(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030767
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】2室包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 81/32 20060101AFI20220210BHJP
B65D 30/10 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
B65D81/32 D
B65D30/10 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020134985
(22)【出願日】2020-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】520236723
【氏名又は名称】アールテックコンサルタント株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000201515
【氏名又は名称】前田道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000210687
【氏名又は名称】秩父コンクリート工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502371598
【氏名又は名称】KFケミカル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】593188844
【氏名又は名称】株式会社愛知商会
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】守安 弘周
(72)【発明者】
【氏名】江向 俊文
(72)【発明者】
【氏名】高 兼
(72)【発明者】
【氏名】清水 進
(72)【発明者】
【氏名】濱中 弓
(72)【発明者】
【氏名】小板橋 行雄
(72)【発明者】
【氏名】住友 大介
(72)【発明者】
【氏名】山下 香往里
(72)【発明者】
【氏名】清水 雅之
【テーマコード(参考)】
3E013
3E064
【Fターム(参考)】
3E013AA05
3E013AB03
3E013AC01
3E013AD06
3E013AD36
3E013AE12
3E013AF02
3E013AF17
3E013BA11
3E013BA13
3E013BA15
3E013BB12
3E064AA01
3E064AB14
3E064AE03
3E064BA17
3E064BA26
3E064BA36
3E064BB03
3E064BC04
3E064BC08
3E064FA04
3E064GA04
3E064HS05
(57)【要約】
【課題】水に対して反応性を示す化合物を良好に保存可能であり、かつ、使用時には、イソシアネートに反応性を示すアルコール・アミン・尿素等のすべての化合物を容易に反応させることができ、これにより、所望の反応物を適切なタイミングで、かつ簡便に使用可能な状態とすることができる2室包装体を提供すること。
【解決手段】第1の積層フィルムと、第2の積層フィルムとを互いにシールすることで、第1の内容物が封入された第1室と、第2の内容物が封入された第2室とに区画された状態で、内部が密封されてなる2室包装体であって、前記第1室および前記第2室は、前記2室包装体の周縁に形成された周縁シール部と、前記第1室と、前記第2室とを区画する中間シール部とによって、区画されており、前記第1の積層フィルムおよび前記第2の積層フィルムのうち、少なくとも一方は、内容物が確認可能な視認性が付与された積層フィルムであり、かつ、前記第1の積層フィルムおよび前記第2の積層フィルムのいずれも、JIS K7129-7(カルシウム腐食法)で評価される水蒸気透過度の値が0.1g/m2/day以下であり、前記中間シール部が、前記周縁シール部よりも剥離容易とされており、前記第1の内容物が、水に対して反応性を示す化合物であり、前記第2の内容物が、前記第1の内容物に対して反応性を示す液体である2室包装体を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の積層フィルムと、第2の積層フィルムとを互いにシールすることで、第1の内容物が封入された第1室と、第2の内容物が封入された第2室とに区画された状態で、内部が密封されてなる2室包装体であって、
前記第1室および前記第2室は、前記2室包装体の周縁に形成された周縁シール部と、前記第1室と、前記第2室とを区画する中間シール部とによって、区画されており、
前記第1の積層フィルムおよび前記第2の積層フィルムのうち、少なくとも一方は、内容物が確認可能な視認性が付与された積層フィルムであり、かつ、前記第1の積層フィルムおよび前記第2の積層フィルムのいずれも、JIS K7129-7(カルシウム腐食法)で評価される水蒸気透過度の値が0.1g/m2/day以下であり、
前記中間シール部が、前記周縁シール部よりも剥離容易とされており、
前記第1の内容物が、水に対して反応性を示す化合物であり、前記第2の内容物が、前記第1の内容物に対して反応性を示す液体である2室包装体。
【請求項2】
前記第1の内容物が、イソシアネート系化合物である請求項1に記載の2室包装体。
【請求項3】
前記第1室または前記第2室には、内容物を外部に注出するためのスパウトが形成されている請求項1または2に記載の2室包装体。
【請求項4】
前記第1の積層フィルムおよび前記第2の積層フィルムは、プラスチックフィルムからなる基材層と、シーラント層とを備え、
前記第1の積層フィルムと、前記第2の積層フィルムとが、前記第1室および前記第2室を区画する位置に、区画用テープを介在させ、かつ、シーラント層同士を対向させた状態でヒートシールされることにより、前記周縁シール部と前記中間シール部とが形成されてなり、
前記区画用テープは、シーラント層と、イージーピール層とを備え、前記第1の積層フィルム側の面または前記第2の積層フィルム側の面に、シーラント層が位置し、他方の面に、イージーピール層が位置するように、配置される請求項1~3のいずれかに記載の2室包装体。
【請求項5】
前記区画用テープのイージーピール層が、融点の異なる2種類以上のポリオレフィン系樹脂から構成される、ヒートシール性を有する無延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムにより形成される層である請求項1~4のいずれかに記載の2室包装体。
【請求項6】
前記周縁シール部のシール強度が40N/15mm以上であり、前記中間シール部のシール強度が5~25N/15mmである請求項1~5のいずれかに記載の2室包装体。
【請求項7】
前記第1の積層フィルムおよび前記第2の積層フィルムの少なくとも一方は、プラスチックフィルムからなる基材層の少なくとも一方の面に、第1のバリアフィルム層と、第2のバリアフィルム層とを備えるものであり、
前記第1のバリアフィルム層は、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドもしくはその加水分解物、またはこれらの両方を含有するコーティング剤、あるいは(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、あるいは水/ アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される層であり、
前記第2のバリアフィルム層は、金属、または無機酸化物を含む蒸着薄膜で形成される層である請求項1~6のいずれかに記載の2室包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の積層フィルムと、第2の積層フィルムとを互いにシールすることで、第1の内容物が封入された第1室と、第2の内容物が封入された第2室とに区画された状態で、内部が密封されてなる2室包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
