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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031221
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】ロックユニット付き伸縮棒
(51)【国際特許分類】
   A45B 7/00 20060101AFI20220210BHJP
【FI】
A45B7/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128642
(22)【出願日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】109210244
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】507016188
【氏名又は名称】富國興業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライ シン ユアン
(57)【要約】
【課題】操作の便利性が高いロックユニット付き伸縮棒を提供する。
【解決手段】
ブロック14を備えている上パイプ10と、上パイプ10に嵌め合える中間パイプ30と、中間パイプ30に嵌め合える下パイプユニット40と、係止段63を備えている連動紐60と、押圧されると変形する受圧部717を備え、一端が弾性変形できる位置決め部材71、及び、受圧部717を押圧して変形させる押圧部725を備えているリリース部材72を有するロックユニット70と、を備えており、
使用状態において、位置決め部材71が上端部31に係止され、且つ、リリース部材72がブロック14により押圧されると、受圧部717が押圧され、位置決め部材71は位置決めが解除されながら中間パイプ30内に移動するので、下パイプユニット40を中間パイプ30から取り外すことができるようになる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ状のものであって軸線に沿って延伸しており、且つ、内部に設置されているブロックを備えている上パイプと、
前記上パイプに対して位置が固定でき、且つ、前記軸線に沿って移動できるように、前記上パイプ内に挿入して互いに嵌め合えるパイプ状のものであり、且つ、前記上パイプ内に挿入している上端部と、前記上端部の反対端部である下端部と、を備えている中間パイプと、
パイプ状のものであって、前記中間パイプの一側に設置されており、且つ、前記軸線に沿って前記中間パイプと取り外し可能に互いに嵌め合える連接端部を有し、且つ、前記連接端部の反対端部である底端部を有する下パイプユニットと、
前記上パイプと前記中間パイプと前記下パイプユニットとの内部に挿設されており、且つ、前記上パイプに固定されている第1の端部と、前記第1の端部の反対端部であって前記下パイプユニットの前記底端部に寄った側に位置している第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間にある係止段と、を備えている連動紐と、
少なくとも一部が前記中間パイプの前記上端部内に位置していて、前記係止段が係止されていると共に、少なくとも一端が径方向において弾性変形することができるように構成されている位置決め部材と、前記位置決め部材の位置決めを解除するためのリリース部材と、を有するロックユニットと、を備えており、
前記位置決め部材は、受圧部を備えており、該受圧部は、押圧されると前記位置決め部材の弾性変形できる一端が内側へ変形するように構成されており、
前記リリース部材は、押圧部を備えており、該押圧部は、前記受圧部を押圧して前記位置決め部材の弾性変形できる一端を弾性変形させることができるように構成されており、
前記下パイプユニットと前記中間パイプと前記上パイプとが前記軸線に沿って互いに嵌め合わされた状態において、前記連動紐が直線状に引っ張られると共に、前記位置決め部材が前記中間パイプの前記上端部に係止され、そして、前記リリース部材が前記上パイプの前記ブロックにより押圧されると、前記リリース部材における前記押圧部が該押圧に連動されて、前記受圧部を押圧し、この押圧によって、前記位置決め部材が径方向において弾性変形することにより、位置決めが解除されて前記中間パイプ内の前記上端部と前記下端部との間に移動することで、前記下パイプユニットを前記中間パイプから取り外すことができるようになるよう構成されている、ことを特徴とするロックユニット付き伸縮棒。
【請求項2】
前記ロックユニットの前記位置決め部材は、
柱状に形成されている柱状段と、
前記柱状段の前記軸線に沿う方向にあると共に前記ブロックに寄った上側に構成されている受圧段と、
前記受圧段と前記柱状段との間にある当止部と、
前記受圧段から前記柱状段へ延伸する複数の溝と、を更に備えており、
前記受圧部は、前記受圧段に、上へ先細に縮径するように形成されている円錐面であり、
前記リリース部材は、前記受圧段を外嵌しているリングを更に備えており、
前記押圧部は、前記リングの内環面に、上へ先細に縮径するように形成されている円錐面である、ことを特徴とする請求項1に記載のロックユニット付き伸縮棒。
【請求項3】
前記ロックユニットの前記位置決め部材は、
前記受圧段の前記当止部側の反対側にある拡径段と、
前記拡径段と前記受圧段との間に連接されている中間段と、を更に備えており、
前記溝は、前記拡径段から前記柱状段まで延伸しており、
前記リリース部材は、前記上側にある頂板と、前記軸線を囲繞しながら、前記頂板と前記リングとを連接している複数の連接リブと、を更に備えており、
前記リングは、前記当止部と前記拡径段との間に摺動可能に形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載のロックユニット付き伸縮棒。
【請求項4】
前記溝同士の間にそれぞれ弾性係合部が構成されており、
前記連接リブ同士の間にそれぞれ前記弾性係合部に挿設されて該弾性係合部と互いに係合することができる係合孔が形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載のロックユニット付き伸縮棒。
【請求項5】
前記ロックユニットの前記位置決め部材は、
柱状に形成されている柱状段と、
前記柱状段の前記軸線Lに沿う方向にあると共に前記ブロックに寄った上側に構成されている受圧段と、
前記受圧段と前記柱状段との間にある当止部と、
前記受圧段から前記柱状段へ延伸している複数の溝と、を更に備えており、
前記受圧部は、前記受圧段に、上へ先細に縮径するように形成されている円錐面であり、
前記リリース部材は、内周面を有する中空管状に形成されており、
前記押圧部は、前記内周面の底部に、上へ先細に縮径するように形成されている円錐面である、ことを特徴とする請求項1に記載のロックユニット付き伸縮棒。
【請求項6】
前記中間パイプは、
パイプ本体と、
前記パイプ本体に固定されているライニングパイプと、を更に備えており、
