(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031733
(43)【公開日】2022-02-22
(54)【発明の名称】炎症性皮膚疾患及び皮膚病変を処置するための酸素化コレステロール硫酸(OCS)の使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/575 20060101AFI20220215BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20220215BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220215BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220215BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20220215BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20220215BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20220215BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20220215BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20220215BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20220215BHJP
A61K 47/40 20060101ALI20220215BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220215BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20220215BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
A61K31/575
A61K9/06
A61K9/08
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/20
A61K47/22
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/40
A61P17/00
A61P17/06
A61P29/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021185644
(22)【出願日】2021-11-15
(62)【分割の表示】P 2019505256の分割
【原出願日】2017-08-01
(31)【優先権主張番号】62/470,576
(32)【優先日】2017-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/370,036
(32)【優先日】2016-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502066627
【氏名又は名称】ヴァージニア コモンウェルス ユニバーシティ
(71)【出願人】
【識別番号】508027589
【氏名又は名称】デュレクト コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レン,シュンリン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ウェイチー
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ジェームズ イー.
(72)【発明者】
【氏名】ティーウウェス,フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミー ジーン
(72)【発明者】
【氏名】ミクスズタル,アンドリュー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ホンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ミン エル.
(72)【発明者】
【氏名】スー,フエイ-チン
(72)【発明者】
【氏名】タムラズ,ウィルマ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】炎症性皮膚疾患及び皮膚病変を処置及び予防的に処置する方法を提供する。
【解決手段】方法は、皮膚を酸素化コレステロール硫酸(OCS)、例えば、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩と接触させることを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の処置又は予防的な処置を必要とする対象において、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法であって、
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置するのに十分な量の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)を対象に投与すること
を含む、方法。
【請求項2】
炎症性皮膚疾患が、乾癬、皮膚炎、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)、及び紫外線(UV)紅斑のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
炎症性皮膚疾患が、乾癬を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
炎症性皮膚疾患が、皮膚炎を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1つ以上のOCSが、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
1つ以上のOCSが、約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲の用量で対象に投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
1つ以上のOCSが、1日に1回から1年に1回の範囲の頻度で投与される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
投与が、局部的及び全身的のうちの少なくとも1つによって行われる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
投与が、局所的、経口的、及び注射によってのうちの少なくとも1つによって行われる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
投与が、局所的に行われる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
投与が、注射によって行われる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
投与が、経口的に行われる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
1つ以上のOCSが、医薬製剤として投与され、医薬製剤は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
医薬製剤が、ローション又はクリームである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法に使用するための、請求項1又は5に定義される1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)であって、前記方法は、請求項1~14のいずれか一項に定義される方法である、酸素化コレステロール硫酸。
【請求項16】
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法に使用するための医薬の製造のための、請求項1及び5のいずか一項に定義される1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の使用であって、前記方法は、請求項1~14のいずれか一項に定義される方法である、使用。
【請求項17】
酸素化コレステロール硫酸(OCS);
皮膚浸透促進剤; 及び
増粘剤
を含む、組成物。
【請求項18】
OCSが、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
OCSが、組成物の重量に基づいて、約0.1wt%~約50wt%の範囲の量で存在する、請求項17~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
OCSが、組成物の重量に基づいて、約0.5wt%~約10wt%の範囲の量で存在する、請求項17~19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
皮膚浸透促進剤が、アルカノール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、及びポリオールから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項17~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
皮膚浸透促進剤が、エタノール、セチルアルコール、ポリソルベート、モノラウリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸ソルビタン、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、オレイン酸ポリグリセリル、ポリオキシエチル化グリコール化グリセリド、オレイン酸、シクロデキストリン若しくはシクロデキストリン誘導体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、PEG化カプリル酸/カプリン酸グリセリド、及びレシチンイソプロピルパルミテートから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項17~21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
皮膚浸透促進剤が、組成物の重量に基づいて、約1wt%~約98wt%の範囲の量で組成物中に存在する、請求項17~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
皮膚浸透促進剤が、組成物の重量に基づいて、約5wt%~約50wt%の範囲の量で組成物中に存在する、請求項17~23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
増粘剤が、ポリアクリル酸、アリルスクロースで架橋されたポリアクリル酸、アリルペンタエリスリトールで架橋されたポリアクリル酸、アリルペンタエリスリトールで架橋されたポリアクリル酸及びC10~C30アルキルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポロキサマー、セルロース誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びカルボマーから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項17~24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
増粘剤が、組成物の重量に基づいて、約0.2wt%~約40wt%の範囲の量で組成物中に存在する、請求項17~25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
酸素化コレステロール硫酸(OCS);
皮膚浸透促進剤; 及び
皮膚浸透促進剤とは異なる溶媒
を含む、組成物。
【請求項28】
OCSが、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
OCSが、組成物の重量に基づいて、約0.1wt%~約50wt%の範囲の量で存在する、請求項27~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
皮膚浸透促進剤が、アルカノール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、及びポリオールから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項27~29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
皮膚浸透促進剤が、エタノール、セチルアルコール、ポリソルベート、モノラウリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸ソルビタン、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、オレイン酸ポリグリセリル、ポリオキシエチル化グリコール化グリセリド、オレイン酸、シクロデキストリン若しくはシクロデキストリン誘導体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、PEG化カプリル酸/カプリン酸グリセリド、及びレシチンイソプロピルパルミテートから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項27~30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
皮膚浸透促進剤が、組成物の重量に基づいて、約1wt%~約98wt%の範囲の量で組成物中に存在する、請求項27~31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
溶媒が、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコール、N-メチル-ピロリドン、及び鉱油から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項27~32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
溶媒が、組成物の重量に基づいて、約1wt%~約98wt%の範囲の量で組成物中に存在する、請求項27~33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の処置又は予防的な処置を必要とする対象において、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法であって、
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置するのに十分な量の、請求項17~34のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与すること
を含む、方法。
【請求項36】
炎症性皮膚疾患が、乾癬、皮膚炎、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)、及び紫外線(UV)紅斑のうちの少なくとも1つを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の量を対象に投与することが、請求項17~34のいずれか一項に定義される組成物を対象に投与することを含む、請求項15に記載の使用のための1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)。
【請求項38】
前記の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の量を対象に投与することが、請求項17~34のいずれか一項に定義される組成物を対象に投与することを含む、請求項16に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、炎症性皮膚疾患及び/又は皮膚病変の処置及び予防的処置に関する。
【背景技術】
【0002】
序論
多くの炎症性皮膚疾患、例えば、皮膚炎(接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、及び湿疹を含む)に対して現在利用可能な有効な処置は限られている。皮膚炎は、皮膚に炎症を起こし、並びに発赤、腫脹、水疱形成、痂皮形成、鱗屑化、滲出、及び/又はかゆみを特徴とする、いくつかの皮膚状態を指す。いくつかの種類の皮膚炎は、アレルギーによって引き起こされるが、それらの大部分は、公知の原因を有しない。時々皮膚炎を引き起こすことが知られている一般的な刺激物は、石鹸、唾液、様々な食品、洗剤、ベビーローション、及び香水を含む。植物(特に、ツタウルシ(poison ivy)、オーク、及びスマック(sumac))、及び金属(例えば、ニッケル、クロム、及び水銀)、化粧品、及び特定の薬品も、接触性皮膚炎を引き起こし得る。接触性皮膚炎を処置するための1つの選択肢は、抗ヒスタミン薬、例えば、ジフェンヒドラミン(Benadryl(登録商標))及びヒドロキシジン(Atarax(登録商標))である。しかし、これらの薬品は、眠気を引き起こす可能性があり、常に有効とは限らない。もう1つの選択肢は、ステロイドクリームであり、これは、皮膚炎症、かゆみ、及び腫脹を低下させるのを助ける。しかし、ステロイドの過剰使用は、皮膚を損傷し得る。さらに、他の多くの種類の皮膚炎症、例えば、UV紅斑、乾癬、及び赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)があり、それらに対する処置の選択肢は限られており、グルココルチコイド及び抗TNF抗体が通常の選択である。しかし、しばしば、これらの薬剤は、有効性を欠いているか、又は全身的に投与される必要があり、したがって望ましくない副作用を引き起こし得るかのいずれかである。特に、乾癬は、管理又は治癒が非常に困難である。
【0003】
皮膚病変はまた、炎症によって引き起こされるか、又は炎症に関連するかにかかわらず、悪評があるように処置に不応性である。例えば、糖尿病性潰瘍は、処置が困難であり、迅速かつ適切に治し損なうと、健康に重大な影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に鑑みて、炎症性皮膚疾患及び皮膚病変を処置及び予防的に処置するための改良された薬剤及び方法に対する必要性が存在する。例えば、重大な副作用なしに、炎症性皮膚疾患及び皮膚病変を処置及び予防的に処置するための代替方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示は、これらの必要性に対処し、炎症性皮膚疾患及び皮膚病変の処置及び/又は予防的な処置を必要とする対象に、1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)を投与することによって、炎症性皮膚疾患及び皮膚病変を処置及び/又は予防的に処置する方法を提供する。
【0006】
本開示の態様は以下を含む:
【0007】
1. 炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の処置又は予防的な処置を必要とする対象において、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法であって、
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置するのに十分な量の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)を対象に投与すること
を含む、方法。
【0008】
2. 炎症性皮膚疾患が、乾癬、皮膚炎、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)、及び紫外線(UV)紅斑のうちの少なくとも1つを含む、態様1に記載の方法。
【0009】
3. 炎症性皮膚疾患が、乾癬を含む、態様1に記載の方法。
【0010】
4. 炎症性皮膚疾患が、皮膚炎を含む、態様1に記載の方法。
【0011】
5. 皮膚炎が、接触性皮膚炎を含む、態様4に記載の方法。
【0012】
6. 皮膚炎が、アトピー性皮膚炎を含む、態様4に記載の方法。
【0013】
7. 皮膚炎が、湿疹を含む、態様4に記載の方法。
【0014】
8. 皮膚炎が、脂漏性皮膚炎を含む、態様4に記載の方法。
【0015】
9. 皮膚炎が、乾燥性皮膚炎を含む、態様4に記載の方法。
【0016】
10. 皮膚炎が、貨幣状皮膚炎を含む、態様4に記載の方法。
【0017】
11. 炎症性皮膚疾患が、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)を含む、態様1に記載の方法。
【0018】
12. 炎症性皮膚疾患が、紫外線(UV)紅斑を含む、態様1に記載の方法。
【0019】
13. 皮膚病変が、皮膚潰瘍、例えば、糖尿病性潰瘍を含む、態様1に記載の方法。
【0020】
14. 皮膚潰瘍が、神経栄養性潰瘍、静脈性潰瘍、動脈性潰瘍、又は虚血性潰瘍を含む、態様13に記載の方法。
【0021】
15. 神経栄養性潰瘍が、糖尿病性潰瘍を含む、態様14に記載の方法。
【0022】
16. 皮膚潰瘍が、褥瘡性潰瘍を含む、態様13に記載の方法。
【0023】
17. 1つ以上のOCSが、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩を含む、態様1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0024】
18. 1つ以上のOCSが、5-コレステン-3,25-ジオール,ジサルフェート(25HCDS)又はその薬学的に許容可能な塩を含む、態様1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0025】
19. 1つ以上のOCSが、約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲の用量で対象に投与される、態様1~18のいずれか1つに記載の方法。
【0026】
20. 1つ以上のOCSが、約0.01mg/kg/日~約10mg/kg/日の範囲の用量で対象に投与される、態様1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0027】
21. 1つ以上のOCSが、約0.1mg/kg/日~約1mg/kg/日の範囲の用量で対象に投与される、態様1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0028】
22. 1つ以上のOCSが、1μg/投与単位~10mg/投与単位の範囲の用量で対象に投与される、態様1~21のいずれか1つに記載の方法。
【0029】
23. 投与単位が、1回の注射である、態様19及び22に記載の方法。
【0030】
24. 投与単位が、1mLのクリームである、態様19及び22に記載の方法。
【0031】
25. 1つ以上のOCSが、1日に1回から1年に1回の範囲の頻度で投与される、態様1~24のいずれか1つに記載の方法。
【0032】
26. 1つ以上のOCSが、1日に1回から6ヶ月に1回の範囲の頻度で投与される、態様1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0033】
27. 1つ以上のOCSが、1日に1回から3ヶ月に1回の範囲の頻度で投与される、態様1~26のいずれか1つに記載の方法。
【0034】
28. 1つ以上のOCSが、1日に1回から1ヶ月に1回の範囲の頻度で投与される、態様1~27のいずれか1つに記載の方法。
【0035】
29. 1つ以上のOCSが、1日に1回から1週間に1回の範囲の頻度で投与される、態様1~28のいずれか1つに記載の方法。
【0036】
30. 投与が、局部的(locally)及び全身的のうちの少なくとも1つによって行われる、態様1~29のいずれか1つに記載の方法。
【0037】
31. 投与が、局所的(topically)、経口的、及び注射によってのうちの少なくとも1つによって行われる、態様1~30のいずれか1つに記載の方法。
【0038】
32. 投与が、局所的に行われる、態様1~31のいずれか1つに記載の方法。
【0039】
33. 投与が、注射によって行われる、態様1~32のいずれか1つに記載の方法。
【0040】
34. 投与が、1日に1回の注射によって行われる、態様1~33のいずれか1つに記載の方法。
【0041】
35. 投与が、1週間に1回の注射によって行われる、態様1~33のいずれか1つに記載の方法。
【0042】
36. 投与が、1ヶ月に1回の注射によって行われる、態様1~33のいずれか1つに記載の方法。
【0043】
37. 投与が、病変内注射によって行われる、態様1~36のいずれか1つに記載の方法。
【0044】
38. 投与が、皮下注射によって行われる、態様1~36のいずれか1つに記載の方法。
【0045】
39. 投与が、筋肉内注射によって行われる、態様1~36のいずれか1つに記載の方法。
【0046】
40. 投与が、静脈内注射によって行われる、態様1~36のいずれか1つに記載の方法。
【0047】
41. 投与が、経口的に行われる、態様1~32のいずれか1つに記載の方法。
【0048】
42. 1つ以上のOCSが、医薬製剤として投与され、医薬製剤は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む、態様1~41のいずれか1つに記載の方法。
【0049】
43. 医薬製剤が、ローション又はクリームである、態様42に記載の方法。
【0050】
44. 医薬製剤が、制御放出製剤である、態様42に記載の方法。
【0051】
45. 医薬製剤が、懸濁液である、態様42に記載の方法。
【0052】
46. 少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤が、少なくとも1つのオリゴ糖を含む、態様42~45のいずれか1つに記載の方法。
【0053】
47. 少なくとも1つのオリゴ糖が、直鎖状オリゴ糖、分岐状オリゴ糖、又は環状オリゴ糖を含む、態様46に記載の方法。
【0054】
48. 少なくとも1つのオリゴ糖が、シクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体を含む、態様46に記載の方法。
【0055】
49. シクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体が、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、態様48に記載の方法。
【0056】
50. 少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤が、少なくとも1つのアルコールを含む、態様42~49のいずれか1つに記載の方法。
【0057】
51. 少なくとも1つのアルコールが、ジオールを含む、態様50に記載の方法。
【0058】
52. 少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤が、プロピレングリコールを含む、態様42~51のいずれか1つに記載の方法。
【0059】
53. 少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤が、少なくとも1つのポリアルキレングリコールを含む、態様42~52のいずれか1つに記載の方法。
【0060】
54. 少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤が、少なくとも1つのポリエチレングリコールを含む、態様42~53のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
55. 少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤が、少なくとも1つのポリソルベートを含む、態様42~54のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
56. 少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤が、少なくとも1つの塩を含む、態様42~55のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
57. 少なくとも1つの塩が、塩化ナトリウムを含む、態様56に記載の方法。
【0064】
58. 少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤が、少なくとも1つの防腐剤を含む、態様42~57のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
59. 少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤が、少なくとも1つの緩衝剤を含む、態様42~58のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
60. 医薬製剤が、リン酸緩衝生理食塩水を含む、態様42~59のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
61. 医薬製剤が、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンを含まない、態様42~60のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
62. 医薬製剤が、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含まない、態様42~61のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
63. 炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法に使用するための、態様1、17及び18のいずれか1つに定義される1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)。
【0070】
64. 方法が、態様1~62のいずれか1つに定義される方法である、態様63に記載の使用のための1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)。
【0071】
65. 炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法に使用するための医薬の製造のための、態様1、17及び18のいずれか1つに定義される1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の使用。
【0072】
66. 方法が、態様1~62のいずれか1つに定義される方法である、請求項65に記載の使用。
【0073】
さらなる態様は以下を含む:
【0074】
67. 酸素化コレステロール硫酸(OCS);
皮膚浸透促進剤; 及び
増粘剤
を含む、組成物。
【0075】
68. OCSが、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩を含む、態様67に記載の組成物。
【0076】
69. OCSが、5-コレステン-3,25-ジオール,ジサルフェート(25HCDS)又はその薬学的に許容可能な塩を含む、態様67に記載の組成物。
【0077】
70. OCSが、組成物の重量に基づいて、約0.1wt%~約50wt%の範囲の量で存在する、態様67~69のいずれか1つに記載の組成物。
【0078】
71. OCSが、組成物の重量に基づいて、約0.5wt%~約10wt%の範囲の量で存在する、態様67~70のいずれか1つに記載の組成物。
【0079】
72. 皮膚浸透促進剤が、アルカノール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、及びポリオールから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、態様67~71のいずれか1つに記載の組成物。
【0080】
73. 皮膚浸透促進剤が、エタノール、ジメチルスルホキシド、オレイルアルコール、イソプロピルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、セチルアルコール、ポリソルベート、モノラウリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸ソルビタン、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、オレイン酸ポリグリセリル、ポリオキシエチル化グリコール化グリセリド(polyoxyethylated glycolysed glyceride)、オレイン酸、シクロデキストリン若しくはシクロデキストリン誘導体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、PEG化カプリル酸/カプリン酸グリセリド、ピロリドン、2-ピロリドン、N-メチル-ピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロカプラム、及びレシチンイソプロピルパルミテート(lecithin isopropyl palmitate)から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、態様67~72のいずれか1つに記載の組成物。
【0081】
74. 皮膚浸透促進剤が、エタノール、セチルアルコール、ポリソルベート、モノラウリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸ソルビタン、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、オレイン酸ポリグリセリル、ポリオキシエチル化グリコール化グリセリド、オレイン酸、シクロデキストリン若しくはシクロデキストリン誘導体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、PEG化カプリル酸/カプリン酸グリセリド、及びレシチンイソプロピルパルミテートから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、態様67~73のいずれか1つに記載の組成物。
【0082】
75. 皮膚浸透促進剤が、PEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリドを含む、態様67~74のいずれか1つに記載の組成物。
【0083】
76. 皮膚浸透促進剤が、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリンを含む、態様67~75のいずれか1つに記載の組成物。
【0084】
77. 皮膚浸透促進剤が、組成物の重量に基づいて、約1wt%~約98wt%の範囲の量で組成物中に存在する、態様67~76のいずれか1つに記載の組成物。
【0085】
78. 皮膚浸透促進剤が、組成物の重量に基づいて、約5wt%~約50wt%の範囲の量で組成物中に存在する、態様67~77のいずれか1つに記載の組成物。
【0086】
79. 皮膚浸透促進剤が、組成物の重量に基づいて、約7wt%~約20wt%の範囲の量で組成物中に存在する、態様67~78のいずれか1つに記載の組成物。
【0087】
80. 増粘剤が、界面活性剤を含む、態様67~79のいずれか1つに記載の組成物。
【0088】
81. 増粘剤が、非イオン性界面活性剤を含む、態様67~80のいずれか1つに記載の組成物。
【0089】
82. 増粘剤が、両親媒性界面活性剤を含む、態様67~81のいずれか1つに記載の組成物。
【0090】
83. 増粘剤が、ポリアクリル酸、アリルスクロースで架橋されたポリアクリル酸、アリルペンタエリスリトールで架橋されたポリアクリル酸、アリルペンタエリスリトールで架橋されたポリアクリル酸及びC10~C30アルキルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポロキサマー、セルロース誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びカルボマーから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、態様67~82のいずれか1つに記載の組成物。
【0091】
84. 増粘剤が、ポリ(プロピレングリコール)ブロックが、1500~5000g/molの分子量及び70~90wt%のポリ(エチレングリコール)重量分率を有するポロキサマー; 例えば、ポロキサマー188及び407を含む、態様67~83のいずれか1つに記載の組成物。
【0092】
85. 増粘剤が、ポリ(プロピレングリコール)ブロックが、1,700~1,900g/molの分子量及び70~90wt%のポリ(エチレングリコール)重量分率を有するポロキサマー; 好ましくは、ポロキサマー188を含む、態様67~84のいずれか1つに記載の組成物。
【0093】
86. 増粘剤が、組成物の重量に基づいて、約0.2wt%~約40wt%の範囲の量で組成物中に存在する、態様67~85のいずれか1つに記載の組成物。
【0094】
87. 増粘剤が、組成物の重量に基づいて、約0.2wt%~約2wt%の範囲の量で組成物中に存在する、態様67~86のいずれか1つに記載の組成物。
【0095】
88. 増粘剤が、組成物の重量に基づいて、約10wt%~約40wt%の範囲の量で組成物中に存在する、態様67~86のいずれか1つに記載の組成物。
【0096】
89. 皮膚軟化剤をさらに含む、態様67~88のいずれか1つに記載の組成物。
【0097】
90. ポリソルベート及びラウリン酸ソルビタンから選択される少なくとも1つの皮膚軟化剤をさらに含む、態様67~89のいずれか1つに記載の組成物。
【0098】
91. 皮膚軟化剤が、組成物の重量に基づいて、約2wt%~約10wt%の範囲の量で組成物中に存在する、態様89又は90に記載の組成物。
【0099】
92. pH調整剤をさらに含む、態様67~91のいずれか1つに記載の組成物。
【0100】
93. トロラミン、クエン酸、リン酸、水酸化ナトリウム、及び一塩基性ナトリウムから選択される少なくとも1つのメンバーを含むpH調整剤をさらに含む、態様67~92のいずれか1つに記載の組成物。
【0101】
94. トロラミンを含むpH調整剤をさらに含む、態様67~92のいずれか1つに記載の組成物。
【0102】
95. pH調整剤が、組成物の重量に基づいて、約0.5wt%~4wt%の範囲の量で組成物中に存在する、態様92~94のいずれか1つに記載の組成物。
【0103】
96. 防腐剤をさらに含む、態様67~95のいずれか1つに記載の組成物。
【0104】
97. パラベンをさらに含む、態様67~96のいずれか1つに記載の組成物。
【0105】
98. メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、及びブチルパラベンから選択される少なくとも1つのメンバーをさらに含む、態様67~97のいずれか1つに記載の組成物。
【0106】
99. メチルパラベンを含む防腐剤をさらに含む、態様67~98のいずれか1つに記載の組成物。
【0107】
100. 防腐剤が、組成物の重量に基づいて、約0.1wt%~約1wt%の範囲の量で組成物中に存在する、態様96~99のいずれか1つに記載の組成物。
【0108】
101. 水をさらに含む、態様67~100のいずれか1つに記載の組成物。
【0109】
102. 水が、組成物の重量に基づいて、約0.5wt%~約90wt%の範囲の量で存在する、態様101に記載の組成物。
【0110】
103. 水が、組成物の重量に基づいて、約1wt%~約10wt%の範囲の量で存在する、態様101に記載の組成物。
【0111】
104. 水が、組成物の重量に基づいて、約50wt%~約90wt%の範囲の量で存在する、態様101に記載の組成物。
【0112】
105. エマルジョンではない、態様67~104のいずれか1つに記載の組成物。
【0113】
106. マイクロエマルジョンを含む、態様67~104のいずれか1つに記載の組成物。
【0114】
107. 溶液を含む、態様67~104のいずれか1つに記載の組成物。
【0115】
108. 溶液が、ローションである、態様107に記載の組成物。
【0116】
109. クリームである、態様67~104のいずれか1つに記載の組成物。
【0117】
110. ゲルを含む、態様67~104のいずれか1つに記載の組成物。
【0118】
111. 懸濁液を含む、態様67~104のいずれか1つに記載の組成物。
【0119】
112. エアロゾルを含む、態様67~104のいずれか1つに記載の組成物。
【0120】
113. 懸濁液が、OCSを含む粒子を含む、態様111に記載の組成物。
【0121】
114. 粒子が、約1μm~約10μmの範囲の平均粒径を有する、態様113に記載の組成物。
【0122】
115. 4~8のpH、例えば4~7のpHを有する、態様67~114のいずれか1つに記載の組成物。
【0123】
116. 5~6のpHを有する、態様67~115のいずれか1つに記載の組成物。
【0124】
117. 酸素化コレステロール硫酸(OCS);
皮膚浸透促進剤; 及び
皮膚浸透促進剤とは異なる溶媒
を含む、組成物。
【0125】
118. OCSが、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩を含む、態様117に記載の組成物。
【0126】
119. OCSが、組成物の重量に基づいて、約0.1wt%~約50wt%の範囲の量で存在する、態様117~118のいずれか1つに記載の組成物。
【0127】
120. 皮膚浸透促進剤が、アルカノール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、及びポリオールから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、態様117~119のいずれか1つに記載の組成物。
【0128】
121. 皮膚浸透促進剤が、エタノール、セチルアルコール、ポリソルベート、モノラウリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸ソルビタン、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、オレイン酸ポリグリセリル、ポリオキシエチル化グリコール化グリセリド、オレイン酸、シクロデキストリン若しくはシクロデキストリン誘導体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、PEG化カプリル酸/カプリン酸グリセリド、及びレシチンイソプロピルパルミテートから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、態様117~120のいずれか1つに記載の組成物。
【0129】
122. 皮膚浸透促進剤が、組成物の重量に基づいて、約1wt%~約98wt%の範囲の量で組成物中に存在する、態様117~121のいずれか1つに記載の組成物。
【0130】
123. 溶媒が、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコール、N-メチル-ピロリドン、及び鉱油から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、態様117~122のいずれか1つに記載の組成物。
【0131】
124. 溶媒が、組成物の重量に基づいて、約1wt%~約98wt%の範囲の量で組成物中に存在する、態様117~123のいずれか1つに記載の組成物。
【0132】
なおさらなる態様は以下を含む:
【0133】
125. 炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の処置又は予防的な処置を必要とする対象において、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法であって、
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置するのに十分な量の、態様67~124のいずれか1つに記載の組成物を対象に投与すること
を含む、方法。
【0134】
126. 炎症性皮膚疾患が、乾癬、皮膚炎、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)、及び紫外線(UV)紅斑のうちの少なくとも1つを含む、態様125に記載の方法。
【0135】
127. 炎症性皮膚疾患が、乾癬を含む、態様125に記載の方法。
【0136】
128. 炎症性皮膚疾患が、皮膚炎を含む、態様125に記載の方法。
【0137】
129. 皮膚炎が、接触性皮膚炎を含む、態様128に記載の方法。
【0138】
130. 皮膚炎が、アトピー性皮膚炎を含む、態様128に記載の方法。
【0139】
131. 皮膚炎が、湿疹を含む、態様128に記載の方法。
【0140】
132. 皮膚炎が、脂漏性皮膚炎を含む、態様128に記載の方法。
【0141】
133. 皮膚炎が、乾燥性皮膚炎を含む、態様128に記載の方法。
【0142】
134. 皮膚炎が、貨幣状皮膚炎を含む、態様128に記載の方法。
【0143】
135. 炎症性皮膚疾患が、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)を含む、態様125に記載の方法。
【0144】
136. 炎症性皮膚疾患が、紫外線(UV)紅斑を含む、態様125に記載の方法。
【0145】
137. 皮膚病変が、皮膚潰瘍、例えば、糖尿病性潰瘍を含む、態様125に記載の方法。
【0146】
138. 皮膚潰瘍が、神経栄養性潰瘍、静脈性潰瘍、動脈性潰瘍、又は虚血性潰瘍を含む、態様137に記載の方法。
【0147】
139. 神経栄養性潰瘍が、糖尿病性潰瘍を含む、態様138に記載の方法。
【0148】
140. 皮膚潰瘍が、褥瘡性潰瘍を含む、態様137に記載の方法。
【0149】
141. 1つ以上のOCSが、約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲の用量で対象に投与される、態様125~140のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
142. 1つ以上のOCSが、1μg/投与単位~10mg/投与単位の範囲の用量で対象に投与される、態様125~141のいずれか1つに記載の方法。
【0151】
143. 投与単位が、1mLのクリームである、態様142に記載の方法。
【0152】
144. 1つ以上のOCSが、1日に1回から1ヶ月に1回の範囲の頻度で投与される、態様125~143のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
145. 1つ以上のOCSが、1日に1回から1週間に1回の範囲の頻度で投与される、態様125~143のいずれか1つに記載の方法。
【0154】
146. 投与が、局部的に行われる、態様125~145のいずれか1つに記載の方法。
【0155】
147. 投与が、局所的に行われる、態様125~146のいずれか1つに記載の方法。
【0156】
148. 方法が、態様125~147のいずれか1つに定義される方法である、態様63に記載の使用のための1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)。
【0157】
149. 前記の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の量を対象に投与することが、態様67~124のいずれか1つに定義される組成物を対象に投与することを含む、態様1~62のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
150. 前記の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の量を対象に投与することが、態様67~124のいずれか1つに定義される組成物を対象に投与することを含む、態様64に記載の使用のための1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)。
【0159】
151. 前記の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の量を対象に投与することが、態様67~124のいずれか1つに定義される組成物を対象に投与することを含む、態様66に記載の使用。
【0160】
152. 医薬製剤が、IV注入用に製剤化され、デキストロース及び塩化ナトリウムを含む、態様42~62のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
さらなる態様は以下を含む:
【0162】
153. 酸素化コレステロール硫酸(OCS);
ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン(HPbCD); 及び
リン酸緩衝生理食塩水
を含む、組成物。
【0163】