イソシアネート系化合物などの、水に対して反応性を示す化合物を用いて硬化物を得る技術が、幅広い分野で用いられている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、アスファルト乳剤と、イソシアネート系化合物とを反応させることで舗装体を得る技術や、防水材あるいは止水材を得る技術が知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-250106号公報
【特許文献2】特開2007-291175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2の技術においては、イソシアネート系化合物は水に対して高い反応性を示すことから、イソシアネート系化合物と、アスファルト乳剤とを、それぞれ別々の試薬瓶などに保存した状態とし、施工場所において開封し、混合容器等で、イソシアネート系化合物と、アスファルト乳剤とを混合するという操作が必要であり、そのため、作業性に劣るという課題があった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、水に対して反応性を示す化合物を良好に保存可能であり、かつ、使用時には、水に対して反応性を示す化合物を容易に反応させることができ、これにより、所望の反応物を適切なタイミングで、かつ簡便に使用可能な状態とすることができる2室包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明によれば、第1の積層フィルムと、第2の積層フィルムとを互いにシールすることで、第1の内容物が封入された第1室と、第2の内容物が封入された第2室とに区画された状態で、内部が密封されてなる2室包装体であって、
前記第1室および前記第2室は、前記2室包装体の周縁に形成された周縁シール部と、前記第1室と、前記第2室とを区画する中間シール部とによって、区画されており、
前記第1の積層フィルムおよび前記第2の積層フィルムのうち、少なくとも一方は、内容物が確認可能な視認性が付与された積層フィルムであり、かつ、前記第1の積層フィルムおよび前記第2の積層フィルムのいずれも、JIS K7129-7(カルシウム腐食法)で評価される水蒸気透過度の値が0.1g/m2/day以下であり、
前記中間シール部が、前記周縁シール部よりも剥離容易とされており、
前記第1の内容物が、水に対して反応性を示す化合物であり、前記第2の内容物が、前記第1の内容物に対して反応性を示す液体である2室包装体が提供される。
【0008】
本発明において、前記第1の内容物が、イソシアネート系化合物であることが好ましい。
本発明において、前記第1室または前記第2室には、内容物を外部に注出するためのスパウトが形成されていることが好ましい。
【0009】
本発明において、前記第1の積層フィルムおよび前記第2の積層フィルムは、プラスチックフィルムからなる基材層と、シーラント層とを備え、
前記第1の積層フィルムと、前記第2の積層フィルムとが、前記第1室および前記第2室を区画する位置に、区画用テープを介在させ、かつ、シーラント層同士を対向させた状態でヒートシールされることにより、前記周縁シール部と前記中間シール部とが形成されてなり、
前記区画用テープは、シーラント層と、イージーピール層とを備え、前記第1の積層フィルム側の面または前記第2の積層フィルム側の面に、シーラント層が位置し、他方の面に、イージーピール層が位置するように、配置されることが好ましい。
本発明において、前記区画用テープのイージーピール層が、融点の異なる2種類以上のポリオレフィン系樹脂から構成される、ヒートシール性を有する無延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムにより形成される層であることが好ましい。
本発明において、前記周縁シール部のシール強度が40N/15mm以上であり、前記中間シール部のシール強度が5~25N/15mmであることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記第1の積層フィルムおよび前記第2の積層フィルムの少なくとも一方は、プラスチックフィルムからなる基材層の少なくとも一方の面に、第1のバリアフィルム層と、第2のバリアフィルム層とを備えるものであり、
前記第1のバリアフィルム層は、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドもしくはその加水分解物、またはこれらの両方を含有するコーティング剤、あるいは(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、あるいは水/ アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される層であり、
前記第2のバリアフィルム層は、金属、または無機酸化物を含む蒸着薄膜で形成される層であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、水に対して反応性を示す化合物を良好に保存可能であり、かつ、使用時には、水に対して反応性を示す化合物を容易に反応させることができ、これにより、所望の反応物を適切なタイミングで、かつ簡便に使用可能な状態とすることができる2室包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る2室包装体の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のII-II線に沿う2室包装体の断面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る2室包装体の詳細構造を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る2室包装体の内容物を充填する前の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る2室包装体の斜視図であり、
図2は、
図1のII-II線に沿う2室包装体の断面図である。
【0014】
図1、
図2に示すように、本実施形態に係る2室包装体10は、表側積層フィルム61と、裏側積層フィルム62とが、第1側方シール部21、第2側方シール部22、上側シール部23、および下側シール部24において、互いにシールされた構造となっている。また、2室包装体10を構成する表側積層フィルム61と、裏側積層フィルム62とは、中間シール部25においてもシールされており、これにより、外部から密封された第1室31および第2室32が形成されている。
【0015】
また、2室包装体10は、上側シール部23の一部に、スパウト40が設けられており、スパウト40は、第1室31および第2室32に収容された内容物を混合した後に、得られた混合物を外部に注出する際に、その注出口を開口するもので、通常、使用時まで密封されている。
【0016】
なお、後述するように、中間シール部25は、周縁シール部(すなわち、第1側方シール部21、第2側方シール部22、上側シール部23、および下側シール部24)と比較して、剥離容易とされている。そして、本実施形態の2室包装体10においては、中間シール部25が剥離することで、第1室31および第2室32に収容された内容物が互いに混合可能とされている。
【0017】
第1室31は、第1側方シール部21、第2側方シール部22、下側シール部24、および中間シール部25において、表側積層フィルム61と、裏側積層フィルム62とが互いにシールされることにより形成され、これにより、外部から密封されてなるものであり、本実施形態においては、その内容物として、水に対して反応性を示す化合物Aが収容される。
【0018】
一方、第2室32は、第1側方シール部21、第2側方シール部22、上側シール部23、および中間シール部25において、表側積層フィルム61と、裏側積層フィルム62とが互いにシールされることにより形成され、これにより、外部から密封されてなるものであり、本実施形態においては、その内容物として、化合物Aに対して反応性を示す液体Bが収容される。
【0019】