前記ライニングパイプは内に前記軸線に沿う通孔を有し、前記通孔の内表面が階段状に形成されており、
前記内表面は、大径段と、前記大径段の前記軸線に沿う方向における上側の反対側である下側に設置されている小径段と、を備えており、
前記大径段と前記小径段とが接続されている部分には上方端部が位置していて、前記当止部は前記上方端部に当止できる、ことを特徴とする請求項5に記載のロックユニット付き伸縮棒。
【請求項7】
前記中間パイプの前記ライニングパイプは、前記大径段を貫通して前記通孔と外部とを連通する2つの案内槽を備えており、
前記リリース部材は、前記内周面の反対面である外周面と、前記外周面に凸設されている一対の案内柱と、を更に備えており、
前記案内柱は、前記案内槽に沿って移動可能に前記案内槽に挿設されており、且つ、底部に案内斜面が形成されている、ことを特徴とする請求項6に記載のロックユニット付き伸縮棒。
【請求項8】
前記下パイプユニットと前記中間パイプと前記上パイプとが前記軸線に沿って互いに嵌め合わされた状態において、前記連動紐を直線状に引っ張るための付勢力を提供する上、前記位置決め部材が前記中間パイプ内の前記上端部と前記下端部との間に移動すると、前記係止段と前記第2の端部との間の前記連動紐への前記付勢力がリリースされるように、前記下パイプユニットに設置構成されている付勢ユニットを更に備えており、また、
前記上パイプは、前記中間パイプを前記上パイプに対して固定するための固縛具を更に備えている、ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のロックユニット付き伸縮棒。
【請求項9】
パイプ状のものであって軸線に沿って延伸しており、且つ、内部に設置されているブロックを備えている上パイプと、
前記上パイプに対して位置が固定でき、且つ、前記軸線に沿って移動できるように、前記上パイプ内に挿入して互いに嵌め合えるパイプ状のものであり、且つ、前記上パイプ内に挿入している上端部と、前記上端部の反対端部である下端部と、を備えている中間パイプと、
パイプ状のものであって、前記中間パイプの一側に設置されており、且つ、前記軸線に沿って前記中間パイプと取り外し可能に互いに嵌め合える連接端部を有し、且つ、前記連接端部の反対端部である底端部を有する下パイプユニットと、
前記上パイプと前記中間パイプと前記下パイプユニットとの内部に挿設されており、且つ、前記上パイプに固定されている第1の端部と、前記第1の端部の反対端部であって前記下パイプユニットの前記底端部に寄った側に位置している第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間にある係止段と、を備えている連動紐と、
少なくとも一部が前記中間パイプの前記上端部内に位置していて、前記係止段が位置決めされていると共に、少なくとも一端が径方向において弾性変形することができるように構成されている位置決め部材と、前記係止段の位置決めを解除するためのリリース部材と、を有するロックユニットと、を備えており、
前記位置決め部材は、
柱状に形成されている柱状段と、
弾性変形できるように構成されており、且つ、前記柱状段の前記軸線に沿う方向にあると共に前記ブロックに寄った上側に連接されている受圧段と、
前記受圧段から前記柱状段へ延伸している複数の溝と、を備えており、
前記溝同士の間にそれぞれ弾性係合部が構成されており、前記受圧段は、押圧されると前記位置決め部材の弾性変形できる一端が変形できるように構成されていると共に、上方開口を画成する受圧部を有し、
前記リリース部材は、押圧部を備えており、該押圧部は、下へ先細に縮径するように形成されていて前記受圧部を押圧して前記位置決め部材の弾性変形できる一端を弾性変形させることができる円錐面であり、
前記下パイプユニットと前記中間パイプと前記上パイプとが前記軸線に沿って互いに嵌め合わされた状態において、前記連動紐が直線状に引っ張られると共に、前記係止段が前記位置決め部材に位置決めされており、そして、前記リリース部材が前記上パイプの前記ブロックにより押圧されると、前記リリース部材における前記押圧部が該押圧に連動されて、前記受圧部を押圧し、この押圧によって、前記受圧段が径方向において弾性変形することにより、前記係止段の位置決めが解除されて前記係止段が前記中間パイプ内の前記上端部と前記下端部との間に移動することで、前記下パイプユニットを前記中間パイプから取り外すことができるようになるよう構成されている、ことを特徴とするロックユニット付き伸縮棒。
【請求項10】
前記ロックユニットの前記位置決め部材は、
前記受圧段の下側に当止部があり、該当止部は、円錐状の空間を画成するように上へ先細に縮径するように形成されている円錐面であり、また、
前記受圧段と前記当止部との間には、ショルダー部が形成されており、
前記係止段は、
円錐部と、
突出していて前記円錐部の上端と連接している係止部と、を備えており、
前記下パイプユニットと前記中間パイプと前記上パイプとが前記軸線に沿って互いに嵌め合わされた状態において、前記連動紐が直線状に引っ張られると、前記係止部が前記ショルダー部に係止され、前記円錐部が前記当止部と嵌め合わされているように構成されている、ことを特徴とする請求項9に記載のロックユニット付き伸縮棒。
【請求項11】
前記ロックユニットの前記リリース部材は、前記押圧部に連接されており、且つ、それぞれが前記溝に延びるように設置されている複数のフックを更に備えており、
前記ロックユニットは、弾性力により各前記弾性係合部を内側へ移動させることができるように付勢しながら、各前記弾性係合部及び各前記フックを外側から束ねている弾性リングを更に備えており、
前記下パイプユニットと前記中間パイプと前記上パイプとが互いに嵌め合わされた状態において、前記連動紐が直線状に引っ張られると、前記係止段が前記位置決め部材に位置決めされることができるように更に構成されている、ことを特徴とする請求項10に記載のロックユニット付き伸縮棒。
【請求項12】
前記下パイプユニットと前記中間パイプと前記上パイプとが前記軸線Lに沿って互いに嵌め合わされた状態において、前記連動紐を直線状に引っ張るための付勢力を提供する上、前記係止段が前記中間パイプ内の前記上端部と前記下端部との間で移動すると、前記係止段と前記第2の端部との間の前記連動紐への前記付勢力がリリースされるように、前記下パイプユニットに設置構成されている付勢ユニットを更に備えており、また、
前記上パイプは、前記中間パイプを前記上パイプに対して固定するための固縛具を更に備えている、ことを特徴とする請求項9~請求項11のいずれか一項に記載のロックユニット付き伸縮棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮棒に関し、特にロックユニット付き伸縮棒に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示されるように、従来の折り畳み式伸縮棒は、中空の上パイプと、移動できるように前記上パイプ内に挿設されている第1の下パイプと、互いに接続されている複数の第2の下パイプと、連動紐と、係止ピンユニットとを備えている。前記上パイプの外側にはハンドルが設置されている。前記第1の下パイプの上端部に近い部分には孔が開いている。前記複数の第2の下パイプのそれぞれの上端部には繋ぎ部材が固定されている。
