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  • 特開-単一モードキャビティフィルタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031224
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】単一モードキャビティフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/207 20060101AFI20220210BHJP
   H01P 1/208 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
H01P1/207 B
H01P1/208 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021128692
(22)【出願日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】102020000019594
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】521346243
【氏名又は名称】エーシー コンサルティング ディ ルチアーノ アッカティーノ
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】アッカティーノ、ルチアーノ
【テーマコード(参考)】
5J006
【Fターム(参考)】
5J006HC01
5J006KA11
5J006NA09
5J006ND01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数のチャンネル又は中心周波数のうち、特定のチャンネル、すなわち中心周波数が、有効なチャンネルの機能として動的に選択可能な、非常に単純かつ効果的な単一モードキャビティフィルタ及びその提供方法を提供する。
【解決手段】単一モードのキャビティフィルタ10は、直線軸に沿って配置された少なくとも3つの矩形または楕円形の共振キャビティ15と少なくとも4つのカップリングアイリス12から構成される。該フィルタは、電気機械式チューニングデバイスによりチューニングされる。該フィルタは、キャビティのそれぞれに配置され、使用時にフィルタのチューニングを変更するチューニングロッド11を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一モードのキャビティフィルタであって、
- 直線軸(A-A)に沿って配置された、少なくとも3つの矩形または楕円形の共振キャビティ(15)と少なくとも4つのカップリングアイリス(12)と、
- 前記キャビティ(15)のそれぞれに配置され、使用時に前記フィルタ(10)のチューニングを変更するように構成されたそれぞれのチューニングロッド(11)と、
を備え、
前記フィルタは、前記フィルタ(10)に含まれる電気機械装置(30)によりチューニングされるように構成され、
- 前記チューニングロッド(11)は、円弧状軸(B-B)に沿って配置されており、使用中に、
- 前記電気機械装置(30)は、前記電気機械装置(30)に含まれる単一のモータ(31)により、同一の深さでチューニングロッド(11)を移動させるように構成されていることを特徴とする単一モードのキャビティフィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタであって、前記電気機械装置(30)は、すべてのチューニングロッド(11)を前記単一のモータ(31)に機械的に接続するように構成された長手方向プレート(35)を備えることを特徴とするフィルタ。
【請求項3】
請求項2に記載のフィルタであって、前記電気機械装置(30)がさらに、
- 前記単一のモータ(31)に接続され、一端が前記長手方向プレート(35)に接続されたブッシュナット(34)に接続された非回転ナット(33)に結合されたウォームスクリュー(32)を備え、これにより、前記電気機械装置(30)は、同一の深さでチューニングロッド(11)を移動させるように構成されていることを特徴とするフィルタ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のフィルタであって、前記フィルタの各キャビティ(15)は、
- 前記円弧状軸(B-B)に沿って配置されたそれぞれの通路(18a)を備え、前記チューニングロッド(11)は、使用時に前記フィルタ(10)のチューニングを変更するために、前記それぞれの通路(18a)を通って同一の深さで移動されるように構成されていることを特徴とするフィルタ。
【請求項5】
請求項4に記載のフィルタであって、前記フィルタは、
- 上部材(16a)と下部材(16b)を備え、前記キャビティ(15)と前記それぞれの通路(18a)は、前記上部材(16a)または下部材(16b)にそれぞれ備えられていることを特徴とするフィルタ。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載のフィルタであって、前記フィルタの各キャビティ(15)は、
