(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031175
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】連結具
(51)【国際特許分類】
A01K 91/047 20060101AFI20220210BHJP
【FI】
A01K91/047 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124049
(22)【出願日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0099073
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0052263
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】000237385
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 一仁
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307EB17
2B307EB18
2B307EB22
2B307EB30
(57)【要約】
【課題】釣り糸とターミナルタックルの部品を連結する連結具が提供される。
【解決手段】釣り糸とターミナルタックルの部品を連結する連結具であって、釣り糸(10)を通過させるように構成された糸通し部(1100)と、糸通し部(1100)から延長し、上記部品の一部分(132)が余裕間隙をもって挿入される挿入空間(1311)を形成するように曲がった連結部(1200)とを含み、連結部(1200)は、挿入空間(1311)を限定する内周面(1230)と、連結部(1200)の延長方向に沿って形成され、挿入空間(1311)に向かって凹な凹曲面(1241)を有する外周面(1240)と、内周面(1230)と凹曲面(1241)との間で連結部(1200)の延長方向に沿って形成された塑性変形部(1270)とを含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り糸とターミナルタックルの部品を連結する連結具であって、
前記釣り糸を通過させるように構成された糸通し部と、
前記糸通し部から延長し、前記部品の一部分が余裕間隙をもって挿入される挿入空間を形成するように曲がった連結部と、を含み、
前記連結部は、前記挿入空間を限定する内周面と、前記連結部の延長方向に沿って形成され、前記挿入空間に向かって凹な凹曲面を有する外周面と、前記内周面と前記凹曲面との間で前記連結部の延長方向に沿って形成された塑性変形部と、を含む、
連結具。
【請求項2】
前記内周面は、前記延長方向に沿って形成され、前記挿入空間に向かって凸な凸曲面を有する、請求項1に記載の連結具。
【請求項3】
前記連結部は、折り返し部が形成された外周輪郭線を有する、請求項1に記載の連結具。
【請求項4】
釣り糸とターミナルタックルの部品を連結する連結具であって、
前記釣り糸を通過させるように構成された糸通し部と、
前記糸通し部から延長し、前記部品の一部分が余裕間隙をもって挿入される挿入空間に通じ、前記部品の一部分の通過を許容する入口間隙を形成するように曲がった連結部と、を含み、
前記連結部は、
前記糸通し部に連結される連結端と、
前記入口間隙を前記連結端とともに限定する先端と、
前記挿入空間を限定する内周面と、
前記連結部の延長方向に沿って形成され、前記挿入空間に向かって凹な凹曲面を有する外周面と、を含み、
前記入口間隙が開放されている状態で、前記連結部はC字状の外周輪郭線を有し、
前記連結部は、前記先端が前記連結端または前記内周面に接触して前記入口間隙を閉鎖するように変形可能である、
連結具。
【請求項5】
前記入口間隙が開放されている状態で、前記入口間隙の距離は0.6mm~2.0mmの範囲内にある、
請求項4に記載の連結具。
【請求項6】
前記先端は、前記内周面に連結される第1先端面と、前記第1先端面と前記外周面に連結され、前記入口間隙が閉鎖される状態で前記連結端または前記内周面に接触する第2先端面と、を有し、
前記連結部は、前記連結部の中間部での第1厚さと、前記第1先端面での第2厚さと、を有し、
前記第2厚さは、前記第1厚さより小さく、前記第1厚さの30%~70%の範囲内にある、
請求項4に記載の連結具。
【請求項7】
前記連結具を上方から見る時、前記連結部は前記連結部の中間部での第1幅と前記先端での第2幅と、を有し、
前記第2幅は、前記第1幅より狭く、前記第1幅の30%~80%の範囲内にある、
請求項4に記載の連結具。
【請求項8】
前記連結部は、前記内周面と前記凹曲面との間で前記連結部の延長方向に沿って形成された塑性変形部を含む、
請求項4に記載の連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、釣り糸とターミナルタックルの部品を連結する連結具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィッシングタックル(fishing tackle)は、釣り人が釣る時に用いる装備を意味する。フィッシングタックルのうち、釣り糸の末に連結され、釣り針を備えるタックル組立体は、ターミナルタックル(terminal tackle)として参照され得る。また、このようなタックル組立体はフィッシングリグ(fishing rig)として参照され得る。
【0003】
ターミナルタックルは、釣り針、ルアー(lure)、リーダー(leader)、釣りオモリ(sinker)、スイベル(swivel)、スナップ(snap)、スプリットリング(split ring)、ビーズ(bead)のような部品を含み得る。スイベルは、釣り糸の絡み防止のために相対的に回転可能な2つの環を有する部品である。スナップは、環が取り付けられた釣りオモリまたはルアーを釣り糸またはスイベルに連結する部品である。スプリットリングは、ルアーとスイベルを連結したり釣りオモリをスイベルに連結したりするために用いられる部品である。釣りを行うにおいて、釣る魚の種類や釣り方によって、釣り人は多様な釣り用部品のうち必要とする部品を選択して連結し、ターミナルタックルを構成することができる。
【0004】
従来のターミナルタックルの一例を示す
図1を参照する。
図1に示すターミナルタックルは、キャロライナリグ(carolina rig)として参照され得る。キャロライナリグは釣り初心者に適しており、水底で摂餌活動をするバス(bass)のような魚を釣るのに便利に用いられる。
【0005】
釣り針(161)が疑似餌(162)に設けられており、疑似餌(162)は魚の種類または釣り方によって釣り人により選択される。疑似餌(162)はリーダー(111)に連結される。リーダー(111)はスイベル(141)に連結され、スイベル(141)が釣り糸(10)の末に連結される。釣りオモリ(120)は釣り糸(10)に縛られず、釣り糸(10)が貫く貫通穴を有する形態をとる。釣り糸(10)は釣りオモリ(120)を通過して移動することができる。釣りオモリ(120)が水底に着底した後、ターミナルタックルの移動によって釣り糸(10)が釣りオモリ(120)を通過して移動することができる。従って、釣り針(161)と疑似餌(162)は、魚が居る水深や場所に速かに送られることができる。また、魚が疑似餌(162)を銜えた瞬間の振動が、釣り糸(10)を介して、釣り人の手元に簡単に伝達されることができる。