154. OCSが、25HC3Sである、態様153に記載の組成物。
【0164】
155. 酸素化コレステロール硫酸(OCS);
ポリエチレングリコール3350;
ポリソルベート80;
塩化ナトリウム; 及び
リン酸緩衝生理食塩水
を含む、組成物。
【0165】
156. OCSが、25HC3Sである、態様155に記載の組成物。
【0166】
疑義を避けるために、態様153~156の組成物は、態様1~62の方法、態様64の使用のための1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)(前記の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の量を対象に投与することが、前記組成物を対象に投与することを含む)、及び態様66の使用(前記の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の量を対象に投与することが、前記組成物を対象に投与することを含む)において使用することができる。
【0167】
本開示のさらなる態様は、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の処置又は予防的な処置を必要とする対象において、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法であって、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置するのに十分な量の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)を対象に投与することを含む、方法を提供する。いくつかの態様では、炎症性皮膚疾患は、乾癬、皮膚炎、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)、及び紫外線(UV)紅斑のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの態様では、炎症性皮膚疾患は、乾癬を含む。いくつかの態様では、炎症性皮膚疾患は、皮膚炎を含む。いくつかの態様では、皮膚炎は、接触性皮膚炎を含む。いくつかの態様では、皮膚炎は、アトピー性皮膚炎を含む。いくつかの態様では、皮膚炎は、湿疹を含む。いくつかの態様では、皮膚炎は、脂漏性皮膚炎を含む。いくつかの態様では、皮膚炎は、乾燥性皮膚炎を含む。いくつかの態様では、皮膚炎は、貨幣状皮膚炎を含む。いくつかの態様では、炎症性皮膚疾患は、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)を含む。いくつかの態様では、炎症性皮膚疾患は、紫外線(UV)紅斑を含む。いくつかの態様では、皮膚病変は、皮膚潰瘍を含む。いくつかの態様では、皮膚潰瘍は、神経栄養性潰瘍、静脈性潰瘍、動脈性潰瘍、又は虚血性潰瘍を含む。いくつかの態様では、神経栄養性潰瘍は、糖尿病性潰瘍を含む。いくつかの態様では、皮膚潰瘍は、褥瘡性潰瘍を含む。さらなる態様では、1つ以上のOCSは、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩を含む。なおさらなる態様では、1つ以上のOCSは、5-コレステン-3,25-ジオール,ジサルフェート(25HCDS)又はその薬学的に許容可能な塩を含む。なおさらなる態様では、1つ以上のOCSは、約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲の用量で対象に投与される。なおさらなる態様では、1つ以上のOCSは、1μg/投与単位~10mg/投与単位の範囲の用量で対象に投与される。なおさらなる態様では、投与単位は、1回の注射である。なおさらなる態様では、投与単位は、1mLのクリームである。追加の態様では、1つ以上のOCSは、1日に1回から1ヶ月に1回の範囲の頻度で投与される。追加の態様では、1つ以上のOCSは、1日に1回から1週間に1回の範囲の頻度で投与される。追加の態様では、投与は、局部的及び全身的のうちの少なくとも1つによって行われる。追加の態様では、投与は、局所的、経口的、及び注射によってのうちの少なくとも1つによって行われる。追加の態様では、投与は、局所的に行われる。追加の態様では、投与は、注射によって行われる。追加の態様では、投与は、経口的に行われる。他の態様では、1つ以上のOCSは、医薬製剤として投与され、医薬製剤は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む。他の態様では、医薬製剤は、ローション又はクリームである。他の態様では、医薬製剤は、制御放出製剤である。他の態様では、医薬製剤は、懸濁液である。他の態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも1つのオリゴ糖を含む。他の態様では、少なくとも1つのオリゴ糖は、直鎖状オリゴ糖、分岐状オリゴ糖、又は環状オリゴ糖を含む。他の態様では、少なくとも1つのオリゴ糖は、シクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体を含む。他の態様では、シクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体は、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む。他の態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも1つのアルコールを含む。他の態様では、少なくとも1つのアルコールは、ジオールを含む。他の態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、プロピレングリコールを含む。他の態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも1つのポリアルキレングリコールを含む。他の態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも1つのポリエチレングリコールを含む。他の態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも1つのポリソルベートを含む。他の態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも1つの塩を含む。他の態様では、少なくとも1つの塩は、塩化ナトリウムを含む。他の態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも1つの防腐剤を含む。他の態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも1つの緩衝剤を含む。他の態様では、医薬製剤は、リン酸緩衝生理食塩水を含む。他の態様では、医薬製剤は、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンを含まない。他の態様では、医薬製剤は、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含まない。
【0168】
さらなる態様は、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法に使用するための、本明細書に定義される1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)を提供する。
【0169】
追加の態様は、本明細書に記載される使用のための、及び本明細書に記載される方法のための、1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)を提供する。
【0170】
なおさらなる態様は、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法に使用するための医薬の製造のための、本明細書に定義される1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の使用を提供する。いくつかの態様では、方法は、本明細書に記載される方法である。
【0171】
本発明は、言及される複数の非限定的な図面を参照して、以下の発明の説明においてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【
図1A】A、ラット(雄及び雌)の注射部位における組織病理学的所見の発生率。
【
図1B】B、イヌ(雄及び雌)の注射部位における組織病理学的所見の発生率。
【
図1C】C、注射部位の腫脹(総発生数/イヌの数)。
【
図2】実施例に従って処置したマウスにおける紅斑(発赤)。
【
図3A】実施例に従ってELISAにより測定した、乾癬性皮膚/病変におけるA、IL-17タンパク質レベル。
【
図3B】実施例に従ってELISAにより測定した、乾癬性皮膚/病変におけるB、TNFαタンパク質レベル。
【
図4A】研究薬物投与部位の例示的な図。A、選択肢1。
【
図4B】研究薬物投与部位の例示的な図。B、選択肢2。
【
図5A】LPSIスコアの要約。A、平均薬物又はビヒクルLPSIスコア、対、未処置LPSIスコアの間の差。
【
図5B】LPSIスコアの要約。B、溶液又は懸濁液製剤中の25HC3SのLPSIスコア: 平均薬物LPSIスコア、対、ビヒクルLPSIスコアの間の差。
【
図6A】個々のLPSI成分。A、落屑についてのスコア。90%信頼区間(CI)で示される、平均薬物スコア、対、ビヒクルスコアの間の差。
【
図6B】個々のLPSI成分。B、硬化についてのスコア。90%信頼区間(CI)で示される、平均薬物スコア、対、ビヒクルスコアの間の差。
【
図6C】個々のLPSI成分。C、紅斑についてのスコア。90%信頼区間(CI)で示される、平均薬物スコア、対、ビヒクルスコアの間の差。
【
図7】1回目及び2回目の死体皮膚流動研究で深部皮膚に見出された薬物の量。
【発明を実施するための形態】
【0173】
発明の詳細な説明
炎症性皮膚疾患及び皮膚病変の処置及び/又は予防的な処置を必要とする対象において、炎症性皮膚疾患及び皮膚病変を処置及び/又は予防的に処置する方法が本明細書に記載され、同様に、炎症性皮膚疾患に至る、これを引き起こす、又はこれによって引き起こされる、又はこれに関連する状態を処置及び/又は予防的に処置する方法が本明細書に記載される。本方法は、一般に、罹患した皮膚、又は罹患している可能性がある皮膚を、疾患/状態を処置及び/又は予防的に処置するのに有効又は十分な量の、少なくとも1つの酸素化コレステロール硫酸(OCS)と接触させることを含む。本方法は、一般に、そのような処置を必要とする対象、例えば、炎症性皮膚疾患に罹患しやすいこと、又は炎症性皮膚疾患の少なくとも1つの徴候若しくは症状を既に示していることに起因して、そのような処置から利益を得るであろう対象を、特定又は診断することを含む。例えば、対象は、特定の患者集団、例えば、急性の傷害(例えば、皮膚損傷剤への曝露又は曝露の疑い)に起因する皮膚疾患を有するもの、又は慢性状態(例えば、皮膚損傷剤への長期曝露、炎症性皮膚疾患への遺伝的素因など)を有するもの、又は皮膚障害の素因を作る他の状態(例えば、糖尿病)及び/若しくは他の原因に由来する他の状態を有するもののメンバーであってもよい。
【0174】
いくつかの態様では、本開示は、症状を軽減するのに十分な局部用量を罹患領域に提供するために、皮膚炎症を局部的に、例えば、直接罹患領域内への又は罹患領域に隣接した、局所投与によって、皮下投与によってなどで、処置する方法を提供する。言い換えれば、いくつかの態様では、本方法は、全身的ではない送達を包含する。しかし、いくつかの態様では、特定の診断(例えば、皮膚炎症又は皮膚病変)のための送達経路は、全身的に、又は2つ以上の投与経路(例えば、局部送達と組み合わせた全身注射)によって、処置してもよい。さらに、本明細書に記載の特定の経路(例えば、局所的に、又は局部皮下注射によって)で処置される対象はまた、異なる共存疾患又は状態に対して、同じ又は別の経路によって投与される1つ以上のOCSによる処置を、受けているところであるか若しくは受けてもよいし、又は受けているところではなくても若しくは受けなくてもよい。例えば、対象は、OCSの製剤(例えば、経口、静脈内など)を摂取することによって、(例えば、高コレステロール、臓器不全などについて)少なくとも1つのOCSによる処置を既に受けていてもよい。そのような処置は、さらに、皮膚炎症の処置を施すことを妨げない。
【0175】
定義
以下の定義は、全体を通して使用される:
【0176】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」は、1、2、3、4、又はそれを超えるものを意味する。
【0177】
処置する、及び予防的に処置する
本明細書で使用される場合、「予防的に処置する(prophylactically treat)」(「予防的処置(prophylactic treatment)」、「予防的に処置すること(prophylactically treating)」など)及び「予防する(prevent)」(「予防(prevention)」、「予防すること(preventing)」など)は、それを必要とする対象への少なくとも1つのOCSの予防的投与によって、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の少なくとも1つの症状の発生を避ける又は回避することを互換的に指す。一般に、「予防的」又は「予防」は、患者が障害を発症する可能性の低減に関する。典型的には、対象は、疾患又は望ましくない状態の少なくとも1つの症状を発症する危険性があるか、又は発症しやすいと当業者によって見なされるか、あるいは医学的介入がない場合、疾患/状態の少なくとも1つの症状を発症する可能性があると見なされる。しかし、一般に、「予防」又は「予防的処置」について、投与は、対象が疾患の症状(状態、障害、症候群など; 別段の指示がない限り、これらの用語は、本明細書では互換的に使用される)を有する、又は有することが知られるか若しくは確認される前に行われる。言い換えれば、症状は、まだ明白又は観察可能ではなくてもよい。対象は、様々な要因、例えば、以下に限定されないが、遺伝的素因; 最近の特定の、若しくは疑わしい、若しくは避けられない将来の毒性物質(例えば、毒性化学物質又は薬品、放射線など)への曝露; 又は、予防されている疾患/状態の発症と結びつく若しくはこれに関連する別のストレッサー若しくはストレッサーの組み合わせへの曝露又はこの経験、に起因して危険性があると見なされてもよい。炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の予防のいくつかの態様では、対象は、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の潜在的な前兆の症状、例えば、紅斑を既に示していてもよい。そのような態様では、対象の処置は、前兆状態の不快な又は有害な影響又はアウトカム(結果)を予防する。疾患又は状態の「予防」又は「予防的処置」は、検出可能な症状の発生を完全に防止することを含み得るか、あるいは、本明細書で提供される医学的介入がない場合、すなわち、1つ以上のOCSが投与されない場合に起こるであろう、炎症性皮膚疾患の少なくとも1つの症状の程度、重症度、又は持続期間を軽減又は減弱することを含み得る。あるいは、対象は、初期症状を経験していてもよく、予防されるのは、重篤期の疾患への進行である。
【0178】
いくつかの態様では、予防される疾患のアウトカム又は結果は、対象の死である。
【0179】
「処置する」(処置、処置することなど)は、本明細書で使用される場合、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の少なくとも1つの症状を既に示している対象に少なくとも1つのOCSを投与することを指す。言い換えれば、疾患に関連することが知られている少なくとも1つのパラメータが、対象において測定、検出、又は観察されている。炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の「処置」は、1つ以上のOCSの投与前又は投与時に存在した炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の少なくとも1つの症状の軽減若しくは減弱、又はいくつかの形態では完全な根絶を含む。したがって、例えば、乾癬の処置は、乾癬に関連する損傷を予防又は処置することを含む。
【0180】
本明細書で使用される場合、「皮膚」は、動物の外被又は外皮を形成する膜状組織を指す。脊椎動物において、皮膚は、表皮及び真皮を含む。しかし、本開示は、外部環境に対する身体のバリアの一部を形成する他の組織、例えば、膜(例えば、粘膜)、すなわち、身体の外部からアクセス可能な腔又は領域を裏打ちする薄い柔軟な組織層(例えば、口の内側、鼻、耳、膣、直腸、及び目の結膜など)の炎症又は皮膚病変を予防又は処置することを含む。
【0181】
処置されるべき疾患/症状
本明細書に記載の組成物及び方法で処置される対象は、一般に、「炎症性皮膚疾患」若しくは「炎症性皮膚障害」と診断されており、及び/又は1つ以上の皮膚病変で苦しんでいる。いくつかの態様では、炎症は、非感染性の炎症であり、例えば、炎症は、感染性物質に関連しないか又はそれによって引き起こされない。炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の症状は、対象の単一の部位(位置)に生じてもよく、又は複数の部位に生じてもよい。いくつかの態様では、1つ以上の炎症性皮膚障害及び1つ以上の皮膚病変は、両方とも、皮膚若しくは膜の隣接する区画、又は個体の別々の部位のいずれかで、対象に生じ得る。
【0182】
炎症性皮膚疾患は、典型的には、例えば、赤くなった、かゆい、乾燥した、荒れた、かさかさの、炎症を起こしている、及びひりひりする皮膚を特徴とし、皮膚はまた、水疱、鱗状斑などを示し得る。いくつかの態様では、炎症性皮膚疾患は、急性的であり、一般に、未処置であっても数日又は数週間以内に消散し、本開示の組成物及び方法は、疾患の消散中に症状を改善し(例えば、かゆみ、発赤などを軽減する)、及び/又は症状の消失を早める。あるいは、いくつかの態様では、皮膚炎症性疾患/障害は、慢性的であり、例えば、処置なしで、又は従来の処置をしても、症状は数週間、数ヶ月、又は数年間、又は無期限にさえ持続する。本開示の組成物及び方法の使用は、疾患が持続していながら慢性皮膚炎症の症状を改善し(症状の軽減をもたらし)(例えば、皮膚のかゆみ、発赤、ひび割れ及びかさつきの軽減、皮膚病変の治癒の促進など)、及び/又は他のやり方では存在するであろう症状を部分的若しくは完全に治癒する(症状の完全若しくはほぼ完全な消失を引き起こす)。
【0183】
「炎症性皮膚疾患」は、特定の、公知の又は同定可能な病因物質への曝露によって引き起こされる疾患及び状態、並びに原因があまり明確にされていない疾患/状態を包含することを意図し、例えば、それらは、免疫障害若しくは機能不全(例えば、自己免疫反応)、ストレス、未同定のアレルギー、遺伝的素因などに起因し、及び/又は2つ以上の要因に起因する。
【0184】
「皮膚病変」は、本明細書で使用される場合、最も一般的には、周囲の皮膚と比較して、異常な成長又は外観を有する皮膚の領域を指す。例えば、皮膚の領域は、下にある組織を露出させる、皮膚外層(少なくとも表皮、並びにおそらく真皮及び/若しくは皮下組織(subcutis)(皮下組織(hypodermis))の1つ以上の裂け目を示す領域であってもよい。皮膚病変としては、例えば、皮膚潰瘍、すなわち、壊死性炎症組織の脱落によって生じる皮膚表面の局部的欠損、破壊又は陥凹が挙げられる。潰瘍は、例えば、性質が神経栄養性又は虚血性であってよく、例えば、褥瘡性潰瘍、糖尿病性潰瘍(しばしば足潰瘍である)などが挙げられる。褥瘡性潰瘍(床ずれ又は圧迫潰瘍としても知られている)は、圧力、又は剪断と組み合わせた圧力の結果として、通常は骨の隆起上の皮膚及び/又は下にある組織に対する局部的な傷害を特徴とする。そのような潰瘍は、典型的には、皮膚における循環が、例えば背中又は臀部上の、及び/又は特に骨の隆起、例えば、仙骨(仙骨褥瘡)上の、圧力によって損なわれるほど長く1つの位置に横たわることから生じる。本明細書に開示の組成物及び方法を使用して、褥瘡性潰瘍の4つの病期(I~IV)のいずれかを処置してもよい。典型的には脚又は足の、静脈性及び動脈性潰瘍の処置も包含される。皮膚病変はまた、炎症又は感染を伴う又は伴わない、意図的又は偶発的な裂け目、例えば、切り傷、かき傷、切開などによって引き起こされるものを含む。皮膚病変はまた、ただれ(sore)、傷口の開いたただれ(open sore)などと称され得る。皮膚病変の根本的な原因は、炎症、感染(例えば、ウイルス感染又は細菌感染)、神経障害、虚血、壊死(例えば、糖尿病性潰瘍に生じるような)、又はこれらの1つ以上の組み合わせであってもよい。さらに、多くの皮膚疾患は、炎症及び1つ以上の皮膚病変の両方によって引き起こされ並びに/又はそれを特徴とし、また、全てのそのような皮膚疾患及び/若しくは病変又はその症状は、本明細書に開示される組成物及び方法によって処置できる。
【0185】
疑義を避けるために、皮膚病変は、皮膚壊死を含む。したがって、本明細書に記載の方法及び技術は、皮膚壊死を処置又は予防的に処置するのに適している。
【0186】
炎症性皮膚疾患/障害(特に慢性炎症性皮膚疾患)としては、以下に限定されないが、例えば、アトピー性皮膚炎、全ての種類の乾癬、ざ瘡、魚鱗癬、接触性皮膚炎、湿疹、光線皮膚症、乾燥皮膚障害、単純ヘルペス、帯状疱疹(zoster)(帯状疱疹(shingles))、日焼け(例えば、重度の日焼け)などが挙げられる。本明細書における乾癬への言及は、別段の指定がない限り、全ての種類の乾癬を指す。
【0187】
いくつかの態様では、処置される疾患/状態は、乾癬であり、例えば、プラーク屈曲性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、光感受性乾癬、及び紅皮性乾癬が挙げられる。乾癬は、一般に、免疫障害として認識されており、感染(例えば、連鎖球菌性咽頭炎又は鵞口瘡)、ストレス、皮膚への傷害(切り傷、擦り傷、虫刺され、重度の日焼け)、特定の薬品(リチウム、抗マラリア薬、キニジン、インドメタシンを含む)などの要因によって引き起こされ、又はそれに関連していてもよく、さらに、他の免疫状態、例えば、2型糖尿病、心血管疾患、高血圧、クローン病、高コレステロール、うつ病、潰瘍性大腸炎などと併発していてもよい。これらの原因のいずれか、又は任意の他の原因若しくは未知の原因による乾癬を、本明細書に記載の製剤及び方法によって処置してもよい。
【0188】
いくつかの形態では、個体(患者)は、以下のうちの1つを示す場合に乾癬を有すると定義される: 1)銀白色の鱗屑で覆われた、炎症を起こし腫脹した皮膚病変(プラーク乾癬又は尋常性乾癬); 2)胴体、腕又は脚に現れる小さな赤い点(滴状乾癬); 3)皮膚の屈曲表面における鱗屑化のない滑らかな炎症を起こした病変(逆乾癬); 4)かゆみ及び腫脹を伴う又は伴わない、広範囲の発赤及び微細鱗屑の剥離(紅皮性乾癬); 5)水疱様病変(膿疱性乾癬); 6)銀白色の鱗屑で覆われた、炎症を起こした頭皮病変の増加(頭皮乾癬); 7)くぼみのある爪(黄色い変色を伴う又は伴わない)、ぼろぼろに崩れる爪、又は炎症、及び爪床からの爪の脱離(爪乾癬)。
【0189】
いくつかの態様では、処置される疾患/状態は、皮膚炎の一形態であり、これは皮膚の炎症によって定義される一般的用語である。皮膚炎はまた、当技術分野において湿疹とも称される。湿疹は、「アトピー性皮膚炎」と称することもでき、例えば、「aad.org/public/diseases/eczema/atopic-dermatitis」にある米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology)のウェブサイトを参照のこと。これらの呼称は、かゆみを伴う、炎症を起こした皮膚の発疹を引き起こす様々な状態を説明するため、及び主に表皮を含む任意の表層炎症過程(初期には発赤、かゆみ、微小丘疹及び小水疱、浸出、滲出、及び痂皮形成を特徴とし、後に、鱗屑化、苔癬化、及びしばしば色素沈着を特徴とする)を指すために、本明細書において互換的に使用し得る。
【0190】
様々な種類のアトピー性皮膚炎/湿疹が知られており、皮脂欠乏性湿疹、ヘルペス性湿疹、貨幣状湿疹、神経皮膚炎、乾燥性湿疹紅斑(乾燥した鱗屑、細かいひび割れ、及び皮膚の掻痒、暖房された部屋での低湿度が角質層からの過剰な水分損失を引き起こす場合に主に冬の間に生じる)、及び脂漏性皮膚炎が挙げられる。これらの状態は、一般に、慢性的な炎症を起こした皮膚及び時には耐えられないかゆみを特徴とする非伝染性障害であり、しばしば、喘息及び花粉症などの呼吸器系を含むストレス及びアレルギー性障害に関連している。アトピー性皮膚炎は、どの年齢でも現れる可能性があるが、小児及び若年成人に最もよく見られる(例えば、乳児湿疹)。滲出し、痂皮で覆われた皮膚を特徴とするが、乳児湿疹は、ほとんどの場合、顔及び頭皮に生じる。その状態は、通常、子供の2歳の誕生日の前に改善し、その時点まで医療処置で症状を抑えることができる。
