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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031488
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】吸引及び注入デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/31 20060101AFI20220210BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
A61M5/31 534
A61M5/315
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021212166
(22)【出願日】2021-12-27
(62)【分割の表示】P 2018553068の分割
【原出願日】2017-03-24
(31)【優先権主張番号】62/320,281
(32)【優先日】2016-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591018268
【氏名又は名称】アラーガン、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンダルー、バスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、シュシュオ
(72)【発明者】
【氏名】ハッセー、ランス
(57)【要約】
【課題】人間工学的で安全かつ正確な標的部位の吸引及び標的部位への薬物の放出を可能にし得る吸引及び注入デバイスを提供すること。
【解決手段】本発明によれば、デバイスは、注射器の注射外筒と、注射外筒に連結可能なフランジエクステンダと、標的部位での吸引及び注入を遂行するようにユーザの手及び/又は1つ以上の指によって係合され得るプランジャとを含むことができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器とプランジャのアセンブリであって、
遠位対向面、及び前記注射器の操作中にユーザの母指による把持を容易にするように前記遠位対向面から遠位に延びる複数の係合構造を有するプランジャヘッドと、
(i)前記プランジャヘッドの前記遠位対向面に連結された近位端部、及び(ii)前記注射器の注射外筒内に少なくとも部分的に配設されるように構成された遠位端部を有するプランジャロッドと
を有する、注射器とプランジャのアセンブリ。
【請求項2】
前記プランジャの長手方向軸を横断する、前記プランジャヘッドのプロファイルが、円形、正方形、及び矩形のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記複数の係合構造が、リングを画定するように前記プランジャの長手方向軸の周りに隔置及び位置決めされている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の係合構造が、前記プランジャヘッドの外周に沿って位置決めされている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記複数の係合構造が、遠位平面を画定し、前記遠位平面の一部が、凹状である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記プランジャヘッドの近位対向面が、凹状表面を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記複数の係合構造が、突出部を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記複数の係合構造が、前記プランジャの長手方向軸に対して径方向に延びるリッジを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記プランジャヘッドが、第1の材料及び第2の材料を含み、前記第2の材料が、前記第1の材料と比べてより可撓性があり、前記複数の係合構造が、前記第2の材料を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記プランジャヘッドの外周が、前記第2の材料を含む、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
注射器用のフランジエクステンダであって、
中央本体と、前記中央本体から径方向に延びる反対向き把持部材とを有し、前記中央本体が、近位端、遠位端、及び前記近位端と前記遠位端との間に延びる長手方向ボアを有し、前記中央本体が、係合スロット及びプランジャボアを更に有し、前記係合スロットが、前記中央本体の側面から前記長手方向ボア内に、且つ前記近位端と前記遠位端との間に延びる注射外筒スロット部分及びフランジスロット部分を有し、前記フランジスロット部分が、前記長手方向ボアの長手方向軸に対して平行に測定されるフランジ高さであって、前記中央本体の前記側面から前記長手方向ボアに向かって先細であるフランジ高さを有し、前記係合スロット及び前記プランジャボアが、前記係合スロット及び前記プランジャボア内への注射器の挿入を可能にするように構成され、また前記注射器が前記長手方向ボア内に挿入されるにつれ、前記フランジスロットが前記フランジエクステンダに対する前記注射器の移動を徐々に制限する、注射器用のフランジエクステンダ。
【請求項12】
前記注射外筒スロット部分が、前記注射外筒スロット部分の幅より大きい注射外筒高さで前記長手方向軸に沿って延びている、請求項11に記載のフランジエクステンダ。
【請求項13】
前記長手方向ボアが、フランジボア及び注射外筒ボアを有し、前記フランジボアが、フランジボアの直径を有し、前記注射外筒ボアが、前記フランジボアの直径よりも小さい注射外筒ボアの直径を有する、請求項11に記載のフランジエクステンダ。
【請求項14】
プランジャボアが、前記中央本体の前記近位端を通って前記長手方向ボアまで延び、それにより前記プランジャボアを通した注射器のプランジャの一部の挿入を可能にする、請求項11に記載のフランジエクステンダ。
【請求項15】
側開口部が、前記係合スロットの反対側の前記中央本体の前記側面から、前記長手方向ボア内に延びる、請求項11に記載のフランジエクステンダ。
【請求項16】
前記長手方向ボアの長手方向軸に対して横断して測定される前記フランジスロットの幅が、前記注射外筒スロットの幅より大きい、請求項11に記載のフランジエクステンダ。
【請求項17】
前記注射外筒スロットの前記幅が、前記中央本体の前記側面から前記長手方向ボアに向かって内方に先細である、請求項16に記載のフランジエクステンダ。
【請求項18】
前記フランジスロットが、前記長手方向ボアの前記長手方向軸に対して平行に測定される高さであって、前記中央本体の前記側面から前記長手方向ボアに向かって先細である高さを有する、請求項16に記載のフランジエクステンダ。
【請求項19】
前記プランジャボアが、前記長手方向ボアと交わるように前記中央本体の前記近位端を通って長手方向に延び、また前記プランジャボアが、閉じた周囲を有し、それにより、前記注射外筒を側方から前記長手方向ボア内に挿入し、次いで前記プランジャボアを通して軸方向に前記プランジャを前記注射外筒内に挿入することによって、前記フランジエクステンダが前記注射外筒及び前記プランジャに連結する、請求項11に記載のフランジエクステンダ。
【請求項20】
前記中央本体が、第1の材料及び第2の材料を含み、前記第2の材料が、前記第1の材料と比べてより可撓性があり、前記係合スロットの一部が、前記第2の材料を含む、請求項11に記載のフランジエクステンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年4月8日に出願された「ASPIRATION AND INJECTION DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/320,281号の利益を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、注入のための機構、より具体的には、標的部位への皮膚充填剤などの流体の人間工学的で安全かつ正確な注入を提供するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
美容皮膚充填剤の手技は、顔面の外観を改善する、例えば、鼻唇溝などのしわ及びひだを平滑化し、中顔面を膨らませることによって老化の徴候を低減する際に非常に有効であることが証明されているので、近年増加している。より人気のある皮膚充填剤の一部は、ヒアルロン酸からなる柔軟で無色のゲル組成物である。ヒアルロン酸(Hyaluronic acid、HA)は、長鎖ポリマー、より具体的には、多糖類であり、これは、生体組織で自然に発生する。化学的に架橋されると、ヒアルロン酸は、優れた長期持続性の皮膚充填剤材料を製造する。皮膚充填剤の手技は、極めて低侵襲であり、結果はほぼ即時である。更に、ヒアルロン酸は、生体組織内で自然に分解するため、充填剤は、一時的であり、例えば、数ヶ月から1年以上持続する。更に、ヒアルロン酸系の皮膚充填剤の手技の結果を、ヒアルロニダーゼを使用して反転させることができる。
【0004】
従来の皮膚充填剤の手技は、標準注射器及び微細ゲージの針を使用して皮膚の中又は下に組成物を注入することによって、一般的に遂行される。典型的な皮膚充填剤の患者は、顔面、頸部、デコルテ、手、又は他のかかる範囲の様々な領域にわたる注入ポイントで、単一の手技で1~5回から約10回の注入を受け得る。目的は顔面全体の外観を改善することであり得るが、熟練の美容医師は、概して、顔面の1つ以上の特定の領域、例えば、唇若しくは頬などの体積が不足している領域、又は深い鼻唇溝などの特定のしわを示す領域を、それらの外観を損なうと考えられる範囲に関する患者からの特定の意見と共に補正することを目指す。注入は、典型的には、体積の改善、整形、及び/又はしわ充填のためである。これらの補正範囲は、典型的には、特定の領域(例えば、唇、眉弓、径方向の頬線など)を表す。
【0005】
