IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカ ミノルタ ヘルスケア アメリカズ, インコーポレイテッドの特許一覧

特開2022-31189医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御
<>
  • 特開-医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御 図1
  • 特開-医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御 図2
  • 特開-医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御 図3
  • 特開-医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御 図4
  • 特開-医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御 図5
  • 特開-医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御 図6
  • 特開-医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御 図7
  • 特開-医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御 図8
  • 特開-医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御 図9
  • 特開-医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031189
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】医療機関間において共有される患者情報の閲覧制御
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/00 20180101AFI20220210BHJP
【FI】
G16H30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021126084
(22)【出願日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】16/987,847
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】518032971
【氏名又は名称】コニカ ミノルタ ヘルスケア アメリカズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 貴之
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ネットワークで接続されたクラウドサーバーと、医療機関と、複数の提携施設とを含むシステムにおいて患者情報を管理する方法、非一時的なCRM及びシステムを提供する。
【解決手段】方法は、一つの提携施設から第一ユーザーによって送信された検査オーダー情報に応じて医用画像を医療機関から受信する工程と、医用画像を検査オーダー情報に関連付け、ストレージに格納された患者情報に追加する工程と、医用画像を、第二ユーザーに患者情報を開示することを許可するか否かを示す、開示プロパティ情報に関連付ける工程と、提携施設から第一又は第二ユーザーによって送信された閲覧要求を受信する工程と、検査オーダー情報又は開示プロパティ情報に基づいて閲覧要求を承認するか否か判断する工程と、閲覧要求を承認し、閲覧要求の送信元である提携施設に患者情報を送信する工程と、を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストレージを含むクラウドサーバーと、撮像装置を含む医療機関と、複数の提携施設との間で患者情報を共有するシステムにおいて複数の前記患者情報を管理する方法であって、
前記クラウドサーバー、前記医療機関、及び前記提携施設がネットワークで互いに接続されており、
前記方法は、
一つの前記提携施設から第一ユーザーによって送信された検査オーダー情報に応じて前記撮像装置によって作成された医用画像を前記医療機関から受信する工程と、
受信した前記医用画像を前記検査オーダー情報に関連付け、前記医用画像及び検査オーダー情報を前記ストレージに格納された前記患者情報に追加する工程と、
前記医用画像を、第二ユーザーに患者情報を開示することを許可するか否かを示す、前記ストレージ内の開示プロパティ情報に関連付ける工程と、
一の前記提携施設から前記第一ユーザー又は第二ユーザーによって送信された前記患者情報を閲覧するための閲覧要求を受信する工程と、
前記検査オーダー情報又は開示プロパティ情報に基づいて前記閲覧要求を承認するか否か判断する工程と、
前記第一ユーザー又は第二ユーザーが前記患者情報を閲覧するための前記閲覧要求を承認し、前記閲覧要求の送信元である前記一の前記提携施設に前記患者情報を送信する工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記検査オーダー情報は第一ユーザー特定情報を含み、
前記閲覧要求は閲覧者特定情報を含み、
前記閲覧要求を承認するか否かの前記判断は、
前記閲覧者特定情報が前記第一ユーザー特定情報と一致又は関連するか否かを判断することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開示プロパティ情報は、第一ステータス、第二ステータス、又は第三ステータスのいずれかである前記患者情報のステータスを示し、
前記第一ステータスは前記第二ユーザーに対する前記患者情報の開示を禁止し、
前記第二ステータスは前記第二ユーザーに対する前記患者情報の開示を許可し、
前記第三ステータスは前記第二ユーザーに対する前記患者情報の開示を所定の条件下においてのみ許可する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第二ユーザーが前記患者情報を閲覧することを許可する所定の時間制限を設定する工程と、
前記第二ユーザーが前記所定の時間制限内で前記患者情報を閲覧することを許可するよう前記一の前記提携施設に前記所定の時間制限の設定を送信する工程と、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の前記患者情報のうち一又は複数の前記患者情報を閲覧するためのフィルタリング要求を前記一の前記提携施設から受信する工程と、
前記一又は複数の前記患者情報のデータベースを検索する工程と、
前記一の前記提携施設に前記一又は複数の前記患者情報を送信する工程と、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ストレージ内の前記医用画像に、前記患者情報が開示されることを禁止するか否かを示す開示禁止情報を関連付ける工程と、
前記開示禁止情報に基づいて前記患者情報が開示されることを禁止するか否かを判断する工程と、
前記開示プロパティ情報に基づいてなされた前記判断にかかわらず前記患者情報が開示されることを禁止する工程と、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ストレージを含むクラウドサーバーと、撮像装置を含む医療機関と、複数の提携施設との間で患者情報を共有するシステムにおいて複数の前記患者情報を管理するための動作をクラウドサーバーに行わせる命令を格納した、非一時的なコンピューター読取り可能な媒体(CRM)であって、
前記クラウドサーバー、前記医療機関、及び前記提携施設がネットワークで互いに接続されており、
前記動作は前記クラウドサーバーによって、
