(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031597
(43)【公開日】2022-02-21
(54)【発明の名称】遊技情報管理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220214BHJP
G16Y 10/65 20200101ALI20220214BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 315A
G16Y10/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020135445
(22)【出願日】2020-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】栢森 啓
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA04
2C088CA19
2C088CA27
(57)【要約】
【課題】遊技機の稼働率を向上させることが可能な遊技情報管理システムを提供すること。
【解決手段】大当たりが発生することなく予め規定された非大当たり期間が経過したときに遊技者を救済するための救済処理を実行する遊技機2が設置される遊技場の遊技情報管理システム1Sは、遊技を終了した遊技者に対して推奨する遊技機2を抽出する推奨遊技機抽出手段と、遊技者の所持する携帯端末15に対し、推奨遊技機抽出手段により抽出された推奨遊技機を通知する通知手段と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の抽選条件が成立したときに大当たり抽選を実行し、当該大当たり抽選で当選したときに大当たりを発生させるとともに、大当たりが発生することなく予め規定された非大当たり期間が経過したときに遊技者を救済するための救済処理を実行するように構成された遊技機が設置される遊技場の遊技情報管理システムにおいて、
各遊技機における前記非大当たり期間の長さを特定可能な遊技データを各遊技機の識別情報と対応付けて記憶する遊技データ記憶手段と、
遊技者が遊技を終了した時点における前記非大当たり期間の長さを特定可能な個別遊技データを当該遊技者の識別情報と対応付けて記憶する個別遊技データ記憶手段と、
遊技を終了した遊技者に対して推奨する遊技機である推奨遊技機を抽出する推奨遊技機抽出手段と、
遊技者の所持する携帯端末に対し、前記推奨遊技機抽出手段により抽出された推奨遊技機を通知する通知手段と、を備え、
前記推奨遊技機抽出手段は、前記推奨遊技機を抽出する際に、前記個別遊技データ記憶手段により記憶されている当該遊技者の個別遊技データ、及び前記遊技データ記憶手段により記憶されている各遊技機の遊技データに基づいて、当該遊技者が遊技を終了した時点における非大当たり期間よりも長い非大当たり期間の遊技機を抽出することを特徴とする遊技情報管理システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、前記通知手段から通知された推奨遊技機の情報を表示するときに、当該推奨遊技機の非大当たり期間の長さと、遊技者が遊技を終了した時点における非大当たり期間の長さと、を比較可能な情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技情報管理システム。
【請求項3】
前記遊技データ記憶手段は、前記非大当たり期間の長さを特定可能な遊技データとして、前記大当たり抽選の実行回数を記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技情報管理システム。
【請求項4】
前記通知手段により推奨遊技機を通知した遊技者のうち、実際に当該推奨遊技機で遊技を開始した遊技者の割合を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された割合を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の遊技情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば下記の特許文献1のように、遊技者の要望を確認した上でおすすめ遊技機の情報を提供する遊技システムが知られている。このような遊技システムにより、遊技者の望む遊技機を推奨することが可能となり、遊技機の稼動率を向上させる効果が見込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の遊技システムでは、推奨した遊技機で実際に遊技した結果が必ずしも良い結果になるとは限らないため、遊技結果が芳しくなかった場合に遊技者の反感を買ってしまうという問題があり、推奨すべき遊技機を適切に抽出することが難しいという事情がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、遊技者に推奨する遊技機を適切に抽出することによって、遊技機の稼動率を向上させることが可能な遊技情報管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技情報管理システムは、大当たりが発生することなく予め規定された非大当たり期間が経過したときに遊技者を救済するための救済処理を実行するように構成された遊技機が設置される遊技場向けのシステムである。
【0007】
本発明の遊技情報管理システムは、遊技を終了した遊技者に対して推奨遊技機を抽出する推奨遊技機抽出手段と、遊技者の所持する携帯端末に対して推奨遊技機を通知する通知手段と、を備えている。また、この遊技情報管理システムでは、各遊技機における非大当たり期間の長さを特定可能な遊技データ、及び遊技者が遊技を終了した時点における非大当たり期間の長さを特定可能な個別遊技データが記憶されている。
【0008】
上記の推奨遊技機抽出手段は、遊技を終了した遊技者が遊技を終了した時点の非大当たり期間の長さを特定可能な個別遊技データ、及び各遊技機における非大当たり期間の長さを特定可能な遊技データに基づいて、推奨遊技機を抽出する。具体的には、この推奨遊技機抽出手段は、遊技者が遊技を終了した時点における非大当たり期間に対して、より長い非大当たり期間の遊技機を推奨遊技機として抽出する。
【0009】
本発明の遊技情報管理システムでは、遊技者が直近に遊技を終了したときの非大当たり期間よりも長い非大当たり期間の遊技機が推奨遊技機として抽出され、遊技者が所持する携帯端末に対して通知される。遊技を終了した遊技者が推奨遊技機で遊技を行えば、救済処理が実行されるまでの期間が確実に短縮されるため、推奨遊技機に対する遊技者の満足度が高まり、ひいては遊技機の稼動率を向上させる効果が期待できる。
【0010】
このように、本発明の遊技情報管理システムは、遊技者に推奨する遊技機を適切に抽出することによって、遊技機の稼動率を向上させることが可能な優れた特性のシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】遊技情報管理システムの構成を示すシステム図。
【
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【
図4】パチンコ遊技機が実行する特図抽選の当選確率を例示する図。
【
図5】パチンコ遊技機における大当たり当選時のラウンド振分率を例示する図。
【
図8】遊技情報表示装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図9】管理サーバ装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図10】管理サーバ装置が記憶する各遊技機の遊技データを例示する図。
【
図11】管理サーバ装置が記憶するマイデータリストを例示する図。
【
図12】管理サーバ装置が記憶する推奨遊技機PUSH通知履歴リストを例示する図。
【
図13】遊技情報表示装置による記録開始操作画面を例示する正面図。
【
図14】携帯端末を用いたマイデータの「記録開始」操作の説明図。
【
図15】遊技情報表示装置による記録開始画面を例示する正面図。
【
図16】遊技情報表示装置によるデータ画面を例示する正面図。
【
図17】遊技情報表示装置による記録終了操作画面を例示する正面図。
【
図18】携帯端末を用いたマイデータの「記録終了」操作の説明図。
【
図19】遊技情報表示装置による記録終了画面を例示する正面図。
【
図20】携帯端末による指定台詳細データ画面を例示する正面図。
【
図21】携帯端末による個人データ履歴画面を例示する正面図。
【
図22】携帯端末による個人データ集計画面を例示する正面図。
【
図23】携帯端末による推奨遊技機PUSH通知画面を例示する正面図。
【
図24】管理サーバ装置による推奨遊技機PUSH通知履歴リストの生成手順を示すフロー図。
【
図25】管理装置による推奨遊技機PUSH通知結果画面の表示動作の流れを示すフロー図。
【
図26】管理装置による推奨遊技機PUSH通知結果画面を例示する正面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技機2が設置された遊技場において遊技を終了した遊技者に対し、他の遊技機2(推奨遊技機)を推奨することが可能な遊技情報管理システム1Sに関する例である。この遊技情報管理システム1Sは、遊技機2を遊技者に推奨することで、遊技を終了しようとする遊技者を引き留めて遊技を継続させ、稼動率の向上を図ることが出来る有用なシステムである。この内容について、
図1~
図26を用いて説明する。
【0013】