【0006】
キャロライナリグのようなターミナルタックルにおいて、中通し形態の釣りオモリ(120)が用いられる。中通し形態の釣りオモリ(120)の場合、貫通穴内の摩擦抵抗が大きい。また、中通し形態の釣りオモリが水底に固定されれば、釣り糸(10)が貫通穴の縁で擦れ、釣り糸が傷つくことがある。また、釣り糸が水中で貫通穴を通過して繊細にスライディングできないこともある。釣り糸の繊細なスライディング移動のために、釣りオモリを釣り糸に連結具を用いて連結する方式がターミナルタックルにおいて考慮されてきた。
【0007】
図2は、従来のターミナルタックルのもう1つの例を示す。
図2を参照すると、鐘の形状を有する釣りオモリ(130)がスプリットリング(150)と連結具(170)により釣り糸(10)に連結される。スプリットリング(150)は釣りオモリ(130)の上端に連結され、連結具(170)が釣り糸(10)とスプリットリング(150)を連結する。連結具(170)は一種のスイベルとして構成され、釣り糸(10)が連結具(170)を貫く。例えば、日本国公開実用新案第1991-31863号公報(特許文献1)が
図2に示す連結具(170)のような連結具を提案している。
【0008】
連結具(170)が釣りオモリ(130)を釣り糸(10)に連結し、釣り糸(10)は連結具(170)を通過する。釣りオモリ(130)を連結具(170)に連結するために、スプリットリング(150)が用いられなければならない。釣りオモリ(130)が水底(20)に固定されれば、スプリットリング(150)が釣りオモリ(130)に絡み合い、梃子作用により、連結具(170)は釣りオモリ(130)に対して固定される。
図2に示すように連結具が固定されれば、摩擦が釣り糸(10)にかかる。また、連結具(170)は釣り糸(10)の移動によって回転できないので、自由に動作しなければならない連結具の効果を喪失する。
【0009】
図3~
図5は、従来のターミナルタックルの更に他の例を示す。
図3を参照すると、スプリットリング(150)が釣りオモリ(130)の上端に連結され、連結具(180)が釣り糸(10)とスプリットリング(150)を連結する。連結具(180)はスイベル(181)と連結環(182)を有する。スイベル(181)がスプリットリング(150)に連結され、連結環(182)がスイベル(181)の上側環をクランピングする。例えば、日本国公開実用新案第1989-121376号公報(特許文献2)は、
図3に示す連結具(180)のような連結具を提案している。
【0010】
釣りオモリ(130)が水底(20)に固定されれば、スプリットリング(150)が釣りオモリ(130)に絡み合い、連結具(180)は釣りオモリ(130)に対して固定される。固定された連結具(180)は、釣り糸に損傷を与えることがあり、釣り糸(10)の移動によって回転できないので、連結具の効果を喪失する。また、連結具(180)が固定されれば、連結具(180)は釣りオモリ(130)に対して突出する突出物になる。釣り糸(10)が水中で浮遊することにより、
図3に示すように、釣り糸(10)は突出した連結具(180)に絡み易くなり得る。
【0011】
釣り糸(10)が連結具(180)に絡んだ状態で、魚が疑似餌を銜えれば、
図3と
図4において矢印で示すように釣り糸に張力がかかる。そうすると、釣り糸の張力が連結具の連結環(182)に直接的にかかり、連結環(182)はその形状を維持できずに変形される。釣り糸に張力がかかり続ければ、
図5に示すように、連結具(180)が分解される。これにより、釣りオモリ(130)を水底(20)に残した状態で釣りが行われることができ、釣りオモリ(130)が紛失することがある。
【0012】
図2と
図3に示す例では、連結具と釣りオモリを連結するために、スプリットリング(150)が備えられなければならない。従って、釣り人はスプリットリング(150)を連結具と釣りオモリにそれぞれ連結する苦労をしなければならない。スプリットリング(150)は、スプリットリングプライヤー(split ring pliers)という、専用のプライヤーによって開放されたり閉鎖されたりする。釣り人はプライヤーやペンチを習慣的に釣り場へ持参することができるが、スプリットリングプライヤーはあまり持参しない。また、スプリットリングは非常に小さいので、釣り人はスプリットリングの連結に煩わしさを感じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】日本国公開実用新案第1991-31863号公報
【特許文献2】日本国公開実用新案第1989-121376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
開示された実施例は、前述した従来の問題の少なくとも1つ以上を解決した、ターミナルタックルに用いられるための連結具を提供する。一実施例によると、ターミナルタックルの部品を釣り糸に連結しながら釣り糸の繊細な移動を可能にし、釣り糸の張力に耐えることができる強度を有する連結具が提供される。一実施例によると、ターミナルタックルの部品に対して固定されることなく自由に回転して動くことができる連結具が提供される。一実施例によると、専用の道具を用いることなくターミナルタックルの部品に連結され得る連結具が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
開示された実施例は、釣り糸とターミナルタックルの部品を連結する連結具を提供する。一実施例による連結具は、糸通し部と連結部を含む。糸通し部は、釣り糸を通過させるように構成される。連結部は、糸通し部から延長する。連結部は、前記部品の一部分が余裕間隙をもって挿入される挿入空間を形成するように曲がっている。連結部は、挿入空間を限定する内周面と、連結部の延長方向に沿って形成され、挿入空間に向かって凹な凹曲面を有する外周面と、内周面と凹曲面との間で連結部の延長方向に沿って形成された塑性変形部とを含む。
【0016】
内周面は、連結部の延長方向に沿って形成され、挿入空間に向かって凸な凸曲面を有し得る。
【0017】
連結部は、折り返し部が形成された外周輪郭線を有し得る。
【0018】
もう一つの実施例による連結具によると、糸通し部から延長する連結部は、ターミナルタックルの部品の一部分が余裕間隙をもって挿入される挿入空間に通じ、前記部品の一部分の通過を許容する入口間隙を形成するように曲がっている。連結部は、糸通し部に連結される連結端と、入口間隙を連結端とともに限定する先端を含む。また、連結部は、挿入空間を限定する内周面と、連結部の延長方向に沿って形成され、挿入空間に向かって凹な凹曲面を有する外周面を含む。入口間隙が開放されている状態で、連結部はC字状の外周輪郭線を有する。連結部は、先端が連結端または内周面に接触して入口間隙を閉鎖するように変形可能である。
