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特開2022-30796空気調和システム、その制御装置、及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030796
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】空気調和システム、その制御装置、及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0038 20190101AFI20220210BHJP
   F24F 1/02 20190101ALI20220210BHJP
   F24F 1/0035 20190101ALI20220210BHJP
   F24F 1/0073 20190101ALI20220210BHJP
   F24F 1/035 20190101ALI20220210BHJP
【FI】
F24F1/0038
F24F1/02 441B
F24F1/0035
F24F1/02 441A
F24F1/0073
F24F1/035
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020135043
(22)【出願日】2020-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】503152358
【氏名又は名称】服部 武
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100221327
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 亮
(72)【発明者】
【氏名】服部 武
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BA00
3L051BB00
(57)【要約】
【課題】室内環境に応じて換気を実行する技術を提供すること。
【解決手段】空気調和システムは、筐体と、室内の空気が筐体内に吸入される吸入口と、吸入口から吸入された吸入空気を熱交換する熱交換器と、熱交換器で熱交換された空気が室内に吹き出される吹出口と、吸入空気の少なくとも一部を室外に排気する排気ユニットと、室内の空気に含まれる粒子状物質を検出する検出ユニットと、検出ユニットの検出値が第1閾値以上となった場合には、排気ユニットが吸入空気を排気するように、排気ユニットを制御する制御ユニットと、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
室内の空気が前記筐体内に吸入される吸入口と、
前記吸入口から吸入された吸入空気を熱交換する熱交換器と、
前記熱交換器で熱交換された空気が室内に吹き出される吹出口と、
前記吸入空気の少なくとも一部を室外に排気する排気ユニットと、
室内の空気に含まれる粒子状物質を検出する検出ユニットと、
前記検出ユニットの検出値が第1閾値以上となった場合には、前記排気ユニットが前記吸入空気を排気するように、前記排気ユニットを制御する制御ユニットと、を備える、
空気調和システム。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和システムであって、
前記制御ユニットは、前記排気ユニットが前記吸入空気を排気している場合において、前記検出値が第2閾値以下となったときは、前記排気ユニットが前記吸入空気の排気を停止するように、前記排気ユニットを制御する、
空気調和システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の空気調和システムであって、
前記検出ユニットは、
前記筐体の内部に設けられ、
前記吸入空気に含まれる粒子状物質を検出する、
空気調和システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の空気調和システムであって、
前記検出ユニットは、前記筐体と別体に設けられる、
空気調和システム。
【請求項5】
請求項4に記載の空気調和システムであって、
前記制御ユニットは、無線通信により前記検出ユニットの前記検出値を取得する、
空気調和システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和システムであって、
室外の空気を室内に給気する給気ユニットをさらに備える、
空気調和システム。
【請求項7】
請求項6に記載の空気調和システムであって、
給気ユニットにより室外から給気される空気が通過するフィルタをさらに備える、
