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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030824
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】畜舎の空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/00 20060101AFI20220210BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20220210BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20220210BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20220210BHJP
   A01K 1/035 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
A01K1/00 D
F24F7/00 B
F24F7/007 D
A61L9/00 Z
A01K1/035 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020135098
(22)【出願日】2020-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】520300297
【氏名又は名称】株式会社エアロ・ピュア
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】八江 正信
【テーマコード(参考)】
2B101
4C180
【Fターム(参考)】
2B101AA01
2B101AA07
2B101BB01
2B101BB04
2B101BB09
4C180AA02
4C180BB01
4C180BB11
4C180CB05
4C180CB06
4C180CC02
4C180EA17X
4C180HH05
4C180KK02
4C180LL06
4C180MM10
(57)【要約】
【課題】外気が高湿度であっても鶏舎内を適切に冷房すること。
【解決手段】熱交換器26の冷却コイル27には熱交換に供される地下水を通す。送風機43の作動により、外気が冷却部21の吸気ダクト25から熱交換器26内に送り込まれ、冷却コイル27の外周面において熱交換されて、冷却される。冷却された空気は、送風チャンバ42および濾過チャンバ44を介して鶏舎11内に送り込まれて、鶏舎11内が冷却される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換に供される水を管内に通し、外気との間で熱交換を行う熱交換器と、その熱交換器された空気を畜舎内に送り込む送風機とを備えた畜舎の空気調和システム。
【請求項2】
前記熱交換器の配管に地下水を送り込む手段を設けた請求項1に記載の畜舎の空気調和システム。
【請求項3】
前記畜舎の端部における排気部には畜舎内の空気を脱臭する脱臭装置を設けた請求項1または2に記載の畜舎の空気調和システム。
【請求項4】
前記脱臭装置はオゾンによって脱臭する請求項3に記載の畜舎の空気調和システム。
【請求項5】
畜舎の一端に前記熱交換器、他端に脱臭装置を設けた請求項4に記載の畜舎の空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外気を吸入して鶏舎などの畜舎の内部の空気を冷房あるいは暖房するための空気調和(以下、空調という)システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
鶏舎において、夏季などの高気温時には、内部が高温になる。このため、鶏が弱って、産卵数が少なくなったり、鶏が衰弱死したり、あるいは、感染症に罹患したりするおそれがたぶんにある。これらの問題点を解消するために、特許文献1~3に開示された技術が提案されている。
【0003】
特許文献1に開示された技術は、ウィンドレス鶏舎の入り口側に加湿冷却装置を設けている。そして、この加湿冷却装置から冷却された空気が鶏舎内に供給されるとしている。