一つの前記提携施設から第一ユーザーによって送信された検査オーダー情報に応じて前記撮像装置によって作成された医用画像を前記医療機関から受信し、
受信した前記医用画像を前記検査オーダー情報に関連付け、前記医用画像及び検査オーダー情報を前記ストレージに格納された前記患者情報に追加し、
前記医用画像を、第二ユーザーに患者情報を開示することを許可するか否かを示す、前記ストレージ内の開示プロパティ情報に関連付け、
一の前記提携施設から前記第一ユーザー又は第二ユーザーによって送信された前記患者情報を閲覧するための閲覧要求を受信し、
前記検査オーダー情報又は開示プロパティ情報に基づいて前記閲覧要求を承認するか否か判断し、
前記第一ユーザー又は第二ユーザーが前記患者情報を閲覧するための前記閲覧要求を承認し、前記閲覧要求の送信元である前記一の前記提携施設に前記患者情報を送信する、
非一時的なCRM。
【請求項8】
前記検査オーダー情報は第一ユーザー特定情報を含み、
前記閲覧要求は閲覧者特定情報を含み、
前記閲覧要求を承認するか否かを判断する時、前記クラウドサーバーは、前記閲覧者特定情報が前記第一ユーザー特定情報と一致又は関連するか否かを判断する、
請求項7に記載の非一時的なCRM。
【請求項9】
前記開示プロパティ情報は、第一ステータス、第二ステータス、又は第三ステータスのいずれかである前記患者情報のステータスを示し、
前記第一ステータスは前記第二ユーザーに対する前記患者情報の開示を禁止し、
前記第二ステータスは前記第二ユーザーに対する前記患者情報の開示を許可し、
前記第三ステータスは前記第二ユーザーに対する前記患者情報の開示を所定の条件下においてのみ許可する、
請求項7に記載の非一時的なCRM。
【請求項10】
前記動作は前記クラウドサーバーによって、さらに、
前記第二ユーザーが前記患者情報を閲覧することを許可する所定の時間制限を設定し、
前記第二ユーザーが前記所定の時間制限内で前記患者情報を閲覧することを許可するよう前記一の前記提携施設に前記所定の時間制限の設定を送信する、
請求項7に記載の非一時的なCRM。
【請求項11】
前記動作は前記クラウドサーバーによって、さらに、
前記複数の前記患者情報のうち一又は複数の前記患者情報を閲覧するためのフィルタリング要求を前記一の前記提携施設から受信し、
前記一又は複数の前記患者情報のデータベースを検索し、
前記一の前記提携施設に前記一又は複数の前記患者情報を送信する、
請求項7に記載の非一時的なCRM。
【請求項12】
前記動作は前記クラウドサーバーによって、さらに、
前記ストレージ内の前記医用画像に、前記患者情報が開示されることを禁止するか否かを示す開示禁止情報を関連付け、
前記開示禁止情報に基づいて前記患者情報が開示されることを禁止するか否かを判断し、
前記開示プロパティ情報に基づいてなされた前記判断にかかわらず前記患者情報が開示されることを禁止する、
請求項7に記載の非一時的なCRM。
【請求項13】
複数の患者情報を管理するシステムであって、
前記システムは、
ストレージを含むクラウドサーバーと、
撮像装置を含む医療機関と、
複数の提携施設と、を含み、
前記システムは前記クラウドサーバーと、前記医療機関と、前記複数の提携施設との間でネットワークを介して前記患者情報を共有し、
前記クラウドサーバーは、
一つの前記提携施設から第一ユーザーによって送信された検査オーダー情報に応じて前記撮像装置によって作成された医用画像を前記医療機関から受信し、
受信した前記医用画像を前記検査オーダー情報に関連付け、前記医用画像及び検査オーダー情報を前記ストレージに格納された前記患者情報に追加し、
前記医用画像を、第二ユーザーに患者情報を開示することを許可するか否かを示す、前記ストレージ内の開示プロパティ情報に関連付け、
一の前記提携施設から前記第一ユーザー又は第二ユーザーによって送信された前記患者情報を閲覧するための閲覧要求を受信し、
前記検査オーダー情報又は開示プロパティ情報に基づいて前記閲覧要求を承認するか否か判断し、
前記第一ユーザー又は第二ユーザーが前記患者情報を閲覧するための前記閲覧要求を承認し、前記閲覧要求の送信元である前記一の前記提携施設に前記患者情報を送信する、
システム。
【請求項14】
前記検査オーダー情報は第一ユーザー特定情報を含み、
前記閲覧要求は閲覧者特定情報を含み、
前記閲覧要求を承認するか否かを判断する時、前記クラウドサーバーは、前記閲覧者特定情報が前記第一ユーザー特定情報と一致又は関連するか否かを判断する、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記開示プロパティ情報は、第一ステータス、第二ステータス、又は第三ステータスのいずれかである前記患者情報のステータスを示し、
前記第一ステータスは前記第二ユーザーに対する前記患者情報の開示を禁止し、
前記第二ステータスは前記第二ユーザーに対する前記患者情報の開示を許可し、
前記第三ステータスは前記第二ユーザーに対する前記患者情報の開示を所定の条件下においてのみ許可する、
請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記クラウドサーバーは、さらに、
前記第二ユーザーが前記患者情報を閲覧することを許可する所定の時間制限を設定し、
前記第二ユーザーが前記所定の時間制限内で前記患者情報を閲覧することを許可するよう前記一の前記提携施設に前記所定の時間制限の設定を送信する、
請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記クラウドサーバーは、さらに、
前記複数の前記患者情報のうち一又は複数の前記患者情報を閲覧するためのフィルタリング要求を前記一の前記提携施設から受信し、
前記一又は複数の前記患者情報のデータベースを検索し、
前記一の前記提携施設に前記一又は複数の前記患者情報を送信する、
請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記クラウドサーバーは、さらに、
前記ストレージ内の前記医用画像に、前記患者情報が開示されることを禁止するか否かを示す開示禁止情報を関連付け、
前記開示禁止情報に基づいて前記患者情報が開示されることを禁止するか否かを判断し、
前記開示プロパティ情報に基づいてなされた前記判断にかかわらず前記患者情報が開示されることを禁止する、
請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医用画像と医用データは患者の診断において重要な役割を担っている。病院等の医療機関において、医用画像及び医用データを電子的に保存する利点が認識されてきた。医用画像及びデータ(「医用データ」)のデジタル化により、医療従事者がより容易に医用画像及び医用データにアクセスできるようになるだけでなく、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブといった物理メディアを用いて複数の医療機関間で画像及びデータをより容易に共有することができるようになる。
【0002】
さらに近年では、情報の効率性とアクセス性を向上させるため、クラウド型のストレージシステムが登場している。一般的に「クラウド」とは、様々な場所にある複数のコンピューターやデバイスにインターネットを通じてコンピューティングリソースやデータへのリモートかつオンデマンドのアクセスを提供するオンラインストレージシステムである。クラウド型ストレージは、医用画像といったデータの保存用に、様々な場所にあるリモート又はオフサイトのデータセンターを用いるベンダーによって提供されうるものである。クラウド型ストレージのベンダーは、共通の閲覧システム(「ユニバーサルビューワー」)を提供し、当該システムにより単一の要求により他施設において撮影又は保存された一揃いの完全な患者の医用データを取り出すことが可能となる。
【0003】
