IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジーエヌ リザウンド エー/エスの特許一覧

特開2022-31171閉塞低減のための聴覚装置およびその構成要素
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031171
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】閉塞低減のための聴覚装置およびその構成要素
(51)【国際特許分類】
   H04R 25/00 20060101AFI20220210BHJP
   H04R 25/02 20060101ALI20220210BHJP
   G10K 11/04 20060101ALI20220210BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20220210BHJP
   A61F 11/12 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
H04R25/00 G
H04R25/02 B
H04R25/00 Z
G10K11/04
H04R1/10 104B
A61F11/12 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021123573
(22)【出願日】2021-07-28
(31)【優先権主張番号】PA202070513
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナス ラウン ハンセン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン ボーリー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】イヤホン、ヘッドセット、補聴器等のような聴覚装置において、独自のダイヤフラムの特徴を有するイヤピースを提供する。
【解決手段】イヤピース10は、第1の端部12と、第1の端部と反対側の第2の端部14と、第2の端部よりも第1の端部に近い第1の位置から第1の端部よりも第2の端部に近い第2の位置まで延びる第1のチャネル18と、第1のダイヤフラム100とを含む。第1のダイヤフラムは、第1の表面102と、第1の表面と反対側の第2の表面104とを有する。第1のダイヤフラムの第1の表面は、第1のチャネル内の管腔120と流体連通する。第1のダイヤフラムは、第1のチャネルの長手方向軸130と平行な方向又は第1のチャネルの長手方向軸と鋭角を形成する方向に延びる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部と、
前記第1の端部と反対側の第2の端部と、
前記第2の端部よりも前記第1の端部に近い第1の位置から前記第1の端部よりも前記第2の端部に近い第2の位置まで延びる第1のチャネルと、
第1のダイヤフラムであって、前記第1のダイヤフラムは、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有し、前記ダイヤフラムの前記第1の表面は、前記第1のチャネル内の管腔と流体連通するように構成され、前記第1のダイヤフラムは、前記第1のチャネルの長手方向軸と平行な方向、または、前記第1のチャネルの前記長手方向軸と鋭角を形成する方向に延びる、前記第1のダイヤフラムと、
を備えるイヤピース。
【請求項2】
前記第1のダイヤフラムが延びる方向は、前記第1のチャネルの前記長手方向軸と非垂直な角度を形成する、請求項1に記載のイヤピース。
【請求項3】
前記ダイヤフラムの前記第1の表面が透水性であり、前記ダイヤフラムの前記第2の表面が非透水性である、請求項1または2に記載のイヤピース。
【請求項4】
前記第1のダイヤフラムは、前記イヤピースの開口部への挿入のために構成されたユニットの一部である、請求項1から3のいずれか一項に記載のイヤピース。
【請求項5】
前記ユニットは、第1の管端部と、第2の管端部と、前記第1の管端部と前記第2の管端部との間に延びる管本体とを有する管を備え、前記第1の管端部は第1の部分カバーを有し、前記第2の管端部は第2の部分カバーを有し、前記第1のダイヤフラムは、前記第1の管端部における前記第1の部分カバーと前記第2の管端部における前記第2の部分カバーとの間に連結される、請求項4に記載のイヤピース。
【請求項6】
第2のダイヤフラムをさらに備え、前記第1のダイヤフラムおよび前記第2のダイヤフラムは、異なるそれぞれの共振周波数の範囲に同調される、請求項1から5のいずれか一項に記載のイヤピース。
【請求項7】
レシーバをさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のイヤピース。
【請求項8】
環境から音を受信するように構成された第1のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォンに連結された処理ユニットとをさらに備え、前記処理ユニットは、前記第1のマイクロフォンからのマイクロフォン信号に基づいて出力信号を提供するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のイヤピース。
【請求項9】
外耳道音を受信するように構成された第2のマイクロフォンをさらに含み、前記第2のマイクロフォンは、アクティブ閉塞低減システムの一部である、請求項1から8のいずれか一項に記載のイヤピース。
【請求項10】
イヤピースのための構成要素であって、
第1の管端部と、第2の管端部と、前記第1の管端部と前記第2の管端部との間に延びる管本体とを有する管であって、前記第1の管端部が第1の部分カバーを有し、前記第2の管端部が第2の部分カバーを有する、前記管と、
前記第1の管端部における前記第1の部分カバーと前記第2の管端部における前記第2の部分カバーとの間に連結されるダイヤフラムと、を備え、
前記管の少なくとも一部は、前記イヤピースの開口部に挿入するための大きさおよび形状である、構成要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、閉塞低減能力を有する、イヤホン、ヘッドセット、補聴器等のような聴覚装置に関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞は、長い間、いくらかの補聴器ユーザにとって問題として認識されており、閉塞効果を低減するために継続的な努力がされてきた。
【0003】
閉塞効果を低減するための公知の解決策は、外耳道と周囲との間の圧力均等化を可能にするために、イヤピースまたはイヤモールドに通気孔を提供する。
【0004】
さらに、アクティブ閉塞低減(AOR)システムが開発されている。AORシステムは、外耳道内の音を検出するための外耳道マイクロフォンを有する。外耳道マイクロフォンは、レシーバと共にイヤピース内に設けられる。外耳道マイクロフォンからのマイクロフォン信号は、閉塞の影響を低減するように処理することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公知の解決策にもかかわらず、聴覚装置における改善された閉塞の低減または解消が依然として必要とされている。
【0006】
例えば、補聴器が耳に挿入されると閉塞が増加する。閉塞は、通気孔を有することによって、または、アクティブ閉塞低減(AOR)システムを使用してユーザの声を低減またはキャンセルすることによって低減することができる。このようなシステムでは、閉塞信号を低減するかキャンセルすることができるように、大きな低周波数(LF)出力を生成できるレシーバ(ラウドスピーカなど)が必要になる場合がある。補聴器は、電力効率の良いバランスのとれたアーマチュアレシーバを使用してもよい。しかしながら、そのような解決策は、特に、補聴器と外耳道との間に漏れがある場合、または、補聴器が小さすぎる通気孔を有する場合に、限られた低周波数能力を有することがある。
【0007】
場合によっては、受動ユニット(例えば、受動共振器/放射器)を採用して、レシーバに対する低周波要求をアンロードしてもよい。AOR機能性を改善することに加えて、受動ユニットは、システムのより良好なLF能力を保証してもよく、これは、音楽再生におけるように、LF性能を改善する。このようなシステムを機能させるために、受動ユニットの共振は、低周波数(例えば、1000Hz未満、200Hz未満、20Hzから200Hzの範囲等)に同調されてもよい。このような低周波数では、受動ユニットは、レシーバと比較して多くの空気を移動させることが要求されることがある(例えば、体積速度の2倍以上が必要とされることがある)。
【0008】
場合によっては、そのような受動ユニットを実装するために、ダイヤフラムが聴覚装置の閉塞解放通気孔の軸に対して垂直に配置され、通気孔を覆うことがある。しかしながら、通気孔が小さな断面寸法を有することがあるので、このような受動ユニットのダイヤフラムが、大きな可動域または空気体積速度を処理するのに十分なダイヤフラム面積を有さないことがある。
