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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031160
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】超音波式流量測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/66 20220101AFI20220210BHJP
【FI】
G01F1/66 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021121349
(22)【出願日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2020133064
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517115086
【氏名又は名称】株式会社琉SOK
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】村上 英一
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035DA08
(57)【要約】
【課題】簡便な保持機構により、測定管路部への超音波送受信器の固定を安定させて保持する。
【解決手段】測定管路部1aの両端側部に流体入口部1b、流体出口部1cが形成されており、流体入口部1b、流体出口部1cの端部には、別体の流体入口管1d、流体出口管1eが接続されている。測定管路部1aの両側部には、超音波送受信器3の取付面が壁面として形成され、斜め方向に正対している。保持部材2には、管路部材1の流体入口部1b、流体出口部1c、取付面を囲む箱状の枠部2a、2bが両端に形成され、枠部2a、2b同士は両側部に設けられた一対のばね部2h、2iにより連結されている。組立てに際して、保持部材2はばね部2h、2iを引き伸ばして枠部2a、2b間を拡げ、超音波送受信器3を内側に押して取付面に密着固定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管状の測定管路部の2個所の取付面に、一対の超音波送受信器を取り付ける管路部材と、ばね部を備え前記管路部材を囲んで保持する保持部材とを有する超音波式流量測定装置であって、
前記保持部材は両端に、前記測定管路部の取付面に取り付けた前記超音波送受信器をそれぞれ収納する枠部を備え、該枠部間を連結した前記ばね部により前記枠部同士を引き寄せ合うことで、前記超音波送受信器を前記取付面に対して押圧して固定することを特徴とする超音波式流量測定装置。
【請求項2】
前記取付面は前記測定管路部の両側部に膨出部を設けこれらの膨出部に設けた壁面とし、前記取付面同士は前記測定管路部を斜めに横断する線分に沿って正対していることを特徴とする請求項1に記載の超音波式流量測定装置。
【請求項3】
前記取付面は前記測定管路部の両端部に設けた壁面とし、前記取付面同士は前記測定管路部の中心線に沿って正対していることを特徴とする請求項1に記載の超音波式流量測定装置。
【請求項4】
前記保持部材は、前記枠部内に設けた取付部材を介して、前記超音波送受信器を前記取付面に固定することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の超音波式流量測定装置。
【請求項5】
前記取付部材は前記超音波送受信器を前記取付面に対して位置決めすることを特徴とする請求項4に記載の超音波式流量測定装置。
【請求項6】
前記枠部間を連結する前記ばね部は合成樹脂製又は金属製とし、前記枠部の両側に配置して固定したことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の超音波式流量測定装置。
【請求項7】
前記枠部間を連結する前記ばね部は、前記枠部の両側に配置し、側面から見た際にS字が連続する形状していることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の超音波式流量測定装置。
【請求項8】
前記測定管路部の両端に流体入口管と流体出口管とを接続し、前記保持部材に設けた支持部を流体入口管、前記流体出口管に係止したことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の超音波式流量測定装置。
【請求項9】
前記管路部材と前記保持部材の組立体に対し、該組立体を覆うカバー部材を被着したことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の超音波式流量測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波ビームを流体中に伝播して流速を検出する超音波式流量測定装置であって、一対の超音波送受信器を測定管路部に保持するための保持部材を有する超音波式流量測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超音波式流量計においては、測定管路部内で流速方向、反流速方向に交互に超音波ビームを測定流体中に伝播して、その伝播時間を検出して、時間差法により流体の流速つまり流量を測定する。
【0003】
