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特開2022-31181術中経皮的アブレーションプランニングのためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031181
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】術中経皮的アブレーションプランニングのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20220210BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20220210BHJP
   A61B 18/02 20060101ALI20220210BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20220210BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220210BHJP
   A61B 18/04 20060101ALN20220210BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B34/20
A61B18/02
A61B34/30
G06T7/00 612
A61B18/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021124908
(22)【出願日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】63/062,184
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/351,698
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】ボニラス ヴァカ アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルズ バレット
【テーマコード(参考)】
4C160
5L096
【Fターム(参考)】
4C160JJ01
4C160MM32
5L096AA06
5L096BA06
5L096BA08
5L096BA13
5L096BA18
5L096CA18
5L096CA24
5L096DA01
5L096FA06
5L096FA66
5L096FA69
5L096HA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リアルタイムの術中アブレーションプランニングによる腫瘍アブレーションが可能な、経皮的アブレーションのための新規のシステム及び方法を提供する。
【解決手段】医師又は技術者は、ソフトウェアにおいてアブレーションゾーン102の設定、ひいてはアブレーションサイズを調整して、対応するアブレーションゾーン102を可視化することができる。医師は、針進路101に関してアブレーションゾーンを上下にドラッグすることができ、ソフトウェアは、そのアブレーションゾーン102に到達するために必要な皮膚表面103からの挿入深さ距離104に関して、医師にフィードバックを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アブレーション又は放射線療法のプロセス又はプランニングをサポートするための画像処理装置であって、
術中動作用に構成されたプロセッサであって、
画像内で、アブレーション若しくは放射線療法のプロセス、又はアブレーション若しくは放射線療法のプランニングの対象となる関心領域を検出し、
前記画像内で針の位置を特定し、
前記針の挿入情報に基づいて、前記針の軌道及び深さを計算し、
ディスプレイに、前記針の軌道及び深さを前記画像上に表示させ、
前記関心領域内のアブレーションゾーンと、前記関心領域内のアブレーションサイズとをエンドユーザが設定できるようにし、
前記エンドユーザによって設定された前記アブレーションゾーン及び前記アブレーションサイズを反映させるために、前記針の軌道及び深さを調整する、プロセッサ、
を備える装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記エンドユーザが術中に前記アブレーションゾーン又は前記アブレーションサイズを再設定し、前記再設定を反映させるために前記針の軌道及び深さを調整できるようにする、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記針は、長さを追加するための複数平行針である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記エンドユーザからのフィードバックに基づいて、前記アブレーションゾーンにおいて病変を事前にセグメンテーションするように更に機能する、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記エンドユーザに最小アブレーションマージンのリアルタイムフィードバックを提供するように更に機能する、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記エンドユーザに最大アブレーションマージンのリアルタイムフィードバックを提供するように更に機能する、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、腫瘍の被覆率のリアルタイムフィードバックを提供するように更に機能する、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記腫瘍の前記被覆率は、最小アブレーションマージン及び最大アブレーションマージンから導出される、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記エンドユーザからのフィードバックに基づいて、前記画像において重要構造を事前にセグメンテーションするように更に機能する、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記針は、挿入点を中心に回転可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記回転可能な針は、前記アブレーションの中心の周りにアブレーションゾーンを形成する、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記針を三次元で誘導するための定位デバイスを更に備える、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記針の挿入は、ロボットによって制御される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
アブレーションのプランニング及び/又は実行を行うための方法であって、
術中動作用に構成されたプロセッサを有する画像処理装置を提供するステップと、
画像内で、前記アブレーションのプランニング及び/又は実行の対象となる関心領域を特定するステップと、
エンドユーザからの、最小アブレーションマージン、最大アブレーションマージン及び腫瘍被覆率を含む1つ以上の入力を、前記画像処理装置に提供するステップと、
前記エンドユーザからの前記1つ以上の入力から、前記画像内でアブレーションゾーンの位置を反復するステップと、
前記アブレーションゾーンの反復された前記位置に基づいて、針の軌道及び前記針の挿入深さを計算するステップと、
前記エンドユーザによる前記針の挿入のために、前記針の軌道及び挿入深さを前記画像上に表示するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願への相互参照
本願は、2020年8月6日に米国特許商標庁に提出された米国仮特許出願第63/062184号から優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、経皮的アブレーションのシステム及び方法に関する。より詳細には、本開示は、リアルタイムの術中アブレーションプランニングをすることができる経皮的腫瘍アブレーションを対象とする。
【背景技術】
【0003】
画像誘導経皮的腫瘍アブレーションは、外科的切除の非常に人気のある代替手段であり、固形腫瘍を根絶するための低侵襲オプションを提供する。経皮的アブレーションは、CT、MRI及び/又は超音波等の医用イメージングを利用して、アブレーション針を体内の病変まで手動で誘導し、針のターゲティングフィードバックを反復することによって、実行される。針が病変に到達すると、熱アブレーションが実行され、癌性組織を加熱又は凍結して壊死を誘発する。経皮的アブレーション手順の成功は、医師が病変を適切に可視化し、アブレーション針を病変まで正確に誘導し、最小のアブレーションマージンを繰り返し達成できるかどうかにかかっている。ターゲティングの課題の多くは、針の手動操作と段階的な反復進路修正アプローチによって克服されるが、体内のポイントをターゲティングすることは、治療の課題の一部にすぎない。
【0004】
医師が、健康な組織への損傷を低減しながら、適切なアブレーションマージンを達成できる位置に針を配置する針軌道を計画及び実行できるかどうかが、最も手強く困難な課題である。
【0005】
この非効率性の指標として、最近の研究では、経皮的アブレーションの疾患再発率は、0mmのマージンで90%であり、1cm超のマージンでは5%であることが示されている。よって、医師が最小アブレーションマージンを繰り返し達成し、再発率を低下させるのに役立つ、より優れたアブレーションプランニングツールの必要性が示されている。
【0006】
医師の大多数は、処置に合わせたソフトウェアパッケージではなく、標準の診断画像表示ソフトウェアを利用して、経皮的アブレーションを実行する。医師は、製造業者が提供するアブレーションゾーンの仕様を、印刷されたチャートから画像に頭の中でマッピングし、そのアブレーションが十分なマージンを提供するかどうかを判断することを余儀なくされている。更に、医師は、実際のアブレーションサイズに大きな影響を与え得る様々な組織特性を、頭の中で考慮する必要がある。アブレーションプランニングツールがないので、経皮的アブレーション処置の実行は、医師にとって非常に困難であり、患者にとって潜在的に危険である。