【0009】
従って、独自のダイヤフラムの特徴を有するイヤピースが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
イヤピースは、第1の端部と、前記第1の端部と反対側の第2の端部と、前記第2の端部よりも前記第1の端部に近い第1の位置から前記第1の端部よりも前記第2の端部に近い第2の位置まで延びる第1のチャネルと、第1のダイヤフラムとを含み、前記第1のダイヤフラムは、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有し、前記ダイヤフラムの前記第1の表面は、前記第1のチャネル内の管腔と流体連通するように構成され、前記第1のダイヤフラムは、前記第1のチャネルの長手方向軸に平行な方向、または、前記第1のチャネルの前記長手方向軸と鋭角を形成する方向に延びる。
【0011】
任意に、前記第1のダイヤフラムが延びる方向は、前記第1のチャネルの前記長手方向軸と非垂直な角度を形成する。
【0012】
任意に、前記第1のチャネルは、前記イヤピースがユーザによって装着されたときに、閉塞効果を低減するように、および/または、外耳道内の第1の空間と前記外耳道の外側の第2の空間との間に圧力均等化を提供するように構成される。
【0013】
任意に、前記第1のダイヤフラムは、シリコーン、延伸PTFE、アルミニウム、カーボン、または、前述の2つ以上の組合せから作製される。
【0014】
任意に、前記ダイヤフラムの前記第1の表面は透水性であり、前記ダイヤフラムの前記第2の表面は非透水性である。
【0015】
任意に、前記第1のダイヤフラムは、10mm/s以下の空気体積速度に対応するように構成される。
【0016】
任意に、前記第1のダイヤフラムは、前記イヤピースの開口部への挿入のために構成されるユニットの一部である。
【0017】
任意に、前記ユニットは、第1の管端部と、第2の管端部と、前記第1の管端部と前記第2の管端部との間に延びる管本体とを有する管を備え、前記第1の管端部は第1の部分カバーを有し、前記第2の管端部は第2の部分カバーを有し、前記第1のダイヤフラムが、前記第1の管端部における前記第1の部分カバーと前記第2の管端部における前記第2の部分カバーとの間に連結される。
【0018】
任意に、前記ユニットは、前記イヤピースの一部に着脱可能に連結される。
【0019】
任意に、前記イヤピースは、第2のダイヤフラムをさらに含む。
【0020】
任意に、前記イヤピースは、第2のチャネルをさらに含み、前記第2のダイヤフラムは、前記第2のチャネルの長手方向軸に平行であるか、または、前記第2のチャネルの前記長手方向軸と鋭角を形成する方向に延びる。
【0021】
任意に、前記第2のチャネルは、前記第1のチャネルに平行であるか、または、前記第1のチャネルと鋭角を形成する。
【0022】
任意に、前記第1のダイヤフラムおよび前記第2のダイヤフラムは、前記第1のチャネルの前記長手方向軸に沿って直列に配置される。
【0023】
任意に、前記第1のダイヤフラムおよび前記第2のダイヤフラムは、異なるそれぞれの共振周波数の範囲に同調される。
【0024】
任意に、前記第1のダイヤフラムは、発話音に対応する第1の共振周波数に同調され、前記第2のダイヤフラムは、非発話音に対応する第2の共振周波数に同調される。
【0025】
任意に、前記第1のダイヤフラムは、80Hzから1000Hzの任意の第1の共振周波数に同調され、前記第2のダイヤフラムは、80Hz未満の任意の第2の共振周波数に同調される。
【0026】
任意に、前記第1のダイヤフラムは、80Hzから1000Hzの間の任意の共振周波数に同調される。
【0027】
任意に、前記イヤピースはイヤホンであるか、または、ヘッドセットの一部である。
【0028】
任意に、前記イヤピースは、補聴器であるか、または、補聴器の一部である。
【0029】
任意に、前記イヤピースは、イヤモールドを含む。
【0030】
任意に、前記イヤピースは、In-The Canal(ITC)イヤピース、またはIn-The-Ear(ITE)イヤピースである。
【0031】
任意に、前記イヤピースは、レシーバをさらに含む。
【0032】
任意に、前記イヤピースは、環境から音を受信するように構成された第1のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォンに連結された処理ユニットとをさらに含み、前記処理ユニットは、前記第1のマイクロフォンからのマイクロフォン信号に基づいて出力信号を提供するように構成される。
【0033】
任意に、前記イヤピースは、外耳道音を受信するように構成された第2のマイクロフォンをさらに含み、前記第2のマイクロフォンは、アクティブ閉塞低減システムの一部である。
【0034】
任意に、前記アクティブ閉塞低減システムは、閾値周波数を超えてアクティブであるように構成され、前記第1のダイヤフラムは、前記閾値周波数を下回る共振周波数を有する。
【0035】
任意に、前記閾値周波数は80Hzである。
【0036】
任意に、前記処理ユニットは、閉塞低減ユニットを備える。
【0037】
補聴器は、前記イヤピースと、Behind-The-Ear(BTE)ユニットとを含み、前記BTEユニットは、環境から音を受信するように構成された第1のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォンに連結された処理ユニットとを含む。
【0038】
任意に、前記補聴器は、外耳道音を受信するように構成された第2のマイクロフォンをさらに含み、前記第2のマイクロフォンは、アクティブ閉塞低減システムの一部である。
【0039】
補聴器は、前記イヤピースと、Behind-The-Ear(BTE)ユニットとを含み、前記BTEユニットは、環境から音を受信するように構成された第1のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォンに連結された処理ユニットと、前記処理ユニットに連結されたレシーバとを含む。
【0040】
イヤピースの構成要素であって、第1の管端部と、第2の管端部と、前記第1の管端部と前記第2の管端部との間に延びる管本体とを有する管であって、前記第1の管端部は第1の部分カバーを有し、前記第2の管端部は第2の部分カバーを有する、前記管と、前記第1の管端部の前記第1の部分カバーと前記第2の管端部の前記第2の部分カバーとの間に連結されたダイヤフラムと、を含み、前記管の少なくとも一部は、前記イヤピースの開口部に挿入するための大きさおよび形状である、イヤピースの構成要素。
【0041】
任意に、前記ダイヤフラムは、前記管内の管腔を第1の空間と第2の空間とに分割する。
【0042】
任意に、前記第1の空間は、前記管が前記イヤピースの開口部に挿入されたときに、前記イヤピース内のチャネルと流体連通するためのものである。
【0043】
任意に、前記第1のダイヤフラムは、共振周波数に同調される。
【0044】
任意に、前記第1のダイヤフラムの共振周波数は、前記第1のダイヤフラムの質量を変化させることによって調整される。
【0045】
任意に、前記第1のダイヤフラムの共振周波数は、前記第1のダイヤフラムを形成するために質量を追加または削除することによって同調される。
【0046】
他のおよびさらなる態様および特徴は、以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【0047】
上記および他の特徴および利点は、添付の図面を参照した例示的な実施形態の以下の詳細な説明によって、当業者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】ダイヤフラムを有する構成要素を備えるイヤピースを示す。
図2A図1の構成要素を示す。
図2B図2Aの構成要素の変形例を示す。
図2C図2Aの構成要素の変形例を示す。
図2D図2Aの構成要素の変形例を示す。
図2E図2Aの構成要素の変形例を示す。
図3図1のイヤピースを有する補聴器を示す。
図4図3の補聴器の変形例を示し、特に、レシーバを有するイヤピースを示す。
図5図1のイヤピースの変形例を示し、特に、レシーバ、処理ユニット、および第1のマイクロフォンを有するイヤピースを示す。
図6図1のイヤピースの変形例を示し、特に、レシーバ、処理ユニット、第1のマイクロフォン、および第2のマイクロフォンを有するイヤピースを示す。
図7A図1のイヤピースの変形例を示し、特に、並列に配置された2つのダイヤフラムを有するイヤピースを示す。
図7B図1のイヤピースの別の変形例を示し、特に、並列に配置された2つのダイヤフラムを有するイヤピースを示す。
図8図1のイヤピースの変形例を示し、特に、直列に配置された2つのダイヤフラムを有するイヤピースを示す。
図9図1のイヤピースの変形例を示す。
図10図4の聴覚装置の変形例を示す。
図11】2つのイヤピースを有する聴覚装置を示す。
図12A】圧力均等化を実施するための技術を示す。
図12B】圧力均等化を実施するための技術を示す。