空気調和システム。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の空気調和システムであって、
前記排気ユニットは、前記吸入空気の少なくとも一部を室外に排気する排気ダクトを有し、
前記給気ユニットは、室外の空気を前記吹出口を介して室内に給気するための給気ダクトを有し、
前記排気ダクトと前記給気ダクトとが、互いに離間して設けられている、
空気調和システム。
【請求項9】
筐体と、
室内の空気が前記筐体内に吸入される吸入口と、
前記吸入口から吸入された吸入空気を熱交換する熱交換器と、
前記熱交換器で熱交換された空気が室内に吹き出される吹出口と、
前記吸入空気の少なくとも一部を室外に排気する排気ユニットと、
を含む空気調和システムの制御装置であって、
室内の空気に含まれる粒子状物質を検出する検出ユニットの検出値を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記検出値が第1閾値以上となった場合には、前記排気ユニットが前記吸入空気を排気するように、前記排気ユニットを制御する制御手段と、を備える、
制御装置。
【請求項10】
筐体と、
室内の空気が前記筐体内に吸入される吸入口と、
前記吸入口から吸入された吸入空気を熱交換する熱交換器と、
前記熱交換器で熱交換された空気が室内に吹き出される吹出口と、
前記吸入空気の少なくとも一部を室外に排気する排気ユニットと、
室内の空気に含まれる粒子状物質を検出する検出ユニットと、
を含む空気調和システムの制御方法であって、
前記検出ユニットの検出値を取得する取得工程と、
前記取得工程にて取得した前記検出値が第1閾値以上となった場合には、前記排気ユニットが前記吸入空気を排気するように、前記排気ユニットを制御する制御工程と、を含む、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和システム、その制御装置、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給気通路と排気通路を有する換気ユニットが室内機に設けられた空気調和機が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-71237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空気調和機の使用中においては室内環境等に応じて換気が実行されることが望ましいが、上記従来技術には換気ユニットの作動条件等については開示されていない。
【0005】
本発明は、室内環境に応じて換気を実行する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、
筐体と、
室内の空気が前記筐体内に吸入される吸入口と、
前記吸入口から吸入された吸入空気を熱交換する熱交換器と、
前記熱交換器で熱交換された空気が室内に吹き出される吹出口と、
前記吸入空気の少なくとも一部を室外に排気する排気ユニットと、
室内の空気に含まれる粒子状物質を検出する検出ユニットと、
前記検出ユニットの検出値が第1閾値以上となった場合には、前記排気ユニットが前記吸入空気を排気するように、前記排気ユニットを制御する制御ユニットと、を備える、
空気調和システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、室内環境に応じて換気を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る空気調和システムの概略を示す模式図。
図2】室内機の内部構成を示す模式図。
図3図1の空気調和システムのハードウェアの構成例を示すブロック図。
図4】処理部の処理例を示すフローチャート。
図5】処理部の処理例を示すフローチャート。
図6】給排気の設定画面の構成例を示す図。
図7】一実施形態に係る空気調和システムの概略を示す模式図。
図8図7の空気調和システムのハードウェアの構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<第1実施形態>
<システム概略>
図1は、一実施形態に係る空気調和システム1の概略を示す模式図である。空気調和システム1は、室内50の空気調和を行うシステムである。空気調和システム1は、室内50に設けられる室内機2と、室外52に設けられる室外機4を含む。また、室内機2と室外機4は、接続部材5を介して互いに接続している。なお、室外機4については周知の技術を適用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0011】
<室内機>
