(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030932
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】遊技球の清掃機構
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220210BHJP
【FI】
A63F7/02 324A
A63F7/02 351
A63F7/02 334
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020135266
(22)【出願日】2020-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】黒川 和将
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA65
2C088BA72
2C088BA92
2C088BC55
2C088EA44
(57)【要約】
【課題】 詰まりを防いで、遊技球を確実に移送することができると共に、清掃効率を向上させることができる遊技球の清掃機構を提供する。
【解決手段】 遊技球の清掃機構10は、遊技球5を移送する移送通路2と、移送通路2の内部に設けられると共に長手方向に沿って配置された回転清掃体3と、回転清掃体3を回転させる駆動手段4とを備えており、回転清掃体3は、シャフト11と、シャフト11の外周に螺旋状に配置された複数の清掃列12、13とを有し、清掃列12、13は、弾性力の小さい清掃列12と、弾性力が大きい清掃列13とがシャフト11の長手方向に沿って交互に現れるように形成され、遊技球5は1個ずつシャフトの長手方向における隣り合う弾性力の大きい清掃列13、13の間に規制されると共に、案内されて移送される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を移送する移送通路と、
前記移送通路の内部に設けられると共に長手方向に沿って配置された回転清掃体と、
前記回転清掃体を回転させる駆動手段と、を備えた遊技球の清掃機構において、
前記回転清掃体は、シャフトと、該シャフトの外周に螺旋状に配置された複数の清掃列と、を有し、
前記清掃列は、弾性力の小さい清掃列と、該弾性力の小さい清掃列よりも弾性力が大きい清掃列とが前記シャフトの長手方向に沿って交互に現れるように形成され、
前記遊技球は1個ずつ前記シャフトの長手方向における隣り合う前記弾性力の大きい清掃列の間に規制されると共に、案内されて移送されることを特徴とする遊技球の清掃機構。
【請求項2】
弾性力の小さい清掃列の側面部と弾性力の大きい清掃列の側面部とが隣接して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項3】
隣り合う弾性力の大きい清掃列間の距離は、遊技球の直径と略同一以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項4】
清掃列は、回転清掃体の回転軸の軸心方向に対する垂線に対して遊技球の移送方向側又は、遊技球の移送方向とは反対側に45度以下の傾斜角度を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項5】
移送通路は、遊技球の移送方向に向かい下方に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項6】
弾性力の大きい清掃列は、弾性力の小さい清掃列よりも毛丈が長いことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項7】
弾性力の小さい短丈の清掃列は、先端部が遊技球の表面に当接すると共に、弾性力の大きい長丈の清掃列は、側面部の上方側が遊技球の表面に当接することを特徴とする請求項6に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項8】
回転清掃体に当接して付着した汚れを取り除く除去体を有していることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項9】
除去体は、弾性力が大きい清掃列のみに当接することを特徴とする請求項8に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項10】