しかしながら、一般にクラウド型ストレージは一回の検査で取得した患者の複数の部位(例えば、頭部、胸部、腹部、骨盤部、脚部)を含む医用画像を保存するため、ユーザー(例えば、医師)は、関心領域(例えば、ユーザーの専門領域に属する領域等)の医用画像を検索しなければならない。
【0004】
各ユーザーがより容易に関心のある特定の医用情報(例えば、医用画像)を取得できるよう、ネットワークシステムは所定の領域の医用画像を各医療機関に提供する画像サーバーを含んでいてもよい。しかし、そのようなシステムでは、ユーザーはユーザーの要求に応じて撮影された領域について撮影された医用画像のみ表示することを許可され、他の医用画像を見ることができない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様は、ストレージを含むクラウドサーバーと、撮像装置を含む医療機関と、複数の提携施設との間で患者情報を共有するシステムにおいて複数の前記患者情報を管理する方法であって、前記クラウドサーバー、前記医療機関、及び前記提携施設がネットワークで互いに接続されており、前記方法は、一つの前記提携施設から第一ユーザーによって送信された検査オーダー情報に応じて前記撮像装置によって作成された医用画像を前記医療機関から受信する工程と、受信した前記医用画像を前記検査オーダー情報に関連付け、前記医用画像及び検査オーダー情報を前記ストレージに格納された前記患者情報に追加する工程と、前記医用画像を、第二ユーザーに患者情報を開示することを許可するか否かを示す、前記ストレージ内の開示プロパティ情報に関連付ける工程と、一の前記提携施設から前記第一ユーザー又は第二ユーザーによって送信された前記患者情報を閲覧するための閲覧要求を受信する工程と、前記検査オーダー情報又は開示プロパティ情報に基づいて前記閲覧要求を承認するか否か判断する工程と、前記第一ユーザー又は第二ユーザーが前記患者情報を閲覧するための前記閲覧要求を承認し、前記閲覧要求の送信元である前記一の前記提携施設に前記患者情報を送信する工程と、を含む。
【0006】
本発明の別の一態様は、ストレージを含むクラウドサーバーと、撮像装置を含む医療機関と、複数の提携施設との間で患者情報を共有するシステムにおいて複数の前記患者情報を管理するための動作をクラウドサーバーに行わせる命令を格納した、非一時的なコンピューター読取り可能な媒体(CRM)であって、前記クラウドサーバー、前記医療機関、及び前記提携施設がネットワークで互いに接続されており、前記動作は前記クラウドサーバーによって、一つの前記提携施設から第一ユーザーによって送信された検査オーダー情報に応じて前記撮像装置によって作成された医用画像を前記医療機関から受信し、受信した前記医用画像を前記検査オーダー情報に関連付け、前記医用画像及び検査オーダー情報を前記ストレージに格納された前記患者情報に追加し、前記医用画像を、第二ユーザーに患者情報を開示することを許可するか否かを示す、前記ストレージ内の開示プロパティ情報に関連付け、一の前記提携施設から前記第一ユーザー又は第二ユーザーによって送信された前記患者情報を閲覧するための閲覧要求を受信し、前記検査オーダー情報又は開示プロパティ情報に基づいて前記閲覧要求を承認するか否か判断し、前記第一ユーザー又は第二ユーザーが前記患者情報を閲覧するための前記閲覧要求を承認し、前記閲覧要求の送信元である前記一の前記提携施設に前記患者情報を送信する。
【0007】
本発明の別の一態様は、複数の患者情報を管理するシステムであって、前記システムは、ストレージを含むクラウドサーバーと、撮像装置を含む医療機関と、複数の提携施設と、を含み、前記システムは前記クラウドサーバーと、前記医療機関と、前記複数の提携施設との間でネットワークを介して前記患者情報を共有し、前記クラウドサーバーは、一つの前記提携施設から第一ユーザーによって送信された検査オーダー情報に応じて前記撮像装置によって作成された医用画像を前記医療機関から受信し、受信した前記医用画像を前記検査オーダー情報に関連付け、前記医用画像及び検査オーダー情報を前記ストレージに格納された前記患者情報に追加し、前記医用画像を、第二ユーザーに患者情報を開示することを許可するか否かを示す、前記ストレージ内の開示プロパティ情報に関連付け、一の前記提携施設から前記第一ユーザー又は第二ユーザーによって送信された前記患者情報を閲覧するための閲覧要求を受信し、前記検査オーダー情報又は開示プロパティ情報に基づいて前記閲覧要求を承認するか否か判断し、前記第一ユーザー又は第二ユーザーが前記患者情報を閲覧するための前記閲覧要求を承認し、前記閲覧要求の送信元である前記一の前記提携施設に前記患者情報を送信する。
【0008】
本発明の他の側面及び利点は、以下の説明及び添付の請求項から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一又は複数の実施例におけるシステムを示す。
図2】一又は複数の実施例におけるクラウドサーバーに保存されるデータベースのテーブルを示す。
図3】一又は複数の実施例におけるクラウドサーバーに保存されるデータベースの別のテーブルを示す。
図4】一又は複数の実施例におけるクラウドサーバーに保存されるデータベースの別のテーブルを示す。
図5】一又は複数の実施例におけるクラウドサーバーに保存されるデータベースの別のテーブルを示す。
図6】一又は複数の実施例における開示プロパティ情報に基いて閲覧要求を承認する方法を示す模式図である。
図7】一又は複数の実施例における提携施設からの閲覧要求及びフィルタリング要求を送信する動作を示すフロー図を示す。
図8】一又は複数の実施例におけるメインのフローチャートを示す。
図9】一又は複数の実施例における承認処理のフローチャートを示す。
図10】一又は複数の実施例におけるコンピューティングシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の画像を参照し具体的な実施例を詳細に説明する。一貫性を保つため、複数の画像の同様の要素には同様の符号を付す。簡略化のため、同様の要素であっても全ての図面で符号を付していない場合がある。
【0011】
以下の本開示の実施形態の詳細な説明において、本開示がより徹底的に理解されるよう、詳細が多数具体的に示される。しかしながら、これらの詳細がなくとも本開示が実施可能であることが当業者にとって明らかである。その他の例では、周知の特徴は説明を不必要に複雑化することを避けるために詳細に説明されなかった。
【0012】
本出願書類では、序数(例えば、第一、第二、第三、等)は要素(出願書類内の名詞)に対する形容詞として用いられることがある。序数の使用は、要素の特定の順序を暗示するものでも付与するものでもなく、「前」「後ろ」「単一」といった用語や他の語の使用等によって明示的に開示しない限り、いずれの要素をも単一の要素のみに限定するものではない。むしろ、序数の使用は要素同士を区別するものである。一例として、第一要素は第二要素から区別され、第一要素は一以上の要素を包含し、要素の順序において第二要素に後続(又は先行)しうる。
【0013】
文脈によって明らかに他の意味が示されていない限り、複数と書いていなくても複数である場合を含む。よって、例えば、「水平方向の光線」と記載する場合、そのような光線は一又は複数でありうる。
【0014】
「およそ」「約」「略」「実質」等の用語は、記載された特性、パラメーター、又は値が正確に達成される必要はないが、例えば許容値、測定エラー、測定精度制限、及び当業者に知られる他の因数を含めたずれや変動が技術特性によって得られるよう意図された効果を妨げない程度で起こりうることを意味する。
【0015】
多項従属の請求項は導入されていないが、一又は複数の従属請求項の対象を他の従属クレームと組み合わされうることは、当業者には明らかであろう。
【0016】
[システム概要]