図12C】圧力均等化を実施するための技術を示す。
図12D】圧力均等化を実施するための技術を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
様々な実施形態が、図面を参照して以下に記載される。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも留意されたい。それらは、特許請求の範囲に記載された発明の網羅的な説明として、または特許請求の範囲に記載された発明の範囲に対する限定として意図されていない。さらに、図示された実施形態は、図示された態様または利点のすべてを有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される実施例または利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、そのように図示されていなくても、またはそのように明示的に説明されていなくても、任意の他の実施形態で実施することができる。
【0050】
図1は、ダイヤフラム100を有する構成要素20を有するイヤピース10を示す。特に、イヤピース10は、第1の端部12と、第1の端部12と反対側の第2の端部14とを含む。また、イヤピース10は、第2の端部14よりも第1の端部12に近い第1の位置から第1の端部12よりも第2の端部14に近い第2の位置まで延びる第1のチャネル18を有する。また、イヤピース10は、第1のダイヤフラム100を有する構成要素20を含む。第1のダイヤフラム100は、第1の表面102と、第1の表面102と反対側の第2の表面104とを有する。ダイヤフラム100の第1の表面102は、第1のチャネル18内の管腔120と流体連通するように構成される。
【0051】
図示されるように、イヤピース10は、イヤピース10のユーザの鼓膜に向くように構成された第1の表面42と、ユーザの外部の環境に向くように構成された第2の表面44とを有する。場合によっては、第2の表面44は、イヤピース10のためのエンドプレートの一部であってもよい。第1の表面42は、直線状の表面であってもよいし、曲線状の表面であってもよい。同様に、第2の表面44は、直線状の表面であってもよいし、曲線状の表面であってもよい。
【0052】
また、イヤピース10は、音を出力するための出力部50を備えている。出力部50は、開口部、音響チャネル等であってもよい。出力部50が音響チャネルである場合、そのチャネルは、聴覚装置ハウジングの一部によって、変形可能な構造(例えば、イヤドーム、スリーブなど)の一部によって、または、イヤピース10に収容される管によって画定されてもよい。
【0053】
図示の実施形態では、第1のダイヤフラム100は、第1のチャネル18の長手方向軸130に平行な方向に延びる。他の実施形態では、第1のダイヤフラム100は、第1のチャネル18の長手方向軸130とゼロでない鋭角を形成する方向に延在してもよい。いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100が延びる方向は、第1のチャネル18の長手方向軸130と非垂直な角度を形成する。
【0054】
第1のチャネル18の長手方向軸130は、外耳道軸60に平行であるように図示されている。他の実施形態では、第1のチャネル18の長手方向軸130は、外耳道軸60に対してゼロでない鋭角を形成してもよい。場合によっては、外耳道軸60は、イヤピース10のユーザの耳から耳への軸に平行であってもよい。
【0055】
図示の実施形態では、第1のチャネル18は、イヤピース10がユーザによって装着されたときに、閉塞効果を低減するように、および/または、外耳道内の第1の空間と外耳道の外側の第2の空間との間の圧力均等化を提供するように構成される。
【0056】
第1のダイヤフラム100は、任意の適切な材料から作製され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100は、シリコーン、PTFE(例えば、延伸PTFE)、アルミニウム、カーボン、または、これらの2つ以上の組み合わせから作製されてもよい。他の実施形態では、第1のダイヤフラム100は、他の実施形態における他の材料から作製されてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、ダイヤフラム100の第1の表面は透水性であってもよく、ダイヤフラム100の第1の表面と反対側の第2の表面は非透水性であってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100は、メッシュから作製されてもよい。そのような場合、メッシュの第1の表面は透水性であってもよく、メッシュの第1の表面と反対側の第2の表面は非透水性であってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100は、10mm/s以下の空気体積速度に対応するように構成される。他の実施形態では、第1のダイヤフラム100は、10mm/sよりも大きな空気体積速度に対応するように構成される。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100は、共振周波数を有するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100は、10から1000Hz(例えば、10から100Hzのいずれか)、または、好ましくは80から1000Hzの任意の第1の共振周波数を有するように構成されてもよい。他の実施形態では、第1のダイヤフラム100は、80Hzよりも低い任意(例えば、50Hz、30Hz、10Hz、5Hz、1Hzのいずれか等)の共振周波数を有するように構成されてもよい。場合によっては、第1のダイヤフラム100は、30Hz+/-5Hzの共振周波数を有するように構成されてもよい。他の実施形態では、第1のダイヤフラム100は、上記の例とは異なる共振周波数を有するように構成されてもよい。また、いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100は、発話音に対応する共振周波数を有するように構成されてもよい。他の実施形態では、第1のダイヤフラム100は、非発話音(咀嚼、歩行など)に対応する共振周波数を有するように構成されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、ダイヤフラム100は、特定の寸法(例えば、長さ、幅)、厚さ、材料、またはこれらの任意の組み合わせを有することによって、特定の共振周波数を有するように構成される。ダイヤフラム100は、均一な厚さを有してもよく、または、特定の共振周波数を有するように同調されるために、可変の厚さを有してもよい。また、いくつかの実施形態では、質量/重量をダイヤフラム100に加える材料をダイヤフラム100上に堆積させて、ダイヤフラム100の特定の共振周波数を達成することができる。他の実施形態では、材料をダイヤフラム100から除去して、ダイヤフラム100の質量を変化させることができる。加えて、いくつかの実施形態では、ダイヤフラム100は、特定の共振周波数に対応する特定の剛性(例えば、曲げ剛性)を有するように作製されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、ダイヤフラム100は、第1のチャネル18の断面積よりも大きい二次元面積を有してもよい。例えば、第1のチャネル18が直径3mmの円形断面を有する場合、ダイヤフラム100は、π×1.5×1.5=7.07mmよりも大きい二次元面積を有してもよい。非限定的な例として、ダイヤフラム100の面積は、第1のチャネル18の断面積よりも少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%など大きくてもよい。いくつかの実施形態では、ダイヤフラム100は、7.1mmより大きい面積など、2mmから50mmの任意の表面積を有してもよい。
【0063】
イヤピース10の使用中、イヤピース10は、イヤピース10のユーザの外耳道に少なくとも部分的に挿入される。イヤピース10の少なくとも周辺部分は、外耳道の周壁に対するシールを形成する。イヤピース10の出力部50は、ユーザの鼓膜による受信のための音を提供する。イヤピース10のユーザに関連する閉塞効果に対処するために、第1のチャネル18は、いくらかの圧力解放を提供する。ダイヤフラム100は、ある共振周波数または周波数範囲で音波を反響するように、ある共振周波数または周波数範囲を有するように構成される。いくつかの実施形態では、ダイヤフラム100は、発話に対応する音波を反響する一方で、非発話に対応する音波を通過させるように構成される。他の実施形態では、ダイヤフラム100は、発話に対応する音波を通過させるように構成されてもよい。
【0064】