【0007】
この問題を解決する試みの様々な例を、例えば米国特許第9839482号に見ることができ、これには、腫瘍をセグメンテーションすることと、計画された針軌道とその針の対応するアブレーションゾーンをオーバーレイすることが記載されている。当該特許は、腫瘍周囲の安全マージン及びそれを可視化する能力と、病変の一部が計画されたアブレーションゾーンの外側にあることを伝える方法について論じている。しかしながら、当該特許には、術中のアブレーションプランニングがなく、針検出と針検出に基づくプランニングがなく、軌道に基づくアブレーションゾーンの最適な位置及びサイズの自動計算がないという制限がある。
【0008】
この問題に対処しようとしている別の出版物は、j.Vasc Interv Radiol 2018による“Evaluation of a CT-Guided Robotic System for Precise Percutaneous Needle Insertion.”である。この論文では、新規のロボットデバイスを用いた針挿入が記載されており、針軌道を事前に計画してから、その針進路に沿って、医師がロボットに停止して軌道を確認することを望むスポットを選択する。しかしながら、プランニングと、軌道に沿った停止点のマーキングは、全て術前プランニング中に行われる。そのため、術中のアブレーションプランニングはなく、針進路を調整するための、針が実際に取っている進路に沿った針軌道の投影もない。
【0009】
したがって、当技術分野では、リアルタイムの術中アブレーションプランニングによる腫瘍アブレーションが可能な、経皮的アブレーションのための新規のシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
よって、業界におけるそのような例示のニーズに対処するために、本開示の装置は、アブレーション又は放射線療法の手順又はプランニングをサポートするための画像処理装置を教示し、本装置は以下を備える:術中動作用に構成されたプロセッサであって、画像内で、アブレーション若しくは放射線療法のプロセス、又はアブレーション若しくは放射線療法のプランニングの対象となる関心領域を検出し、次に、画像内で針の位置を特定し、針の挿入情報に基づいて、針の軌道及び深さを計算し、その間ずっと、ディスプレイに、針の軌道及び深さを画像上に表示させ、それにより、エンドユーザは、関心領域内のアブレーションゾーンと、関心領域内のアブレーションサイズとを設定することができ、また、エンドユーザは、エンドユーザによって設定されたアブレーションゾーン及びアブレーションサイズを反映させるために、針の軌道及び深さを調整することができる、プロセッサ。
【0011】
更なる実施形態では、プロセッサは、エンドユーザが術中にアブレーションゾーン又はアブレーションサイズを再設定し、再設定を反映させるために針の軌道及び深さを調整できるようにする。
【0012】
更に別の実施形態では、針は、長さを追加するための複数平行針(multiple parallel needle)であってよい。
【0013】
更に、プロセッサは、エンドユーザからのフィードバックに基づいて、アブレーションゾーンにおいて病変を事前にセグメンテーションするように更に機能することが考えられる。更に、プロセッサは、最小アブレーションマージンのリアルタイムフィードバックをエンドユーザに提供するように更に機能し、かつ/又は、プロセッサは、最大アブレーションマージンのリアルタイムフィードバックをエンドユーザに提供するように更に機能する。
【0014】
プロセッサは、腫瘍の被覆率のリアルタイムフィードバックを提供できることが更に考えられ、腫瘍の被覆率は、最小アブレーションマージン及び最大アブレーションマージンから導出される。
【0015】
更に別の実施形態では、プロセッサは、エンドユーザからのフィードバックに基づいて、画像において重要構造を事前にセグメンテーションするように更に機能する。
【0016】
更に、針は対象の挿入点を中心に回転可能であることが想定され、回転可能な針は、アブレーションの中心の周りにアブレーションゾーンを形成することができる。
【0017】
更なる実施形態では、本装置は、針を三次元で誘導するための定位デバイス(stereotactic device)を更に備えてよい。
【0018】
更に、針挿入は、ロボットによって制御することができる。
【0019】
想定される更なる実施形態は、アブレーション又は放射線療法のプロセス又はプランニングをサポートするための画像処理装置を含み、本装置は以下を備える:術中動作用に構成されたプロセッサであって、画像内で、アブレーション若しくは放射線療法のプロセス、又はアブレーション若しくは放射線療法のプランニングの対象となる関心領域を検出し、エンドユーザからの、最小アブレーションマージン、最大アブレーションマージン及び腫瘍被覆率を含む入力を受け取り、画像内でアブレーションゾーンの位置を反復し、アブレーションゾーンの反復された位置に基づいて、針の軌道及び針の挿入深さを計算し、エンドユーザによる挿入のために、ディスプレイに、針の軌道及び挿入深さを画像上に表示させる、プロセッサ。
