IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴィント プルス ゾンネ ゲー・エム・ベー・ハーの特許一覧

特開2022-31801音響泳動により、ガスからエアロゾルと固形物粒子および繊維と、流体からの固形物粒子および繊維とを分離および/または清浄化するための方法および機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031801
(43)【公開日】2022-02-22
(54)【発明の名称】音響泳動により、ガスからエアロゾルと固形物粒子および繊維と、流体からの固形物粒子および繊維とを分離および/または清浄化するための方法および機器
(51)【国際特許分類】
   B01D 35/06 20060101AFI20220215BHJP
   B01D 45/02 20060101ALI20220215BHJP
   B01D 45/04 20060101ALI20220215BHJP
   B01D 51/00 20060101ALI20220215BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20220215BHJP
   H04R 1/40 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
B01D35/06 F
B01D45/02
B01D45/04
B01D51/00 A
B01J19/00 A
B01J19/00 B
H04R1/40 330
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021191784
(22)【出願日】2021-11-26
(62)【分割の表示】P 2018547927の分割
【原出願日】2017-03-05
(31)【優先権主張番号】102016002599.9
(32)【優先日】2016-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102016002600.6
(32)【優先日】2016-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518317155
【氏名又は名称】ヴィント プルス ゾンネ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Wind plus Sonne GmbH
【住所又は居所原語表記】Dakelsberg 16, 48599 Gronau, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】グレゴア ルーテ
(72)【発明者】
【氏名】ルートガー ガウスリング
(72)【発明者】
【氏名】ニールス テン テイエ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】音響泳動により、ガスからエアロゾルと固形物粒子および繊維とを分離および/または清浄化するための、凝集機器を用いた分離方法を提供する。
【解決手段】1)コンベヤベルト、液体圧、液柱および液体波動、輸送方向において変調された音波、遠心力、求心力、コリオリの力、重力、インジェクタ、ディフューザ、液体増幅器、ガス増幅器、ダクト付きタービン、三角翼濃縮機、環状ベンチュリ、マグヌス効果タービン、風力タービン、受動および強制対流、噴散および拡散からなる群から選択される流体を輸送方向において凝集機器内に受け入れかつ/または輸送するための輸送手段、2)エアロゾルに衝突する音響波を生成するための少なくとも1つの励振器、および3)凝結された液体および/または凝集された固形物を含有する第1の物質部分をエアロゾルから分離するための手段を含む凝集機器、を使用する分離方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスからエアロゾルと固形物粒子および繊維と、液状物質からの固形物粒子および繊維とを、少なくとも1つの凝集機器(1)における前記エアロゾルの成分ならびに/または前記固形物粒子および/もしくは固形物繊維の凝結、凝集、アグロメレーション、圧縮、切り離し、分離および/または濃度変化により、分離および/または精製するための方法において、
A)コンベヤベルト、前記液状物質の液体圧、液柱および液体波動、輸送方向において変調された音波、遠心力、求心力、コリオリの力、重力、インジェクタ、ベンチュリ、ディフューザ、液体増幅器、ガス増幅器、Dyson、ダクト付きタービン、三角翼濃縮機、環状ベンチュリ、マグヌス効果タービン、berwianまたはberlin風力タービン、受動および強制対流、噴散および拡散からなる群から選択される少なくとも1つのタイプのエアロゾル(2)および/または少なくとも1つのタイプの液状物質(2)は、少なくとも1つの凝集機器(1)内で少なくとも1つの輸送手段(8)によって少なくとも1つの輸送方向(4)に輸送され、