【0003】
前記連動紐は、前記上パイプと前記第1の下パイプと前記複数の第2の下パイプとの内部に挿設されており、且つ、前記上パイプの上端部に固定されている第1の端部と、前記上パイプから最も離れている前記第2の下パイプの前記繋ぎ部材に固定されている第2の端部とを有する。
【0004】
前記係止ピンユニットは、前記第1の下パイプの上端部に固定されている位置決めベースと、前記位置決めベースに接続されている弾性プレートと、前記弾性プレートの先端に固定されているピンとを備えている。
【0005】
前記上パイプと前記第1の下パイプと前記複数の第2の下パイプとが互いに嵌め合わされた展開状態になると、前記第1の下パイプの隣にある前記第2の下パイプの前記繋ぎ部材が、前記第1の下パイプの内部に挿設され、前記上パイプから最も離れている前記第2の下パイプの前記繋ぎ部材が、隣にある前記第2の下パイプの内部に挿設され、前記連動紐が、大きい張力を有するように直線状に引っ張られ、前記係止ピンユニットの前記ピンが、前記第1の下パイプの前記孔から突出するように前記孔に挿設されるようになる。それにより、特許文献1の折り畳み式伸縮棒は、最大長さを有する使用状態になる。
【0006】
使用者が前記ピンを押すと、前記ピンが前記孔から突出しなくなり、その際、使用者が前記第1の下パイプを前記上パイプ内にさらに挿入すると、前記連動紐の張力がなくなるので、前記第2の下パイプを前記第1の下パイプから外すことも、各前記第2の下パイプを互いに外すこともできる。前記第1の下パイプが前記上パイプの内部に進入し、各前記第2の下パイプが前記上パイプと平行に並ぶことができるようになり、このようにすると、特許文献1の折り畳み式伸縮棒は、最小長さを有する収納状態になる。
【0007】
そして、使用する際、前記ピンが前記孔から突出するまで前記第1の下パイプを前記上パイプから引き出すと、前記第1の下パイプと各前記第2の下パイプとが互いに嵌め合わされて、特許文献1の折り畳み式伸縮棒は使用状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】台湾実用新案第M596544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の折り畳み式伸縮棒は、操作に必要な力が大きいという不便がある。
【0010】
上記の問題点に鑑みて、本発明は、より小さい力で操作できて便利性が高いロックユニット付き伸縮棒を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を実現するために、本発明は、
パイプ状のものであって軸線に沿って延伸しており、且つ、内部に設置されているブロックを備えている上パイプと、
前記上パイプに対して位置が固定でき、且つ、前記軸線に沿って移動できるように、前記上パイプ内に挿入して互いに嵌め合えるパイプ状のものであり、且つ、前記上パイプ内に挿入している上端部と、前記上端部の反対端部である下端部と、を備えている中間パイプと、
パイプ状のものであって、前記中間パイプの一側に設置されており、且つ、前記軸線に沿って前記中間パイプと取り外し可能に互いに嵌め合える連接端部を有し、且つ、前記連接端部の反対端部である底端部を有する下パイプユニットと、
前記上パイプと前記中間パイプと前記下パイプユニットとの内部に挿設されており、且つ、前記上パイプに固定されている第1の端部と、前記第1の端部の反対端部であって前記下パイプユニットの前記底端部に寄った側に位置している第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間にある係止段と、を備えている連動紐と、
少なくとも一部が前記中間パイプの前記上端部内に位置していて、前記係止段が係止されていると共に、少なくとも一端が径方向において弾性変形することができるように構成されている位置決め部材と、前記位置決め部材の位置決めを解除するためのリリース部材と、を有するロックユニットと、を備えており、
前記位置決め部材は、受圧部を備えており、該受圧部は、押圧されると前記位置決め部材の弾性変形できる一端が内側へ変形するように構成されており、
前記リリース部材は、押圧部を備えており、該押圧部は、前記受圧部を押圧して前記位置決め部材の弾性変形できる一端を弾性変形させることができるように構成されており、
前記下パイプユニットと前記中間パイプと前記上パイプとが前記軸線に沿って互いに嵌め合わされた状態において、前記連動紐が直線状に引っ張られると共に、前記位置決め部材が前記中間パイプの前記上端部に係止され、そして、前記リリース部材が前記上パイプの前記ブロックにより押圧されると、前記リリース部材における前記押圧部が該押圧に連動されて、前記受圧部を押圧し、この押圧によって、前記位置決め部材が径方向において弾性変形することにより、位置決めが解除されて前記中間パイプ内の前記上端部と前記下端部との間に移動することで、前記下パイプユニットを前記中間パイプから取り外すことができるようになるよう構成されている、ことを特徴とするロックユニット付き伸縮棒を提供する。
【0012】
また、本発明は、
パイプ状のものであって軸線に沿って延伸しており、且つ、内部に設置されているブロックを備えている上パイプと、
前記上パイプに対して位置が固定でき、且つ、前記軸線に沿って移動できるように、前記上パイプ内に挿入して互いに嵌め合えるパイプ状のものであり、且つ、前記上パイプ内に挿入している上端部と、前記上端部の反対端部である下端部と、を備えている中間パイプと、
パイプ状のものであって、前記中間パイプの一側に設置されており、且つ、前記軸線に沿って前記中間パイプと取り外し可能に互いに嵌め合える連接端部を有し、且つ、前記連接端部の反対端部である底端部を有する下パイプユニットと、
前記上パイプと前記中間パイプと前記下パイプユニットとの内部に挿設されており、且つ、前記上パイプに固定されている第1の端部と、前記第1の端部の反対端部であって前記下パイプユニットの前記底端部に寄った側に位置している第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間にある係止段と、を備えている連動紐と、
少なくとも一部が前記中間パイプの前記上端部内に位置していて、前記係止段が位置決めされていると共に、少なくとも一端が径方向において弾性変形することができるように構成されている位置決め部材と、前記係止段の位置決めを解除するためのリリース部材と、を有するロックユニットと、を備えており、
前記位置決め部材は、
柱状に形成されている柱状段と、
弾性変形できるように構成されており、且つ、前記柱状段の前記軸線に沿う方向にあると共に前記ブロックに寄った上側に連接されている受圧段と、
前記受圧段から前記柱状段へ延伸している複数の溝と、を備えており、