【0019】
連結部は、内周面と凹曲面との間で連結部の延長方向に沿って形成された塑性変形部を含む。
【0020】
入口間隙が開放されている状態で、入口間隙の距離は0.6mm~2.0mmの範囲内にあり得る。
【0021】
連結部の先端は、内周面に連結される第1先端面と、第1先端面と外周面に連結され、入口間隙が閉鎖される状態で連結端または内周面に接触する第2先端面を有し得る。連結部は、連結部の中間部での第1厚さと、第1先端面での第2厚さを有し得る。第2厚さは、第1厚さより小さく、第1厚さの30%~70%の範囲内にあり得る。
【0022】
連結具を上方から見る時、連結部は連結部の中間部での第1幅と、先端での第2幅を有し得る。第2幅は、第1幅より狭く、第1幅の30%~80%の範囲内にあり得る。
【発明の効果】
【0023】
一実施例の連結具は、ターミナルタックルの部品に対して自由に回転及び動作可能なので、釣り糸の円滑な移動を実現し、ターミナルタックルの部品に固定されたり絡んだりすることを防止する。一実施例の連結具は、釣り糸の張力に耐えることができる十分な強度と環状を維持できる耐力を有する連結部を備える。従って、一実施例の連結具は、ターミナルタックルの部品を釣り糸に信頼性高く連結することができ、釣り糸の張力が引き起こす変形によりターミナルタックルの部品が連結部から分離されることを防止する。一実施例の連結具によると、ターミナルタックルの部品を連結部に連結する作業は、スプリットリングプライヤーのような専用の道具を必要とせず、簡単に行われることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】従来のターミナルタックルの一例を示す図である。
【
図2】従来のターミナルタックルのもう1つの例を示す図である。
【
図3】従来のターミナルタックルの更に他の例を示す図である。
【
図4】
図3に示すターミナルタックルにおいて張力が釣り糸によって従来の連結具にかかる状態を示す図である。
【
図5】
図3に示すターミナルタックルにおいて連結具とターミナルタックルの部品が分離される状態を示す図である。
【
図6】本開示の一実施例による連結具を示す斜視図である。
【
図7】
図6に示す連結具とターミナルタックルの部品が連結されている状態を示す斜視図である。
【
図12】一実施例の連結部を製造する例を概略的に示す図である。
【
図13】一実施例による連結具がターミナルタックルの部品を釣り糸に連結する例を示す側面図である。
【
図14】釣り糸の方向から見られる
図13に示す連結具とターミナルタックルを示す図である。
【
図16】連結部が変形される前の状態での一実施例による連結具を示す斜視図である。
【
図17】
図16に示す連結具とターミナルタックルの部品が連結されている状態を示す斜視図である。
【
図23】
図16に示す連結具の側面図であり、入口間隙の距離と連結部の厚さを示す図である。
【
図24】入口間隙を通じて釣りオモリの連結環が連結部に挿入される例を示す側面図である。
【
図25】連結部の変形によって入口間隙が閉鎖される例を示す側面図である。
【
図26】
図16に示す連結具の背面図であり、連結部の一部分での幅を示す図である。
【
図27】
図16に示す連結具の平面図であり、連結部の一部分での幅を示す図である。
【
図28】連結部が入口間隙を閉鎖するように変形されている一例を示す平面図である。
【
図29】一実施例による連結具がターミナルタックルの釣りオモリを釣り糸に連結する例を示す図である。
【
図30】釣り糸に張力がかかる時に一実施例による連結具が釣りオモリに対して回転する例を示す図である。
【
図31】ターミナルタックルの部品が一実施例による連結具に連結される一例を示す図である。
【
図32】ターミナルタックルの部品が一実施例による連結具に連結されるもう1つの例を示す図である。
【
図33】ターミナルタックルの部品が一実施例による連結具に連結される更に他の例を示す図である。
【
図34】一実施例による連結具の強度を評価する試験の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が、以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的説明で限定されるものではない。
【0026】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであり、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0027】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」等のような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放形用語(open-ended terms)として理解されるべきである。
【0028】
本開示で記述された単数形の表現は、異なって言及しない限り、複数形の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数形の表現にも同様に適用される。
【0029】
本開示で用いられる「第1」、「第2」等の表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
【0030】
本開示において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「結合されていると言及される場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得たり、結合され得るものとして、または新たな他の構成要素を介して連結され得たり、結合され得るものとして理解されるべきである。
【0031】
本開示で記載される寸法と数値は、記載された寸法と数値のみに限定されるものではない。異なって特定されない限り、このような寸法と数値は、記載された値及びこれを含む同等の範囲を意味するものとして理解され得る。
【0032】
本開示で用いられた「上方」、「上」等の方向指示語と「下方」、「下」等の方向指示語は、添付の図面で示される配向を基準とする。実施例は図面に示す配向とは異なる配向で位置し得、上方と下方はそれに合わせて解釈され得る。
【0033】
以下、添付の図面を参照し、実施例を説明する。添付の図面において、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものとして意図されはしない。
【0034】
一実施例による連結具は、釣り糸とターミナルタックルの部品を相対的に移動可能に連結する。ターミナルタックルの部品は、連結具に余裕をもつ連結形態で連結され、連結具は釣り糸に余裕をもつ連結形態で連結される。これにより、連結具は、ターミナルタックルの部品に対して釣り糸の移動に伴って自由に動いて回転することができる。
【0035】
図6は、本開示の一実施例による連結具を示す斜視図である。
図7は、
図6に示す連結具とターミナルタックルの部品が連結されている状態を示す斜視図である。
図8~
図10は、それぞれ、