図2は、室内機2の内部構成を示す模式図である。図2は、本実施形態の特徴に関係する構成を中心に示している。室内機2は、筐体20と、筐体20に形成される吸入口21及び吹出口25と、筐体20の内部に設けられる経路形成部材22、フィルタ23、熱交換器24、及び送風ユニット26とを含む。また、室内機2は、排気ユニット27と、給気ユニット28と、検出ユニット29とを含む。
【0012】
吸入口21は、筐体20に形成された開口である。室内50の空気は、吸入口21から筐体20内に吸入される。本実施形態では吸入口21は筐体20の上部に形成されているが、吸入口21の形状や位置は変更可能である。なお、以下の説明において、吸入口21から筐体20の内部に吸入された空気を吸入空気と称する場合がある。
【0013】
経路形成部材22は、吸入口21から筐体20内に吸入された空気の移動経路221を形成する。より具体的には、経路形成部材22は、吸入口21から吹出口25まで、吸入空気の移動経路221を形成する。
【0014】
フィルタ23は、移動経路221上に設けられ、吸入口21から吸入された空気に含まれるゴミ及び粉塵等を捕捉する。フィルタ23は、筐体20に対して着脱可能に設けられてもよい。フィルタ23の構造には周知の技術を適宜採用可能である。
【0015】
熱交換器24は、例えばアルミ板等で構成され、吸入口21から吸入された吸入空気を熱交換する。本実施形態では、熱交換器24は、移動経路221上に設けられ、熱交換器24を通過する空気の熱交換を行う。なお、熱交換器24の構成には、周知の技術を適宜採用可能である。例えば、熱交換器24は室外機4に設けられた熱交換器(不図示)とパイプ等の接続部材5を介して接続し得る。
【0016】
吹出口25は、筐体20に形成された開口である。熱交換器24で熱交換された空気は、吹出口25から室内50に吹き出される。本実施形態では吹出口25は筐体20の下部に形成されているが、吹出口25の形状や位置は変更可能である。
【0017】
送風ユニット26は、筐体20内部に設けられ、室内50の空気を吸入口21から吸い込み、吸い込んだ空気を吹出口25から吹き出すために送風を行うものである。送風ユニット26は、例えばクロスフローファンである。本実施形態では、送風ユニット26は、移動経路221上で、熱交換器24と吹出口25との間に設けられる。
【0018】
排気ユニット27は、室内50の空気を室外52に排気する。さらに言えば、排気ユニット27は、吸入口21から吸入された吸入空気の少なくとも一部を室外52に排気する。本実施形態では、排気ユニット27は、排気ダクト271と、排気ファン272とを有する。
【0019】
排気ダクト271は、吸入空気を室外52に排気するための排気経路を形成する。本実施形態では、排気ダクト271により形成される排気経路は、移動経路221においてフィルタ23と熱交換器24との間で分岐するように構成されている。しかしながら、排気経路が吸入空気の進行方向でフィルタ23よりも上流側において移動経路221から分岐するように、排気ダクト271が設けられてもよい。室外52に排気される空気はフィルタ23によりゴミ及び粉塵等を捕捉する必要性が低い。よって、室外52に排気される空気がフィルタ23を通過しないように構成することにより、室内50に吹き出される空気に含まれるゴミ等をフィルタ23により補足しつつ、フィルタ23の清掃頻度及び交換頻度を低減することができる。
【0020】
排気ファン272は、排気ダクト271から室外52に空気を排気するために送風を行う。排気ファン272の構成には、周知の技術を適宜採用可能である。
【0021】
給気ユニット28は、室外52の空気を室内50に給気する。給気ユニット28は、室外52の空気を吹出口25を介して室内50に給気するための給気ダクト281を有する。室外52の空気は、給気ダクト281を通って筐体20に導入され、熱交換器24で熱交換されてから吹出口25から室内50へと吹き出される。給気ファン282は、室外52の空気を給気ダクト281及び筐体20の内部を介して室内50に給気するめに送風を行う。なお、給気ダクト281には、室外52から給気される空気が通過するフィルタ283が設けられていてもよい。これにより、室内50に給気される空気のゴミ及び粉塵等を捕捉することができる。
【0022】
本実施形態では、排気ダクト271と給気ダクト281とが、互いに離間して設けられている。室内機2が室内50の空気を換気可能に構成される場合、室外52へと排気される空気と室内50へと給気される空気との間で熱交換を行うことも考えられる。しかしながら、本実施形態ではこれらが隣接せず、分離して独立に設けられることによりそれぞれの構造を簡素化することができる。なお、給気ユニット28は、省略されてもよい。
【0023】