特許文献2に開示された技術は、空気と冷却水とが内部で接触して通過空気から気化熱を奪うようにした冷却パネルを鶏舎の端部に設けたものである。
【0004】
特許文献3に開示された技術は、水の気化熱により空気を冷却する冷却パネルを鶏舎の通気口に設置するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-61632号公報
【特許文献2】特開2010-136643号公報
【特許文献3】特開2014-209893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1~3に開示された技術は、冷却しようとする空気流中において水を気化させて、気化熱を奪われた空気を鶏舎内に導入するものである。従って、降雨時や梅雨期のように、導入される空気が高湿度のときには、気化熱による空気の温度低下が少なく、適切な冷房効果を期待できない。しかも、冷却空気の導入によって鶏舎内の空気が高湿度になるため、雑菌の繁殖や悪臭の蔓延を招くおそれがあった。
【0007】
加えて、冷却に供される空気から気化熱を奪う構成は、冷却空気が通る多孔質体などの流路に水が通るため、その流路に雑菌が繁殖したり、塵埃が付着したりする。そのため、流路を清掃しなければ、雑菌による悪影響が生じるおそれがあるばかりでなく、冷却効率が著しく低下したり、目詰まりにより冷却空気の量が減少したりする。このようなことになれば、所要の冷房効果を得ることができない。
【0008】
さらには、特許文献1~3の構成は、気化熱を奪う方式であるため、空気を温めることができず、鶏舎内の暖房に用いることは不可能である。
本発明の目的は、適切な冷房効果を得ることができる鶏舎などの畜舎の空気調和システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明においては、熱交換に供される水を管内に通し、外気との間で熱交換を行う熱交換器と、その熱交換器された空気を畜舎内に送り込む送風機とを備えたことを特徴とする。
【0010】
以上の構成においては、気化熱によって冷房を行うものではないため、畜舎内の空気が高湿度化することを回避できて、適切な冷房が可能になる。また、空気から気化熱を奪う部分の雑菌やカビの繁殖、あるいは塵埃の蓄積などを抑えることができ、従って、空気流路の目詰まりを抑えることができる。そして、冷却媒体として地下水を用いれば、冬季における暖房も可能になる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、適切な冷房効果を得ることができて、畜舎を健康的な状態に維持できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】畜舎としての鶏舎の簡略図。
図2】冷房装置の正面図。
図3】脱臭装置の一部破断正面図。
図4】脱臭装置の平面図。
図5】冷房装置の電気的構成を示すブロック図。
図6】脱臭装置の電気的構成を示すブロック図。
図7】脱臭装置の変更例を示す一部破断正面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
以下、本発明の畜舎の空気調和システムを具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
本実施形態は、畜舎としての鶏舎において具体化したものである。
図1に示すように、鶏舎11は、一方向に延長形成されており、その延長方向の一端部に冷房装置12が設けられるとともに、他端部に脱臭装置13が設けられている。冷房装置12は鶏舎11内に冷却空気を送り、脱臭装置13は鶏舎11内の空気を排出しながら脱臭する。
【0015】
そこで、以下に前記冷房装置12の構成を説明する。
図2に示すように、冷房装置12には、空気流の上流側から順に、冷却部21、送風部22および濾過部23が配置されている。
【0016】
冷却部21の冷却チャンバ24は吸気ダクト25を備えている。冷却チャンバ24には熱交換器26が接続されており、その熱交換器26の内部には空気流路を横切るように配管としての冷却コイル27が多数箇所に配置されている。冷却コイル27の入口側には冷却水供給管28が流量調整バルブ29を介して接続されるとともに、冷却コイル27の出口側には冷却水排出管30が接続されている。冷却水排出管30には流量調整バルブ29が接続されている。そして、開閉バルブ33の開放時には、図市しないポンプにより冷却コイル27に地下水が供給されて、その地下水は冷却コイル27内を流れ、冷却水排出管30から排出される。地下水の供給量は流量調整バルブ29によって調節される。前記ポンプや冷却水供給管28により冷却コイル27に地下水を送り込む手段が構成されている。