図6に示す連結具の側面図、平面図及び正面図であり、
図11は
図10のXI‐XI線に沿って取った断面図である。
【0036】
図6と
図7を参照すると、一実施例による連結具(1000)は、釣り糸(10)の末に取り付けられるターミナルタックル(terminal tackle)の部品を釣り糸に連結するために用いられる。一例として、連結具(1000)は、ターミナルタックルの部品のうち一つの釣りオモリ(130)を釣り糸(10)に連結するように用いられるが、連結具(1000)により連結されるターミナルタックルの部品が釣りオモリ(130)に限定されはしない。
【0037】
連結具(1000)は、釣り糸(10)と釣りオモリ(130)を相対的に移動可能に連結することができる。
図7に示す釣りオモリ(130)は、当該技術分野でベルシンカー(bell sinker)として参照され得る。釣りオモリ(130)は、鐘の形状を有するボディー部(131)と、ボディー部(131)の上端に設けられている連結環(132)を有し得る。ボディー部(131)は金属材料からなり得る。連結環(132)はU字状を有し、金属材料からなり得る。
【0038】
釣りオモリ(130)は、連結具(1000)に余裕をもつ連結形態で連結され得、釣り糸(10)は連結具(1000)を通じて自由にスライディングすることができる。連結具(1000)が釣りオモリ(130)を釣り糸(10)に連結した状態で、連結具(1000)を通過する釣り糸の移動により、連結具(1000)は自由に回転することができる。詳細には、連結具(1000)は、釣りオモリを釣り糸に連結した状態で、釣り針と疑似餌が備えられたターミナルタックルの移動により、ターミナルタックルの移動方向に回転したり、前記移動方向に対して斜めの方向に回転したりすることができる。従って、釣りオモリ(130)が固定される場合、連結具(1000)は釣りオモリ(130)に絡まらない。
【0039】
連結具(1000)は、釣り糸(10)を通過させるように構成される糸通し部(1100)と、糸通し部(1100)から延長し、ターミナルタックルの部品(例えば、釣りオモリ(130))の一部分がかかるように構成される連結部(1200)とを含む。糸通し部(1100)の一部分または全体は金属材料からなり得る。連結部(1200)は、糸通し部(1100)と同一の金属材料からなり得る。釣りオモリ(130)の一部分が連結部(1200)にかかるように、連結部(1200)は糸通し部(1100)から曲がって延長する。
【0040】
連結具(1000)は、糸通し部(1100)を通じて釣り糸(10)に対して回転可能に釣り糸(10)に連結される。糸通し部(1100)と釣り糸(10)は、余裕をもつ連結形態で連結される。糸通し部(1100)は、釣り糸(10)が糸通し部の内側開口をスライド可能に通過するように釣り糸(10)に連結される。一実施例において、糸通し部(1100)は、釣り糸を通過させるように形成され、釣り糸とスライド接触する糸通しリング(1110)と、糸通しリング(1110)を保持するリング保持部(1120)を含む。他の実施例として、糸通し部(1100)は、釣り糸がスライド可能に通過する開口を有する1つの部材で構成されることもできる。
【0041】
糸通しリング(1110)は、その内周面で釣り糸(10)にスライド可能に接触する。リング保持部(1120)は、糸通しリング(1110)を取り囲むように環状に形成される。糸通しリング(1110)の外周面をリング保持部(1120)の内周面に嵌め合わせることによって、糸通しリング(1110)がリング保持部(1120)に固定されることができる。一例として、糸通しリング(1110)はセラミック材料からなり得る。一例として、リング保持部(1120)は金属製の板材を絞り加工することによって形成され得る。
【0042】
連結具(1000)は、連結部(1200)により釣りオモリ(130)を糸通し部(1100)に連結する。釣りオモリ(130)は、連結環(132)が連結部(1200)にかかるように連結具(1000)に連結され得る。釣りオモリ(130)が連結具(1000)に連結され、連結具(1000)が釣り糸(10)に連結された状態で、釣りオモリ(130)は連結部(1200)にぶらさがる形態で釣り糸(10)に連結され得る。
【0043】
糸通し部(1100)から延長する連結部(1200)は帯状を有する。連結部(1200)は、糸通し部(1100)に向かうように曲がっている。連結部(1200)の曲がった形状は、O字状のような環状を取り得る。釣りオモリ(130)の連結環(132)(ターミナルタックルの部品の一部分)が連結部(1200)に余裕をもつ連結形態で挿入されるように、釣りオモリ(130)が連結部(1200)に連結される。ここで、前記「余裕をもつ連結」は、連結環(132)と連結部(1200)の相対的な動きまたは回転を妨害しない余裕間隙が連結環(132)と連結部(1200)との間に形成される連結形態を意味する。従って、連結部(1200)は、ターミナルタックルの部品の一部分(例えば、釣りオモリの連結環(132))が余裕間隙をもって挿入される挿入空間(1311)を、その曲がった形状の内側に形成するように曲がっている。前記余裕間隙は、挿入空間(1311)を限定する表面と連結環(132)の表面との間の間隙である。
【0044】
連結部(1200)は、糸通し部(1100)と一体に、詳細には糸通し部のリング保持部(1120)と一体に形成されている。連結部(1200)は、連結端(1210)と先端(1220)を含む。連結端(1210)は、糸通し部(1100)に連結される連結部(1200)の末である。先端(1220)は、連結部(1200)の延長方向(ED)(
図6参照)で連結端(1210)の反対側に位置する。先端(1220)はリング保持部(1120)から分離されている。先端(1220)は、連結部(1200)の曲がった形状により、連結端(1210)に向かう。従って、連結部(1200)の曲がった形状の内側に、釣りオモリの連結環(132)が余裕間隙をもって挿入される挿入空間(1311)が形成される。
【0045】
図7に示すように、釣りオモリ(130)が連結部(1200)に連結された状態で、釣りオモリの連結環(132)が挿入空間(1311)を貫通しながら連結部(1200)に挿入されており、連結部(1200)は連結環(132)とボディー部(131)の上面との間を通過する。従って、釣りオモリ(130)は、余裕をもつ連結形態で連結部(1200)に連結されている。
図7に示す太い矢印は、釣りオモリ(130)が連結具(1000)に連結された状態で、連結具(1000)が回転する方向の例を指す。
【0046】
釣りオモリ(130)が連結具(1000)に連結される前に、連結部(1200)の挿入空間(1311)に連結環(132)の挿入を許容するように、連結端(1210)と先端(1220)は入口間隙を置いて分離されている。前記入口間隙は、挿入空間(1311)に通じ、連結環(132)の通過を許容する。連結環(132)が挿入空間(1311)に挿入された後、連結部(1200)は前記入口間隙を閉鎖するように曲げによって変形され得る。
図6~
