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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031235
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】電気回路ケーブル品質検測裝置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/00 20060101AFI20220210BHJP
   G01R 27/02 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
G01R31/00
G01R27/02 R
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129024
(22)【出願日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】109126667
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】110123086
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521347158
【氏名又は名称】孕龍科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鄭 秋豪
(72)【発明者】
【氏名】呉 典▲興▼
【テーマコード(参考)】
2G028
2G036
【Fターム(参考)】
2G028BF01
2G028CG02
2G028DH04
2G028DH21
2G028FK09
2G028GL07
2G028LR04
2G028MS02
2G036AA03
2G036AA24
2G036BB20
2G036CA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電力ケーブルの品質を検測できると共に使用や携帯が簡便である、電気回路ケーブル品質検測裝置を提供する。
【解決手段】二つの電気接続手段12、負荷電気抵抗14、スイッチ素子16、表示モジュール18及び制御モジュール20を含み、電気接続手段12はソケット100を介して電力線200に接続され、負荷電気抵抗14は夫々電気接続手段12、スイッチ素子16に接続され、スイッチ素子16の第二方端164が電気接続手段12に接続され、制御モジュール20は、検測モードでスイッチ素子16をオフに制御し、電圧波形におけるピーク電圧を検測すると共に最大開路電圧として記録してから、スイッチ素子16をオンに制御し、電圧波形におけるピーク電圧を検測すると共に負荷電圧として記録し、負荷電流を算出し、最大開路電圧、負荷電圧及び負荷電流に従って、ケーブル電気抵抗値を算出し、対応する情報を表示モジュール18に表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本の電力線に接続されると共に当該二本の電力線を介して交流電流の電源に接続されるソケットに接続されるための電気回路ケーブル品質検測裝置であって、
それぞれが当該ソケットに接続されるためのものであって、当該二本の電力線により、当該交流電流の電源から交流電流を受信する、二つの電気接続手段と、
一方端が当該二つの電気接続手段のうちの一方に電気接続されており、パワー電気抵抗とされる負荷電気抵抗と、
当該負荷電気抵抗の他方端に電気接続される第一方端、及び、当該二つの電気接続手段のうちの他方に電気接続される第二方端を有する、スイッチ素子と、
表示モジュールと、
当該負荷電気抵抗の両端、当該スイッチ素子及び当該表示モジュールに電気接続されており、検測モードを実行するための制御モジュールとを含み、
当該制御モジュールは、当該検測モードに、当該スイッチ素子をオフに制御し、交流電流の電圧波形における半波のピーク電圧を検測すると共に最大開路電圧として記録してから、当該スイッチ素子をオンに制御し、当該電圧波形のピーク電圧を検測すると共に負荷電圧として記録し、当該負荷電気抵抗を流れる負荷電流を算出し、
当該制御モジュールは、当該最大開路電圧、当該負荷電圧及び当該負荷電流に従って、当該ソケット及び当該二本の電力線のケーブル電気抵抗値を算出し、当該表示モジュールにより当該ケーブル電気抵抗値に対応するする情報を表示する、ことを特徴とする電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項2】
二つの電気接続手段のうちの一方と当該負荷電気抵抗との間に電気接続される整流モジュールを含み、
当該整流モジュールは、当該交流電流の電源からの交流電流を直流電流に転換しており、
当該負荷電気抵抗は、一方端が当該整流モジュールを介して当該二つの電気接続手段のうちの一方に電気接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項3】