図示の実施形態では、第1のダイヤフラム100は、イヤピース10の開口部30に挿入するように構成された構成要素20(ユニット)の一部である。開口部30は、フェースプレートに配置されてもよいし、イヤピース10の他の部分に配置されてもよい。図2Aに示すように、構成要素(ユニット)20は、第1の管端部202と、第2の管端部204と、第1の管端部202と第2の管端部204との間に延びる管本体210とを有する管200を備える。第1の管端部202は第1の部分カバー222を有し、第2の管端部204は第2の部分カバー224を有する。同図に示すように、第1のダイヤフラム100は、第1の管端部202における第1の部分カバー222と、第2の管端部204における第2の部分カバー224との間に連結されている。第1のダイヤフラム100は、第1の表面102と、第1の表面102と反対側の第2の表面104とを有する。第1のダイヤフラム100は、管200内の管腔230を第1の空間242と第2の空間244とに分割する。第1の空間242は、第1の管端部202の第1の開口部232を介して、第1のチャネル18の管腔120と流体連通するためのものである。第2の空間244は、第2の管端部204の第2の開口部234を介して、イヤピース10のユーザの外部の環境と流体連通するためのものである。
【0065】
図示の実施形態では、管200は円形断面を有する。他の実施形態では、管200は、他の断面形状を有してもよい。例えば、他の実施形態では、管200の断面は、楕円形(図2B)、正方形(図2C)、長方形(図2D)、または、ダンベルまたは8の字形(図2E)などであってもよい。
【0066】
いくつかの実施態様において、管200は、第1のチャネル18の断面寸法よりも大きい断面寸法を有してもよい。他の実施形態において、管200は、第1のチャネル18の断面寸法と同じ断面寸法を有していてもよい。さらなる実施形態では、管200は、第1のチャネル18の断面寸法よりも小さい断面寸法を有してもよい。
【0067】
図示の実施形態では、構成要素20は、イヤピース10の一部に着脱可能に結合される。これにより、必要に応じて、構成要素20を(例えば、イヤピース10のユーザ、補聴器専門家、またはイヤピース10の提供者によって)交換することができる。他の実施形態では、構成要素20は、イヤピース10内に永久的または一時的に固定されてもよい。例えば、製造中に、構成要素20は、第1の空間242が第1の管端部202の第1の開口部232を介して第1のチャネル18の管腔120と流体連通するように、イヤピース10の開口部30に挿入されてもよい。次に、構成要素20は、接着剤(adhesive)、接着剤(glue)、機械的コネクタなどの接続を使用して、イヤピース10の1つまたは複数の部品に固定されてもよい。機械的コネクタの例としては、スナップフィットコネクタ、摩擦コネクタ、アンカー、ネジなどが挙げられる。
【0068】
他の実施形態では、構成要素20は、管200を含まなくてもよい。例えば、他の実施形態では、構成要素20は、イヤピース10の1つまたは複数の部分に固定されたダイヤフラム100を含んでもよい。また、他の実施形態では、ダイヤフラム100は、第1のチャネル18の長手方向軸130に対してゼロでない鋭角を形成するように配向されてもよい。その角度は、0°より大きく45°未満の任意の角度であってもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、構成要素20は、任意に、管200に連結された通気管をさらに含んでもよい。通気管は、イヤピース10の1つまたは複数の構成要素に挿入するための大きさおよび形状とすることができる。通気管は、第1のチャネル18を実現するように構成される。いくつかの実施形態では、通気管は、接着剤または機械的コネクタを介して管200に接続される。他の実施形態では、通気管は、管200から延在してもよく、通気管および管200は、一体構成を有するように一緒に形成されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、イヤピース10は、補聴器などの聴覚装置の一部であってもよい。例えば、図3に示すように、イヤピース10は補聴器300の一部であってもよい。補聴器300は、マイクロフォン320と、処理ユニット330と、レシーバ340とを備えるBehind-The-Ear(BTE)ユニット302を含む。また、補聴器300は、BTEユニット302に連結された一端とイヤピース10に連結された反対端とを備える音響管である細長いコネクタ310含む。マイクロフォン320は、補聴器300のユーザの周囲の環境から音を受信し、受信した音に基づいてマイクロフォン信号を提供するように構成される。処理ユニット330は、マイクロフォン信号に基づいて出力信号を提供するように構成される。レシーバ340は、処理ユニット330からの出力信号に基づいて出力音を提供するように構成される。音響管310は、BTEユニット302からの出力音をイヤピース10に伝えるように構成されている。
【0071】
他の実施形態では、イヤピース10は、レシーバ340を含んでもよい(図4)。図4に示すように、イヤピース10は補聴器300の一部であってもよい。補聴器300は、マイクロフォン320と、処理ユニット330とを備えるBehind-The-Ear(BTE)ユニット302を含む。また、補聴器300は、BTEユニット302に連結された一端とイヤピース10内のレシーバ340に連結された反対端とを有するケーブル(電線を有する)である細長いコネクタ310を含む。マイクロフォン320は、補聴器300のユーザの周囲の環境から音を受信し、受信した音に基づいてマイクロフォン信号を提供するように構成される。処理ユニット330は、マイクロフォン信号に基づいて出力信号を提供するように構成される。細長いコネクタ310は、BTEユニット302からの出力音をイヤピース10内のレシーバ340に伝えるように構成される。レシーバ340は、処理ユニット330からの出力信号に基づいて出力音を提供するように構成される。
【0072】
いくつかの実施形態では、イヤピース10、図3の補聴器300、または図4の補聴器300は、任意に、外耳道内の音を拾うように構成された追加のマイクロフォン(例えば、外耳道マイクロフォン)をさらに含んでもよい。そのマイクロフォンは、処理ユニット330によって処理するためのマイクロフォン信号を提供するように構成される。処理ユニット330は、閉塞効果を少なくとも低減するために、より好ましくは閉塞効果を除去するために、アクティブ閉塞低減を提供するように構成される。場合によっては、処理ユニット330は、閉塞低減ユニットを含むことができ、マイクロフォン600および閉塞低減ユニットは、一緒になってアクティブ閉塞低減システムを形成する。処理ユニット330の閉塞低減ユニットは、閉塞の影響を低減するように、またはより好ましくは、閉塞の影響をキャンセルするように構成される。閉塞低減ユニットは、閉ループフィードバックシステムにおけるエラーとして外耳道内の閉塞音を処理するように構成される。一実施形態では、閉塞低減ユニットは、閉塞音信号を使用して、反閉塞信号を生成する。次に、レシーバを利用して、反閉塞信号に基づいて外耳道に反閉塞音を出力することができる。外耳道内の閉塞音は、イヤピース10によって提供される反閉塞音と結合するので、少なくとも部分的に打ち消される。いくつかの実施形態では、閉塞低減ユニットは、閉塞キャンセルユニットとして実装されてもよい。
【0073】
また、いくつかの実施形態では、イヤピース10自体が、補聴器などの聴覚装置300であってもよい。例えば、図5に示すように、イヤピース10は、マイクロフォン320と、処理ユニット330と、レシーバ340とを含んでもよい。マイクロフォン320は、補聴器300のユーザの周囲の環境から音を受信し、受信した音に基づいてマイクロフォン信号を提供するように構成される。処理ユニット330は、マイクロフォン信号に基づいて出力信号を提供するように構成される。レシーバ340は、処理ユニット330からの出力信号に基づいて出力音を提供するように構成される。
【0074】
いくつかの実施形態では、図5のイヤピース10/聴覚装置300は、任意に、外耳道内の音を拾うように構成された追加のマイクロフォン600(例えば、外耳道マイクロフォン)をさらに含んでもよい(図6)。マイクロフォン600は、処理ユニット330によって処理するためのマイクロフォン信号を供給するように構成される。処理ユニット330は、閉塞効果を少なくとも低減するために、より好ましくは閉塞効果を除去するために、アクティブ閉塞低減を提供するように構成される。場合によっては、処理ユニット330は、閉塞低減ユニットを含むことができ、マイクロフォン600および閉塞低減ユニットは、一緒になってアクティブ閉塞低減システムを形成する。また、いくつかの実施形態では、イヤピース10/聴覚装置300のレシーバは、アクティブ閉塞低減システムの構成要素であると考えられてもよい。処理ユニット330の閉塞低減ユニットは、閉塞の影響を低減するように、または、より好ましくは、閉塞の影響をキャンセルするように構成される。いくつかの実施形態では、閉塞低減ユニットは、閉塞キャンセルユニットとして実装されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、アクティブ閉塞低減システムは、特定の閾値周波数を超えてアクティブであるように(例えば、閉塞低減を提供するように)構成されてもよく、第1のダイヤフラム100は、閾値周波数未満の共振周波数を有するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、閾値周波数は、100Hz未満(例えば、80Hz)など、200Hz未満であってもよい。他の実施形態では、閾値周波数は、他の値であってもよい。