大多数の商用皮膚充填剤は安全であると考慮されており、生理学的に良好な耐性を示す。しかしながら、適切な措置が取られない場合、血管への充填剤の導入という稀な合併症を処置中に発生することがある。したがって、医師が、皮膚充填剤を注入する際に、皮膚充填剤を注入する前に、最初に注射器を「吸引」して、針先端部が血管内に位置しないことを確実することが推奨される。
【0006】
吸引は、典型的には、最初に所望の注入部位で皮膚の中に針の先端部を挿入し、空いている方の手を使用して注射器を保持し、針を静止位置に維持しつつ、他方の手を使用して注射器プランジャを後退させることによって遂行される。血液が注射器の中に引き込まれていることに医師が気付いている場合、これは、針先端部が血管内に位置し得、除去及び再度位置決めされるべきであることを示す。次いで、医師は、針先端部を異なる位置に移動し、吸引手技を繰り返すことができる。注射器プランジャの抜去時に注射器の中に吸引された血液を医師が見ない場合、医師は、続けてプランジャを順方向に移動させ、皮膚充填剤を安全に注入することができる。
【0007】
吸引手技は医師の把持の変更を必要とする点で厄介であり得ることが理解され得る。これは、それ自体では問題ではないように思われるかもしれないが、顔面、頸部デコルテ、手、又は他のかかる範囲の一部若しくは全部など、大きい表面積を治療するために、数十回から数千回程度の注入が行われる場合がある。更に、医師によって1日を通じて複数回、処置手技が繰り返されることがある。したがって、物理的及び精神的疲労をもたらし得、処置中に必要とされる安全性及び精度を維持することが困難になる。
【発明の概要】
【0008】
示されるように、典型的な針注入を介して、HAゲルも使用して、顔面全体、頸部デコルテ、手、又は他のかかる範囲など、大きい表面積の全体的な肌質を改善することができる。これらの表面積の肌質を改善するために、数十回から数千回程度の注入が行われる場合がある。しかしながら、本明細書に開示される少なくともいくつかの実施形態によれば、医師が各注入前に注射器上で自身の把持を変更しなければならない場合、特に複数の注入が遂行されるとき、各注入部位を吸引することは実用的又は効率的ではないであろうという認識である。これは、患者及び医師の双方にとって困難であり得る。
【0009】
したがって、いくつかの実施形態では、医師による人間工学的で安全かつ正確な標的部位における吸引及び注入を可能にし得る吸引及び注入デバイスが提供される。いくつかの実施形態では、本開示は、片手を使用した標的部位における吸引及び注入を可能にする。任意選択で、デバイスのいくつかの実施形態を、1つ又は複数の針を備える注射器と共に使用することができる。
【0010】
デバイス又は手技は、別様に可能な、標準針及び注射器を使用する手技よりも速い場合がある。追加的に、デバイスは、標準サイズの注射器などの既存のゲルパッケージング技法で機能し得る。一部が本明細書に開示されるこれらの及び様々な他の利点が、本明細書に開示される注射器システムの様々な実施形態によって可能になる。
【0011】
例えば、いくつかの実施形態では、注射器のプランジャは、プランジャロッドと、プランジャヘッドとを備え、プランジャヘッドは、プランジャヘッドの表面から延在する係合構造を有し得る。係合構造は、近位対向面、遠位対向面、及びプランジャの側面のうちのいずれかから延在し得る。係合構造を使用して、注射器の操作中にユーザの母指による把持を容易にすることができる。係合構造を使用して、注射外筒に対してプランジャを移動させることができる。係合構造は、注射外筒の内部ルーメンの中及び/又は注射外筒の内部ルーメンの外にプランジャを移動させるように係合され得る。
【0012】
任意選択で、いくつかの実施形態において、本開示は、注射器用のフランジエクステンダを提供する。フランジエクステンダは、中央本体を備え得、中央本体は中央本体から延在する把持部材を有する。フランジエクステンダは、既存の注射器と共に機能し得るか、又は注射器と共に形成され得る。いくつかの実施形態では、フランジエクステンダは、注射器に取り外し可能に連結され得る。
【0013】
フランジエクステンダは、注射器又は注射器の一部を受容するための長手方向ボア及び係合スロットのうちのいずれかを有し得る。フランジエクステンダは、係合スロットを通して、長手方向ボアの中へ注射器の注射外筒及びフランジを挿入することによって、注射器と連結され得る。
【0014】
医師が注射器の操作中に1つ以上の指及び/又は手(複数可)を使用することによって、フランジエクステンダを使用して、システムの把持及び取り扱いを容易にすることができる。フランジエクステンダを使用して、プランジャに対して注射器の注射外筒をしっかりと保持し、及び/又はプランジャに対して注射外筒を移動させることができる。
【0015】
次いで、有利には、本明細書で開示されるいくつかの実施形態は、針(複数可)が血管内に存在しないことを確実するために、標的部位において吸引及び注入を遂行する容易さを増加させる。本明細書に開示されるいくつかの実施形態の別の利点は、片手を使用して、吸引及び注入を遂行することができるという事実である。本明細書に開示される実施形態を使用して、ユーザの母指を使用して、注射外筒に対してプランジャを移動させるようにプランジャヘッドを係合することができる。本明細書に開示されるいくつかの実施形態の更に別の利点は、フランジエクステンダを注射外筒に取り外し可能に連結することができることである。
【0016】
対象技術の追加の特徴及び利点は、以下の説明において記載され、その一部は、説明から明らかであるか、又は、対象技術の実施によって学習されてもよい。対象技術の利点は、特に、記載される説明内に指摘される構造及び構造の実施形態、並びに添付の図面によって認識及び達成されるであろう。
【0017】
前述の概説及び以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものであり、対象技術の更なる説明を提供するように意図されることが理解される。
【0018】
本発明の例示的な実施形態の様々な特徴を、図面を参照して以下に説明する。示される実施形態は、本発明を説明するように意図されるが、限定するものではない。図面は、以下の図を含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】いくつかの実施形態による、注入及び吸引デバイスの前方斜視図である。
【0020】
図2】いくつかの実施形態による、注入及び吸引デバイスの部分的な分解図である。
【0021】
図3】いくつかの実施形態による、線3-3に沿った図1の注入及び吸引デバイスの垂直断面図である。
【0022】
図4】いくつかの実施形態による、注入及び吸引デバイスの前方斜視図である。
【0023】
図5】いくつかの実施形態による、フランジエクステンダの後方斜視図である。
【0024】
図6】いくつかの実施形態による、フランジエクステンダの側面図である。
【0025】
図7A】いくつかの実施形態による、線7A-7Aに沿った図6のフランジエクステンダの断面図である。
【0026】
図7B】いくつかの実施形態による、線7B-7Bに沿った図6のフランジエクステンダの断面図である。
【0027】
図8】いくつかの実施形態による、線8-8に沿った図6のフランジエクステンダの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
対象技術の様々な構成が本開示により当業者に容易に理解され、対象技術の様々な構成が説明として図示及び記載されることが理解される。認識されるであろうように、対象技術は、他の構成及び異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、対象技術の範囲を逸脱することなく、すべて様々な他の観点で修正が可能である。したがって、発明の概要、図面、及び詳細な説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【0029】
以下に記載される詳細な説明は、対象技術の様々な構成の説明として意図され、対象技術が実施され得る構成のみを表すことは意図されない。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、詳細な説明の一部を構成する。詳細な説明は、対象技術の完全な理解を提供するための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの特定の詳細なしで、対象技術が実施され得ることを当業者は理解するであろう。いくつかの事例では、対象技術の概念が不明瞭になることを回避するために、周知の構造及び構成要素をブロック図の形態で示す。理解しやすいように、同様の構成要素は、同一の要素番号で標識されている。
【0030】
本開示は、注入デバイス及び関連手技で遭遇するいくつかの操作上の課題に対処する。本開示は、効率的で安全かつ正確な様式での注射器による標的部位の吸引及び薬物の放出を可能にする数多くの改善を提供する。
【0031】
例えば、いくつかの実施形態によれば、本開示は、標的部位を吸引して、注射器の針先端部が血管内に位置していないことを確実にし、片手を使用して注射器から薬物を放出するために使用され得る注射器を開示する。本明細書に開示されるデバイス及び関連手技のいくつかの実施形態は、吸引位置と注入位置との間のユーザの母指の再位置決めを、いくつかの実施形態では、別様に医師の把持を変更せずに、かかる母指の再位置決めを有利に可能にすることができる。
【0032】
加えて、いくつかの実施形態はまた、既存の注射器又は注射器の注射外筒製品と共に実装され得るモジュール式フランジエクステンダシステムを提供する。システムは、s面に沿って係合スロットを有するフランジエクステンダを備え得、係合スロットは、フランジエクステンダの長手方向ボアへのアクセスを提供する。注射器の注射外筒を係合スロットの中に挿入して、フランジエクステンダに取り外し可能に係合させることができる。いくつかの実施形態では、フランジエクステンダは、開口部又はスロットを含み得、そこを通って、プランジャは、フランジエクステンダが注射器の注射外筒に連結されるときに、挿入又は延在され得る。
【0033】