- 前記フィルタの上部材(16a)または下部材(16b)に設けられたそれぞれのスロット(18b)を備え、前記それぞれのスロットの各々は、長手方向の直線軸(A-A)に直交し、それぞれ一定の長さ(L)を有し、これにより、前記チューニングロッドは、使用時に、前記フィルタを実験に基づいてチューニングするために、前記円弧状軸(B-B)に対応する位置に、前記一定の長さ(L)に沿って配置されるように構成されていることを特徴とするフィルタ。
【請求項7】
フィルタ(10)内に含まれる電気機械装置(30)によりチューニングされるように構成された単一モードのキャビティフィルタを提供するための方法であって、
- 直線軸(A-A)に沿って、少なくとも3つの矩形または楕円形の共振キャビティ(15)と少なくとも4つのカップリングアイリス(12)を提供するステップと、
- 円弧状軸(B-B)に沿って、それぞれのキャビティ(15)に配置されたそれぞれの通路(18a)を提供するステップと、
- 前記それぞれの通路(18a)を通って同一の深さで移動するように配置されたチューニングロッド(11)を提供するステップと、
- 前記電気機械装置(30)に含まれる単一のモータ(31)により、すべてのチューニングロッド(11)を動かすように構成された電気機械装置(30)を提供するステップとを、を含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、各それぞれのキャビティ(15)に位置するそれぞれの通路(18a)を提供するステップは、
- 前記フィルタの上部材(16a)または下部材(16b)にそれぞれのスロット(18b)を提供するステップを含み、前記それぞれのスロットのそれぞれは、長手方向の直線軸(A-A)に直交し、それぞれ一定の長さ(L)を有することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の方法であって、すべてのチューニングロッド(11)を移動させるように構成された電気機械装置(30)を提供するステップは、
- 前記単一のモータ(31)に機械的に接続され、長手方向プレート(35)に接続されたすべてのチューニングロッド(11)を含む長手方向プレート(35)を提供するステップを含み、これにより、前記電気機械装置(30)は、すべてのチューニングロッド(11)を同一の深さで移動させるように構成されていることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、地上および衛星アプリケーションで使用される単一モードキャビティフィルタに関するものである。
【0002】
特に本発明は、単一の共振モードを提供するように構成された単一モードの矩形キャビティ(空洞)に関するものである。
より具体的には、本発明は、3つ(n個)以上の共振キャビティと4つ(n+1個)以上のカップリングアイリスからなる単一モードフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0003】
単一モードのキャビティフィルタは、一般的にラジオリンクのアプリケーションに使用されることが知られている。
特に、サッカーやフェアなどの特別なイベントの際には、テレビやラジオのチャンネルを使って、特別なイベントに関連する情報をオンラインで放送するために、衛星チャンネルなどの1つ以上のチャンネルを使用する必要があることが知られている。
【0004】
従来の技術では、電気通信事業者が、複数のチャンネルの中から例えば1つのチャンネルを要求し、あるチャンネルの使用が可能になったことを受けて、複数の単一モードフィルタを含むフィルタベンチを備えた装置を使用し、電気機械装置によって、複数の単一モードフィルタの中から、使用可能になったチャンネルを管理するように配置された1つのフィルタを選択するようになっている。
ある単一モードフィルタの電気機械的な選択は、特別なイベントに関連するライン情報上で放送するためのチャンネルへのアクセスを許可するようになっている。
【0005】
既知の技術の問題点は、複数のチャンネルの中からチャンネルを選択するためには、各フィルタが入出力電気機械装置を使用することによってのみ選択可能なフィルタベンチを含む装置を使用する必要があることである。
【0006】
本出願人は、一般に、既知の先行技術は、衛星および/または地上アプリケーション用の単一モードキャビティフィルタの場合に、複数のチャンネルの中から1つのチャンネルを単純かつ効果的な方法で選択するという問題を解決していないことに注目している。
【発明の概要】
【0007】
そこで、本発明の目的は、複数のチャンネルまたは中心周波数のうち、特定のチャンネル、すなわち中心周波数が、有効なチャンネルの機能として動的に選択可能な、非常に単純かつ効果的な単一モードキャビティフィルタを提供することにより、上記の問題を解決することである。
【0008】
本発明によれば、このような目的は、以下の特許請求の範囲に記載された特徴を有する単一モードキャビティフィルタによって達成される。
