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  • 特開-スマート医療用ガーゼ 図1
  • 特開-スマート医療用ガーゼ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031182
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】スマート医療用ガーゼ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/36 20060101AFI20220210BHJP
   A61F 13/00 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
A61F13/36
A61F13/00 301A
A61F13/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124937
(22)【出願日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】109126918
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】520308433
【氏名又は名称】エーアイ バイオマテリアル ヘルステック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AI Biomaterial Healthtech Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】イェン-ワイ ホ
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA09
3B200BB06
3B200DA27
3B200DF20
(57)【要約】
【課題】スマート医療用ガーゼを提供する。
【解決手段】感知装置と組み合わせる。スマート医療用ガーゼは本体及び識別モジュールを備えている。識別モジュールは本体に設置され、識別モジュールは感知装置が発信した感知信号を感知すると共に識別信号を返信する。これにより、感知装置は識別信号に基づいてスマート医療用ガーゼを検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感知装置と組み合わせるためのスマート医療用ガーゼであって、
止血圧迫綿または止血用ガーゼである本体と、
前記本体に設置され、前記感知装置が発信した感知信号を感知すると共に識別信号を返信し、これにより前記感知装置が前記識別信号に基づいて前記スマート医療用ガーゼを検出する識別モジュールであって、前記識別モジュールはブロックチェーンネットワークと信号を接続するための無線信号伝送モジュールを有し、これにより前記識別信号に対応する使用データを前記ブロックチェーンネットワークに記録して遡及するための識別モジュールと、
を備えていることを特徴とするスマート医療用ガーゼ。
【請求項2】
前記識別モジュールは前記使用データを記憶するためのメモリモジュールを有し、これにより前記感知装置が前記識別信号を読み取った後に前記スマート医療用ガーゼを識別することを特徴とする請求項1に記載のスマート医療用ガーゼ。
【請求項3】
前記使用データは前記スマート医療用ガーゼの種類、番号、製造日時、製造地点、シリアル番号、バッチ番号、または有効期限の記録を含むことを特徴とする請求項2に記載のスマート医療用ガーゼ。
【請求項4】
前記識別モジュールは、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、NFC(Near Field Communication)タグ、またはフレキシブルチップ(Flexible Chip)であることを特徴とする請求項1に記載のスマート医療用ガーゼ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマート医療用ガーゼに関し、更に詳しくは、識別信号を返信するスマート医療用ガーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術の過程では、医療用ガーゼを一時的に患者の体内に置き、手術で縫合が完了する前に取り出す。医療用ガーゼを取り出し忘れると患者が疼痛を感じたり、感染や膿瘍を引き起こしたり、瘻管を形成したり、腸閉塞を発症する等の問題が生じた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来の技術では、手術前後に医療従事者が医療用ガーゼの数量を細かくチェックして医療用ガーゼの遺漏を防止する必要があった。遺漏があった場合、患者の体内を検索せねばならず、ひいては放射線検査等の方式で遺漏した医療用ガーゼを検出せねばならなくなった。このため、患者に被害が及ぶほか、医療従事者にも大きなストレスを与えている。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は前記技術的課題に鑑みて開発されたものであり、識別信号を返信する効果を有しているスマート医療用ガーゼを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のある態様のスマート医療用ガーゼは、感知装置と組み合わせ、前記スマート医療用ガーゼは、止血圧迫綿または止血用ガーゼである本体と、前記本体に設置され、前記感知装置が発信した感知信号を感知すると共に識別信号を返信し、これにより前記感知装置が前記識別信号に基づいて前記スマート医療用ガーゼを検出する識別モジュールであって、前記識別モジュールはブロックチェーンネットワークと信号を接続するための無線信号伝送モジュールを有し、これにより前記識別信号に対応する使用データを前記ブロックチェーンネットワークに記録して遡及するための識別モジュールと、を備えている。
【0007】