検出ユニット29は、室内50の空気に含まれる粒子状物質を検出する。本実施形態では、検出ユニット29は、筐体20の内部に設けられ、吸入空気に含まれる粒子状物質を検出する。さらに言えば、検出ユニット29は、吸入空気の移動方向で、フィルタ23よりも上流において吸入空気に含まれる粒子状物質を検出する。検出ユニット29は、粒子状物質として、例えば煙、埃、花粉、PM2.5及びウイルス等を検出可能であってもよい。検出ユニット29は、例えば空気中の微小粒子を光散乱方式によって計測し、通過粒子の検出信号をパルスにて出力するセンサであってもよい。また、検出ユニット29は、ウイルス等を検出可能な導波モードセンサ等であってもよい。
【0024】
<ハードウェア構成>
図3は、空気調和システム1のハードウェアの構成例を示すブロック図である。なお、図3は、本実施形態の特徴に関係する構成を中心に示している。制御ユニット30は、空気調和システム1を統括的に制御するユニットである。さらに言えば、制御ユニット30は、室内機2及び室外機4の作動を制御する。
【0025】
制御ユニット30は、処理部301と、記憶部302と、I/F(インタフェース)部303とを含み、これらは互いに不図示のバスにより接続されている。処理部301は、例えばCPUに代表されるプロセッサであり、記憶部302に記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。記憶部302は、例えば、RAM、ROM、ハードディスク等である。I/F部303は、処理部301と、他のデバイス(検出ユニット29、受信ユニット31、各種センサ32等)との間の信号の送受信を中継する。I/F部303は、例えば、通信インタフェースやI/Oインタフェースである。
【0026】
本実施形態では、処理部301は、検出ユニット29、受信ユニット31及び各種センサ32から受信した信号に基づいて、送風ユニット26、排気ユニット27、給気ユニット28を制御する。
【0027】
なお、制御ユニット30の機能は、ハードウェア及びソフトウェアの何れによっても実現可能である。例えば、制御ユニット30の機能は、前述した構成により実現される他、PLD(プログラマブルロジックデバイス)、ASIC(特定用途向け半導体集積回路)等、公知の半導体装置により実現されてもよい。また、ここでは制御ユニット30を単一の要素として示すが、制御ユニット30は必要に応じて2以上の要素に分けられてもよい。
【0028】
受信ユニット31は、リモコン6等からの信号を受信する。リモコン6は、赤外線等により室内機2を操作するため装置である。室内機2のユーザは、リモコン6を用いて室内機2の電源のオン・オフ、温度設定及びモード選択等の操作を行う。また、受信ユニット31は、所定のアプリケーションがインストールされた、ユーザの情報処理端末からの信号を受信してもよい。情報処理端末としては、スマートフォンやタブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0029】
各種センサ32は、室内50の状態及び室内機2の作動状態等に関する各種情報を取得する。各種センサ32には、例えば、熱交換器24の温度を検出する温度センサ、室内50の温度を検出する温度センサ、室内50の湿度を検出する湿度センサ等が含まれ得る。また、各種センサ32には、例えば、室外機4の熱交換器の温度を検出する温度センサ、室外52の温度(外気温)を検出する温度センサ、室外機4に設けられた膨張弁で減圧された冷媒の温度(蒸発温度)を検出する温度センサ等が含まれ得る。
【0030】
<処理例1>
図4は、処理部301の処理例を示すフローチャートである。本フローチャートは、検出ユニット29の検出結果に基づいて排気ユニット27の作動を制御することをその概略としている。本フローチャートは、例えば室内機2の作動中に所定の周期で繰り返し実行される。なお、以下の説明において、ステップSXXXを単にSXXXと称する。
【0031】
S101で、処理部301は、検出ユニット29の検出値を取得する。例えば、処理部301は、検出ユニット29の検出値として吸入空気に含まれる粒子状物質の濃度(μg/m)等を取得する。なお、処理部301が取得する検出ユニット29の検出値は、電流値又は電圧値等、検出ユニット29の出力値そのものであってもよい。
【0032】
S102で、処理部301は、排気ユニット27の作動状態を取得する。例えば、処理部301は、排気ユニット27が作動中であるか否かについての情報を取得する。一例として、処理部301は、排気ファン272のモータの駆動電流値等の制御値を取得する。
【0033】
S103で、処理部301は、S102の取得結果に基づき、排気ユニット27が排気を実行中であるか否かを確認し、実行中でなければS104に進み、実行中であればS106に進む。
【0034】
S104で、処理部301は、S101で取得した検出ユニット29の検出値が閾値T1以上であるか否かを確認し、検出値が閾値T1以上の場合はS105に進み、検出値が閾値T1未満の場合はフローチャートを終了する。