【0076】
イヤピース10/聴覚装置300が、アクティブ閉塞低減(または、より好ましくは、アクティブ閉塞キャンセル)を提供するための閉塞低減ユニットを含む実施形態では、ダイヤフラム100が有利であることに留意されたい。特に、ダイヤフラム100は、チャネル18の長手方向軸に対して垂直ではないため、ダイヤフラム100は、より大きなダイヤフラム面積(すなわち、チャネル18の断面積よりも大きい)を有するように作製され得る。この技術的特徴は、AOCシステム内のレシーバをアンロードするのに役立つ。これは、ダイヤフラム表面積が大きいために、ダイヤフラム100は、大きな可動域または空気体積速度を取り扱うことができるからである。その結果、閉塞信号を低減またはキャンセルするために、レシーバが大きなLF出力を生成する必要がなくなり得る。加えて、ダイヤフラム100の前後の空気量が(ダイヤフラム100がチャネル18の長手方向軸に対して垂直に配向される設計と比較して)より大きく、それによって、過度に柔軟なダイヤフラム懸架装置を設ける必要がなく、ダイヤフラム100を低共振周波数に同調することが容易になる。さらに、本明細書に記載の構成要素20は、ダイヤフラム100を保護するので有利である。
【0077】
いくつかの実施形態では、構成要素20がイヤピース10の開口部30に挿入されない場合でも、イヤピース10またはイヤピース10を有する聴覚装置300は、依然として(通常の聴覚装置のように)機能するが、LF能力は低下する。
【0078】
本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態(例えば、図1図3図4図5、または図6の実施形態)では、イヤピース10または補聴器300は、任意に、環境音を検出するための2つのマイクロフォンを含むことができ、2つのマイクロフォンは、受信された音の指向性を検出するように構成される。
【0079】
本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態(例えば、図1図3図4図5、または図6の実施形態)では、イヤピース10または補聴器300は、任意に、1つまたは複数のアンテナを含むことができる。例えば、イヤピース10は、携帯電話、タブレット、コンピュータ、ラップトップ、MP3プレーヤ、時計、車両などのアクセサリ装置と通信するためのアンテナを有することができる。代替的にまたは追加的に、イヤピース10は、別のイヤピースと通信するためのアンテナを含むことができる。いくつかの実施形態では、聴覚システムは、第1のイヤピース10および第2のイヤピース10を含むことができる。イヤピース10の一方は、ユーザの第1の耳に装着されるように構成され、イヤピース10の他方は、ユーザの第2の耳に装着されるように構成される。このような場合、複数のイヤピース10は、それぞれのアンテナを介して互いに通信するように構成されてもよい。
【0080】
また、本明細書で説明される1つまたは複数の実施形態では、処理ユニット330は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組合せを使用して実装され得る。処理ユニット330を実装するために使用され得るハードウェアの例は、プロセッサ、増幅器、キャパシタ、抵抗器、集積回路、または前述のものの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、処理ユニット330は、聴力損失補償能力を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、処理ユニット330は、ユーザの聴力損失を補償するために信号処理を実行するように構成された聴力損失補償ユニットを含むことができる。他の実施形態では、処理ユニット330は、聴力損失補償能力を有さなくてもよい。また、いくつかの実施形態では、処理ユニット330は、ノイズ低減ユニットを含んでもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、イヤピース10は、2つのダイヤフラム100を含むことができる。例えば、図7Aに示されるように、イヤピース10は、第1のチャネル18aおよび第2のチャネル18bを含んでもよい。そのような場合、イヤピース10は、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bを含む。第1のダイヤフラム100aは、第1のチャネル18aの管腔と流体連通する1つの表面と、イヤピース10のユーザの外側の環境(例えば、端部14に対して横方向の環境)と流体連通する反対側の表面とを有する。第2のダイヤフラム100bは、第1のチャネル18bの管腔と流体連通する1つの表面と、イヤピース10のユーザの外側の環境(例えば、端部14に対して横方向の環境)と流体連通する反対側の表面とを有する。同図に示すように、イヤピース10のそれぞれの開口部30a、30bに挿入する構成である構成要素20a、20bのそれぞれの部分として、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bを実装してもよい。図示の実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、外耳道内からのそれぞれの音圧または音圧の範囲を打ち消すように並列に動作するという意味で並列に配置されている。いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100aは、第1の共振周波数を有するように構成されてもよく、第2のダイヤフラム100bは、第1の周波数とは異なる第2の共振周波数を有するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100aは、80から1000Hzの任意の第1の共振周波数を有するように構成されてもよく、第2のダイヤフラム100bは、80Hzよりも低い任意(例えば、50Hz、30Hz、10Hz、5Hz、1Hz等のいずれか)の第2の共振周波数を有するように構成されてもよい。他の実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、上記の例とは異なる、それぞれ異なる共振周波数を有するように構成されてもよい。また、いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100aは、発話音に対応する第1の共振周波数を有するように構成されてもよく、第2のダイヤフラム100bは、非発話音(咀嚼、歩行など)に対応する第2の共振周波数を有するように構成されてもよい。
【0082】
図示の実施形態では、構成要素20a、20bは互いに同一である。他の実施形態では、構成要素20a、20bは、互いに異なっていてもよい。例えば、他の実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、異なる寸法(例えば、長さ、幅など)、異なる厚さ、異なる材料、異なる形状などの異なる物理的属性を有してもよい。また、いくつかの実施形態では、構成要素20a、20bは、異なる構成(例えば、異なる形状、寸法等)を有してもよい。
【0083】
図7Aに示されるように、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bとは、物理的に平行である。他の実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、互いに対してゼロ以外の角度を形成してもよい。例えば、他の実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、鋭角を形成してもよい。さらなる実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、垂直な角度を形成してもよい。例えば、他の実施形態では、第2のダイヤフラム100bは、第2のチャネル18bの長手方向軸に垂直になるように90°回転されてもよい。このような場合には、第2のダイヤフラム100bは、第2の流路18bの開口部を覆うように、より小さいサイズとすることができる。
【0084】
また、図7Aに示すように、第1のチャネル18aおよび第2のチャネル18bは、互いに平行である。他の実施形態では、第2のチャネル18bは、第1のチャネル18aと(0°より大きい)鋭角を形成してもよい。
【0085】