図9は、前記入口間隙を閉鎖するように連結部(1200)が曲がっている状態を示す。前記入口間隙が閉鎖された状態で、連結部(1200)は略O字状のような環状を取り得る。
【0047】
連結部(1200)は、内周面(1230)と外周面(1240)を含む。内周面(1230)は、O字状のように環状に曲がった連結部で、連結部の内側半径方向に位置する表面である。外周面(1240)は、曲がった連結部で、連結部の外側半径方向に位置する表面である。また、連結部(1200)は、内周面(1230)と外周面(1240)との間で連結端(1210)から先端(1220)まで連結部の延長方向(ED)に沿って延長する一対の側周面(1250)を含む。
【0048】
曲がった連結部で、連結部の内側半径方向に位置する内周面(1230)が、挿入空間(1311)を限定する。連結環(132)が挿入空間(1311)に挿入され、連結部(1200)が前記入口間隙を閉鎖するように曲げによって変形された状態で、連結部(1200)は、先端(1220)が連結端(1210)に、または、連結端の付近で内周面(1230)に接触するように曲がっている。内周面(1230)は連結環(132)の表面に接触する。一実施例において、内周面(1230)は凸曲面(1231)を有する。
図8と
図11に示すように、凸曲面(1231)は、連結端(1210)から先端(1220)まで連結部の延長方向(ED)に沿って形成される。また、凸曲面(1231)は挿入空間(1311)に向かって凸である。
図11に示すように、凸曲面(1231)の全体が内周面(1230)を形成し得る。凸曲面(1231)の縁が側周面(1250)に連結され、連結部(1200)の縁になり得る。
【0049】
一実施例において、連結部の先端(1220)は、略直角に連結される2つの先端面を有し得る。
図8と
図9を参照すると、先端(1220)は略直角に連結された第1先端面(1221)と第2先端面(1222)を有し得る。第1先端面(1221)は内周面(1230)に連結される。第2先端面(1222)は第1先端面(1221)と外周面(1240)に連結される。連結部(1200)が前記入口間隙を閉鎖するように変形された状態で、第2先端面(1222)が連結端(1210)に、または、連結端(1210)の付近で内周面(1230)に接触し得る。
図9に示すように、前記第1及び第2先端面を有する連結部の先端(1220)は、連結部の連結端(1210)より狭いように形成されている。これにより、側周面(1250)は、前記第1及び第2先端面に連結され、連結部の内側に傾いた一対の傾斜面(1251)を有する。
【0050】
一実施例において、外周面(1240)は、挿入空間(1311)に向かって凹な凹曲面(1241)を有する。
図6と
図8に示すように、凹曲面(1241)は連結部(1200)の延長方向(ED)に沿って形成されている。一例として、凹曲面(1241)は連結端(1210)から先端(1220)まで連結部の延長方向に沿って外周面(1240)に形成され得る。
図9~
図11に示すように、凹曲面(1241)は外周面(1240)の中央に位置し、凹曲面(1241)を除いた外周面(1240)の部分に対して連結部(1200)の内側に陥没した形状を取る。従って、凹曲面(1241)は、外周面(1240)の中央に位置し、外周面(1240)に沿って形成され、丸い断面形状を有する凹溝として形成されている。また、外周面(1240)は、凹曲面(1241)の縁に沿って連結端(1210)から先端(1220)までそれぞれ延長する一対の平坦面(1242)を有する。各平坦面(1242)は、凹曲面(1241)の縁に沿って凹曲面(1241)に連結されている。凹曲面(1241)は、一対の平坦面(1242)の間に位置する。
【0051】
図8に示すように、一実施例による連結具を側方から見る時、連結部(1200)は略O字状のような環状に曲がっている。従って、連結具を側方から見る時、連結部(1200)は、最外側に示されて湾曲している外周輪郭線(1243)を有する。連結部(1200)が前記入口間隙を閉鎖するために曲げによって変形される時、連結部(1200)の中間部(1260)の上側の部分が中間部(1260)の下側の部分に対して折り曲がり得、中間部(1260)に折り曲がる部分が形成される。また、折り曲がった中間部(1260)に対応する外周輪郭線(1243)の一部分には、折り返し部(1244)が形成される。外周輪郭線(1243)は、折り返し部(1244)で折り曲がる形状を有し得る。折り返し部(1244)は、狭い幅をもって急激に曲がった形状として外周面(1240)に示され得る。
【0052】
凹曲面(1241)が形成された外周面(1240)を有する連結部(1200)は、連結部の環状を変形させる外力に抵抗する強い強度を有する。外周面の凹曲面(1241)は、凹曲面が形成されていない連結部を潰して連結部を塑性変形させることによって形成され得る。連結部の塑性変形された部分は加工硬化を引き起こし得る。
【0053】
図11を参照すると、一実施例による連結具において、凹曲面(1241)は、塑性変形された連結部における外周面の一部分として形成され得る。また、連結部(1200)は、その内部に、凹曲面(1241)に沿って配置される塑性変形部(1270)を有し得る。即ち、連結部(1200)は、潰し加工によって形成される凹曲面(1241)と塑性変形部(1270)を有する。塑性変形部(1270)は、連結部の厚さ方向(TD)で凹曲面(1241)と凸曲面(1231)との間に位置し、凹曲面(1241)に接する状態で連結部の延長方向(ED)に沿って形成されている。塑性変形部(1270)は、連結部の連結端から先端まで凹曲面(1241)に沿って形成され得る。塑性変形部(1270)は、連結部(1200)に凹曲面(1241)が形成されるように連結部を潰し、潰される連結部の一部分を塑性変形させ、加工硬化させることによって形成され得る。
【0054】
凹曲面(1241)と塑性変形部(1270)を有する連結部(1200)は、連結部の曲がった形状(即ち、
図8に示すO字状の環状)を変形させる外力に抵抗する強い強度を有する。凹曲面(1241)と塑性変形部(1270)が連結部(1200)の延長方向に沿って形成されるので、連結部(1200)は連結部(1200)の環状を開放させる外力(即ち、連結部の環状を伸ばす方向に作用する外力)に対して強い耐力を有する。従って、釣り糸によって張力が連結部(1200)に連結部の環状を伸ばす方向にかかっても、連結部(1200)は環状を維持することができる。また、ターミナルタックルの部品は、連結部(1200)から分離されることなく、連結部(1200)にかかった状態に維持されることができる。
【0055】
一実施例において、凹曲面(1241)はプレス加工によって、詳細には素材を厚さ方向で潰す潰し加工によって形成され得る。前記潰し加工は、弾性限度を超える圧縮力を素材に印加し、圧縮力の除去時に素材を本来の形状ではなく、変形された形状に維持させるとともに、塑性変形された部分を加工硬化させる塑性加工を意味し得る。また、外周面の凹曲面(1241)と内周面の凸曲面(1231)は、前記潰し加工によって同時に形成されることもできる。
図12は、一実施例による連結部を製造する一例を概略的に示す。
【0056】