そして、本実施形態の2室包装体10においては、第1室31または第2室32に対し、あるいは、第1室31および第2室32の両方に対し、外力を加えることで、周縁シール部(すなわち、第1側方シール部21、第2側方シール部22、上側シール部23、および下側シール部24)よりも剥離容易とされている中間シール部25が剥離し、これにより、第1室31に収容された水に対して反応性を示す化合物Aと、第2室32に収容された化合物Aに対して反応性を示す液体Bとを混合可能とし、これらを混合した状態にて、スパウト40を開口することで、混合物の状態で、外部に注出することができるものである。
【0020】
特に、水に対して反応性を示す化合物Aは、化合物Aに対して反応性を示す液体Bと混合して使用されることが通常であるが、これらを使用する直前までは、互いに混合されないような状態で保存する必要がある一方で、使用時には、良好に混合した状態で使用することが望まれる。本実施形態の2室包装体10によれば、第1室31と第2室32とを互いに区画された状態と、かつ、2室包装体10を、水蒸気透過度の値が特定の範囲とされた表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62により形成するものであるため、水に対して反応性を示す化合物A、および化合物Aに対して反応性を示す液体Bを良好に保存することができるものである。しかも、使用時には、周縁シール部よりも剥離容易とされた中間シール部25を剥離することで、水に対して反応性を示す化合物Aと、化合物Aに対して反応性を示す液体Bとを容易に混合することができるものであり、これにより、これらの混合物、さらには、これらの反応物を適切なタイミングで、かつ簡便に使用可能な状態とすることができるものである。特に、本実施形態の2室包装体10は、袋状であるため、中間シール部25を剥離した後、2室包装体10を上下方向あるいは左右方向に振るという方法や、2室包装体10を外部から揉むという方法により、内容物を容易かつ均一に混合することができるものである。そのため、本実施形態の2室包装体10によれば、水に対して反応性を示す化合物Aと、化合物Aに対して反応性を示す液体Bとを良好に保存でき、かつ、使用時には、優れた操作性にて混合および使用を行うことができるものである。
【0021】
水に対して反応性を示す化合物Aとしては、水と反応可能な化合物であればよく、特に限定されないが、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、メラミン系化合物、アルデヒド系化合物、アミン系化合物などが挙げられる。
【0022】
イソシアネート系化合物としては、たとえば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ジフェニルメタン-4,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,5-ナフタレンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート;ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;などが挙げられる。
【0023】
エポキシ系化合物としては、たとえば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0024】
アジリジン系化合物としては、たとえば、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N’-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)などが挙げられる。
【0025】
メラミン系化合物としては、たとえば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂などが挙げられる。
【0026】
アルデヒド系化合物としては、たとえば、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが挙げられる。
【0027】
アミン系化合物としては、たとえば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラアミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、ポリアミドなどが挙げられる。
【0028】
化合物Aに対して反応性を示す液体Bとしては、特に限定されないが、化合物Aに対して反応性を示す化合物を含有するものであればよいが、たとえば、水;アスファルト乳剤、天然ゴムのラテックス、各種合成ゴムのラテックス、各種樹脂のラテックスなどの各種材料の水分散液;ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性高分子の水溶液;メタノール、エタノールなどのアルコール;1,3-ブタジエンなどのポリオール;ポリエーテル;アミン化合物;尿素;アクリル共重合体;などが挙げられる。また、これら2種以上が混合されたものであってもよい。
【0029】
2室包装体10を構成する、表側積層フィルム61、および裏側積層フィルム62としては、水蒸気透過度の値が0.1g/m2/day以下であるものを用いればよい。表側積層フィルム61、および裏側積層フィルム62として、水蒸気透過度の値が上記範囲にあるものを用いることで、水蒸気バリア性を十分なものとすることができ、これにより、外部から水蒸気が侵入することによる、第1室31に収容する水に対して反応性を示す化合物Aの劣化を適切に防止することができ、保存性安定性に優れたものとすることができる。特に、本実施形態によれば、水に対して反応性を示す化合物Aとして、イソシアネート系化合物などの、水に対して高い反応性を示す化合物を使用した場合でも、外部から水蒸気が侵入することによる、劣化を適切に防止することができるものである。なお、水蒸気透過度は、たとえば、JIS K7129-7(カルシウム腐食法)に従い、温度40℃、相対湿度90%の条件において測定することができる。
【0030】
なお、表側積層フィルム61、および裏側積層フィルム62としては、ヒートシールなどにより互いにシールし、これにより、第1室31および第2室32を形成するという観点より、プラスチックフィルムからなる基材層と、シーラント層とを備えるものを用いることが好ましい。そして、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62について、シーラント層同士を対向させた状態でヒートシールすることで、シール部を形成することができる。
【0031】
また、第1室31および第2室32に収容した内容物を視認できるようにするという観点より、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62の少なくとも一方については、視認性が付与されたもの(すなわち光透過性のフィルム)であることが好ましい。すなわち、本実施形態においては、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62ともに、光透過性のフィルムである態様、あるいは、表側積層フィルム61が光透過性のフィルムであり、裏側積層フィルム62が光を透過しないフィルムである態様、さらには、表側積層フィルム61が光を透過しないフィルムであり、裏側積層フィルム62が光透過性のフィルムである態様などとすることができる。
【0032】
たとえば、表側積層フィルム61が光透過性のフィルムであり、裏側積層フィルム62が光を透過しないフィルムである態様である場合を例示すると、光透過性のフィルムである表側積層フィルム61としては、たとえば、第1のバリアフィルム層/第2のバリアフィルム層/Nyフィルム層/PE系フィルム層からなる積層フィルム(1)を用いることができる。なお、この場合において、Nyフィルム層が、プラスチックフィルムからなる基材層となり、PE系フィルム層が、シーラント層となる。
【0033】
積層フィルム(1)は、たとえば、次のようにして製造されるものなどを用いることができる。以下、積層フィルム(1)の製造方法について、説明する。
【0034】
積層フィルム(1)の製造方法においては、まず、二軸延伸ナイロン(Ny)フィルムと、二軸延伸ポリエチレン(PE)系フィルムとを共押出することで、基材フィルムを形成する。