更に、本明細書に開示されるデバイス及び関連手技のいくつかの実施形態は、標準サイズの注射器、例えば、0.8mL又は1mLの環状オレフィンコポリマー(cyclic olefin copolymer、COC)注射器など、既存の薬物パッケージング技法で使用され得る吸引及び注入デバイスを有利に提供し得る。
【0034】
本開示は薬物をゲルとして説明しているが、薬物は、液体及びガスを含む、針によって放出されるように構成された物質であってもよい。いくつかの実装例では、薬物は、注入可能なヒアルロン酸ゲルである。
【0035】
図を参照して、吸引及び注入デバイス100を図1図3に示す。デバイス100は、針102、注射外筒104、プランジャ106、及びフランジエクステンダ108を備え得る。
【0036】
針102、プランジャ106、及びフランジエクステンダ108は、注射外筒104に連結され得る。針102、注射外筒104、及び/又はプランジャ106のうちのいずれかは、既存の注射器などの既存の薬物パッケージングの一部であり得る。図2に示されるように、フランジエクステンダ108は、注射外筒104の一部、又は注射外筒104及び/若しくはプランジャ106と共に組み立てられた別個の構成要素であり得る。
【0037】
注射外筒104は、近位端部、遠位端部、及びフランジ150を有し得る。注射外筒104の内部表面は、注射外筒104の遠位端部に向かって近位端部から延在する内部ルーメン152を形成し得る。注射外筒の内部ルーメン152は、内部に受容されるように構成されたプランジャ106の一部にほぼ等しいか又はそれよりも大きい幅又は直径を有し得る。注射外筒の内部ルーメン152の直径は、少なくとも約3.5mm及び/又は約5.3mm以下であり得る。更に、内部ルーメン152の直径はまた、約4mm~約5mm又は約4.3mm~約4.7mmであり得る。本開示のいくつかのデバイスでは、内部ルーメン152の直径は、約4.6mmである。
【0038】
注射外筒104は、薬物が内部ルーメン152から放出されることを可能にする、内部ルーメン152から注射外筒104の遠位端部まで延在する通路154を有し得る。針102は、注射外筒の遠位部に連結され、通路154に流体連結され得る。針102は、注射外筒104と一元的に形成され得るか又は注射外筒104に連結され得る。本開示のいくつかのデバイスでは、針102及び注射外筒104は、相補的なルアーフィッティングを含む。
【0039】
フランジ150は、注射外筒104の一部から延在し、注射外筒104の近位部に位置決めされ得る。フランジ150は、注射外筒104から離れて径方向に延在する注射外筒の外部表面の一部であり得る。本開示のいくつかのデバイスでは、フランジ150は、注射外筒104の最近位端から径方向に延在し、注射外筒104の長手方向長さにわたる軸を横断する。
【0040】
注射外筒104は、内部に放出可能な材料を備え得る。放出可能な材料は、薬物、例えば、ヒアルロン酸系の皮膚充填剤などの放出可能なゲルであり得る。本開示のいくつかの実施形態では、注射外筒104は、放出可能な材料で予充填されている。放出可能な材料は、内部ルーメン152から通路154を通って、プランジャ106によって方向付けられる。
【0041】
プランジャ106は、内部ルーメン152からの放出可能な材料を方向付け、真空を作り出し、及び/又は内部ルーメン152内の圧力を増加させるように、注射外筒104に移動可能に連結され得る。プランジャ106は、プランジャロッド202とプランジャヘッド204とを備え得る。プランジャ106は、プランジャヘッドの近位対向面からプランジャロッドの遠位端までの長さを有し得る。注射外筒106の長さは、少なくとも約63.6mm及び/又は約95.4mm以下であり得る。更に、プランジャ106の長さはまた、約71.5mm~約87.4mm又は約75.5mm~約83.4mmであり得る。本開示のいくつかのデバイスでは、プランジャ106の長さは、約79.5mmである。
【0042】
本開示のいくつかの実装例では、約76.52mmの長さを有するプランジャ106を0.8mLのCOC注射器で使用することができ、約81.92mmの長さを有するプランジャ106を1.0mLのCOC注射器で使用することができる。
【0043】
プランジャロッド202は、近位端部及び遠位端部を有し得る。図2に示されるように、プランジャ106は、プランジャ106の近位端部と遠位端部との間に延在するプランジャ軸206に沿って延在する。
【0044】
プランジャロッド202の外部表面は、注射外筒の内部ルーメン152の断面寸法以下の断面寸法を有し、プランジャロッド202が内部ルーメン152内でプランジャ軸206に沿って移動するのを可能にし得る。本開示のいくつかのデバイスでは、プランジャロッド202の断面形状は、注射外筒104の内部ルーメンによって形成される断面形状とほぼ同じである。プランジャロッド202及び/又は注射外筒104の内部ルーメンの断面形状は、任意の規則的又は不規則な形状を含み得る。いくつかの実装例では、プランジャロッド202及び/又は注射外筒104の内部ルーメンの断面形状は、矩形、三角形、及び円形のうちのいずれかであり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、プランジャロッド202の断面形状は、断面直径を有する円形である。プランジャロッド202の断面直径は、少なくとも約3.5mm及び/又は約5.5mm以下であり得る。更に、プランジャロッド202の断面直径はまた、約4.0mm~約5.1mm、約4.2mm~約4.8mm、又は約4.4mm~約4.6mmであり得る。
【0046】
本開示のいくつかの実装例では、約4.6mmの断面直径を有するプランジャロッド202を0.8mLのCOC注射器で使用することができる。約5.0mm又は約6.5mmの断面直径を有するプランジャロッド202を1.0mLのCOC注射器で使用することができ、約8.75mmの断面直径を有するプランジャロッド202を2.25mLのCOC注射器で使用することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、プランジャロッド202は、近位端部から遠位端部に向かって先細になる。例えば、近位端部におけるプランジャロッド202の断面直径は、少なくとも約3.7mm及び/又は約9.75mm以下であり得る。更に、遠位端部におけるプランジャロッド202の断面直径はまた、約3.5mm~約5.3mm、約4mm~約5mm、又は約4.3mm~約4.7mmであり得る。いくつかの実施形態では、近位端部の約4.38mmから遠位端部の約4.04mmまで先細になる断面直径を有するプランジャロッド202を0.8mLのCOC注射器で使用することができる。近位端部の約4.6mmから遠位端部の約4.4mmまで先細になる断面直径を有するプランジャロッド202を1.0mLのCOC注射器で使用することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、プランジャロッド202の一部は、近位端部から遠位端部に向かって先細になり得る。プランジャロッド202は、少なくとも約0.1度及び/又は約0.3度以下の角度で先細になり得る。更に、プランジャロッド202はまた、約0.15度~約0.18度、又は約0.16度~約0.17度で先細になり得る。本開示のいくつかのデバイスでは、プランジャロッド202は、約0.165度の角度で先細になる。本開示のいくつかの実装例では、0.26度の角度で先細になる断面直径を有するプランジャロッド202を0.8mLのCOC注射器で使用することができる。
【0049】
プランジャロッド202の長さは、少なくとも約53.8mm及び/又は約88.8mm以下であり得る。更に、プランジャロッド202の長さはまた、約66.6mm~約81.4mm、約70.3mm~約77.7mm、又は約73.0mm~約75.0mmであり得る。本開示のいくつかのデバイスでは、プランジャロッド202の長さは、約74.0mmである。
【0050】
本開示のいくつかの実装例では、68.2mmの長さを有するプランジャロッド202を0.8mLのCOC注射器で使用することができ、72.8mmの長さを有するプランジャロッド202を1.0mLのCOC注射器で使用することができる。
【0051】
プランジャロッド202の遠位部は、遠位シャフト210を含み得る。遠位シャフト210は、プランジャピストンの一部が取り付けられるように、遠位シャフト210の円周の周囲に延在する溝を有し得る。溝に沿った、遠位シャフト210の外部表面の一部は、プランジャロッド202から離れる方向に先細になり得る。遠位シャフト210は、少なくとも約4.2mm及び/又は約6.4mm以下の長さを有し得る。更に、遠位シャフト210の長さはまた、約4.8mm~約5.8mm、約5.0mm~約5.6mm、又は約5.2mm~約5.4mmであり得る。いくつかの実施形態では、遠位シャフト210の長さは、約5.3mmである。
【0052】
本開示のいくつかのデバイスでは、プランジャロッド202の遠位端部は、注射外筒104の内部表面に対して係合するためのピストン208を含む。ピストン208は、プランジャロッド202に連結され得るか又はプランジャロッド202と一元的に形成され得る。いくつかの実施形態では、ピストン208は、プランジャ106の遠位シャフト210に連結され得る。ピストン208の外部表面は、内部ルーメン152に沿って注射外筒104の内部表面に対して係合して、シール界面を形成する。ピストン208と注射外筒104の内部表面との間のシール界面は、プランジャ106が注射外筒104に対して移動すると内部ルーメン152内に圧力及び/又は真空を作り出すことを可能にする。いくつかの実装例では、プランジャロッド202が内部ルーメン152の中に移動すると、ピストン208は、注射外筒104の外部に対して係合し、放出可能な材料を方向付ける。
【0053】
プランジャ106の近位端部は、注射外筒104に対してプランジャ106を移動させるようにデバイス100のユーザによって把持され得るプランジャヘッド204を含む。プランジャヘッド204は、プランジャロッド202の近位端部に連結され得るか又はプランジャロッド202と一元的に形成され得る。プランジャヘッド204は、遠位方向(矢印D)及び近位方向(矢印P)への、プランジャ軸206を中心としたプランジャ106の移動を可能にし得る。