前記溝同士の間にそれぞれ弾性係合部が構成されており、前記受圧段は、押圧されると前記位置決め部材の弾性変形できる一端が変形できるように構成されていると共に、上方開口を画成する受圧部を有し、
前記リリース部材は、押圧部を備えており、該押圧部は、下へ先細に縮径するように形成されていて前記受圧部を押圧して前記位置決め部材の弾性変形できる一端を弾性変形させることができる円錐面であり、
前記下パイプユニットと前記中間パイプと前記上パイプとが前記軸線に沿って互いに嵌め合わされた状態において、前記連動紐が直線状に引っ張られると共に、前記係止段が前記位置決め部材に位置決めされており、そして、前記リリース部材が前記上パイプの前記ブロックにより押圧されると、前記リリース部材における前記押圧部が該押圧に連動されて、前記受圧部を押圧し、この押圧によって、前記受圧段が径方向において弾性変形することにより、前記係止段の位置決めが解除されて前記係止段が前記中間パイプ内の前記上端部と前記下端部との間に移動することで、前記下パイプユニットを前記中間パイプから取り外すことができるようになるよう構成されている、ことを特徴とするロックユニット付き伸縮棒を提供する。
【発明の効果】
【0013】
上記のように、本発明のロックユニット付き伸縮棒は、ロックユニットの位置決め部材及びリリース部材の組み合わせにより、中間パイプが上パイプ内で上側へ移動すると、リリース部材がブロックにより押圧されることにより、リリース部材の押圧部が位置決め部材の受圧部を押圧し、位置決め部材が径方向において弾性変形することにより、位置決め部材または係止段の位置決めが解除されながら位置決め部材または係止段が中間パイプ内の上端部と下端部との間に移動するので、より簡単に下パイプユニットを中間パイプから取り外して収納状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のロックユニット付き伸縮棒の第1の実施形態の断面図である。
図2】上記第1の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の部分部品分解図である。
図3】上記第1の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の部分拡大断面図である。
図4】上記第1の実施形態のロックユニット付き伸縮棒のロックユニットのリリース状態を示す断面図である。
図5】上記第1の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の収納状態を示す断面図である。
図6】本発明のロックユニット付き伸縮棒の第2の実施形態の断面図である。
図7】上記第2の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の部分部品分解図である。
図8】上記第2の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の部分拡大断面図である。
図9】上記第2の実施形態のロックユニット付き伸縮棒のロックユニットのリリース状態を示す断面図である。
図10】上記第2の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の収納状態を示す断面図である。
図11】本発明のロックユニット付き伸縮棒の第3の実施形態の部分部品分解図である。
図12】上記第3の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の部分拡大断面図である。
図13図12の線XIII―XIIIの断面図である。
図14】上記第3の実施形態のロックユニット付き伸縮棒のロックユニットのリリース状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明のロックユニット付き伸縮棒の各実施形態について詳しく説明する。
【0016】
図1は本発明のロックユニット付き伸縮棒の第1の実施形態の断面図である。図2は上記第1の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の部分部品分解図である。図3は上記第1の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の部分拡大断面図である。図4は上記第1の実施形態のロックユニット付き伸縮棒のロックユニットのリリース状態を示す断面図である。図5は上記第1の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の収納状態を示す断面図である。
【0017】
本発明を説明するために、本明細書及び特許請求の範囲において方向性を有する用語(例えば、前、後、左、右、上、下、縦、横など)を使用するが、これらの方向性の定義は、単に本明細書及び特許請求の範囲の記載を補助することを意図しており、本発明をいかなる方法でも限定することを意図していない。
【0018】
本発明はロックユニット付き伸縮棒、図1図3に示されるように、パイプ状でのものあって軸線Lに沿って延伸しており、且つ、内部にに設置されているブロック14を備えている上パイプ10と、上パイプ10に対して位置が固定でき、且つ、軸線Lに沿って移動できるように、上パイプ10内に挿入して互いに嵌め合えるパイプ状のものであり、且つ、上パイプ10内に挿入している上端部31と、上端部31の反対端部である下端部32と、を備えている中間パイプ30と、パイプ状のものであって、中間パイプ30の一側に設置されており、且つ、軸線Lに沿って中間パイプ30と取り外し可能に互いに嵌め合える連接端部411を有し、且つ、連接端部411の反対端部である底端部412′を有する下パイプユニット40と、上パイプ10と中間パイプ30と下パイプユニット40との内部に挿設されており、且つ、上パイプ10に固定されている第1の端部61と、第1の端部61の反対端部であって下パイプユニット40の底端部412′に寄った側に位置している第2の端部62と、第1の端部61と第2の端部62との間にある係止段63と、を備えている連動紐60と、少なくとも一部が中間パイプ30の上端部31内に位置していて、係止段63が係止されていると共に、少なくとも一端が径方向において弾性変形することができるように構成されている位置決め部材71と、位置決め部材71の位置決めを解除するためのリリース部材72と、を有するロックユニット70と、を備えている。
【0019】
位置決め部材71は、受圧部717を備えており、受圧部717は、押圧されると位置決め部材の弾性変形できる一端が内側へ変形するように構成されている。
【0020】
リリース部材72は、押圧部725を備えており、押圧部725は、受圧部717を押圧して位置決め部材71の弾性変形できる一端を弾性変形させることができるように構成されている。
【0021】