概して、本発明の一又は複数の実施形態は、複数の医療機関にまたがって患者情報(例えば、医用画像)の閲覧を制御する方法、非一時的なコンピューター可読媒体、及びシステムを提供する。患者情報は医療機関で行われた検査(例えば、コンピューター断層撮影(CT)、磁気共鳴撮影(MRI)等)から取得され、サーバー(例えば、クラウドサーバー)を介して複数の提携施設にまたがって共有される。より具体的には、一又は複数の実施形態において、検査を依頼したユーザー(「第一ユーザー」)が患者情報を閲覧することを許可されるだけでなく、同じ施設又は異なる施設の他のユーザー(「第二ユーザー」)が所定の条件下で患者情報を閲覧することを許可される。これにより、患者情報のセキュリティを犠牲にすることなくユニバーサルビューワーシステムで患者情報を閲覧する利便性が公報する。施設の「ユーザー」は医師、看護師、医療スタッフ、医療技術者等の医療従事者でありうる。
【0017】
例えば、一又は複数の実施形態におけるシステムは、(1)撮像装置を含む少なくとも一の医療機関(以下、「医療機関」)及び(2)他の複数の提携施設(それぞれについて医療機関であってもなくてもよいが、本願において全て「提携施設」と呼ぶ)を含む。提携施設のうちの一人のユーザー(第一ユーザー)が医療機関に検査の要求を送信し、ある患者の患者情報を取得する。これに応じて、医療機関は患者の医用画像を撮影し、提携施設の第一ユーザーにメタデータを含む医用画像を返信する。同時に、患者の医用画像を含め、患者情報をクラウドサーバーが医療機関から取得する。その後、提携施設のいずれかからの第一ユーザー又は他のユーザー(第二ユーザー)による閲覧要求に応じて、所定の条件下でクラウドサーバーが複数の提携施設に患者情報を提供する。
【0018】
一又は複数の実施形態によると、医療機関と提携施設のそれぞれが、同じベンダー又は異なるベンダーにより提供されるクラウド型ストレージシステム、Picture Archiving and Communication System(PACS)、又はクラウド型PACSのうちの一つに関連付けられていてもよい。
【0019】
一又は複数の実施形態によると、医用画像及び医用データは、Digital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)フォーマットで保存されてもよい。医用画像は複数の(例えば、数十から数百の)DICOMフォーマットの画像を含んでいてもよい。DICOMフォーマット画像は患者の個人情報(例えば、患者ID、患者名、患者の生年月日(DOB)、患者の性別)及び個人検査情報(例えば、検査日、各医用画像の登録番号、検査実施に使用されたモダリティ)といったメタデータを含んでもよい。以下、医用画像、患者の個人情報、及び個人検査情報を「患者情報」と呼ぶ。
【0020】
[システム構成]
図1は、一又は複数の実施形態におけるシステム1000を示す。図示するように、システム1000は、クラウドサーバー100、撮像装置300を含む医療機関(施設A「医療機関」)、及び提携施設(施設B1~B2)を含み、それぞれをインターネット等のネットワークを通して接続する。医療施設、提携施設、又はユーザーの数はこれや他の例に限られない。したがって、以下の説明において、「第一ユーザー」「第二ユーザー」「施設B1」「施設B2」等への具体的な言及は、例にすぎないものとして理解されるべきである。
【0021】
[クラウドサーバー]
クラウドサーバー100は、ユニバーサルビューワーアプリケーションがインストールされたユニバーサルビューワーコンピューティングデバイス110を含む。ユニバーサルビューワーコンピューティングデバイス110は、プロセッサー120、後述するデータベースを格納する記憶部(ストレージ)130、及びクラウドゲートウェイ(GW)デバイス(140)を含む。ユニバーサルビューワーコンピューティングデバイス110は、一又は複数のコンピュータープロセッサー、関連メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリ等)、一又は複数のストレージデバイス(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)ドライブ又はデジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブといった光学機器、フラッシュメモリスティック等)、及び様々な他の要素や機能を含む商用コンピューターであってもよい。ユニバーサルビューワーコンピューティングデバイス110は、クラウド型PACSのサービスを提供するベンダーによって管理されてもよい。
【0022】
一又は複数の実施形態において、プロセッサー120は医療機関(施設A)から一又は複数の医用画像及び検査オーダー情報を受信する。プロセッサー120は受信した医用画像を検査オーダー情報に関連付け、記憶部130のデータベースに格納されている患者情報に医用画像と検査オーダー情報を追加する。
【0023】
医用画像は、提携施設のうちの一つ(例えば、施設B1)から第一ユーザーが送信した検査オーダー情報に応じて施設Aの撮像装置300によって作成される。
【0024】
検査オーダー情報は患者の一又は複数の医用画像を撮影することを施設Aに要求するために施設B1から送信される。検査オーダー情報は患者の患者特定情報と第一ユーザー特定情報を含む。患者特定情報は、第一ユーザーによって医用画像を要求されたある患者を特定するもので、当該患者のID及び氏名を含みうる。第一ユーザー特定情報は第一ユーザーを特定するもので、第一ユーザーの固有のID/パスワード及び/又は施設B1の共通ID/パスワードを含みうる。
【0025】
プロセッサー120は医用画像を記憶部130のデータベースに格納されている開示プロパティ情報にも関連付ける。開示プロパティ情報は、提携施設のうちの一つ(例えば、施設B2)に所属する他のユーザー(第二ユーザー)に患者情報を開示することを許可するか否かを示す。一又は複数の実施形態において、開示プロパティ情報は患者情報のステータスを示す。例えば、ステータスには第二ユーザーへの患者情報の開示を禁止する第一ステータス、第二ユーザーへの患者情報の開示を許可する第二ステータス、又は所定の条件でのみ第二ユーザーへの患者情報の開示を許可する第三ステータスがありうる。さらに、開示プロパティ情報は、例えば、患者又は施設Aの医療従事者(例えば、医師、看護師、医療スタッフ、医療技術者等)又は施設B1の第一ユーザーによって設定され、クラウドサーバー100に送信され前もって記憶部130のデータベースに格納される。
【0026】
また、プロセッサー120は施設B2から第二ユーザーによって送信された閲覧要求を受信する。閲覧要求は第二ユーザーが対象患者の患者情報を閲覧することをクラウドサーバー100に許可させる要求である。閲覧要求は対象患者の患者特定情報と閲覧者特定情報とを含む。患者特定情報は患者情報を要求された対象患者を特定するものであり、対象患者のID及び氏名を含みうる。閲覧者特定情報は閲覧者又は第二ユーザーを特定するもので、第二ユーザー固有のID/パスワード又は施設B2の共通ID/パスワードを含みうる。
【0027】
さらに、プロセッサー120は、検査オーダー情報又は開示プロパティ情報に基づいて、例えば、閲覧者特定情報が第一ユーザー特定情報と一致するか関連付けられているか否かを判断することにより、閲覧要求を承認するか否かを判断する。
【0028】
閲覧者特定情報(例えば、閲覧者の固有ID)が第一ユーザー特定情報(例えば、第一ユーザーの固有ID)と同じであるとき、閲覧者特定情報は第一ユーザー特定情報に一致し、閲覧者が第一ユーザーであることを示す。一方、閲覧者特定情報(例えば、閲覧者の固有パスワード)が第一ユーザー特定情報(第一ユーザーの固有パスワード)と同じではないが紐づいているとき、閲覧者特定情報は第一ユーザー特定情報と関連している。これには、例えば、第一ユーザーが医師で、閲覧者又は第二ユーザーが医師と同じ提携施設に所属する看護師である場合が含まれてもよい。第一ユーザー特定情報と閲覧者特定情報との関連(つまり、それらが互いに関連付けられているか否か)は、例えば施設B1の第一ユーザーによって設定され、クラウドサーバー100に送信され前もって記憶部130のデータベースに格納される。