【0054】
プランジャヘッド204は、プランジャロッド202から径方向に延在する。いくつかの実施形態では、プランジャヘッド202は、プランジャ軸206を横断して延在する。プランジャヘッド204は、プランジャ軸206を横断する断面プロファイルを有する平面状の表面を含み得る。プランジャヘッド204のプロファイルとしては、矩形、正方形、円形、又は任意の他の形状若しくはこれらの組み合わせが挙げられ得る。本開示のいくつかのデバイスでは、プランジャヘッド204はプロファイルとしては、球形、双曲放物面(例えば、サドル)形状、及び/又はアーチが挙げられる。アーチの部分は、プランジャロッド202の遠位端部に向かって延在し得る。
【0055】
本開示のいくつかのデバイスでは、プランジャヘッド204は、長さL1及び幅を有する略矩形の断面プロファイルを含む。略矩形のプランジャヘッド204の長さL1は、少なくとも約21.3mm及び/又は約32.0mm以下であり得る。更に、長さL1はまた、約23.9mm~約29.3mm、約25.3mm~約27.9mm、又は約25.9mm~約27.3mmであり得る。いくつかの実施形態では、プランジャヘッドの長さL1は、約27.16mmである。
【0056】
略矩形のプランジャヘッド204の幅は、少なくとも約10.4mm及び/又は約19.0mm以下であり得る。更に、幅はまた、約11.7mm~約16.1mm、約12.4mm~約15.3mm、又は約12.7mm~約15.0mmであり得る。いくつかの実施形態では、プランジャヘッドの幅は、14.0mmである。
【0057】
いくつかのデバイスでは、略矩形のプランジャヘッド204の幅は、プランジャ軸206から離れて第1の幅W1から第2の幅W2へと先細になる。プランジャヘッド204の第1の幅W1は、少なくとも約10.4mm及び/又は約15.7mm以下であり得る。更に、第1の幅W1はまた、約11.7mm~約14.4mm、約12.4mm~約13.7mm、又は約12.7mm~約13.4mmであり得る。いくつかの実施形態では、プランジャヘッドの第1の幅W1は、13.26mmである。
【0058】
プランジャヘッド204の第2の幅W2は、少なくとも約11.7mm及び/又は約19.0mm以下であり得る。更に、第1の幅W1はまた、約13.1mm~約16.1mm、約13.9mm~約15.3mm、又は約14.2mm~約15.0mmであり得る。いくつかの実施形態では、プランジャヘッドの第2の幅W2は、14.6mmである。いくつかの実施形態では、略矩形のプランジャヘッド204の幅は、長さL1に沿って、第1の幅W1~第2の幅W2で変化する。
【0059】
プランジャヘッド204は、プランジャ106の遠位端部に向かって面する遠位対向面と、遠位対向面の反対側の近位対向面とを有し得る。
【0060】
プランジャヘッド204の近位対向面は、母指又はユーザの手の他の部分によって係合して、プランジャ軸206に対してプランジャ106を移動させるように構成された凹状表面を有し得る。いくつかの例では、プランジャヘッド204の近位対向面は、注射外筒の内部ルーメン152の中に遠位にプランジャ104を移動させるために、ユーザのデジタルパルプ又は母指隆起によって係合される。
【0061】
プランジャヘッド204の遠位対向面をユーザの指先又は爪によって係合して、注射外筒の内部ルーメン152から近位にプランジャ106を移動又は抜去させることができる。遠位対向面の少なくとも一部は、注射外筒の内部ルーメン152からのプランジャ106の抜去のためにプランジャ104を近位に移動させるための、ユーザによる係合のための輪郭表面を提供する凹状表面を有し得る。
【0062】
プランジャヘッド204は、注射外筒の内部ルーメン152からのプランジャ106の抜去のためにプランジャ104を近位に移動させるための、ユーザの指先及び/又は指の爪の一部によって係合される表面構造を含み得る。表面構造は、ユーザが指先でプランジャヘッド204を係合又は把持するのを補助し、ユーザが吸引工程を遂行するために近位方向にプランジャ106をより容易に移動することを可能にする。
【0063】
表面構造は、プランジャヘッド204から離れて延在する複数の係合構造212を含み得る。複数の係合構造212は、プランジャヘッド204の遠位対向面上に位置決めされ得る。複数の係合構造212は、プランジャロッド202の遠位端部に向かって延在する。本開示のいくつかのデバイス及び方法では、複数の係合構造212は、係合構造212がプランジャ軸206から径方向外方に、及びプランジャロッド202の遠位端部に向かって延在するように、プランジャヘッド204の外周に沿って位置決めされる。
【0064】
複数の係合構造212は、リッジ、突出部、小凹点、溝、凹部、及びこれらの組み合わせのうちのいずれかを含み得る。いくつかの例では、表面構造は、プランジャヘッド204上の連続したリッジ又は溝である。複数の係合構造212は、遠位平面を画定し得、遠位平面の一部は、凹状である。表面構造の径方向内方のプランジャヘッド204の一部は、遠位対向凹部を形成し得る。凹部は、複数の係合構造212によって形成される遠位平面からオフセットされる。
【0065】
図2を参照すると、複数の係合構造212は、プランジャ軸に対して径方向に延在するリッジを含み得る。リッジは、プランジャロッド202を取り囲む、遠位に突出するリングを形成するように、放射配向で位置決めされている。複数の係合構造212又はリッジは、指の爪又は指先が複数の係合構造212の隣り合う係合構造間に少なくとも部分的に位置決めされるように、距離Sで隔置され得る。複数の係合構造212の隣り合う係合構造は、少なくとも約0.5mm及び/又は約2.0mm以下の距離Sで隔置され得る。
【0066】
プランジャヘッド204は、遠位対向面と近位対向面との間に延在する厚さT1を有し得る。プランジャヘッド204の厚さT1は、少なくとも約3.9mm及び/又は約5.8mm以下であり得る。更に、厚さT1はまた、約4.4mm~約5.4mm、約4.6mm~約5.1mm、又は約4.7mm~約5.0mmであり得る。いくつかの実施形態では、プランジャヘッドの厚さT1は、約4.9mmである。
【0067】
いくつかの実施形態では、プランジャヘッド204の厚さは、プランジャ軸206から離れて最小厚さから最大厚さへと先細になる。プランジャヘッド204は、少なくとも約3.9mmの最小厚さから約5.0mm以下の最大厚さへと先細になり得る。更に、厚さは、約4.4mm~約5.4mm、約4.6mm~約5.1mm、又は約4.7mm~約5.0mmで先細になり得る。いくつかの実施形態では、プランジャヘッド204は、約4.9mmの最大厚さへと先細になる。
【0068】
注射外筒104に対してプランジャ106を近位方向に移動させるために、指の爪又は指先は隣り合う係合構造の間に係合され、近位の力は広範囲の角度でプランジャヘッド204に加えられ得る。複数の係合構造212はまた、プランジャ106を注射外筒104に対して遠位方向に移動させるためにユーザによって係合され得る。
【0069】
プランジャ106は、2つ以上の材料から形成され得るか又は組み立てられ得る。いくつかの実施形態では、プランジャ106は、第1の材料214と第2の材料216とを含み、第2の材料は、第1の材料と比べてより可撓性がある。第2の材料216は、ユーザによって係合されたときに第1の材料214よりも高い摩擦力を提供する軟質ポリマー又は弾性材料を含み得る。
【0070】
第1の材料214は、プランジャロッド202及びプランジャヘッドの一部を含むプランジャ106の第1の部分を画定し得、第2の材料216は、プランジャ106の第2の部分を画定し得る。プランジャの第2の部分は、複数の係合構造212が第2の材料216によって形成されるように、複数の係合構造212を備え得る。第2の材料216はまた、近位対向面及びプランジャヘッド204の外周のうちのいずれかに沿って延在し得る。本開示のいくつかのデバイスでは、第2の材料216は、近位対向面の外周からプランジャヘッド204の遠位対向面まで延在する。いくつかのデバイスでは、プランジャヘッド204の全体は、第2の材料216によって形成され得る。
【0071】
第1の材料214は、デバイスの使用又は操作中に屈曲に耐える剛性ポリマーを含み得る。例えば、プランジャロッド202は、成形可能なポリマーを含み得、プランジャロッド202の剛性を増加させ、それによって屈曲を低減させるであろうガラス充填ポリマー又は他の類似材料を含み得る。プランジャロッド202又はプランジャ106の他の部分の剛性は、注射外筒104に対するプランジャ106の移動の間に正確なユーザ制御を可能にする。
【0072】
プランジャの第2の部分は、オーバーモールディングプロセスを使用して第1の部分の上又は周囲に形成され得る。本開示のいくつかのデバイスでは、第1の部分及び第2の部分は、締結具、接合材料、及び/又は溶接のうちのいずれかを使用して一緒に組み立てられる。
【0073】
図3は、注射外筒104に連結されたプランジャ106を示す。プランジャ106は、プランジャロッド202の遠位端部を注射外筒の内部ルーメン152の中に挿入することによって注射外筒104に連結され得る。プランジャロッド202の遠位端部が注射外筒の内部ルーメン152内にある状態で、プランジャヘッド204を含むプランジャロッド202の近位端部は、注射外筒104から延在する。シール界面がプランジャロッド202の外部表面と注射外筒104の内部表面との間に作り出される。いくつかの実施形態では、ピストン208は、注射外筒104の内部表面に対してシール係合する。
【0074】
プランジャ106が注射外筒104に連結されると、プランジャ106の遠位端部を、注射外筒104の近位端部と遠位端部との間で、注射外筒104の内部ルーメンに対して線形に移動することができる。プランジャ106をプランジャ軸206上で回転自在に移動させて、プランジャヘッド204によってユーザの視線が妨害されるのを回避することもできる。
【0075】
図4を参照して、円形のプランジャヘッドを備え、図1図3に関して説明されるような特徴を有する吸引及び注入デバイス100を示す。明快さ及び簡潔さのために、図1図3の吸引及び注入デバイス100と共通の全般的な特徴はここでは繰り返さない。
【0076】