また、下パイプユニット40と中間パイプ30と上パイプ10とが軸線Lに沿って互いに嵌め合わされた状態において、連動紐60が直線状に引っ張られると共に、位置決め部材71が中間パイプ30の上端部31に係止され、そして、リリース部材72が上パイプ10のブロック14により押圧されると、リリース部材72における押圧部725が該押圧に連動されて、受圧部717を押圧し、この押圧によって、位置決め部材71が径方向において弾性変形することにより、位置決めが解除されて中間パイプ30内の上端部31と下端部32との間に移動することで、下パイプユニット40を中間パイプ30から取り外すことができるようになるよう構成されている。
【0022】
そして、本発明のロックユニット付き伸縮棒の第1の実施形態は、図1図3に示されるように、使用される常時において直立になって上下両端側を有するロックユニット付き伸縮棒であって、上パイプ10と、握り部20と、中間パイプ30と、下パイプユニット40と、付勢ユニット50と、連動紐60と、ロックユニット70とを備えている。
【0023】
上パイプ10は、図1に示されるように、パイプ状のものであって前記上下両端側を通る軸線Lに沿って延伸しており、且つ、前記上端側の方にある頂端部11と、前記下端側の方にあり、頂端部11の軸線Lに沿う方向においての反対端である下方端部12と、下方端部12から頂端部11まで延伸する上通孔13と、頂端部11に固定されていてパイプ内にある部品の上方移動を上から止めるためのブロック14と、下方端部12を加圧することにより、下方端部12に設置されている固縛具15とを備えている。固縛具15は、操作により、下方端部12を縛って内側へ収縮させるまたは外側へリリースすることができるように構成されている。
【0024】
握り部20は、図1に示されるように、上パイプ10の頂端部11を内部に包蔵するように上パイプ10に固定されている。
【0025】
中間パイプ30は、図1に示されるように、上パイプ10に対して位置が固定でき、且つ、軸線Lに沿って移動できるように、下方から上パイプ10内に挿入して互いに嵌め合えるパイプ状のものであって、前記上端側の方にある上端部31と、前記下端側の方にあり、上端部31の軸線Lに沿う方向においての反対端である下端部32と、を備えている。この実施形態において、中間パイプ30は、一部が上パイプ10内に挿入しているものであり、即ち、図5に示されるように、中間パイプ30が上パイプ10の下方端部12から挿入されブロック14に当接するまで上パイプ10内を移動しても、下端部32が上パイプ10から突出しているものであり、固縛具15により上パイプ10に対して位置が固定されている。
【0026】
下パイプユニット40は、図1に示されるように、パイプ状のものであって、中間パイプ30の一側に設置されており、且つ、2つの下パイプ41、41′を有する。
【0027】
図1における上方にあって中間パイプ30に近い下パイプ41は、連接端部411と、嵌合端部412とを有する。
【0028】
連接端部411は、連接端部411に設置されている第1の連接部材413を有し、且つ、第1の連接部材413を介して、軸線Lに沿って中間パイプ30と下方から取り外し可能に嵌め合える。使用状態において、図1に示されるように、第1の連接部材413は、中間パイプ30の下端部32に挿入されている。
【0029】
嵌合端部412は、連接端部411の反対端である。使用状態において、図1に示されるように、嵌合端部412は、前記下端側の方にあり、連接端部411の軸線Lに沿う方向においての反対端である。
【0030】
また、図1における下方にあって中間パイプ30から遠い下パイプ41′は、嵌合端部412に対応する繋ぎ端部411′と、底端部412′を有する。
【0031】
繋ぎ端部411′は、繋ぎ端部411′に設置されている第2の連接部材413′を有し、且つ、第2の連接部材413′を介して、嵌合端部412と取り外し可能に嵌め合える。使用状態において、図1に示されるように、繋ぎ端部411′は、第2の連接部材413′が、下パイプ41の嵌合端部412に挿入されることにより、軸線Lに沿って嵌合端部412と下方から取り外し可能に嵌め合う。
【0032】
底端部412′は、繋ぎ端部411′の反対端である。使用状態において、図1に示されるように、底端部412′は、前記下端側の方にあり、繋ぎ端部411′の軸線Lに沿う方向においての反対端である。
【0033】
付勢ユニット50は、図1に示されるように、下パイプユニット40の下パイプ41′内に設置されているものである。且つ、付勢ユニット50は、一端が第2の連接部材413′に当接している圧縮バネ51と、下パイプ41′の延伸方向(図1において、該延伸方向は軸線Lに沿う方向である)に沿って移動できるように圧縮バネ51の他端に設置されているスライドブロック52とを備えている。即ち、圧縮バネ51は、第2の連接部材413′とスライドブロック52との間に設置されている。
【0034】
連動紐60は、図1に示されるように、上パイプ10と中間パイプ30と下パイプユニット40との内部に挿設されており、且つ、上パイプ10のブロック14に固定されている第1の端部61と、第1の端部61の反対端部であって下パイプユニット40の底端部412′に寄った側に位置するようにスライドブロック52に接続している第2の端部62と、第1の端部61と第2の端部62との間にあり、2つのノードを有する係止段63とを備えている。
【0035】
ロックユニット70は、図1及び図3に示されるように、位置決め部材71と、リリース部材72とを有する。
【0036】
位置決め部材71は、図2図4に示されるように、少なくとも一部が前記中間パイプ30の前記上端部31内に位置していて、係止段63が係止されていると共に、少なくとも一端が径方向において弾性変形することができるように構成されているものであり、且つ、柱状に形成されている柱状段711と、受圧段712と、当止部713と、拡径段714と、中間段715と、複数の溝716とを備えている。
【0037】
受圧段712は、柱状段711の軸線Lに沿う方向にあると共にブロック14に寄った上側に構成されている。
【0038】
当止部713は、受圧段712と柱状段711との間にある。この実施形態において、当止部713は、図3に示されるように、中間パイプ30の上端部31の端縁に、前記下端側へ移動不能に当止されることができるように構成されている。
【0039】
拡径段714は、受圧段712の当止部713側の反対側にあり、且つ、受圧段712の軸線Lに沿う方向にある上側に設置されている。
【0040】
中間段715は、拡径段714と受圧段712との間に連接されている。
【0041】
複数の溝716は、図2に示されるように、拡径段714から柱状段711へ延伸するものである。この実施形態において、複数の溝716は、拡径段714から柱状段711まで延伸するものであり、それにより、溝716が形成されている部分は、径方向において弾性変形することができる。
【0042】
受圧段712は、上へ先細に縮径するように形成されている円錐面である受圧部717を有する。
【0043】
溝716同士の間には、それぞれ弾性係合部718が構成されている。この実施形態において、複数の弾性係合部718は、図2及び図3に示されるように、拡径段714の軸線Lに沿う方向にある上端にある。
【0044】