図1のごとく、遊技情報管理システム1Sは、遊技機2が設置される遊技場の場内システム700、及び、公衆通信回線であるインターネットを介して場内システム700と通信可能に接続された外部の管理サーバ装置400、などを含むシステムである。この遊技情報管理システム1Sでは、遊技者が自身の携帯端末15をインターネットに接続することで、管理サーバ装置400から推奨遊技機の通知を受けることができる。
【0014】
遊技情報管理システム1Sでは、携帯端末15向けのアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションという。)を管理サーバ装置400からダウンロード可能である。遊技者は、このアプリケーションを利用するためのアプリ会員登録を行うことで、後述する推奨遊技機PUSH通知サービスなどの各種サービスを利用できる。なお、アプリ会員登録の際、携帯端末15の端末IDが管理サーバ装置400にアップロードされ、遊技者を特定可能な識別情報であるアプリ会員IDとして利用される。
【0015】
遊技場では、パチンコ遊技機21やスロットマシン22等の遊技機2に対して、玉やメダル等の遊技価値を貸し出す貸出装置4、及び遊技情報表示装置3等が個別に設置されている。さらに、2台の遊技機2毎に、中継装置29が1台ずつ設置されている。遊技場内の管理スペースには、遊技場内の各種機器の稼動状況を集中的に管理するための管理装置200が設置されている。また、遊技場内の図示しない景品交換カウンタには、獲得玉を計数する計数機(図示略)や、獲得玉を景品に交換するPOS端末(図示略)が設置されている。
【0016】
遊技場では、遊技場内の各種機器が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク800が構築されている。遊技機2は、対応する遊技情報表示装置3及び貸出装置4と共に、場内システム700を構成する場内ネットワーク800に中継装置29を介して接続されている。場内ネットワーク800では、遊技情報表示装置3等の周辺装置を含めた遊技機2側と、管理装置200と、の間の各種の通信が中継装置29を介して実現されている。
【0017】
管理装置200は、場内ネットワーク800に接続されているほか、公衆通信回線であるインターネットにも接続されている。遊技情報管理システム1Sでは、インターネットに接続された管理装置200を介して、場内システム700と場外の管理サーバ装置400とが通信可能な状態で接続されている。
【0018】
次に、遊技機2の構成及び基本動作を説明すると共に、遊技情報管理システム1Sを構成する、遊技情報表示装置3、管理装置200、携帯端末15、及び管理サーバ装置400について順番に説明する。その後、遊技情報管理システム1Sの動作について説明する。
【0019】
(遊技機の構成及び基本動作)
図1のごとく、遊技機2には、大きく分類して、パチンコ遊技機21とスロットマシン22とがある。本例では、パチンコ遊技機21を例示する。
パチンコ遊技機21は、玉を遊技媒体として遊技される遊技機である。このパチンコ遊技機21は、始動口への入賞に応じて大当たり抽選が実行され、当選に応じて所定の大当たり条件が成立すると大当たり状態(大当たり)が発生する、いわゆるセブン機である。このパチンコ遊技機21では、非大当たり期間が長期化したときに遊技者を救済する、いわゆる天井が設定されている。天井に到達すると救済処理が実行され、通常状態から時短状態への移行により遊技者が救済される。なお、例示のパチンコ遊技機21では、非大当たり期間の長さを表す大当たり間スタート800回が天井として設定されている。以下、大当たり間スタート800回を天井スタートという。
【0020】
図2に例示のパチンコ遊技機21(以下、遊技機21という。)は、玉が打ち込まれる略円形状の遊技領域130を有している。遊技領域130の上部両側には装飾ランプ部136が配置され、遊技領域130の下部両側には一対のスピーカ131が配置されている。遊技領域130の下方には、上皿150及び下皿137が上下2段で設けられている。遊技者側から向かって下皿137の右側には、遊技領域130に玉を打ち込むための操作ハンドル135が立設されている。
【0021】
遊技領域130においては、液晶表示部190を含む表示装置19を中心として、第1及び第2始動口11、12、通過ゲート14、開閉式の大入賞口160等が配置されている。遊技領域130の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔138が開口している。遊技領域130の左側の外周部には、7セグメントの表示器である特
図1表示部181、特
図2表示部182、及び普図表示部183が、外縁に沿って配置されている。
【0022】
通過ゲート14は、通過玉を検知するゲートであり、遊技者側から見て表示装置19の左側の領域に配置されている。玉を通過させるのみの通過ゲート14には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート14が通過玉を検知すると、普通図柄の抽選(以下、普図抽選という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図抽選が実行される。この普図抽選の当否は、上記の普図表示部183により表示される。
【0023】
第1始動口11は、第1の特別図柄の抽選(以下、第1特図抽選という。)の契機となる始動口である。第2始動口12は、第2の特別図柄の抽選(以下、第2特図抽選という。)の契機となる始動口である。なお、第1特図抽選及び第2特図抽選の当否は、特
図1表示部181あるいは特
図2表示部182により表示される。
【0024】
第1始動口11は、表示装置19の直下に配置され、入賞率が変動しない、いわゆるへそタイプの始動口である。
第2始動口12は、第1始動口11の直下に配置された電チュータイプの始動口である。第2始動口12の開口部120には、一対の可動羽根が回動して第2始動口12への入賞を可能とする電動チューリップ121が取り付けられている。この電動チューリップ121は、普図抽選の当選(普図当選)に応じて動作し、第2始動口12を開放する。なお、第2始動口11の開放時間は、遊技状態によって異なっている。確変状態及び時短状態では、3秒である一方、通常状態では、0.2秒である。
【0025】
大入賞装置16は、大入賞口160を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。このアタッカー16は、第2始動口12の下側に配置されている。アタッカー16は、横長矩形状の大入賞口160と、下開きで回動してこの大入賞口160を開閉する蓋部材161と、を有している。アタッカー16では、通常、蓋部材161が遊技領域130をなす盤面と略面一をなしており、大入賞口160が閉鎖されている。蓋部材161が手前に回動したときに大入賞口160が開放状態となる。なお、大入賞口160に入賞したときの払出は15個となっている。
【0026】
アタッカー16は、第1特図抽選または第2特図抽選での大当たりを契機として大当たり状態(15R大当たり状態、8R大当たり状態)が発生すると開放状態になる。大当たり状態では、30秒経過あるいは10個入賞するまでアタッカー16が開放されるラウンド処理が繰り返し実行される。15R大当たり状態では、ラウンド遊技が15回繰り返され、8R大当たり状態では、ラウンド遊技が8回繰り返される。
【0027】
表示装置19は、
図2のごとく、略中央に液晶表示部(演出表示部)190が配置された装置である。液晶表示部190は、遊技を演出するための各種の画面を表示したり、遊技に関する情報を表示する。上記の第1特図抽選及び第2特図抽選(適宜、特図抽選という。)の当否は、特
図1表示部181あるいは特
図2表示部182で表示されるほか、液晶表示部190による演出用の図柄変動表示によって遊技者に解り易く表示される。なお、時短状態(確変状態)では、この図柄変動時間が短くなり、単位時間当たりの特図抽選の実行回数が多くなる。
【0028】
次に、遊技機21の電気的な構成について、
図3を用いて説明する。遊技機21は、主制御部20を中心として構成されている。主制御部20に対しては、上記の構成のほか、玉を払い出す払出機構部339を制御する払出制御部33、玉を打ち込む発射装置349を制御する発射制御部34、入賞玉あるいは通過玉の検出センサ311~314、第2始動口12を開放する特
図2ソレノイド322、アタッカー16を開放させる大入賞口ソレノイド324、遊技演出を制御する演出制御部35、及び各種の遊技信号を外部出力する信号出力部284等が電気的に接続されている。さらに、主制御部20には、電力を供給するための電源回路部328が接続されている。
【0029】
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、
図3のごとく、第1始動口11(
図2参照)への入賞玉を検出する特
図1入賞センサ311、第2始動口12への入賞玉を検出する特
図2入賞センサ312、通過ゲート14の通過玉を検出する普図始動センサ313、及び大入賞口160への入賞玉を検出する大入賞センサ314等がある。
【0030】
演出制御部35は、遊技演出動作を制御するための副制御部としての機能を有し、主制御部20と同様、図示しないCPU、ROM、RAM等を含んで構成されている。演出制御部35には、スピーカ131を駆動するアンプ351や装飾ランプ部136が電気的に接続されているほか、液晶表示部190の表示画面を制御する表示制御部36が通信可能に接続されている。演出制御部35のROMは、CPUに実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、特図抽選の当否を報知するための報知演出の種類を決定するための演出抽選用の抽選テーブルを記憶している。