除去体は、回転清掃体を間に挟んで遊技球と対向する位置に設けられていると共に、前記除去体の鉛直下方にダストボックスが形成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の遊技球の清掃機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機本体や遊技機に遊技球を供給する遊技球供給装置等の遊技球が移送される通路を備えた装置に設置される遊技球の清掃機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機に使用される遊技球に付着した塵埃や汚れを清掃する清掃機構が知られている(特許文献1及び2)。
【0003】
特許文献1に記載の球清掃装置は、遊技球を受ける球タンクを備えた遊技機における球タンクの球排出口に着脱可能になっており、枠体と、枠体に回転可能に設けられた2個の回転ブラシと、枠体に設けられて、回転ブラシを駆動する駆動手段とを備えているものであった。
【0004】
また、特許文献2に記載の洗浄機能を備えたパチンコ玉の補給装置は、一端にパチンコ玉の流入口が、他端にパチンコ玉の流出口がそれぞれ設けられた筒状のケーシングを備え、そのケーシング内には、パチンコ玉の流入口から適宜の長さにわたってスクリューが配置され、スクリューからパチンコ玉の流出口に至るまでは、回転ブラシが配置され、回転ブラシの外周にスパイラル状に巻かれたガイドコイルが配置され、駆動用モータによってスクリューと回転ブラシとが一緒に回転される構造となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-304848号公報
【特許文献2】実開昭60-116387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の球清掃装置は、遊技球が枠体と回転ブラシとの間に形成された隙間から自重によって落下させる際に遊技球の清掃が行われるものであることから、回転ブラシの弾性力を大きくした場合には球詰まりの原因となる一方で、回転ブラシの弾性力を小さくした場合には、清掃効果を低下させるという課題を有していた。
【0007】
また、特許文献2に記載のパチンコ玉の補給装置は、スクリューと回転ブラシを直列につないでいることから、装置全体が大型化するものであると共に、回転ブラシに1種類のブラシを使用しているのみなので、清掃効果よりもパチンコ玉の搬送に重点がおかれているものであった。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、詰まりを防いで、遊技球を確実に移送することができると共に、清掃効率を向上させることができる遊技球の清掃機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、遊技球を移送する移送通路と、前記移送通路の内部に設けられると共に長手方向に沿って配置された回転清掃体と、前記回転清掃体を回転させる駆動手段と、を備えた遊技球の清掃機構において、前記回転清掃体は、シャフトと、該シャフトの外周に螺旋状に配置された複数の清掃列と、を有し、前記清掃列は、弾性力の小さい清掃列と、該弾性力の小さい清掃列よりも弾性力が大きい清掃列とが前記シャフトの長手方向に沿って交互に現れるように形成され、前記遊技球は1個ずつ前記シャフトの長手方向における隣り合う前記弾性力の大きい清掃列の間に規制されると共に、案内されて移送されることを特徴としている。
【0010】
請求項1の発明では、回転清掃体の清掃列が螺旋状に形成されているため、弾性力の大きい清掃列による遊技球の移送と、弾性力の小さい清掃列による遊技球の清掃を同時に行うことができる。また、弾性力の小さい清掃列で遊技球の表面のゴミや汚れ等を磨き落とせると共に、弾性力の大きい清掃列で遊技球の表面のゴミや汚れを払い落とせる。また、遊技球は弾性力の小さい清掃列に包み込まれながら移送されるため、球体表面をムラなく均一に清掃することができるので、遊技球を確実に移送することができると共に、清掃効率を向上させることができる。
【0011】
請求項2の発明で、請求項1の発明において、弾性力の小さい清掃列の側面部と弾性力の大きい清掃列の側面部とが隣接して形成されていることを特徴としている。したがって、ゴミや汚れ等が清掃列間に侵入することを抑制でき、メンテナンス頻度を低減させることができる。また、回転清掃体の清掃面積が増加するため遊技球の清掃効率を向上させることができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、隣り合う弾性力の大きい清掃列間の距離は、遊技球の直径と略同一以上であることを特徴としている。