本発明の一態様によれば、前記識別モジュールは使用データを記憶するためのメモリモジュールを有し、識別信号は使用データに対応する。これにより、感知装置が識別信号を読み取った後にスマート医療用ガーゼを識別する。
【0008】
本発明の一態様によれば、識別モジュールはブロックチェーンネットワークと信号を接続するための無線信号伝送モジュールを有している。これにより、スマート医療用ガーゼの使用データをブロックチェーンネットワークに記録して遡及可能にする。
【0009】
本発明の一態様によれば、使用データはスマート医療用ガーゼの種類、番号、製造日時、製造地点、シリアル番号、バッチ番号、または有効期限の記録を含む。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記識別モジュールは、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、NFC(Near Field Communication)タグ、またはフレキシブルチップ(Flexible Chip)である。
【0011】
本発明の一態様によれば、本体はキチン創傷被覆材または抗菌機能を有している他の創傷被覆材である。
【0012】
本発明の一態様によれば、本体は止血圧迫綿または止血用ガーゼである。
【0013】
本発明の一態様によれば、本体は人工皮膚である。
【0014】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るスマート医療用ガーゼを模式的に示した外観図である。
図2】本発明のスマート医療用ガーゼと外部装置間の接続の使用を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0017】
図1は本発明の一実施形態に係るスマート医療用ガーゼを模式的に示した外観図である。
【0018】
本発明の一実施例では、前記スマート医療用ガーゼ1は本体10及び識別モジュール20を備えている。本体10は手術過程で使用するキチン創傷被覆材、止血圧迫綿、人工皮膚、または止血用ガーゼ等の物品であるが、本発明はこれらに限られず、本発明の本体10の材質も限定せず、抗菌効果を有している他の材質でもよい。識別モジュール20は、RFID(Radio Frequency Identification)タグまたはNFC(Near Field Communication)タグでもよく、例えば、接着剤により本体10の一側に固定する、或いは本体10の内部に縫い込む等の方式で前記本体10に設置されている。
【0019】
図2は本発明のスマート医療用ガーゼを外部装置と組み合わせて使用する概略図である。
【0020】
本発明の他の実施例では、識別モジュール20は、内部に前記スマート医療用ガーゼ1の種類、番号、製造日時、製造地点、シリアル番号、バッチ番号、または有効期限等の使用データを記憶しているメモリモジュール21を有している。識別モジュール20はRFIDタグ、NFCタグ、或いはフレキシブルチップ(Flexible Chip)であり、よって、異なる識別モジュール20のタグが異なる識別コードを有してもよく、そのタグ識別コードを前記スマート医療用ガーゼ1の番号としてもよいが、本発明はこれに限られない。本発明の一実施例では、スマート医療用ガーゼ1には感知装置2を組み合わせ、感知装置2は専用の装置でもよく、スマートフォンやウェアラブル装置等でもよい。識別モジュール20は非接触方式で前記感知装置2が発信した感知信号31を感知し、感知信号31に基づいて識別信号32を感知装置2に返信する。これにより、感知装置2は感知信号31を発信した識別モジュール20の位置を検出し、スマート医療用ガーゼ1がある位置を検出する。同時に複数のスマート医療用ガーゼ1を置いた場合、感知装置2は複数の識別信号32を利用してスマート医療用ガーゼ1の数量を統計し、遺漏を防ぐ。
【0021】
本発明の他の実施例では、識別信号32は使用データに対応し、識別モジュール20が返信する識別信号32が使用データの全部の内容または部分的な内容を含む。このため、前記感知装置2は前記識別信号32を読み取った後、識別信号32により前記スマート医療用ガーゼ1の種類や番号等を識別し、医療従事者がさらに管理する。スマート医療用ガーゼ1は医療従事者の過労や過失を減らし、手術後の医療用ガーゼが人体内に遺残して取り出せなくなって術後に感染を引き起こすという問題を防ぐ。
【0022】
また、本発明の異なる実施例では、識別モジュール20は無線信号伝送モジュール22を有している。無線信号伝送モジュール22はワイヤレス通信プロトコルによりブロックチェーンネットワーク3と信号が接続している。これにより、自動的または受動的に前記スマート医療用ガーゼ1の前記使用データを前記ブロックチェーンネットワーク3に記録して遡及可能にし、即ち、上述の種類、番号、製造日時、或いは製造地点等をブロックチェーンネットワーク3内に記録する。これにより、ブロックチェーンにより遡及可能となり、且つ記録が改竄されにくいという特性により、スマート医療用ガーゼ1の供給源及び履歴を明確に記録して管理し、便利に管理可能になる。例えば、手術過程において、スマート医療用ガーゼ1をいつ使用していつ取り出したか、その使用順序、使用時間を記録し、ブロックチェーンネットワーク3の電子カルテに明確に記録し、手術の全行程をより完全なものにし、患者の安全及び手術の完全性をさらに保障する。
【0023】
上述の説明から分かるように、スマート医療用ガーゼ1は識別モジュール20を設置することでより便利に統計をとって管理する機能を達成し、使用履歴を明確に記録し、医療従事者のミスをさらに減らす。
【0024】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施例に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0025】
1 スマート医療用ガーゼ
2 感知装置
3 ブロックチェーンネットワーク
10 本体
20 識別モジュール
21 メモリモジュール
22 無線信号伝送モジュール
31 感知信号
32 識別信号
図1
図2