【0009】
また、本発明は、本発明によるフィルタを設計・実現するためのプロセスまたは方法に関するものである。
【0010】
クレームは、本発明の教示に不可欠なものである。
【0011】
以下の本発明の概要は、本発明のいくつかの側面と特徴の基本的な理解を提供するためのものである。この概要は、本発明の広範な概要ではなく、本発明の主要または重要な要素を特定することや、本発明の範囲を明確にすることを意図していない。その唯一の目的は、以下に示すより詳細な説明の前段階として、本発明のいくつかの概念を簡略化して提示することである。
【0012】
本発明によれば、単一モードキャビティフィルタは、直線軸に沿って配列された少なくとも3つの長方形または楕円形のキャビティを備える。
【0013】
好ましくは、フィルタは、フィルタの本体を形成するように、既知の方法で互いに接続されるように配置された上部材と下部材を備える。
【0014】
カップリングアイリスは、フィルタに沿って設けられており、左から右に向かって、第1のカップリングアイリスの後に第1のキャビティがあり、そのキャビティの後に第2のカップリングアイリスと第2のキャビティがあり、最後のキャビティ(n)の後に最後のカップリングアイリス(n+1)があるようになっている。
【0015】
本発明によれば、チューニングロッドは、円弧状軸B-Bに沿って各キャビティに配置されており、すべてのチューニングロッドを支持するように配置された長手方向プレートに保持されている。
【0016】
最初と最後(n)のキャビティは、フィルタの通過帯域をシフトダウンするために、より大きなチューニングを必要とし、一方、中間のキャビティは、同じ通過帯域の作用を得るために、フィルタの長手方向の中心に近い限り、より小さなチューニングを必要とするとみられる。
【0017】
この目的のために、内部電界が最大なので、最初と最後のキャビティのチューニングロッドは、それぞれのキャビティの横方向の中心に配置される。
【0018】
チューニングロッドを横方向にオフセットすると、内部の電界が減少するため、そのチューニングの作用が低下する。
【0019】
チューニングロッドの円弧状の位置を説明する。
このような構成により、円弧状軸B-Bに沿って各キャビティに配置されたそれぞれの通路を通って、すべてのロッドを同一の深さで移動させることにより、各キャビティで異なるチューニング作用を得ることができる。
【0020】
本発明によれば、フィルタは、時計回りと反時計回りに回転し、同じ深さのチューニングロッドの一組全体を長手方向プレートにより同時に移動させるように構成された単一のモータを有する電気機械式のチューニングデバイスを備える。
【0021】
要約すると、本発明による単一モードフィルタは、円弧状軸B-Bに沿って配置された一組のチューニングロッドの挿入深さを変更するだけで、複数のチャンネルの中から任意のチャンネルを割り当てることができるように構成されている。
【0022】
本発明によれば、さらに、例えば以下のステップのうち1つ以上を含む、本発明によるフィルタを設計および実現するための方法が提供される。
- 可能な再構成機能に基づいて、現場で予見される上限のチャンネルで動作するようにフィルタを設計する第1ステップ。その結果、導波管フィルタの構造は、チューニング作用なしに動作するように設計される(これは、すべてのチューニングロッドがキャビティの外にあることと同じである)。
- 現場で提供される必要のあるすべてのチャンネルをカバーするように構成されたフィルタを提供するために、軸B-Bを実験に基づいて決定する第2ステップ。
- 設計通りに軸B-Bに沿って通路を挿入してフィルタ本体を修正する第3ステップ。
- 軸B-Bに沿って長手方向のプレートに配置されたチューニングロッドを備えるように、長手方向のプレートを実現する第4ステップ。
- チューニングデバイスを長手方向のプレートとフィルタ本体の上部材または下部材に適用する第5ステップ。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明のこれらおよびさらなる特徴と利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として提供される、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明確に現れるであろう。ここで、同一または類似の符号で指定された構成要素は、同一または類似の機能および構造を有する構成要素を示しており、以下はその例である。
図1図1は、第1の実施形態によるモータ駆動(またはコマンド駆動)のロッドで構成される単一モードキャビティフィルタの透視図である。
図2a図2aは、図1のフィルタにおけるチューニングロッドの挿入長を制御する装置の断面図である。
図2b図2bは、図1のフィルタにおけるチューニングロッドの挿入長を制御する装置の断面図である。
図2c図2cは、図1のフィルタにおけるチューニングロッドの挿入長を制御する装置の断面図である。
図3図3は、図1のフィルタの上面図の一例を示したものである。
図4a図4aは、本開示の別の実施形態を示す。
