不活性ガスであってもよく、塗布液と反応しないガスであれば特に限定しない。
【0046】
清掃ユニット9は、本実施形態では、ヘッド廃液ライン84、サブタンク廃液ライン85、ベントタンク廃液ライン83、廃液タンク72廃液ライン8に直接接続されて設けられている。具体的には、それぞれの廃液ライン8には、バルブV1~V4の下流側に接続されて設けられている。接続位置は、可能な限りバルブV1~V4の直下が好ましい。すなわち、バルブV1~V4直下に位置させることで、廃液ライン8全体で清掃されない領域を可能な限り少なくすることができる。
【0047】
また、清掃ユニット9は、各廃液ライン8毎に独立して作動させることができる。すなわち、清掃ユニット9は、ヘッド廃液ライン84のみ、サブタンク廃液ライン85のみ、ベントタンク廃液ライン83のみ、廃液トレイ廃液ライン87のみ、選択的に作動させることができ、例えば、これら廃液ライン8の汚れが激しい特定の廃液ライン8の清掃ユニット9のみを選択的に作動させ、清掃することができる。そして、例えば、ヘッド廃液ライン84のみを清掃する場合には、バルブV1を閉状態にして洗浄液ライン91から洗浄液を送液した後、エアライン92からN2ガスを送ることにより、ヘッド廃液ライン84のみが清掃される。
【0048】
また、バルブV1~V4を閉状態で清掃できることにより、塗布動作中に清掃することができる。これにより、清掃ユニット9による清掃処理は、塗布動作を停止した状態に限らず行うことができ、例えば、生産する基材のロット毎に行う場合、所定時間経過毎に行う場合など、塗布動作状態に影響されることなく清掃処理を行うことができる。
【0049】
また、本実施形態では、清掃ユニット9の洗浄液ライン91、エアライン92は、洗浄液ライン91が下流側、エアライン92が上流側に設けられている。これにより、洗浄液ライン91からの洗浄液で洗浄された領域に必ずエアライン92からのエアが供給されるため、清掃処理後に洗浄液が残留する問題を回避することができる。
【0050】
また、異物除去部廃液ライン82には、エアライン92のみの清掃ユニット9が設けられており、気泡除去タンク2、フィルタユニット3を介して設けられている。具体的には、バルブV5、V6を開状態でエアライン92からN2ガスを供給することにより、気泡除去タンク2、フィルタユニット3内の塗布液が異物除去部廃液ライン82を通じて排出される。なお、本実施形態では、異物除去部廃液ライン82に直接、清掃ユニット9が設けられていないが、異物除去部廃液ライン82に直接、清掃ユニット9(洗浄液ライン91、エアライン92含む)を設けてもよい。
【0051】
一方、供給ライン6には、供給ライン用エアライン61と供給ライン用洗浄液ライン62が設けられており、これら供給ライン用エアライン61及び供給ライン用洗浄液ライン62により、供給ライン6及び各処理ユニットが清掃される。すなわち、次の塗布膜の形成に使用される塗布液の種類が異なる場合や、インクジェット塗布装置を完全に停止し長期間使用しない場合には、供給ライン6、各処理ユニットが清掃される。具体的には、供給ライン用洗浄液ライン62と供給ライン用エアライン61は、供給ライン6に接続可能に構成されており、バルブで切り替えて選択的に使用できるようになっている。
図1の例では、供給ライン6に接続口63が設けられており、その接続口63に供給ライン用洗浄液ライン62と供給ライン用エアライン61との共通ライン64が接続可能に構成されている。そして、供給ライン6が接続された状態でバルブを切り替えることにより、供給用洗浄液ライン91又は供給用エアライン92が使用できるようになっている。そして、供給用洗浄液ライン91から洗浄液を供給することにより、各処理ユニット及び供給ライン6に残留する塗布液が溶解、又は、軟化される。その後、供給ライン用エアライン61からエア(本実施形態ではN2)が供給されることにより、洗浄液で溶解、又は、軟化された残留塗布液が圧力により押し流され、さらに継続してエアが供給されることにより各処理ユニット及び供給ライン6が乾燥される。これにより、各処理ユニット、供給ライン6が清掃される。
【0052】
なお、この供給ライン用エアライン61と供給ライン用洗浄液ライン62は、洗浄液が塗布液に混入すると製品に影響するため、インクジェット塗布装置を完全停止する場合に使用することができる。
【0053】
次に、インクジェット塗布装置の動作について
図2のフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態では、塗布膜が形成された基材がN枚に達すると(1ロットの基材が処理されると)廃液ライン8の清掃処理が行われる場合について説明する。