【0035】
そして、この基材フィルムのNyフィルム層が形成された面上に、第2のバリアフィルム層を形成する。具体的には、基材フィルムのNyフィルム層が形成された面上に、金属、たとえば、アルミニウム、銅、銀など、もしくは無機酸化物、たとえば、イットリウムタンタルオキサイド、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、あるいは、それらの混合物からなる蒸着膜を形成し、これを第2のバリアフィルム層とする。なお、第2のバリアフィルム層としての蒸着膜を形成するための材料としては、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムが好ましい。
【0036】
基材フィルムのNyフィルム層が形成された面上に、第2のバリアフィルム層を形成する方法としては、特に限定されないが、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法としてスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(PCVD) などを用いることも可能である。生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が好適である。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかが好ましい。また、基材フィルムのNyフィルム層が形成された面と、第2のバリアフィルム層との密着性、および第2のバリアフィルム層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、第2のバリアフィルム層の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込む反応蒸着を行ってよい。
【0037】
次いで、第2のバリアフィルム層上に、第1のバリアフィルム層を形成する。第1のバリアフィルム層は、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドもしくはその加水分解物、またはこれらの両方を含有するコーティング剤、あるいは(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、あるいは水/ アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。たとえば、水溶性高分子と塩化錫を水系(水、または、水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、あるいは、これに金属アルコキシドを直接、あるいは、予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を調整し溶液とする。この溶液を、第2のバリアフィルム層上にコーティングした後、加熱乾燥することで、第1のバリアフィルム層を形成することができる。
【0038】
コーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、ポリビニルアルコール(PVA)を用いるとガスバリア性をより高めることができるため、好ましい。ポリビニルアルコールは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものであり、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAであってもよく、あるいは、酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等でもあってもよく、特に限定されない。
【0039】
また、コーティング剤に用いられる塩化錫は、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、または、それらの混合物であってもよい。またこれらの塩化錫は、無水物でも水和物でもあってもよい。
【0040】
さらに、コーティング剤に用いられる金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C2H5等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的には、テトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O-2'-C3H7)3〕などが挙げられる。これらの中でも、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるため、好ましい。
【0041】
第2のバリアフィルム層上に、コーティング剤を塗布する際における、コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の手段を用いることができる。
【0042】
以上のようにして、第1のバリアフィルム層/第2のバリアフィルム層/Nyフィルム層/PE系フィルム層からなる積層フィルム(1)を製造することができる。
【0043】
積層フィルム(1)を構成する、第1のバリアフィルム層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.01~50μmであり、より好ましくは0.1~30μm、さらに好ましくは5~15μmである。
また、積層フィルム(1)を構成する、第2のバリアフィルム層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは5~300nmであり、より好ましくは10~150nmである。
さらに、積層フィルム(1)を構成する、基材フィルムの厚み(すなわち、Nyフィルム層と、PE系フィルム層との合計の厚み)は、好ましくは3~200μmであり、より好ましくは25~125μmである。
【0044】
積層フィルム(1)としては、その具体例として、第1のバリアフィルム層:12μm/第2のバリアフィルム層:12nm/Nyフィルム層:15μm/PE系フィルム層:70μmのものを使用することができる。
【0045】
また、裏側積層フィルム62が光を透過しないフィルムである場合には、裏側積層フィルム62としては、たとえば、PETフィルム層/Al箔層/Nyフィルム層/PE系フィルム層からなる積層フィルム(2)を用いることができる。なお、この場合において、Nyフィルム層が、プラスチックフィルムからなる基材層となり、PE系フィルム層が、シーラント層となる。
積層フィルム(2)は、たとえば、PETフィルム、Al箔、Nyフィルム、およびPE系フィルムを共押出することにより製造することができる。
【0046】
積層フィルム(2)を構成する、PETフィルム層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.01~50μmであり、より好ましくは0.1~30μm、さらに好ましくは5~15μmである。
また、積層フィルム(2)を構成する、Al箔層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1~40μmであり、より好ましくは4~12μmである。
さらに、積層フィルム(2)を構成する、基材フィルムの厚み(すなわち、Nyフィルム層と、PE系フィルム層との合計の厚み)は、好ましくは3~200μmであり、より好ましくは25~125μmである。
【0047】
積層フィルム(2)としては、その具体例として、PETフィルム層:12μm/Al箔層7μm/Nyフィルム層:25μm/PE系フィルム層:50μmのものを使用することができる。
【0048】
なお、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62のいずれも、光透過性のフィルムとする場合には、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62として、いずれも、第1のバリアフィルム層/第2のバリアフィルム層/Nyフィルム層/PE系フィルム層からなる積層フィルム(1)を用いることができる。この場合において、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62として、いずれも同じ材料から構成差されるものを用いてもよいし、あるいは、互いに異なる材料から構成差されるものを用いてもよい。