当該整流モジュールは、全波整流モジュールである、ことを特徴とする請求項2に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項4】
当該整流モジュールは、半波整流モジュールである、ことを特徴とする請求項2に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項5】
当該制御モジュールは、当該スイッチ素子がオフになる時に、当該電圧波形の周波数又は周期を検測し、当該最大開路電圧を取得すると、検測された周波数又は周期に従って、当該スイッチ素子がオンにあるオン時間を制御して、当該オン時間に当該電圧波形におけるピーク電圧を検測すると共に当該負荷電圧として記録する、ことを特徴とする請求項1に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項6】
当該制御モジュールは、当該スイッチ素子がオフになる時に、しかも、当該電圧波形のピーク電圧を検測してから一つの半波周期に、当該スイッチ素子をオンに制御する、ことを特徴とする請求項5に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項7】
当該オン時間は、当該電圧波形の一つの半波周期以下である、ことを特徴とする請求項5に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項8】
当該制御モジュールに電気接続され、当該負荷電気抵抗の温度を検測する温度センサーを含み、
当該制御モジュールは、当該負荷電気抵抗の温度が所定温度よりも大きい時に、当該スイッチ素子をオフに制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項9】
当該制御モジュールに電気接続され、当該整流モジュールの温度を検測する温度センサーを含み、
当該制御モジュールは、当該整流モジュールの温度が所定温度よりも大きい時に、当該スイッチ素子をオフに制御する、ことを特徴とする請求項2に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項10】
当該制御モジュールに電気接続される始動スイッチを含み、
当該制御モジュールは、当該始動スイッチが始動すると、当該検測モードを実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項11】
当該制御モジュールは、所定時間ごとに、当該検測モードを一回だけ実行する、ことを特徴とする請求項1に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項12】
当該制御モジュールは、当該ケーブル電気抵抗値が所属する電気抵抗値範囲を判断するように、当該ケーブル電気抵抗値と複数の電気抵抗値範囲を比較し、所属する電気抵抗値範囲に従って、対応する当該情報を当該表示モジュールに表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項13】
当該制御モジュールに電気接続される無線通信モジュールを含み、
当該制御モジュールは、当該無線通信モジュールを介して、当該ケーブル電気抵抗値を含むケーブル情報を送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項14】
当該制御モジュールに電気接続され、当該負荷電気抵抗の温度を検測する温度センサーを含み、
当該制御モジュールは、当該負荷電気抵抗の電気抵抗値が記憶されており、当該温度センサーが測定した温度に従って、記憶されている当該負荷電気抵抗の電気抵抗値を調整し、調整された当該負荷電気抵抗の電気抵抗値により、当該負荷電気抵抗を流れる当該負荷電流を算出して取得する、ことを特徴とする請求項1に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項15】
当該制御モジュールは、当該検測モードである時に、先に、当該交流電流の電圧が正常電圧値区間にあるかどうかを検測し、当該正常電圧値区間にある場合に、当該ケーブル電気抵抗値を検測して算出し、当該正常電圧値区間を超える場合に、当該ケーブル電気抵抗値を検測して算出しないように停止し、当該表示モジュールにより、電圧が異常となるという旨情報を対応して表示し、ただし、前記正常電圧値区間は、90ボルト乃至250ボルトにある、ことを特徴とする請求項1に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【請求項16】