【0029】
プロセッサー120は、さらに、例えば開示プロパティ情報のステータスを判定することで、対象患者の医用画像に対応する開示プロパティ情報に基づいて閲覧要求を承認するか否かを判断し、判断結果に基づいて閲覧要求を承認又は拒否する。一又は複数の実施形態において、プロセッサー120は第一ステータス、第二ステータス、第三ステータスに基づいて判断してもよい。例えば、プロセッサー120は、(1)開示プロパティ情報が第一ステータスを示すと判断し閲覧要求を拒否するか、(2)開示プロパティ情報が第二ステータスを示すと判断し閲覧要求を承認するか、(3)開示プロパティ情報が第三ステータスを示すと判断し所定の条件(後述)下でのみ閲覧情報を承認する。
【0030】
一又は複数の実施形態において、所定の条件はいずれの提携施設により設定されクラウドサーバーに送信されてもよい。したがって、例えば、所定の条件は施設B1の第一ユーザーによって設定され、クラウドサーバー100に送信され前もって記憶部130のデータベースに格納される。
【0031】
また、所定の条件は、提携施設及びそのユーザーのニーズや嗜好を追求するため様々な方法により定義されうる。例えば、所定の条件は、対象患者が二つ以上の提携施設で少なくとも一件の正式な予約(例えば、医師の診察予約)をした履歴があることであってもよい。したがって、一又は複数の実施形態において、対象患者が施設B1の第一ユーザーだけでなく施設B2の第二ユーザーとも少なくとも一件の予約をしていたときに所定の条件が満たされることとしてもよい。他の例としては、所定の条件は、別の施設のユーザーに一つの提携施設のユーザーが対象患者の患者情報を閲覧する事前の許可を与えたことであってもよい。したがって、一又は複数の実施形態において、施設B1の第一ユーザーが、前もって施設B2の第二ユーザーに対象患者の患者情報を閲覧する許可を与えるときに所定の条件が満たされることとしてもよい。
【0032】
開示プロパティ情報が第二ステータスを示しているとき、プロセッサー120は、第二ユーザーが患者情報を閲覧する閲覧要求を承認し、閲覧要求の送信元の施設B2に対象患者の患者情報を送信する。プロセッサー120は、開示プロパティ情報が第三ステータスを示し、所定条件が満たされたとき、同様の処理をする。
【0033】
また、一又は複数の実施形態において、ユーザーが患者情報を閲覧する所定の時間制限を設定してもよい。一又は複数の実施形態において、プロセッサー120は第二ユーザーが患者情報を閲覧するのを許可する所定の時間制限を設定する。この場合、プロセッサー120は、所定の時間制限内で第二ユーザーが患者情報を閲覧するのを許可する所定の時間制限の設定を施設B2へ送信する。所定の時間制限が経過した後、患者情報のステータスは自動的に元の状態、つまり第二ユーザーへの患者情報の開示を禁止するステータスに戻る。
【0034】
所定の時間制限は状況に応じていかなる長さに設定されてもよい。一又は複数の実施形態において、この長さは30分、1時間、3時間、6時間、1日等であってよい。さらに、一又は複数の実施形態において、所定の時間制限は、患者または施設Aの医療従事者によって、又は施設B1の第一ユーザーによって設定され、クラウドサーバー100に送信され、前もって記憶部130のデータベースに格納される。
【0035】
図1を引き続き参照し、一又は複数の実施携帯において、プロセッサー120は閲覧要求の送信元である施設B2から第二ユーザーによって送信されたフィルタリング要求を受信する。フィルタリング要求は、クラウドサーバー100に対して、第二ユーザーが複数の患者情報のうち一又は複数の患者情報を閲覧することを許可することを要求するものである。フィルタリング要求は、例えば、対象項目情報と閲覧者特定情報とを含みうる。対象項目情報は複数の患者情報(例えば、患者名、生年月日、検査日、検査部位、医用画像)のうち一又は複数の患者情報を特定する。
【0036】
フィルタリング要求を受信すると、プロセッサー120は記憶部130のデータベースで当該一又は複数の患者情報を検索し、フィルタリング要求の送信元である施設B2に当該一又は複数の患者情報を送信する。
【0037】
一又は複数の実施形態において、プロセッサー120は開示禁止情報を記憶部130の医用画像に関連付けてもよい。開示禁止情報は患者情報が開示されることを禁止するか否かを示す。プロセッサー120は、開示禁止情報に基づいて患者情報が開示されることを禁止するか否かを判断してもよい。患者情報を開示されることを禁止すると判断すると、プロセッサー120は、開示プロパティ情報に基づいた判断に関わらず患者情報が開示されることを禁止する。開示禁止情報は、例えば、患者または施設Aの医療従事者によって、又は施設B1の第一ユーザーによって設定され、クラウドサーバー100に送信され前もって記憶部130のデータベースに格納される。
【0038】
一又は複数の実施形態において、プロセッサー120は、ウェブブラウザを介して施設(施設A-C)のそれぞれがユニバーサルビューワーアプリケーションにアクセスすることを許可するユニバーサルビューワーコンピューティングデバイス110のためのウェブクライアント(web-CL)アプリケーションを備えて構成されてもよい。例えば、ユニバーサルビューワーアプリケーションはウェブクライアントに関連付けられたURL(Uniform Resource Locator)(例えば、Webアドレス)をウェブブラウザの検索バーに入力することでウェブページとしてアクセスされてもよい。
【0039】
一又は複数の実施形態において、記憶部130はクラウドサーバー100上にデータベースを遠隔で格納する遠隔医療リポジトリをとして構成されている。例えば、遠隔医療リポジトリはインターネットを通じて遠隔でアクセスされるバーチャルデータルーム(VDR)又はデータベース(又はデータベース群)であってもよい。
【0040】
記憶部130のデータベースは、(1)医用画像、患者個人情報及び個人検査情報を含む患者情報、(2)検査オーダー情報、(3)開示プロパティ情報、及び(4)開示禁止情報を格納する。データベースは、上述のとおり、第一ユーザー特定情報と閲覧者特定情報の関連と、閲覧情報承認の所定条件と、第二ユーザーが患者情報を閲覧することを許可される所定の時間制限とも格納しうる。
【0041】
図2から5は、一又は複数の実施形態における記憶部130に格納されるデータベースのテーブル例を示す。
【0042】
図2は、一又は複数の実施形態における患者情報のテーブルを示す。患者情報は、個人検査情報(検査ID)、患者個人情報(患者ID)、及び医用画像(医用データ)を含む。
【0043】
図3は、一又は複数の実施形態における個人検査情報のテーブルを示す。個人検査情報は、検査ID(「111」「222」「333」等)、オーダーID(「オーダー1」「オーダー2」「オーダー3」等)、検査部位(「脚部」「頭部」「胸部」等)、及び医師/放射線技師(「医師X」「放射線技師Y」「医師Z」等)を含む。図示していないが、個人検査情報は検査結果や検査レポート等を含む医療記録をさらに含んでもよい。
【0044】
図4は、一又は複数の実施形態における患者個人情報のテーブルを示す。患者個人情報は、患者ID(「患者1」「患者2」「患者3」等)、フラグ(「1」「2」「3」等)、患者名(「太郎」「花子」「次郎」等)、性別(「男性」「女性」「男性」等)、及び生年月日(「1980年1月1日」「2010年4月1日」「1995年6月30日」等)を含む。一又は複数の実施形態において、開示プロパティ情報は、第二ユーザーへの患者情報の開示を禁止する「1」、第二ユーザーへの患者情報の開示を許可する「2」、所定の条件でのみ第二ユーザーへの患者情報の開示を許可する「3」のステータスを示すフラグである。
【0045】
図5は、一又は複数の実施形態における開示プロパティ情報としてフラグのテーブルを示す。テーブルは、「1:拒絶」「2:承認」及び「3:条件的に承認」のステータスを示す。