【0049】
図3は、本実施形態に係る2室包装体の詳細構造を示す図であり、
図4は、本実施形態に係る2室包装体の内容物を充填する前の構造を示す図である。
【0050】
本実施形態に係る2室包装体10は、第1室31に、水に対して反応性を示す化合物Aを密封するとともに、第2室32に、化合物Aに対して反応性を示す液体Bを密封させることにより製造される。
以下、本実施形態に係る2室包装体10の製造方法について、説明する。
【0051】
まず、
図4に示すように、表側積層フィルム61と、裏側積層フィルム62とを互いにシールすることで、内容物充填前包装体10aを製造する。なお、この際には、第1室31と、第2室32とを区画することとなる中間シール部25に対応する部分に、区画用テープ25cを配置し、区画用テープ25cを挟んだ状態で、表側積層フィルム61と、裏側積層フィルム62とを互いにシールすることで、内容物充填前包装体10aを製造する。
【0052】
具体的には、
図4に示すように、第1室31と、第2室32とを区画することとなる中間シール部25に対応する部分に、区画用テープ25cを介在させた状態で、表側積層フィルム61と、裏側積層フィルム62とを、シーラント層同士を対向させた状態とし、ヒートシーラーにより、これらを、ヒートシールすることで、第1側方シール部21、第2側方シール部22、および、中間シール部25、ならびに、上側仮シール部23aを形成する。
【0053】
本実施形態においては、区画用テープ25cとして、一方の面に、シーラント層を備え、他方の面に、イージーピール層を備えるものを用いる。より具体的には、プラスチックフィルムからなる基材層の一方の面に、シーラント層が形成され、他方の面に、イージーピール層が形成されたものを用いる(すなわち、「シーラント層/基材層/イージーピール層」の構成)。そして、たとえば、区画用テープ25cを、シーラント層側の面を、表側積層フィルム61と対向する面とし、イージーピール層側の面を、裏側積層フィルム62と対向する面として、介在させ、これらをシールすることにより、形成される中間シール部25を、次のような構成とすることができる。すなわち、区画用テープ25cと、表側積層フィルム61との間では、シーラント層同士が接着することにより十分な接着が保たれたものとし、その一方で、区画用テープ25cと、裏側積層フィルム62との間では、イージーピール層の作用により、擬似接着するような態様(接着強度が低い状態)とすることができる。
【0054】
そして、これにより、中間シール部25が、周縁シール部(すなわち、第1側方シール部21、第2側方シール部22、および、上側仮シール部23a)よりも剥離容易なものとすることができる。すなわち、周縁シール部(すなわち、第1側方シール部21、第2側方シール部22、および、上側仮シール部23a)については、表側積層フィルム61と、裏側積層フィルム62とがシーラント層同士で接着しているのに対し、中間シール部25は、区画用テープ25cと、裏側積層フィルム62とが、イージーピール層を介した擬似接着によって、接着強度が低い状態で接着したものであり、これにより、中間シール部25を剥離容易なものとすることができるものである。
【0055】
なお、上記とは逆に、区画用テープ25cを、シーラント層側の面を、裏側積層フィルム62と対向する面とし、イージーピール層側の面を、表側積層フィルム61と対向する面として、介在させ、これらをシールすることにより、形成される中間シール部25を形成してもよい。すなわち、この場合には、区画用テープ25cと、裏側積層フィルム62との間では、シーラント層同士が接着することにより十分な接着が保たれたものとし、その一方で、区画用テープ25cと、表側積層フィルム61との間では、イージーピール層の作用により、擬似接着するような態様(接着強度が低い状態)とすることができる。
【0056】
第1側方シール部21、第2側方シール部22、上側仮シール部23a、および中間シール部25を形成する際における、ヒートシール温度は、好ましくは100~300℃、より好ましくは150~280℃であり、ヒートシール時間は、好ましくは1~15秒、より好ましくは1~5秒である。
【0057】
また、区画用テープ25cとしては、特に限定されず、プラスチックフィルムからなる基材層の一方の面に、シーラント層が形成され、他方の面に、イージーピール層が形成されたものを用いることが好ましいが、基材層を形成するためのプラスチックフィルムとして、延伸フィルムを用いることが好ましく、延伸フィルムを用いることで、製袋機を用いて、内容物充填前包装体10aを製造した際においても、区画用テープ25cが伸びてしまうことを有効に防止することができ、これにより、製袋機を用いた量産を可能とし、生産効率を高めることができる。
【0058】
区画用テープ25cの基材層を形成する延伸フィルムとしては特に限定されないが、一軸あるいは二軸延伸のポリエチレンテレフタレートフィルムなどを挙げることができる。
【0059】
また、区画用テープ25cのシーラント層としては、特に限定されないが、たとえば、表側積層フィルム61、または、裏側積層フィルム62のシーラント層を構成する材料と同じ材料で構成することができる。すなわち、区画用テープ25cのシーラント層側の面を、表側積層フィルム61と対向させる場合には、表側積層フィルム61のシーラント層を構成する材料と同じ材料で構成することができ、あるいは、区画用テープ25cのシーラント層側の面を、裏側積層フィルム62と対向させる場合には、裏側積層フィルム62のシーラント層を構成する材料と同じ材料で構成することができる。
【0060】
また、区画用テープ25cのイージーピール層としては、表側積層フィルム61、および裏側積層フィルム62のうち、これと対向させるフィルムのシーラント層を構成する樹脂に対して疑似接着をするような材料で構成すればよいが、このような材料としては、たとえば、融点の異なる2種類以上のポリオレフィン系樹脂から構成される、ヒートシール性を有する無延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムが挙げられ、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂のブレンド樹脂の無延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムが好適に挙げられる。
【0061】
区画用テープ25cの基材層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは10~100μmであり、より好ましくは10~30μmである。また、区画用テープ25cのシーラント層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは10~100μmであり、より好ましくは20~80μmである。区画用テープ25cのイージーピール層の厚みは、特に限定されないが、好ましくは10~100μmであり、より好ましくは30~50μmである。
【0062】
なお、上側仮シール部23aと23bを形成する際には、
図4に示すように、スパウト40が固定された状態にてヒートシールすればよい。
【0063】
また、区画用テープ25cとしては、プラスチックフィルムからなる基材層の両方の面に、イージーピール層が形成されたものを用いてもよい(「イージーピール層/基材層/イージーピール層」の構成)。この場合においても、表側積層フィルム61と、区画用テープ25cのイージーピール層との間、および、裏側積層フィルム62と、区画用テープ25cのイージーピール層との間において、疑似接着が生じるため、同様の作用を奏することができる。
【0064】
次いで、