当該制御モジュールは、当該検測モードである時に、先に、当該交流電流の周波数が正常周波数値区間にあるかどうかを検測し、当該正常周波数値区間にある場合に、当該ケーブル電気抵抗値を検測して算出し、当該正常周波数値区間を超える場合に、当該ケーブル電気抵抗値を検測し算出しないように停止し、当該表示モジュールにより、周波数が異常となる旨情報を対応して表示し、ただし、前記正常周波数値区間が47ヘルツ乃至63ヘルツにある、ことを特徴とする請求項1に記載の電気回路ケーブル品質検測裝置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルの経年劣化への検測に関し、特に、電気回路ケーブル品質検測裝置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な電力の配線は、二本の電力線の一方端を交流電流の電源に接続し、当該二本の電力線の他方端をソケットに接続することにより、当該交流電流の電源からの電力を当該二本の電力線を介してソケットに転送する。利用者は、電気設備のプラグをソケットに挿入すると、当該交流電流の電源からの電力を電気設備に給電して電気設備が稼働するようにすることができる。
【0003】
電力線は、電力を転送できるものの、ケーブルに電気抵抗が存在しているため、理想的な導体ではない。従って、電力線は、当該交流電流の電源からの電流が電力線を流れる時に、ケーブル電気抵抗により、熱量が生じてしまうことになる。電力線の電気抵抗が高いほど、又は、電力線を流れる電流が大きいほど、電流が流れることにより生じる熱量が多い。従って、電力線が使用されて一定の期間になると、温度が繰り返して昇降することにより、電力線が経年劣化となり、ケーブルの電気抵抗が増やされる。ケーブルの電気抵抗が増やされる場合には、熱量が多く生じてしまい、電力線を一層に加速して経年劣化させることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用者は、一般的に、電力線の経年劣化の状態が分からず、電力線を配置した時間及び電気が平時に消費された場面にのみ基づいて電力線を交換する必要があるかどうについて判断する。そうすると、電力線は、交換される前に、既に使えないまで経年劣化してしまうと、電力線が生じる高温により、その周辺に存在する物が燃えて火災になってしまう恐れがある。
【0005】
良い電力線は、その電気抵抗が1オーム以下であり、たとえ経年劣化により使えない電力線である場合でも、その電気抵抗が僅か数オームだけに過ぎず、一般的に、それを電力計により正確に測ることができない。低抵抗値を測るための阻抗分析機器が市場に市販されているものの、それらは、価格が高いのみならず、体積も大きく、携帯が不便であり、これらの要素などにより、家庭室内に位置する電力線の阻抗を検測することに適用され難しい。従って、如何して、家庭室内に位置する電力回路におけるケーブルの品質を効果的にかつ簡便的に検測できるかということは、早く解決すべき課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このことに鑑み、電力ケーブルの品質を検測できると共に使用や携帯が簡便である、電気回路ケーブル品質検測裝置を提供することを目的とする。
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明が提供する電気回路ケーブル品質検測裝置は、二本の電力線に接続されると共に当該二本の電力線を介して交流電流の電源に接続されるソケットに接続されるための電気回路ケーブル品質検測裝置である。当該電線品質検測裝置は、二つの電気接続手段、負荷電気抵抗、スイッチ素子、表示モジュール及び制御モジュールを含む。ただし、当該二つの電気接続手段は、当該ソケットに接続され、当該二本の電力線により、当該交流電流の電源から交流電流を受信する。当該負荷電気抵抗は、その一方端が当該二つの電気接続手段のうちの一方に電気接続される。当該スイッチ素子は、第一方端及び第二方端を有しており、当該第一方端が当該負荷電気抵抗の他方端に電気接続され、当該第二方端が当該二つの電気接続手段のうちの他方に電気接続される。当該制御モジュールは、当該負荷電気抵抗の両端、当該スイッチ素子及び当該表示モジュールに電気接続され、検測モードを実行するためのものである。当該制御モジュールは、当該検測モードに、当該スイッチ素子をオフに制御し、交流電流の電圧波形における半波のピーク電圧を検測すると共に最大開路電圧として記録してから、当該スイッチ素子をオンに制御し、当該電圧波形におけるピーク電圧を検測すると共に負荷電圧として記録し、当該負荷電気抵抗を流れる負荷電流を算出する。当該制御モジュールは、当該最大開路電圧、当該負荷電圧及び当該負荷電流に従って、当該ソケット及び当該二本の電力線のケーブル電気抵抗値を算出し、当該表示モジュールにより、当該ケーブル電気抵抗値に対応する情報を表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、その効果が、以下のとおりである。電気回路ケーブル品質検測裝置は、ソケット及び電力線からなる回路全体のケーブル電気抵抗を正確に測定することができると共に、対応する情報を表示モジュールに提供し、現在、回路全体におけるケーブルの品質が使用者に分かるようにして、ソケット又は電力線を交換することが必要となるかどうかについて判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明における好ましい第一実施例の電気回路ケーブル品質検測裝置の模式図である。