B)前記少なくとも1つのタイプのエアロゾル(2)および/または少なくとも1つのタイプの液状物質(2)は、その間に少なくとも1つの音響波(5)による作用を受け、それにより、前記エアロゾルならびに固形物粒子および繊維は、前記ガスから移動し、かつ/または前記固形物粒子および繊維は、前記液状物質から移動し、前記エアロゾルならびに/または固形物粒子および繊維(211)は、前記少なくとも1つの音波(5)の力により、少なくとも1つの音圧の節(51)または音圧の腹(52)に向かって移動し、および
C)少なくとも1つの第1の、凝結された液体および/または凝集された固体(211)を含有する物質部分(21)は、その後、前記少なくとも1種のエアロゾル(2)および/または前記少なくとも1種の液状物質(2)から分離されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記輸送手段(8)は、コンベヤベルト、インジェクタ、ベンチュリ、ディフューザ、液体増幅器、ガス増幅器、Dyson、ダクト付きタービン、三角翼濃縮機、環状ベンチュリおよびマグヌス効果タービンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記音波(5)は、異なる音波の位相を介して動的にデジタル式に制御され、それにより、前記少なくとも1つの凝集機器(1)における前記音圧の節(51)および前記音圧の腹(52)は、予め選択された箇所へ制御された方式で移動され得ることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記個々の音圧の節(51)および前記音圧の腹(52)の制御は、ブーリアン論理ゲートの組み合わせを使用して実施されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ガスからエアロゾルと固形物粒子および繊維と、液状物質からの固形物粒子および繊維とを、前記エアロゾルの成分ならびに/または前記固形物粒子および/もしくは固形物繊維の凝結、凝集、アグロメレーション、圧縮、切り離し、分離および/または濃度変化により、分離および/または精製するための凝集機器(1)であって、
I)コンベヤベルト、前記液状物質の液体圧、液柱および液体波動、輸送方向において変調された音波、遠心力、求心力、コリオリの力、重力、インジェクタ、ベンチュリ、ディフューザ、液体増幅器、ガス増幅器、Dyson、ダクト付きタービン、三角翼濃縮機、環状ベンチュリ、マグヌス効果タービン、berwianまたはberlin風力タービン、受動および強制対流、噴散および拡散からなる群から選択される少なくとも1つの輸送手段(8)であって、前記凝集機器(1)内で少なくとも1つの輸送方向(4)に少なくとも1つのタイプのエアロゾル(2)および/または少なくとも1つのタイプの液状物質(2)を受け入れかつ/または輸送するための少なくとも1つの輸送手段(8)、
II)前記少なくとも1つのタイプのエアロゾル(2)および/または前記少なくとも1つのタイプの液状物質(2)に適用するための少なくとも1つの音響波(5)を生成するための少なくとも1つの励振器(3)、および
III)前記少なくとも1つのタイプのエアロゾル(2)および/または前記少なくとも1つのタイプの液状物質(2)の物質部分(21)を含有する少なくとも第1の凝結された液体および/または凝集された固体(211)を分離するための少なくとも1つの手段(12)
を含む凝集機器(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの輸送手段(8)は、コンベヤベルト、インジェクタ、ベンチュリ、ディフューザ、液体増幅器、ガス増幅器、ダクト付きタービン、三角翼濃縮機、環状ベンチュリおよびマグヌス効果タービンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の凝集機器(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの輸送手段(8)は、少なくとも1つの容器(11)をさらに含むことを特徴とする、請求項5または6に記載の凝集機器(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの容器(11)、少なくとも1つのチューブ、少なくとも1つのタンクおよび/または少なくとも1つの容器は、少なくとも2つの相互に平行に配置されたシート状プレートを備え、前記プレートのそれぞれにおいて、少なくとも2つの励振器(3)および/または少なくとも1つの励振器(3)と反射器とは、互いに対向して配置されることを特徴とする、請求項7に記載の凝集機器(1)。