図4に示す内容物充填前包装体10aを製造した後、製造した内容物充填前包装体10aの内容物充填前第1室31aに、水に対して反応性を示す化合物Aを充填し、下側シール位置24aについてヒートシールを行うことで、下側シール部24を形成する。また、水に対して反応性を示す化合物Aを充填した後、あるいは、水に対して反応性を示す化合物Aを充填する前に、内容物充填前第2室32aに、化合物Aに対して反応性を示す液体Bを充填し、上側シール位置23bについてヒートシールを行うことで、上側シール部23を形成する。そして、これにより、
図3に示す2室包装体10を得る。
【0065】
なお、第1側方シール部21、第2側方シール部22、上側シール部23、下側シール部24、および中間シール部25のシール幅W1、W2、W3、W4、W5は、特に限定されないが、好ましくは5~50mmであり、より好ましくは5~30mmである。また、区画用テープ25cの幅W6は、中間シール部25のシール幅W5よりも大きいものであればよいが、好ましくは10~60mm、より好ましくは10~40mmである。
【0066】
また、第1側方シール部21、第2側方シール部22、上側シール部23、および下側シール部24のヒートシール強度は、好ましくは40N/15mm以上であり、より好ましくは40~120N/15mm、さらに好ましくは40~80N/15mmである。また、中間シール部25のヒートシール強度は、第1側方シール部21、第2側方シール部22、上側シール部23、および下側シール部24のヒートシール強度よりも低いものであればよいが、好ましくは5~25N/15mmであり、より好ましくは10~25N/15mm、さらに好ましくは10~23N/15mmである。第1側方シール部21、第2側方シール部22、上側シール部23、および下側シール部24のヒートシール強度、および、中間シール部25のヒートシール強度を上記範囲とすることにより、中間シール部25を、他のシール部と比較して、より剥離容易なものとすることができる。
【0067】
また、本実施形態においては、
図3に示すように、中間シール部25と、第1側方シール部21との交差部25a、および、中間シール部25と、第2側方シール部22との交差部25bについて、R形状のシール部を設けることが好ましい。このようなR形状のシール部を設けることにより、中間シール部25を剥離させた際に、中間シール部25の剥離力により、第1側方シール部21、あるいは、第2側方シール部22も剥離してしまい、これにより内容物が露出あるいは漏液してしまうことを適切に防止することができる。なお、R形状の半径は、その作用効果をより適切なものとするという観点より、好ましくは5~50mmであり、より好ましくは5~30mmである。
【0068】
また、第1室31の高さ方向長さL1と、第2室32の高さ方向長さL2との比は、L1:L2=1:1~1:10であることが好ましく、L1:L2=1:2~1:5であることがより好ましい。また、第1室31の高さ方向長さL1と、第2室32の高さ方向長さL2との合計と、第1室31および第2室32の横方向の長さL3との比は、(L1+L2):L3=1:2~1:0.1であることが好ましく、(L1+L2):L3=1:1~1:0.2であることがより好ましい。
【0069】
なお、第1室31中における、水に対して反応性を示す化合物Aの充填量M1[mL]と、第2室32における、化合物Aに対して反応性を示す液体Bの充填量M2[mL]との比は、M1:M2=1:1~1:53であることが好ましく、M1:M2=1:2.6~1:13であることがより好ましい。
【0070】
L1:L2、(L1+L2):L3、およびM1:M2を上記範囲とすることにより、中間シール部25を剥離させ、水に対して反応性を示す化合物Aと、化合物Aに対して反応性を示す液体Bとを混合する際に、2室包装体10内における、これらの混合物の量と、空気の量とを、これらの混合に適した量とすることができ、これにより、水に対して反応性を示す化合物Aと、化合物Aに対して反応性を示す液体Bとの混合をより適切に行うことができる。特に、これらの混合物の量が多過ぎて、空気の量が少な過ぎる場合には、混合操作が困難となる場合があり、一方、空気の量が多すぎる場合には、最終的に得られる混合物の量が少なくなり、非効率となってしまう。
【0071】
また、中間シール部25と、第1側方シール部21との交差部25a、および、中間シール部25と、第2側方シール部22との交差部25bについては、接着強度を十分なものとするという観点より、ポイントシールを介在させてヒートシールを行うような態様としてもよい。すなわち、ポイントシールとして、一方の面に、区画用テープ25cのイージーピール層と同じ材料で構成された第1層を有し、かつ、他方の面に、表側積層フィルム61、および裏側積層フィルム62のうち、これと対向させるフィルムのシーラント層を構成する樹脂と同じ材料から構成された第2層を有するものを用い、このようなポイントシールを介在させてもよい。ポイントシールを介在させることにより、交差部25aおよび交差部25bの接着強度を十分なものとすることができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0073】
また、本実施形態の2室包装体10は、水分に対して反応性を示す化合物Aと、化合物Aに対して反応性を示す液体Bとを別々に収容し、かつ、使用時に、これらを混合するような用途であれば、特に制限なく用いることができるが、たとえば、水に対して反応性を示す化合物Aとして、イソシアネート化合物を使用し、化合物Aに対して反応性を示す液体Bとして、アスファルト乳剤を使用したものとしてもよい。イソシアネート化合物およびアスファルト乳剤を用いることで、2室包装体10を、路面等の目地剤や、路面等の補修剤として用いることができる。あるいは、本実施形態の2室包装体10は、塗料、シーリング材、接着剤等などにも用いることができる。
【実施例0074】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0075】
<実施例1>
表側積層フィルム61を次のように作製した。すなわち、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(フタムラ化学製 銘柄:FE2001)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、次に厚さ7μmのアルミニウム箔(東洋アルミ製 銘柄:8021)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、次に厚さ15μmのナイロンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ 銘柄:ボニールW)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、最後に厚さ70μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、表側積層フィルム61を作製した。
【0076】
次いで、裏側積層フィルム62を次のように作製した。すなわち、厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製 銘柄:GL-RD)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製 銘柄:GX-P)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、厚さ15μmのナイロンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ 銘柄:ボニールW)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、最後に厚さ70μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、裏側積層フィルム62を作製した。
【0077】
次いで、区画用テープ25cを次のように作製した。すなわち、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)と厚さ60μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、さらにポリエチレンテレフタレートフィルム面と厚さ50μmのイージーピールシーラントフィルム(三井化学東セロ製 銘柄:680C)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、区画用テープ25cを作製した。