【0031】
主制御部20は、
図3に示すごとく、CPU(Central Processing Unit)201、記憶素子であるROM(Read Only Memory)202・RAM(Random Access Memory)204、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部207、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部206、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)205等を備えている。ROM202は、CPU201に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、第1特図抽選及び第2特図抽選に共用される抽選テーブル(以下、特図抽選用の抽選テーブルという。)と、普図抽選用の抽選テーブルと、を記憶している。
【0032】
普図抽選用の抽選テーブルは、普図抽選の当選乱数が規定された抽選テーブルである。普図抽選用の抽選テーブルとしては、通常状態下の普図抽選に適用する抽選テーブルと、時短状態(確変状態を含む)下の普図抽選に適用する抽選テーブルと、の2種類が用意されている。
【0033】
特図抽選用の抽選テーブルは、特図抽選の当選乱数として大当たり及び時短の当選乱数が規定された抽選テーブルである。つまり、本例の特図抽選は、大当たり抽選に加えて、時短抽選を実行可能である。特図抽選用の抽選テーブルとしては、通常状態、時短状態、及び確変状態それぞれの遊技状態に応じた3種類の抽選テーブルが用意されている。第1特図抽選および第2特図抽選時には、遊技状態の種類に応じていずれかの抽選テーブルが選択される。
【0034】
図4のごとく、本例の遊技機21では、第1特図抽選及び第2特図抽選により、大当たり及び時短が当選する可能性がある。同図のごとく、通常状態及び時短状態下の第1特図抽選及び第2特図抽選による大当たりの当選確率は1/299である一方、確変状態では大当たりの当選確率が1/29.9と、格段に高くなる。このように確変状態は、通常状態及び時短状態と比べて大当たりの期待度が格段に高くなり、非常に有利である。
【0035】
一方、時短状態については、大当たりの当選確率が通常状態と全く変わりがない。しかし、上記のごとく時短状態では、図柄変動時間が短くなると共に、普図当選に応じた第2始動口12の開放時間が長くなる。それ故、時短状態では、第2始動口12への入賞が多くなって出玉率が高くなり得ると共に、第2始動口12への入賞に応じた第2特図抽選の実行回数が多くなって大当たりの期待度が高くなるので、通常状態と比べて遊技者側に有利になる。
【0036】
また、
図4のごとく、第1特図抽選及び第2特図抽選では、通常状態のみで時短当選の可能性が設定されており、その当選確率は1/200となっている。通常状態において時短当選が発生すれば、上記のように通常状態よりも有利な時短状態に移行できる。なお、当然ながら、時短状態自体および時短状態を伴う確変状態における時短当選確率はゼロである。
【0037】
図4を参照して上記した通り、第1特図抽選と第2特図抽選とでは、大当たりの当選確率が全く同じになっている。一方、第1特図抽選と第2特図抽選とでは、
図5の通り、大当たり当選時に15R大当たり状態が発生するか、8R大当たり状態が発生するか、の割合であるラウンド振分率が相違し、遊技者側の有利度合いが異なっている。第1特図抽選による大当たりの際の15R振分率は30%であり、8R振分率は70%である。一方、第2特図抽選においては、大当たり当選時の15R振分率が70%(8R振分率30%)となっている。大当たりに応じて15R大当たり状態に振り分けられる確率が高い点で、第2特図抽選の方が第1特図抽選よりも有利である。
【0038】
RAM204は、
図3のごとく、CPU201のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM204の記憶エリアには、特図抽選用の抽選用乱数である保留乱数(特図保留)の記憶領域や、普図抽選の保留乱数(普図保留)の記憶領域が設けられている。なお、特図保留としては、第1始動口11への入賞に応じた第1特図保留と、第2始動口12への入賞に応じた第2特図保留と、がある。なお、各保留の上限保留数はいずれも4個である。
【0039】
主制御部20は、ROM202から読み出したプログラムをCPU201に実行させることにより、以下の(1)及び(2)の各手段としての機能を実現する。また、演出制御部35は、同様に、以下の(3)の手段としての機能を実現する。
(1)抽選手段:大当たり抽選の一例をなす特図抽選や、普図抽選を実行する手段。
(2)大当たり状態発生手段:大当たり抽選(特図抽選)の当否に応じて、大当たり状態(15R、8R)を発生させる手段。
(3)演出抽選手段:特図抽選の当否の報知演出の種類を決定するための演出抽選を実行する手段。
【0040】
遊技機21は、遊技の進行に伴う稼動情報として、信号出力部284から以下の遊技信号を外部出力する。遊技信号は、中継装置29経由で遊技情報表示装置3及び管理装置200に入力される。
(1)アウト信号:消費玉を回収するアウトBOX(図示略)から出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して11パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定できる。なお、遊技機21から出力される信号でも良い。
(2)セーフ信号:遊技機21から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定できる。なお、玉の補給装置(図示略)から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
(3)スタート信号:始動入賞(S入賞)により作動する液晶表示部190(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動)、及びスタート(スタート回数、図柄変動回数)を特定可能な信号であって、遊技機21から出力される。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じてスタート処理を特定できる。なお、始動口11、12へ入賞したことを示すS入賞信号により代用しても良い。なお、遊技機21では、大当たり抽選に応じて図柄変動がスタートする。本例の説明において、スタート、図柄変動、及び大当たり抽選は同様の意味合いとして用いられる。
(4)大当たり信号:遊技機21から出力される大当たり期間を特定可能な信号。大当たり状態中にレベル出力される状態信号なので大当たり信号出力中を大当たり状態中として特定できる。
(5)特別状態信号:遊技機21から出力される甘中を特定可能な信号。甘中は、時短状態あるいは確変状態である遊技状態である。特別状態信号は、第2始動口12の入賞率が向上する特別状態中(時短中(確変時を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号の出力中を甘中(特別状態中)として特定できる。また、大当たり信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定可能である。
【0041】
次に、以上のような構成の遊技機21の基本動作について、遊技の流れに沿って説明する。
遊技機21は、操作ハンドル135が右回転方向に操作されたとき、その操作量に応じた強度で玉を発射する。発射された玉は、通過ゲート14などが配置された遊技領域130を流下する。入賞しなかった玉は、遊技領域130の最下部に設けられたアウト孔138から回収される。
【0042】
玉が流下する間に通過ゲート14を通過した場合には、乱数発生部27が発生する乱数の中から普図抽選用の抽選用乱数を抽出する抽選が実行される。抽選用乱数は、普図抽選用の抽選テーブルと照合され、普図抽選の当否が決定される。普図抽選に当選すると、電動チューリップ121が解放状態となり、第2始動口12への入賞が可能となる。なお、電動チューリップ121の開放時間は、通常状態で0.2秒、時短状態及び確変状態で3秒である。
【0043】
第1(第2)始動口11(12)への玉の入賞という所定の始動条件が成立した場合には、主制御部20は、特図抽選用の抽選用乱数を抽出することで第1(第2)特図抽選を実行する。第1(第2)特図抽選用の抽選用乱数は、第1(第2)特図保留として一旦、RAM204の記憶領域に格納される。ただし、第1(第2)特図保留の保留数が4個である場合には、新たな第1(第2)特図保留は記憶されることなく消去される。
【0044】
なお、特図保留数は、
図6(a)に例示する液晶表示部190の表示画面の通り、右下隅部の特図保留表示エリア195にて表示される。この特図保留表示エリア195では、第1特図保留の保留数と第2特図保留の保留数とが2桁の数字のように並べて表示される。上位桁の数字195Lが第1特図保留の保留数を表し、下位桁の数字195Rが第2特図保留の保留数を表している。
【0045】
主制御部20は、特図報知エリア191での図柄変動が停止しており、かつ、大当たり状態の発生中ではないとき、第1特図保留あるいは第2特図保留を読み出し、特図抽選の当否を表す報知演出としての図柄変動を実行する。このとき、主制御部20は、第1特図保留によりも第2特図保留を優先して読み出す。それ故、第1特図保留は、第2特図保留がゼロのときのみ読み出される。