図12を参照すると、前述した凹曲面を加工する前の状態にあり、金属材料からなる連結部(1200A)が準備される。凹曲面を加工する前の連結部(1200A)は、前述した糸通し部のリング保持部を形成するための板材に連結された状態にあり得る。加工前の連結部(1200A)は、板材の形状を取り得る。連結部(1200A)がプレスのダイ(210)内に配置され、プレスパンチ(220)が連結部(1200A)をダイ(210)側に連結部(1200A)の厚さ方向(TD)で潰す。それにより、連結部(1200A)の上面(1240A)には、プレスパンチ(220)の端部の形状に対応する凹曲面(1241)が形成される。また、連結部(1200A)の下面(1230A)は、ダイ(210)の上面の形状に対応するように変形され、凸曲面(1231)を有するように形成される。凹曲面(1241)が形成された上面(1240A)が連結部の前述した外周面となり、凸曲面(1231)が形成された下面(1230A)が連結部の前述した内周面となる。凹曲面(1241)と凸曲面(1231)が形成された連結部(1200)は、挿入空間を形成するようにベンディングによって加工されることができる。
【0057】
連結部(1200A)をその厚さ方向(TD)に潰すことによって、プレスパンチ(220)が連結部(1200A)をダイ(210)側に押し、プレスパンチ(220)とダイ(210)との間に位置する連結部(1200A)の一部分を塑性変形させ、加工硬化させる。これにより、連結部(1200A)の上面(1240A)に、プレスパンチ(220)の端部の形状に対応する形状に凹曲面(1241)が潰し加工によって形成される。また、凹曲面(1241)が形成されると同時に、連結部(1200A)の内部には凹曲面(1241)の直下と下面(1230A)との間に位置する領域(WH)が塑性変形され、加工硬化される。領域(WH)は、連結部(1200A)がプレスパンチ(220)により塑性変形される範囲を例示的に示す。
【0058】
領域(WH)は、ダイ(210)とプレスパンチ(220)との間でプレスパンチ(220)の加圧力によって潰される。潰しによって塑性変形され、加工硬化される領域(WH)が連結部の前述した塑性変形部(1270)として形成される。従って、塑性変形部(1270)は、塑性変形部を除いた連結部の部分の降伏応力(yield stress)及び密度より高い降伏応力及び密度を有し得る。また、凹曲面(1241)と塑性変形部(1270)の中央で連結部(1200)の厚さが一番小さくなり得る。
【0059】
凹曲面(1241)を含む連結部(1200)の一部分(1281)には、凹曲面(1241)に沿って塑性変形部(1270)が形成される。塑性変形部(1270)は、連結部(1200)の他部分(1282)の降伏応力及び密度より高い降伏応力及び密度を有し得る。即ち、凹曲面(1241)と塑性変形部(1270)を含む連結部(1200)の一部分(1281)は、塑性変形部(1270)を除いた連結部の他部分(1282)に比べ、高い降伏応力及び高い密度を有し得る。
【0060】
板材形状の連結部を厚さ方向(TD)に潰し、潰される連結部の一部分を塑性変形させ、加工硬化させることによって、外周面に凹曲面(1241)が形成され、連結部の内部に塑性変形部(1270)が形成される。従って、連結部をその厚さ方向に潰し、加工硬化させた状態で、凹曲面(1241)は外周面(1240)の一部分であり、塑性変形部(1270)は凹曲面(1241)に接する連結部の内部の一部分である。
【0061】
前述した潰し加工によって、連結部の延長方向に沿って連結部に凹曲面(1241)と塑性変形部(1270)が形成される。これにより、連結部はその延長方向で向上した強度を有し、連結部の環状を伸ばす方向に作用する外力に抵抗する強い耐力を有する。
【0062】
連結部の一部分を塑性変形させ、加工硬化させるために凹曲面(1241)を形成する前記潰し加工は、連結部の連結端から先端まで行われ得る。塑性加工である潰し加工によって、連結部に凹曲面(1241)を形成し、凹曲面(1241)が加工される表面に沿って連結部の内部に塑性変形と加工硬化が生じる。従って、前述した潰し加工は、連結部(1200)が環状を維持するように連結部の強度を補強するための適切な加工であり得る。
【0063】
図13は、一実施例による連結具がターミナルタックルの部品を釣り糸に連結する例を示す側面図である。
図14は、釣り糸の方向から見られる
図13に示す連結具とターミナルタックルを示す。
図15は、
図13のXV‐XV線に沿って取った断面図である。
【0064】
図13~
図15を参照すると、連結部(1200)と釣りオモリ(130)は、釣りオモリ(130)が余裕間隙をもって挿入空間に挿入される方式で、互いに連結されている。
図13と
図14において太い矢印で示すように、連結部(1200)は釣り糸(10)の移動によって、釣りオモリ(130)に対して自由に回転することができる。また、
図15に示すように、内周面の凸曲面(1231)は、釣りオモリの連結環(132)の湾曲した形状と互いに重ねられ得る。従って、凸曲面(1231)の縁が連結環(132)に食い込まず、連結具(1000)は釣りオモリ(130)に対してなめらかに回転することができる。このように、一実施例の連結具(1000)によると、ターミナルタックルの部品は、連結部に余裕をもつ連結形態で連結され、連結部の縁が前記部品の一部分に食い込まないので、連結具は釣り糸の動きに伴って自由に動いて回転することができる。
【0065】
一実施例による連結具では、釣りオモリ(130)が連結部に臨時に連結された状態で連結部を曲げによって変形させることによって、釣りオモリ(130)が連結部に余裕をもつ連結形態で連結され得る。
【0066】
図16は、連結部が変形される前の状態での一実施例による連結具を示す斜視図である。
図17は、
図16に示す連結具とターミナルタックルの部品が連結されている状態を示す斜視図である。
図16と
図17を参照して、連結部が変形される前の状態での一実施例による連結具を説明する。
【0067】
ターミナルタックルの部品(例えば、釣りオモリ(130))を連結具に臨時に連結するために、入口間隙(1312)が連結端(1210)と先端(1220)との間に設けられる。互いに離隔された連結端(1210)と先端(1220)が入口間隙(1312)を限定する。また、前記部品の一部分(例えば、釣りオモリの連結環(132))が余裕間隙をもって挿入される挿入空間(1311)が入口間隙(1312)に通じる。入口間隙(1312)は、連結環(132)の通過を許容する。即ち、一実施例の連結具は、連結部(1200)が曲げによって変形される前に、連結環(132)が挿入される挿入空間(1311)を有するように、また、連結端(1210)と先端(1220)との間に入口間隙(1312)を有するように構成される。連結部(1200)は、入口間隙(1312)を閉鎖するように変形可能である。入口間隙(1312)が閉鎖されれば、先端(1220)が連結端(1210)または内周面(1230)に接触することができる。
【0068】