【0054】
まず、ステップS1により塗布準備工程が行われる。すなわち、塗布液タンク1から供給ライン6を通じて塗布液を送液し、各送液ライン、各処理ユニットに塗布液を充填させる。具体的には、塗布液を送液することにより、各送液ライン、各処理ユニットに残留するエアを押し出すことにより、エアが混入した塗布液を廃液ライン8を通じて排出する。すなわち、サブタンク5に存在するエアは、バルブV2を開にした状態で塗布液を送液することによりサブタンク廃液ライン85を通じて排出され、エアベントタンク73に収容される。また、インクジェットヘッド4に存在するエアは、エアベント処理により、バルブV1を開にした状態で塗布液が供給されることにより、気泡が混入した塗布液がヘッド廃液ライン84を通じて排出される。このようにして、各送液ライン、各処理ユニットに塗布液が充填されると、ステージ上に基材が供給され、ステージ上で位置決めされる。
【0055】
次に、ステップS2により塗布動作が行われる。すなわち、インクジェットヘッド4が基材上を操作しつつ、ノズルから液滴状の塗布液が吐出されることにより、基材上の所定位置に塗布膜が形成される。
【0056】
次に、ステップS3により、所定枚数の基材を生産完了したか、又は、種類の異なる塗布液に交換するか否かの確認が行われ、所定枚数の基材を生産していない場合、又は、塗布液の交換が必要ない場合は、NOの方向に進み、ステップS2の塗布動作が継続して行われる。
【0057】
ここで、ステップS1において、エアベント処理等で廃液ライン8に排出された塗布液が廃液ライン8、ベントタンク73に滞留されており、ステップS3における生産完了、又は、塗布液交換時期まで放置されると、塗布液の種類によっては、時間経過により滞留した塗布液が固化してしまい、配管詰まりが生じる虞がある。そのため、ステップS3の条件が満たされる前、塗布動作中であっても、N枚の基材に対する塗布処理が完了したタイミングで廃液ライン8の清掃が行われる。具体的には、ステップS11~S15の処理が行われる。
【0058】
まず、ステップS11により、所定枚数の基材が処理されたか否かが確認される。本実施形態では、N枚の基材が処理されたか否かが確認され、処理されていなければ、NOの方向に進み、N枚の基材が処理されるまで継続してステップS11が処理される。一方、N枚の基材が処理された場合は、YESの方向に進み、ステップS12により、ヘッド廃液ライン84の清掃が行われる。すなわち、ヘッド廃液ライン84に設けられた清掃ユニット9が作動し、ヘッド廃液ライン84を清掃する。具体的には、バルブV3が閉状態のままで、洗浄液ライン91から洗浄液が供給される。供給された洗浄液は、ヘッド廃液ライン84内を流動することにより、ヘッド廃液ライン84内に付着した塗布液と混ざり合い、溶解又は軟化しつつ、塗布液と共に流動する。そして、塗布液と混ざり合った塗布液は、ベントタンク73に送液され、ベントタンク73に貯留される。次に、エアライン92からN2ガスが供給される。供給されたN2ガスがヘッド廃液ライン84を流れることにより、ヘッド廃液ライン84に残留する洗浄液をベントタンク73に押し流すとともに、ヘッド廃液ライン84を乾燥させる。これにより、ヘッド廃液ライン84内が清掃され、ヘッド廃液ライン84内で塗布液が固化して配管詰まりを発生させるのを回避することができる。
【0059】
次に、ステップS13により、サブタンク廃液ライン85の清掃が行われる。具体的には、上述のヘッド廃液ライン84の清掃と同様に、洗浄液ライン91、エアライン92により、サブタンク廃液ライン85内が洗浄され清掃される。なお、サブタンク廃液ライン85に残留する塗布液は、ヘッド廃液ライン84と同様、ベントタンク73に送液され貯留される。
【0060】
次に、ステップS14により、ベントタンク廃液ライン83の清掃が行われる。具体的には、バルブV4を閉じた状態で、上述したヘッド廃液ライン84と同様に、洗浄液ライン91、エアライン92により、ベントタンク廃液ライン83内が洗浄され清掃される。なお、ベントタンク廃液ライン83に残留する塗布液は、廃液タンク72に送液され貯留される。
【0061】