【0046】
主制御部20は、発生中の遊技状態に対応する特図抽選用の抽選テーブルを選択し、読み出した特図保留(特図抽選の抽選用乱数)を照合することにより特図抽選を実行する。なお、演出制御部35では、特図保留を利用して上記の演出抽選が実行される。この演出抽選により、リーチ演出を含む報知演出の種類や図柄変動時間等が決定される。
【0047】
特図抽選の当否は、第1特図表示部181または第2特図表示部182に表示されるほか、液晶表示部190の特図報知エリア191(
図6(a))においても解りやすく報知される。特図報知エリア191では、演出用の3つの数字図柄の変動表示を経て、停止表示された3桁の数字図柄の組み合わせによって特図抽選の結果が報知される。
【0048】
特図報知エリア191では、3桁の演出用のアラビア数字による数字図柄の組み合わせに応じて特図抽選結果が報知される。3桁のゾロ目が大当たりを報知する大当たり図柄である。さらに、大当たり図柄のうち、「333」、「777」など奇数図柄の組み合わせが15R大当たりの報知図柄となっており、「222」、「444」など偶数図柄の組み合わせが8R大当たりの報知図柄となっている。なお、特図報知エリア191における時短の当選図柄は、遊技者側から見て時短当選を直ちに認識できるものであっても良いが、認識できないものであっても良い。
【0049】
大当たりが15R大当たりであれば、上記のラウンド処理が15回繰り返し実行される15R大当たり状態が発生する。そして、15R大当たり状態が終了すると、大当たり抽選の当選確率が高くなる確変状態が、スタート(図柄変動)100回に亘って発生する。確変状態下では、
図6(b)の表示画面が液晶表示部190に表示される。この表示画面では、確変状態の実行中である旨を示す「確変中!」の文字が上部の遊技状態表示エリア197に表示され、左下の隅部の残りスタート表示エリア193には、確変状態での残りスタート(残りのスタート回数、残りの図柄変動回数)が表示される。残りスタートの表示があれば、確変状態の残り期間を遊技者が認識できる。
【0050】
大当たりが8R大当たりであった場合には、上記のラウンド処理が8回繰り返し実行される8R大当たり状態が発生する。そして、8R大当たり状態が終了すると、スタート50回に亘る時短状態に移行する。この時短状態下では、
図6(c)の表示画面が液晶表示部190に表示される。この表示画面では、遊技状態表示エリア197に「時短中!」の文字が表示されると共に、左下側の残りスタート表示エリア193に図柄変動の残りの回数が表示される。
【0051】
なお、大当たり状態が終了した後の確変状態あるいは時短状態の残りスタートがゼロに到達するまでの間に大当たりが再度発生すれば、大当たり状態が連続的に発生して連荘となる。一方、残りスタートがゼロに到達するまでの間に大当たりが発生しなければ、残り回数ゼロへの到達に応じて確変状態あるいは時短状態が終了して通常状態に戻る。
【0052】
なお、本例の遊技機21では、確変に伴って発生する時短状態や8R大当たり状態後の時短状態のほかに、通常状態下での時短当選や上記の救済処理(いわゆる天井)によって時短状態が発生する場合がある。時短当選による時短状態の継続期間は、スタート100回に亘る期間である。大当たり間スタート800回の天井で実行される救済処理による時短状態の継続期間は、スタート300回に亘る期間であり、この時短状態は、最長で大当たり間スタートが1100回に達するまで継続する。なお、時短当選および救済処理による時短状態においても、
図6(c)の表示画面が液晶表示部190に表示される。
【0053】
(遊技情報表示装置)
図1及び
図7の遊技情報表示装置3は、各遊技機21にそれぞれ対応して設けられ、対応する遊技機21の遊技信号を中継装置29経由で受信して各種の遊技データを作成し、表示することが可能な装置である。
【0054】
遊技情報表示装置3は、大型の液晶ディスプレイよりなる液晶表示部33を備えている。液晶表示部33の画面330の下側には、呼出ボタン341、NFC(Near Field Communication)リーダ345(
図8参照。)のデータ読取面345S、及びメニューボタン347等が配置され、上半分を取り囲むようにランプ部32が配設されている。液晶表示部33は、タッチパネル331が積層されたタッチ操作可能な表示部である。液晶表示部33の画面330には、遊技機21の遊技データや遊技者のマイデータ(個別遊技データ)等、各種のデータが表示される。
【0055】
遊技情報表示装置3は、
図8のごとく、制御部30を中心として電気的に構成されている。制御部30は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU301、メモリ手段としてのROM302・RAM304、信号の入出力を行うI/O部305を含んでいる。制御部30に対しては、外部と信号の送受信を実行する送受信部308、液晶表示部33、従業員の呼出機能を有するランプ部32、タッチパネル331、呼出ボタン341、NFCリーダ345、及びメニューボタン347等が電気的に接続されている。NFCリーダ345は、NFC機能を備える携帯端末15との間でデータ通信を実行し、携帯端末15の識別情報である端末ID等の情報を読み取るデータリーダである。
【0056】
例えば、遊技機21に付設された遊技情報表示装置3が中継装置29を経由して遊技機21側から取り込む遊技信号としては、(1)アウト信号、(2)セーフ信号、(3)スタート信号、(4)大当たり信号、及び(5)特別状態信号等がある。
【0057】
遊技情報表示装置3は、遊技機21側から取り込んだ遊技信号について取込回数を集計等することで例えば以下の遊技データを生成する。
(1)大当たり回数:通常状態、及び通常状態における時短当選や救済処理による時短状態での大当たり状態の発生回数(初当たり回数)、並びに8R大当たり状態後や確変に伴う甘中での大当たり状態の発生回数(連荘回数)。
(2)大当たり間スタート:直前の大当たり状態が終了してからのスタート回数。
(3)本日累計スタート:当日、開店後の累計のスタート回数。
(4)差玉:遊技者側から見た収支。セーフ信号を受信する毎に10個ずつ加算されるセーフから、アウト信号を受信する毎に10個ずつ加算されるアウトを差し引いて差玉が演算される。
(5)時短回数:当日、時短状態となった回数(通常状態における時短当選や救済処理による時短状態を含む)。
【0058】
遊技情報表示装置3は、遊技機21の遊技データを画面330に表示可能である。
図7の例では、向かって左側の上から順番に、本日、前日(1日前)、前々日(2日前)の初当たり回数の表示欄361、大当たりの内訳の表示欄363、本日の累計スタートの表示欄365が配置されている。画面の中央には、例えば、本日、前日、前々日の大当たり回数を表示するメイン表示欄371が配置され、その下側には、過去の最高差玉の表示欄372、大当たり間スタートを棒グラフで表すグラフ表示欄373が配置されている。
【0059】
遊技情報表示装置3は、以下の各手段としての機能を備えている。下記(1)、(2)の手段としての機能は、ROM302等から読み出したプログラムをCPU301が実行することにより制御部30によって実現される。(3)の手段としての機能は液晶表示部33によって実現される。(4)の手段としての機能は送受信部308によって実現される。
【0060】
(1)遊技データ集計手段:対応する遊技機21の稼動を表す遊技データを集計する手段。遊技データ集計手段は、中継装置29経由で遊技機21から受信した遊技信号の受信回数をカウント等することで各種の遊技データを集計する。
(2)マイデータ集計手段:遊技者の個別遊技データであるマイデータを集計する手段。マイデータ集計手段は、遊技者による「記録開始」操作(
図14を用いて後述)が行われてから「記録終了」操作(
図18を用いて後述)が行われるまでのマイデータ集計期間における個別遊技データを、その遊技者のマイデータとして集計する。マイデータは、例えば、大当たり間スタート、大当たり回数、時短回数、アウト、セーフ等により構成される。
(3)遊技情報表示手段:遊技データ集計手段による遊技データやマイデータ集計手段によるマイデータ等、各種の遊技データを表示する手段。
(4)マイデータ送信手段:管理装置200経由で、管理サーバ装置400にマイデータを送信する手段。マイデータ送信手段は、遊技者の識別情報としての端末IDを対応付けた状態でマイデータを送信する。
【0061】
(管理装置)
管理装置200は、各遊技場に設置され、遊技場内に設置されるすべての機器(遊技機21、貸出装置4、及び遊技情報表示装置3等)の稼動状況を集中的に管理するための装置である。
【0062】
管理装置200は、液晶ディスプレイ等のPCモニタや図示しないプリンタ等の出力手段、各種の演算処理を実行する装置本体、及びキーボード及び図示しないマウス等の入力手段等を含めて構成された装置である。装置本体は、各種信号あるいは情報を送受信する通信手段やハードディスクドライブなどの記憶手段などを有している。
【0063】
管理装置200は、例えば以下の(1)~(7)の手段としての機能を実現する。
(1)遊技データ集計手段:各遊技機21の遊技データを集計する手段。遊技データ集計手段は、遊技情報表示装置3と同様に、各遊技機21から受信した遊技信号の受信回数をカウント等することで各種の遊技データを集計する。
(2)稼動判定手段:各遊技機21について、稼動状態にあるか空き状態かを判定する手段。稼動判定手段は、遊技機21から一定時間アウト信号が出力されない場合、その遊技機21が空き状態であると判定する。