【0017】
冷却部21において、熱交換器26の下流側には接続ダクト31が設けられている。
前記送風部22は前記接続ダクト31の出口(図示しない)に接続された送風チャンバ42を有しており、その送風チャンバ42の内部に送風機43が装設されている。この送風機43のファンには、シロッコファンが用いられている。
【0018】
送風チャンバ42の送風口は前記濾過部23の濾過チャンバ44の入口46に接続されている。濾過チャンバ44の内部には、ダストフィルタ45が空気流路を横切るように配置されている。濾過チャンバ44の出口側には排気ダクト47が設けられている。この排気ダクト47は鶏舎11の一端の開口部に接続されている。濾過チャンバ44の上部には、除菌剤供給装置34が装設されており、この除菌剤供給装置34から濾過チャンバ44の内部の空気流にダストフィルタ45を除菌するための除菌剤(アルコール)が適時間隔で噴霧状に供給される。
【0019】
そして、送風部22の送風機43の動作により、冷却チャンバ24の吸気ダクト25から外部空気が濾過チャンバ44内に吸引されて、冷却部21の熱交換器26における冷却コイル27の周囲を通って送風部22内に流れる。このとき、外部空気は、冷却コイル27の外周面において熱交換されて冷却される。そして、冷却された空気は、送風部22を介して、濾過部23内に送られ、フィルタ45で濾過されて、排気ダクト47を介して鶏舎11内に供給される。このため、鶏舎11内が冷却される。
【0020】
図5に示すように、鶏舎11の内部および地下水の流路にはそれぞれ温度センサ81,82が設けられており、その温度センサ81,82の検出結果が制御装置83に入力される。この検出結果に応じて、制御装置83は前記流量調整バルブ29および送風機43の動作を制御して、鶏舎11内に送られる風量および地下水の流量を制御し、その結果、鶏舎11内の温度を目標値に近づける。
【0021】
次に、前記脱臭装置13について説明する。
図3および図4に示すように、脱臭装置13には、濾過部51,送風部52および脱臭部53が設けられている。
【0022】
前記濾過部51の濾過チャンバ54は、鶏舎11の端部の排気部に接続された吸気ダクト55を有するとともに、下部には水槽56を有している。そして、濾過チャンバ54の下部および水槽56は連通されていて、両者には濾過水Wが満たされており、その水位は吸気ダクト55の下端位置である。濾過水Wの貯留部の下流側にはダストフィルタ58が設けられている。
【0023】
送風部52の送風チャンバ61は濾過チャンバ54の出口側のダクト57に接続されており、送風チャンバ61には送風機62が内装されている。この送風機のファンには、シロッコファンが用いられている。送風部52の出口側には前記脱臭部53の脱臭チャンバ63が接続されており、その脱臭チャンバ63の内部にはネット状の曝露板64が立設されている。脱臭チャンバ63の上端には排出ダクト65が接続されており、この排出ダクト65内には触媒フィルタ66とオゾンセンサ67とが設けられている。
【0024】
濾過部51の外側にはオゾン水生成ユニット68が付設されている。このオゾン水生成ユニット68は、オゾン生成器69,オゾン水タンク70およびポンプ71を備え、オゾン生成器69においては、図6に示すオゾン発生電極73の部分で発生されたオゾンが水に溶解されて、オゾン水が生成され、そのオゾン水がオゾン水タンク70内に貯留される。ポンプ71は、配管72を介して、オゾン水タンク70内のオゾン水を前記曝露板64の上端に供給する。そして、オゾン水は曝露板64上を落下して、配管72を介してオゾン水タンク70内に回収されて、オゾン発生電極73の作動によりオゾンが補充される。このようにして、オゾン水がオゾン水タンク70と脱臭チャンバ63との間を循環される。
【0025】
そして、送風機43の作動により、鶏舎11内の空気が濾過チャンバ54内に吸引されて、濾過水Wの水面に向かって流れる。このため、大きなダストやある程度の臭気成分が濾過チャンバ54の濾過水Wによって捕捉される。