第1のチャネル18aおよび/または第2のチャネル18bは、外耳道軸60に対応し得る。例えば、第1のチャネル18aおよび/または第2のチャネル18bは、外耳道軸60と平行であってもよく、またはゼロでない鋭角を形成してもよい。
【0086】
図7Bは、図1のイヤピースの別の変形例を示しており、特に、平行に配置された2つのダイヤフラム100a、100bを有するイヤピースを示している。図7Bの実施形態は、ダイヤフラム100a、100bが同じ第1のチャネル18に関連付けられていることを除いて、図7Aの実施形態と同様である。特に、ダイヤフラム100a、100bは、両方とも同じ第1のチャネル18と流体連通している。いくつかの実施形態では、ダイヤフラム100a、100bは、イヤピース10のそれぞれの開口部に挿入される構成要素のそれぞれの部分であってもよい。他の実施形態では、ダイヤフラム100a、100bは、イヤピース10の開口部に挿入される同じ構成要素の一部であってもよい。
【0087】
他の実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、互いに対して直列に動作するように直列に配置されてもよい。例えば、図8に示されるように、イヤピース10は、チャネル18を含んでもよく、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、チャネル18の長手方向軸に沿って直列に配置される。
【0088】
同図に示すように、イヤピース10の開口部30に順次挿入する構成である構成要素20a、20bのそれぞれの部分として、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bを実装してもよい。第1の構成要素20aの第1のダイヤフラム100aは、第1の構成要素20aの開口部232を介してチャネル18の管腔と流体連通する1つの表面102aと、第1の構成要素20aの開口部234を介して第2の構成要素20b内の空間と流体連通する反対側の表面104aとを有する。第2の構成要素20bの第2のダイヤフラム100bは、第2の構成要素20bの開口部232を介して第1の構成要素20aの空間と流体連通する表面102bと、第2の構成要素20bの開口部234を介してイヤピース10のユーザの外側の環境(例えば、端部14に対して横方向の環境)と流体連通する反対側の表面104bとを有している。したがって、使用中、外耳道内からの音圧は、第2の構成要素20bの開口部234を介して第2の構成要素20bに入る。音圧の一部は、第2のダイヤフラム100bによって濾波され、音圧の他の部分は、第2のダイヤフラム100bを通過し、第2の構成要素20bの開口部232を通って出て行き、第1の構成要素20aの開口部234を介して第1の構成要素20aに入る。音圧のこの他の部分は、第1のダイヤフラム100aによって少なくとも部分的に濾波される。第1のダイヤフラム100aによって濾波されない残りの音圧は、第1の構成要素20aの開口部232を介して第1の構成要素20aからチャネル18内に出る。
【0089】
図8の実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、外耳道内からのそれぞれの音圧または音圧の範囲を打ち消すように直列に動作するという意味で、直列に配置される。いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100aは、第1の共振周波数を有するように構成されてもよく、第2のダイヤフラム100bは、第1の周波数とは異なる第2の共振周波数を有するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100aは、80から1000Hzの任意の第1の共振周波数を有するように構成されてもよく、第2のダイヤフラム100bは、80Hzよりも低い(例えば、50Hz、30Hz、10Hz、5Hz、1Hzなどよりも低い)任意の、またはその逆の任意の第2の共振周波数を有するように構成されてもよい。他の実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、上記の例とは異なる、それぞれ異なる共振周波数を有するように構成されてもよい。また、いくつかの実施形態では、第1のダイヤフラム100aは、発話音に対応する第1の共振周波数を有するように構成されてもよく、第2のダイヤフラム100bは、非発話音(咀嚼、歩行など)に対応する第2の共振周波数を有するように構成されてもよく、またはその逆であってもよい。
【0090】
図示の実施形態では、構成要素20a、20bは互いに同一である。他の実施形態では、構成要素20a、20bは、互いに異なっていてもよい。例えば、他の実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、異なる寸法(例えば、長さ、幅など)、異なる厚さ、異なる材料、異なる形状などの異なる物理的属性を有してもよい。また、いくつかの実施形態では、構成要素20a、20bは、異なる構成(例えば、異なる形状、寸法等)を有してもよい。
【0091】
図8に示すように、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、物理的に平行である。他の実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、互いに対してゼロ以外の角度を形成してもよい。例えば、他の実施形態では、第1のダイヤフラム100aおよび第2のダイヤフラム100bは、鋭角を形成してもよい。
【0092】
他の実施形態では、イヤピース10は、2つのダイヤフラム100a、100bよりも多くを含むことができる。例えば、他の実施形態では、イヤピース10は、並列または直列に配置された3つのダイヤフラム100を含むことができる。ダイヤフラム100が並列に配置されている場合、それらは、イヤピース10内の各チャネルと流体連通するように構成されている。3つのダイヤフラムは、それぞれ異なる共振周波数を有するように構成されてもよい。あるいは、2つ以上のダイヤフラムが同じ共振周波数を有するように構成されてもよい。
【0093】
イヤピース10は、異なる実施形態において、異なる形状および形状因子を有してもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態では、イヤピース10は、(図1に示されるような)イヤモールドを有してもよく、標準化されたイヤモールド、またはカスタムイヤモールドであってもよい。
【0094】
他の実施形態では、イヤピース10は、イヤモールドを含まなくてもよい。例えば、他の実施形態では、イヤピース10は、レシーバ340を収容するハウジング900(例えば、聴覚装置ハウジング、補聴器ハウジング、レシーバハウジング等)と、レシーバハウジング900に連結された変形可能なイヤドーム902とを含むことができる(図9)。イヤドーム902は、レシーバハウジング900から延びる管920に連結するように構成された円筒形セクション910を有してもよい。他の実施形態では、イヤドーム902は、ハウジング900の少なくとも一部、またはハウジング900の全体を囲むことができる。管920は、レシーバ340から音を出力するためのチャネル922と、圧力均等化および/または閉塞低減のためのチャネル18とを有していてもよい。チャネル18の少なくとも一部は、ハウジング900内に収容される。ダイヤフラム100を有する構成要素20も示されている。他の実施形態では、チャネル18の少なくとも一部は、ハウジング900の壁内に実装されてもよい。
【0095】
使用中、イヤドーム902を備えたハウジング900は、ユーザの外耳道内に挿入される。イヤドーム902は、外耳道の形状に適合するように変形可能であり、外耳道の周壁に対してシールを提供する。いくつかの実施形態では、ハウジング900は、外耳道内に少なくとも部分的に配置されるように構成されてもよい。他の実施形態では、ハウジング900は、外耳道内に完全に配置されるように構成されてもよい。さらなる実施形態では、ハウジング900は、見えないように外耳道内に配置されてもよい。レシーバ340は、チャネル922を介して外耳道に出力される音を生成するように構成される。音圧および/または閉塞効果は、チャネル18を介して解放または低減され得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、イヤピース10自体は、In-The-Canal(ITC)聴覚装置、Completely-In-Canal(CIC)聴覚装置、または、Invisible-In-the-Canal(IIC)聴覚装置であってもよい。聴覚装置は、補聴器、メディアを聴くためのイヤピース、通信装置、またはヘッドセットの一部であってもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、図9のイヤピース10は、図5を参照して説明したものと同様に、マイクロフォン320および処理ユニット330をさらに含んでもよい。マイクロフォン320および処理ユニット330は、ハウジング900内に収容されてもよい。処理ユニット330は、聴力損失補償を提供するように構成される。また、いくつかの実施形態では、イヤピース10は、図6を参照して説明したものと同様に、外耳道内から音を受信するための追加のマイクロフォン(外耳道マイクロフォン)をさらに含むことができる。そのような場合、処理ユニット330は、任意に、閉塞効果を少なくとも低減するために、より好ましくは閉塞効果をキャンセルするために、アクティブ閉塞低減を提供するように構成された閉塞低減ユニットをさらに含むことができる。