(3)遊技データ記憶手段:各遊技機21及び遊技者毎の遊技データを記憶する手段。各遊技機21及び遊技者毎の遊技データは、遊技機21の識別情報である台番を対応付けた状態で記憶される。遊技者毎の遊技データであるマイデータには、台番に加えて、遊技者の識別情報としての端末IDが対応付けられる。また、各遊技機21の遊技データには、稼動状態か空き状態かを表す稼動フラグが含まれている。
(4)遊技データ送信手段:各遊技機21の遊技データ及び遊技者毎のマイデータ等の遊技データを管理サーバ装置400に送信する手段。遊技データ送信手段は、遊技場IDを対応付けて、例えば1分毎に定期的に遊技データを送信する。
(5)通知結果受信手段:後述する通知結果送信手段の一例である管理サーバ装置400から推奨遊技機の通知結果を受信する手段。
(6)算出手段:推奨遊技機の通知(推奨遊技機PUSH通知)を受けた遊技者のうち、実際にその推奨遊技機で遊技を開始した遊技者の割合である遊技継続割合を算出する手段。算出手段は、通知結果受信手段が受信した通知結果に基づいて、遊技継続割合を算出する。
(7)出力手段:算出手段により算出された遊技継続割合を出力する手段。
【0064】
(携帯端末)
図1の携帯端末15は、例えばタッチパネルディスプレイの表示画面15Dを備えたスマートフォン(多機能型携帯電話)等の遊技者が所持する通信端末である。携帯端末15は、インターネット等の公衆通信回線との接続機能を有するほか、遊技情報表示装置3とのデータ通信を実現するNFC機能等を備えている。
【0065】
携帯端末15は、管理サーバ装置400からダウンロードした専用のアプリケーションを実行等することで、少なくとも以下の各手段としての機能を実現できる。
(1)ウェブページ表示手段:管理サーバ装置400がインターネット上で提供するウェブサイトにアクセスしてウェブ画面を表示し閲覧させる手段。
(2)通知受信手段:管理サーバ装置400からの通知を受信する手段。通知としては、例えば、後述する推奨遊技機PUSH通知等がある。
【0066】
(管理サーバ装置)
図1の管理サーバ装置400は、遊技場とは異なる第三者、例えば遊技情報提供サービスの運営会社等が管理するコンピュータ装置である。管理サーバ装置400は、上記のごとく遊技場に設けられた管理装置200とインターネット等の公衆通信回線を介して通信可能に接続されている。
【0067】
管理サーバ装置400は、インターネット上でウェブサイトを提供している。専用のアプリケーションがインストールされた携帯端末15によれば、管理サーバ装置400のウェブサイトにアクセスでき、各種の情報(
図20~
図22を参照して後述する。)を閲覧可能である。さらに、管理サーバ装置100は、アプリケーションがインストールされた携帯端末15に対して、PUSH通知を送信可能である。PUSH通知としては、例えば
図23を参照して後述する推奨遊技機PUSH通知などがある。
【0068】
図9のごとく、管理サーバ装置400は、液晶ディスプレイ等のPCモニタや図示しないプリンタ等を含む出力部411と、各種の演算処理を実行する装置本体410と、キーボード及び図示しないマウス等を含む入力部412と、ハードディスクドライブ415と、各種信号あるいは情報を送受信する通信I/F部413とを備えている。装置本体410は、演算処理を実行するCPU421を中心とした制御機能、並びにROM422、RAM423、及びハードディスクドライブ415等を利用する記憶機能等を有している。なお、
図1では、装置本体410のみを図示し、他の構成の図示を省略している。
【0069】
管理サーバ装置400は、以下の(1)~(10)の各手段としての機能を実現する。(1)遊技データ受信手段:データ送信手段の一例である管理装置200から各遊技機21の遊技データ及び遊技者毎のマイデータ等を受信する手段。
(2)配信手段:遊技情報管理システム1Sのサービスを提供するためのアプリケーションを携帯端末15に配信する手段。
(3)アプリ会員情報記憶手段:アプリケーションの利用登録(アプリ会員登録)を済ませたアプリ会員に関するアプリ会員情報を記憶する手段。アプリ会員情報は、遊技者の個人情報等に対して、アプリ会員IDとして利用される端末IDを対応付けた情報である。
(4)遊技データ記憶手段:各遊技機21の遊技データを、遊技場毎に記憶する手段。遊技データ記憶手段は、遊技機21の台番を対応付けた状態で、各遊技機21の遊技データを記憶する。遊技データ記憶手段が遊技場毎に記憶する各遊技機21の遊技データの内容については、
図10を参照して後述する。
(5)個別遊技データ記憶手段:遊技者毎のマイデータ(個別遊技データ)を、その遊技者の識別情報の一例である端末ID(アプリ会員ID)と対応付けて記憶する手段。遊技者毎のマイデータについては、
図11のマイデータリストを参照して後述する。
(6)データ提示手段:ウェブサイトにアクセスした携帯端末15が表示するウェブ画面上で、各種の遊技データを閲覧可能に提示する手段。データ提示手段は、ウェブ画面上の遊技者の操作に応じて、遊技者毎のマイデータや、各遊技機21の遊技データ等を、ウェブ画面上で表示する。
(7)推奨遊技機抽出手段:遊技を終了した遊技者に対して推奨する遊技機21(推奨遊技機)を抽出する手段。
(8)通知手段:遊技者が所持する携帯端末15に対して、推奨遊技機抽出手段により抽出された推奨遊技機を通知する手段。通知手段は、例えば後述する推奨遊技機PUSH通知により推奨遊技機を通知する。
(9)通知履歴記憶手段:推奨遊技機PUSH通知の実行履歴を、遊技場毎に記憶する手段。推奨遊技機PUSH通知履歴の内容については、
図12の推奨遊技機PUSH通知履歴リストを参照して後述する。
(10)スペック情報記憶手段:各遊技場に設置された遊技機21の機種のスペック情報を記憶する手段。スペック情報には、救済処理が実行される大当たり間スタートである天井スタートが含まれている。なお、本例で例示する遊技機21の天井スタートは800回である。
【0070】
次に、遊技情報管理システム1Sにおいて、各種のサービスを提供するために管理されているデータについて説明する。遊技情報管理システム1Sを構成する管理サーバ装置400が記憶する(1)各遊技機の遊技データ、(2)マイデータリスト、(3)推奨遊技機PUSH通知履歴リスト、について、
図10~
図12を参照して説明する。
【0071】
(1)各遊技機の遊技データ
管理サーバ装置400は、
図10のごとく、各遊技機21の稼動を表す遊技データを、遊技場毎に記憶し管理している。同図は、同一機種の台番「231」~「255」の各遊技機21の累計の遊技データである。各遊技機21の遊技データには、それぞれ、遊技機21の識別情報である台番が対応付けられている。
【0072】
遊技データには、累計スタート、アウト、セーフ、大当たり回数(15R、8R)、時短当選および救済処理による時短回数、大当たり間スタート等が含まれる。大当たり間スタートは、非大当たり期間の長さを特定可能な遊技データの一例である。さらに、遊技データには、各遊技機21が稼動中か否かを示す稼動フラグが含まれている。遊技機21が稼動中であれば稼動フラグのフラグ値は「1」となり、空き状態であれば「0」となる。同図の例では、台番「232」、「233」、「252」、「254」の遊技機21は稼動中であり、他の台番の遊技機21は空き状態である。
【0073】
なお、管理サーバ装置400は、各遊技機21について、アウト及びセーフの時系列データを記憶し、管理している。アウト及びセーフの時系列データによれば、出玉の推移を表すスランプグラフを生成可能である。
【0074】
(2)マイデータリスト
管理サーバ装置400は、
図11のごとく、遊技情報表示装置3から逐次受信するマイデータを、遊技者毎に記憶し管理している。マイデータリストは、マイデータ集計期間毎のマイデータの一覧である。各マイデータには、遊技機21の識別情報である台番が対応付けられている。
【0075】
マイデータには、日付、遊技開始時刻、遊技終了時刻、累計スタート(S数)、大当たり回数、時短回数、遊技終了時の大当たり間スタート(終了時S数)、アウト、及びセーフ等が含まれている。遊技開始時刻には、後述するマイデータの「記録開始」操作が行われた時刻が記録される。遊技終了時刻には、後述するマイデータの「記録終了」操作が行われた時刻が記録される。マイデータ中の遊技終了時の大当たり間スタートは、マイデータに係る遊技を終了した時点における非大当たり期間の長さを特定可能な個別遊技データの一例である。
【0076】
(3)推奨遊技機PUSH通知履歴リスト
推奨遊技機PUSH通知履歴リスト(
図12)は、管理サーバ装置400による推奨遊技機PUSH通知データのリストである。推奨遊技機PUSH通知データは、通知番号(通知No.)で特定されるPUSH通知毎のデータである。推奨遊技機PUSH通知データには、通知対象の遊技者の識別情報である端末ID(アプリ会員ID)、通知時刻、推奨遊技機の台番、推奨遊技機PUSH通知後に遊技者が遊技を継続した場合の遊技機(継続遊技機)の台番、及び推奨遊技機PUSH通知の通知結果を表す通知評価フラグ等が含まれている。
【0077】
通知評価フラグは、推奨遊技機で遊技が継続されたか否か、を表すフラグであり、推奨遊技機の通知の効果を表す。遊技者が推奨遊技機PUSH通知後に推奨遊技機で遊技を行った場合には通知評価フラグに「1」が記録され、それ以外の場合、すなわち推奨遊技機以外の遊技機で遊技を続行した場合や、遊技自体を終了した場合、等には通知評価フラグに「0」が記録される。
【0078】
推奨遊技機PUSH通知データのうち、遊技者の識別情報である端末ID、通知時刻、及び推奨遊技機の台番の各データは、推奨遊技機PUSH通知の実行時点に記録される。一方、継続遊技機の台番や通知評価フラグは、予め設定された継続判定期間(本例では例えば15分)が経過するまでに記録される。