【0191】
乳児型の湿疹は、出生後すぐに、しばしば乳児の生後4ヶ月までに、最初に現れ得る。乳児湿疹は、一般に、赤く、乾燥した、わずかに鱗状の、ひび割れた、及び剥離した皮膚、又は時には湿って滲出する皮膚として現れる。乳児湿疹は、顔、頭皮、首、及びおむつの当たる領域の周りに最も頻繁に現れる。より年長の小児及び若年成人は、一般に、屈曲部及び頬にこの疾患の発現を経験する。乳児湿疹で苦しんでいる個体の半数未満で、この疾患は、4歳までに治癒する; これらの個体でさえも、この疾患は、後年に生じ得る。湿疹の被害者の大多数は、若年成人期を通じて、約30歳まで(この時点でこの疾患は通常消失する)、依然として時折の再発を経験する。
【0192】
成人型の湿疹は、一般に、肘前部及び膝窩部、及びいくつかの形態では手、足、及び顔の周りに現れる。感染した皮膚は、一般に、乾燥しており、紅斑性であり、及び剥離しており、細菌性痂皮形成及び発赤を伴う。
【0193】
局部型の湿疹は、多様な個体に生じ、主に手首、足首、手、足、及び耳の周り、並びに肛門周囲、外陰周囲、及び陰嚢領域に現れる。
【0194】
アトピー性湿疹の有害な結果の中には、この疾患に関連する掻痒又はかゆみがある。アトピー性湿疹で苦しんでいる人は、掻痒が生涯の伴侶であるとしばしば感じる。そのような耐えられないかゆみからの、もたらされるあらゆる軽減は、罹患した対象にとって臨床上の利益である。アトピー性湿疹の発生において役割を果たす多くの要因、例えば、食事要因及び感情要因がある。さらに、季節変動は、アトピー性湿疹が一般に冬季の間に悪化することの重要な要因である。
【0195】
アトピー性湿疹で苦しんでいる人の最大の懸念の1つは、ウイルス感染の危険性の増加、及び特に、単純ヘルペスウイルス又はワクシニアウイルスによる侵入である。さらに、アトピー性湿疹に罹患している人は、環境刺激物に異常に敏感である。その結果、この疾患で苦しんでいる人は、しばしば、柔らかくて軽い服を着ること; 熱源から遠ざかること; 5分を超えずに、最少量の石鹸を使用して、短い入浴又はシャワーを浴びること; 塗料、洗剤、溶媒、化学スプレー、ほこりなどの一次刺激物を避けること; 及び時には、極端な気温を経験することが稀である、暖かく乾燥した温度の、変わらない気候に、その居住地を変えることを勧められる。
【0196】
一態様では、アトピー性皮膚炎は、例えばアレルギー反応を引き起こす薬剤への曝露によって引き起こされる、接触性アレルギー性皮膚炎である。アトピー性皮膚炎の一般的な誘因としては、例えば、石鹸及び家庭用洗剤(例えば、万能洗剤、食器用洗剤、洗濯用洗剤、窓用洗剤、家具用艶出し剤、排水口用洗剤、トイレ用消毒剤など); 衣類(例えば、ウールのような粗い布地); 熱; ラテックスとの接触; 化粧品及び化粧品の成分(例えば、アスコルビン酸、パラベン防腐剤、及びアルファヒドロキシ酸、例えば、グリコール酸、リンゴ酸、及び乳酸); ツタウルシ、ポイズンオーク(poison oak)、及びポイズンスマック(poison sumac)などの植物由来の油; 食品、特に酸性食品又はスパイスとの接触; コスチュームジュエリー、時計バンド、ジッパーなどの一般的な成分であるニッケル; 日焼け止め剤及びその成分、例えば、パラアミノ安息香酸(PABA)系化学物質などが挙げられる。
【0197】
いくつかの態様では、予防又は処置される皮膚炎症は、「おむつかぶれ」であり、これは、乳児だけでなく他の失禁個体にも起こり得る。おむつかぶれは、i)刺激性又は接触性皮膚炎と分類され得るか; 又はii)ブドウ球菌若しくは連鎖球菌細菌感染又は酵母/真菌感染(例えば、カンジダ)などの皮膚感染に起因し得るか; 又はiii)例えば洗浄製品、おむつ成分などに対する、アレルギー反応によって引き起こされ得る。
【0198】
他の態様では、予防又は処置される皮膚炎症は、酒さである。この皮膚状態の正確な原因は不明である。症状は、顔の中央、又はさらには肩、胸、及び背中における紅潮及び発赤; 目に見える壊れた血管(クモ状静脈); ひりひりする又はかゆみがあり得る、腫脹した過敏な皮膚; 乾燥した皮膚; 荒れた鱗状の皮膚; でこぼこの質感を有する皮膚肥厚; 赤くひりひりする眼及び腫脹した眼瞼などを含み得る。本明細書に記載の組成物及び方法を用いて、紅斑毛細血管拡張性酒さ、丘疹膿疱性酒さ、瘤腫性酒さ、及び眼性酒さを含む全ての種類の酒さを、予防又は処置し得る。
【0199】
単純ヘルペス
いくつかの態様では、処置される患者は、ヘルペスウイルスを有する。全てのヘルペスウイルスのうち、ヘルペスウイルス・ホミニス(Herpesvirus hominis)の作用は、群を抜いて最も一般に経験される。ヘルペスウイルス・ホミニスは、単純ヘルペスの原因であり、I型及びII型という2つの異なる型を有する。I型は、コールドソア(cold sore)の形態の口唇ヘルペス(口腔ヘルペス)、並びに口唇若しくは鼻の周りの見苦しい病変を引き起こす。II型は、ウエストより下、主に性器領域に現れる、ただれの形態の性器ヘルペス(Herpes genitalis)(性器ヘルペス(genital herpes))を引き起こす。2つの型は、それらの挙動の性質に関してほとんど変わらず、どちらか一方が他方の代わりをすることができる。したがって、II型は、コールドソアを引き起こすことができ、一方、I型はまた、性器に感染することができる。それにもかかわらず、II型は、性器ヘルペスの少なくとも約80パーセント(80%)の原因である。
【0200】
I型とII型の両方とも、性的及び非性的接触によって伝染し得る; しかし、性器ヘルペスは、一般に性交を通して伝染する。性器のI型感染又は口のII型感染は、口腔-性器接触を通して起こり得る。2人がキスをしたとき、又は同じタオルを使って顔を拭くのと同じくらい簡単な方法によって、コールドソアウイルスは伝染し得る。感染した領域に触れた後に、単に目をこすることによって、目に感染し得る。したがって、単純ヘルペスウイルスI型及びII型を伝染させることができる様々な方法がある。さらに、通常の事例ではないが、単純ヘルペスの症状が現れる前、又は感染者が、自分が単純ヘルペスを有することに気付く前に、ウイルスの伝染が起こることさえあり得る。
【0201】
単純ヘルペス感染の症状は、時折発熱又は腫脹したリンパ腺が先行する又はそれを伴う、小隆起又は水疱の集合の発達を含む。次いで、水疱は痂皮を生じ、ただれは消失する(通常最初の症状の後3週間以内に)。しかし、ウイルスは、一生体内に残り、唾液腺、神経組織、及びリンパ節などの場所で休止する。最初の発病から回復した後、発病の頻度が徐々に減少するまで、次の数年間にわたり、その後の感染が生じ得る。しかし時折、再発は、個体の生涯の残りにわたって現れ得る。次いで、ヘルペス感染の再発は、ストレス、疲労、太陽への曝露、外傷、発熱、又は月経によってしばしば引き起こされる。
【0202】
他の合併症が、単純ヘルペスウイルスで苦しんでいる人に発症し得る。単純ヘルペスに罹患している人がただれ又は水疱に触れ、その後、目をこすった場合、ヘルペス性角膜炎として知られる深刻な眼の感染を発症し得る。毎年、何千人ものアメリカ人が、この疾患のために失明する。
【0203】
女性にとって、性器単純ヘルペスは、特別な危険性をもたらす。まず、性器単純ヘルペスは、子宮頸がんに関連している。女性のヘルペス被害者は、感染していない女性よりも、子宮頸がんを発症する可能性が5~7倍高い。性器単純ヘルペスはまた、深刻な先天性欠損症を引き起こし得る。活動性の性器単純ヘルペス感染を有する妊婦は、子供が産道を通過するときに、赤ん坊にこの疾患を感染させる50パーセント(50%)の確率に直面する。単純ヘルペスを発症した新生児の約50パーセント(50%)が感染症で死亡する; 生き残った新生児の75パーセント(75%)が、失明又は脳損傷を起こす。幸いなことに、出産時期の近くにただれが見つかった場合、産道を通過する際の新生児の感染を防ぐために、医師は帝王切開を行うことができる。
【0204】
ほとんどのアメリカ人は、単純ヘルペスウイルスに曝露されている; 確かに、アメリカの人口の80パーセント(80%)が単純ヘルペスウイルスを保有しており、ウイルスに対する抗体は検査された血液サンプルの最大95パーセント(95%)で見出されている。症状を経験しない人もいるが(おそらく免疫系がウイルスを撃退して、その攻撃を持続できないため)、単純ヘルペスウイルスと性的接触をする8人のうち約7人が感染する。3000万人から7000万人のアメリカ人が、単純ヘルペス感染の最も一般的な形態であるコールドソアの形態に時折罹患すると推定されている。さらに、500万人から2000万人のアメリカ人が、性器単純ヘルペスに罹患しており、毎年、さらに50万人のアメリカ人がこれらのランクに加わると推定されている。
【0205】
単純ヘルペスに対する公知の有効な処置は存在していないので、単純ヘルペスで苦しんでいる人の総数は、増加し続ける。科学者は、ビタミンC、亜鉛、エーテル、及びアイスパックなどの、ヘルペスのための多くの様々な処置を試みて、却下している。
【0206】
化合物及び組成物
本明細書に記載の方法及び組成物に使用されるOCSの例としては、以下に限定されないが、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S); 5-コレステン-3,25-ジオール,ジサルフェート(25HCDS); 5-コレステン,3,27-ジオール,3-サルフェート; 5-コレステン,3,27-ジオール,3,27-ジサルフェート; 5-コレステン,3,7-ジオール,3-サルフェート; 5-コレステン,3,7-ジオール,3,7-ジサルフェート; 5-コレステン,3,24-ジオール,3-サルフェート; 5-コレステン,3,24-ジオール,3,24-ジサルフェート; 5-コレステン,3-オール,24,25-エポキシ3-サルフェート; 及びそれらの塩、特にそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。25HC3Sの開示は、例えば、米国特許第8,399,441号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に見出される。25HCDSの開示は、例えば、米国特許出願公開第20150072962号(その全体が参照により組み込まれる)に見出される。特定の態様では、OCSは、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)及び5-コレステン-3,25-ジオール,ジサルフェート(25HCDS)(単独で又は組み合わせてのいずれか)から選択される。さらなる態様では、OCSは、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)である。OCSは、典型的には、体内で天然に生じるOCSの合成版である。
【0207】
一態様では、OCSは、式
【0208】
【化1】
の5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)及び/又はその薬学的に許容可能な塩である。
【0209】
一態様では、OCSは、式
【0210】
【化2】
の5-コレステン-3β,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)及び/又はその薬学的に許容可能な塩である。
【0211】
一態様では、OCSは、式
【0212】
【化3】
の5-コレステン-3,25-ジオール,ジサルフェート(25HCDS)及び/又はその薬学的に許容可能な塩である。
【0213】
いくつかの態様では、OCSは、式
【0214】
【化4】
の5-コレステン-3β,25-ジオール,ジサルフェート 25HCDS及び/又はその薬学的に許容可能な塩である。
【0215】
いくつかの態様では、1つ以上の酸素化コレステロール硫酸は、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの態様では、1つ以上の酸素化コレステロール硫酸は、5-コレステン-3,25-ジオール,ジサルフェート(25HCDS)又はその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの態様では、1つ以上の酸素化コレステロール硫酸は、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩からなる。いくつかの態様では、1つ以上の酸素化コレステロール硫酸は、5-コレステン-3,25-ジオール,ジサルフェート(25HCDS)又はその薬学的に許容可能な塩からなる。
【0216】
化合物は、純粋な形態において、又は適切なエリキシル剤、結合剤など(一般に「担体」と称される)を含む薬学的に許容可能な製剤(本明細書では医薬製剤又は医薬組成物とも称される)において、又は薬学的に許容可能な塩(例えば、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、若しくはリチウム塩、アンモニウムなど)若しくは他の錯体として、投与してもよい。薬学的に許容可能な製剤は、固体、半固体、及び液体材料(固体、半固体、及び液体剤形の両方、例えば、錠剤、カプセル、クリーム、ローション、及びエアロゾル化された剤形などを調製するために従来利用されるもの)を含むことを理解すべきである。
【0217】
適切な医薬担体としては、不活性固体希釈剤若しくは充填剤、滅菌水溶液、並びに様々な有機溶媒が挙げられる。固体担体の例は、ラクトース、白土、スクロース、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はセルロースの低級アルキルエーテルである。液体担体の例は、シロップ、落花生油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレン、ミリスチン酸イソプロピル、又は水である。他の担体/希釈剤としては、落花生油、ヤシ脂肪酸エチル、ヤシ脂肪酸オクチル、ポリオキシエチレン化硬化ヒマシ油、流動パラフィン、イソプロパノール、グリセロール、プロピレングリコール、パラフィン、セルロース、パラベン、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、及びフェノキシエタノールが挙げられる。同様に、担体又は希釈剤は、当技術分野で公知の任意の持続放出材料、例えば、モノステアリン酸グリセロール又はジステアリン酸グリセロールを単独で又はワックスと混合して含んでもよい。さらに、化合物は、水性又は油性ビヒクルを用いて製剤化してもよい。水は、従来の緩衝剤及び組成物を等張にするための薬剤も含み得る組成物の調製のための担体として使用してもよい。
【0218】
他の潜在的な添加剤及び他の材料(好ましくは、一般に安全と見なされるもの[GRAS])としては、着色剤; 香味剤; 界面活性剤(例えば、非イオン性界面活性剤、例えば、ポリソルベート(例えば、TWEEN(登録商標)20、40、60、及び80ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)、ソルビタンエステル(例えば、Span(登録商標)20、40、60、及び85)、及びポロキサマー(例えば、Pluronic(登録商標)L44、Pluronic(登録商標)F68、Pluronic(登録商標)F87、Pluronic(登録商標)F108、及びPluronic(登録商標)F127); 両性イオン性界面活性剤、例えば、レシチン; アニオン性界面活性剤、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び硫酸化ヒマシ油; 及びカチオン性界面活性剤、例えば、塩化ベンザルコニウム及びセトリミド)が挙げられる。界面活性剤としては、以下に限定されないが、ポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL)、ポリオキシル40硬化ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH40)、ポリオキシル60硬化ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH60)、d-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸エステル(TPGS)、12-ヒドロキシステアリン酸のポリ-オキシエチレンエステル(例えば、Solutol(登録商標)HS-15)、PEGカプリル酸/カプリン酸グリセリド、例えば、PEG300カプリル酸/カプリン酸グリセリド(例えば、Softigen(登録商標)767)、PEGカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、PEG400カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(例えば、Labrafil(登録商標)M-1944CS)、PEGリノール酸グリセリド(PEG linoleic glyceride)、例えば、PEG300リノール酸グリセリド、(例えば、Labrafil(登録商標)M-2125CS)、ステアリン酸ポリオキシル8(例えば、モノステアリン酸PEG400)、ステアリン酸ポリオキシル40(例えば、モノステアリン酸PEG1750)、ペパーミント油、オレイン酸、ステアリン酸など); 並びに溶媒、安定剤、エリキシル剤、及び結合剤又はカプセルの材料(ラクトース、リポソームなど)が挙げられる。
【0219】
固体希釈剤及び賦形剤としては、ラクトース、デンプン、従来の崩壊剤、コーティングなどが挙げられる。防腐剤、例えば、ベンジルアルコール、フェノール、クロロブタノール、2-エトキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、クロルヘキシジン、3-クレゾール、チメロサール、フェニル水銀塩、安息香酸ナトリウム、臭化セトリモニウム、塩化ベンゼトニウム、エチルヘキシルグリセリン、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、セチルアルコール、ステアリルアルコール、クロロアセトアミド、トリクロロカルバン、ブロノポール、4-クロロクレゾール、4-クロロキシレノール、ヘキサクロロフェン、ジクロロフェン、又は塩化ベンザルコニウムも使用してよい。皮膚バリアを通過する活性成分の輸送を助ける、例えば、皮膚の角質層を通過することができる希釈剤又は担体、例えば、ジメチルスルホキシド又は酢酸が含まれてもよく; 吸収促進剤、例えば、ジメチルアセトアミド、トリクロロエタノール又はトリフルオロエタノール、特定のアルコール(イソプロパノール、グリセロールなど)が含まれてもよい。
【0220】
医薬製剤のいくつかの態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、オリゴ糖、例えば、直鎖状オリゴ糖、分岐状オリゴ糖、又は環状オリゴ糖を含む。環状オリゴ糖は、シクロデキストリン、例えば、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンであってもよい。さらなる態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンを含まない。さらなる態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含まない。
【0221】
オリゴ糖は、2つ以上の糖分子(モノマー)、例えば、2~200個の糖分子、例えば、3~100個の糖分子又は3~10個の糖分子を含有する糖ポリマーである。「環状オリゴ糖」は、環状であるオリゴ糖を指す。典型的には、環状オリゴ糖は、一緒に環を形成する5個以上の糖分子、例えば、5~200個の糖分子、例えば、5~100個の糖分子又は5~10個の糖分子を含む。環状オリゴ糖は、環状オリゴ糖の塩を含む。
【0222】
「シクロデキストリン」(「CD」)は、環において一緒に結合した糖分子を含む合成化合物のファミリーを指す(環状オリゴ糖)。シクロデキストリンは、外側表面にヒドロキシル基を有し、中央に空洞を有する環状オリゴ糖である。それらの外側表面は親水性であり、したがってそれらは、通常水に可溶性であるが、空洞は親油性の性質を有する。最も一般的なシクロデキストリンは、それぞれ、6、7、及び8個のα-1,4-結合グルコース単位からなる、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、及びγ-シクロデキストリンである。これらの単位の数が、空洞のサイズを決定する。シクロデキストリンは、アミロースにおけるように、1→4結合した5個以上のα-D-グルコピラノシド単位を典型的には含む。典型的なシクロデキストリンは、環において6~8個の単位を含有し、円錐形を作り、6員環であるα(アルファ)-シクロデキストリン、7員環であるβ(ベータ)-シクロデキストリン、及び8員環であるγ(ガンマ)-シクロデキストリンを含む。はるかにより大きなシクロデキストリン環、例えば、100個を超えるα-D-グルコピラノシド単位を含むものも知られている。医療目的に適したシクロデキストリンは、容易に商業的に入手可能である。シクロデキストリンは、シクロデキストリンの塩を含む。
【0223】
CDの様々な誘導体もまた使用してよく、以下に限定されないが、クロラムフェニコール/メチル-β-CD; β-及びγ-CDの高度に水溶性の、ランダムに置換されたヒドロキシアルキル誘導体、例えば、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン及び2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン; スルホアルキルエーテルCD、例えば、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン; 脂質置換CD; ジメチル-β-CD、ランダムにメチル化されたβ-CDなどが挙げられる。いくつかの態様では、シクロデキストリンは、β-シクロデキストリン又はスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンである。
【0224】
一般的なシクロデキストリン誘導体は、アルキル化(例えば、メチル-及びエチル-β-シクロデキストリン)、又はヒドロキシル基のヒドロキシアルキル化(例えば、α-、β-、及びγ-シクロデキストリンのヒドロキシプロピル-及びヒドロキシエチル-誘導体)によって、又は一級ヒドロキシル基を糖で置換することによって(例えば、グルコシル-及びマルトシル-β-シクロデキストリン)形成される。例えば、シクロデキストリン誘導体は、アルキル置換、ヒドロキシアルキル置換、スルホアルキルエーテル置換、又はアルキルエーテル置換されたシクロデキストリンを含み、例えば、アルキル基が1~8個の炭素、例えば2~5個の炭素を含むものがある。そのような誘導体において、シクロデキストリンは、完全に又は部分的にアルキル置換、ヒドロキシアルキル置換、スルホアルキルエーテル置換、又はアルキルエーテル置換されていてもよい(すなわち、シクロデキストリンの天然のヒドロキシル基の全部又はより典型的には一部のみが、アルキル置換基、ヒドロキシアルキル置換基、スルホアルキルエーテル置換基、又はアルキルエーテル置換基で置換されている)。シクロデキストリン誘導体は、シクロデキストリンエーテルも含む。ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、及びβ-シクロデキストリンへのプロピレンオキシド付加によるその調製、並びにヒドロキシエチルβ-シクロデキストリン、及びβ-シクロデキストリンへのエチレンオキシド付加によるその調製は、20年超以前のGramera et alの特許(1969年8月に発行された米国特許第3,459,731号)に記載され、これは、参照により本明細書に組み込まれる。シクロデキストリンの包括的な概説については、Cyclodextrins and their industrial uses, editor Dominique Duchene, Editions Sante, Paris, 1987(参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。より最近の概説については、J. Szejtli: Cyclodextrins in drug formulations: Part 1, Pharm. Techn. Int. 3(2), 15-22 (1991); 及びJ. Szejtli: Cyclodextrins in drug formulations: Part II, Pharm. Techn. Int. 3(3), 16-24 (1991)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
【0225】
非経口適用について承認されているシクロデキストリンは、2つのβ-シクロデキストリン(ヒドロキシプロピルベータデックスとしても知られているヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン「HPbCD」、及びスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン「SBECD」)、α-シクロデキストリン、及びγ-シクロデキストリンを含む。HPbCD及び他のシクロデキストリンはまた、経口、局所、経皮、舌下、頬側、点眼薬、及び経鼻経路について承認されている。