【0035】
S105で、処理部301は、排気ユニット27による排気を開始する。具体的には、処理部301は、排気ファン272を駆動させることにより、排気ダクト271を介して吸入空気を室外52に排気する。
【0036】
一方、S103からS106に進んだ場合、S106で、処理部301は、検出ユニット29の検出値が閾値T2以下であるか否かを確認する。処理部301は、検出値が閾値T2以下であればS107に進み排気ユニット27による排気を停止し、検出値が閾値T2を超えていればフローチャートを終了する。すなわち、排気ユニット27による排気は、検出ユニット29の検出値が閾値T2を超えている間は継続する。
【0037】
閾値T1と閾値T2は同じ値に設定されてもよいし、閾値T2が閾値T1よりも小さい値に設定されてもよい。ただし、閾値T2が閾値T1よりも小さい値に設定されることにより、排気ユニット27による排気が停止した後に早期に検出ユニット29の検出値が閾値T1以上となることが抑制されるので、排気の開始・停止が不必要に繰り返されることが抑制される。
【0038】
以上説明したように、本処理例によれば、処理部301は、検出ユニット29の検出値が閾値T1以上となった場合には、排気ユニット27が排気を実行するように排気ユニット27を制御する。これにより、室内50の粒子状物質の濃度が所定値以上になった場合には、排気ユニット27による室内50の空気の排気が実行されるので、室内50の室内環境に応じて換気を実行することができる。
【0039】
また、本処理例によれば、処理部301は、排気ユニット27が排気を実行している場合において、検出ユニット29の検出値が閾値T2以下となったときは、排気ユニット27が排気を停止するように、排気ユニット27を制御する。これにより、室内50の粒子状物質の濃度が所定値以下になった場合には排気ユニット27による室内50の空気の排気が停止されるので、必要以上に室内50の空気の排気を実行してしまうことを抑制することができる。
【0040】
<処理例2>
図5は、処理部301の処理例を示すフローチャートである。本フローチャートは、検出ユニット29の検出結果に基づいて排気ユニット27及び給気ユニット28の作動を制御することをその概略としている。以下では、給気ユニット28による給気を実行するか否かをユーザが設定可能な場合を例に説明する。図6は、給排気の設定画面の構成例を示す図である。図6に示す画面は、例えばリモコン6又はユーザの情報処理端末の表示部に表示され得る。図6の例では、ユーザが排気を実行するために排気設定でONを選択した場合にオプションとして給気を実行するか否かを選択可能に構成されている。本フローチャートは、例えば室内機2の作動中に所定の周期で繰り返し実行される。
【0041】
S201及びS202は、S101及びS102とそれぞれ同様である。
【0042】
S203で、処理部301は、S202の取得結果に基づき、排気ユニット27が排気を実行中であるか否かを確認し、実行中でなければS204に進み、実行中であればS208に進む。
【0043】
S204で、処理部301は、S201で取得した検出ユニット29の検出値が閾値T1以上であるか否かを確認し、検出値が閾値T1以上の場合はS205に進み、検出値が閾値T1未満の場合はフローチャートを終了する。
【0044】
S205で、処理部301は、給気実行フラグがONであるか否かを確認し、ONであればS206に進み、ONでない、すなわちOFFであればS207に進む。例えば、処理部301は、図6で示す画面の「給気オプション」の項目において「実行する」が選択されている場合に給気実行フラグがONであると判断してもよい。
【0045】
S206で、処理部301は、給気及び排気を開始する。具体的には、処理部301は、排気ファン272を駆動させることにより排気ダクト271を介して吸入空気を室外52に排気するとともに、給気ファン282を駆動させることにより給気ダクト281を介して室外52の空気を室内50に給気する。
【0046】
S207で、処理部301は、排気を開始する。具体的には、処理部301は、排気ファン272を駆動させることにより、排気ダクト271を介して吸入空気を室外52に排気する。
【0047】
一方、S203からS208に進んだ場合、S208で、処理部301は、検出ユニット29の検出値が閾値T2以下であるか否かを確認する。処理部301は、検出値が閾値T2以下であればS209に進み、検出値が閾値T2を超えていればフローチャートを終了する。
【0048】
S209で、処理部301は、給気及び排気を停止する。なお、S209に進む場合には、排気ユニット27による排気のみが実行され給気ユニット28による給気が実行されていない状態の場合もある。このような場合には、処理部301は、排気ユニット27による排気を停止する。