【0079】
図12の例において、通知No.1の推奨遊技機PUSH通知データは、端末ID「ABAABDAB」の携帯端末15を所持する遊技者がマイデータに係る遊技を終了した際、台番「401」、「303」、「406」の遊技機21が推奨遊技機として通知がされたときのデータである。例えば、通知No.1の推奨遊技機PUSH通知データの場合、継続遊技機である台番「401」の遊技機21が推奨遊技機の3台のうちの1台である。つまり、通知No.1に係る推奨遊技機PUSH通知に対して、遊技者が推奨遊技機のうちの1台である台番「401」の遊技機21で遊技を継続したことから、通知評価フラグに「1」が記録されている。
【0080】
また、例えばNo.2のPUSH通知履歴データの場合、上記の継続判定期間内に遊技者が遊技を継続しなかったことから、継続遊技機が空データとなり、通知評価フラグに「0」が記録されている。さらに例えば、No.3のPUSH通知履歴データの場合、継続遊技機である台番「508」の遊技機21が推奨遊技機以外であったため、通知評価フラグに「0」が記録されている。
【0081】
次に、以上のように構成された遊技情報管理システム1Sの動作の内容を説明する。以下、遊技情報管理システム1Sが提供するアプリ会員向けのサービスのうち(1)マイデータの記録サービス、(2)遊技情報閲覧サービス、(3)推奨遊技機PUSH通知サービス、について説明し、続いて、管理サーバ装置400による(4)推奨遊技機PUSH通知履歴リストの生成、及び管理装置200による(5)推奨遊技機PUSH通知結果表示、について説明する。
【0082】
なお、アプリ会員向けの上記のサービスの提供を受けるためには、遊技者が管理サーバ装置400からアプリケーションをダウンロードしてアプリ会員として登録する必要がある。遊技情報管理システム1では、登録に用いられた携帯端末15の端末IDがアプリ会員IDとして利用される。
【0083】
(1)マイデータの記録サービス
マイデータの記録サービスは、遊技者の個別遊技データであるマイデータを記録するサービスである。このサービスを利用するためには、遊技情報表示装置3の操作が必要となる。遊技者は、まず、遊技情報表示装置3のメニューボタン347を押下することで、図示しない「マイデータ」ボタンを含むメニュー画面(図示略)を、画面330に切替表示させる必要がある。「マイデータ」ボタンをタッチすると、
図13に例示の記録開始操作画面が切替表示される。
【0084】
記録開始操作画面(
図13)は、「マイデータの記録を開始する場合はケータイをタッチしてください!」という文字列が、画面330中央のメイン表示欄371に表示される画面である。遊技者は、記録開始操作画面の表示中に、NFCリーダ345の読取面345Sに携帯端末15を接近させる「記録開始」操作を実行可能である(
図14)。
【0085】
この「記録開始」操作が行われたとき、遊技情報表示装置3は、携帯端末15の端末IDの読取を実行する。そして、遊技情報表示装置3は、対応する遊技機21(台番)でのマイデータの記録開始を目的として、読み取った端末IDを管理サーバ装置400に照会する。管理サーバ装置400は、照会を求められた端末IDを、アプリ会員情報として記憶された端末IDと照合する。照合できた場合、管理サーバ装置400は、管理装置200を介して、マイデータ記録開始の許可信号を遊技情報表示装置3に返信する。遊技情報表示装置3は、この許可信号の受信に応じてマイデータの記録を開始する。
【0086】
なお、遊技情報表示装置3が管理サーバ装置400に照会を求める端末IDには、遊技機21の識別番号である台番、及び遊技場の識別情報である遊技場IDが対応付けられている。管理サーバ装置400は、端末IDに対応付けられた台番に基づき、マイデータに係る遊技機21を特定可能である。
【0087】
一方、管理サーバ装置400は、照会を求められた端末IDにつき、アプリ会員情報として記憶された端末IDと照合できなかった場合、遊技情報表示装置3に対して照合不能の旨の信号を返信する。照合不能の旨の信号の返信を受けた遊技情報表示装置3は、例えば「マイデータを記録できません」等の文字列を画面330に表示し、アプリ会員登録の有無等、遊技者に確認を求める。
【0088】
遊技情報表示装置3は、マイデータの記録を開始すると、
図15に例示する記録開始画面を切替表示する。この記録開始画面のメイン表示欄371には「マイデータの記録を開始しました!」との表示がされる。マイデータの記録が開始されると、遊技情報表示装置3は、対応する遊技機21の稼動を表す遊技データの集計と並行して、ゼロスタートにてマイデータの集計、記録を開始する。
【0089】
マイデータの記録中では、
図16に例示するごとく、マイデータの表示画面(データ画面)が切替表示される。マイデータを表示中のメイン表示欄371の下部には、「遊技を終了するときは記録終了操作を忘れずに!」という遊技者への注意喚起メッセージも表示される。なお、所定の操作を行えば、メイン表示欄371の表示内容を、遊技機21の稼動を表す遊技データに切替可能である。
【0090】
遊技を終了し、マイデータの記録を終了する際、遊技者は、遊技情報表示装置3のメニューボタン347を押下することで、図示しない「マイデータ」ボタンが配置されたメニュー画面(図示略)を、画面330に切替表示させることができる。メニュー画面上で「マイデータ」ボタンをタッチすると、記録終了操作画面を画面330が切替表示される(
図17)。
【0091】
記録終了操作画面(
図17)は、「マイデータの記録を終了する場合はケータイをタッチしてください!」という文字列が、画面中央のメイン表示欄371に表示される画面である。遊技者は、記録終了操作画面の表示中に、NFCリーダ345の読取面345Sに携帯端末15を接近させる「記録終了」操作を実行可能である(
図18)。
【0092】
この「記録終了」操作が行われたとき、遊技情報表示装置3は、携帯端末15の端末IDの読取を再度実行し、「記録終了」操作の適否を判断する。具体的には、遊技情報表示装置3は、「記録終了」操作時に読み取った端末IDが「記録開始」操作時に読み取った端末IDと一致するか否かを判断する。一致の場合、遊技情報表示装置3は、「記録終了」操作が適切に行われたと判断する。一方、「記録終了」操作時に読み取った端末IDが「記録開始」操作時に読み取った端末IDと一致しない場合、遊技情報表示装置3は、適切でない「記録終了」操作と判断し、メイン表示欄371にエラーメッセージ(図示略)を表示して遊技者に確認を求める。
【0093】
「記録終了」操作が適切に行われた場合、遊技情報表示装置3は、マイデータの記録を終了すると共に、画面330に記録終了画面を切替表示する(
図19)。この記録終了画面のメイン表示欄371には「マイデータの記録を終了しました!マイデータサイトへアクセスしてマイデータを確認することができます!」との表示がされる。
【0094】
遊技情報表示装置3は、マイデータの記録を終了すると、対応する遊技機21の台番(識別番号)及び遊技者の識別情報である端末IDを対応付けた状態で、そのマイデータを管理装置200に送信する。管理装置200は、遊技場の識別番号である遊技場IDを対応付けた上で、遊技情報表示装置3から受信したマイデータを管理サーバ装置400に転送する。
【0095】
管理サーバ装置400は、遊技場の管理装置200からマイデータを受信すると、マイデータに対応付けられた端末ID(遊技者の識別情報)に係るマイデータリスト(
図11参照)に、新たに受信したマイデータを記録する。このとき、管理サーバ装置400は、新たに追加するマイデータに、番号(No.)を割り当てて管理する(
図11参照)。
【0096】
(2)遊技情報閲覧サービス
次に、遊技者が自らのマイデータや各遊技機21の遊技データ等を閲覧できる遊技情報閲覧サービスについて説明する。遊技情報閲覧サービスを利用するに当たって、遊技者は、携帯端末15上でアプリケーションを実行して管理サーバ装置400が提供するウェブサイト(マイデータサイト)にアクセスする必要がある。ウェブサイトにアクセスしたときに携帯端末15に表示されるウェブ画面上で適宜、操作を行うことで、アプリ会員である遊技者は、例えば以下の各データ画面を閲覧できる。
【0097】
(指定台詳細データ画面)
指定台詳細データ画面51は、
図20の例のごとく、指定された遊技場(ホール)、機種、台番の遊技機21の詳細な遊技データ(詳細データ)を表示するウェブ画面である。遊技者は、ウェブページ閲覧機能を備える携帯端末15が表示するウェブ画面上で、ホール名、営業日、機種、台番等を指定すれば、
図20に例示の指定台詳細データ画面51を切替表示させることができる。
【0098】
指定台詳細データ画面51(
図20)には、指定されたホール名、機種名、日付、台番等を示す表示欄511、指定された遊技機21の詳細遊技データリスト512、差玉推移グラフ(スランプグラフ)513、及び戻るボタン514等が配置されている。詳細遊技データリスト512には、指定された遊技機21の累計スタート、大当たり回数(15R、8R)、時短状態の回数(通常、上限)、大当たり確率、差玉数等が表示されている。なお、時短状態の回数のうち、「通常」(
図20中「通」と略記。)は、特図抽選での時短当選により通常状態から時短状態に移行した回数である。同「上限」(同図中「上」と略記。)は、天井による救済処理により時短状態に移行した回数である。
【0099】
(個人データ履歴画面)
個人データ履歴画面52は、
図21の例のごとく、特定の遊技者の過去のマイデータの一覧を表示する画面である。遊技者は、ウェブ画面上でホール名、期間、機種名を指定すると、マイデータの一覧表示を含む
図21に例示の個人データ履歴画面52を切替表示させることができる。