図4b図4bは、本開示の別の実施形態を示す。
【0024】
本明細書では、垂直、水平、上部、下部といった用語は、従来から一般的に定義されている向きや位置を持つ要素や部品を示すために使用されており、本明細書では、このような用語は、一般的な使用に応じて従来から提供されている方法で解釈される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1、2a、2b、2cおよび3を参照すると、単一モードキャビティフィルタ10が示されており、それは、例えば実施例に従って、直線軸A-Aに沿って整列した6つの矩形キャビティ15を含んでいる。
【0026】
他の実施形態によれば、単一モードフィルタは、請求項に記載された本発明の範囲を逸脱することなく、3つ以上の長方形または楕円形のキャビティを含んでもよい。
【0027】
好ましくは、フィルタ10は、フィルタ本体(フィルタ)10を形成するように、公知の方法で互いに接続されるように構成された上部材16aと下部材16bとを備える。
【0028】
カップリングアイリス12は、既知の方法でフィルタ10に沿って設けられており、左から右に向かって、第1のカップリングアイリス12の後に第1のキャビティ15が続き、そのキャビティ15の後に第2のカップリングアイリス12が続き、最後のキャビティ15(n)の後に最後のカップリングアイリス12(n+1)が続くようになっている。
【0029】
好ましい実施形態によれば、チューニングロッド11は、円弧状軸B-Bに沿って各キャビティ15内、例えばフィルタ10の上部材16aに配置され、すべてのチューニングロッド11を支持するように構成された長手方向のプレート35上のチューニングロッドホルダ21によって保持されている。
【0030】
好ましくは、すべてのチューニングロッドは同じ長さで構成され、最初のチューニングロッド11と最後のチューニングロッドは、直線軸A-Aと円弧状軸B-Bの両方に整列している。
【0031】
好ましい実施形態によれば、最初のチューニングロッドと最後のチューニングロッドの間に位置するロッドは、各キャビティの中心付近に位置しているが、A-A軸からずれており、直線軸A-Aに対して一定の変位で円弧状軸B-Bに整列している。
【0032】
このような構成により、円弧状軸B-Bに沿って各キャビティ15に配置されたそれぞれの通路18aを通って、すべてのロッド11を同一の深さで移動させることにより、各キャビティで異なるチューニング作用を得ることが可能となる。
【0033】
要約すると、開示された実施形態による単一モードフィルタ10は、円弧状軸B-Bに沿って配置された一組のチューニングロッド11の挿入深さを変更するだけで、複数のチャンネルの中から任意のチャンネルを割り当てることができるように構成されている。
【0034】
実際のところ、最初と最後のフィルタキャビティで必要なチューニング量は最大で、フィルタの中心に向かって移動すると必要なチューニング量は減少するため、チューニングロッドの位置は、最初と最後のキャビティではA-A軸に一致し、他のキャビティまたは中央の心キャビティでは中心からオフセットして、すなわちB-B軸に一致している。
そのため、他のまたは中央のチューニングロッドは、円弧状軸B-Bに沿って配置されている
【0035】
チューニングロッドがキャビティの中心位置から横方向にオフセットされている場合、中心位置からオフセットされたどの位置でも電界が低いため、そのチューニング作用は低くなる。以上のことから、中央のキャビティで必要とされる低いチューニング作用を実験に基づいて決定することができ、各キャビティに異なるチューニング作用を持つ各ロッドの同一の深さを得ることが可能になる。
【0036】
実際のところ、円弧状軸B-Bに沿ってそれぞれの通路18aを通ってすべてのチューニングロッド11を同一の深さに移動させることで、フィルタを再構成し、所定の数の異なるチャンネル、すなわち異なる中心周波数を提供することが可能である。
【0037】
要約すると、それぞれの中間または中央のチューニングロッド11がより小さい大きさの電界で動作するように配置されているので、すべてのチューニングロッド11を同一の深さに移動させることで、フィルタを完全に再構成することができる。
【0038】
好ましい実施形態によれば、フィルタ10は、単一のモータ31、例えば電気的に制御された回転式の時計回りおよび反時計回りのマイクロモータを有する電気機械式チューニングデバイス(チューニングデバイス)30を備えており、長手方向のプレート35により同じ深さのチューニングロッド11の組全体を同時に動かすように構成されている。
特に、電気機械装置に含まれる長手方向プレート35は、全てのロッド11を単一のモータ31に接続するように構成されており、これにより、単一のモータ31は、すべてのチューニングロッド11の挿入深さを制御するように構成されている。
【0039】
好ましくは、電気機械装置30は、電気ワイヤ19a、19bを介して適切な駆動電子機器60に接続され、その結果、チューニングロッドの挿入深さが駆動電子機器60の制御下でモータ31によって管理される。