【0098】
加えて、いくつかの実施形態では、図9のイヤピースは、図4を参照して説明したものと同様に、BTEユニットを含む補聴器の一部であってもよい。そのような場合、レシーバハウジング900は、レシーバ340に接続するワイヤを含むケーブル310を介してBTEユニット302に接続されてもよい(図10)。BTEユニット302は、マイクロフォン320および処理ユニット330を含む。マイクロフォン320は、環境から音を受信するように構成され、処理ユニット330は、マイクロフォン320からのマイクロフォン信号に基づいて出力信号を生成するように構成される。処理ユニット330は、聴力損失補償を提供するように構成されてもよい。レシーバ340は、処理ユニット330からの出力信号に基づいて出力音を生成するように構成される。補聴器は、Receiver-In-The-Ear(RITE)補聴器、または、Receiver-In-Canal(RIC)補聴器であってもよい。
【0099】
イヤピース10は、上記の例に示される構成を有することに限定されず、イヤピース10は、他の実施形態では他の構成を有してもよいことに留意されたい。
【0100】
また、上記実施形態では、構成要素20は、ダイヤフラム100を有するものとして説明した。他の実施形態では、構成要素20は、2つのダイヤフラム、3つのダイヤフラム、4つのダイヤフラムなどの複数のダイヤフラム100を含むことができる。ダイヤフラム100は、互いに平行になるように構成要素20内に配置することができる。代替的に、構成要素20内の2つ以上のダイヤフラム100は、ゼロでない鋭角を形成してもよい。構成要素20は、複数のダイヤフラム100を収容するように構成されたハウジングを有することができる。
【0101】
さらなる実施形態では、聴覚装置300は、ヘッドセットであってもよく、イヤピース10は、ヘッドセットの一部であってもよい。例えば、図11に示されるように、聴覚装置300は、2つのイヤピース10と、2つのイヤピース10に接続するYケーブル980とを含んでもよい。ケーブル980は、携帯電話、タブレット、コンピュータ、ラップトップ、MP3プレーヤ、時計、車両などのアクセサリ装置に連結するように構成されたコネクタを有する。他の実施形態では、ケーブル980を有する代わりに、ヘッドセットの2つのイヤピース10が物理的に接続されなくてもよい。そのような場合、各イヤピース10は、アクセサリ装置および/または別のイヤピース10と通信するように構成されたアンテナ(例えば、Bluetooth(登録商標)アンテナ)を含んでもよい。
【0102】
図9から図11の実施形態のいずれにおいても、イヤピース10は、任意に、図6を参照して説明したものと同様に、外耳道内の音を検出するためのマイクロフォン(外耳道マイクロフォン)と、閉塞低減を提供するように構成された処理ユニットとをさらに含むことができる。
【0103】
本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、チャネル18は、圧力均等化チャネルとして機能するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、構成要素20がイヤピース10の開口部30に挿入されていないとき、チャネル18は、外耳道と外部環境との間の圧力を等しくするためのブロックされていない通気孔として機能することができる。
【0104】
他の実施形態では、本明細書に記載されるイヤピース10のいずれかは、チャネル18に加えて、圧力均等化チャネル1200を含んでもよい(図12A)。そのような場合、チャネル18は、圧力均等化のために使用されないか、または部分的な圧力均等化のみを提供するように構成されてもよい。圧力均等化チャネル1200は、外耳道と外部環境との間に圧力均等化を提供するように構成される。均等化チャネル1200は、鼓膜に向いているイヤピース10の一端部から、外部環境に向いているイヤピース10の反対端部まで延びていてもよい。均等化チャネル1200は、直径0.8mmまたはそれより小さいなどの小さな断面寸法を有してもよい。他の実施形態では、均等化チャネル1200は、断面寸法が0.8mmより大きくてもよい。
【0105】
さらなる実施形態では、構成要素20は、少なくとも部分的に圧力均等化チャネル1200を画定してもよい(図12B)。図示の実施形態では、構成要素20の管200は、圧力均等化チャネル1200を形成するために管200の外面に画定されている細長い凹部を含んでいる。さらに別の実施形態では、圧力均等化チャネル1200は、構成要素20の管200の壁内に形成されてもよい(図12C)。
【0106】
また、他の実施形態では、ダイヤフラム100は、圧力均等化を提供するための小さな孔1250を含んでもよい(図12D)。孔1250は、0.8mm未満の断面寸法を有してもよい。他の実施形態では、孔1250は、0.8mmより大きい断面寸法を有してもよい。孔1250は、ダイヤフラム100を穿孔することによって、ダイヤフラム100をレーザ切断することによって、ダイヤフラム100を機械的に切断することによって、または、孔1250を有するようにダイヤフラム100を形成することによって作成されてもよい。
【0107】
図12Aから図12Dを参照して説明した圧力均等化を提供するための技術は、図1から図11の実施形態に対して適用されてもよいことに留意されたい。
【0108】
以下の項目および態様のいずれかに記載のイヤピース、補聴器、および構成要素が開示される。
【0109】
(項目1)
第1の端部と、
前記第1の端部と反対側の第2の端部と、
前記第2の端部よりも前記第1の端部に近い第1の位置から前記第1の端部よりも前記第2の端部に近い第2の位置まで延びる第1のチャネルと、
第1のダイヤフラムであって、前記第1のダイヤフラムは、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有し、前記ダイヤフラムの前記第1の表面は、前記第1のチャネル内の管腔と流体連通するように構成され、前記第1のダイヤフラムは、前記第1のチャネルの長手方向軸と平行な方向、または、前記第1のチャネルの前記長手方向軸と鋭角を形成する方向に延びる、前記第1のダイヤフラムと、
を備えるイヤピース。
【0110】
(項目2)
前記第1のダイヤフラムが延びる方向は、前記第1のチャネルの前記長手方向軸と非垂直な角度をなす、項目1記載のイヤピース。
【0111】
(項目3)
前記第1のチャネルは、前記イヤピースがユーザによって装着されたときに、閉塞効果を低減するように、および/または、外耳道内の第1の空間と、前記外耳道の外側の第2の空間との間の圧力均等化を提供するように構成される、項目1または2に記載のイヤピース。
【0112】
(項目4)
前記ダイヤフラムの前記第1の表面は透水性であり、前記ダイヤフラムの前記第2の表面は非透水性である、項目1から3のいずれか一項に記載のイヤピース。
【0113】
(項目5)
前記第1のダイヤフラムは、10mm/s以下の空気体積速度に対応するように構成されている、項目1から4のいずれか一項に記載のイヤピース。
【0114】
(項目6)
前記第1のダイヤフラムは、前記イヤピースの開口部への挿入のために構成されたユニットの一部である、項目1から5のいずれか一項に記載のイヤピース。
【0115】
(項目7)
前記ユニットは、第1の管端部と、第2の管端部と、前記第1の管端部と前記第2の管端部との間に延びる管本体とを有する管を備え、前記第1の管端部は第1の部分カバーを有し、前記第2の管端部は第2の部分カバーを有し、前記第1のダイヤフラムが、前記第1の管端部における前記第1の部分カバーと前記第2の管端部における前記第2の部分カバーとの間に連結される、項目6に記載のイヤピース。
【0116】
(項目8)
第2のダイヤフラムをさらに備え、前記第1のダイヤフラムおよび前記第2のダイヤフラムは、異なるそれぞれの共振周波数の範囲に同調される、項目1から7のいずれか一項に記載のイヤピース。
【0117】
(項目9)
前記第1のダイヤフラムは、80Hzから1000Hzの任意の共振周波数に同調される、項目1から8のいずれか一項に記載のイヤピース。
【0118】
(項目10)
レシーバをさらに備える、項目1から9のいずれか一項に記載のイヤピース。
【0119】
(項目11)
環境から音を受信するように構成された第1のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォンに連結された処理ユニットとをさらに備え、前記処理ユニットは、前記第1のマイクロフォンからのマイクロフォン信号に基づいて出力信号を提供するように構成される、項目1から10のいずれか一項に記載のイヤピース。