流体に対する超音波ビームの伝播には、一対の超音波送受信器のZ法、V法、I法などの配置の違いによる伝播方法がある。
【0004】
管体内に超音波ビームを伝播させ送受信するには、管体の2個所に超音波送受信器を配置する必要がある。特許文献1には、超音波送受信器を管体に取り付けるための取付機構が開示されているが、極めて大掛かりである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-221137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、小型の超音波流量計では、測定管路部とその周辺機構を含めて小型化が要望されており、小型化を維持しながら超音波送受信器を確実に固定し、また必要に応じて簡便に取り付け、取り外すことはなかなか難しい。
【0007】
本発明の目的は、上述の課題を解決し、簡便な保持機構により、測定管路部への超音波送受信器の固定を安定させて保持できる小型の超音波式流量測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る超音波式流量測定装置は、直管状の測定管路部の2個所の取付面に、一対の超音波送受信器を取り付ける管路部材と、ばね部を備え前記管路部材を囲んで保持する保持部材とを有する超音波式流量測定装置であって、前記保持部材は両端に、前記測定管路部の取付面に取り付けた前記超音波送受信器をそれぞれ収納する枠部を備え、該枠部間を連結した前記ばね部により前記枠部同士を引き寄せ合うことで、前記超音波送受信器を前記取付面に対して押圧して固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る超音波式流量測定装置によれば、管路部材を保持部材により囲み、超音波送受信器を測定管路部に押圧して固定することを、小型化して簡便に適用できる。また、流体からの熱の影響により管路部材が膨張、収縮しても、ばね部を設けることで超音波送受信器に対して常時、所定の押圧力で付勢することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の超音波式流量測定装置の分解斜視図である。
図2】管路部材の断面図である。
図3】保持部材の断面図である。
図4】組立てた状態の斜視図である。
図5】組立てた状態の断面図である。
図6】超音波式流量測定装置をカバー部材で覆った状態の斜視図である。
図7】実施例2の分解斜視図である。
図8】管路部材の断面図である。
図9】保持部材の断面図である。
図10】組立てた状態の斜視図である。
図11】組立てた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例0012】
図1は実施例1の超音波式流量測定装置の分解斜視図、図2は管路部材の断面図、図3は保持部材の断面図であり、1は管路部材、2は保持部材、3は超音波送受信器、4は取付部材、5は固定ねじ、6は固定リングである。
【0013】
管路部材1は合成樹脂材から成り、例えば長さ140mm、直径25mmの直管状の測定管路部1aの両端部は、流体入口部1bと流体出口部1cとされ、これらの流体入口部1bと流体出口部1cとの端部に、それぞれ別体で同径の流体入口管1dと流体出口管1eとが直線状に接続されている。
【0014】
測定管路部1aの中間部の両側部に、斜め方向外側に向けて一対の膨出部1f、1gが突出されている。膨出部1f、1gには、超音波送受信器3の取付面1h、1iが壁面として形成され、両側の取付面1h、1i同士は、測定管路部1a内を斜め方向に、例えば角度25度で横切る線分Sに沿って正対している。
【0015】
測定管路部1aは一体にして製造され、例えばブロー成型法が適用されている。ブロー成型法では、測定管路部1aはその外形と一致し、加熱した金型内に、合成樹脂材から成る軟融した袋状のバリソンを配置して、バリソン内に空気を吹き込んで成型し、バリソンの冷却後に金型を外して成型品を取り出す。この成型により、流体入口部1b、流体出口部1c、膨出部1f、1gを有する測定管路部1aが得られる。その後に、流体入口部1b、流体出口部1cの端部を切断し、これらの端部に、流体入口管1d、流体出口管1eをそれぞれ溶着により接続して、管路部材1を得る。
【0016】
保持部材2は合成樹脂材から成り、管路部材1の流体入口部1b、流体出口部1c、膨出部1f、1gを囲み、超音波送受信器3を収納する箱状の枠部2a、2bが両端に設けられている。各枠部2a、2bは、測定管路部1aを挟み込む側面板2c、2dと、これらの側面板2c、2d間に設けられた押圧板2eがコ字状に連結されている。また、側面板2c、2d同士は支軸2fにより連結されている。
【0017】
枠部2a及び2bの先端には、流体入口管1d及び流体出口管1eに沿って、これらの一部に係合する断面略半円状の支持部2gが延在されている。支持部2gの先端部は、後述する固定リング6を取り付けるために縮径されている。
【0018】
枠部2a、2b同士は両側の一対のばね部2h、2iにより連結されている。ばね部2h、2iは、枠部2a、2b間の両側の側面板2c、2dに連接され、枠部2a、2b同士を引き寄せる引張りばね力が生ずるように、側面から見るとS字が連続する形状とされており、付勢力を蓄えている。なお、ばね部2h、2iの形状は、引張りばね力を発生する適宜の形状を採用することができる。
【0019】