【0026】
次いで、空気は送風部52内を通り、脱臭部53内に送られる。この送風部52内においては、オゾン水生成ユニット68からのオゾン水が曝露板64上を流れ落ちている。従って、送風部52内に送られた空気は、曝露板64の部分においてオゾン水と接して、そのオゾン水に含有されたオゾンによって臭気成分が分解されて脱臭作用を受ける。脱臭された空気は、排出ダクト65から外部に排出される。このとき、空気は、触媒フィルタ66内を通過するため、排出される空気内に残留するオゾンは触媒フィルタ66によって分解除去される。
【0027】
排出ダクト65から排出される空気の残留オゾンの濃度は、図6に示すように、触媒フィルタ66の上流側のオゾンセンサ67によって検出される。その検出結果は制御装置85に入力される。制御装置85は、残留オゾンの濃度の検出結果に応じて、オゾン生成器69の電極73およびポンプ71の出力を制御して、曝露板64に供給されるオゾン水のオゾン濃度およびオゾン水の供給量を制御する。この制御によって、触媒フィルタ66の下流側にオゾンが漏出することが回避される。
【0028】
従って、本実施形態においては、以下のように作用する。
すなわち、本実施形態において、夏季には冷房装置12の冷却部21に地下水が供給されて、導入された外部空気が冷却される。そして、その冷却された空気が鶏舎11内に送られる。そのため、鶏舎11内が冷房されて、温度上昇が抑えられる。このとき、地下水の温度が温度センサ81によって計測されるとともに、鶏舎11内の温度が温度センサ82によって計測されて、その鶏舎11内の温度に応じて、地下水の汲み上げ量および送風機43の回転速度が調節される。つまり、地下水の温度および鶏舎11内の温度が高い場合には、地下水の汲み上げ量および空気の供給量が多くなって、低温で大量の冷却空気が鶏舎11内に送り込まれる。鶏舎11内の温度が低温の場合はその逆になる。このため、鶏舎11内が適切な冷房状態となる。
【0029】
なお、冬季の場合は、地下水の温度が外気温より高いために、この地下水によって鶏舎11内を暖房できる。このように、鶏舎11内を夏季は冷房、冬季は暖房できて、1年を通じて、室温を適温付近において平均化できる。
【0030】
鶏舎11内の空気は、冷房装置12の反対側の位置から脱臭されて排出される。すなわち、送風部52の送風機62の稼働にともない鶏舎11内の空気が濾過部51のチャンバ61内に吸引されて、濾過水Wによってある程度の濾過作用と脱臭作用を受けた後に、ダストフィルタ58によって濾過される。次いで、空気は脱臭部53の脱臭チャンバ63内に送られて、オゾン脱臭される。脱臭された空気は、触媒フィルタ66によって残留オゾンが除去されて、外部に排出される。従って、鶏舎11内の臭気が外部に放散されることを回避できるとともに、オゾン臭が放散されることも回避できる。
【0031】
本実施形態は以下の効果を発揮する。
(1)夏季は外気が冷房装置12によって冷却されて鶏舎11に供給されるため、鶏舎11内の高温化を回避できて、鶏の衰弱や鶏卵の品質低下などを防ぐことができる。しかも、従来構成とは異なり、気化熱を奪って冷却空気を得るのではないため、冷却空気の湿度が高くなることを抑制できて、鶏や鶏卵に対する悪影響を回避できるとともに、雑菌の繁殖や悪臭の発生を抑えることができる。また、冬季は、鶏舎11内を暖房できて、鶏の衰弱や凍死などを防止できる。
【0032】
(2)カビや雑菌の繁殖部となる気化部が不要であるため、カビや雑菌の少ない衛生的な空調空気を得ることができて、衛生上の問題を少なくできるばかりでなく、カビの除去などの清掃の手間を省くことができる。
【0033】
(3)夏季の冷房および冬季の暖房における空調において、鶏舎11内の空気を循環させるものではないため、清潔なだけではなく、臭気の充満を抑制できて、鶏卵や鶏肉の風味が損なわれることを回避できる。
【0034】
(4)脱臭装置13において鶏舎11内からの排気を脱臭できるため、鶏舎11の周囲への悪影響を回避できる。
(5)排気の残留オゾンを触媒フィルタ66によって分解除去できるため、オゾン臭の発生も防止できる。
【0035】
(6)オゾンセンサ67の検出結果に基づいて、オゾン水生成ユニット68におけるオゾン生成量を調節できるため、省エネルギーが可能になるとともに、触媒フィルタ66に対する負担を少なくして、触媒フィルタ66の寿命を長くすることができる。