図2】上記の好ましい実施例の電圧波形図である。
図3】本発明における好ましい第二実施例の電気回路ケーブル品質検測裝置の模式図である。
図4】本発明における好ましい第三実施例の電気回路ケーブル品質検測裝置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を、より明確に説明するために、好ましい実施例と共に図面を参照しながら、以下に詳しく説明する。図1に示すように、本発明における好ましい第一実施例の電気回路ケーブル品質検測裝置1は、ハウジング10及び当該ハウジングに設置される二つの電気接続手段12、負荷電気抵抗14、スイッチ素子16、表示モジュール18及び制御モジュール20を含む。
【0011】
当該二つの電気接続手段12は、ソケット100に挿入されるものであって、当該ソケット100が二本の電力線200に電気接続され、当該二本の電力線200が交流電流の電源300に接続され、当該交流電流の電源300からの交流電流の電圧が100~240Vとされてもよい。
【0012】
当該負荷電気抵抗14は、両端を有しており、その一方端が当該二つの電気接続手段12のうちの一方に電気接続される。当該負荷電気抵抗14は、パワー電気抵抗とされ、電気抵抗値が10オームに例示されており、好ましくは、その電気抵抗値が10オーム以下である。
【0013】
当該スイッチ素子16は、本実施例では、パワートランジスタとされ、パワートランジスタは、MOSFET又はBJTとされてもよく、一実施例では、当該スイッチ素子16が継電器とされてもよい。当該スイッチ素子16は、第一方端162及び第二方端164を有する。当該スイッチ素子16は、該第一方端162と当該第二方端164との間をオフ・オンにするように制御される。当該第一方端162は、当該負荷電気抵抗14の他方端に電気接続され、当該第二方端164は、当該二つの電気接続手段12のうちの他方に電気接続される。
【0014】
本実施例では、電気回路ケーブル品質検測裝置1は、さらに、整流モジュール22を含む。当該整流モジュール22は、全波整流モジュールとされると共に、当該二つの電気接続手段12と当該負荷電気抵抗14との間に電気接続される。全波整流モジュールは、例えば、ブリッジ整流器とされてもよい。当該負荷電気抵抗14は、その一方端が当該整流モジュール22を介して、当該二つの電気接続手段12のうちの一方に電気接続され、当該スイッチ素子16は、第二方端164が当該整流モジュール22を介して当該二つの電気接続手段12のうちの他方に電気接続される。
【0015】
表示モジュール18は、検測状態を表示するためのものであり、本実施例では、複数のLED素子を含み、八つのLED素子を例に挙げると、各LED素子は、例えば、赤色と緑色という二種類の色のLEDを有する。
【0016】
当該制御モジュール20は、当該負荷電気抵抗14の両端、当該スイッチ素子16及び当該表示モジュール18に電気接続される。より詳しくすると、当該制御モジュール20は、マイクロコントローラーとされると共に、その内部に少なくとも二つのアナログ-デジタル変換回路を有しており、実際は、制御モジュール20は、マイクロコントローラーとアナログ-デジタル変換回路を分離した構造とされてもよい。当該制御モジュール20は、それぞれ、二つの分圧回路24、26を介して、当該負荷電気抵抗14の両端に電気接続される。二つの当該分圧回路24、26は、当該負荷電気抵抗14の両端(つまり、ノードN1、N2)の電圧をそれぞれ降圧させてから当該制御モジュール20における二つの二個アナログ-デジタル変換回路に入力するためのものである。例に挙げると、二つの当該分圧回路24、26に設定される分圧の比例が100:1であると、上記の比例が先に当該制御モジュール20に書き込まれる。従って、制御モジュール20における二つのアナログ-デジタル変換回路が受信する電圧が1.1ボルト及び0.01ボルトである場合には、ノードN1、N2にある電圧が110ボルト及び1ボルトであるように表示する。もちろん、実際は、二つの当該分圧回路24、26についての分圧比例が、異なる使用環境によって設定されてもよく、上記の比例の限りではない。当該制御モジュール20には、当該負荷電気抵抗14の電気抵抗値が記憶されている。当該制御モジュール20の電力は、電源供給モジュール28に由来するものであるため、当該電源供給モジュール28を当該二つの電気接続手段12に電気接続して、交流電流を当該制御モジュール20に必要な直流電流に転換する。
【0017】
当該制御モジュール20は、検測モードを実行するものである。当該検測モードでは、以下のステップを実行する。
【0018】