柱状段711には、連動紐60が挿設されている下通孔719が開いている。係止段63の2つのノードのそれぞれが、下通孔719の両端に位置決めされていることにより、係止段63が柱状段711に係止されている。
【0045】
また、受圧部717は、押圧されると位置決め部材71の弾性変形できる一端が内側へ変形するように構成されている。この実施形態において、受圧部717は、押圧されると内側へ傾くように弾性変形すると共に、受圧段712から弾性係合部718までが内側へ傾くように移動して弾性変形する。
【0046】
リリース部材72は、位置決め部材71の位置決めを解除するためのものであって、リング721と、前記上側にある頂板722と、複数の連接リブ723と、複数の係合孔724とを備えている。
【0047】
リング721は、当止部713と拡径段714との間に摺動可能に受圧段712を外嵌している環状に形成されている。
【0048】
頂板722は、連動紐60が挿設されている貫通孔726が開いており、且つ、軸線Lに沿う方向においてリング721と間隔が開くようにリリース部材72の前記上端側に設置されている。
【0049】
複数の連接リブ723は、軸線Lを囲繞しながら、互いに間隔が開くように構成されて頂板722とリング721とを連接しているものである。
【0050】
係合孔724は、連接リブ723同士の間に、弾性係合部718に挿設されて該弾性係合部718と互いに係合することができるように形成されている。この実施形態において、係合孔724は、弾性係合部718が軸線Lの方向に沿って移動できるように更に形成されている。
【0051】
リング721は、内環面に形成されている押圧部725を有する。
【0052】
押圧部725は、リリース部材72が受圧部717を押圧して弾性変形させることができるように構成されているものであって、受圧部717に対応し、上へ先細に縮径するように形成されている円錐面である。
【0053】
以下、操作方法を説明することにより、各部品の作用、互いの連動関係及びその効果を詳しく説明する。
【0054】
この実施形態のロックユニット付き伸縮棒の使用状態においては、図1及び図3に示されるように、下パイプユニット40と中間パイプ30と上パイプ10とが軸線Lに沿って互いに嵌め合わされて展開状態になる。
【0055】
その際に、固縛具15は、上パイプ10と中間パイプ30との嵌め合い部分を縛って、中間パイプ30の上パイプ10に対する位置を固定させている。また、下パイプ41の第1の連接部材413は中間パイプ30の下端部32に進入していて、下パイプ41′の第2の連接部材413′は下パイプ41の嵌合端部412に進入している。そして、付勢ユニット50の圧縮バネ51の付勢により、連動紐60は直線状に引っ張られて、高い張力を有する状態になっている。
【0056】
それにより、握り部20の頂端と下パイプ41′の底端部412′との間の長さが最大になっている。
【0057】
そして、図3に示されるように、ロックユニット付き伸縮棒の使用状態において、連動紐60の張力、及び、連動紐60の係止段63が位置決め部材71の柱状段711に連接され且つ位置決め部材71の当止部713が中間パイプ30の上端部31の端縁に当止することにより、位置決め部材71は中間パイプ30の上端部31に係止されて位置決められる。
【0058】
その際、リリース部材72の押圧部725は、一部が中間段715に位置し、複数の弾性係合部718の間にある複数の溝716は、広さが最大になっている。その時に、ロックユニット70はロック状態になり、即ち、ロックユニット70がロック状態になることにより、下パイプユニット40と中間パイプ30との嵌め合いが維持できて、ロックユニット付き伸縮棒の展開状態が維持され、使用に供することができる。
【0059】
また、固縛具15を操作することにより、中間パイプ30が上パイプ10から伸出する長さを調整できて、使用状態にあるロックユニット付き伸縮棒の全体の長さを調整できる。即ち、ロックユニット付き伸縮棒の全体の長さを調整したい時には、固縛具15の上パイプ10に対する加圧をリリースして、中間パイプ30が上パイプ10から伸出する長さを調整した後、再び固縛具15で上パイプ10に対して加圧して、中間パイプ30の上パイプ10に対する位置を固定させることができる。
【0060】
使用者がこの実施形態のロックユニット付き伸縮棒を収納したい時には、図4及び図5に示されるように、まず、固縛具15の上パイプ10に対する加圧をリリースし、その際、例えば手で押すことにより、中間パイプ30が上パイプ10内のブロック14へ移動して、係止段63と第1の端部61との間の連動紐60は、張力がリリースされて、弛緩した状態になる。その際、連動紐60の係止段63と第2の端部62との間の張力により、下パイプユニット40は、中間パイプ30と共に移動する。
【0061】
そして、中間パイプ30の移動により、リリース部材72の頂板722が上パイプ10のブロック14に当たってブロック14に押圧されると、リリース部材72が前記下方側へ移動して、リリース部材72のリング721の内環面にある押圧部725が位置決め部材71の受圧部717の形状によりガイドされて受圧部717を内側へ押圧することにより、受圧部717及び複数の弾性係合部718が内側へ傾きながら元の位置に戻る付勢力を有するようになり、そして複数の溝716の幅が狭くなり、当止部713が複数の弾性係合部718の該傾きにより内側へ移動する。
【0062】
そして、当止部713が中間パイプ30の上端部31から外れるまで内側へ移動すると、位置決め部材71の位置決めが解除され、その際、圧縮バネ51の前記下端側への付勢力により(必要があれば、使用者が下パイプユニット40を前記下端側へ引っ張る場合がある)、ロックユニット7の位置決め部材71及びリリース部材72は中間パイプ30内の上端部31と下端部32との間に移動するので、係止段63と第2の端部62との間の連動紐60は、張力がリリースされる。それにより、使用者が下パイプユニット40を中間パイプ30から取り外すことも、下パイプ41を下パイプ41′から取り外すこともできるようになる。そしてこのように各パイプ同士を取り外すと、ロックユニット付き伸縮棒は、図5に示されるように、内部に移動した中間パイプ30を含む上パイプ10と下パイプ41と下パイプ41′とが互いに平行に並べられた収納状態になることができる。
【0063】
ロックユニット付き伸縮棒を収納状態から使用状態にしたい時には、使用者が、当止部713が中間パイプ30の上端部31に係止されるまで中間パイプ30を上パイプ10から引き出しながら、下パイプ41の第1の連接部材413を中間パイプ30の下端部32に挿入し且つ下パイプ41′の第2の連接部材413′を下パイプ41の嵌合端部412に挿入すると、受圧部717及び複数の弾性係合部718の元の位置に戻る付勢力により、位置決め部材71の受圧部717がリリース部材72の押圧部725を押圧して、リリース部材72が位置決め部材71に対して上方へ移動して、複数の弾性係合部718が複数の係合孔724と互いに係合し、ロックユニット7は、図1及び図3に示されるロック状態になり、且つ、連動紐60が大きい張力を有する状態になり、ロックユニット付き伸縮棒が図1図3に示される使用状態になる。