【0020】
本開示は、アブレーションのプランニング及び/又は実行を行うための方法を更に教示し、本方法は以下を含む:術中動作用に構成されたプロセッサを有する画像処理装置を提供するステップ;画像内で、アブレーションのプランニング及び/又は実行の対象となる関心領域を特定するステップ;エンドユーザからの、最小アブレーションマージン、最大アブレーションマージン及び腫瘍被覆率を含む1つ以上の入力を、画像処理装置に提供するステップ;エンドユーザからの1つ以上の入力から、画像内でアブレーションゾーンの位置を反復するステップ;アブレーションゾーンの反復された位置に基づいて、針の軌道及び針の挿入深さを計算するステップ;及び、エンドユーザによる針の挿入のために、針の軌道及び挿入深さを画像上に表示するステップ。
【0021】
本開示のこれら及び他の目的、特徴及び利点は、本開示の例示の実施形態の以下の詳細な説明を添付の図面及び提供された段落と併せて読むと、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の更なる目的、特徴及び利点は、本開示の例示の実施形態を示す添付の図と併せて解釈すると、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0023】
図1図1は、主題の装置、方法又はシステムの1つ以上の実施形態に係る、例示の針投影進路の画像である。
図2図2は、主題の装置、方法又はシステムの1つ以上の実施形態に係る、例示の針投影進路の斜視図である。
図3図3は、主題の装置、方法又はシステムの1つ以上の実施形態に係る、例示の針投影進路を提供する図である。
図4図4は、主題の装置、方法又はシステムの1つ以上の実施形態に係る、例示の回転可能な針の投影進路の画像である。
図5図5は、主題の装置、方法又はシステムの1つ以上の実施形態に係る、回転可能な針の投影進路の斜視図である。
図6図6は、主題の装置、方法又はシステムの1つ以上の実施形態に係る、回転可能な針の例示の針投影進路を提供する図である。
【0024】
図全体を通して、別段の記載がない限り、同じ参照番号及び文字は、例示される実施形態の同様の特徴、要素、コンポーネント又は部分を示すために用いられる。加えて、指定「’」を含む参照符号(例えば12’や24’)は、同じ性質及び/又は種類の2次要素及び/又は参照を表す。更に、これから図を参照して本開示を詳細に説明するが、それは、例示の実施形態に関連してなされる。添付の段落によって定義される本開示の真の範囲及び主旨から逸脱することなく、説明される実施形態に対して変更及び修正を行うことができることが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、主題の装置、方法又はシステムの1つ以上の実施形態に係る、例示の針投影進路の画像である。この実施形態では、主題の方法は、ハフ変換等の標準の線検出アルゴリズムを用いて、取得されたCT画像において針100の位置を検出する。既存の検出された針からの平行線が、針の先端を越えたその線101の投影として用いられ、針の軌道を提供する。医師又は技術者は、ソフトウェアにおいてアブレーションゾーン102の設定、ひいてはアブレーションサイズを調整して、対応するアブレーションゾーン102を可視化することができる。医師は、針進路101に関してアブレーションゾーンを上下にドラッグすることができ、ソフトウェアは、そのアブレーションゾーン102に到達するために必要な皮膚表面103からの挿入深さ距離104に関して、医師にフィードバックを提供する。単一の針では所望のアブレーションゾーン102に到達できない場合、医師は、複数平行針構成を選択し、病変を包含するのに十分な大きさのアブレーションゾーン102を提供する第2又は第3の針の追加を可視化することができる。
【0026】
図2は、主題の装置、方法又はシステムの1つ以上の実施形態に係る、例示の針投影進路の斜視図を示す。
【0027】
図2は、図1に提供された実施形態の様々な特徴を組み込んでいるが、標的病変は、医師によって事前にセグメンテーションされている(108)。次に、医師は、アブレーションゾーン102をドラッグ及び調整し、最小アブレーションマージン109、最大アブレーションマージン110、及び腫瘍の被覆量(パーセンテージを単位とする)についてのリアルタイムフィードバックを実現することができる。最小アブレーションマージン109は、腫瘍の縁とアブレーションゾーン102の縁との間の最小距離として定義される。最大アブレーションマージン110は、腫瘍108の縁とアブレーションゾーン102の縁との間の最大距離として定義される。腫瘍被覆率は、アブレーションゾーン102によって被覆されるセグメンテーションされた腫瘍のパーセンテージとして定義される。この実施形態の拡張では、医師又は技術者は、血管等の回避すべき重要構造105を事前にセグメンテーションすることになり、ソフトウェアは、その重要構造とアブレーションゾーンの縁との間の最小フィードバック距離106を提供することになる。ソフトウェアは、次に、アブレーションの成功に必要な皮膚表面103からの挿入深さ距離104を提供する。ソフトウェアは、また、病変を貫通するための皮膚表面からの挿入距離107を提供する。