【0078】
そして、上記にて作製した表側積層フィルム61、裏側積層フィルム62、および裏側積層フィルム62を用いて、製袋機を使用して、上記した方法に従って、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。なお、第1室31に充填する化合物Aとしては、芳香族ジイソシアネートであるジフェニルメタンジイソシアネートを主成分とする硬化剤を使用し、充填量を100mlとし、第2室32に充填する化合物Bついてはアスファルト乳剤を使用し、充填量を600mlとした。なお、
図3中、L1=140mm、L2=330mm、L3=110mm、W1、W2,W3,W4,W5=10mm、W6=20mmとし、ヒートシールの条件は、インパルスシーラーにて、加熱時間1冷却時間1.5でシールし、製袋機における条件としては、TD方向を、
図3の上から下の方向とし、MD方向を、
図3の第1側方シール部21側から、第2側方シール部22側の方向とした。また、区画用テープ25cは、LLDPEフィルム側が、表側積層フィルム61と対向するような方向で使用した。
【0079】
<実施例2>
表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62を次のように作製し、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62として同じものを使用した。すなわち、厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製 銘柄:GL-RD)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製 銘柄:GX-P)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、厚さ15μmのナイロンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ 銘柄:ボニールW)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、最後に厚さ70μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62を作製した。
【0080】
そして、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62として、上記にて製造したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。
【0081】
<実施例3>
区画用テープ25cを次のように作製した。すなわち、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと厚さ50μmのイージーピールシーラントフィルム(三井化学東セロ製 銘柄:680C)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、さらに(三井化学東セロ製 銘柄:680C)面と厚さ30μmのイージーピールシーラントフィルム(三井化学東セロ製 銘柄:680C)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、区画用テープ25cを作製した。
【0082】
そして、区画用テープ25cとして、上記にて製造したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。
【0083】
<実施例4>
区画用テープ25cを次のように作製した。すなわち、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと厚さ50μmのイージーピールシーラントフィルム(東レフィルム加工製 銘柄:7601ED)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、さらにナイロンフィルム面と厚さ50μmのイージーピールシーラントフィルム(東レフィルム加工製 銘柄:7601ED)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、区画用テープ25cを作製した。
【0084】
そして、区画用テープ25cとして、上記にて製造したものを使用した以外は、実施例2と同様にして、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。
【0085】
<比較例1>
区画用テープ25cとして、厚さ50μmのイージーピールシーラントフィルム(三井化学東セロ製 銘柄:680C)を使用した以外は、実施例1と同様にして、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。
【0086】
<比較例2>
区画用テープ25cとして、厚さ50μmのイージーピールシーラントフィルム(東レフィルム加工製 銘柄:7601ED)を使用した以外は、実施例2と同様にして、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。
【0087】
<比較例3>
表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62を次のように作製し、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62として同じものを使用した。すなわち、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(フタムラ化学製 銘柄:FE2001)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、次に厚さ7μmのアルミニウム箔(東洋アルミ製 銘柄:8021)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、次に厚さ15μmのナイロンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ 銘柄:ボニールW)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、、最後に厚さ70μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62を作製した。
【0088】
そして、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62として、上記にて製造したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。
【0089】
<比較例4>
表側積層フィルム61を次のように作製した。すなわち、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(フタムラ化学製 銘柄:FE2001)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、次に厚さ7μmのアルミニウム箔(東洋アルミ製 銘柄:8021)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、次に厚さ15μmのナイロンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ 銘柄:ボニールW)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、最後に厚さ70μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、表側積層フィルム61を作製した。
【0090】