【0064】
上記の構成によれば、この実施形態のロックユニット付き伸縮棒は、ロックユニット70の当止部713を中間パイプ30の上端部31と係止するまたは外れるようにすることにより、より簡単に使用状態と収納状態との間で切り替えることができ、収納状態になると、よりコンパクトに収納できる。
【0065】
また、従来の伸縮棒は、ピンを押して本発明の中間パイプに相当するパイプを上パイプ内に更に挿入するので、該パイプを上パイプ内に更に挿入する時に、指が該パイプ及び上パイプに挟まれて怪我する可能性が高い。本発明のロックユニット付き伸縮棒は、固縛具15の操作により、中間パイプ30を上パイプ10に沿って移動させるので、指が挟まれて怪我することがなくなり、より安全にロックユニット付き伸縮棒を使用状態と収納状態との間で切り替えることができる。
【0066】
<第2の実施形態>
本発明のロックユニット付き伸縮棒の第2の実施形態は、第1の実施形態と類似するので、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、主に第1の実施形態との相違点を説明する。
【0067】
図6は本発明のロックユニット付き伸縮棒の第2の実施形態の断面図である。図7は上記第2の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の部分部品分解図である。図8は上記第2の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の部分拡大断面図である。図9は上記第2の実施形態のロックユニット付き伸縮棒のロックユニットのリリース状態を示す断面図である。図10は上記第2の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の収納状態を示す断面図である。
【0068】
この実施形態において、図6図8に示されるように、中間パイプ30′は、パイプ本体33′と、パイプ本体33′に固定されているライニングパイプ34′とを備えている。この実施形態において、ライニングパイプ34′は、パイプ本体33′の上端部31′に固定されている。
【0069】
ライニングパイプ34′は内に軸線Lに沿う通孔341′を有し、通孔341′の内表面342′が階段状に形成されており、且つ、内表面342′の反対側にある外表面340′を有する。
【0070】
内表面342′は、大径段343′と、大径段343′の軸線Lに沿う方向における前記上側の反対側である下側に設置されている小径段344′と、大径段343′と小径段344′とが接続されている部分に位置している上方端部345′と、大径段343′を貫通して通孔341′と外部とを連通する2つの案内槽346′を備えている。この実施形態において、案内槽346′は、図7に示されるように、軸線Lに沿う方向に延伸している。
【0071】
ロックユニット70′は、図7図8に示されるように、係止段63が係止されている位置決め部材71′と、リリース部材72′とを有する。
【0072】
位置決め部材71′は、柱状に形成されている柱状段711′と、柱状段711′の軸線Lに沿う方向にある前記上側に構成されている受圧段712′と、受圧段712′と柱状段711′との間にある当止部713′と、受圧段712′から柱状段711′へ延伸している複数の溝716′とを備えている。
【0073】
受圧段712′は、上へ先細に縮径するように形成されている円錐面である受圧部717′を有する。
【0074】
溝716′同士の間には、それぞれ弾性係合部718′が構成されている。
【0075】
この実施形態において、当止部713′は、ライニングパイプ34′の上方端部345′に当止している。
【0076】
リリース部材72′は、中空管状に形成されており、且つ、内周面721′と、内周面721′の反対面である外周面722′と、外周面722′に凸設されている一対の案内柱723′と、内周面721′の底部にあって上へ先細に縮径するように形成されている円錐面である押圧部725′とを備えている。
【0077】
案内柱723′は、案内槽346′に移動可能に挿設されており、且つ、底部に案内斜面724′が形成されている。
【0078】
使用者がこの実施形態のロックユニット付き伸縮棒を収納したい時には、図9に示されるように、中間パイプ30′を上パイプ10内のブロック14へ移動させて、リリース部材72′が上パイプ10のブロック14に当たってブロック14に押圧されるようにすると、リリース部材72′が前記下方側へ移動して、リリース部材72′の押圧部725′が位置決め部材71′の受圧部717′の形状によりガイドされて受圧部717′を内側へ押圧することにより、受圧部717′及び複数の弾性係合部718′は内側へ傾きながら元の位置に戻る付勢力を有するようになり、そして複数の溝716′の幅が狭くなり、当止部713′が複数の弾性係合部718′の該傾きにより内側へ移動する。
【0079】
そして、当止部713′がライニングパイプ34′の上方端部345′から外れるまで内側へ移動すると、位置決め部材71′の位置決めが解除され、その際、圧縮バネ51の前記下端側への付勢力により(必要があれば、使用者が下パイプユニット40を前記下端側へ引っ張る場合がある)、ロックユニット7′の位置決め部材71′は中間パイプ30′のパイプ本体33′内の前記上端部31′と前記下端部32との間に移動するので、第1の実施形態と同じく、使用者が下パイプユニット40を中間パイプ30′から取り外すことも、下パイプ41を下パイプ41′から取り外すこともできるようになる。そしてこのように各パイプ同士を取り外すと、ロックユニット付き伸縮棒は、図10に示されるように、内部に移動した中間パイプ30′を含む上パイプ10と下パイプ41と下パイプ41′とが互いに平行に並べられた収納状態になることができる。
【0080】
それにより、ロックユニット付き伸縮棒の第2の実施形態は、第1の実施形態と同じ機能及び効果を有する。
【0081】
<第3の実施形態>
本発明のロックユニット付き伸縮棒の第3の実施形態は、第1の実施形態と類似するので、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、主に第1の実施形態との相違点を説明する。
【0082】
図11は本発明のロックユニット付き伸縮棒の第3の実施形態の部分部品分解図である。図12は上記第3の実施形態のロックユニット付き伸縮棒の部分拡大断面図である。図13図12の線XIII―XIIIの断面図である。図14は上記第3の実施形態のロックユニット付き伸縮棒のロックユニットのリリース状態を示す断面図である。
【0083】
本発明のロックユニット付き伸縮棒の第3の実施形態と第1の実施形態との主要の相違点は、図11図14に示されるように、連動紐60′′及びロックユニット70′′にある。
【0084】