【0226】
医薬製剤のいくつかの態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、アルコール、例えば、ジオール(例えば、プロピレングリコール)を含む。さらなる態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、ポリエチレングリコール及び/又はポリソルベート及び/又は塩(例えば、塩化ナトリウム)及び/又は防腐剤及び/又は緩衝剤(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)を含む。
【0227】
医薬製剤のいくつかの態様では、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤は、例えばリン酸緩衝生理食塩水と共に、ポリエチレングリコール及びポリソルベートの少なくとも1つ、及びいくつかの態様ではその両方を含む。いくつかの態様では、そのような製剤は、懸濁液である。
【0228】
いくつかの態様では、少なくとも1つのOCSは、固体形態、例えば、錠剤、丸剤、散剤、坐剤、様々な徐放製剤若しくは長期放出製剤などにおいて調製される組成物として、又は液体溶液、懸濁液、乳剤などとして、又は注射及び/若しくは静脈内投与に適した液体として投与される。投与前に液体に溶解又は懸濁するのに適した固体形態も、調製し得る。活性成分は、薬学的に許容可能で、活性成分と適合性のある賦形剤、例えば、薬学的及び生理学的に許容可能な担体と混合してもよい。適切な賦形剤としては、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、又はそれらの組み合わせが挙げられる。さらに、組成物は、少量の補助物質、例えば、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤などを含有してもよい。経口剤形は、様々な増粘剤、香味剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤、結合剤、コーティングなどを含んでもよい。本開示の組成物は、意図される投与経路に適した形態で組成物を提供するために、任意のそのような追加の成分を含有してもよい。本開示における使用のためのさらに他の適切な製剤は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences 22nd edition, Allen, Loyd V., Jr editor (Sept 2012); 及びAkers, Michael J. Sterile Drug Products: Formulation, Packaging, Manufacturing and Quality; publisher Informa Healthcare (2010)(参照により本明細書に組み込まれる)に見出すことができる。
【0229】
いくつかの態様では、少なくとも1つのOCSは、適切な賦形剤、例えば、乳化剤、界面活性剤、増粘剤、日焼け止め剤、保湿剤、冷感剤、皮膚美白剤、皮膚コンディショニング剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、湿潤剤、着色剤、及びそれらの2つ以上の組み合わせを使用して製剤化することができる、クリーム、ゲル、ローション、液体、軟膏、コロジオン、フォーム、ペースト、エアロゾル、スプレー溶液、分散液、固形スティック、エマルジョン、マイクロエマルジョン、点眼薬、点鼻薬、点耳薬などの形態で送達される。
【0230】
適切な皮膚浸透促進剤は、例えば、とりわけ、スルホキシド、アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオール、アミド、界面活性剤、テルペン、アルカノン、及び有機酸であり得る。適切なスルホキシドの具体例としては、とりわけ、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びデシルメチルスルホキシドが挙げられる。適切なアルコールとしては、アルカノール、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、n-オクタノール、ノナノール、デカノール、2-ブタノール、2-ペンタノール、及びベンジルアルコール; 脂肪アルコール、例えば、カプリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、2-ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、及びリノレニルアルコール; イソプロピルアルコール、及び2-(2-エトキシ)エタノールが挙げられる。適切な脂肪酸の例としては、直鎖脂肪酸、例えば、吉草酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びカプリル酸; 並びに分岐脂肪酸、例えば、イソ吉草酸、ネオペンタン酸、ネオヘプタン酸、ネオノナン酸、トリメチルヘキサン酸、ネオデカン酸、及びイソステアリン酸が挙げられる。適切な脂肪酸エステルの例としては、脂肪族脂肪酸エステル、例えば、n-酪酸イソプロピル、n-ヘキサン酸イソプロピル、n-デカン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、及びミリスチン酸オクチルドデシル; アルキル脂肪酸エステル、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル、吉草酸メチル、プロピオン酸メチル、セバシン酸ジエチル、及びオレイン酸エチル; 並びにアジピン酸ジイソプロピル及びジメチルイソソルビドが挙げられる。適切なポリオールの例としては、プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール、ペンチレングリコール、グリセロール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサントリオール、及びグリセリンが挙げられる。適切なアミドの例としては、尿素、ジメチルアセトアミド、ジエチルトルアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルオクタミド、ジメチルデカミド、生分解性環状尿素(例えば、1-アルキル-4-イミダゾリン-2-オン)、ピロリドン誘導体、生分解性ピロリドン誘導体(例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリドンの脂肪酸エステル)、環状アミド、ヘキサメチレンラウラミド及びその誘導体、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。ピロリドン誘導体の例としては、1-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、1-ラウリル-2-ピロリドン、1-メチル-4-カルボキシ-2-ピロリドン、1-ヘキシル-4-カルボキシ-2-ピロリドン、1-ラウリル-4-カルボキシ-2-ピロリドン、1-メチル-4-メトキシカルボニル-2-ピロリドン、1-ヘキシル-4-メトキシカルボニル-2-ピロリドン、1-ラウリル-4-メトキシカルボニル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシルピロリドン、N-ジメチルアミノプロピルピロリドン、N-ヤシ油アルキルピロリドン、N-獣脂アルキルピロリドン、及びN-メチルピロリドンが挙げられる。環状アミドの例としては、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン(例えば、Azone(登録商標))、1-ゲラニルアザシクロヘプタン-2-オン、1-ファルネシルアザシクロヘプタン-2-オン、1-ゲラニルゲラニルアザシクロヘプタン-2-オン、1-(3,7-ジメチルオクチル)アザシクロヘプタン-2-オン、1-(3,7,11-トリメチルドデシル)アザシクロヘプタン-2-オン、1-ゲラニルアザシクロヘキサン-2-オン、1-ゲラニルアザシクロペンタン-2,5-ジオン、及び1-ファルネシルアザシクロペンタン-2-オンが挙げられる。他の例としては、乳酸ラウリル、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、オレイン酸ポリグリセリル、ポリオキシエチル化グリコール化グリセリド、及びレシチンイソプロピルパルミテートが挙げられる。いくつかの態様では、皮膚浸透促進剤は、Lauroglcol(商標)90、エタノール、Transcutol(登録商標)(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、Labrasol(登録商標)(PEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド)、Plurol(登録商標)Oleique(オレイン酸ポリグリセリル-3)、Labrafil(登録商標)2125cs、オレイン酸、HPbCD、プロピレングリコール(PG)、及びレシチンイソプロピルパルミテート(LIPS)のうちの1つ以上である。いくつかの形態では、皮膚浸透促進剤はまた、溶媒として機能する。
【0231】
いくつかの形態では、皮膚浸透促進剤は、組成物の重量に基づいて、約1wt%~約98wt%、例えば、1wt%~90wt%、2wt%~50wt%、5wt%~50wt%、又は7wt%~20wt%の範囲の量で製剤中に存在する。
【0232】
例示的な増粘剤としては、以下に限定されないが、セテアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、合成ポリマー及び植物ゴム; セルロース誘導体(メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、カルボマー(ポリアクリル酸、例えば、Carbopol(登録商標)910、Carbopol(登録商標)941)、セテアリルアルコール、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、アクリロイルジメチルタウリン酸塩コポリマー、様々なマルチブロックコポリマー、ポロキサマー(Pluronic(登録商標))、様々なカルボン酸ポリマー(例えば、アクリレート)、スルホン化ポリマー(例えば、ポリアクリロイルジメチルタウリンナトリウム)、粘土、二酸化ケイ素、及びコポリマー、疎水的に修飾された誘導体、並びにそれらの混合物が挙げられる。天然ゴムを含むゴムとしては、アラビアゴム、寒天、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カラギーナンカルシウム、カルニチン、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、ゲランガム、グアーガム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト、ヒアルロン酸、含水シリカ、フュームドシリカ、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤガム、ケルプ、ローカストビーンガム、ナットウガム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンカリウム、アルギン酸プロピレングリコール、スクレロチウムガム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラギーナンナトリウム、トラガカントガム、キサンタンガム、それらの誘導体及びそれらの混合物が挙げられる。いくつかの態様では、増粘剤は、ポリアクリル酸、アリルスクロースで架橋されたポリアクリル酸(Carbopol(登録商標))、アリルペンタエリスリトールで架橋されたポリアクリル酸(Carbopol(登録商標))、アリルペンタエリスリトールで架橋されたポリアクリル酸及びC10~C30アルキルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)(Lutrol(登録商標)F127)、又はポロキサマー188(Pluronic(登録商標)F68)のうちの1つ以上である。
【0233】
湿潤剤の例としては、ポリオールが挙げられるが、これに限定されない。例えば、湿潤剤は、グリセリン、プロピレングリコール、PEG、ソルビトール溶液、及び1,2,6ヘキサントリオールのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0234】
例示的なpH調整剤としては、以下に限定されないが、アジピン酸、脂肪族アミン中和剤(エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン)、α-ケトグルタル酸、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、1-アミノ-2-プロパノール、重炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸カルシウム、水酸化カルシウム、クエン酸、リン酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、リン酸塩、一塩基性リン酸ナトリウム、炭酸塩、酢酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トロラミンなどが挙げられる。いくつかの態様では、トロラミンを使用して、pHを調整する。いくつかの形態では、pH調整剤は、緩衝剤である。
【0235】
皮膚軟化剤は、水分損失を防ぎ、皮膚に対して軟化及び鎮静化効果を有する、しなやかな、ワックス様の、滑らかにする、増粘剤である。皮膚軟化剤の例は、植物油、鉱油、シアバター、ココアバター、ワセリン、及び脂肪酸(動物油、例えば、エミュー、ミンク、及びラノリン、後者はおそらく我々自身の皮膚の油に最も似ている一成分である)のような成分である。より専門用語的な響きのある皮膚軟化剤成分、例えば、トリグリセリド、ベンゾエート、ミリステート、パルミテート、及びステアレートは、一般に、質感及び外観がワックス状であるが、ほとんどの保湿剤にそのすばらしい質感及び感触を与える。
【0236】
例えば、低pH並びに増加した広がり及び滑り特性を有する水性ローション組成物に使用するための、例示的な皮膚軟化剤としては、以下に限定されないが、オレイン酸、ダイズレシチン、安息香酸アルキル(C12~C15)、ステアリン酸、白ろう、黄ろう、カルナウバワックス、セチルエステルワックス、ミクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、蜜ろう、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、グリセリン、ステアリン酸グリセリル、PEG-10ヒマワリ油グリセリド; 植物油、例えば、ヒマワリ油、パーム油、オリーブ油、エミュー油、ババス油、月見草油、パーム核油、綿実油、ホホバ油、メドウフォーム種子油、スイートアーモンド油、キャノーラ油、ダイズ油、アボカド油、ベニバナ油、ヤシ油、ゴマ油、米ぬか油、及びブドウ種子油; 鉱油; エステル、例えば、ステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソステアリル、フマル酸ジエチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ジグリコール、パルミチン酸メチル、及びイソステアリン酸メチルヘプチル; ワセリン; 加水ラノリン、ラノリン油、ラノリンアルコール、及びラノリンワックス; 長鎖アルコール、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、2-ヘキシルデカノール、及びミリスチルアルコール; 様々な分子量のジメチコン流体及びそれらの混合物; PPG-15ステアリルエーテル(アルラトン(arlatone)Eとしても知られる); シアバター; オリーブバター; ヒマワリバター; ヤシバター; ホホババター; ココアバター; スクアラン及びスクアレン; イソパラフィン; 様々な分子量のポリエチレングリコール; 様々な分子量のポリプロピレングリコール; 及びそれらの混合物が挙げられる。いくつかの態様では、Tween(登録商標)及び/又はSpan(登録商標)が、皮膚軟化剤(複数可)として使用される。
【0237】
例示的な乳化剤としては、以下に限定されないが、ポロキサマー、乳化ろう、ラウリル硫酸ナトリウム、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジエチルグリコールモノエチルエーテル、ドキュセートナトリウム、エトキシ化アルコール、例えば、ラウレス-23、セテス-2、セテス-10、セテス-20、セテス-21、セテアレス-20、ステアレス-2、ステアレス-10、ステアレス-20、ステアレス-21、オレス-2、オレス-10、オレス-20、ステアレス-100、ステアレス-21; エトキシ化アルキレート、例えば、ステアリン酸PEG、ステアリン酸PEG-8、ステアリン酸PEG-40(すなわち、ステアリン酸ポリオキシエチレン40)、ステアリン酸PEG-2、ステアリン酸PEG-50、パルミチン酸PEG-20、パルミチン酸PEG-2、及びステアリン酸PEG-100; ソルビタンモノアルキレート、例えば、ステアリン酸ソルビタン; ラウリン酸ソルビタン; オレイン酸ソルビタン、及びパルミチン酸ソルビタン; 他のアルキル化ソルビタン、例えば、トリステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、及びトリオレイン酸ソルビタン; エトキシ化ソルビタン、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ペルオレイン酸PEG-40ソルビタン、及びポリソルベート85; PEG-40硬化ヒマシ油(エマルソゲン(Emulsogen)HCW-049としても知られる); クエン酸エステル(例えば、Danisco Inc.のCitrem N12 Veg K); 乳酸エステル; 酢酸エステル; アルキルポリグリコシド; スルホサクシネート及びスルホサクシネート誘導体、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム; 並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0238】
例示的な防腐剤としては、以下に限定されないが、イミド尿素、酸、例えば、安息香酸、ソルビン酸、ホウ酸など; エステル、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムなど; アルコール、例えば、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールなど; フェノール類、例えば、フェノール、クロロクレゾール、o-フェニルフェノール、フェノキシエタノールなど; 水銀化合物、例えば、チオメルサール、ニトロメルソール、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀など; 及び四級アンモニウム化合物、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウムなど、並びにこれらの組み合わせ、例えば、メチルパラベンとプロピルパラベンとの組み合わせが挙げられる。
【0239】
いくつかの形態では、本開示の製剤は、キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸塩を含む。
【0240】
いくつかの形態では、本開示の製剤は、抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール又はブチル化ヒドロキシトルエンを含む。
【0241】
いくつかの形態では、本開示の製剤は、溶媒、例えば、水、精製水、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、オレイルアルコール、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、N-メチル-ピロリドン、及び鉱油を含む。いくつかの形態では、製剤は、OCSが可溶性である溶媒を含む。いくつかの形態では、溶媒は、皮膚浸透促進剤としても機能する。他の形態では、溶媒は、皮膚浸透促進剤として機能しない。溶媒は、製剤の重量に基づいて、約1wt%~約98wt%、例えば、約2wt%~約75wt%、3wt%~約50wt%、4wt%~約25wt%、及び5wt%~約10wt%の範囲の量で存在してもよい。
【0242】
当業者は、いくつかの賦形剤が、組成物において2つ以上の役割又は機能を有し得ることを認識する。例えば、ポリエチレングリコールは、増粘剤及び皮膚軟化剤の両方として機能し得る。
【0243】
他の態様では、少なくとも1つのOCSは、経皮パッチ又はイオン導入デバイスの形態で経皮的に投与される。他の成分を任意選択で経皮パッチに組み込むことができる。例えば、組成物及び/又は経皮パッチは、1つ以上の防腐剤又は静菌剤、例えば、以下に限定されないが、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレゾール、塩化ベンザルコニウムなどと共に製剤化することができる。包帯材料の織物パッド又はロール、例えば、ガーゼは、溶液、ローション、クリーム、軟膏又は他のそのような形態の組成物で含浸させることができ、局所適用に使用することもできる。一実施形態では、本開示の組成物は、経皮パッチとして投与される。別の実施形態では、本開示の組成物は、持続放出経皮パッチとして投与される。本開示の経皮パッチは、例えば、接着性マトリックス、ポリマーマトリックス、リザーバパッチ、マトリックス若しくはモノリシックタイプの薄層構造を含むことができ、一般に、1つ以上の裏打ち層、接着剤、浸透促進剤、任意選択の速度制御膜、及び剥離ライナー(適用前に接着剤を露出させるために除去される)で構成される。ポリマーマトリックスパッチはまた、ポリマーマトリックス形成材料を含む。
【0244】
一態様では、OCSは、標準USP親水性軟膏と組み合わされる; その1000グラムは、示された量で以下の化合物を含有する:
メチルパラベン0.25g
プロピルパラベン0.15g
ラウリル硫酸ナトリウム10g
プロピレングリコール120g
ステアリルアルコール250g
白色ワセリン250g
精製水370g
【0245】
親水性軟膏USP(この軟膏は様々な商業的供給源から一般に入手可能である)の成分は、以下のように組み合わせてもよい。まず、ステアリルアルコール及び白色ワセリンをスチームバスで溶かし、約75℃に温める。他の成分を精製水に溶解し、これも約75℃に温める。次いで、全ての成分を混ぜ合わせ、混合物が凝固するまで撹拌する。
【0246】
上に開示された親水性軟膏は例としてのみ与えられていること、及びオレイン酸軟膏基剤などの他の多くの担体もまた適切であり得ることが理解される。
【0247】
別の例示的な態様では、組成物は、水、鉱油(流動パラフィン(paraffinum liquidum))、ステアリン酸グリセリルSE、プロピレングリコール、ステアリン酸、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、セチルエステル、ステアリン酸プロピレングリコールSE、酢酸トコフェロール(酢酸ビタミンE、例えば、約12,000I.U.のビタミンE)、セチルアルコール、鉱油、及びラノリンアルコール(例えば、流動パラフィン及びラノリンアルコール)、ステアリルアルコール、トリエタノールアミン、二酸化チタン、EDTA三ナトリウム、ジアゾリジニル尿素、メチルパラベン、プロピルパラベン、及び安息香酸ナトリウムのうちの1つ以上を含む。
【0248】
いくつかの態様では、医薬製剤は、(a)ローション若しくはクリーム、又は(b)制御放出製剤、又は(c)懸濁液である。懸濁液は、本開示の好ましい態様である。
【0249】
制御放出は、時間に応答した化合物の提示又は送達を指し、一般には時間依存的放出を指す。制御放出は、持続放出(延長された放出が意図される場合)、パルス放出(薬物のバーストが異なる時間に放出される)、遅延放出(例えば、胃腸管の異なる領域を標的とするため)などのいくつかの変形を有する。制御放出製剤は、摂取又は注射後の薬物濃度の潜在的に危険なピークを回避するため、及び治療効率を最大にするために、薬物作用を延長し、所望の治療ウィンドウ内に薬物レベルを維持し得る。丸剤、カプセル、及び注射可能薬物担体(追加の放出機能を有していてもよい)に加えて、制御放出薬の形態は、ゲル、インプラント、デバイス、及び経皮パッチを含む。
【0250】