釣りオモリの連結環(132)が入口間隙(1312)を通じて、挿入空間(1311)に挿入される。その後、連結部(1200)を曲げによって変形させることによって、入口間隙(1312)が閉鎖され、釣りオモリ(130)は連結具の連結部(1200)に余裕をもつ連結形態で連結される(
図7参照)。また、入口間隙(1312)が閉鎖されれば、先端(1220)が連結端(1210)に、または、連結端(1210)の付近で内周面(1230)に接触する。入口間隙(1312)の閉鎖のための連結部の変形は、一般的なプライヤーまたはペンチで連結部(1200)を挟んで連結部(1200)を曲げによって変形させることによって行われることができる。前述した連結具の連結構造によって、釣りオモリ(130)は、スプリットリングプライヤー(split ring pliers)という専用の工具を用いることなく、連結具(1000)に連結されることができる。釣りオモリ(130)がスプリットリング(split ring)を用いずに連結具(1000)に連結されることができるので、連結具が絡みによって固定状態となることを防止することができる。また、釣り糸は、連結具(1000)の糸通しリング(1110)を通過しながら円滑にスライドすることができるので、釣り糸が繊細に連結具の糸通しリング(1110)に沿って動くことができ、これによりターミナルタックルが円滑に移動することができる。
【0069】
図18~
図22はそれぞれ、
図16に示す連結具の側面図、平面図、正面図、背面図及び底面図である。
図16~
図22を参照して、連結部が変形される前の状態にある一実施例による連結具を説明する。
【0070】
連結部(1200)の外周面(1240)には凹曲面(1241)が形成されており、連結部の内周面(1230)には凸曲面(1231)が形成されている。
図18に示すように、連結具を側方から見る時、連結部(1200)は、最外側に示されて湾曲している外周輪郭線(1243)を有する。連結部を曲げによって変形させる前に入口間隙(1312)が開放されている状態で、連結部の外周輪郭線(1243)は略C字状である。連結部を変形させる前に、
図8に示す折り返し部は連結部の外周輪郭線(1243)に形成されない。
【0071】
図23は、
図16に示す連結具の側面図であり、入口間隙の距離(GD)と連結部の厚さ(T1)を示す。
図24は、入口間隙(1312)を通じて釣りオモリの連結環(132)が連結部(1200)に挿入される例を示す側面図である。
図25は、連結部の変形によって入口間隙が閉鎖される例を示す側面図である。
図23~
図25を参照して、釣りオモリの連結環が入口間隙を通じて連結部に挿入され、連結部が曲げによって変形される例を説明する。
【0072】
図23を参照すると、連結具(1000)を側方から見る時、入口間隙(1312)が開放されている状態で、入口間隙(1312)の距離(GD)は0.6mm~2.0mmの範囲内にあり得る。
図24を参照すると、一例として、釣りオモリ(130)の連結環(132)の直径(DL)は0.6mmであり得る。入口間隙(1312)の距離(GD)が0.6mm以上であれば、釣りオモリの連結環(132)が入口間隙(1312)を通じて挿入空間(1311)に容易に挿入されることができる。入口間隙(1312)の距離(GD)が2.0mm以下であれば、入口間隙(1312)を閉鎖するように連結部(1200)が曲げによって変形される時、連結部(1200)はその形状での崩れなしにO字状のような環状を形成することができる。
【0073】
図25を参照すると、連結環(132)が挿入空間(1311)に挿入された状態で、一般的なプライヤー(190)を用いて連結部(1200)を挟んで、入口間隙(1312)が閉鎖されるように連結部(1200)を変形させる。連結部の変形により、先端(1220)の第2先端面(1222)が連結端(1210)に、または連結端(1210)の付近で内周面(1230)に接触し、入口間隙(1312)が閉鎖される。従って、連結部(1200)と釣りオモリ(130)は、連結環(132)が余裕間隙(1313)をもって挿入空間(1311)に挿入された状態で、即ち、余裕をもつ連結形態で、互いに連結されることができる。また、入口間隙の閉鎖のために連結部(1200)が変形される途中で、プライヤー(190)により加えられる力によって、連結部の中間部(1260)に折曲部分が形成され、連結部の外周輪郭線(1243)には折り返し部(1244)が形成される。
【0074】
一実施例の連結具は、連結部が異なる厚さを有するように構成される。連結具を側方から見た
図23を参照すると、一実施例による連結具は、先端(1220)での連結部の厚さが中間部(1260)での連結部の厚さより小さくなるように構成される。
【0075】
連結部の先端(1220)は、内周面に連結される第1先端面(1221)と、第1先端面(1221)と外周面(1240)に連結され、連結端(1210)または内周面(1230)に接触する第2先端面(1222)を有する。連結具を側方から見る時、連結部(1200)は中間部(1260)での第1厚さ(T1)と、第1先端面(1221)での第2厚さ(T2)を有し得る。第1厚さ(T1)と第2厚さ(T2)は、糸通し部(1100)に平行な方向での連結部の一部分の両端間の距離と定義され得る。第2厚さ(T2)は、第1厚さ(T1)より小さい。また、第2厚さ(T2)は、第1厚さ(T1)の30%~70%の範囲内にあり得る。
【0076】
一実施例の連結具において、先端(1220)が第1先端面(1221)と第2先端面(1222)を有し、第2先端面(1222)での第2厚さ(T2)が中間部(1260)での第1厚さ(T1)の30%~70%の範囲内にあるように、先端を形成する連結部の部分がつぶされた形状を有し得る。従って、
図25に示すように、連結部(1200)が変形されれば、先端(1220)の第2先端面(1222)が連結端(1210)に、または連結端(1210)の付近で内周面(1230)に広い表面を通じて圧迫されて接触する。即ち、連結部(1200)は、先端(1220)の第2先端面(1222)が連結端(1210)の表面または内周面(1230)の表面に接触した状態で、入口間隙を閉鎖するように変形されることができる。従って、閉鎖された連結部(1200)はその曲がった環状を安定的に維持することができる。
【0077】
一実施例による連結具は、先端での連結部の幅が中間部または連結端での連結部の幅より狭いように構成される。
図26と
図27はそれぞれ、
図16に示す連結具の背面図及び平面図であり、連結部の一部分での幅を示す。
【0078】
連結具を上方から見た
図27を参照すると、連結部(1200)は中間部(1260)での第1幅(W1)と先端(1220)での第2幅(W2)を有する。第1幅(W1)は、連結部の連結端(1210)での幅と同一であり得る。第2幅(W2)は、先端(1220)の第2先端面(1222)での幅に該当し得る。第1幅(W1)と第2幅(W2)は、連結部の幅方向(WD)での両端間の距離と定義され得る。第2幅(W2)は、第1幅(W1)より狭い。第2幅(W2)は、第1幅(W1)の30%~80%の範囲内にあり得る。
【0079】