したがって、弾性力の大きい清掃列間に遊技球をスムーズに収容できると共に、遊技球の詰まりを防ぎ、円滑に移送することができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、清掃列は、回転清掃体の回転軸の軸心方向に対する垂線に対して遊技球の移送方向側又は、遊技球の移送方向とは反対側に45度以下の傾斜角度を有することを特徴としている。したがって、遊技球の詰まりを防ぎ、円滑に移送することができる。清掃列を遊技球の移送方向側に傾斜させた場合には、回転清掃体の回転方向は遊技球を持ち上げる方向に回転させることになると共に、弾性力の大きい清掃列が遊技球に当接し跳ね返すように力が働くため、遊技球が弾性力の大きい清掃列間を前後に揺動し効果的に清掃できる。一方、遊技球の移送方向側とは反対側に傾斜させた場合には、回転清掃体の回転方向は遊技球を移送通路に押し付ける方向に回転させることになるため、弾性力の大きい清掃列が遊技球の表面のゴミ等を払い落とすように強く当接し効果的に清掃できる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1~4のいずれかの発明において、移送通路は、遊技球の移送方向に向かい下方に傾斜して形成されていることを特徴としている。したがって、回転清掃体の清掃列による遊技球の移送機能と、移送通路の傾斜による遊技球の移送機能との相乗効果により、遊技球の詰まりを防ぎ、円滑に移送することができる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1~5のいずれかの発明において、弾性力の大きい清掃列は、弾性力の小さい清掃列よりも毛丈が長いことを特徴としている。したがって、弾性力の大きい清掃列の毛丈が長いため遊技球の規制を確実に行うことができると共に、遊技球の詰まりを防ぎ、円滑に移送することができる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、弾性力の小さい短丈の清掃列は、先端部が遊技球の表面に当接すると共に、弾性力の大きい長丈の清掃列は、側面部の上方側が遊技球の表面に当接することを特徴としている。したがって、弾性力の小さい清掃列で遊技球の表面のゴミや汚れ等を磨き落とすと共に、弾性力の大きい清掃列で遊技球の表面のゴミや汚れ等を払い落とすことができるので、清掃効率を向上させることができる。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1~7のいずれかの発明において、回転清掃体に当接して付着した汚れを取り除く除去体を有していることを特徴としている。したがって、除去体が回転清掃体に付着したゴミや汚れ等を除去することができるため、回転清掃体のメンテナンス頻度を低減させることができると共に、清掃効率を向上させることができる。
【0018】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、除去体は、弾性力が大きい清掃列のみに当接することを特徴としている。したがって、回転清掃体への抵抗を抑えながら、効果的に回転清掃体に付着したゴミや汚れ等を除去することができ、メンテナンス頻度を低減させることができると共に、清掃効率を向上させることができる。
【0019】
請求項10の発明は、請求項8又は9の発明において、除去体は、回転清掃体を間に挟んで遊技球と対向する位置に設けられていると共に、前記除去体の鉛直下方にダストボックスが形成されていることを特徴としている。したがって、除去体が遊技球と対向する位置に設けられているため、除去体で取り除かれたゴミや汚れ等が遊技球に再付着することを防止することができる。また、除去体の鉛直下方にダストボックスが形成されているため、除去体にゴミや汚れ等を蓄積させずにダストボックスに移送することができる。さらに、除去体のメンテナンス頻度を低減させることができると共に、除去体からゴミや汚れ等が回転清掃体に再付着するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の遊技球の清掃機構の発明は、遊技球を確実に移送することができると共に、清掃効率を向上させることができる。また、請求項2の発明は、メンテナンス頻度を低減させることができる。また、請求項3~5の発明は、遊技球の詰まりを防ぎ、円滑に移送することができる。
【0021】
請求項6の発明は、遊技球の規制を確実に行うことができると共に、遊技球の詰まりを防ぎ、円滑に移送することができる。また、請求項7の発明は、清掃効率を向上させることができる。
【0022】