第一ステップは、当該制御モジュール20は、当該スイッチ素子16をオフに制御し、電圧波形におけるピーク電圧を検測すると共に最大開路電圧VOC図2参照)として記録する。本実施例では、当該制御モジュール20は、ノードN1より当該電圧波形の変化を持続的に取得して、当該電圧波形の周波数又は周期を検測し、電圧波形におけるピーク電圧を当該最大開路電圧VOCとして記録する。分圧回路24の分圧比例が既知しているため、制御モジュール20は、アナログ-デジタル変換回路に入力される電圧に従って、当該最大開路電圧VOCを算出して取得することができる。
【0019】
第二ステップは、当該制御モジュール20は、当該スイッチ素子16をオンに制御し、当該電圧波形におけるピーク電圧を検測すると共に負荷電圧VL図2参照)として記録する。当該負荷電圧VLは、当該最大開路電圧VOCよりも小さい。本実施例では、当該制御モジュール20は、測定された周波数又は周期に従って、当該スイッチ素子16がオンになるオン時間Tonを制御し、当該オン時間に、当該電圧波形におけるピーク電圧を検測すると共に当該負荷電圧として記録する。当該スイッチ素子16がオンになる時に、当該制御モジュール20は、それぞれ、ノードN1、N2より電圧波形の変化を取得し、当該電圧波形におけるピーク電圧である時に、ノードN1、N2間の電圧降下(つまり、電圧差)が当該負荷電圧VLとなる。分圧回路26の分圧比例が既知しているため、制御モジュール20は、アナログ-デジタル変換回路に入力される電圧に従って、当該負荷電圧VLを算出して取得することができる。
【0020】
好ましくは、第二ステップにおいて、当該制御モジュール20が当該スイッチ素子16がオンになるように制御するタイミングについて、第一ステップに当該電圧波形におけるピーク電圧を検測した後、一つの半波周期内に当該スイッチ素子16をオンに制御すると共に、当該オン時間Tonが当該電圧波形の一つの半波周期を超えない。つまり、最大開路電圧VOCを取得した後、次の一つの半波におけるピーク電圧から、負荷電圧VLを取得することができ、そして、検測速度を高めるようにする。オン時間Tonが電圧波形における一つの半波周期を超えないと、当該負荷電気抵抗14の温度が高すぎることを避けることができる。電圧波形におけるピーク電圧の0.8倍以上になるとオンになるように設定されてもよい。
【0021】
第三ステップは、当該負荷電気抵抗14の電気抵抗値が既知しているため、当該制御モジュール20は、当該負荷電気抵抗14を流れる負荷電流を算出し、負荷電流が、負荷電圧VLを負荷電気抵抗14で除算した電気抵抗値と等しい。そして、制御モジュール20は、当該最大開路電圧VOC、当該負荷電圧VL及び当該負荷電流に従って、当該ソケット100及び当該二本の電力線200のケーブル電気抵抗値を算出し、ケーブル電気抵抗値を算出する式は、以下の通りである。
【0022】
r=(VOC-VL)/IL
【0023】
そのうち、rはケーブル電気抵抗値であり、VOCは最大開路電圧であり、VLは負荷電圧であり、ILは負荷電流である。
【0024】
第四ステップは、当該制御モジュール20は、当該表示モジュール18により、当該ケーブル電気抵抗値に対応する情報を表示する。本実施例では、当該制御モジュール20は、当該ケーブル電気抵抗値が所属する電気抵抗値範囲を判断するように、当該ケーブル電気抵抗値と所定の複数の電気抵抗値範囲を比較し、所属する電気抵抗値範囲にあると、対応する当該情報を当該表示モジュール18に表示する。例に挙げると、下表に示すように、当該制御モジュール20は、当該ケーブル電気抵抗値が所属する段階数に従って、LED素子の点灯する数及び色を対応に制御し、当該情報を形成する。第一段階及び第二段階は、異常を示し、第三段階乃至第五段階は、正常であるが検査を実行するように勧めるのを示し、第六段階乃至第八段階は、良い状態を示す。
【0025】
【表1】
【0026】
一実施例では、表示モジュール18は、表示パネルとされてもよい。制御モジュール20は、表示パネルにより、検測状態を表示する。例えば、当該ケーブル電気抵抗値を表示したり、当該最大開路電圧VOCを表示したり、上記の異なる電気抵抗値の範囲の一方に対応して、対応する文字や画像を表示したりすることにより、提示用の当該情報を形成して、使用者に、電力線の品質を分からせ、例えば、表示する文字は、「良好」、「正常」や「異常」とされてもよい。
【0027】
また、本実施例では、電気回路ケーブル品質検測裝置1は、二つの温度センサー30、32をさらに含んでもよい。二つの当該温度センサー30、32は、当該制御モジュール20に電気接続され、そのうち一つの温度センサー30は、当該負荷電気抵抗14の温度を検測し、もう一つの温度センサー32は、当該整流モジュール22の温度を検測する。当該制御モジュール20は、当該検測モードを実行する過程に、当該負荷電気抵抗14の温度又は当該整流モジュール22の温度が所定温度よりも大きい時に、当該スイッチ素子16をオフに制御し、当該負荷電圧VL及び当該ケーブル電気抵抗値を検測しないよう停止する。当該所定温度は、50~60度以上に設定されてもよい。また、負荷電気抵抗14の電気抵抗値が温度の変化により少々変化することがあることから、透過温度センサー30が当該負荷電気抵抗14の温度を検測すると、制御モジュール20が、測定された温度に従って、記憶されている当該負荷電気抵抗14の電気抵抗値を微細に調整して、当該負荷電気抵抗14を流れる負荷電流を補正し、ケーブル電気抵抗値への算出を一層に正確にすることができる。