吸引及び注入デバイス100は、注射外筒104と、フランジエクステンダ108と、プランジャ250を備え得る。プランジャ250は、近位端部及び遠位端部と、プランジャ250の近位端部と遠位端部との間に延在するプランジャ軸206とを有し得る。プランジャの遠位端部はプランジャロッド252を含み、近位端部はプランジャヘッド254を含む。
【0077】
プランジャヘッド254は、直径を有する略円形のプロファイルを含む。円形のプランジャヘッド254の直径D1は、少なくとも約14.2mm及び/又は約21.2mm以下であり得る。更に、直径D1はまた、約15.9mm~約19.5mm、約16.8mm~約18.6mm、又は約17.3mm~約18.1mmであり得る。いくつかの実施形態では、プランジャヘッドの幅は、約17.7mmである。
【0078】
プランジャヘッド254は、遠位対向面と近位対向面との間に延在する厚さを有し得る。プランジャヘッド254の厚さは、少なくとも約4.4mm及び/又は約6.6mm以下であり得る。更に、厚さはまた、約4.9mm~約6.0mm、約5.2mm~約5.7mm、又は約5.3mm~約5.6mmであり得る。いくつかの実施形態では、プランジャヘッドの厚さは、約5.5mmである。
【0079】
プランジャヘッド254は、プランジャヘッド254から離れて延在する複数の係合構造256を含む。複数の係合構造256は、プランジャヘッド254の遠位対向面上に位置決めされており、プランジャロッド252の遠位端部に向かって延在する。複数の係合構造256は、リングを形成するようにプランジャヘッド254の外周に沿って位置合わせされている。複数の係合構造256は、プランジャロッド252に対して径方向に延在するリッジを含み得る。リッジは、プランジャロッド252を取り囲む、遠位に突出するリングを形成するように、放射配向で位置決めされている。
【0080】
図4図7Bを参照すると、吸引及び注入デバイス100は、注射外筒104に連結されて、注射外筒フランジ150の表面積を増加させ、ユーザが吸引及び注入デバイス100上での安定した把持を達成することを可能にし得るフランジエクステンダ108を含み得る。
【0081】
フランジエクステンダ108は、近位端及び遠位端を有する中央本体302と、中央本体302から延在する把持部材304とを含み得る。長手方向ボア306は、中央本体302の近位端と遠位端との間に延在し、内部に注射外筒104の一部を受容するように構成されている。係合スロット308は、中央本体302の側面から長手方向ボア306内に延在し、その中への注射外筒104の一部の挿入を可能にする。
【0082】
中央本体302は、近位端及び遠位端と、近位端と遠位端との間の長手方向長さとを有し得る。中央本体302の断面寸法を近位端と遠位端との間で変更することができる。本開示のいくつかの実装例では、断面寸法は、近位端及び遠位端に向かって先細になる。中央本体302の遠位端部に沿って、断面寸法は長さL2へと先細になり得る。長さL2は、少なくとも約13.8mm及び/又は約20.8mm以下であり得る。更に、長さL2はまた、約15.6mm~約19.0mm、約16.4mm~約18.2mm、又は約16.9mm~約17.7mmであり得る。いくつかの実施形態では、長さL2は、約17.3mmである。
【0083】
把持部材304は、中央本体302から延在して、ユーザが吸引及び注入デバイス100を把持するための表面を提供する。例えば、ユーザは、示指及び中指などの1つ以上の指を使用するか、又は反対側の母指及び1つ以上の反対側の指を使用して、把持部材304を把持し得る。
【0084】
ユーザがデバイスを把持するための表面を提供するために、把持部材304は、中央本体302の近位端と遠位端との間の長手方向長さを横断して延在する。把持部材304は、中央本体302と共にT字形状を形成するように、径方向に対向する方向を含む任意の方向に延在し得る。
【0085】
中央本体302の近位端部に沿って、中央本体302の断面寸法は、把持部材304の径方向に対向する端部間に延在する長さL3を有し得る。長さL3は、少なくとも約33.8mm及び/又は約50.6mm以下であり得る。更に、長さL3はまた、約38.0mm~約46.4mm、約40.1mm~約44.3mm、又は約41.1mm~約43.3mmであり得る。いくつかの実施形態では、長さL3は、約42.11mmである。
【0086】
把持部材は、遠位対向面(図4)と、近位対向面(図5)とを含み得る。遠位対向面及び近位対向面は、把持部材304に対してユーザの手又は指の人間工学的な係合を提供するための凹状及び/又は凸状表面を形成する部分を有し得る。
【0087】
人間工学的な特徴を提供するために、近位対向面の第1の部分は、凹状表面を有し得、近位対向面の第2の部分は、凸状表面を有し得る。近位対向面の凹状表面は、中央本体304近位の把持部材302の内部部分に沿って位置決めされ得、中央本体302遠位の近位対向面の外部部分は、凸状表面を有し得る。フランジエクステンダ108の遠位対向面の少なくとも一部は、凹状表面を備え得る。フランジエクステンダ108が径方向に延在する把持部材304を備える場合、径方向に延在する把持部材304の各々は、凹状の遠位対向面を有し得る。
【0088】
いくつかのデバイス及び方法では、フランジエクステンダ108は、単一の把持部材又は複数の把持部材を備える。把持部材は、円形の径方向に延在するフランジ、中央本体302を取り囲み、中央本体302から隔置されているリング、1つ以上の外方に延在するハンドル、及びユーザがフランジエクステンダ108を把持することを可能にする任意の組み合わせの構造又は類似の構造のうちのいずれかであり得る。
【0089】
プランジャボア310は、中央本体302の近位端を通って長手方向ボア306に延在し、そこを通る注射外筒106の一部の挿入を可能にし得る。プランジャボア310の直径は、少なくとも約3.8mm及び/又は約5.8mm以下であり得る。更に、直径はまた、約4.3mm~約5.3mm、約4.6mm~約5.0mm、又は約4.7mm~約4.9mmであり得る。いくつかの実施形態では、プランジャボア310の直径は、約4.8mmである。
【0090】
側開口部312は、係合スロット308の反対側の中央本体302の側面から長手方向ボア306内に延在し得る。側開口部312を使用して、長手方向ボア306内に位置決めされた注射外筒104からフランジエクステンダ108を分離することができる。注射外筒104からフランジエクステンダ108を分離するために、側開口部312を通して、フランジ150を係合し、側開口部312の反対側の係合スロット308に向かって方向付けることができる。側開口312は、中央本体302の近位端と遠位端との間に延在する高さを有し得る。側開口部312の高さは、少なくとも約2.0mm及び/又は約3.0mm以下であり得る。更に、高さはまた、約2.3mm~約2.8mm、約2.4mm~約2.6mm、又は約2.4mm~約2.6mmであり得る。いくつかの実施形態では、側開口部312の高さは、約2.5mmである。
【0091】
図6図7Bを参照すると、長手方向ボア306は、注射外筒ボア320及びフランジボア322を含む、1つ以上の部分を含み得る。注射外筒ボア320及びフランジボア322は、注射外筒104の一部及びフランジ150をそれぞれ受容するように適合された異なるサイズ及び/又は形状を有し得る。
【0092】
注射外筒ボア320は、フランジエクステンダ108が注射外筒104に連結されるときに、フランジ150に隣接する注射外筒104の一部を受容するように長手方向ボア306の遠位部に沿って位置決めされ得る。注射外筒ボア320は、フランジエクステンダ108の近位端に向かって遠位端から延在し得る。
【0093】
図7Aを参照すると、注射外筒ボア320は、断面長さ又は注射外筒ボアの直径D2を含む。注射外筒ボアの直径D2は、注射外筒104の断面長さ又は直径にほぼ等しいか又はそれらよりも大きい。注射外筒ボアの直径D2は、少なくとも約7.7mm及び/又は約11.5mm以下であり得る。更に、直径D2はまた、約8.6mm~約10.6mm、約9.1mm~約10.1mm、又は約9.4mm~約9.8mmであり得る。いくつかの実施形態では、注射外筒ボアの直径D2は、約9.3mmである。
【0094】
注射外筒104の一部とフランジ150を長手方向ボア306の中に挿入するために、係合スロット308を通して、注射外筒104及びフランジ150を移動させる。係合スロット308、注射外筒スロット324及びフランジスロット326を含む、1つ以上の部分を含み得る。
【0095】
注射外筒スロット324は、その長さ方向に沿って、中央本体302の側面から長手方向ボア306内に延在し、その中への注射外筒104の一部の挿入を可能にする。注射外筒スロット324は、注射外筒スロット324の注射外筒ボア320との交点において、幅W3を有し得る。幅W3は、中央本体302の側面に向かう、長手方向ボア306内に位置決めされた注射外筒104の移動を制限するように、注射外筒ボアの直径D2未満であり得る。幅W3は、少なくとも約7.3mm及び/又は約10.9mm以下であり得る。更に、幅W3はまた、約8.2mm~約10.0mm、約8.6mm~約9.6mm、又は約8.9mm~約9.3mmであり得る。いくつかの実施形態では、幅W3は、約9.1mmである。
【0096】
注射外筒スロット324の注射外筒ボア320との交点における注射外筒スロット324の幅W3は、注射外筒ボアの直径D2の係数であり得る。例えば、幅W3は、注射外筒ボアの最大直径D2の80~90%であり得る。
【0097】
注射外筒スロット324の幅は、注射外筒ボア306から離れて中央本体302の側面に向かって先細になり得る。注射外筒スロット324は、約10度の角度A1で、注射外筒スロット324の注射外筒324との交点から離れて先細になり得る。
【0098】
本開示のいくつかのデバイスでは、係合スロット308は、係合スロット308を通して、注射外筒104の一部が挿入されることを可能にし、しかも長手方向ボア306から中央本体302の側面に向かう注射外筒104の移動を制限するためのクリップオン構造を備える。クリップオン構造は、係合スロット308を通る注射外筒104の意図的な移動を可能にし、しかも通常の使用時に係合スロット308からの注射外筒104の移動を防止するように付勢され得る任意の構造を含み得る。クリップオン構造は、長手方向ボア306の最小直径未満である幅を画定するように、係合スロット308の対向する部分から延在し得る。