【0100】
個人データ履歴画面52には、指定されたホール名、期間、機種名等を示す表示欄521、遊技者の遊技データが示されたリスト522、及び戻るボタン523等が配置されている。リスト522には、遊技を行った遊技機21の台番、S数(累計スタート)、大当・時短(大当たり回数と時短回数)等の履歴情報が、マイデータ毎に表示されている。個人データ履歴画面52に表示されるデータは、管理サーバ装置400が管理しているマイデータリスト(
図11参照。)に基づいて、管理サーバ装置400が生成するデータである。
【0101】
(個人データ集計画面)
個人データ集計画面53は、
図22の例のごとく、特定の遊技者の過去の所定期間に亘る累計の遊技データを表示する画面である。遊技者は、ウェブ画面上で、ホール名、期間、機種名を指定すると、
図22に例示の個人データ集計画面53を切替表示させることができる。同図の個人データ集計画面53には、指定されたホール名、期間、機種名を示す表示欄531、累計個人データリスト532、及び戻るボタン533等が表示されている。
【0102】
リスト532には、指定された期間におけるマイデータ(個別遊技データ)の累計データである累計個人データが表示されている。同図の個人データ集計画面53では、累計個人データとして、例えば、累計S数(累計スタート)、大当回数(累計大当たり回数)、時短回数(累計時短回数)、合成確率(累計大当たり・累計時短の合成確率)及び差玉数(累計差玉数)が表示されている。なお、累計個人データは、管理サーバ装置400がマイデータリスト(
図11参照。)の各マイデータに基づいて生成したものである。
【0103】
(3)推奨遊技機PUSH通知サービス
推奨遊技機PUSH通知サービスは、マイデータに係る遊技を終了した遊技者が所持する携帯端末15に、推奨遊技機をPUSH通知するサービスである。管理サーバ装置400は、遊技者がマイデータの「記録終了」操作を行った場合に、その遊技者が遊技を終了したと判定して推奨遊技機PUSH通知を実行する。
【0104】
上記のごとく、遊技者による「記録終了」操作が行われたときには、遊技情報表示装置3が集計したマイデータが、管理装置200経由にて管理サーバ装置400に送信される。管理サーバ装置400は、マイデータを受信すると、マイデータリスト(
図11)に新たに受信したマイデータを追加することで、そのマイデータを記憶する。また、管理サーバ装置400は、マイデータリストに新たに追加したマイデータに対応付けられた遊技場ID、台番を取得すると共に、マイデータの構成データである遊技終了時の大当たり間スタートを取得する。
【0105】
管理サーバ装置400は、マイデータの送信元の遊技場に設置された遊技機21のうち、マイデータに係る遊技機21と同じ機種の各遊技機21の遊技データ(
図10)を参照する。管理サーバ装置400は、マイデータに係る遊技機と同じ機種の遊技機21の中から、最大3台の推奨遊技機を抽出する。
【0106】
管理サーバ装置400は、稼動フラグ値が「0」である空き状態の遊技機21の中から、マイデータの大当たり間スタートよりも大当たり間スタートが多い遊技機21を推奨遊技機の候補として抽出する。ここで、候補の遊技機が1台以上3台以下の場合には、管理サーバ装置400は、候補となった遊技機21全てを推奨遊技機として抽出する。一方、候補となった遊技機21が3台を超えている場合には、管理サーバ装置400は、大当たり間スタートが多い順の3台を、推奨遊技機として抽出する。なお、推奨遊技機を抽出できなかった場合、管理サーバ装置400は、推奨遊技機PUSH通知を行わない。
【0107】
つまり、推奨遊技機抽出手段としての管理サーバ装置400は、遊技を終了した遊技者に対する推奨遊技機を抽出する際に、その遊技者のマイデータリスト(
図11)中の新たに追加されたマイデータ、及び各遊技機21の遊技データ(
図10)に基づいて、その遊技者が遊技を終了した時点における非大当たり期間よりも長い非大当たり期間の遊技機21を推奨遊技機として抽出する。
【0108】
管理サーバ装置400は、抽出した推奨遊技機の台番(識別情報)や大当たり間スタート等の情報を含む推奨遊技機PUSH通知を、マイデータに係る遊技者が所持する携帯端末15に対して実行する。推奨遊技機PUSH通知を受けた携帯端末15では、例えば
図23の推奨遊技機PUSH通知画面54が切替表示される。
【0109】
推奨遊技機PUSH通知画面54には、推奨遊技機の通知画面であることを示すテキスト表示540、遊技者が遊技を行っていた遊技機21の機種名及び天井スタートを表示する表示欄541、マイデータに係る大当たり間スタートの表示欄542、推奨遊技機を「おススメ台一覧」として表示する表示欄543、及びOKボタン544等が表示されている。
【0110】
推奨遊技機の表示欄543(
図23)では、大当たり間スタートの多い順で、3台の推奨遊技機の台番が一覧表示されている。この表示欄543では、各推奨遊技機の大当たり間スタート及び短縮スタートが、推奨遊技機毎に表示される。短縮スタートは、推奨遊技機の大当たり間スタートと、マイデータの大当たり間スタートと、の差分であり、推奨遊技機に台移動した場合に、天井までのスタート回数をどれだけ短縮できるかを示している。なお、管理サーバ装置400は、推奨遊技機が1台以上3台未満の場合にも同様の通知を行う。
【0111】
(4)推奨遊技機PUSH通知履歴リストの生成
上記のごとく、管理サーバ装置400は、推奨遊技機PUSH通知履歴リストを遊技場毎に管理している(
図12参照。)。以下、管理サーバ装置400が、推奨遊技機PUSH通知履歴リストを生成する方法について、
図24のフロー図を参照しながら説明する。
【0112】
管理サーバ装置400は、記録終了したマイデータを遊技場側から受信すると(S101:YES)、そのマイデータに対応付けられた端末IDの携帯端末15に対して、上記の推奨遊技機PUSH通知を実行する(S102)。また、管理サーバ装置400は、推奨遊技機PUSH通知の内容を表す通知データ(推奨遊技機PUSH通知データ)に通知番号(通知No.)を付し、推奨遊技機PUSH通知履歴リスト(
図12参照。)に追加(記録)する(S103)。なお、推奨遊技機PUSH通知に応じて推奨遊技機PUSH通知データを記録した時点では、同データ中の継続遊技機及び通知評価フラグは空データの状態となっている。
【0113】
その後、管理サーバ装置400は、推奨遊技機PUSH通知の通知先の遊技者がマイデータの「記録開始」操作を新たに行ったか否か、を判断する(S104)。管理サーバ装置400は、15分間の継続判定期間が経過するまで(S104:NO→S125:NO)、通知先の遊技者によるマイデータの「記録開始」操作を待機する(S104)。
【0114】
推奨遊技機PUSH通知の通知先の遊技者がマイデータの「記録開始」操作を新たに行った場合(S104:YES)、管理サーバ装置400は、上記のステップS103で記録した推奨遊技機PUSH通知データについて、上記の「記録開始」操作に係る遊技機21(台番)を継続遊技機として記録する(S105)。一方、マイデータの「記録開始」操作が行われることなく(S104:NO)、15分間の継続判定期間が経過した場合には(S125:YES)、管理サーバ装置400は、上記のステップS103で記録した推奨遊技機PUSH通知データについて、通知評価フラグに「0」を記録する(S126)。この場合、推奨遊技機PUSH通知データ中の継続遊技機は空データとなる。
【0115】
上記ステップS105において継続遊技機が記録された場合、管理サーバ装置400は、上記のステップS102で実行した推奨遊技機PUSH通知に係る推奨遊技機の中に、その継続遊技機が含まれるか否かを判断する(S106)。継続遊技機が推奨遊技機のうちの1台であれば(S106:YES)、管理サーバ装置400は、上記のステップS103で記録した推奨遊技機PUSH通知データ中の通知評価フラグ(
図12参照。)に「1」を記録する(S107)。一方、継続遊技機が推奨遊技機に含まれていなければ(S106:NO)、管理サーバ装置400は、上記のステップS103で記録した推奨遊技機PUSH通知データについて、通知評価フラグに「0」を記録する(S117)。
【0116】
(5)推奨遊技機PUSH通知結果表示
推奨遊技機PUSH通知結果表示は、遊技場の管理装置200による遊技場の管理者等向けの表示である。管理装置200は、管理サーバ装置400が管理している上記の推奨遊技機PUSH通知履歴リスト(
図12参照。)を取得し、推奨遊技機PUSH通知結果表示を実行する。以下、
図25のフロー図を参照しながら管理装置200による推奨遊技機PUSH通知結果表示の流れを説明する。
【0117】
管理装置200は、推奨遊技機PUSH通知の実効性を表す推奨遊技機PUSH通知結果画面(
図26を参照して後述する。)を表示可能である。管理装置200は、推奨遊技機PUSH通知結果画面を表示させるための表示要求ボタンを含む図示しないメニュー画面を表示可能である。
【0118】
このメニュー画面上で、キーボードやマウス等の入力手段を利用して遊技場の管理者等が上記の表示要求ボタンを操作した場合、すなわち推奨遊技機PUSH通知結果画面の表示を要求する操作が有った場合(S201:YES)、管理装置200は、管理サーバ装置400に対して推奨遊技機PUSH通知履歴リスト(
図12参照。)の送信を要求する(S202)。
【0119】