次に、ステップS15により、廃液トレイ廃液ライン87の清掃が行われる。具体的には、上述のヘッド廃液ライン84の清掃と同様に、洗浄液ライン91、エアライン92により、廃液トレイ廃液ライン87内が洗浄され清掃される。なお、廃液トレイ廃液ライン87に残留する塗布液は、廃液タンク72に送液され貯留される。このようにして、ヘッド廃液ライン84、サブタンク廃液ライン85、ベントタンク廃液ライン83、廃液トレイ廃液ライン87は、それぞれ独立して清掃ユニット9が作動し、清掃処理を行うことができるようになっており、それぞれの廃液ライン8内で塗布液が固化して配管詰まりを発生させるのを回避することができるようになっている。
【0062】
次に、ステップS3において、所定枚数の生産が完了した場合、又は、塗布液の交換が必要な場合は、YESの方向に進み、ステップS4の異物除去部の廃液ライン8清掃が行われる。この場合、一ロット生産が完了したことによりインクジェット塗布装置が停止され、次のロットの生産を行うために、インクジェット塗布装置全体が清掃され、リセットされる。具体的には、気泡除去タンク2、フィルタユニット3にエアライン92からエアが供給されることにより気泡除去タンク2、フィルタユニット3に収容された塗布液が押し流され、異物除去部廃液ライン82を通じて、塗布液が廃液タンク74に送液され貯留される。これにより、気泡除去タンク2、フィルタユニット3に収容された塗布液は、廃液タンク74に貯留される。なお、完全にインクジェット塗布装置の生産が終了する場合、又は、異なる種類の塗布液に交換される場合には、供給ライン6にも供給ライン用洗浄液ライン62、供給ライン用エアライン61により、供給ライン6が清掃される。この場合、気泡除去タンク2、フィルタユニット3にも供給ライン用洗浄液ライン62から送液される洗浄液により清掃され、異物除去部廃液ライン82から塗布液が排出される。この場合、廃液タンク74の塗布液は、洗浄液が混入しているため、再利用されることはない。
【0063】
このように、上記実施形態におけるインクジェット塗布装置によれば、廃液ライン8に清掃ユニット9が設けられているため、廃液ライン8に塗布液が滞留した場合でも清掃ユニット9が清掃することにより廃液ライン8に長時間、塗布液が流動しない状態を回避することができる。したがって、廃液ライン8に塗布液が滞留して硬化することを抑えることができるため、塗布液が滞留することに起因して廃液ライン8が詰まる問題を回避してインクジェット塗布装置を長期に亘って安定して稼働させることができる。
【0064】
また、上記実施形態では、異物除去部廃液ライン82以外の廃液ライン8に設ける清掃ユニット9が洗浄液ライン91とエアライン92とを有する例について説明したが、すべての清掃ユニット9がエアライン92のみ設けるものであってもよい。この場合には、エアのみで清掃が行われるため、洗浄液等を用いる場合に比べて、配管内に清掃処理による溶剤が残留することがなく、清掃処理後のインクジェット塗布装置の復帰を容易にすることができる。また、洗浄液を廃棄するための処理が不要になるため、洗浄液が含まれる塗布液を廃棄するためのコストを抑えることができる。
【0065】
また、上記実施形態では、清掃ユニット9の洗浄液ライン91及びエアライン92が廃液ライン8に固定的に接続される例について説明したが、廃液ライン8に洗浄ユニットが接続可能な接続口を設けておき、必要な場合のみ、この接続口に洗浄ライン、エアライン92が接続される構成であってもよい。このように構成することにより、すべての廃液ライン8に独立して洗浄液ライン91、エアライン92を設ける必要がないため、洗浄液ライン91、エアライン92の配管構成を簡略化することができる。
【0066】
また、上記実施形態では、清掃ユニット9の洗浄液ライン91及びエアライン92が、供給ライン用エアライン61、供給ライン用洗浄液ライン62と独立して設ける例について説明したが、洗浄液ライン91及びエアライン92が、供給ライン用エアライン61、供給ライン用洗浄液ライン62から分岐して設け、それぞれ洗浄液の供給源、エアの供給源を共通して設けるものであってもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、清掃ユニット9が基材の処理枚数によって処理が行われる例について説明したが、所定時間経過すれば清掃処理が行われるように設定してもよく、塗布動作中であっても清掃処理が行われるように設定することにより、塗布液の種類に影響されることなく、廃液ライン8における配管詰まりの問題を抑えることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 塗布液タンク
4 インクジェットヘッド
5 サブタンク
6 供給ライン
8 廃液ライン
9 清掃ユニット
91 洗浄液ライン
92 エアライン