【0046】
一又は複数の実施形態において、クラウドゲートウェイ(GW)デバイス140はクラウドサーバー100が物理的に配置された施設のハブ又はローカルエリアネットワーク(LAN)であってよい。クラウドGWデバイス140は、それぞれの医療機関(施設AからC)がクラウドサーバー100と通信し医用画像を共有(取得及び送信)することを可能にするクラウドサーバー100と医療機関(施設AからC)の間のリレーポイントとして構成されてもよい。
【0047】
[施設]
(撮像装置を有する医療機関)
図1に戻り、システム1000は、さらに、施設Aにおいて、ローカルコンピューティングデバイス200(すなわち、ローカルコンピューター)とローカルコンピューティングデバイス200に接続もしくは着脱可能に取り付けられた撮像装置300とを含む。施設Aは、患者の医用画像を撮影し医療行為を提供する、公共病院、大学病院、国立病院等のあらゆる種類の施設であってよい。
【0048】
ローカルコンピューティングデバイス200は、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートパソコン、サーバー等にあたる。一又は複数の実施形態において、ローカルコンピューティングデバイス200は、プロセッサー210と、記憶部(ストレージ)220と、ユニバーサルビューワークライアントアプリケーション230と、入出力インターフェース240と、ローカルゲートウェイ(GW)デバイス250とを含みうる。
【0049】
プロセッサー210は撮像装置300によって撮影され記憶部220に格納された医用画像を管理する。ユニバーサルビューワークライアントアプリケーション230は、入出力インターフェース240によってユニバーサルビューワークライアントアプリケーション230(例えば、GUI、医用画像等)に関連する内容を表示し、入出力インターフェース240を介して入力指示を受信する。入出力インターフェース240は、タッチスクリーン、キーボード、マイク、タッチパッド、電子ペン、その他あらゆる入力装置を含みうる。入出力インターフェース240は、スクリーン(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、タッチスクリーン、ブラウン管(CRT)モニター、プロジェクター、その他あらゆるディスプレイ装置)、プリンター、外部記憶、その他あらゆる出力装置をも含みうる。ローカルGWデバイス250はローカルで管理され格納されたデータをクラウドサーバー100に同期する。
【0050】
撮像装置300は、携帯型放射線画像撮影装置、カセッテ型デジタルX線撮像装置等、あらゆる種類の画像撮影装置であってよい。撮像装置の数は図示例に限定されない。
【0051】
検査オーダー情報を施設B1から受信すると、プロセッサー210は撮像装置300で撮影した医用画像を施設B1に返信する。さらに、プロセッサー210は、患者個人情報と個人検査情報とあわせて、医用画像をクラウドサーバー100に送信する。
【0052】
記憶部220は、検査オーダー情報と、医用画像を含む患者情報と、患者個人情報と、個人検査情報を格納しうる。
【0053】
(提携施設)
図1を引き続き参照し、一又は複数の実施形態において、システム1000は、施設B1からB2のローカルコンピューティングデバイス400B1、B2(例えば、ローカルコンピューター)を含む。施設B1、B2は、公共病院、個人医院、クリニック、歯科クリニック、緊急車両(例えば、救急車)、移動診療車等の、医療行為を提供するあらゆる種類の施設であってよい。ローカルコンピューティングデバイス400B1、B2のそれぞれは、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートパソコン、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、タブレットPC、スマートフォン等)、サーバー、メインフレーム、キオスク等にあたる。
【0054】
一又は複数の実施形態において、ローカルコンピューティングデバイス400B1、B2は、プロセッサー410B1、B2、記憶部(ストレージ)420B1、B2、ユニバーサルビューワークライアントアプリケーション430B1、B2、入出力インターフェース440B1、B2を含み、ローカルコンピューティングデバイス200におけるこれらの要素と実質的に同様の機能を有する。施設B1、B2のローカルコンピューティングデバイス400B1、B2はユニバーサルビューワークライアントアプリケーション430B1、B2といった、ユニバーサルビューワーコンピューティングデバイス110とデータを共有(取得及び送信)するのに必要最小限のシステムのみを含んでいればよい。
【0055】
一又は複数の実施形態において、プロセッサー410B1は、入出力インターフェース440B1を介して第一ユーザーによる入力に基づいて施設Aに検査オーダー情報を送信する。施設Aから医用画像を受信すると、プロセッサー410B1は記憶部420B1に医用画像を格納してもよい。
【0056】
さらに、プロセッサー410B2は、入出力インターフェース440B2を介した第二ユーザーによる入力に基づいてクラウドサーバー100に閲覧要求を送信する。プロセッサー410B2は、また、入出力インターフェース440B2を介した第二ユーザーによる入力に基づいてクラウドサーバー100にフィルタリング要求を送信する。
【0057】
クラウドサーバー100が第二ユーザーに患者情報を閲覧することを許可すると、プロセッサー410B2は、クラウドサーバー100から患者情報を受信し、入出力インターフェース440B2はスクリーン上に患者情報を表示する。
【0058】
一又は複数の実施形態において、ローカルコンピューティングデバイス400B1、B2はゼロフットプリントクライアント端末であってもよい。ゼロフットプリントクライアント端末は、特定のオペレーティングシステム(OS)から独立しており、クラウドサーバー100から配信されたアプリケーションがゼロフットプリントクライアント端末に足跡(データ)を残さない。ゼロフットプリントクライアント端末の中には、キャッシュとしてアプリケーションデータを格納するものもある。例えば、提携施設で使用されるゼロフットプリントクライアント端末は患者データの保存はしないが、ブラウザのキャッシュとしてブラウザにデータを保存する。そのようなブラウザアプリケーションはHTML5やJavaScriptを含む。患者情報を格納するための大容量を必要としないため、ゼロフットプリントクライアント端末は施設B1、B2に適している。これにより、情報漏洩のリスクもなくなり、患者画像のセキュリティを適切に守ることができる。
【0059】
[開示プロパティ情報に基づく閲覧要求承認プロセス]
次に、一又は複数の実施形態における、開示プロパティ情報、すなわちフラグに基づく閲覧要求の承認について、図6を参照して説明する。図6の例において、第二ユーザーは施設B2だけでなく施設B3にも所属している。簡略化のため、クラウドサーバー100は図示しない。
【0060】
図6において、施設B1からの検査オーダー情報(オーダー1から3)に対して、クラウドサーバー100は3回の検査(検査111から333)で3名の患者(患者1から3)の医用画像を施設Aから取得する。
【0061】
クラウドサーバー100の記憶部130において、検査111の第一医用画像に対応するフラグは「1:拒絶」に設定されている。検査222の第二医用画像に対応するフラグは「2:承認」に設定されている。検査333の第三医用画像に対応するフラグは「3:条件的に承認」に設定されている。対象患者が施設B1だけでなく施設B2又はB2でも少なくとも1回の予約をした場合に所定の条件は満たされる。
【0062】