【0099】
クリップオン構造は、係合スロット308の狭幅部を備え得る。狭幅部は、中央本体302の側面近位の最大幅から狭幅へと収束し、次いで、長手方向ボア306近位の最大幅へと分散する係合スロット308の内部表面を対向させることによって形成され得る。
【0100】
図7Bを参照すると、長手方向ボア306の近位部は、フランジエクステンダ108が注射外筒104に連結されるときに注射外筒104のフランジ150を受容するためのフランジボア322を含み得る。フランジボア322は、断面長さ又はフランジボアの直径D3を含む。フランジボアの直径D3は、フランジ150の断面長さにほぼ等しいか又はそれよりも大きい。フランジボアの直径D3は、少なくとも約11.2mm及び/又は約16.8mm以下であり得る。更に、フランジボアの直径D3はまた、約12.6mm~約15.4mm、約13.3mm~約14.7mm、又は約13.7mm~約14.4mmであり得る。いくつかの実施形態では、フランジボアの直径D3は、約14.0mmである。概して、フランジボアの直径D3は、注射外筒ボアの直径D2よりも大きい。
【0101】
フランジスロット326は、中央本体302の近位端と遠位端との間で、注射外筒スロット324に隣接及び接触している。フランジスロット326は、その長さ方向に沿って、中央本体302の側面から長手方向ボア306内に延在し、その中へのフランジ150の挿入を可能にする。フランジスロット326は、フランジスロット326のフランジボア322との交点において、幅W4を有し得る。幅W4は、フランジボアの直径D3にほぼ等しいか又はそれよりも大きく、フランジボア322と中央本体302の側面との間でフランジ150の制限されない移動を可能にし得る。いくつかの実施形態では、幅W4は、中央本体302の側面に向かう、長手方向ボア306内に位置決めされたフランジ150の移動を制限するように、フランジボアの直径D3未満であり得る。
【0102】
図8を参照すると、フランジスロット326は、中央本体302の近位端と遠位端との間に延在する高さを有し得る。本開示のいくつかのデバイスでは、フランジスロット326の高さは、中央本体の側面から長手方向ボア306に向かって先細になり得る。フランジスロット326の高さは、係合スロット308を備える中央本体302の側面近位の第1の高さH1から、係合スロット308の反対側の中央本体302の側面近位の第2の高さH2へと先細になり得る。いくつかの実装例では、フランジスロット326は、第2の高さH2が側開口部312とほぼ同じ高さであり得るように、側開口部312と交差する。フランジスロット326の一部は、側開口部312を通って中央本体の側面から延在し得る。注射外筒104が長手方向ボア306内に位置決めされると、先細のフランジスロット326は、フランジ150に対して係合し、中央本体302の側面に向かうフランジ150の移動を制限し得る。
【0103】
第1の高さH1は、少なくとも約1.8mm及び/又は約3.4mm以下であり得る。更に、第1の高さH1はまた、約2.6mm~約3.1mm、約2.7mm~約3.0mm、又は約2.8mm~約2.9mmであり得る。いくつかの実施形態では、第1の高さH1は、約2.8mmである。
【0104】
第2の高さH2は、少なくとも約1.7mm及び/又は約3.0mm以下であり得る。更に、第2の高さH2はまた、約2.3mm~約2.8mm、又は約2.4mm~約2.6mmであり得る。いくつかの実施形態では、第2の高さH2は、約2.5mmである。
【0105】
フランジエクステンダ108は、2つ以上の材料から形成され得るか又は組み立てられ得る。いくつかのデバイス及び方法では、フランジエクステンダ108は、第1の材料340と第2の材料342とを含み、第2の材料342は、第1の材料340と比べてより可撓性がある。第2の材料342は、ユーザによって係合されたときに第1の材料340よりも高い摩擦力を提供する軟質ポリマー又は弾性材料を含み得る。
【0106】
第1の材料340は、中央本体302及び把持部材30を含むフランジエクステンダ108の第1の部分を画定し得、プランジャの第2の部分は、フランジエクステンダ108の第2の部分を画定し得る。フランジエクステンダ108の第2の部分は、プランジャ106と注射外筒104とが互いに離間して移動するときに、ユーザの手又は指によって係合される弾性表面を提供するための把持部材304の近位対向面を備え得る。いくつかの実施形態では、フランジエクステンダ108の全体は、第2の材料342で形成され得る。フランジエクステンダ108の第2の部分は、オーバーモールディングプロセスを使用して第1の部分の上又は周囲に形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の部分及び第2の部分は、締結具、接合材料、及び/又は溶接のうちのいずれかを使用して一緒に組み立てられる。
【0107】
第2の材料342はまた、フランジエクステンダ108の外部表面及び内部表面のうちのいずれかに沿って延在し得る。第2の材料342は、把持部材304の近位対向面と、長手方向ボア306及び/又は係合スロット308の内部表面とに沿って延在する。
【0108】
図8を参照して参照すると、第2の材料342は、長手方向ボア306及び係合スロット308の内部表面に沿って延在する。
【0109】
第2の材料342は、係合スロット308の少なくとも一部に沿って延在し、係合スロット308を通る注射外筒104の移動を制限する。特に、第2の材料342は、注射外筒104が注射外筒スロット324を通って、長手方向ボア306の中に移動すると弾性的に付勢されるように、注射外筒スロット324に沿って延在する。第1の材料340よりも大きい、第2の材料342の摩擦係数及び弾性は、長手方向ボア306から中央本体302の側面に向かう注射外筒104の移動を防止し得る。
【0110】
第2の材料342はまた、長手方向ボア306の内部表面の少なくとも一部に沿って延在し、長手方向ボアに対する注射外筒104の移動を制限する。特に、第2の材料342は、その中にフランジが挿入されると弾性的に付勢されるように、フランジスロット326及びフランジボア322に沿って延在する。第2の材料342の中立位置又は配向に戻る傾向が、注射外筒104のフランジ150をフランジスロット326及びフランジボア322内に保持させる。
【0111】
第1の材料340は、デバイスの使用又は操作中に屈曲に耐える剛性ポリマーなど、プランジャ106の第1の材料214と類似の及び/又は同じ材料を含み得る。例えば、フランジエクステンダ108は、成形可能なポリマーを含み得、フランジエクステンダ108の剛性を増加させ、それによって屈曲を低減させるであろうガラス充填ポリマー又は他の類似材料を含み得る。中央本体302及び/又は把持部材304の剛性は、プランジャ106の移動中に正確なユーザ制御を可能にする。
【0112】
図1図3に示されるように、フランジエクステンダ108は、注射外筒104及びプランジャ106と共に組み立てられ得る。
【0113】
フランジエクステンダ108を組み立てるために、注射外筒104の一部は、注射外筒104の一部が長手方向ボア306内に位置決めされるように、係合スロット308を通して挿入される。注射外筒104は、注射外筒が注射外筒ボア320内で受容され、フランジ150がフランジボア322内で受容されるように、長手方向ボア306内に位置決めされ得る。
【0114】
注射外筒104を長手方向ボア306内に位置決めするために、注射外筒104は、係合スロット308を通して挿入される。特に、注射外筒104の一部は、注射外筒スロット326を通して移動される。注射外筒104が注射外筒スロット326を通って移動すると、第2の材料342及び/又はクリップオン構造を含み得る中央本体302の一部が注射外筒104に付勢されて、そこを通る注射外筒104の移動を可能にする。
【0115】
注射外筒104が注射外筒スロット326を通って移動すると、フランジ150は、第2の材料342を含み得るフランジスロット326を通って移動する。フランジスロット326の高さは、長手方向ボア306に向かって先細になるため、第2の材料342を含み得る中央本体302の一部は、フランジ150に付勢されて、フランジボア322の中へのフランジ150の移動を可能にする。
【0116】
プランジャ106は、プランジャ106の一部を注射外筒104と連結することによって、フランジエクステンダ108及び注射外筒104と共に組み立てられ得る。プランジャ106は、プランジャの一部が注射外筒の内部ルーメン152内に位置決めされるように、中央本体302の近位端を通して、プランジャの一部を挿入することによって、注射外筒に連結される。注射外筒104が長手方向ボア306内に位置決めされると、内部ルーメン152に位置合わせされているプランジャボア310を通して、プランジャロッド252の遠位端を移動させることによって、中央本体302の近位端を通して、プランジャ106が挿入され得る。
【0117】
本開示のいくつかのデバイスでは、フランジエクステンダは、プランジャが既に注射外筒に連結されている、事前に組み立てられた注射器に連結され得る。例えば、フランジエクステンダ108は、プランジャロッドが通過して、事前に組み立てられた注射器とのフランジエクステンダ108の組み立てを可能にし得るプランジャスロットを含み得る。事前に組み立てられた注射器との組み立てを可能にするために、プランジャスロットは、中央本体302の側面からプランジャボア310まで延在し得る。プランジャスロットは、係合スロット308に、これらのスロットが、中央本体302の近位端と遠位端との間に延在する連続したスロットを集合的に形成するように、隣接及び接触し得る。事前に組み立てられた注射器とのフランジエクステンダ108の組み立ての間に、注射外筒104の一部が長手方向ボア306内に位置決めされ、プランジャ106の一部がプランジャボア310内に位置決めされるように、連続したスロットを通して、注射外筒及びプランジャを挿入することができる。
【0118】