請求項8及び9の発明は、回転清掃体のメンテナンス頻度を低減させることができると共に、清掃効率を向上させることができる。また、請求項10の発明は、除去体で取り除かれたゴミや汚れ等が遊技球に再付着することを防止することができると共に、除去体にゴミや汚れ等を蓄積させずにダストボックスに移送することができる。さらに、除去体のメンテナンス頻度を低減させることができると共に、除去体からゴミや汚れ等が回転清掃体に再付着するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】本発明の遊技球の清掃機構を構成する回転清掃体の斜視図
【
図4】
図4(a)~(e)本発明に係る遊技球の清掃機構における遊技球の動きを示す
図1のB-B断面図
【
図5】(a)第1実施形態の回転清掃体を示す正面図(b)第2実施形態の回転清掃体を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る遊技球の清掃機構を示す斜視図である。
図1を用いて本発明に係る遊技球の清掃機構の概要について以下に説明する。尚、
図1に示す遊技球の清掃機構は、遊技機本体内に設置する場合の実施形態を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機に遊技球を供給する遊技球供給装置等の遊技球が移送される通路を備えた装置に設置される清掃機構であれば本発明に含まれる。
【0025】
図1に示す本発明に係る遊技球の清掃機構10は、筐体1に遊技球を移送する移送通路2と、移送通路2の内部に設けられると共に長手方向に沿って配置された回転清掃体3と、回転清掃体3を回転させる駆動手段4(モーター)とを備えている。尚、
図1では説明上、筐体1の一部を取り除いて移送通路2の内部を図示している。
【0026】
遊技球5は、投入口6から落下して予備清掃部7を通過した後、移送通路2内に至る。次に、移送通路2のテーブル2a上を図面上、左から右へと移動し、球上げ機構8に至る。次に、球上げ機構8で上方に移送された後、排出口9から排出される構成としている。
【0027】
予備清掃部7の内部には図示しないが角筒状の四方の壁面に、長手方向に沿って清掃ブラシが固定されており、遊技球5が落下する際に遊技球の表面が清掃ブラシに当接してゴミや汚れ等が予備的に取り除かれる。
【0028】
球上げ機構8は、スクリュー8aが回転することによって遊技球5が上方に移送される構成としているが、ベルト等、他の構成によって遊技球5を上方に移送してもよい。
【0029】
清掃機構10は、
図1には示されていないが、後述するように、回転清掃体に当接して付着した汚れを取り除く除去体が設置されている(
図3参照)。これにより、除去体が回転清掃体3に付着したゴミや汚れ等を除去することができるため、回転清掃体3のメンテナンス頻度を低減させることができると共に、清掃効率を向上させることができる。
【0030】
清掃機構10は、移送通路2が遊技球5の移送方向に向かい下方に傾斜して形成されている。具体的には、筐体1を水平面に設置した状態で、移送通路2のテーブル2aが水平面に対して移送方向側が低くなるように約5度傾斜させている。これにより、回転清掃体3による遊技球の移送機能と、移送通路2の傾斜による遊技球の移送機能との相乗効果により、遊技球5の詰まりを防ぎ、円滑に移送することができる。尚、傾斜角度は5度以下であっても、5度以上であっても遊技球5を移送させることは可能であり、回転清掃体の回転速度や回転清掃体の螺旋の角度に応じて、適宜選択することができる。
【0031】
図2は、本発明の遊技球の清掃機構を構成する回転清掃体の斜視図である。回転清掃体3は、シャフト11と、シャフト11の外周に螺旋状に配置された複数の清掃列12、13とを有しており、清掃列12、13は、弾性力の小さい清掃列12と、この弾性力の小さい清掃列12よりも弾性力が大きい清掃列13とがシャフト11の長手方向に沿って交互に現れるように形成され、遊技球5は1個ずつシャフト11の長手方向における隣り合う弾性力の大きい清掃列13、13の間に規制されると共に、案内されて移送される構成としている。尚、弾性力が大きい清掃列は、毛腰が硬い清掃列と言い換えることができる。同様に、弾性力が小さい清掃列は、毛腰が柔らかい清掃列と言い換えることができる。また、清掃列は毛材、不織布、合成樹脂発泡体(スポンジ)などの遊技球を清掃可能な材質であれば、本発明に含まれる。尚、ギア4aは、
図1で説明した駆動手段4(モーター)の回転軸に取り付けられているギア(図示せず)と歯合するものであり、駆動手段4の回転軸が回転することによって回転清掃体3が回転する構成としている。
【0032】
また、弾性力の小さい清掃列12の側面部12aと弾性力の大きい清掃列13の側面部13aとが隣接して形成されている。これにより、ゴミや汚れ等が清掃列12、13間に侵入することを抑制でき、メンテナンス頻度を低減させることができる。また、回転清掃体3の清掃面積が増加するため遊技球の清掃効率を向上させることができる。