その場合、第一ユーザーは、施設B1に医用画像を要求したので、検査111~333の全ての医用画像を閲覧することができる。第一医用画像のフラグは「1:拒絶」で第三医用画像のフラグは「3:条件的に承認」であるが患者3は施設B2に予約をしたことがないため、施設B2の第二ユーザーは検査222の第二医用画像のみ閲覧することができる。一方、患者3は施設B3に少なくとも一度予約をしたので、施設B3の第二ユーザーは検査222、333の第二及び第三医用画像を閲覧することができる。
【0063】
[提携施設での動作]
次に、閲覧要求とフィルタリング要求とを送信する動作について図7を参照して説明する。図7は施設B2の入出力インターフェース440B2に表示される画面のスクリーンショットの例を示す。
【0064】
クラウドサーバー100へ閲覧要求を送信するため、第二ユーザーは施設B2の共通ID及び/又はパスワードを第一ログイン画面で入力する。共通ID/パスワードが入力されると、第一患者一覧画面で患者情報を閲覧するための患者A及び患者Bの第一患者リストが表示される。第一患者一覧画面では、患者Cの患者情報の閲覧要求ボタンも表示される。施設B2の第二ユーザーは患者A、Bの医用画像を要求したことがあるが、患者Cについては要求したことがなかった。
【0065】
第二ユーザーが閲覧要求ボタンを押すと、セキュリティ警告画面が患者Cの患者情報漏洩を防止する責任を負うという免責事項とともに表示される。第二ユーザーはセキュリティ警告画面のOKボタンを押して免責事項に同意することができる。
【0066】
OKボタンを押すと、第二ログイン画面が表示され第二ユーザーに対し第二ユーザーの個別ID及び/又はパスワードを入力するよう促す。
【0067】
第二ログイン画面ではさらに、第二ユーザーに対し医用画像を閲覧する一又は複数の理由を入力することを促してもよい。閲覧理由は施設B2の緊急の状況や必要性によって生ずる。例えば、救急車の中で医用画像を緊急で閲覧する必要があるとの理由が生じうる。他にも例えば、休暇をとったり退職したりした第一ユーザーのかわりに第二ユーザーが医用画像を閲覧する必要があるとの理由が生じうる。
【0068】
一又は複数の実施形態において、アクセス履歴はストレージ420B2のデータベースに格納され、クラウドサーバー100に送信される。アクセス履歴は閲覧理由、第二ユーザーのID/パスワード、第二ユーザーが閲覧した医用画像、アクセス時刻、アクセス期間、アクセス成功/失敗を含みうる。
【0069】
図7を引き続き参照し、第二ユーザーが固有ID/パスワード及び閲覧理由を入力すると、第二患者一覧画面では患者情報閲覧のための患者AからCの第二患者リストが表示される。患者Cの医用画像は、クラウドサーバー100の記憶部130においてフラグが「2:承認」を示す。
【0070】
患者Cを第二患者一覧画面で選択すると、患者Cの患者情報画面が表示される。患者情報画面は患者情報の複数項目に対応する入力ボックスが含まれうる。一又は複数の実施形態において、入力ボックスは「A:患者名」「B:生年月日」「C:検査ステータス」「D:アカウント番号」「E:検査ステータス」「F:検査部位」「G:医用画像」「H:郵便番号」を含む。
【0071】
一又は複数の実施形態において、患者情報画面はフィルタリング機能を有していてもよい。第二ユーザーは一又は複数の入力ボックス(例えば、「F:検査部位」「G:医用画像」)をチェックし確定ボタンを押すと、患者情報画面では選択された入力ボックスに対応する患者情報のみ(例えば、「検査部位:胸部」及び胸部の医用画像)が表示される。一又は複数の実施形態において、第二ユーザーは既知の情報(例えば、郵便番号)を少なくとも一つのボックスに入力し確定ボタンを押すと、患者情報画面では残りのボックスの他の情報も表示される。これにより、第二ユーザーは、患者情報のセキュリティを保護しながら、必要な患者情報を得ることができる。
【0072】
[閲覧制御方法]
一又は複数の実施形態による閲覧制御方法について、図8を参照して説明する。図8の一又は複数のステップは、図1を参照して上述したシステム1000の構成要素によって実行されてもよい。一又は複数の実施形態において、図8に示す一又は複数のステップが省略されたり、繰り返されたり、及び/又は図8に示す順序と異なる順序で実行されてもよい。したがって、本発明の範囲は、図8に示すステップの特定の並び方に限定されると考えられるべきではない。
【0073】
まず、施設Aから医用画像を受信すると(ステップS801)、クラウドサーバー100は医用画像を検査オーダー情報に関連付け、医用画像と検査オーダー情報とを記憶部130のデータベースに格納されている患者情報に追加する(ステップS802)。
【0074】
施設B1又はB2からの閲覧要求を受信すると、クラウドサーバー100は閲覧者特定情報が第一ユーザー特定情報を一致又は関連するか否かを判断する(S804)。
【0075】
閲覧者特定情報が第一ユーザー特定情報と一致又は関連すると判断すると(ステップS804:YES)、クラウドサーバー100は閲覧要求を承認し、処理はステップS808へ進む。
【0076】
閲覧者特定情報が第一ユーザー特定情報と一致又は関連しないと判断すると(S804:NO)、承認処理が実行される(ステップS805)。
【0077】
承認処理の結果閲覧要求を拒否すると判断すると(ステップS806:NO)、クラウドサーバー100は施設B2に結果を知らせ、処理を終了する。
【0078】
一方、閲覧要求を承認すると判断すると(ステップS806:YES)、処理は次のステップに進み、クラウドサーバー100はフィルタリング要求を受信したか否かを判断する(ステップS808)。
【0079】
フィルタリング要求を受信すると(ステップS808:YES)、クラウドサーバー100がフィルタリング要求によって記憶部130のデータベースで選択した患者情報を検索する(ステップS809)。そして、クラウドサーバー100は施設B2に選択した患者情報に送信し(ステップS810)、処理が終了する。
【0080】
フィルタリング要求を受信しなかった場合(ステップS808:NO)、クラウドサーバー100は患者情報の特定項目を検索することなく患者情報を送信し(ステップS810)、処理が終了する。
【0081】
次に、承認処理について図9を参照して説明する。図9の一又は複数のステップは、図1を参照し上述したシステム1000の構成要素によって実行されてもよい。一又は複数の実施形態では、図9に示す一又は複数のステップは省略されたり、繰り返されたり、及び/又は図9に示す順序と異なる順序で実行されてもよい。したがって、本発明の範囲は、図9に示すステップの特定の並び方に限定されると考えられるべきではない。
【0082】
閲覧要求を受信すると、クラウドサーバー100はフラグを参照して患者情報のステータスを確認する(ステップS901)。
【0083】
まず、クラウドサーバー100はフラグが第一ステータスを示すか否か判断する(ステップS902)。
【0084】
フラグが第一ステータスを示すと判断すると(ステップS902:YES)、クラウドサーバー100は閲覧要求を否定することを判断し(ステップS907)、処理が終了する。フラグが第一ステータスを示さないと判断すると(ステップS902:NO)、処理は次のステップへ進む。
【0085】
次に、クラウドサーバー100は、フラグが第二ステータスを示すか否か判断する(ステップS903)。フラグが第二ステータスを示すと判断すると(ステップS903:YES)、クラウドサーバー100は閲覧要求を承認することを決定し(ステップS908)、処理が終了する。フラグが第二ステータスを示さないと判断すると(ステップS903:NNO)、処理は次のステップへ進む。
【0086】
その次に、クラウドサーバー100はフラグが第三ステータスを示すか否か判断する(ステップS904)。フラグが第三ステータスを示さないと判断すると(ステップS904:NO)、クラウドサーバー100は閲覧要求を拒否することを判断し(ステップS907)、処理が終了する。フラグが第三ステータスを示すと判断すると(ステップS904:YES)、処理は次のステップに進む。