【0040】
特に、好ましい実施形態によれば、装置30は、マイクロモータ31に接続され、好ましくは非回転ナット33に結合されたウォームスクリュー32を含んでいる。
特に、非回転ナット33は、マイクロモータ31に接続されたウォームスクリュー32の時計回りまたは反時計回りの回転に応じて、前方または後方にスライドするように適合されている。
【0041】
好ましくは、非回転ナット33は、順番に、ブッシュナット34に接続されている。例えば、ブッシュナット34の第1の端部は、非回転ナット33に固定され、ブッシュナットの第2の端部は、好ましくは、1組のチューニングロッド11全体を支持する長手方向のプレート35に接続される。
【0042】
このような例によれば、ブッシュナット34だけでなく、長手方向のプレート35も、非回転ナット33とともに前後にスライドするように構成され、アライメントピン26により例えば上部材16aに整列される。
【0043】
要約すると、好ましい実施形態によれば、非回転ナット33およびブッシュナット34によって、ロッドの組全体が、例えばフィルタ10の上部材16aまたは下部材16bに設けられたそれぞれの通路18aを通って、フィルタキャビティ15内で前方または後方にスライドすることができる。
【0044】
好ましい実施形態によれば、ロッド11はセラミックで作られており、通路18aは、各通路18aとそれぞれのセラミックロッド11との間の接触を避けるように十分に拡大されている。このような特徴は、ロッドの前方または後方への移動による各チューニングロッド11とそれぞれの通路18aとの間の摩擦を回避するために有用である。
【0045】
さらなる実施形態によれば、ロッド11は、金属製であるか、または金属メッキが施されている。
金属または金属メッキされたロッドが設けられているこのようなさらなる実施形態によれば、各ロッド11と各それぞれの通路18aとの間の接触を避けるために、例えば通路18a上にセラミックリングが設けられることが好ましい。
【0046】
本開示のさらなる実施形態によれば、フィルタ10の上部材16aまたは下部材16bは、第1および最後の矩形キャビティ15の間に位置し、軸A-Aに対して横方向(直交方向)に一定の長さLの複数のスロット18b(図4a,4b)を有することが提供される。
【0047】
好ましくは、本実施形態によれば、長手方向プレートは、それぞれ、上方に位置してスロット18bに対応したスロットを備える。
【0048】
スロット18bは、長手方向プレート35上の任意の円弧状軸B-Bに沿ってチューニングロッド11を配置する可能性を提供するように構成されている。
このような構成は、チャンネル数や中心周波数などに関するフィルタ10の特性を製造前に実験に基づいて実現し、検証するために特に有効である。
【0049】
本発明によるフィルタを設計および実現するためのプロセスまたは方法は、好ましくは以下のステップを含む。
- 可能な再構成機能に基づいて、現場で予見される上限のチャンネルでフィルタ10を動作させるように設計する第1ステップ。その結果、導波管フィルタ構造は、チューニング作用なしで動作するように設計される(これは、すべてのチューニングロッドが図2bに示すような位置、すなわちトップの位置にあることと同等である)。
- 現場で提供される必要のあるすべてのチャンネルをカバーするように構成されたフィルタを提供するために、軸B-Bを実験に基づいて決定する第2ステップ。
- 設計通りに軸B-Bに沿って通路18aを挿入することで、フィルタ10の上部材16aまたは下部材16bを修正する第3ステップ。
- 軸B-Bに沿った通路18aの位置に応じて長手方向のプレート35上に配置されたチューニングロッド11を備えるように長手方向のプレート35を実現する第4ステップ。
図2b、2cに示すように、チューニングデバイス30が長手方向のプレート35と上部材16aまたは下部材16bに適用される第5ステップ。
- 複数のチャンネルのうち、開示されているようにフィルタ10により1つの特定のチャンネルの選択をローカルまたはリモートで制御するために、チューニングデバイス30が好ましくは駆動電子機器60に接続される第6のステップ。
【0050】
既知のフィルタは、現場で提供される必要なチャンネル数に対応する複数のフィルタで構成されており、各チャンネルは入力と出力の電気機械装置または電気機械スイッチのマトリックスによって割り当てられる。
【0051】
有利なことに、本発明による提案されたフィルタは、複数のフィルタを、一組のチューニングロッドの深さを変えるだけで各チャンネルが電子的に選択可能な単一のフィルタによって代替するように構成されている。
【0052】
もちろん、以下の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲を逸脱することなく、寸法、形状、材料、部品、回路要素、接続、および説明された構造とプロセスの詳細に関して、上記の開示に対する明らかな変更および/または変形が可能である。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4a
図4b
【外国語明細書】