【0033】
また、隣り合う弾性力の大きい清掃列13、13間の距離は、遊技球5の直径と略同一以上としている。これにより、弾性力の大きい清掃列13、13間に遊技球5をスムーズに収容できると共に、遊技球5の詰まりを防ぎ、円滑に移送することができる。
【0034】
また、弾性力の大きい清掃列13は、弾性力の小さい清掃列12よりも毛丈を長くしている。これにより、遊技球5の規制を確実に行うことができると共に、遊技球5の詰まりを防ぎ、円滑に移送することができる。
【0035】
また、弾性力の小さい短丈の清掃列12は、先端部12bが遊技球5の表面に当接すると共に、弾性力の大きい長丈の清掃列13は、側面部13aの上方側が遊技球5の表面に当接するようにしている。これにより、弾性力の小さい短丈の清掃列12で遊技球5の表面のゴミや汚れ等を磨き落とすと共に、弾性力の大きい長丈の清掃列13で遊技球5の表面のゴミや汚れ等を払い落とすことができるので、清掃効率を向上させることができる。
【0036】
図3は、
図1のA-A断面図である。
図3に示すように、清掃機構10は、回転清掃体3に当接して付着した汚れを取り除く除去体14を有している。この除去体14が回転清掃体3に付着したゴミや汚れ等を除去することができるため、回転清掃体3のメンテナンス頻度を低減させることができると共に、清掃効率を向上させることができる。尚、
図3中の矢印は回転清掃体3の回転方向を示している。
【0037】
除去体14は、弾性力が大きい長丈の清掃列13のみに当接するようにしている。これにより、回転清掃体3への抵抗を抑えながら、効果的に回転清掃体3に付着したゴミや汚れ等を除去することができ、メンテナンス頻度を低減させることができると共に、清掃効率を向上させることができる。
【0038】
除去体14は、回転清掃体を間に挟んで遊技球5と対向する位置に設けられていると共に、除去体14の鉛直下方に、筐体1に対して着脱可能なダストボックス15が形成されている。除去体14が遊技球5と対向する位置に設けられているため、除去体14で取り除かれたゴミや汚れ等16が遊技球5に再付着することを防止することができる。また、除去体14の鉛直下方にダストボックス15が形成されているため、除去体14にゴミや汚れ等16を蓄積させずにダストボックス15に移送することができる。さらに、除去体14のメンテナンス頻度を低減させることができると共に、除去体14からゴミや汚れ等16が回転清掃体3に再付着するのを防止することができる。
【0039】
尚、点線で示す除去体14aのように、弾性力が小さい短丈の清掃列12のみに当接させるか、弾性力が小さい短丈の清掃列12と弾性力が大きい長丈の清掃列13の両方に当接させるように設置することも可能である。この場合には、回転清掃体3の回転方向を逆方向に回転させることによって、遊技球5がダストボックス15内に落ちるのを防ぐことができると共に、除去体14aからゴミや汚れ等16をダストボックス15に移送することができる。また、本実施形態では2種類の弾性力が異なる清掃列を使用しているが、3種類や4種類など複数種類の弾性力が異なる清掃列を使用しても、シャフトに対して弾性力が小さい清掃列と弾性力が大きい清掃列が交互に配置されていれば、本発明に含まれる。
【0040】
図4は、
図1のB-B断面図であり、
図4(a)~(e)を用いて本発明に係る遊技球の清掃機構における遊技球の動きを説明する。移送通路2のテーブル2aは図面上、右方向が低くなるように傾斜していることから
図4(a)の矢印で示すように、遊技球5は、移送通路2内に進入して弾性力が大きい長丈の清掃列13に当接するため、同清掃列13は大きく撓むこととなる。
【0041】
次に、
図4(b)に示すように、前方の弾性力が大きい長丈の清掃列13に跳ね返された遊技球5は、矢印で示すように移動し、後方の弾性力が大きい長丈の清掃列13に当接することとなり、同清掃列13は撓むこととなる。尚、遊技球5が後方に移動中は、弾性力が小さい短丈の清掃列12の先端部12bに当接した状態となっている。そして、
図4(c)に示すように、後方の弾性力の大きい長丈の清掃列13に跳ね返される力と、清掃列13の螺旋による案内と、傾斜面で形成されたテーブル2aとによって、遊技球5は前方に進んで前方の弾性力が大きい長丈の清掃列13に再び当接することとなり、同清掃列13は撓むこととなる。
【0042】
次に、
図4(d)に示すように、遊技球5は、再び前方の弾性力が大きい長丈の清掃列13に跳ね返されることとなるが、遊技球5が後方に移動する勢いは
図4(a)で移送通路2内に進入した時よりも弱く、後方の弾性力が大きい長丈の清掃列13には当接せずに、中間位置あたりで前方に方向を変えることとなる。そして、最後に