このような枠部2a、2bに設けられた押圧板2eは、保持部材2を管路部材1に装着した場合に、測定管路部1aの取付面1h、1iとそれぞれ平行となるようにされている。そして、押圧板2eには、固定ねじ5が螺合し挿通するためのねじ孔2jが形成されている。
【0020】
超音波送受信器3は超音波ビームを送受信するピエゾ素子から成り、測定管路部1aの取付面1h、1iの外側にそれぞれ配置可能とされており、リード線3aが付設されている。超音波送受信器3を背後から覆う取付部材4は、超音波送受信器3を取付面1h、1iに確実に位置させるために、測定管路部1a、枠部2a及び2bに嵌合可能とされている。
【0021】
固定ねじ5は、押圧板2eのねじ孔2jに螺合して、取付部材4を背面から押圧し、超音波送受信器3を取付面1h、1iに密着させる。
【0022】
固定リング6は、保持部材2の支持部2gと管路部材1とに嵌合して、これら間の固定に用いられる。固定リング6は略円環状とされ、片半部6aの内径は流体入口管1d、流体出口管1eの外径と一致し、他半部6bの内径は縮径された支持部2gの円弧状の外径と一致している。
【0023】
超音波送受信器3を取付面1h、1iに取り付けるには、固定ねじ5をねじ孔2jに螺合し、その先端を枠部2a、2b内に突出可能にしておく。そして、取付面1h、1iの外面に超音波ビームの伝達を良好にするためのグリスを塗布し、超音波送受信器3の外側に取付部材4を被着して、超音波送受信器3を取付面1h、1iに固定する。
【0024】
続いて、管路部材1を保持部材2内に斜め方向に潜らせながら、管路部材1に保持部材2を装着し、図4図5に示すように、枠部2a、2bに設けた支持部2gの管路部材1に対する係合によって、保持部材2の姿勢を安定させる。
【0025】
この保持部材2の装着では、ばね部2h、2iを引き伸ばして枠部2a、2b間を拡げ、両側の取付部材4を内側に押して、超音波送受信器3を取付面1h、1iに密着させ、更に固定ねじ5の螺合により押圧して密着性を高める。更に、固定リング5により、保持部材2の支持部2gと管路部材1とを固定する。
【0026】
このようにして、保持部材2を管路部材1に装着することにより、管路部材1は確実に保持部材2によって保持されることになる。
【0027】
固定ねじ5の螺合は、ばね部2h、2iの付勢力に抗して、枠部2a、2bの間隔を拡げるように作用し、超音波送受信器3を取付面1h、1iに押さえ付ける。また、固定ねじ5は螺合の程度により、超音波送受信器3の密着性を調整できるので、超音波送受信器3の出力特性を調整可能となる。
【0028】
なお、固定ねじ5を使用せずに、枠部2a、2bの押圧板2eから内方に向けて突部を形成して、この突部の先端で取付部材4を押し付けることもできる。
【0029】
このようにして、保持部材2を管路部材1の外側に装着することにより、測定管路部1aに超音波送受信器3を取り付けた状態を確実かつ簡便に維持できる。
【0030】
組み立てられた超音波式流量測定装置では、測定すべき流体は、図5において流体入口管1d、流体入口部1bから矢印のように流入し、更に測定管路部1a内を経て流体出口部1c、流体出口管1eから排出される。
【0031】
流体は測定管路部1a内を流通する過程において、図示しない電気回路からリード線3aを介して超音波送受信器3に制御信号等を送受信して超音波送受信器3を作動し、流量の測定がなされる。つまり、測定管路部1aの両側に配置された超音波送受信器3から、測定管路部1a内に交互に出射される超音波ビームBは、取付面1h、1i間を交互に伝播して、斜め方向に正対する相手側の超音波送受信器3との間で入出射する。
【0032】
測定管路部1a内における流体の流れ方向に伝播する超音波ビームBの所要時間と、流れと逆行方向に伝播する超音波ビームBの所要時間との時間差を検出し、流体の流速を公知の方法によって演算により求める。
【0033】
このように、実施例1の超音波式流量測定装置によれば、管路部材1を保持部材2により囲み、超音波送受信器3を測定管路部1aの取付面1h、1iに押圧して、小型化して簡便に使用できる。
【0034】
また、流体からの熱の影響により、管路部材1が膨張、収縮しても、保持部材2にばね部2h、2iを設けることで、超音波送受信器3に対して、常時、所定の押圧力を加えることが可能である。なお、上述の熱の影響により、管路部材1の膨張、収縮に応じて、保持部材2も若干膨張、収縮し、超音波送受信器3に対して一定の押圧力を維持することができる。
【0035】
使用中には、この超音波式流量測定装置はカバー部材で覆うことが好適であり、図6は防水、防塵、固定のために、カバー部材7によって覆った状態の斜視図である。カバー部材7は合成樹脂材から成り、2つ割りとされている。組立て後の超音波式流量測定装置の外側に被着し、ビスにより固定する。
【0036】
カバー部材7の流体入口管1d、流体出口管1eを覆う部分には、シール材7bを介して防水、防塵構造とされ、リード線3aを引き出す2個所の部分も同様にシールされている。カバー部材7に設けた取付部7aによって、カバー部材7により覆われた超音波式流量測定装置を周囲のフレーム等に固定する。
【実施例0037】
図7は実施例2の超音波式流量測定装置の分解斜視図である。 管路部材11は図8の断面図に示すように、中央の例えば長さ60mm、直径8mmの直管状の測定管路部11aの両端の側部に、同径の流体入口部11bと流体出口部11cが設けられている。これらの流体入口部11bと流体出口部11cとの端部のそれぞれに、稍々小径で別体の流体入口管11dと流体出口管11eとが接続されている。