【0087】
次に、クラウドサーバー100は所定の条件が満たされているか否かを判断する(ステップS905)。所定の条件が満たされていないと判断すると(ステップS905:NO)、クラウドサーバー100は閲覧要求を拒否することを判断し(ステップS907)、処理が終了する。所定の条件が満たされていると判断すると(ステップS905:YES)、処理は次のステップへ進む。
【0088】
そして、クラウドサーバー100は開示禁止情報を参照して患者情報の閲覧が禁止されているか否かを確認する(ステップS906)。開示禁止情報が閲覧を禁止していると判断すると(ステップS906:YES)、クラウドサーバー100は閲覧要求を否定することを判断し(ステップS907)、処理が終了する。開示禁止情報が閲覧を禁止していないと判断すると(ステップS906:NO)、クラウドサーバー100は閲覧要求を承認することを判断し(ステップS908)、処理が終了する。
【0089】
本発明の実施形態は、使用されているプラットフォームに関わらず事実上あらゆる種類のコンピューティングシステムに実装することができる。例えば、コンピューティングシステムは、一又は複数のモバイルデバイス(例えば、ノート型コンピューター、スマートフォン、デジタル個人アシスタント、タブレットコンピューター、又は他のモバイルデバイス)、デスクトップコンピューター、サーバー、サーバーシャーシのブレード、その他あらゆる種類のコンピューティングデバイス、又は一又は複数の実施形態を実行するための少なくとも最小限の処理力、メモリ、入力及び出力装置を含むデバイスであってよい。例えば、図10に示すように、コンピューティングシステム1001は、一又は複数のプロセッサー1002、関連メモリ1003(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリ等)、一又は複数のストレージデバイス1004(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)ドライブやデジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブといった光学ドライブ、フラッシュメモリスティック等)、そして他複数の要素及び機能を含みうる。コンピュータープロセッサー1002は命令を処理するための集積回路であってもよい。例えば、コンピュータープロセッサーは、コンピューターの一又は複数のコア又はマイクロコアであってもよい。コンピューターシステム1001は、タッチスクリーン、キーボード、マウス、マイク、タッチパッド、電子ペン、又はその他あらゆる種類の入力装置といった、一又は複数の入力装置1006を含みうる。さらに、コンピューティングシステム1001は、スクリーン(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、タッチスクリーン、ブラウン管(CRT)モニター、プロジェクター、その他あらゆるディスプレイ装置)、プリンター、外部記憶、その他あらゆる出力装置といった、一又は複数の出力装置1005を含みうる。一又は複数の出力装置は、入力装置と同じであっても異なっていてもよい。コンピューティングシステム1001は、ネットワークインターフェース接続(図示せず)を介し、ネットワーク1007(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットのようなワイドエリアネットワーク(WAN)、モバイルネットワーク、又はその他あらゆる種類のネットワーク)に接続されていてもよい。入力及び出力装置は、ローカル又は遠隔で(例えば、ネットワーク1007を介して)コンピューター1002と、メモリ1003と、ストレージデバイ1004とに接続されていてもよい。多くの異なる種類のコンピューターシステムが存在し、前述の入力及び出力装置は他の形をとりうる。
【0090】
本発明の実施形態を実行するためのコンピューター読取可能なプログラムコードの形式のソフトウェア指令は、その全体又は一部が、一時的又は恒久的に、CD、DVD、ストレージデバイス、ディスケット、テープ、フラッシュメモリ、物理メモリ、又はその他あらゆる種類のコンピューター読取可能なストレージ媒体といった、非一時的なコンピューター可読媒体に格納されてよい。具体的には、ソフトウェア指令は、プロセッサーによって実行される際本発明の実施形態を実行するよう構成されているコンピューター読取可能なプログラムコードに対応しうる。
【0091】
さらに、前述のコンピューティングシステム1001の一又は複数の要素は、遠隔地に配置され、ネットワーク1007で他の要素に接続されていてもよい。さらに、本発明の一又は複数の実施形態は、複数のノードを持つ分散システムに実装されてもよく、本発明の各部は分散システム内の異なるノードに配置されてもよい。本発明の一つの実施形態において、ノードは別個のコンピューティングデバイスに対応する。もしくは、ノードは関連物理メモリを備えたコンピューターに対応していてもよい。ノードは、または、コンピュータープロセッサー、又は共有メモリ及び/又はリソースを備えたコンピュータープロセッサーのマイクロコアであってもよい。
【0092】
一又は複数の実施形態における方法、非一時的なコンピューター可読媒体、及びシステムは、医療分野における閲覧技術に様々な改善をもたらす。例えば、クラウドサーバーが、検査オーダー情報又は開示プロパティ情報に基づいて第一ユーザー又は第二ユーザーからの患者情報を閲覧するための閲覧要求を承認するか否かを判断する。この特徴によると、第一ユーザーからの閲覧要求を検査オーダー情報に基づいて承認でき、第二ユーザーからの閲覧要求を開示プロパティ情報に基づいて条件的に承認できる。その結果、検査を要求していない第二ユーザーも、所定の条件下で患者情報を閲覧することができる。このように、第二ユーザーは、例えば医療上の必要性が生じた場合及び/又は緊急の場合、患者情報を閲覧することができ、患者情報のセキュリティを保護しつつそれによってシステムの利便性が向上する。
【0093】
一又は複数の実施形態によれば、閲覧者特定情報が第一ユーザー特定情報と一致する場合だけでなく、閲覧者特定情報が第一ユーザー特定情報と関連付けられている場合にも、クラウドサーバーは閲覧要求を承認する。この特徴によると、患者情報のセキュリティを保護しつつ患者情報へのアクセス性が向上する。
【0094】
一又は複数の実施形態によれば、所定の時間制限が設定されている場合、第二ユーザーは所定の時間制限内のみ患者情報を閲覧することができる。この特徴によると、検査を要求していない第二ユーザーは例外的な状況下(例えば、医療緊急事態)でのみ患者情報を閲覧することができ、患者情報のセキュリティは適切に保護される。所定の制限時間が経過した後、患者情報のステータスは、第二ユーザーへの患者情報の開示を禁止するステータスに自動的に戻る。この特徴によれば、システムの利便性はさらに向上する。
【0095】
一又は複数の実施形態によれば、フィルタリング要求を送信することで、第一ユーザー又は第二ユーザーは患者情報の特定項目のみを閲覧することができる。この特徴によれば、第一ユーザー又は第二ユーザーは必要な患者情報のみ閲覧することができ、システムによって情報に効率性がもたらされる。
【0096】
一又は複数の実施形態によれば、クラウドサーバーは開示プロパティ情報に基づいた決定に関わらず開示禁止情報に基づいて閲覧要求を承認するか否かを判断する。この特徴によれば、患者情報のセキュリティはより適切に保護される。
【0097】
本発明は限られた数の実施形態に関して説明したが、当業者は、この開示の恩恵を受け、ここに開示された本発明の範囲を逸脱することなく他の実施形態を考案できることを理解するだろう。したがって、本発明の範囲は添付のクレームによってのみ限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】