【0120】
(項目12)
外耳道音を受信するように構成された第2のマイクロフォンをさらに備え、前記第2のマイクロフォンは、アクティブ閉塞低減システムの一部である、項目11に記載のイヤピース。
【0121】
(項目13)
前記アクティブ閉塞低減システムは、閾値周波数を超えてアクティブであるように構成され、前記第1のダイヤフラムは、前記閾値周波数を下回る共振周波数を有する、項目12に記載のイヤピース。
【0122】
(項目14)
前記処理ユニットは、閉塞低減ユニットを備える、項目12または13に記載のイヤピース。
【0123】
(項目15)
項目1から14のいずれか一項に記載のイヤピースと、Behind-The-Ear(BTE)ユニットとを備える補聴器であって、前記BTEユニットは、環境から音を受信するように構成された第1のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォンに連結された処理ユニットと、を備える、補聴器。
【0124】
(項目16)
外耳道音を受信するように構成された第2のマイクロフォンをさらに備え、前記第2のマイクロフォンは、アクティブ閉塞低減システムの一部である、項目15に記載の補聴器。
【0125】
(項目17)
項目1から14のいずれか一項に記載のイヤピースと、Behind-The-Ear(BTE)ユニットとを備える補聴器であって、前記BTEユニットが、環境から音を受信するように構成された第1のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォンに連結された処理ユニットと、前記処理ユニットに連結されたレシーバとを備える、補聴器。
【0126】
(項目18)
イヤピースのための構成要素であって、
第1の管端部と、第2の管端部と、前記第1の管端部と前記第2の管端部との間に延びる管本体とを有する管であって、前記第1の管端部が第1の部分カバーを有し、前記第2の管端部が第2の部分カバーを有する、前記管と、
前記第1の管端部における前記第1の部分カバーと前記第2の管端部における前記第2の部分カバーとの間に連結されるダイヤフラムと、を備え、
前記管の少なくとも一部は、前記イヤピースの開口部に挿入するための大きさおよび形状である、構成要素。
【0127】
(項目19)
前記ダイヤフラムは、前記管内の管腔を第1の空間と第2の空間とに分割する、項目18に記載の構成要素。
【0128】
(項目20)
前記第1の空間は、前記管が前記イヤピースの前記開口部に挿入されるときに、前記イヤピース内のチャネルと流体連通するためのものである、項目19に記載の構成要素。
【0129】
(態様1)
第1の端部と、
前記第1の端部と反対側の第2の端部と、
前記第2の端部よりも前記第1の端部に近い第1の位置から前記第1の端部よりも前記第2の端部に近い第2の位置まで延びる第1のチャネルと、
第1のダイヤフラムであって、前記第1のダイヤフラムは、第1の表面と、前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有し、前記ダイヤフラムの前記第1の表面は、前記第1のチャネル内の管腔と流体連通するように構成され、前記第1のダイヤフラムは、前記第1のチャネルの長手方向軸と平行な方向、または、前記第1のチャネルの前記長手方向軸と鋭角を形成する方向に延びる、イヤピース。
【0130】
(態様2)前記第1のダイヤフラムが延びる方向が、前記第1のチャネルの前記長手方向軸と非垂直な角度を形成する、態様1に記載のイヤピース。
【0131】
(態様3)
前記第1のチャネルは、前記イヤピースがユーザによって装着されたときに、閉塞効果を低減するように、および/または、外耳道内の第1の空間と、前記外耳道の外側の第2の空間との間の圧力均等化を提供するように構成される、態様1に記載のイヤピース。
【0132】
(態様4)
前記ダイヤフラムの前記第1の表面は透水性であり、前記ダイヤフラムの前記第2の表面は非透水性である、態様1に記載のイヤピース。
【0133】
(態様5)
前記第1のダイヤフラムは、10mm/s以下の空気体積速度に対応するように構成されている、態様1記載のイヤピース。
【0134】
(態様6)
前記第1のダイヤフラムは、前記イヤピースの開口部への挿入のために構成されたユニットの一部である、態様1に記載のイヤピース。
【0135】
(態様7)
前記ユニットは、第1の管端部と、第2の管端部と、前記第1の管端部と前記第2の管端部との間に延びる管本体とを有する管を備え、前記第1の管端部は第1の部分カバーを有し、前記第2の管端部は第2の部分カバーを有し、前記第1のダイヤフラムが、前記第1の管端部における前記第1の部分カバーと前記第2の管端部における前記第2の部分カバーとの間に連結される、態様6記載のイヤピース。
【0136】
(態様8)
第2のダイヤフラムをさらに備え、前記第1のダイヤフラムおよび前記第2のダイヤフラムは、異なるそれぞれの共振周波数の範囲に同調される、態様1に記載のイヤピース。
【0137】
(態様9)
前記第1のダイヤフラムは、80Hzから1000Hzの任意の共振周波数に同調される、態様1に記載のイヤピース。
【0138】
(態様10)
レシーバをさらに備える、態様1に記載のイヤピース。
【0139】
(態様11)
環境から音を受信するように構成された第1のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォンに連結された処理ユニットとをさらに備え、前記処理ユニットは、前記第1のマイクロフォンからのマイクロフォン信号に基づいて出力信号を提供するように構成される、態様10に記載のイヤピース。
【0140】
(態様12)
外耳道音を受信するように構成された第2のマイクロフォンをさらに備え、前記第2のマイクロフォンは、アクティブ閉塞低減システムの一部である、態様11に記載のイヤピース。
【0141】
(態様13)
前記アクティブ閉塞低減システムは、閾値周波数を超えてアクティブであるように構成され、前記第1のダイヤフラムは、前記閾値周波数を下回る共振周波数を有する、態様12に記載のイヤピース。
【0142】
(態様14)
前記処理ユニットは、閉塞低減ユニットを備える、態様12に記載のイヤピース。
【0143】
(態様15)
態様11に記載のイヤピースと、Behind-The-Ear(BTE)ユニットとを備える補聴器であって、前記BTEユニットは、環境から音を受信するように構成された第1のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォンに連結された処理ユニットとを備える補聴器。
【0144】
(態様16)
外耳道音を受信するように構成された第2のマイクロフォンをさらに備え、前記第2のマイクロフォンは、アクティブ閉塞低減システムの一部である、態様15に記載の補聴器。
【0145】
(態様17)
態様1に記載のイヤピースと、Behind-The-Ear(BTE)ユニットとを備える補聴器であって、前記BTEユニットが、環境から音を受信するように構成された第1のマイクロフォンと、前記第1のマイクロフォンに連結された処理ユニットと、前記処理ユニットに連結されたレシーバとを備える、補聴器。
【0146】
(態様18)
イヤピースのための構成要素であって、
第1の管端部と、第2の管端部と、前記第1の管端部と前記第2の管端部との間に延びる管本体とを有する管であって、前記第1の管端部が第1の部分カバーを有し、前記第2の管端部が第2の部分カバーを有する、前記管と、
前記第1の管端部における前記第1の部分カバーと前記第2の管端部における前記第2の部分カバーとの間に連結されるダイヤフラムと、を備え、
前記管の少なくとも一部は、前記イヤピースの開口部に挿入するための大きさおよび形状である、構成要素。
【0147】
(態様19)
前記ダイヤフラムは、前記管内の管腔を第1の空間と第2の空間とに分割する、態様18に記載の構成要素。
【0148】
(態様20)
前記第1の空間は、前記管が前記イヤピースの前記開口部に挿入されるときに、前記イヤピース内のチャネルと流体連通するためのものである、態様19に記載の構成要素。
【0149】
特定の例示的な聴覚装置を示し、説明したが、特許請求の範囲に記載された発明を例示的な聴覚装置に限定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の思想および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができることが当業者には明らかであることが理解されるであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味に見なされるべきである。特許請求の範囲に記載された発明は、代替、修正、および均等物を包含することが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
【外国語明細書】