【0028】
また、本実施例では、当該制御モジュール20は、当該検測モードである時に、先に、当該交流電流の電圧及び周波数が正常電圧値区間(90ボルト~250ボルト)及び正常周波数値区間(47ヘルツ~63ヘルツ)にあるかどうを検測し、当該正常電圧値区間及び当該正常周波数値区間にある時に、次の当該ケーブル電気抵抗値を検測して算出する。一方、当該正常電圧値区間又は当該正常周波数値区間を超える時に、当該ケーブル電気抵抗値を検測して算出しないように停止し、当該表示モジュールにより、電圧異常又は周波数異常に対応する情報を表示する(例えば、第一~第八LEDが共に赤色やオレンジ色に点灯しながら点滅する)。
【0029】
本実施例に係る検測モードについては、電力が繋がられると一回だけ実行してから、制御モジュール20により、所定時間(例えば30日)毎に自動的に実行するとよい。或いは、電気回路ケーブル品質検測裝置1は、当該制御モジュール20に電気接続される手動の始動スイッチ34をさらに含んでもよい。使用者は、当該始動スイッチ34を押して当該始動スイッチ34を始動させると、当該制御モジュール20が当該検測モードを実行することになる。当該制御モジュール20は、検測モードを実行する前に、当該温度センサーによる温度が当該所定温度よりも大きい場合に、検測モードを実行しない。
【0030】
電気回路ケーブル品質検測裝置1は、無線通信モジュール36を含んでもよい。当該無線通信モジュール36は、当該制御モジュール20に電気接続される。制御モジュール20は、無線通信モジュール36及び外部に位置する電子裝置を介して通信を行う。当該制御モジュール20は、当該無線通信モジュール36を介して、ケーブル情報を当該電子裝置に送信する。当該ケーブル情報には、少なくとも当該ケーブル電気抵抗値が含まれるが、当該最大開路電圧、当該ケーブル電気抵抗値の所属する電気抵抗値範囲が含まれてもよい。
【0031】
図3に示すように、本発明における好ましい第二実施例の電気回路ケーブル品質検測裝置2は、第一実施例のほうとほぼ同じである構成を有するが、相違は、本実施例に係る整流モジュール38が半波整流モジュールとされ、当該整流モジュール38が、そのうち一つの電気接続手段12と当該負荷電気抵抗14との間に電気接続され、半波整流モジュールが例えば整流トランジスターとされるということにある。当該負荷電気抵抗14は、その一方端が当該整流モジュール22を介して、当該二つの電気接続手段12のうちの一方に電気接続され、当該スイッチ素子16は、第二方端が直接に当該二つの電気接続手段12のうちの他方に電気接続される。
【0032】
図4に示すように、本発明における好ましい第三実施例の電気回路ケーブル品質検測裝置3は、第一実施例のほうとほぼ同じである構成を有するが、相違は、整流モジュール22が設置されておらず、当該負荷電気抵抗14の一方端が当該二つの電気接続手段12のうちの一方に電気接続され、当該スイッチ素子16の第二方端164が直接に当該二つの電気接続手段12のうちの他方に電気接続されるということにある。本実施例に係る制御モジュール20は、同様に、電圧波形の変化を検測することができ、好ましくは、正弦半波のピーク電圧を当該最大開路電圧VOC又は当該負荷電圧VLとする。
【0033】
以上より、本発明に係る電気回路ケーブル品質検測裝置は、ソケットと電力線からなる回路全体のケーブル電気抵抗を正確に測定することができると共に、対応する情報を提供しながら、体積が小さく携帯も利便となる。それをソケットに挿入するということだけで当該ソケットに対応する電気回路におけるケーブル電気抵抗を検測でき、使用者に、便宜かつ急速に現在の電力線の品質を知らせることができる。
【0034】
以上は、本発明における好ましい実施可能な実施例に過ぎず、本発明に係る明細書及び特許請求の範囲に基づいてなされる如何なる均等変形は、本発明の特許範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0035】
1 電気回路ケーブル品質検測裝置
10 ハウジング
12 電気接続手段
14 負荷電気抵抗
16 スイッチ素子
162 第一方端
164 第二方端
18 表示モジュール
20 制御モジュール
22 整流モジュール
24 分圧回路
26 分圧回路
28 電源供給モジュール
30 温度センサー
32 温度センサー
34 始動スイッチ
36 無線通信モジュール
2 電気回路ケーブル品質検測裝置
38 整流モジュール
3 電気回路ケーブル品質検測裝置
100 ソケット
200 電力線
300 交流電流の電源
N1、N2 ノード
on オン時間
OC 最大開路電圧
L 負荷電圧
図1
図2
図3
図4