いくつかの態様では、本開示の製剤は、少なくとも1つのOCSをビヒクルと組み合わせることによって作製される。他の態様では、製剤は、薬物を浸透促進剤に溶解し、次いで、他の賦形剤、例えば、1つ以上の増粘剤を添加することによって作製される。皮膚浸透促進剤及び増粘剤を含む組成物において、増粘剤は、典型的には、皮膚浸透促進剤とは異なる。
【0251】
少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤の各賦形剤は、存在する場合、典型的には、必要に応じて、全製剤の重量パーセンテージに関して、又は全製剤の体積パーセンテージに関して、例えば約1~約99%、例えば、約10~約90%、例えば、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95%のパーセンテージで存在する。
【0252】
製剤中のOCSの最終量はまた、変わり得るが、一般に、約1~99%(w/w)である。製剤に応じて、活性成分(例えば、少なくとも1つのOCS)は、組成物の約0.1%~約99%(w/w)、又は約0.5~50%、0.5~20%、1~80%、又は約10~50%(w/w)として存在し、ビヒクル「担体」は、組成物の約1%~約99.9%(w/w)を構成することが予期される。本開示の医薬組成物は、任意の適切な薬学的に許容可能な添加剤又は補助剤を、OCS(複数可)の治療効果を妨げない又は妨害しない限りにおいて含み得る。
【0253】
いくつかの態様では、単一の(唯一の)OCS(例えば、25HC3S又は25HCDS)が、液体、ローション、又はクリーム組成物(例えば、液体溶液、懸濁液、例えば、液体懸濁液、ローション、クリームなど)中に存在する場合、OCSの濃度は、一般に、約0.01~約200mg/ml、又は約0.1~100mg/mlの範囲であり、一般に、約1~約50mg/mlであり、例えば、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50mg/mlである。複数の(例えば、2つ以上、例えば、2、3、4、5個、又はそれを超える)OCSが存在し、液体、ローション、又はクリーム組成物中に存在する場合、それぞれの濃度は、典型的には、約0.01~約200mg/ml、又は約0.1~100mg/ml、一般に、約1~約50mg/mlの範囲であり、例えば、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50mg/mlである。
【0254】
いくつかの態様では、単一の(唯一の)OCS(例えば、25HC3S又は25HCDS)が、固体又は半固体組成物(例えば、ゲル又は他の固化調製物)中に存在する場合、OCSの濃度は、一般に、約0.01~約75%(w/w)、又は約0.1~約50%(w/w)の範囲であり、一般に、約1~約25%(w/w)であり、例えば、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50%(w/w)である。複数の(例えば、2つ以上、例えば、2、3、4、5個、又はそれを超える)OCSが固体又は半固体組成物中に存在する場合、それぞれの濃度は、典型的には、約0.01~約75%(w/w)、又は約0.1~約50%(w/w)の範囲であり、一般に、約1~約25%(w/w)であり、例えば、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50%(w/w)である。
【0255】
いくつかの態様では、単一の(唯一の)OCS(例えば、25HC3S又は25HCDS)が、凍結乾燥固体組成物(例えば、投与前に担体で再構成するため)中に存在する場合、OCSの濃度は、一般に、約0.01~約75%(w/w)、約0.1~約50%(w/w)の範囲であり、一般に、約1~約15%(w/w)であり、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15%(w/w)である。複数の(例えば、2つ以上、例えば、2、3、4、5個、又はそれを超える)OCSが凍結乾燥固体組成物中に存在する場合、それぞれの濃度は、典型的には、約0.01~約75%(w/w)、約0.1~約50%(w/w)の範囲であり、一般に、約1~約15%(w/w)であり、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15%(w/w)である。
【0256】
いくつかの態様では、製剤は、プロピレングリコール及び/又はシクロデキストリンと共に、本明細書に記載の1つ以上のOCSを含む。プロピレングリコールは、存在する場合、全製剤の体積パーセンテージに関して、例えば、約1~約99%、例えば、約10~約90%、例えば、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95%のv/vパーセンテージで存在する。
【0257】
いくつかの態様では、CDは、約1~約65%(w/v)の範囲、例えば、約1、2、3、4、5、10、20、30、又は40%(w/v)で液体及び/又は溶液生成物中に存在する。いくつかの態様では、その量は、25%(w/v)である。いくつかの態様では、CDは、約1~約90%(w/w)の範囲、例えば、約1、5、10、40、50、60、70、80、又は90%(w/w)で(例えば、再構成用の)凍結乾燥固体生成物中に存在する。いくつかの態様では、その量は、89%(w/w)である。いくつかの態様では、CDは、約1~約90%(w/w)の範囲、例えば、約1、5、10、40、50、60、70、80、又は90%(w/w)で投与用の固体生成物中に存在する。いくつかの態様では、その量は、89%(w/w)である。
【0258】
多くの場合、高水分含有量は、OCS、例えば、25HC3Sの溶解度を低減する。いくつかの形態では、25HC3Sの濃度を増加させるために、組成物中の水を排除又は制限し、二酸化ケイ素を、ゲルを形成するための増粘剤として使用する。いくつかの態様では、水は、組成物の重量に基づいて、約0.5wt%~約90wt%、例えば、約50wt%~90wt%、約1wt%~約10wt%、又は約1wt%~約5wt%の範囲の量で組成物中に存在する。
【0259】
いくつかの態様では、組成物は、バイアル、例えば、ガラスバイアル内に入れられる。他の態様では、組成物は、チューブ又はポンプディスペンサー内に入れられる。さらに他の態様では、組成物は、エアロゾル又はスプレー容器内に入れられる。
【0260】
投与
本方法の実施は、一般に、炎症性皮膚疾患若しくは皮膚病変、又は炎症性皮膚疾患若しくは皮膚病変に関連する状態に罹患しているか又はそれを発症する危険性がある患者を同定すること、及び許容可能な形態の1つ以上のOCSを適切な経路によって投与することを含む。予防的処置もまた包含され、例えば、病因物質(例えば、ツタウルシ)への公知の若しくは疑わしい曝露後の、及び/又は疾患の非常に初期の段階での投与; あるいは、消散したが再発の可能性がある疾患の症状を有している対象、又は公知の危険因子(例えば、遺伝的素因、皮膚炎症、皮膚病変などを引き起こす有害物質への過去の曝露)などを有する対象におけるものを含む。
【0261】
本開示の組成物(調製物)は、当業者に公知の多くの適切な手段のいずれかのために製剤化され、それによって投与され、手段としては、以下に限定されないが、局所的、経口的、又は非経口的、例えば、静脈内に、筋肉内に、皮下に、皮内注射によって、皮下注射によって、病変内注射によって、腹腔内注射などによって、又は他の経路によって、例えば、経皮、舌下、直腸、及び頬側送達、エアロゾルの吸入、膣内に、鼻腔内に、様々な滴剤(例えば、点眼薬)、及びスプレー、吹入剤用調製物を介して、又は罹患領域における直接皮下送達を介してなどが挙げられる。いくつかの態様では、投与経路は、処置される状態の性質又は段階、例えば、炎症性皮膚疾患の種類又は程度などに依存する。投与は、局部的又は全身的であってもよい。
【0262】
いくつかの態様では、本開示の方法に使用される医薬組成物は、例えば処置を必要とする領域における、局所投与(対象の皮膚又は膜への直接投与を含む)のために製剤化される。局所投与用の医薬組成物は、例えば、皮膚又は膜にこすりつけられる、スプレーされる、又は「塗られる」、溶液、クリーム、軟膏、ゼリー、ゲル、スプレー、フォーム、粉末、リポソーム、又は水性若しくは油性の溶液若しくは懸濁液、液体などの形態であってもよい。さらに、活性薬剤(複数可)は、罹患領域を覆う包帯などの送達デバイスに含浸させてもよい。
【0263】
頭皮への局所適用の場合、医薬組成物は、シャンプーとして製剤化してもよい。皮膚への局所適用の場合、医薬組成物は、洗浄水への添加剤として(例えば、風呂又はシャワーのゲル又はクリームの形態で)、例えば、風呂水などへの添加剤として製剤化してもよい。局所投与用のこのような医薬組成物は、化粧品における使用にも適している希釈剤又は担体を含み得る。皮膚への適用による局所投与用の医薬組成物は、保湿剤、並びに日焼け、日焼け止め、及び日焼け防止のローション及びクリームを含み得る。
【0264】
局所投与用の医薬組成物は、ピペットなどの適切な容器中で、皮膚に1又は2箇所で直接投与するために、例えば、イヌ又はネコなどのペットに投与するために提供してもよい。例えば、ピペットにポキリと折れる上部を設け、単一投与量の活性成分を含有させて、ピペットの全内容物を皮膚に1又は2箇所で直接投与することにより、所望の投与量の活性成分をもたらすことができる。
【0265】
あるいは、局所投与は、適切な材料からの、又はそれを通した皮膚への拡散によって達成してもよく、すなわち、活性成分は、接触時に皮膚に放出するために放出可能に材料に含まれるか又は適用される。例えば、適切な材料は、手袋、靴下などとして包帯の形態で提供してもよい。
【0266】
いくつかの態様では、経口投与は、予防的に使用される場合、例えば、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を予防するために、特に有効である。いくつかの態様では、損傷が既に生じている場合、及び特に、炎症性皮膚疾患及び/又は皮膚病変が診断される場合、投与経路は、一般に、局所的、皮下的又は皮内的である。
【0267】
OCSが投与される対象は、一般に、哺乳動物、しばしばヒトであるが、これは常にそうとは限らない。この技術の獣医学的適用、例えば、コンパニオンペット(ネコ、イヌなど)のため、又は家畜及び農場動物のため、ウマのため、並びにさらには、特別な価値のある若しくは獣医師のケースの下にある「野生」動物、例えば、保護区又は動物園の動物、回復中の負傷した動物などのための適用も想定される。
【0268】
いくつかの態様では、組成物は、対象が苦しんでいる疾患に応じて、他の療法及び処置様式、例えば、様々な疼痛緩和薬、抗関節炎剤、様々な化学療法剤、アレルギー処置(例えば、抗ヒスタミン薬)、光線療法、抗生物質剤、食事療法(例えば、食事制限)、ステロイドなどと併用して投与される。「~と併用して」とは、本明細書に記載の組成物による処置の過程の間の、又はそれと重複する、1つ以上のさらなる薬剤の別個の調製物の投与、又はそれによる処置の両方を指し、さらに、本開示の組成物に1つ以上のさらなる薬剤を含めることも指す。
【0269】
いくつかの形態では、OCS組成物は、例えば乾癬及び/又は皮膚病変の処置に使用される他の治療レジメン又は薬品を含む、他の治療レジメン又は薬剤(例えば、複数薬物レジメン、補助療法)の前に、これと同時に(並行して)、又はこれと逐次的に、個体に予防的又は治療的に投与される。本開示に従う併用療法に適した薬品(すなわち、薬物)としては、鎮痛薬(pain medication)(鎮痛薬(analgesic))、例えば、以下に限定されないが、アセトアミノフェン、コデイン、ナプシル酸プロポキシフェン、オキシコドン塩酸塩、酒石酸水素ヒドロコドン、及びトラマドール; 生物製剤、例えば、アダリムマブ及びエタネルセプト; メトトレキサート; レフルノミド(オリジナル商標名Arava(登録商標)); スルファサラジン; シクロスポリン; 金塩; アザチオプリン; 抗マラリア薬; 経口用ステロイド(例えば、プレドニゾン); コルヒチン; 非ステロイド性抗炎症剤、例えば、以下に限定されないが、サリチル酸(アスピリン)、イブプロフェン、インドメタシン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、ケトロラク、ナブメトン、ピロキシカム、ナプロキセン、オキサプロジン、スリンダク、ケトプロフェン、ジクロフェナク、他のCOX-1及びCOX-2阻害剤、サリチル酸誘導体、プロピオン酸誘導体、酢酸誘導体、フマル酸誘導体、カルボン酸誘導体、酪酸誘導体、オキシカム、ピラゾール及びピラゾロンが挙げられる。1つ以上のOCSと組み合わせて使用するのに適した他の薬剤としては、局所用ステロイド、全身用ステロイド、グルココルチコイド、炎症性サイトカインのアンタゴニスト、T細胞表面タンパク質に対する抗体、アントラリン、コールタール、ビタミンD類似体(例えば、ビタミンD3及びその類似体、例えば、1,25-ジヒドロキシビタミンD3及びカルシポトリエン)、局所用レチノイド、経口用レチノイド(例えば、以下に限定されないが、エトレチナート、アシトレチン、及びイソトレチノイン)、局所用サリチル酸、ヒドロキシ尿素、ミノサイクリン、ミソプロストール、経口用コラーゲン、ペニシラミン、6-メルカプトプリン、ナイトロジェンマスタード、ガバペンチン、ブロモクリプチン、ソマトスタチン、ペプチドT、抗CD4モノクローナル抗体、フマル酸、ポリ不飽和エチルエステル脂質、亜鉛、局所用油(例えば、魚油、ナッツ油、及び植物油)、アロエベラ、局所用ホホバ、局所用死海塩、局所用カプサイシン、局所用オオアザミ、局所用アメリカマンサク、保湿剤、及び局所用エプソン塩が挙げられる。乾癬及び/又は皮膚病変を処置するための1つ以上のOCSと組み合わせて使用するのに適した治療レジメンとしては、以下に限定されないが、血漿交換、紫外線Bによる光線療法、紫外線Aと組み合わせたソラレン(PUNA)、光化学療法、及び日光浴が挙げられる。1つ以上のOCSが他の治療剤と同時に投与される場合、それらは、同じ又は異なる組成物中で投与することができる。
【0270】
本開示の組成物の投与は、製剤の種類及び処置されている状態に見合った任意の適切な頻度におけるものである。例えば、局所用製剤が利用される場合、投与は、一般に、1日に約1~約5回、又は数日に1回、又は1週間に1回、又は1ヶ月に1回などの範囲である。投与はまた、「必要に応じて」でもよい。さらに、いくつかの態様では、投与様式の組み合わせが利用され、例えば、皮内注射又は皮下注射が最初に使用され、次いで、症状が治まるにつれて低侵襲性の自己投与局所処置が続き、次いで、症状の「突発」などの場合の注射が続いてもよい。あるいは、もっぱら局所処置を使用してもよい。さらに、医薬製剤が投与される1日のうちの時間及び1日当たりの回数は、変化してよく、医師などの熟練した施術者によって最も良く決定される。いくつかの態様では、製剤は、1日に3回から1年に1回、例えば、1日に2回から1年に1回、1日に1回から1年に1回、1日に1回から6ヶ月に1回、1日に1回から3ヶ月に1回、1日に1回から1ヶ月に1回、又は1日に1回から1週間に1回投与される。実施例5で論じるように、数人の患者について、懸濁液中の25HC3Sの単回注射で処置された領域は、注射の4~9ヶ月後に観察された。これらの患者の少なくとも一部では、処置された領域は、より少ない乾癬を有するように見えた。これらの患者の少なくとも一部では、未処置の領域も、より少ない乾癬を有するように見えた。
【0271】
いくつかの形態では、投与される用量は、約1mg/cm2~約5000mg/cm2、例えば、約10mg/cm2~約1000mg/cm2の範囲である。処置されている皮膚又は膜の表面領域中又は表面領域におけるOCSの望ましい局部曝露は、約0.01mg/cm2~約50mg/cm2、例えば、約0.1~約10mg/cm2の範囲であってもよい。局所又は病変内用量は、一般に、1日当たり1人当たり、約1ミリグラム~約50,000ミリグラムのOCS、例えば、25HC3S又はその薬学的に許容可能な塩の範囲である。いくつかの態様では、用量は、1日当たり1人当たり約10ミリグラム~約2000ミリグラム、又は1日当たり1人当たり約100ミリグラム~約1000ミリグラムである。経口及び注射可能送達形態は、一般に、例えば、24時間当たり体重1kg当たり約0.001~約100mg又はそれを超える化合物、好ましくは24時間当たり体重1kg当たり約0.01~約50mgの化合物、より好ましくは24時間当たり体重1kg当たり約0.1~約10mgの化合物の範囲の投与量を利用する。1日当たりの非局所用量は、一般に、1日当たり1人当たり、約0.1ミリグラム~約5000ミリグラムのOCS、例えば、25HC3S又はその薬学的に許容可能な塩の範囲である。いくつかの態様では、用量は、1日当たり1人当たり約10ミリグラム~約2000ミリグラム、又は1日当たり1人当たり約100ミリグラム~約1000ミリグラムである。いくつかの態様では、投与されるべき正確な投与量は、予防又は処置されている疾患の性質、投与経路、バイオアベイラビリティ、投与される特定の製剤、個々の患者の年齢、性別、体重、及び全体的な健康状態、疾患の正確な病因、処置されている疾患又は状態の程度又は進行、並びに処置が予防的であるかどうか、若しくは治癒をもたらすことを意図しているかどうかに応じて変わる。
【0272】
OCSは、一般に、体内に天然には見られない形態で、及び天然に存在する濃度よりも顕著に高い濃度で投与される。例えば、25HC3Sについて、天然レベルは、典型的には、例えば、血漿中で約2ng/ml又はそれ未満から約5ng/mlまでの範囲である。OCS(例えば、25HC3S)で処置される患者の血液又は血漿中のOCS(例えば、25HC3S)の濃度は、一般に、約5ng/mlを超え、一般に、約50ng/ml~約5000ng/ml、例えば、約80ng/ml~約3000ng/ml、例えば、約100~約2000ng/ml、又は約200~約1000ng/mlの範囲である。
【0273】
二次状態及び患者集団
皮膚炎症を示すことに加えて、いくつかの態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、高レベルのコレステロール(高コレステロール血症、例えば、約200mg/dl以上の範囲の血清中のコレステロールレベル)、又は高レベルのコレステロールに関連する状態、例えば、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、心疾患、卒中、アルツハイマー病、胆石症、胆汁うっ滞性肝疾患などの症状を有しても若しくは有しなくてもよく、並びに/又はそれと診断されていても若しくは診断されていなくてもよい。いくつかの態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、高レベルのコレステロール(高コレステロール血症、例えば、約200mg/dl以上の範囲の血清中のコレステロールレベル)、又は高レベルのコレステロールに関連する状態、例えば、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、心疾患、卒中、アルツハイマー病、胆石症、胆汁うっ滞性肝疾患などの症状を有せず、及び/又はそれと診断されていない。
【0274】
さらなる態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、肝障害、例えば、肝炎(肝臓の炎症であり、主に様々なウイルスによって引き起こされるが、一部の毒(例えば、アルコール)によっても引き起こされる); 自己免疫(自己免疫性肝炎)又は遺伝性の状態; 非アルコール性脂肪肝疾患(肥満に関連し、肝臓中の豊富な脂肪を特徴とする疾患のスペクトラムであり、肝炎、すなわち、脂肪性肝炎及び/又は肝硬変に至り得る); 肝硬変、すなわち、死んだ肝細胞の置換による肝臓における線維性瘢痕組織の形成(肝細胞の死は、例えば、ウイルス性肝炎、アルコール依存症又は他の肝毒性化学物質との接触によって引き起こされ得る); ヘモクロマトーシス(体内の鉄の蓄積を引き起こし、最終的には肝臓の損傷に至る遺伝性疾患); 肝臓のがん(例えば、原発性肝細胞がん腫若しくは胆管がん腫、及び転移性がん(通常は胃腸管の他の部分に由来する)); ウィルソン病(体に銅を保持させる遺伝性疾患); 原発性硬化性胆管炎(おそらく本来は自己免疫である、胆管の炎症性疾患); 原発性胆汁性肝硬変(小胆管の自己免疫疾患); バッド-キアリ症候群(肝静脈の閉塞); ギルバート症候群(ビリルビン代謝の遺伝的障害であり、人口の約5%に見られる); グリコーゲン蓄積症II型; 及び様々な小児肝疾患、例えば、胆道閉鎖症、α-1アンチトリプシン欠乏症、アラジール症候群、及び進行性家族性肝内胆汁うっ滞などの症状を有しても若しくは有しなくてもよく、並びに/又はそれと診断されていても若しくは診断されていなくてもよい。さらに、外傷に由来する肝臓の損傷、例えば、事故によって引き起こされる損傷、銃創などを処置しても、又はしなくてもよい。さらに、特定の薬品によって引き起こされる肝臓の損傷を、予防若しくは処置しても、又はしなくてもよく、例えば、抗不整脈剤アミオダロンなどの薬物、様々な抗ウイルス薬(例えば、ヌクレオシド類似体)、アスピリン(稀に小児のライ症候群の一部として)、コルチコステロイド、メトトレキサート、タモキシフェン、テトラサイクリンなどは、肝臓の損傷を引き起こすことが知られている。さらなる態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、肝障害、例えば、肝炎(肝臓の炎症であり、主に様々なウイルスによって引き起こされるが、一部の毒(例えば、アルコール)によっても引き起こされる); 自己免疫(自己免疫性肝炎)又は遺伝性の状態; 非アルコール性脂肪肝疾患(肥満に関連し、肝臓中の豊富な脂肪を特徴とする疾患のスペクトラムであり、肝炎、すなわち、脂肪性肝炎及び/又は肝硬変に至り得る); 肝硬変、すなわち、死んだ肝細胞の置換による肝臓における線維性瘢痕組織の形成(肝細胞の死は、例えば、ウイルス性肝炎、アルコール依存症又は他の肝毒性化学物質との接触によって引き起こされ得る); ヘモクロマトーシス(体内の鉄の蓄積を引き起こし、最終的には肝臓の損傷に至る遺伝性疾患); 肝臓のがん(例えば、原発性肝細胞がん腫若しくは胆管がん腫、及び転移性がん(通常は胃腸管の他の部分に由来する)); ウィルソン病(体に銅を保持させる遺伝性疾患); 原発性硬化性胆管炎(おそらく本来は自己免疫である、胆管の炎症性疾患); 原発性胆汁性肝硬変(小胆管の自己免疫疾患); バッド-キアリ症候群(肝静脈の閉塞); ギルバート症候群(ビリルビン代謝の遺伝的障害であり、人口の約5%に見られる); グリコーゲン蓄積症II型; 及び様々な小児肝疾患、例えば、胆道閉鎖症、α-1アンチトリプシン欠乏症、アラジール症候群、及び進行性家族性肝内胆汁うっ滞などの症状を有せず、及び/又はそれと診断されていない。さらに、いくつかの形態では、本明細書の方法によって処置される患者は、外傷による肝臓の損傷、例えば、事故によって引き起こされる損傷、銃創などを有しない。さらに、いくつかの形態では、本明細書の方法によって処置される患者は、特定の薬品によって引き起こされる肝臓の損傷を有せず、例えば、抗不整脈剤アミオダロンなどの薬物、様々な抗ウイルス薬(例えば、ヌクレオシド類似体)、アスピリン(稀に小児のライ症候群の一部として)、コルチコステロイド、メトトレキサート、タモキシフェン、テトラサイクリンなどは、肝臓の損傷を引き起こすことが知られている。
【0275】
さらなる態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)及び/又は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の症状を有しても、又は有しなくてもよい。さらなる態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)及び/又は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の症状を有しない。
【0276】
なおさらなる態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、炎症性腸疾患及び/又は糖尿病(例えば、2型成人発症糖尿病)の症状を有しても、又は有しなくてもよい。さらなる態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、炎症性腸疾患及び/又は糖尿病(例えば、2型成人発症糖尿病)の症状を有しない。
【0277】