【0049】
以上説明したように、本処理例によれば、検出ユニット29の検出結果、及びユーザによる給気を実行するか否かの選択に基づいて、排気ユニット27及び給気ユニット28を制御する。これにより、室内環境及びユーザの選択に応じて室内50の換気を実行することができる。
【0050】
<第2実施形態>
図7は、一実施形態に係る空気調和システム10の概略を示す模式図である。また、図8は、空気調和システム10のハードウェアの構成例を示すブロック図である。なお、図8は、本実施形態の特徴に関係する構成を中心に示している。本実施形態では、検出ユニット290が筐体20の外部に設けられる構成等が第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態と相違する構成を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0051】
図7に示すように、検出ユニット290は、筐体20と別体に設けられ、室内50の適当な位置に配置され得る。また、図8に示すように、検出ユニット290は、検出部2901及び通信部2902を有する。
【0052】
検出部2901は、室内50の空気に含まれる粒子状物質を検出する。検出部2901は、第1実施形態の検出ユニット29と同様の構成を有し得る。通信部2902は、検出部2901の検出値を無線通信により受信ユニット31に送信する。例えば、通信部2902及び受信ユニット31は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、音波、又は赤外線等の周知の態様により無線通信を実行してもよい。本実施形態では、処理部301は、検出ユニット290の検出値を、受信ユニット31を介して取得する。
【0053】
以上説明したように、本実施形態では、検出ユニット290が筐体20とは別体に設けられる。よって、室内50の、人の生活空間により近い位置において粒子状物質を検出することができる。したがって、検出ユニット290の検出値に基づいて、より適切に室内環境に応じた換気を実行することができる。
【0054】
また、煙、埃、花粉、PM2.5及びウイルス等はそれぞれ粒径が異なる場合があるので、検出対象によって検出ユニット290に求められる性能が異なる場合がある。本実施形態では検出ユニット290が筐体20とは別体に設けられるため、用途に応じた検出ユニット290を選択して適宜設置することができる。
【0055】
なお、処理部301は、検出ユニット290の検出値が閾値T1以上となっている状態が一定時間継続した場合に、換気を実行してもよい。すなわち、S104及びS204の条件を、「検出値が閾値T1以上の状態が一定時間以上継続?」としてもよい。例えば、室内50に人が入ってきた場合等には、ドア付近の領域等において局所的に粒子状物質の濃度が一時的に高くなってしまうことが考えられる。したがって、検出ユニット290の検出値が閾値T1以上となっている状態が一定時間継続した場合に、換気を実行することにより、不必要に換気が実行されてしまうことを抑制することができる。
【0056】
なお、本実施形態では空気調和システム10が検出ユニット290を1つ有しているが、空気調和システム10が検出ユニット290を複数有していてもよい。例えば、空気調和システム10は、花粉の検出精度が高い検出ユニット290、PM2.5の検出精度が高い検出ユニット290等、各検出対象に合わせた性能を有する検出ユニット290を複数有していてもよい。これにより、より効果的に室内50の換気を実行することができる。また例えば、複数の検出ユニット290が、室内50内に散らばって配置されてもよい。これにより、室内50内における粒子状物質の濃度に偏りがあった場合にも適切に換気を実行することができる。
【0057】
また、検出ユニット290が複数設けられる場合、ユニットごとに異なる閾値T1、T2が設定されていてもよい。例えば、花粉とPM2.5とでは許容できる濃度(μg/m)が異なる場合がある。したがって、花粉の検出精度が高い検出ユニット290とPM2.5の検出精度が高い検出ユニット290とで異なる閾値T1、T2が設定されることにより、目的に合わせて適切に換気を実行することができる。
【0058】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1:空気調和システム、2:室内機、20:筐体、21:吸入口、24:熱交換器、27:排気ユニット、29:検出ユニット、30:制御ユニット
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