先端での第2幅(W2)が中間部での第1幅(W1)の30%以上であれば、連結部(1200)が入口間隙を閉鎖するように変形されている時、連結部(1200)は環状を維持する強度を先端(1220)に有し得る。先端での第2幅(W2)が中間部での第1幅(W1)の80%以下であれば、連結具(1000)を上方から見る時、先端(1220)が連結部(1200)から幅方向にはみ出さないように、連結部(1200)が入口間隙を閉鎖するように変形され得る。
図28は、連結部が入口間隙を閉鎖するように変形されている一例を示す平面図である。
図28を参照すると、入口間隙を閉鎖するために連結部(1200)をプライヤーまたはペンチで変形させる時、連結部(1200)の先端(1220)は連結部の中央に位置できず、連結部の中央から幅方向(WD)にオフセットされ得る。先端(1220)の第2幅が中間部(1260)の第1幅の80%以下である。従って、先端(1220)が連結部の中央からオフセットされても、連結部(1200)は、先端(1220)が連結部(1200)から幅方向にはみ出さないように変形されることができる。また、釣り糸が連結部(1200)から幅方向にはみ出した先端(1220)に引っかかることが防止されることができる。
【0080】
図29と
図30を参照して一実施例による連結具が動作する例を説明する。
図29は、一実施例による連結具がターミナルタックルの釣りオモリを釣り糸に連結する例を示し、
図30は、釣り糸に張力がかかる時に一実施例による連結具が釣りオモリに対して回転する例を示す。
【0081】
図29と
図30は、キャロライナリグのようなターミナルタックル(100)を示す。一実施例による連結具(1000)は、釣り糸(10)とターミナルタックルの部品(例えば、釣りオモリ(130))を相対的に移動可能に連結する。また、連結具(1000)は、釣り針(161)と疑似餌(162)を有するターミナルタックル(100)の一部分が連結されている釣り糸(10)が、連結具(1000)を通じて繊細に移動することを可能にする。釣りオモリ(130)が連結されている連結具の連結部(1200)は、釣り糸(10)にかかる張力に耐えることができる十分な強度を有する。また、連結具(1000)は、釣りオモリ(130)に固定されずに自由に回転することができるので、釣りオモリ(130)に対する自由な回転の効果を十分に発揮することができる。また、連結具の連結部(1200)と釣りオモリ(130)は、専用の道具を用いることなく、一般的なプライヤーまたはペンチで簡単に連結されることができる。
図30に示すように、釣りオモリ(130)は水底(20)で固定状態となることができる。この時、魚が疑似餌(162)(
図29参照)を銜えて引けば、張力が釣り糸(10)にかかり、釣り糸(10)は魚が引く力によって移動する。連結具(1000)は釣りオモリ(130)に絡まらず、釣りオモリ(130)に固定されない。釣り糸(10)が前記張力によって移動することによって、連結具(1000)は
図30で一点鎖線で示す状態から容易に回転することができる。また、釣り糸(10)は繊細に連結具の糸通しリング(1110)をスライドしながら通過することができる。
【0082】
図31~
図33は、ターミナルタックルの部品が一実施例による連結具に連結される多様な例を示す。
図31に示すように、必要に応じて、連結具(1000)の連結部(1200)にスプリットリング(split ring)(150)が連結され得る。
図32に示すように、連結具(1000)の連結部(1200)にスナップ(snap)(160)が連結され得る。
図33に示すように、連結具(1000)の連結部(1200)にスイベル(swivel)(142)が連結され得、スナップ(160)がスイベル(142)に連結され得る。
図31~
図33に示すように、連結具の連結部にターミナルタックルの多様な部品が連結され得、スプリットリングまたはスナップには、釣りオモリ、疑似餌、その他の部品が連結されることもできる。
【0083】
一実施例による連結具は、前述した凹曲面及び塑性変形部が連結部の延長方向に沿って形成されている連結部を有する。従って、連結部は向上した強度を示し、連結部の環状を維持する向上した耐力を有する。一実施例による連結具は、釣り糸を通じてかかる張力に抵抗して連結部の曲がった環状を維持することができ、連結部と釣りオモリとの間の分離を防止することができる。
【0084】
一実施例による連結具での連結部の向上した強度と環状の維持を評価するために、一実施例による連結具の連結部と、比較例による連結具の連結部に対する引張試験が行われた。この引張試験により、引張力がかかる状況で連結部が環状を維持することができるかが評価された。
【0085】
図34は、前述した引張試験の一例を示す。一実施例による連結具と、比較例による連結具が試験された。一実施例による連結具の連結部(1200)は、前述した凹曲面と塑性変形部を備える。比較例による連結具は、一実施例による連結具と同様に構成されるが、前述した凹曲面と塑性変形部を備えない。引張試験の試験方法は、ステンレスワイヤで連結部を引っ張ることである。一実施例による連結具と、比較例による連結具は、SUS304の金属材料からなる。引張治具は0.83mmの直径を有するステンレスワイヤ(310)である。連結具がバイス(320)により固定され、ステンレスワイヤ(310)が連結部(1200)に連結された状態で、矢印の方向に複数回の引張力がかかる。引張速度は20mm/minである。
【0086】
下記[表1]は、前述した引張試験の結果を示す表である。下記[表1]は、引張力の増加に伴い、連結端と先端との間の入口間隙の距離の変化を数値で示し、この数値の単位はmmである。一実施例の連結具での入口間隙は、比較例の連結具での入口間隙に比べ、引張力が増加するに伴って少なく変化する距離を有する。即ち、一実施例の連結具は、多様な引張力下で変化が小さい入口間隙の距離を有する。従って、一実施例の連結具の連結部が向上した強度を有することが確認されることができる。
【0087】
【0088】
以上、一部の実施例と添付の図面に示す例により、本開示の技術的思想が説明されたものの、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解し得る本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で、多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を知るべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。
【符号の説明】
【0089】
10 釣り糸、100 ターミナルタックル、130 釣りオモリ、132 連結環、1000 連結具、1100 糸通し部、1200 連結部、1210 連結端、1220 先端、1221 第1先端面、1222 第2先端面、1230 内周面、1231 凸曲面、1240 外周面、1241 凹曲面、1243 外周輪郭線、1244 折り返し部、1260 中間部、1270 塑性変形部、1311 挿入空間、1312 入口間隙、1313 余裕間隙、ED 延長方向、TD 厚さ方向、GD 入口間隙の距離、T1 第1厚さ、T2 第2厚さ、W1 第1幅、W2 第2幅。