なおさらなる態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、レプチン欠乏及び/又はレプチン抵抗性及び/又は脂質蓄積症の症状を有しても、又は有しなくてもよい。これらの対象は、i)レプチン欠乏(LD)で生じるものなどの、低レベルのレプチン産生、又は機能不全若しくは機能不十分のレプチン分子の産生を引き起こす遺伝子変異(例えば、レプチンをコードするLEP遺伝子における変異); 又はii)例えばレプチン受容体の遺伝子変異(例えば、レプチン受容体をコードするOb(lep)遺伝子における変異)に起因する、若しくはレプチン抵抗性(LR)において生じるものなどの、レプチン結合に対する受容体感度の後天的な喪失に起因する、例えばレプチン受容体の機能における先天的又は後天的な異常又は欠損によって引き起こされる、レプチンシグナル伝達における欠陥; 又はiii)一般に先天的である脂質蓄積障害、を有しても、又は有しなくてもよい。脂質蓄積障害は、例えば、中性脂質蓄積症、ゴーシェ病、ニーマン-ピック病、ファブリー病、ファーバー病、ガングリオシド症、例えば、GM1ガングリオシド症及びGM2ガングリオシド症(例えば、テイ-サックス病及びサンドホフ病)、クラッベ病、異染性白質ジストロフィー(MLD、例えば、幼児期後期、若年、及び成人MLD)、及び酸性リパーゼ欠損障害、例えば、ウォルマン病及びコレステリルエステル蓄積症を含む。さらなる態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、レプチン欠乏及び/又はレプチン抵抗性及び/又は脂質蓄積症の症状を有しない。これらの対象は、i)レプチン欠乏(LD)で生じるものなどの、低レベルのレプチン産生、又は機能不全若しくは機能不十分のレプチン分子の産生を引き起こす遺伝子変異(例えば、レプチンをコードするLEP遺伝子における変異); 又はii)例えばレプチン受容体の遺伝子変異(例えば、レプチン受容体をコードするOb(lep)遺伝子における変異)に起因する、若しくはレプチン抵抗性(LR)において生じるものなどの、レプチン結合に対する受容体感度の後天的な喪失に起因する、例えばレプチン受容体の機能における先天的又は後天的な異常又は欠損によって引き起こされる、レプチンシグナル伝達における欠陥; 又はiii)一般に先天的である脂質蓄積障害、を有しても、又は有しなくてもよい。脂質蓄積障害は、例えば、中性脂質蓄積症、ゴーシェ病、ニーマン-ピック病、ファブリー病、ファーバー病、ガングリオシド症、例えば、GM1ガングリオシド症及びGM2ガングリオシド症(例えば、テイ-サックス病及びサンドホフ病)、クラッベ病、異染性白質ジストロフィー(MLD、例えば、幼児期後期、若年、及び成人MLD)、及び酸性リパーゼ欠損障害、例えば、ウォルマン病及びコレステリルエステル蓄積症を含む。
【0278】
なおさらなる態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、臓器の不全又は機能不全、例えば、心臓、肺(例えば、肺線維症によって損傷を受けた肺、例えば、慢性喘息に関連するもの)、肝臓、膵臓、腎臓、脳、腸、結腸、甲状腺などの不全又は機能不全(例えば、敗血症及び/又は虚血によって引き起こされるもの、例えば、急性臓器不全)の症状を有しても、又は有しなくてもよい。なおさらなる態様では、本明細書に記載の方法によって処置される対象の集団は、臓器の不全又は機能不全、例えば、心臓、肺(例えば、肺線維症によって損傷を受けた肺、例えば、慢性喘息に関連するもの)、肝臓、膵臓、腎臓、脳、腸、結腸、甲状腺などの不全又は機能不全(例えば、敗血症及び/又は虚血によって引き起こされるもの、例えば、急性臓器不全)の症状を有しない。
【実施例0279】
本発明を、以下の実施例によってさらに説明する。これらの実施例は、非限定的であり、本発明の範囲を限定しない。別段記載しない限り、実施例に示される全てのパーセンテージ、部などは重量基準である。
【0280】
実施例
実施例1. 注射研究
注射研究は、以下のように実施した: I. ラットにおける急性(単回投与)筋肉内(IM)注射研究; II. ラットにおける2週間の皮下(SC)注射研究; 及びIII. イヌにおける2週間のSC注射研究。
【0281】
I. 急性単回投与研究
急性単回投与研究のために、ハノーバーウィスターラット(n=5/性別/用量群)は単回IM注射を受け、次いで、2及び14日の観察期間が続いた。試験した溶液は、ビヒクル(滅菌水中の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の250mg/mLのヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)中の30mg/mLの25HC3Sナトリウム塩を含んだ。0(ビヒクル)、3、10、及び30mg/kgの25HC3Sナトリウム塩の用量レベルを、1.0、0.1、0.3、及び1.0mL/kgの用量体積で投与した。結果は、ビヒクルラット及び薬物処置ラットにおいて同様の発生率及び重症度の、注射された筋肉における、最小から中程度の筋肉の変性/再生、出血、及び炎症を示した。14日後の変化の激しさはより小さく(最小のみ)、これは、部分的な回復を示した; 25HC3S又はビヒクル体積の存在の明らかな効果は観察されなかった。25HC3S溶液は忍容性良好であり、局部的変化は注射(針)外傷及び/又はビヒクルの影響による可能性が高いと結論付けられた。
【0282】
II. ラットにおける2週間のSC注射研究
別の研究において、ハノーバーウィスターラット(n=12/性別/用量群)は、ビヒクル(滅菌水中の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の250mg/mLのヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)中の30mg/mLの25HC3Sナトリウム塩の溶液の1日1回のSC注射を2週間受けた。0(ビヒクル)、15、45、及び150mg/kgの25HC3Sナトリウム塩の用量レベルを、5.0、0.5、1.5、及び5.0mL/kgの用量体積で投与した。14日の用量投与後、全てのラットを安楽死させ剖検した。
【0283】
結果は、2週間後にビヒクル対照と比較して、150mg/kgの25HC3Sを与えられた雄においてより低い(22%)平均血清コレステロールを示し、及び対照と比較して、150mg/kgの25HC3Sの雄及び雌においてより高い(10%)平均肝臓重量を示した。腎臓の近位細管の細胞質空胞化は、ビヒクル対照において、及び最高用量のラット(150mg/kg)においても観察された; 重症度はビヒクル対照及びラットにおいて同様であった。ビヒクル対照及び薬物処置ラットの肺における肺胞マクロファージの最小の増加が認められ、同様に、ビヒクル及び薬物処置ラットの注射部位でのコラーゲン変性、出血、炎症、及び筋肉層の壊死/変性が認められた。しかし、
図1Aに示すように、コラーゲン変性及び出血は、ビヒクルと比較して、25HC3Sを受けたラットにおいてより低い傾向があった。
【0284】
III. イヌにおける2週間のSC注射研究
別の研究において、ビーグル犬(n=4/性別/用量群)は、1日1回のSC注射を2週間受けた。試験した溶液は、ビヒクル(10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の250mg/mLのヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)中の30mg/mLの25HC3Sナトリウム塩を含んだ。0(ビヒクル)、3、10、及び30mg/kgの25HC3Sの用量レベルを、1.0、0.1、0.33、及び1.0mL/kgの用量体積で投与した。14日の用量投与後、全てのイヌを安楽死させ剖検した。結果は、ビヒクル及び薬物処置注射部位における線維増殖、出血、炎症、及び壊死を示した; 発生率及び重症度は、一般に、薬物処置したイヌと比較して、ビヒクル対照においてより高かった(
図1B参照)。さらに、注射部位の腫脹は、ビヒクルのみを受けたイヌと比較して、25HC3Sを受けたイヌにおいて著しく減少した(
図1C)。
【0285】
炎症、壊死、及び過形成の低減は、25HC3Sが、炎症、壊死、及び過形成を低減し得ることを示唆する。
【0286】
実施例2. イミキモド(IMQ)誘導乾癬マウスモデルにおける皮内投与された25HC3Sの抗炎症活性の評価
材料及び方法
動物
研究の対象は、40匹の雄のBalb/Cマウス(18~22g)であった。72時間の検疫期間中に臨床的苦痛、疾患、又は傷害の徴候を示さない動物は、研究のために受け入れられ、全体を通して日常的な動物の世話を受けた。全てのマウスの背部を1.5cm×2cmの面積について剃毛した。
【0287】
製剤
25HC3Sの2つの製剤である製剤A及び製剤Bを、研究のために使用した。
【0288】
製剤Aは、溶液ビヒクル(滅菌水中の250mg/mLのヒドロキシプロピルベータデックス(ベータシクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピルエーテル、ベータシクロデキストリンの部分置換ポリ(ヒドロキシプロピル)エーテル)及び10mMのリン酸ナトリウム緩衝液)中の25HC3Sナトリウム塩(30mg/mL)の透明な溶液であった。ビヒクルを2~8℃の貯蔵庫に保存し、使用直前に粉末25HC3Sと混合する前に室温に30分間置いた。ビヒクルA中の25HC3Sの溶解は迅速であり、混合時に完了したように見えた。
【0289】
製剤Bは、懸濁液ビヒクル(滅菌水中の30mg/mLのポリエチレングリコール3350、3mg/mLのポリソルベート80、7.5mg/mLのNaCl、及び10mMのリン酸ナトリウム緩衝液)中の25HC3Sナトリウム塩(25mg/mL)の乳状懸濁液であった。25HC3Sは、ビヒクルに添加する前に、Fluid Energy Model 00 Jet-O-Mizer(商標)を使用して約5ミクロンの平均粒径(hydro 2000S分散セルを備えたMalvern Mastersizer 2000により測定)に粉砕した。ビヒクルを2~8℃の貯蔵庫に保存し、使用直前に粉末25HC3Sと混合する前に室温に30分間置いた。製剤Bは懸濁液であるので、以下の混合プロトコルを使用した: 3.0mLの懸濁液ビヒクルを、予め秤量した粉末25HC3Sを含有するバイアルに添加した。バイアルをフラットベッドシェーカー上で15分間振とうして、均一に白色の懸濁液を作り、次いで、手動で5~10回反転させ、さらに5分間振とうした。さらに、投与直前に、懸濁液の均質性を確実にするために、バイアルを手動で5~10回反転させた。
【0290】
IMQ、ビヒクル、及び25HC3Sの投与
6日間(0~5日目)乾癬様状態を誘導するために、IMQを、各マウスの剃毛した背部の皮膚(50mg)及び右耳(25mg)に午前中1日1回局所的に適用した。
【0291】
ビヒクル中の25HC3S又はビヒクル単独(N=10匹のマウス/群)を、皮内注射により、1日目及び4日目の午後の間に1回投与した。注射はその日のIMQ適用の約6時間後に行った。皮内注射(50μL/マウス)を背部の皮膚病変の部位に与えた。
【0292】
溶液製剤については、処置マウスに、各日に1.5mgの25HC3Sの用量を与え、一方、懸濁液群では、処置マウスに、注射当たり1.25mgの25HC3Dの用量を与えた。
【0293】
モニタリング及び測定パラメータ
マウスを苦痛の徴候についてモニタリングし、毎日、背部病変の写真を撮った。背部皮膚の紅斑、鱗屑化、及び厚さを、独立した採点者(盲目的)によって0~4のスケール(0=無し; 1=わずか; 2=中程度; 3=著しい; 及び4=非常に著しい)で毎日採点した。累積スコア(紅斑+鱗屑化+肥厚)を、炎症の重症度の指標として計算した(0~12のスケールで)。浮腫の指標として、背部皮膚の厚さを電子カリパスによって測定した。
【0294】
終了(6日目)
研究中の全てのマウスを麻酔し放血させた。血液を回収し、血清に処理し、分析的使用のために-80℃で保存した。
【0295】
サイトカイン分析
ELISAによるサイトカインTNFα及びIL-17の測定のために、背部皮膚の半分をホモジナイズした。
【0296】
結果
この研究の結果を、
図2及び3A及び3Bに提示する。
図2に見られるように、製剤B懸濁液で処置したマウスでは、背部皮膚の紅斑(発赤)が有意に低減した。背部皮膚の紅斑は、製剤Aで処置したマウスでは有意に低減せず、右耳の紅斑は、製剤A又はBで処置したマウスでは有意に低減しなかった。
【0297】
図3A及び3Bは、ELISAによって測定された、乾癬皮膚/病変中のIL-17及びTNFαタンパク質レベルをそれぞれ示す。見られるように、IL-17は、製剤B群では、それぞれのビヒクル群と比較して、より低い傾向があり、一方、製剤Aとそのビヒクル群との間で大きな差は観察されなかった。対照的に、TNFαタンパク質レベルは、製剤A処置マウスの皮膚組織において、ビヒクルと比較して、中程度に低減し、一方、製剤B処置マウスでは、そのそれぞれのビヒクルと比較して、増加した。これらの結果は、矛盾するように見えるが、この研究の1つの注意点は、組織が採取された場所(病変の小さい領域に含まれる皮内注射の部位、対、乾癬病変の非曝露領域における)に応じて、タンパク質レベルが、処置群内で劇的に変動し得ることである。全体として、本発明者らは、25HC3Sが、乾癬のげっ歯類モデルにおいて、紅斑の低減を促進することを見出す。
【0298】
実施例3. ヒトにおけるツタウルシ攻撃後の慢性皮膚炎の療法
(局所用クリーム中5mg/mlの25HC3Sナトリウム塩、外用)
症例報告: ボランティアの男性(60歳)は、2年前にツタウルシ攻撃後に、激しいかゆみを伴う慢性皮膚炎に罹患していた。罹患領域を、ボディローション(Cococare(登録商標)、ビタミンEクリーム)中の5mg/mlの25HC3Sナトリウム塩0.5mlで、3日に1回、合計3回の適用について外的に処置した。2日以内に、かゆみは治まり、発赤及び腫脹は減少した。皮膚は10日でほぼ完全に回復した。
【0299】
実施例4. 局所用製剤
市販のビヒクル及び特注組成物を使用して、25HC3Sの局所用製剤を調製した。
【0300】
製剤の評価
列挙した組成物を、相分離の徴候をモニタリングすることによって、室温、すなわち25℃での質感、均質性、及び物理的安定性について評価した。
【0301】
局所適用のための25HC3S製剤に使用される市販のビヒクル
PLO20(商標)、PLO20 Flowable(商標)、SaltStable L0(商標)、及びHRT(ホルモン補充療法)ボタニカルベースは、HUMCO(商標)由来であった。ビタミンEクリームは、12,000I.U.のビタミンEを含有するCococare(登録商標)由来であった。
【0302】
市販のビヒクル中の25HC3Sの調製
製剤を、25HC3Sをビヒクルに添加することによって調製し、ロッド又はホモジナイゼーションを使用して混合した。表1は、25HC3S薬物負荷、外観、及び物理的安定性を示す。
【0303】
【0304】
特注組成物
材料:
Carbopol(登録商標)971P NF及びCarbopol(登録商標)974P NFは、Lubrizolから得た。Pluronic(登録商標)F68、オレイン酸、Tween(登録商標)80、Tween 60、オレイルアルコール(Novol(商標))、Span(登録商標)20は、CRODAから得た。Lauroglcol(登録商標)90、Transcutol(登録商標)、Labrasol(登録商標)、Plurol(登録商標)Oleique、Labrafil(登録商標)2125csは、Gattefosseから得た。DMSOは、Gaylord Chemical Companyから、ジプロピルグリコールは、DOW Chemical Companyから、乳酸ラウリル(Ceraphyl(商標)31)は、Ashlandから、Kolliphore(登録商標)P407(Lutrol(登録商標)F127)は、Mutcher Inc.から得た。他の全ての添加剤は、Spectrumから購入した。
【0305】
製剤の調製:
全ての製剤は水性の(o/wエマルジョン)、ゲル、及び1つのマイクロエマルジョンであった。Carbopol(登録商標)、Lutrol(登録商標)F127、及び/又はPluronic(登録商標)F68を増粘剤として使用した。エタノール、Lauroglcol(商標)90、Transcutol(登録商標)、Labrasol(登録商標)、Plurol(登録商標)Oleique、Labrafil(登録商標)2125cs、オレイン酸、HPbCD、プロピレングリコール(PG)、レシチンイソプロピルパルミテート溶液ベース(LIPS)を、皮膚浸透促進剤として使用した。Tween(登録商標)及びSpan(登録商標)を界面活性剤として使用した。トロラミンを用いて、製剤のpHを調整した。
【0306】
HPbCD(006及び007)を含有する組成物において、薬物をヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン(HPbCD)の25%溶液に溶解し、残りの添加剤と混合した。完全にゲル化する前に、薬物混合物を増粘剤(Carbopol(登録商標))に添加した。他の全ての製剤は、25HC3S粉末をビヒクルに添加することによって作製し、混合した。
【0307】
製剤を表2、4、6、及び8に列挙する。表3、5、7、及び9は、製剤の外観及び物理的安定性を示す。各製剤の物理的安定性は、調製日から示されている。表10は、マイクロエマルジョン製剤の組成及びその物理的安定性を示す。
【0308】
【0309】
【0310】
【0311】
【0312】
【0313】
【0314】
【0315】
【0316】
【0317】
25HC3S局所用製剤の化学的安定性
約5%の25HC3Sを含有する製剤の化学的安定性を、25℃及び40℃でモニタリングした。サンプルを、秤量した約0.5gの製剤を2mLのガラスバイアル中に入れることによって調製し、栓をして密封した。各温度及び時点について二重のサンプルを使用した。化学的安定性試験に用いた組成物及び結果を、表11に列挙する。2つのサンプルの平均効力を報告する。
【0318】
【0319】
実施例5. 乾癬患者における25HC3Sの病変内単回投与の有効性及び安全性を評価するための概念実証研究
材料及び方法
この研究の目的は次のとおりである:
●マイクロプラークアッセイによって評価した場合の、乾癬患者における病変内注射された25HC3Sの有効性に関する予備的証拠を確立すること。
●乾癬患者における25HC3Sの安全性を評価すること。
●病変内注射された25HC3Sの異なる製剤の有効性に関する証拠を比較する。
【0320】
試験設計:
●この試験は、二重盲検の、参加者内の、無作為化した、ビヒクル及び実対照薬(active comparator)を対照とした、単回投与研究であった。参加者は、投与の28日以内にスクリーニング訪問に参加した。乾癬の標的プラーク(複数可)を選択した。
○0日目: 各参加者を、研究薬物の2つの異なる製剤、2つのビヒクル製剤、1つの実対照薬、及び1つの未処置領域(合計6個の処置)で処置した。未処置領域を除いて、各処置を、病変内注射として各参加者に施した。
○参加者は、1日目、2日目、7日目、及び14日目に、マイクロプラーク評価のために外来診察に戻るように求められた。
【0321】
処置製剤: 表12は、製剤化された薬物生成物を列挙し、表13は、注射された量を列挙する。
【0322】
【0323】
【0324】
臨床試験
軽度から重度の乾癬を有する10人の患者を、スクリーニング後にこの臨床試験に登録した。参加者が研究に適格となるために、全ての標的プラークは、局部乾癬重症度指数(LPSI)スコア≧6を有していた。0日目: 各参加者を、研究薬物の2つの異なる製剤、2つのビヒクル製剤、1つの実対照薬、及び1つの未処置領域(合計6個の処置)で処置した。
【0325】
各処置を、標的プラーク内の別々の小さな標的領域(マイクロプラーク)への病変内注射として各参加者に施した。病変内注射の投与について訓練された、重要事項を知らされている(unblinded)注射者によって用量を投与した。各処置の3回の注射を与えた。未処置領域は何の注射も受けなかったが、重要事項を知らされている注射者による研究後の観察のために印を付けた。提案された注射部位テンプレートの図を、
図4A及びBに示す。
【0326】
1、2、7、及び14日目: 参加者は、マイクロプラーク評価のために外来診察に戻るように求められた。主任研究者は、紅斑、硬化、及び落屑のスコアについて5点スケールを使用するLPSIを使用して、盲検的に研究処置に対する反応を等級付けした。この評価の結果を、
図5A及びB並びに
図6A~Cに示す。
【0327】
結果
乾癬における25HC3Sの効果を、ビヒクル又はこのマイクロプラークアッセイにおける未処置と比較した、LPSIスコアの変化によって評価した。対象の標的プラーク内の各製剤について、研究訪問によってLPSIスコアの変化の差及びその95%信頼区間(CI)を導き出すことによって、薬物対ビヒクルの比較を行った。
【0328】
予想通り、この研究についての研究者の採点期間の終了時(14日目)に、実対照薬であるKenalog(登録商標)-10のプラークに対するプラスの効果が観察された(データ示さず)。溶液製剤中の25HC3Sは、14日の採点期間にわたりビヒクル処置と比較して、LPSIスコアに基づいて、乾癬の改善に効果を有することは観察されなかった(
図5A及びB)。対照的に、懸濁液中の25HC3Sは、ビヒクルと比較して、平均LPSIスコアを14日目までに約0.7単位低減した(
図5A及びB)。2日目に0.8単位のLPSIの増加も観察され、これは、主に懸濁液製剤中の25HC3S粒子に由来する異物反応に起因する。
【0329】
LPSIを定義するカテゴリーを詳細に調べると、懸濁液処置群における25HC3Sが落屑に最も大きな影響を与え、一方、硬化及び紅斑においてもより少ない程度で、ビヒクル処置と比較して減少が観察された(
図6A~C)。結論として、病変内に与えられた25HC3Sは、この概念実証研究においてLPSIを低減することによって、乾癬プラークにおいて有効性を示した。
【0330】
数人の患者について、懸濁液中の25HC3Sの単回注射で処置された領域は、注射の4~9ヶ月後に観察された。これらの患者の少なくとも一部では、処置された領域は、より少ない乾癬を有するように見えた。これらの患者の少なくとも一部では、未処置の領域も、より少ない乾癬を有するように見えた。
【0331】
実施例6. 注入適合性
注射用25HC3Sは、注射溶液用の滅菌粉末である。10mLガラスバイアル、及びFluroTec(登録商標)でコーティングされた栓を使用した場合の25HC3S安定性を、2~8℃で12ヶ月、25℃/60%RHで6ヶ月、及び40℃/75%RHで6ヶ月まで、バイアルを逆さ向きに保存して研究した。これらの安定性データに基づいて、以下に示すように、25HC3Sと容器閉鎖システムとの間には良好な適合性があると結論付けられた。
【0332】
同様に、10mLガラスバイアル、及びFluroTec(登録商標)でコーティングされた栓を使用した場合の、注射用25HC3Sのためのビヒクル(ビヒクル)の安定性を、2~8℃で12ヶ月、25℃/60%RHで6ヶ月、及び40℃/75%RHで6ヶ月まで、バイアルを逆さ向きに保存して研究した。ビヒクルは、10mMのリン酸緩衝液を有する250mg/mLのHPbCDであった。これらの安定性データに基づいて、以下に示すように、ビヒクルと容器閉鎖システムとの間には良好な適合性があると結論付けられた。
【0333】
注入用の5%デキストロース及び0.9%塩化ナトリウムを有する構成された25HC3S溶液、及び2種類の注入セットの適合性
ビヒクルで構成した後、30mg/mLの25HC3S生成物を、100mLの5%デキストロース注射液(USP)又は0.9%塩化ナトリウム注射液(USP)に希釈し、30mg~150mgの25HC3Sの用量範囲のIV注入として対象に投与した。これは、30mg/mLの25HC3S生成物の1.0mL(30mg用量について)又は5.0mL(150mg用量について)、又はその間の任意の体積を、100mLデキストロース又は塩化ナトリウム注入バッグに添加することによって達成された。注入バッグ中の全混合内容物を、約2時間かけて50mL/時の速度で対象に注入した。
【0334】
物理的及び化学的適合性研究を、5%デキストロース及び0.9%塩化ナトリウム注入バッグ中の30mg、48mg、及び300mgの25HC3S用量で行った。注射用の構成された25HC3Sを希釈するために使用された2つの注入溶液の説明を、表14に列挙する。5%デキストロース及び0.9%塩化ナトリウム中に希釈した25HC3S生成物で試験した2種類の注入セットの説明を、表15に列挙する。カタログ番号2H8480注入セットのチューブは、ポリ塩化ビニル(PVC)で構成され、一方、カタログ番号2C8858のチューブは、PVCで構成された短いポンプセグメント(約12インチ)を除いて、ポリエチレンで裏打ちされた。
【0335】
【0336】
【0337】
2~8℃で約16ヶ月間保存された注射用25HC3S及び注射用25HC3Sのためのビヒクルを、適合性研究に使用した。構成後、30mg(構成された生成物1.0mL)、48mg(構成された生成物1.6mL)又は300mg(構成された生成物10mL)を、5%デキストロース及び0.9%塩化ナトリウムの100mL注入バッグに添加し、徹底的に混合し、室温及び2~8℃で24時間保存した。Hospiraのラベルの付いた100mLのデキストロース及び塩化ナトリウムの注入バッグは過充填になっていたので、平均的な充填は実際には107mLであった。注入バッグ当たりの過充填、及び構成された25HC3S生成物を各バッグに添加することによって導入された追加体積を考慮すると、25HC3Sの予想濃度は、注入バッグ中で0.28mg/mL、0.44mg/mL、及び2.56mg/mLであった。次いで、2種類の注入セットを、薬物含有注入バッグに取り付け、全内容物を、注入セットを通して約50mL/時で室温で溶出した。T=0及び24時間における25HC3S調製注入バッグから、並びに注入セットを通過した総溶出液からサンプルを回収し、HPLCを使用して25HC3S濃度について試験した。溶液の外観、オスモル濃度(USP法<785>を使用)、及びpH(USP法<791>を使用)も、回収したサンプルについて測定した。