図4(e)に示すように、前方の弾性力が大きい長丈の清掃列13に寄りかかりながら前方に案内されて
図1に示した球上げ機構へと移送される。
【0043】
以上より遊技球5は、単に回転清掃体3の側面を長手方向に沿って通過するだけでなく、前進と後退を繰り返しながら移動することで、弾性力の小さい短丈の清掃列12との当接面積が増加し、遊技球5の表面に付着しているゴミや汚れ16を確実に磨き落とすことができる。また、遊技球5はテーブル2a傾斜面、清掃列13の螺旋による案内、後方の弾性力の大きい長丈の清掃列13の跳ね返す力により、前方の弾性力の大きい長丈の清掃列13に強く当接するため、遊技球5の表面のゴミや汚れ16を強く払い落とすことができる。
【0044】
尚、本実施形態では弾性力の大きい長丈の清掃列13、13間の距離を、遊技球5の直径より長くすることで本発明の効果をより増加させているが、弾性力の大きい長丈の清掃列13、13間の距離を遊技球5の直径と略同一としても本発明に含まれる。係る場合は、遊技球5が弾性力の大きい長丈の清掃列13、13と、前方側及び後方側で常に当接するため、ゴミや汚れ16を払い落とす面積が増加し清掃効率が向上する。また、遊技球5を1個ずつ確実に規制できるため、球詰まりを防止でき、スムーズに移送させることができる。
【0045】
図5(a)は、第1実施形態の回転清掃体を示す正面図であり、
図5(b)は、第2実施形態の回転清掃体を示す正面図である。
図5(a)に示す第1実施形態の回転清掃体3では、清掃列12、13は、回転清掃体3の回転軸(シャフト11)の軸心方向に対する垂線に対して遊技球の移送方向側(白ぬき矢印で示す)に45度以下の傾斜角度Yを有するようにしている。これにより、回転清掃体3の回転方向(矢印で示す)は遊技球5を移送通路のテーブルに押し付ける方向に回転させることになるため、弾性力の大きい清掃列13が遊技球5の表面のゴミ等を払い落とすように強く当接し効果的に清掃できる。尚、傾斜角度Xは、前述したように、筐体を水平面に設置した状態で、移送通路のテーブルが水平面に対して移送方向側が低くなるように傾斜させた場合の傾斜角度である。
【0046】
一方、
図5(b)に示す第2実施形態の回転清掃体3Aでは、清掃列12A、13Aは、回転清掃体3Aの回転軸(シャフト11)の軸心方向に対する垂線に対して遊技球5の移送方向(白ぬき矢印で示す)とは反対側に45度以下の傾斜角度Zを有するようにしている。これにより、回転清掃体3Aの回転方向(矢印で示す)は遊技球5を持ち上げる方向に回転させることになると共に、弾性力の大きい清掃列13Aが遊技球5に当接し跳ね返すように力が働くため、遊技球5が弾性力の大きい清掃列13A、13A間を前後に揺動し効果的に清掃できる。
【0047】
図6は、第3実施形態の回転清掃体を示す断面図である。第3実施形態の回転清掃体3Bでは、弾性力の小さい清掃列12Bと弾性力の大きい清掃列13Bの毛丈の長さを略同一にしている。また、除塵体14bは、両方の清掃列12B、13Bに当接させている。ここで、シャフト11の外周に清掃列12B、13Bが螺旋状に配置された構成と、清掃列12Bと13Bとがシャフト11の長手方向に沿って交互に現れるように形成され、遊技球5は1個ずつシャフト11の長手方向における隣り合う弾性力の大きい清掃列13B、13Bの間に規制されると共に、案内されて移送される構成は、第1実施形態と同一である。第3実施形態の回転清掃体3Bでは、第1実施形態の回転清掃体よりも遊技球5が弾性力の小さい清掃列12Bの内部に入り込んで移送されるため、当接する力が強くなることから清掃効率をさらに向上させることができる。尚、弾性力の大小は、清掃列を構成する毛材の材質、線径、毛丈などを変えることによって実現することができるが、回転清掃体を構成する清掃列に不織布や合成樹脂発泡体(スポンジ)を用いることによっても可能であり、これも本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る遊技球の清掃機構は、遊技機本体や遊技機に遊技球を供給する遊技球供給装置等の遊技球が移送される通路を備えた装置に設置されて利用される。
【符号の説明】
【0049】
1 筐体
2 移送通路
2a テーブル
3、3A、3B 回転清掃体
4 駆動手段
4a ギア
5 遊技球
6 投入口
7 予備清掃部
8 球上げ機構
9 排出口
10 遊技球の清掃機構
11 シャフト
12、12A、12B 弾性力の小さい清掃列
12a、13a 側面部
12b 先端部
13、13A、13B 弾性力の大きい清掃列
14、14a、14b 除去体
15 ダストボックス
X、Y、Z 傾斜角度