吸引及び注入デバイス100を使用して、様々な手の把持位置を使用した標的部位の吸引及び/又は薬物の放出を遂行することができる。吸引及び放出は、1つ以上の手、1つ以上の指、並びに手及び/又は指の任意の組み合わせを使用して遂行され得る。様々な手の把持位置のいくつかを説明するために、いくつかの非限定的な例がここに含まれる。
【0119】
吸引を遂行するために、プランジャ106と注射外筒104とを互いに離間して移動させる。プランジャ106と注射外筒104とを互いに離間して移動させるために、ユーザは、注射外筒104及び/又はフランジエクステンダ108上に1つ以上の指を置き、プランジャヘッド204の遠位対向面上に母指などの1つ以上の指を置くことができる。注射外筒104及び/又はフランジエクステンダ108は、フランジエクステンダ108の遠位対向面上に示指及び中指などの1つ以上の指を置くことによって把持され得る。ユーザの指の間で注射外筒104及び/又はフランジエクステンダ108を把持することによって、デバイスをしっかりと保持しながら、ユーザの母指を後退させてプランジャ106を近位に抜去し、それによって内部ルーメン152内に真空を作り出すことができる。
【0120】
別の例では、注射外筒104及び/又はフランジエクステンダ108は、ユーザの母指と1つ以上の指との間で把持され、プランジャヘッド204は、ユーザの閉じた手掌及び/又は母指隆起によって保持される。ユーザの母指と1つ以上の指とを延在させることによって、プランジャ106と注射外筒104とを互いに離間させる。
【0121】
薬物を放出するために、プランジャ106と注射外筒104とを互いに向けて移動させる。プランジャ106と注射外筒104とを互いに向けて移動させるために、ユーザは、注射外筒104及び/又はフランジエクステンダ108上に1つ以上の指を置き、プランジャヘッド204の近位対向面上に母指などの1つ以上の指を置くことができる。注射外筒104及び/又はフランジエクステンダ108は、フランジエクステンダ108の遠位対向面上に示指及び中指などの1つ以上の指を置くことによって把持され得る。ユーザの指の間で注射外筒104及び/又はフランジエクステンダ108を把持することによって、デバイスをしっかりと保持しながら、ユーザの母指を前進させて、プランジャ106を注射外筒104の中に移動させることができる。
【0122】
別の例では、注射外筒104及び/又はフランジエクステンダ108は、1つ以上の指の間で把持され、プランジャヘッド204は、ユーザの手掌及び/又は母指隆起に対して係合される。注射外筒104及び/又はフランジエクステンダ108は、フランジエクステンダ108の遠位対向面上に示指及び中指などの1つ以上の指を置くことによって把持され得る。注射外筒104及び/又はフランジエクステンダ108はまた、母指と1つ以上の指との間で把持され得る。手掌及び/又は母指隆起を注射外筒104に向けて移動させることによって、プランジャ106を注射外筒104の中に移動させる。
節としての対象技術の説明
【0123】
便宜的に、本開示の態様の様々な例を、番号を付けた節(1、2、3など)として説明する。これらは、例として提供され、対象技術を限定しない。図及び参照番号の特定が単に例として及び説明のために以下に提供され、節はこれらの特定によって限定されない。
【0124】
節1.注射器であって、注射外筒であって、内部ルーメン、及び操作中に注射器の取り扱いを容易にするための、注射外筒の近位端部から径方向に延在するフランジを有する、注射外筒と、プランジャロッド及びプランジャヘッドを有するプランジャと、を備え、プランジャロッドが、注射外筒の内部ルーメン内に少なくとも部分的に配設された遠位端部、及びプランジャヘッドに連結された近位端部を有し、プランジャヘッドが、近位対向面及び遠位対向面、並びに注射器の操作中にユーザの母指による把持を容易にするための、遠位対向面から遠位に延在する複数の係合構造を有する、注射器。
【0125】
節2.プランジャの長手方向軸を横断する、プランジャヘッドのプロファイルが、円形、正方形、及び矩形のうちの少なくとも1つである、節1に記載の注射器。
【0126】
節3.複数の係合構造が、リングを画定するようにプランジャの長手方向軸の周りに隔置及び位置決めされている、節1又は2のいずれか一節に記載の注射器。
【0127】
節4.複数の係合構造が、プランジャヘッドの外周に沿って位置決めされている、節1~3のいずれか一節に記載の注射器。
【0128】
節5.複数の係合構造が、遠位平面を画定し、遠位平面の一部が、凹状である、節1~4のいずれか一節に記載の注射器。
【0129】
節6.プランジャヘッドの近位対向面が、凹状表面を備える、節1~5のいずれか一節に記載の注射器。
【0130】
節7.複数の係合構造が、突出部を備える、節1~6のいずれか一節に記載の注射器。
【0131】
節8.複数の係合構造が、プランジャの長手方向軸に対して径方向に延在するリッジを備える、節1~7のいずれか一節に記載の注射器。
【0132】
節9.プランジャヘッドが、第1の材料及び第2の材料を含み、第2の材料が、第1の材料と比べてより可撓性があり、複数の係合構造が、第2の材料を含む、節1~8のいずれか一節に記載の注射器。
【0133】
節10.プランジャヘッドの外周が、第2の材料を含む、節9に記載の注射器。
【0134】
節11.注射器であって、注射外筒であって、注射外筒から径方向に延在するフランジを有する、注射外筒と、注射外筒内に少なくとも部分的に配設されたプランジャと、中央本体、及び中央本体から径方向に延在する対向する把持部材を有するフランジエクステンダと、を備え、中央本体が、近位端、遠位端、及び近位端と遠位端との間に延在する長手方向ボアを有し、中央本体が、中央本体の側面から長手方向ボア内に、及び近位端と遠位端との間に延在する係合スロットを更に備え、注射外筒とのフランジエクステンダの取り外し可能な連結を容易にするために、注射外筒及びフランジの内部への挿入を可能にする、注射器。
【0135】
節12.長手方向ボアが、フランジボア及び注射外筒ボアを備え、フランジボアが、フランジボアの直径を有し、注射外筒ボアが、フランジボアの直径よりも小さい注射外筒ボアの直径を有する、節11に記載の注射器。
【0136】
節13.注射外筒ボアの直径が、注射外筒の直径にほぼ等しいか又はそれよりも大きい、節11又は12のいずれか一節に記載の注射器。
【0137】
節14.注射外筒ボアの直径が、少なくとも約7.7mm及び/又は約11.5mm以下である、節11~13のいずれか一節に記載の注射器。
【0138】
節15.プランジャボアが、中央本体の近位端を通って長手方向ボアまで延在し、そこを通るプランジャの一部の挿入を可能にする、節11~14のいずれか一節に記載の注射器。
【0139】
節16.側開口部が、係合スロットの反対側の、中央本体の側面から長手方向ボア内に延在する、節11~15のいずれか一節に記載の注射器。
【0140】
節17.係合スロットが、フランジスロット及び注射外筒スロットを備え、長手方向ボアの長手方向軸に対して横断して測定されるフランジスロットの幅が、注射外筒スロットの幅よりも大きい、節11~16のいずれか一節に記載の注射器。
【0141】
節18.注射外筒スロットの幅が、中央本体の側面から長手方向ボアに向かって内方に先細になる、節17に記載の注射器。
【0142】
節19.フランジスロットが、中央本体の側面から長手方向ボアに向かって先細になる、長手方向ボアの長手方向軸に対して平行に測定される高さを含む、節17又は18のいずれか一節に記載の注射器。
【0143】
節20.側面近位のフランジスロットの高さが、少なくとも約1.8mm及び/又は約3.4mm以下であり、長手方向ボア近位のフランジスロットの高さが、少なくとも約1.7mm及び/又は約3.0mm以下である、節19に記載の注射器。
【0144】
節21.係合スロットの対向する内部表面が、中央本体の側面近位の最大幅から狭幅へと収束し、次いで、長手方向ボア近位の最大幅へと分散する、節17~20のいずれか一節に記載の注射器。
【0145】
節22.フランジエクステンダが、長手方向ボアの最大直径未満である幅を画定するように、係合スロットの対向する部分から延在する対向するクリップオン構造を備え、クリップオン構造が、注射外筒との干渉に基づくスナップオン係合を提供する、節11~21のいずれか一節に記載の注射器。
【0146】
節23.フランジエクステンダが、第1の材料及び第2の材料を含み、第2の材料が、第1の材料と比べてより可撓性があり、長手方向ボア及び係合スロットのうちのいずれかの内部表面が、第2の材料を含む、節11~22のいずれか一節に記載の注射器。
【0147】
節24.把持部材の近位対向面が、第2の材料を含む、節23に記載の注射器。
【0148】
節25.注射外筒が、内部ルーメン、近位端部、遠位端部、近位端部から径方向に延在するフランジを備え、プランジャが、プランジャロッド及びプランジャヘッドを備え、プランジャロッドが、注射外筒の内部ルーメン内に少なくとも部分的に配設された遠位端部、及びプランジャヘッドに連結された近位端部を有する、節11~24のいずれか一節に記載の注射器。
【0149】
節26.プランジャヘッドが、近位対向面及び遠位対向面を備え、プランジャヘッドが、遠位対向面から遠位に延在する複数の係合構造を備える、節25に記載の注射器。
【0150】
節27.複数の係合構造が、リングを画定するようにプランジャの長手方向軸の周りに隔置及び位置決めされている、節26に記載の注射器。
【0151】
節28.複数の係合構造が、遠位対向面の外周に沿って位置決めされている、節26又は27のいずれか一節に記載の注射器。
【0152】
節29.複数の係合構造が、小凹点を備える、節26~28のいずれか一節に記載の注射器。
【0153】
節30.複数の係合構造が、突出部を備える、節26~29のいずれか一節に記載の注射器。
【0154】
節31.複数の係合構造が、プランジャの長手方向軸に対して径方向に延在するリッジを備える、節26~30のいずれか一節に記載の注射器。
【0155】
節32.複数の係合構造が、遠位平面を画定し、遠位平面の一部が、凹状である、節26~31のいずれか一節に記載の注射器。
【0156】
節33.プランジャヘッドが、第1の材料及び第2の材料を含み、第2の材料が、第1の材料と比べてより可撓性があり、複数の係合構造が、第2の材料を含む、節26~32のいずれか一節に記載の注射器。