連動紐60′′の係止段63′′は、図11図13に示されるように、円錐体に形成されている円錐部631′′と、径方向に突出していて円錐部631′′の上端と連接している係止部632′′と、を備えている。
【0085】
ロックユニット70′′は、図11図13に示されるように、少なくとも一部が中間パイプ30′′の上端部31′′内に位置していて、係止段63′′が位置決めされていると共に、少なくとも一端が径方向において弾性変形することができるように構成されている位置決め部材71′′と、係止段63′′の位置決めを解除するためのリリース部材72′′と、弾性リング73′′とを備えている。この実施形態において、位置決め部材71′′は、図11に示されるように、一部が中間パイプ30′′の上端部31′′内に位置しているように固定されている。
【0086】
位置決め部材71′′は、図12に示されるように、中空管状に形成されており、且つ、上端部31′′内に位置している柱状に形成されている柱状段711′′と、柱状段711′′の軸線Lに沿う方向にある前記上側に連接されている受圧段712′′と、受圧段712′′の下側に、円錐状の空間を画成するように上へ先細に縮径するように形成されている円錐面である当止部713′′と、受圧段712′′と当止部713′′との間に形成されているショルダー部714′′と、受圧段712′′に形成されている設置槽715′′と、受圧段712′′から柱状段711′′へ延伸している複数の溝716′′とを備えている。溝716′′同士の間にはそれぞれ弾性係合部718′′が構成されている。受圧段712は、押圧されると位置決め部材71′′の弾性変形できる一端が変形するように構成されていると共に、上方開口を画成する受圧部719′′を有する。この実施形態において、設置槽715′′は、受圧段712′′の外表面に形成されている。
【0087】
リリース部材72′′は、図11図13に示されるように、押圧部721′′と複数のフック722′′とを備えている。
【0088】
押圧部721′′は、下へ先細に縮径するように形成されていて受圧部719′′を押圧して位置決め部材71′′の弾性変形できる一端を弾性変形させることができる円錐面である。
【0089】
複数のフック722′′は、押圧部721′′に連接されており、且つ、それぞれが対応の溝716′′に延びるように設置されている。
【0090】
弾性リング73′′は、弾性力により各弾性係合部718′′を内側へ移動させることができるように付勢しながら、各弾性係合部718′′及び各フック722′′を外側から束ねている。この実施形態において、弾性リング73′′は、設置槽715′′に設置されている。
【0091】
この実施形態のロックユニット付き伸縮棒は、連動紐60が直線状に引っ張られる使用状態において、図12及び図13に示されるように、連動紐60′′の係止段63′′は、円錐部631′′が位置決め部材71′′の当止部713′′が画成する円錐状の空間に嵌入され、且つ、係止部632′′が位置決め部材71′′のショルダー部714′′に係止されていることにより位置決めされている。更に、弾性リング73が複数の弾性係合部718を内側へ移動させることができるように付勢することにより、係止段63′′は、より安定的に当止部713′′に嵌入されている。
【0092】
この実施形態のロックユニット付き伸縮棒を収納したい時には、リリース部材72′′を上パイプのブロック(図示せず)に当たってブロックに押圧されるようにすると、図14に示されるように、リリース部材72′′の円錐面に形成されている押圧部721′′が位置決め部材71′′の受圧部719′′の開口を画成する端縁を押圧して、受圧段712′′及び弾性係合部718′′は外側へ傾きながら元の位置に戻る付勢力を有するようになる。
【0093】
同時に、弾性リング73′′も弾性係合部718′′の傾きにより拡張されて元の位置に戻る付勢力を有するようになる。また、弾性係合部718′′の外側への傾きにより、当止部713′′の内径が拡張されるので、係止段63′′の係止部632′′は、位置決め部材71′′のショルダー部714′′から外れて、位置決めが解除される。その際、圧縮バネ(図示せず)の前記下端側への付勢力により(必要があれば、使用者が下パイプユニット40を前記下端側へ引っ張る場合がある)、連動紐60′′の係止段63′′は中間パイプ30′′内の上端部31′′と下端部32′′との間に移動するので、使用者はこの実施形態のロックユニット付き伸縮棒を第1の実施形態または第2の実施形態に示されるような収納状態にすることができるようになる。
【0094】
それにより、ロックユニット付き伸縮棒の第3の実施形態は、第1の実施形態と同じ機能及び効果を有する。
【0095】
上記実施形態は例示的に本発明の原理及び効果を説明するものであり、本発明を制限するものではない。本技術を熟知する当業者であれば本発明の精神及び範囲から離れないという前提の下、上記の実施形態に対して若干の変更や修飾が可能で有る。従って、当業者が本発明の主旨から離れないという前提の下、行った全ての変更や修飾も本発明の保護範囲に含まれるものとされるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明のロックユニット付き伸縮棒は、一般の伸縮棒に適用でき、特にロックユニット付き、より小さい体積になる収納状態に切り替えられる伸縮棒に好適する。
【符号の説明】
【0097】
L 軸線
10 上パイプ
11 頂端部
12 下方端部
13 上通孔
14 ブロック
15 固縛具
20 握り部
30、30′、 30′′ 中間パイプ
31、31′、 31′′ 上端部
32 下端部
40 下パイプユニット
41、41′ 下パイプ
411 連接端部
412 嵌合端部
413 第1の連接部材
411′ 繋ぎ端部
412′ 底端部
413′ 第2の連接部材
50 付勢ユニット
51 圧縮バネ
52 スライドブロック
60、60′′ 連動紐
61 第1の端部
62 第2の端部
63、63′′ 係止段
70、70′、 70′′ ロックユニット
71、71′、 71′′ 位置決め部材
711、711′、711′′ 柱状段
712、712′、 712′′ 受圧段
713、713′、 713′′ 当止部
714 拡径段
715 中間段
716、716′、716′′ 溝
717、717′、719′′ 受圧部
718、718′、718′′ 弾性係合部
719 下通孔
72、72′、 72′′ リリース部材
721 リング
722 頂板
723 連接リブ
724 係合孔
725 押圧部
726 貫通孔
33′ パイプ本体
34′ ライニングパイプ
340′ 外表面
341′ 通孔
342′ 内表面
343′ 大径段
344′ 小径段
345′ 上方端部
346′ 案内槽
721′ 内周面
722′ 外周面
723′ 案内柱
724′ 案内斜面
725′ 押圧部
631′ 円錐部
632′′ 係止部
714′′ ショルダー部
715′′ 設置槽
721′′ 押圧部
722′′ フック
73′′ 弾性リング
図1
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