管理装置200は、推奨遊技機PUSH通知履歴リストを取得すると(S203:YES)、この推奨遊技機PUSH通知履歴リストに含まれる各推奨遊技機PUSH通知データを集計し、推奨遊技機PUSH通知の回数である通知数、及び推奨遊技機で遊技が継続された回数である遊技開始数を特定する(S204)。ここで、通知数は、推奨遊技機PUSH通知履歴リスト中の推奨遊技機PUSH通知データの個数である。遊技開始数は、推奨遊技機PUSH通知履歴リスト中の通知評価フラグに「1」が記録された推奨遊技機PUSH通知データの個数である。
【0120】
さらに、管理装置200は、推奨遊技機PUSH通知による推奨遊技機にて遊技が継続された割合、すなわち推奨遊技機PUSH通知が成功した割合である通知効果率を算出する(S205)。具体的には、管理装置200は、通知数により遊技開始数を除算することで通知効果率を算出する。
【0121】
管理装置200は、出力手段としてのPCモニタ等に、
図26の推奨遊技機PUSH通知結果画面201を切替表示する(S206)。この推奨遊技機PUSH通知結果表示画面201は、通知数、遊技開始数、及び通知効果率の表示欄202を含む画面である。同図の推奨遊技機PUSH通知結果画面201によれば、推奨遊技機の通知数が500回であること、推奨遊技機において継続して遊技が開始された遊技開始数が345回であることが分かる。さらに、通知効果率(69%)によれば、500回の推奨遊技機PUSH通知のうちのほぼ7割で、推奨遊技機に遊技者を誘導でき、遊技終了を引き留めることに成功したことがわかる。このように推奨遊技機PUSH通知結果画面201の表示によれば、遊技場の管理者等が、推奨遊技機PUSH通知の実効性を確認できる。
【0122】
以上のような構成の本例の遊技情報管理システム1Sは、大当たりが発生することなく予め規定された非大当たり期間(本例では大当たり間スタート800回に亘る期間)が経過したときに遊技者を救済するための救済処理を実行するように構成された遊技機2が設置される遊技場向けのシステムである。
【0123】
この遊技情報管理システム1Sは、遊技を終了した遊技者に対して推奨遊技機を抽出する推奨遊技機抽出手段と、遊技者の所持する携帯端末15に対して推奨遊技機を通知する通知手段と、を備えている。また、この遊技情報管理システム1Sでは、各遊技機2における非大当たり期間の長さを特定可能な遊技データ、及び遊技者が遊技を終了した時点における非大当たり期間の長さを特定可能な個別遊技データであるマイデータが管理されている。
【0124】
推奨遊技機抽出手段としての管理サーバ装置400は、遊技を終了した遊技者が遊技を終了した時点の非大当たり期間の長さ(本例では大当たり間スタート)を特定可能なマイデータ(個別遊技データ)、及び各遊技機における非大当たり期間の長さを特定可能な遊技データに基づいて、推奨遊技機を抽出する。管理サーバ装置400は、遊技者が遊技を終了した時点における非大当たり期間に対して、より長い非大当たり期間の遊技機2を推奨遊技機として抽出する。
【0125】
遊技情報管理システム1Sは、遊技者が直近に遊技を終了したときの非大当たり期間よりも長い非大当たり期間の遊技機2を推奨遊技機として抽出し、遊技者が所持する携帯端末15に対して通知する。一旦、遊技を終了した遊技者が推奨遊技機に台移動すれば、救済処理により時短状態に移行するまでの期間を確実に短縮できるため、推奨遊技機に対する遊技者の満足度が高まり、ひいては遊技機2の稼動率を向上させる効果が期待できる。
【0126】
このように、本例の遊技情報管理システム1Sは、遊技者に推奨する遊技機2を適切に抽出することによって、遊技機2の稼動率を向上させることが可能な優れた特性のシステムである。
【0127】
携帯端末15は、通知された推奨遊技機の情報を表示する際、その推奨遊技機の大当たり間スタート(非大当たり期間の長さの一例)と、遊技者が遊技を終了した時点における大当たり間スタートと、を比較可能な情報の一例である短縮スタートを一緒に表示する。推奨遊技機PUSH通知画面54(
図23参照。)中の短縮スタートによれば、各推奨遊技機に台移動した場合の天井スタートまでの残りスタートの短縮度合いを、遊技者が一目で理解できる。
【0128】
遊技データ記憶手段としての管理サーバ装置400は、非大当たり期間の長さを特定可能な遊技データとして、各遊技機2の大当たり間スタート(大当たり抽選の実行回数)を記憶している。各遊技機2の大当たり間スタートを記憶していれば、マイデータに係る大当たり間スタートよりも大当たり間スタートが多い遊技機を、容易に抽出できる。
【0129】
管理装置200は、推奨遊技機を通知した遊技者のうち、実際にその推奨遊技機で遊技を開始した遊技者の割合を通知効果率として算出し、推奨遊技機PUSH通知結果画面(
図26参照。)においてその通知効果率を出力する。通知効果率によれば、遊技場の管理者等が、推奨遊技機の通知の実効性を一目瞭然で確認できる。
【0130】
本実施形態の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例で例示した遊技機2はあくまでも一例であり、様々な仕様の遊技機を対象として遊技情報管理システム1Sを構成できる。例えば、本例では遊技媒体を払出す遊技機2を例示したが、封入式遊技機を対象としても良い。玉を遊技媒体として用いるパチンコ遊技機21に代えて、スロットマシン22であっても良い。
【0131】
本例では、救済処理として、所定の非大当たり期間経過後に時短状態を発生させる処理を例示している。これに代えて、救済処理として、確変状態を発生させるようにしてもよいし、大当たり状態を発生させるようにしても良い。このような救済処理を採用すれば、推奨遊技機への台移動を強く動機づけでき、推奨遊技機を通知する効果を一層高めることができる。また、遊技機がスロットマシン22である場合には、救済処理として、いわゆるAT(アシストタイム)やART(アシストリプレイタイム)等の有利な遊技状態を発生させることや、ボーナス状態を発生させることができる。
【0132】
本例では、非大当たり期間の長さを大当たり間スタートにより特定している。これに代えて、その他の遊技データに基づいて非大当たり期間の長さを特定することも良い。例えば、大当たり間の差玉数、大当たり間の打ち込み玉数、又は大当たり間の遊技時間等の遊技データにより、非大当たり期間を特定することができる。
【0133】
本例では、遊技者による遊技機2での遊技が終了した場合、同じ機種の遊技機2から推奨遊技機を抽出するとして説明した。これに代えて、天井スタートの設定値が異なる遊技機2から推奨遊技機を抽出することも良い。この場合、天井スタートと大当たり間スタートとの差異が、遊技者が遊技を終了した遊技機2におけるその差異よりも小さな遊技機を抽出しても良い。そうすれば、天井スタートの設定値が異なっていても、より早く救済処理が行われることが期待される遊技機2を推奨遊技機として抽出できる。
【0134】
本例では、遊技情報表示装置3が携帯端末15の端末IDを読み取って遊技者を特定する構成を例示している。遊技者の特定手段はこの構成に限定されず、どのような手段で遊技者を特定してもよい。例えば、遊技者に会員IDを記録した会員カードを発行すると共に、その会員IDを読み取り可能なカードリーダを遊技情報表示装置3に設け、会員カードを読み取ることにより遊技者を特定することも良い。
【0135】
また、遊技情報表示装置3や貸出装置4に遊技者の顔画像を取得可能なカメラを設け、その顔画像に基づいて遊技者を特定することもできる。また、指紋や声紋などの生体情報に基づいて遊技者を特定することも可能である。この場合、会員カードや携帯端末15を使わずに遊技者を特定してサービスを提供することができる。
【0136】
同様に、本例では、携帯端末15を用いた遊技者のマイデータの「記録終了」操作により遊技終了を判定し、推奨遊技機のPUSH通知を行う構成を説明したが、遊技終了の判定方法はこの構成に限定されない。会員カードの認証や顔画像、生体情報の認証等に基づいて遊技者が遊技を終了したことを判定しても良い。この場合、携帯端末15を用いることなく遊技者の遊技終了を判定して通知を実行できる。
【0137】
本例では、管理サーバ装置400は遊技場外に設けられ、遊技情報提供サービスの運営会社が運営するものとして説明したが、遊技場自身が管理サーバ装置400を運営しても良い。
本例では、管理装置200が備えるPCモニタ等に推奨遊技機PUSH通知画面(
図23)を表示することで、推奨遊技機PUSH通知の通知結果を出力している。これに代えて、管理装置200に接続されたプリンタ等により、推奨遊技機PUSH通知の通知結果を印字出力することも良い。
【0138】
本例説明中の数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
遊技情報管理システム1Sを構成する装置が行う処理の一部を他の装置が実行しても良い。例えば、推奨遊技機の通知結果の算出は管理サーバ装置400で実行しても良いし、算出結果の表示は管理サーバ装置400や遊技情報表示装置3で実行しても良い。
【0139】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0140】
1S 遊技情報管理システム
2 遊技機(抽選手段、大当たり状態発生手段、演出抽選手段)
3 遊技情報表示装置(遊技データ集計手段、マイデータ集計手段、遊技情報表示手段、マイデータ送信手段)
15 携帯端末(ウェブページ表示手段、通知受信手段)
21 パチンコ遊技機
29 中継装置
200 管理装置(遊技データ集計手段、稼動判定手段、遊技データ記憶手段、遊技データ送信手段、通知結果受信手段、算出手段、出力手段)
400 管理サーバ装置(遊技データ受信手段、配信手段、アプリ会員情報記憶手段、遊技データ記憶手段、個別遊技データ記憶手段、データ提示手段、推奨遊技機抽出手段、通知手段、通知履歴記憶手段、スペック情報記憶手段)
700 場内システム
800 場内ネットワーク