【0157】
節34.プランジャヘッドの近位対向面が、第2の材料を含む、節33に記載の注射器。
【0158】
節35.プランジャヘッドの近位対向面が、凹状表面を備える、節25~34のいずれか一節に記載の注射器。
【0159】
節36.プランジャの長手方向軸を横断する、プランジャヘッドのプロファイルが、円形、正方形、及び矩形のうちの少なくとも1つである、節25~35のいずれか一節に記載の注射器。
【0160】
節37.節11~36のいずれか一節に記載の注射器を組み立てる方法であって、注射外筒のフランジが長手方向ボア内に位置決めされるように、係合スロットを通して、注射外筒の近位端部のフランジを挿入することと、中央本体の近位端を通して、かつ注射外筒の内部ルーメンの中へ、プランジャの遠位端部を挿入することと、を含む、方法。
【0161】
節38.係合スロットを通して、注射外筒のフランジを挿入することが、フランジスロットを備える係合スロットの一部を通して、フランジを挿入することを含む、節37に記載の注射器。
【0162】
節39.中央本体の近位端を通して、プランジャの遠位端部を挿入することが、中央本体のプランジャボアを通して、プランジャロッドを有するプランジャの一部を挿入することを含む、節37又は38のいずれか一節に記載の注射器。
【0163】
節40.注射器に連結するためのフランジエクステンダであって、フランジエクステンダが、中央本体、及び中央本体から径方向に延在する対向する把持部材を備え、中央本体が、近位端、遠位端、及び近位端と遠位端との間に延在する長手方向ボアを有し、中央本体が、本体の側面から長手方向ボア内に、及び近位端と遠位端との間に延在する係合スロットを更に備え、注射器とのフランジエクステンダの取り外し可能な連結を容易にするために、注射器の注射外筒及びフランジの内部への挿入を可能にする、フランジエクステンダ。
【0164】
節41.長手方向ボアが、フランジボア及び注射外筒ボアを備え、フランジボアが、フランジボアの直径を有し、注射外筒ボアが、フランジボアの直径よりも小さい注射外筒ボアの直径を有する、節40に記載の注射器。
【0165】
節42.プランジャボアが、中央本体の近位端を通って長手方向ボアまで延在し、そこを通るプランジャロッドの挿入を可能にする、節40又は41のいずれか一節に記載の注射器。
【0166】
節43.側開口部が、係合スロットの反対側の、本体の側面から長手方向ボア内に延在する、節40~42のいずれか一節に記載の注射器。
【0167】
節44.係合スロットが、フランジスロット及び注射外筒スロットを備え、長手方向ボアの長手方向軸に対して横断して測定されるフランジスロットの幅が、注射外筒スロットの幅よりも大きい、節40~43のいずれか一節に記載の注射器。
【0168】
節45.注射外筒スロットの幅が、中央本体の側面から注射外筒ボアに向かって内方に先細になる、節40~44のいずれか一節に記載の注射器。
【0169】
節46.フランジスロットが、中央本体の側面から長手方向ボアに向かって先細になる、長手方向ボアの長手方向軸に対して平行に測定される高さを含む、節40~45のいずれか一節に記載の注射器。
【0170】
節47.フランジエクステンダが、長手方向ボアの最大直径未満である幅を画定するように、係合スロットの対向する部分から延在する対向するクリップオン構造を備え、クリップオン構造が、注射外筒との干渉に基づくスナップオン係合を提供する、節40~46のいずれか一節に記載の注射器。
更なる考慮
【0171】
いくつかの実施形態では、本明細書における節のいずれかは、独立請求項のいずれか一項又は従属請求項のいずれか一項に依存し得る。一態様では、節のいずれか(例えば、従属節又は独立節)は、任意の他の1つ以上の節(例えば、従属節又は独立節)と組み合わせられ得る。一態様では、請求項は、節、文、句、又は段落内に引用される語(例えば、工程、操作、平均、若しくは構成要素)のいくつか又はすべてを含み得る。一態様では、請求項は、1つ以上の節、文、句、又は段落内に引用される語のいくつか又はすべてを含み得る。一態様では、節、文、句、又は段落の各々の中の語のうちのいくつかを除去することができる。一態様では、追加の語又は要素を節、文、句、又は段落に追加することができる。一態様では、本明細書で説明される構成要素、要素、機能、又は操作のいくつかを利用することなく、対象技術を実装することができる。一態様では、追加の構成要素、要素、機能、又は操作を利用して、対象技術を実装することができる。
【0172】
本開示の特徴は、ユーザが1つ以上の指の間で注射外筒104及び/又はフランジエクステンダ108を保持しながら、吸引の場合にはプランジャヘッド204の遠位対向面から、放出の場合にはプランジャヘッド204の近位対向面へとユーザの母指を移動させることによって、吸引及び放出を遂行することを可能にする。
【0173】
前述の説明は、本明細書で説明される様々な構成を当業者が実施することを可能にするために提供されている。様々な図及び構成を参照して対象技術を具体的に説明してきたが、これらは説明目的のためにすぎず、対象技術の範囲を限定するものとして考慮されるべきではないことを理解されたい。
【0174】
対象技術を実装するための他の多くの方法が存在し得る。対象技術の範囲を逸脱することなく、本明細書で説明される様々な機能及び要素を示されるものとは異なるように区分化することができる。これらの構成に対する様々な修正を当業者は容易に理解し、本明細書において定義される包括的な原理を他の構成に適用することができる。したがって、対象技術の範囲を逸脱することなく、当業者によって、対象技術に対する多くの変更及び修正を行うことができる。
【0175】
開示されるプロセスにおける工程の特定の順序又は階層は、例示的な手法の説明であることが理解される。設計の選好に基づいて、プロセスにおける工程の特定の順序又は階層を再配置することができることが理解される。工程のうちのいくつかを同時に遂行することができる。付随する方法請求項は、見本の順序で様々な工程の要素を提示し、提示される特定の順序又は階層に限定されるように意図されていない。
【0176】
本明細書で使用される場合、一連の項目の前の「のうちの少なくとも1つ」という句は、項目のうちのいずれかを分離する「及び」又は「又は」という用語と共に、列挙の各部材(すなわち、各項目)ではなく、全体として列挙を修飾する。「のうちの少なくとも1つ」という句は、列挙される各項目のうちの少なくとも1つの選択を必要とせず、むしろ、その句は、項目のうちのいずれか1つ、及び/若しくは項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、並びに/又は項目の各々のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」という句はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、若しくはCのみ;A、B、及びCの任意の組み合わせ;並びに/又はA、B、及びCの各々のうちの少なくとも1つを指す。
【0177】
本開示において使用される場合、「上部」、「底部」、「前方」、「後方」などの用語は、通常の重力の基準枠ではなく、任意の基準枠を表すものとして理解されるべきである。したがって、「上部表面」、「底部表面」、「前方表面」、及び「後方表面」は、重力の基準枠において、上方に、下方に、斜めに、又は水平に延在し得る。
【0178】
更に、「含む(include)」、「有する(have)」などの用語が説明又は特許請求の範囲で使用される限り、かかる用語は、「含む(comprise)」が、請求項内の移行語として用いられる場合に解釈されるため、「含む(comprise)」という用語と同様の様式で包括的であるように意図される。
【0179】
本明細書において「例示的な」という語は、「例、事例、又は説明として機能する」を意味するために使用される。「例示的な」ものとして本明細書で説明される任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0180】
単数形の要素に対する言及は、具体的に述べられていない限り、「1つのみ」を意味するようには意図されていないが、「1つ以上」を意味する。男性代名詞(例えば、彼)は、女性代名詞及び中性代名詞(例えば、彼女及びその)を含み、その逆も同様である。「いくつかの」という用語は、1つ以上を表す。下線及び/又はイタリック体の見出し及び小見出しは、便宜のためにのみ使用され、対象技術を限定せず、対象技術の説明の解釈に関連して参照されない。当業者に既知であるか又は後に既知になる、本開示全体を通して説明される様々な構成の要素に対するすべての構造的及び機能的等価物は、参照により本明細書に明白に組み込まれ、対象技術に包含されるように意図される。更に、本明細書に開示されるものは、かかる開示が上記の説明の中で明示的に引用されているか否かにかかわらず、公衆に提供されるようには意図されない。
【0181】
詳細な説明は多くの特定のものを含むが、これらは、対象技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、単に対象技術の異なる例及び態様を説明するものとして解釈されるべきである。対象技術の範囲は、上記で詳細に論じられていない他の実施形態を含むことが理解される。本開示の範囲を逸脱することなく、本明細書に開示される対象技術の方法及び装置の配置、操作、並びに詳細において、他の様々な修正、変更、及び改変がなされ得る。別様に表されない限り、単数形の要素に対する参照は、明示的に述べられていない限り、「1つのみ」を意味するようには意図されないが、「1つ以上」を意味するように意図される。加えて、本開示の範囲内に包含されるために、デバイス又は方法が、本開示の異なる実施形態によって解決可能であるあらゆる問題に対処する(又は達成可能であるあらゆる利点を有する)必要はない。本明細書における「できる(can)」及びその派生語の使用は、肯定的な能力とは反対に「可能な」又は「任意選択的に」の意味で理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
【外国語明細書】