次いで、裏側積層フィルム62を次のように作製した。すなわち、厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製 銘柄:GX-P)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、次に厚さ15μmのナイロンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ 銘柄:ボニールW)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、最後に厚さ70μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、裏側積層フィルム62を作製した。
【0091】
そして、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62として、上記にて製造したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。
【0092】
<比較例5>
表側積層フィルム61を次のように作製した。すなわち、厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製 銘柄:GL-RD)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、次に厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製 銘柄:GX-P)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、次に厚さ15μmのナイロンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ 銘柄:ボニールW)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、最後に厚さ70μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、表側積層フィルム61を作製した。
【0093】
次いで、裏側積層フィルム62を次のように作製した。すなわち、厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製 銘柄:GX-P)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、次に厚さ15μmのナイロンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ 銘柄:ボニールW)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、最後に厚さ70μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、裏側積層フィルム62を作製した。
【0094】
そして、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62として、上記にて製造したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。
【0095】
<比較例6>
表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62を次のように作製し、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62として同じものを使用した。すなわち、厚さ12μmの透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷製 銘柄:GX-P)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、次に厚さ15μmのナイロンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ 銘柄:ボニールW)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、最後に厚さ70μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62を作製した。
【0096】
そして、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62として、上記にて製造したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。
【0097】
<参考例1>
区画用テープ25cを次のように作製した。すなわち、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと厚さ60μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせ、さらにナイロンフィルム面と厚さ50μmのイージーピールシーラントフィルム(三井化学東セロ製 銘柄:CMPS013C)をドライラミネート用接着剤(三井化学製 銘柄:A525)を介して貼り合わせることで、区画用テープ25cを作製した。
【0098】
そして、区画用テープ25cとして、上記にて製造したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。
【0099】
<参考例2>
実施例4において、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62を製造する際に、厚さ70μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ製 FCD-NP)に代えて、厚さ50μmのイージーピールシーラント(東レフィルム加工 7601ED)を使用した以外は、実施例4と同様にして、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62を製造し、実施例4と同様にして、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造した。
【0100】
<評価>
実施例1~4、比較例1~6、参考例1,2について次のように評価を行った。
【0101】
(製袋適正の可否)
製袋機を使用して、
図1~
図3に示す2室包装体10を製造する際に、区画用テープ25cが伸びて製袋出来なかったものは×、製袋出来たものは〇として評価した。結果を表1に示す。
【0102】
(水蒸気透過度の測定)
表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62について、JIS K7129-7に従って、温度40℃相対湿度差90%における水蒸気透過度の測定を行った(試験期間3ヵ月)。なお、評価に際しては、表側積層フィルム61および裏側積層フィルム62のうち、水蒸気透過度の値が大きいものの結果を採用した。結果を表1に示す。
【0103】
(内容物の視認性)
目視にて、第1室31および第2室32に充填した内容物の確認を行った。内容物の色の判断が出来たものは〇、出来なかったものは×として評価した。結果を表1に示す。
【0104】
(イソシアネートの白濁確認)
2室包装体10を、温度30℃相対湿度差80%の恒温槽に3ヶ月保存し、第1室31に充填した化合物Aとしての芳香族ジイソシアネートであるジフェニルメタンジイソシアネートを主成分とする硬化剤の、3ヶ月後における白濁状態を確認した。なお、白濁してしまったものは、水蒸気と反応してしまい、反応活性が低下したものと判断できる。結果を表1に示す。
【0105】
(ヒートシール強度の測定)
JIS Z1707に従って剥離角度90°、引張速度300mm/minで円周部及びイージーピールテープ挿入部の測定を実施した。結果を表1に示す。
【0106】
(落下試験)
2室包装体10を、1mの高さから、落下させ、周縁シール部および中間シール部の破れの有無を確認する試験を30回繰り返して行った。30回以上持つものは〇、30回未満で破れが発生したものは×とした。結果を表1に示す。
【0107】
(開封試験)
2室包装体10について、中間シール部に力を入れて開封可能か否かの確認をした。容易に開封できたものは〇、開封に時間を要したものを×と評価した。結果を表1に示す。
【0108】