【0338】
25HC3Sと、5%デキストロース及び0.9%塩化ナトリウムとの、並びに2種類の注入セットとの適合性の結果を、それぞれ表16及び表17に示す。
【0339】
【0340】
【0341】
室温及び2~8℃で24時間後、並びに注入セットを通して溶出した後の、5%デキストロース中の25HC3S濃度は、全て初期T=0時点の標的濃度の1.4%以内であった。0.9%塩化ナトリウム中の同様の25HC3Sの安定性が観察され、室温及び2~8℃で24時間後、並びに注入セットを通して溶出した後、全ての濃度は、初期T=0時点の標的濃度の2.0%以内であった。
【0342】
T=0及び24時間における、並びに2種類の注入セットを通して溶出した後の、5%デキストロース中の25HC3Sについてのオスモル濃度及びpHデータを、表18に示す。T=0及び24時間における、並びに2種類の注入セットを通して溶出した後の、0.9%塩化ナトリウム中の25HC3Sについてのオスモル濃度及びpHデータを、表19に示す。デキストロース及び塩化ナトリウム薬物含有溶液の両方についてのオスモル濃度データは、注入バッグ中で経時的に、又は注入セットを通して溶出した後に、一貫した傾向を示さなかった。デキストロース薬物含有溶液のpHもまた、経時的に、又は注入セットを通して溶出した後に、何の傾向も示さなかった。約0.28mg/mLの25HC3Sにおける塩化ナトリウム薬物含有溶液のpHは、注入バッグ中で24時間にわたって約0.5のpH単位の減少を示し、注入セットを通して溶出した後には、pHの約10分の1減少するように見えた。約0.44mg/mLの25HC3Sにおける塩化ナトリウム薬物含有溶液のpHは、注入バッグ中で経時的に一貫した傾向を示さなかったが、注入セットを通して溶出した後には、pHの10分のいくつか減少するように見えた。約2.56mg/mLの25HC3Sにおける塩化ナトリウム薬物含有溶液のpHは、注入バッグ中で経時的にpHの10分の1のわずかな減少を示し、注入セットを通して溶出した後には、pHの10分のいくつか下がるように見えた。
【0343】
デキストロース及び塩化ナトリウム中の25HC3S溶液は、3つ全ての濃度で、注入バッグ中で24時間後、及び注入セットを通して溶出した後、透明で無色の溶液のままであった。
【0344】
注入バッグ及び注入セットの外観もまた、25HC3S溶液を用いた使用の前後で同じままであった。
【0345】
100mLのデキストロース及び塩化ナトリウムとの混合物としての、並びに2種類の注入セットとの、30mg、48mg、及び300mgの25HC3Sの適合性は、許容可能な25HC3S濃度、pH、オスモル濃度、及び物理的外観安定性データによって実証された。
【0346】
【0347】
【0348】
実施例7. 製剤の物理的安定性試験
方法
以下の表20及び21に示す製剤を、以下のように作製した。25HC3Sを、水を除く溶媒/浸透促進剤/界面活性剤の混合物に溶解した。Carbopol(登録商標)ポリマーを、別に水に溶解し、トロラミンを添加してゲルを形成した。次いで、25HC3Sの溶液を、Carbopolゲルに添加して、混合した。最終製剤は、典型的には、クリーム又はゲルであった。
【0349】
結果
得られた製剤の外観を、以下の表20及び21に示す。製剤のほとんどを、室温で4ヶ月間置いておいた。それらの物理的安定性を、以下の表20及び21に示すように記録した。
【0350】
【0351】
【0352】
実施例8. 1回目の死体皮膚研究
目的
●皮膚に透過する薬物含有量を増加させる
●局所用製剤の安定性を改善する
●製剤中の薬物溶解度を増加させる
【0353】
戦略
●市販のビヒクル
●CococareのビタミンEクリーム
●他の4つのビヒクル
●インハウスで開発し評価したビヒクル(クリーム又はゲルに焦点を合わせて)
●全てのビヒクルは水性であった(W/Oエマルジョン及びゲル)。
●増粘剤: Carbopol974(架橋ポリアクリル酸ポリマー)、Pluronic F68
●乳化剤: Tween 80、Span 20
●皮膚透過促進剤
EtOH、プロピレングリコール、DiPG、乳酸ラウリル、オレイン酸、オレイルアルコール、脂質賦形剤(labrafil M2125、Lauroglycol)、レシチンイソプロピルパルミテート溶液(LIPS)
【0354】
方法
以下の表22に示す製剤を作製した。Carbopolベースのクリーム又はゲルで達成された最大薬物負荷は、1wt%であったので、薬物を含有する以下の製剤のそれぞれは、1wt%の非放射性標識25HC3Sを含んでいた。陽性対照C1では、20wt%のDMSOをEtOH中に含ませて、1wt%の薬物負荷を達成した。
【0355】
放射性標識C14-25HC3Sを各製剤と混合するための手順は、以下の通りであった。製剤(各1mL)を1mLバイアルに入れた。各バイアルに、放射性物質(C14放射性標識25HC3S)を含有する5μLのEtOHを添加した。混合物を、小型プランジャーを用いて4~5分間均一になるまで混合した。
【0356】
【0357】
上記の製剤を、死体皮膚上で以下のように試験した。皮膚採取した死体皮膚は、大腿部及び腹部領域から得た。合計4つのドナー皮膚サンプル(4つの別々の実験)を、研究に使用した。投与の少なくとも2時間前に、皮膚サンプルを拡散セル(下記参照)上に置いた。皮膚サンプルの完全性を、総表皮水分喪失(TEWL)を測定することによって調べた。
【0358】
拡散セルは1cm2の表面積を有した。各試験点における各サンプルは、2~3個の反復実験を有した。
【0359】
用量は、拡散セル当たり0.2~0.5μCiの放射能をそれぞれ含有する製剤10~25μLであった。
【0360】
レセプター液は、PBS中の6%PEG400であった。レセプター液流速は、4.7mL/時で連続流であった。
【0361】
用量適用については、正味量は、投与適用前後の重量差によって決定された。
【0362】
総皮膚曝露時間は、24時間であった。8時間の皮膚曝露後、以下のように5%の石鹸水洗浄により皮膚表面用量残留物を除去した: (1)5%の透明なIvory(登録商標)液体石鹸(Proctor and Gamble)で湿らせた小さな綿ボールで2回; 及び(2)残留薬物含有量を回収するため、蒸留脱イオン水で湿らせた綿ボールを用いて2回、及び乾燥綿ボールを用いた最終的な乾燥。(皮膚洗浄後の)16時間の追加の皮膚曝露後、実験は終了した。
【0363】
投与された皮膚を最初に10回テープ剥離し、続いて生存表皮及び真皮を熱分離した。レセプター液サンプルを30分、1時間、2時間、及び実験の終了まで2時間毎に回収した。全てのサンプルを放射能についてカウントした。
【0364】
結果
上記のように、この研究は、ドナー当たり3つの透過実験を有する4つの皮膚ドナーを含んだ。非常に微量の薬物がレセプター液中に見出された。結果を、以下の表23及び24に示す。
【0365】
【0366】
【0367】
全てのインハウス製剤(F2を除く)は、深部皮膚中の薬物の量に基づいて、市販のビヒクル(F1)よりも優れていた。結果の順序は、C1>F9>F5>F6>F8>F4>F7であった。
●C1: EtOH(80%)、DMSO(20%)
●F9: オレイルアルコール(10%)、diPG(20%)、H2O(57%)
●F5: PG(40%)、H2O(54%)
●F6: PG(15%)、オレイン酸(10%)、H2O(62%)
●F8: PG(20%)、EtOH(10%)、DMSO(20%)、H2O(47%)
●F4: 乳酸ラウリル(2.5%)、H2O(87%)
●F7: PEG400(40%)、H2O(57%)
【0368】
透過促進剤(PE)について、以下の傾向が見られた。
●C1対F8
●EtOH: 高PE
●F9対F5
●PGよりも優れたOAlc+diDP
●F5対F7
●PEG400より優れたPG
●F5対F6
●PGは、OAとほぼ同じであり得る。
●F5対F4
●LLは、PGよりも有効であり得る(濃度単位当たりの拡散)。
【0369】
実施例9. 製剤の化学的安定性試験
実施例8からの製剤F4、F5、F6、及びF9を、表25に示すように、化学的安定性について試験した。製剤を以下に示す温度で3週間保存した後、残っている薬物の量をHPLCによってアッセイした。
【0370】
【0371】
実施例10. 製剤の物理的安定性試験
方法
以下の表26及び27に示す製剤を、製剤44、46、48、及び50を除いて、実施例7に記載の手順を用いて作製した。最終製剤は、典型的には、クリーム又はゲルであった。
【0372】
製剤44は、以下の工程に従って調製した:
1)薬物を水中のHPbCDの溶液に溶解した。
2)パルミチン酸イソプロピル及びTween 60を、溶融セチルアルコールと60℃で混合した。3)薬物溶液を、セチルアルコール/IPM及びTween 60の混合物に添加し、均一なクリームが形成されるまで混合した。
【0373】
製剤46、48、及び50は、以下の工程に従って調製した:
1)薬物を、溶媒/浸透促進剤の混合物に溶解した。
2)次いで、二酸化ケイ素を添加し、ゲルが形成されるまで混合した。
【0374】
結果
得られた製剤の外観を、以下の表26及び27に示す。製剤の一部を、室温で2ヶ月間置いておいた。それらの物理的安定性を、以下の表26に示すように記録した。
【0375】
【0376】
【0377】
実施例11. 2回目の死体皮膚研究
目的
●皮膚に透過する薬物含有量を最大化する
●F9及びF5/F6に基づく
●透過能力を増加させる
●薬物負荷を最大化する
【0378】
戦略
●相乗効果のために、複数の透過促進剤を使用する
●水を減らして、薬物溶解度を増加させる(増粘剤としてCarbopolを使用しない)
●PG(優れた透過促進剤及び適度な可溶化剤)を増加させる(約30mg/mL)
●EtOH(優れた透過促進剤であるが、それほど良くはない可溶化剤)を追加/保持する(約3mg/mL)
●少量のPEG400(不十分な透過促進剤であるが、優れた可溶化剤)を添加する(約130mg/mL)●SiO2を、水を必要としない増粘剤として使用する
【0379】
方法
以下の表28に示す製剤を、実施例8に記載の手順を用いて作製した。
【0380】
【0381】
結果
この研究は、5つの透過実験を有する1つの皮膚ドナーを含んだ。非常に微量の薬物がレセプター液中に見出された。結果を、以下の表29に示す。
【0382】
【0383】
●6%の薬物負荷を有する製剤は、1%の薬物負荷を有する製剤よりも、深部皮膚に透過した薬物の量について優れた性能を有した。
●製剤F14及び対照は、深部皮膚に透過した最も多量の薬物を有した。
【0384】
1回目及び2回目の死体皮膚流動研究(それぞれ実施例8及び11)において深部皮膚に見られる薬物の量を、
図7に要約する。
【0385】
実施例12. 製剤の化学的安定性試験
実施例11からの製剤F14を、表30に示すように、化学的安定性について試験した。製剤を以下に示す温度及び湿度で1週間保存した後、残っている薬物の量をHPLCによってアッセイした。
【0386】
【0387】
実施例13. 製剤の物理的及び化学的安定性試験
方法
以下の表31及び32に示す製剤を、実施例10に記載の手順を用いて作製した。
【0388】
結果
得られた製剤の外観を、以下の表31及び32に示す。6wt%25HC3Sは全て、調製された組成物中に溶解していた。表32の製剤を室温で1ヶ月間置いておき、それらの物理的安定性を記録した。
【0389】
【0390】
【0391】
製剤61及び64を、表33に示すように、化学的安定性について試験した。製剤を以下に示す温度及び湿度で1週間保存した後、残っている薬物の量をHPLCによってアッセイした。
【0392】
【0393】
実施例14. 乾癬の処置(予言的)
目的
尋常性乾癬(すなわち、プラーク乾癬)患者における活性化合物の有効性を調べること。
【0394】
製剤
活性化合物25HC3Sを、以下の表34に示すように、2つの製剤において調製する。プラセボは、活性化合物なしで同じ賦形剤を含有する。
【0395】
【0396】
方法論
これは、無作為化した、研究者盲検の、プラセボを対照とした、探索的臨床研究である。
【0397】
軽度、中程度から重度の尋常性乾癬を有する男性及び女性患者が登録される。患者は、研究開始前の少なくとも4週間の期間、乾癬に対する他の全ての処置を中止すべきである(以前に行った処置に応じて)。全ての患者は、対称性プラーク上に活性製剤及びプラセボ製剤の同時適用を受ける。製剤当たり合計少なくとも10人の患者を登録して処置する。
【0398】
この試験では、活性又はプラセボ製剤を、1日に1回から1週間に1回、体の罹患領域に、1~4週間適用する。用量は、1mg/cm2~60mg/cm2である。処置結果は、4週まで毎週の間隔で評価され、次いで、研究薬品の中止後1~12ヶ月間追跡される。
【0399】
別段記載しない限り、化合物又は成分への言及は、化合物又は成分単独、並びに他の化合物又は成分と組み合わせたもの、例えば、化合物の混合物を含む。
【0400】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の参照対象を含む。
【0401】
本明細書で提供される全ての数値範囲について、範囲は、その範囲の最高値と最低値の間の全ての整数、及び例えば0.1の増分における、それらの値の間にある全ての小数を含むことを理解すべきである。
【0402】
本明細書で提供される全ての数値について、その値は、数値を囲む全ての統計的に有意な値を包含することが意図される。
【0403】
本発明をその好ましい実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、本発明を、添付の態様及び特許請求の範囲の精神及び範囲内で修正して実施できることを認識する。したがって、本発明は、上述の実施形態に限定されるべきではないが、本明細書に提供される説明の精神及び範囲内でその全ての修正形態及び均等物をさらに含むべきである。
本発明をその好ましい実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、本発明を、添付の態様及び特許請求の範囲の精神及び範囲内で修正して実施できることを認識する。したがって、本発明は、上述の実施形態に限定されるべきではないが、本明細書に提供される説明の精神及び範囲内でその全ての修正形態及び均等物をさらに含むべきである。
(付記)
(付記1)
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の処置又は予防的な処置を必要とする対象において、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法であって、
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置するのに十分な量の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)を対象に投与すること
を含む、方法。
(付記2)
炎症性皮膚疾患が、乾癬、皮膚炎、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)、及び紫外線(UV)紅斑のうちの少なくとも1つを含む、付記1に記載の方法。
(付記3)
炎症性皮膚疾患が、乾癬を含む、付記1に記載の方法。
(付記4)
炎症性皮膚疾患が、皮膚炎を含む、付記1に記載の方法。
(付記5)
1つ以上のOCSが、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩を含む、付記1~4のいずれか一項に記載の方法。
(付記6)
1つ以上のOCSが、約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲の用量で対象に投与される、付記1~5のいずれか一項に記載の方法。
(付記7)
1つ以上のOCSが、1日に1回から1年に1回の範囲の頻度で投与される、付記1~6のいずれか一項に記載の方法。
(付記8)
投与が、局部的及び全身的のうちの少なくとも1つによって行われる、付記1~7のいずれか一項に記載の方法。
(付記9)
投与が、局所的、経口的、及び注射によってのうちの少なくとも1つによって行われる、付記1~8のいずれか一項に記載の方法。
(付記10)
投与が、局所的に行われる、付記1~9のいずれか一項に記載の方法。
(付記11)
投与が、注射によって行われる、付記1~10のいずれか一項に記載の方法。
(付記12)
投与が、経口的に行われる、付記1~9のいずれか一項に記載の方法。
(付記13)
1つ以上のOCSが、医薬製剤として投与され、医薬製剤は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む、付記1~12のいずれか一項に記載の方法。
(付記14)
医薬製剤が、ローション又はクリームである、付記13に記載の方法。
(付記15)
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法に使用するための、付記1又は5に定義される1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)であって、前記方法は、付記1~14のいずれか一項に定義される方法である、酸素化コレステロール硫酸。
(付記16)
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法に使用するための医薬の製造のための、付記1及び5のいずか一項に定義される1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の使用であって、前記方法は、付記1~14のいずれか一項に定義される方法である、使用。
(付記17)
酸素化コレステロール硫酸(OCS);
皮膚浸透促進剤; 及び
増粘剤
を含む、組成物。
(付記18)
OCSが、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩を含む、付記17に記載の組成物。
(付記19)
OCSが、組成物の重量に基づいて、約0.1wt%~約50wt%の範囲の量で存在する、付記17~18のいずれか一項に記載の組成物。
(付記20)
OCSが、組成物の重量に基づいて、約0.5wt%~約10wt%の範囲の量で存在する、付記17~19のいずれか一項に記載の組成物。
(付記21)
皮膚浸透促進剤が、アルカノール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、及びポリオールから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、付記17~20のいずれか一項に記載の組成物。
(付記22)
皮膚浸透促進剤が、エタノール、セチルアルコール、ポリソルベート、モノラウリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸ソルビタン、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、オレイン酸ポリグリセリル、ポリオキシエチル化グリコール化グリセリド、オレイン酸、シクロデキストリン若しくはシクロデキストリン誘導体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、PEG化カプリル酸/カプリン酸グリセリド、及びレシチンイソプロピルパルミテートから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、付記17~21のいずれか一項に記載の組成物。
(付記23)
皮膚浸透促進剤が、組成物の重量に基づいて、約1wt%~約98wt%の範囲の量で組成物中に存在する、付記17~22のいずれか一項に記載の組成物。
(付記24)
皮膚浸透促進剤が、組成物の重量に基づいて、約5wt%~約50wt%の範囲の量で組成物中に存在する、付記17~23のいずれか一項に記載の組成物。
(付記25)
増粘剤が、ポリアクリル酸、アリルスクロースで架橋されたポリアクリル酸、アリルペンタエリスリトールで架橋されたポリアクリル酸、アリルペンタエリスリトールで架橋されたポリアクリル酸及びC10~C30アルキルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポロキサマー、セルロース誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びカルボマーから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、付記17~24のいずれか一項に記載の組成物。
(付記26)
増粘剤が、組成物の重量に基づいて、約0.2wt%~約40wt%の範囲の量で組成物中に存在する、付記17~25のいずれか一項に記載の組成物。
(付記27)
酸素化コレステロール硫酸(OCS);
皮膚浸透促進剤; 及び
皮膚浸透促進剤とは異なる溶媒
を含む、組成物。
(付記28)
OCSが、5-コレステン-3,25-ジオール,3-サルフェート(25HC3S)又はその薬学的に許容可能な塩を含む、付記27に記載の組成物。
(付記29)
OCSが、組成物の重量に基づいて、約0.1wt%~約50wt%の範囲の量で存在する、付記27~28のいずれか一項に記載の組成物。
(付記30)
皮膚浸透促進剤が、アルカノール、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、及びポリオールから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、付記27~29のいずれか一項に記載の組成物。
(付記31)
皮膚浸透促進剤が、エタノール、セチルアルコール、ポリソルベート、モノラウリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸ソルビタン、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、オレイン酸ポリグリセリル、ポリオキシエチル化グリコール化グリセリド、オレイン酸、シクロデキストリン若しくはシクロデキストリン誘導体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、PEG化カプリル酸/カプリン酸グリセリド、及びレシチンイソプロピルパルミテートから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、付記27~30のいずれか一項に記載の組成物。
(付記32)
皮膚浸透促進剤が、組成物の重量に基づいて、約1wt%~約98wt%の範囲の量で組成物中に存在する、付記27~31のいずれか一項に記載の組成物。
(付記33)
溶媒が、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコール、N-メチル-ピロリドン、及び鉱油から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、付記27~32のいずれか一項に記載の組成物。
(付記34)
溶媒が、組成物の重量に基づいて、約1wt%~約98wt%の範囲の量で組成物中に存在する、付記27~33のいずれか一項に記載の組成物。
(付記35)
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の処置又は予防的な処置を必要とする対象において、炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置する方法であって、
炎症性皮膚疾患又は皮膚病変を処置又は予防的に処置するのに十分な量の、付記17~34のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与すること
を含む、方法。
(付記36)
炎症性皮膚疾患が、乾癬、皮膚炎、赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)、及び紫外線(UV)紅斑のうちの少なくとも1つを含む、付記35に記載の方法。
(付記37)
前記の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の量を対象に投与することが、付記17~34のいずれか一項に定義される組成物を対象に投与することを含む、付記15に記載の使用のための1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)。
(付記38)
前記の1つ以上の酸素化コレステロール硫酸(OCS)の量を対象に投与することが、付記17~34のいずれか一項に定義される組成物を対象に投与することを含む、付記16に記載の使用。