【0036】
(7)冷房装置12により鶏舎11内に外気を送り込んで、脱臭装置13により鶏舎11内の空気を吸い出すため、外気を鶏舎11内を通過させるためのエネルギーを少なくできる。すなわち、一般には、鶏舎の空調には陰圧方式と陽圧方式とがある。陰圧方式においては、送風機によって鶏舎内の空気を排出し、鶏舎内の気圧が低下するのにともない送風機以外の開口部分からフィルタを介して鶏舎内に空気が流入される。陽圧方式においては、送風機から外気を鶏舎内に送り込んで、送風機以外の開口部分から鶏舎内の空気が排出される。これらの陰圧方式および陽圧方式に使用されている送風機はプロペラタイプであって、送風量は大きいが、送風圧力(空気を押し出す力)は高くはない。このため、鶏舎が長い形状であったり、大きいものであったり、あるいは鶏舎内にゲージや、糞や卵などを回収するコンベアなどの機器が設置されたりしている場合には、通気量が足りない結果となる。この結果、鶏舎内が空調不足に陥って、温度上昇などのおそれがある。これを防止するために、一般には、送風機や開口部が複数箇所に設けられているが、このようにすれば、電力消費が多くなるばかりでなく、脱臭装置が複数箇所に必要となる。このようにすることは、設置コストやメンテンナンスなどの面で実際的ではなく、多くの場合、鶏舎の周囲に臭気が漂うことになる。これに対し、本実施形態においては、前記のように、空調空気が鶏舎11の一端から鶏舎11内に送り込まれるとともに、他端から吸い出される。このため、送風機がシロッコファンを用いていることも相俟って、鶏舎11内の空間に機器が占有するように設置されていても、小さなパワーで、つまり省エネルギーで有効な空調を行うことが可能になる。しかも、鶏舎11の一端の一箇所に設けた脱臭装置13により、鶏舎11内の空気を効率的に脱臭して排出することが可能になる。
【0037】
(変更例)
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。そして、本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0038】
・本発明を鶏舎以外の畜舎、例えば、豚舎や牛舎において具体化すること。
・前記実施形態では、冷房装置12や脱臭装置13を鶏舎11の端部の外側に設けたが、畜舎の内部に設けること。あるいは、鶏舎11の外側および内側の双方に設けること。
【0039】
・冷却媒体として、地下水以外のもの、例えば渓流水を用いること。
図7に示すように、脱臭装置13において、鶏舎11内の空気が吸入される吸気ダクト25の出口側の開口端部を濾過水W中に位置させること。このようにすれば、濾過水Wによる濾過効率および脱臭効率が向上する。
【0040】
・温度センサ81,82およびオゾンセンサ67の測定結果の信号を発信機から無線を介して受信機によって受けて、制御装置に入力し、制御装置は、制御信号を発信機から無線を介して受信機によって受けて、それに基づき、別の制御装置が送風機やオゾン水生成ユニットの動作を制御するように構成すること。言い換えれば、鶏舎11の冷房装置12および脱臭装置13の作動を外部制御装置により遠隔制御するように構成すること。この場合、外部制御装置は、携帯端末などが用いられる。
【0041】
・前記外部制御装置によって得られたデータを記録蓄積して、外気温などの環境変化に対応する稼働最適値(地下水の使用量など)が算出し、その最適値が得られるように制御装置を作動させること。
【0042】
(他の技術的思想)
前記実施形態から把握される技術的思想は以下の通りである。
(A)前記脱臭装置は、吸気を水によって濾過する濾過装置を送風機の上流側に有する請求項1に記載の畜舎の空気調和システム。
【0043】
(B)脱臭装置は、排気中の残留オゾンを除去するオゾンフィルタを設けた請求項4に記載の畜舎の空気調和システム。
(C)畜舎内の空気を排出する排出ポンプの下流側にオゾンによって脱臭を行う脱臭装置を設けた畜舎の脱臭システム。
【0044】
(D)送風機のファンはシロッコファンである請求項5に記載の畜舎の空気調和システム。
【符号の説明】
【0045】
11…鶏舎
12…冷房装置
13…脱臭装置
26…熱交換器
27…冷却コイル
43…送風機
72…配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7