【0038】
流体入口管11d、流体出口管11eは、測定管路部11aに対して対称的に反対方向に稍々傾斜して接続されているが、流体入口管11d、流体出口管11e同士は同一軸線上にほぼ直線状に配置されている。また、測定管路部11aの両端部には、超音波送受信器13の取付面11h、11iが壁面として形成され、取付面11h、11i同士は測定管路部11aの中心線に沿って正対している。
【0039】
この流体入口部11b、流体出口部11c、取付面11h、11iを有する測定管路部11aの成型には、実施例1と同様にブロー成型法が適用できる。成型後に、流体入口部11b、流体出口部11cの端部を切断し、これらの端部に流体入口管11d、流体出口管11eをそれぞれ溶着により接続する。
【0040】
保持部材12は実施例1とほぼ同様の構成を有し、超音波送受信器13を収納すると共に、管路部材11の流体入口部11b、取付面11hを囲む枠部12aと、流体出口部11c、取付面11iを囲む枠部12bとが両端に形成され、これらの枠部12a、12b同士は一対のばね部12h、12iにより実施例1と同様に連結されている。
【0041】
保持部材12は、管路部材11に装着した場合に、枠部12a、12bの押圧板12eが、測定管路部11aの取付面11h、11iとそれぞれ平行となるようにされ、押圧板12eには、固定ねじ15を螺合するためのねじ孔12jが形成されている。
【0042】
また、枠部12a、12bのそれぞれの先端には、保持部材12を測定管路部11aの所定位置に取り付けるために、流体入口管11d、流体出口管11eに係合する半円筒状の支持部12gが延在されている。
【0043】
超音波送受信器13は測定管路部11aの取付面11h、11iの外側にそれぞれ配置可能とされている。取付部材14は略短円柱形で、その外径は超音波送受信器13とほぼ同径で、一部に超音波送受信器13のリード線13aを引き出す切欠部が形成されている。固定ねじ15は、測定管路部11aのねじ孔12jに螺合して、取付部材14の背部を押圧し、超音波送受信器13を取付面11h、11iに密着させる。
【0044】
更に、固定リング16は、保持部材12の支持部12gと管路部材11との間の固定に用いられ、実施例1と同様に、片半部16aの内径、他半部16bの内径は、それぞれ流体入口管11d、流体出口管11eの外径、支持部12gの外径と一致している。
【0045】
超音波送受信器13を取り付けるには、取付面11h、11iに、超音波ビームの伝達を良好にするためのグリスを介して超音波送受信器13を貼り付け、その外側から取付部材14を被着して取付面11h、11iに押圧する。
【0046】
そして、管路部材11を保持部材12内に斜め方向に潜らせながら、管路部材11に保持部材12を装着する。支持部12gは流体入口管11d、流体出口管11eに係合し、保持部材12の姿勢を安定させる。
【0047】
この装着に際して、保持部材12はばね部12h、12iを引き伸ばして枠部12a、12b間を拡げ、両側の取付部材14を固定ねじ15の螺合により内側に押して、超音波送受信器13を取付面11h、11iに密着させる。更に、支持部12gを固定リング16を用いて管路部材1に固定する。このようにして、保持部材12を管路部材11に装着するので、管路部材11は確実に保持部材12によって保持されることになる。
【0048】
組み立てられた超音波式流量測定装置では、測定すべき流体は、図11において、流体入口管11d、流体入口部11bから矢印のように流入し、更に測定管路部11aを経て流体出口部11c、流体出口管11eから排出される。流体は測定管路部11a内を流通する過程において、超音波送受信器13から送受信され、測定管路部11a内を直進する超音波ビームBを用いて、実施例1と同様の演算により流量の測定がなされる。
【0049】
この実施例2においても、超音波式流量測定装置をカバー部材7によって被着することが好適である。
【0050】
実施例1、2のばね部2h、2i、12h、12iについては、枠部2a、2b、12a、12bと一体化した合成樹脂製としているが、高温の流体を測定した場合等に、樹脂の温度が上昇すると、ばね部2h、2i、12h、12iが弾性力を失ったり、温度が低下しても失った弾性力が復元しないことがある。
【0051】
そのため、このように高温となる可能性がある場合には、ばね部2h、2i、12h、12iをSUSなどの金属製とし、両側の枠部2a、2b、12a、12b間に固定することが好ましい。
【0052】
なお、実施例1、2における上下、左右、前後の用語は、図面に対しての説明であり、実際の装置がこれらの用語によって限定されるものではない。
【符号の説明】
【0053】
1、11 管路部材
1a、11a 測定管路部
1b、11b 流体入口部
1c、11c 流体出口部
1d、11d 流体入口管
1e、11e 流体出口管
1f、1g 膨出部
1h、1i、11h、11i 取付面
2、12 保持部材
2a、2b、12a、12b 枠部
2c、2d、12c、12d 側面板
2e、12e 押圧板
2g、12g 支持部
2h、2i、12h、12i ばね部
2j、12j ねじ孔
3、13 超音波送受信器
4、14 取付部材
5、15 固定ねじ
6、16 固定リング
7 カバー部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11