【0028】
図3では、図1及び図2に示されている様々な特徴が提示されており、医師が最小アブレーションマージン109及び最大アブレーションマージン110と、腫瘍被覆率と、重要構造までの最小距離とについて所望の測定基準(metrics)を入力することによって、更に強化される。ソフトウェアは、次に、投影された針軌道101上でアブレーションゾーン102の位置を反復し、それらの位置で各アブレーションサイズをテストして、医師によって要求された測定基準を達成するアブレーションゾーン102の位置及び設定を見つける。単一針でのアブレーションゾーンのサイズが医師の測定基準を達成するには不十分である場合、ソフトウェアは、第2及び第3の針を追加して、その構成で測定基準が達成可能であるかどうかを決定する。この実施形態により、医師は、所望の測定基準が達成されることに自信をもちながら、針挿入を非常に迅速に続行することができ、或いは、軌道を操作して、それが達成されるまで別のスキャンを行うことができる。ソフトウェアを迅速に反復させることにより、医師は時間を節約し、処置を実行するために必要なCTスキャンが少なくなるので、患者が受ける放射線量は少なくなり、患者が麻酔下に置かれる期間は短くなる。
【0029】
図4では、針100が皮膚表面103と交差する点の周りを回転するように、投影された針進路101を操作する能力を導入する。アブレーションゾーン102の中心の最大許容線形変位は、ユーザ入力に基づいて定義することができ、或いは、画像強度値から導出された組織特性から計算することができる。回転に2つの異なる解剖学的平面(例えば左右と頭尾)を用いることにより、3次元で進路を調整することができる。必要な調整角度と、変位限度内に留まるために必要な針の引戻しの長さとを用いて、エンドユーザにフィードバックを提供することができる。針進路を2次元で投影するこの追加性能により、標的エリアの被覆が向上し、エラーが更に排除され、正確性が向上する。
【0030】
更なる実施形態では、前述した回転可能な針100の投影進路は、医師によって事前にセグメンテーションされた(108)病変/標的を含むことができる。次に、医師は、アブレーションゾーン102をドラッグ及び調整し、最小アブレーションマージン109、最大アブレーションマージン110、及び腫瘍の被覆率についてのリアルタイムフィードバックを得ることができる。この実施形態の拡張では、医師又は技術者は、血管等の回避すべき重要構造105を事前にセグメンテーションすることになり、ソフトウェアは、その重要構造とアブレーションゾーンの縁との間の最小距離106をフィードバックすることになる。ソフトウェアは、次に、そのアブレーションの達成に必要な皮膚表面103からの挿入深さ距離104を、医師にフィードバックする。ソフトウェアは、また、病変を貫通するための皮膚表面からの挿入距離107を提供する。
【0031】
更なる実施形態では、医師は、最小及び最大のアブレーションマージンと、腫瘍被覆率と、重要構造までの最小距離とについて、所望の測定基準を入力することができる。この実施形態により、医師は、所望の測定基準が達成されることに自信をもちながら、針挿入を非常に迅速に続行することができ、或いは、軌道を操作して、それが達成されるまで別のスキャンを行うことができ、また、所望の測定基準を達成するのに必要な向き調整角度の自動計算を追加することができる。
【0032】
図5に見られる実施形態は、皮膚表面103又はその近くに配置された、3次元空間において針100を正確に誘導できる定位デバイス200の使用を教示することができる。定位デバイス200は、その機械的設計に応じて、その3次元基準系(frame of reference)において針を方向付けるために機械的自由度及び対応するパラメータが定義されており、これらは、イメージング基準系に対してレジストレーションすることができる。画像空間の調整角度を変換して、対応するデバイスパラメータについてのフィードバックを提供することができる。
【0033】
更に、定位デバイス200の実施形態には、病変のセグメンテーション及びアブレーション被覆の測定基準と、重要構造のセグメンテーション及び回避の測定基準が追加されてよい。更に、所望のアブレーション被覆及び重要構造回避の測定基準入力と、深さ調整及びアブレーション設定の自動計算が追加されてよく、また、プロセスを更に合理化するために、所望の測定基準の達成に必要な向き調整角度及び対応するデバイスパラメータの自動計算も実施されてよい。
【0034】
最後に、定位デバイス200及び針挿入はロボット制御することができ、リアルタイムの画像データ入力220(図6を参照)及び再セグメンテーションを提供する。次に、定位デバイス200のパラメータの挿入及び調整を自動的に制御することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】