【請求項9】
前記少なくとも2つの対の相互に関連付けられた励振器(3)によって発せられた前記音波(5)は、ブーリアン論理ゲートの組み合わせにより、異なる音波の位相を介して動的にデジタル式に制御され得、それにより、前記少なくとも1つの凝集機器(1)における音圧の節(51)および音圧の腹(52)は、予め選択された箇所へ制御された方式で移動され得ることを特徴とする、請求項8に記載の凝集機器(1)。
【請求項10】
前記シート状プレートは、PCBプレートであることを特徴とする、請求項8または9に記載の凝集機器(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの密閉ガスサイクルに組み込まれ、かつ/または空間移行部に配置され、かつ/または熱回収と組み合わされ、かつ/またはエアフィルターの上流および/もしくは下流にあることを特徴とする、請求項5から10のいずれか一項に記載の凝集機器(1)。
【請求項12】
前記エアフィルターは、HEPAフィルターであることを特徴とする、請求項11に記載の凝集機器(1)。
【請求項13】
凝結された液体および/または凝集された固体(211)を含有する前記少なくとも1つの第1の物質部分(21)を照射するための少なくとも1つの放射器を含むことを特徴とする、請求項5から12のいずれか一項に記載の凝集機器(1)。
【請求項14】
液体廃棄物、消化物、動物廃棄物、堆肥、屠殺場廃棄物、スラリー、排泄物、台所廃棄物、生物系廃棄物、液体中の有機および/もしくは無機微粒子および繊維物質、バイオガスプラント廃棄物、表面コート剤、塗料残渣、下水汚泥および/もしくは排水、ならびに/または塗料、ニス、シーラントおよび/もしくは繊維物質を含有するエアロゾルを廃棄するための、微生物、特に細菌を破壊するための、自宅において、エアコンディショニングにおいて、人工呼吸器において、閉鎖された車両、特に自動車、トラック、バス、列車、船および航空機において、ならびに細胞培養物において空気を精製するための、請求項5から13のいずれか一項に記載の凝集機器(1)および/または請求項1から4のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項15】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法を実施するための、請求項5から13のいずれか一項に記載の少なくとも1つの凝集機器(1)を備える塗装機器(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状物質の固形物粒子および繊維を凝集させるための方法、液状物質の固形物粒子および繊維を凝集するための音響泳動の使用、ならびに液状物質の固形物粒子および繊維を凝集するための凝集機器および音響泳動による液状物質からのそれらの分離および/または精製に関する。
【0002】
さらに、本発明は、特にエアロゾルの成分の凝集、アグロメレーション、圧縮、切り離し(Auftrennung)、濃度変化および/または分離(Abscheidung)により、エアロゾルを分離および/または精製するための方法に関する。本発明は、方法を実施するための装置ならびにエアロゾルを分離および/または清浄化するための音響泳動の使用にさらに関する。
【背景技術】
【0003】
本出願に引用する文献は、参照により本明細書に援用される。
【0004】
農業では、堆肥の運搬および廃棄に起因するコストがかなり発生する。これを削減するために、堆肥の液状内容物は、現在、通常蒸発される。これにより、堆肥の重量が削減され、従って運搬コストおよび廃棄コストが削減される。その後、残りの固形分は燃焼され得る。あるいは、それは肥料としても使用され得る。
【0005】
しかしながら、液体画分の蒸発は、必要とされる高温(>80℃)に起因してかなりのコストの原因となる。さらに、アンモニア、硫化水素および他のガスがそれと共に蒸発して、環境へ流出する。アンモニアを環境へ蒸発させないようにするために、蒸発中、堆肥にバインダーが添加される。しかしながら、これは、室温においてのみ満足に行うことが可能である。
【0006】
あるいは、アンモニアは、堆肥中で硫酸などの強酸によって結合される。結果として生じるアンモニウム塩は、高価な方法で廃棄する必要がある。
【0007】
部分的には、アンモニアは、オゾンでも処理されて毒性の強いオキシムを生じる。また、オゾン処理中、反応されるアンモニアの量は非常に少ない。
【0008】
あるいは、液体画分から固形分を分離するために、スラリーが遠心分離される。しかしながら、堆肥中の固形物粒子は、液体と同じまたは同様の密度を有する。その結果、分離は不完全である。そのため、この処理において、残りの液体画分の蒸発または高速の遠心分離も必須である。
【0009】
結局、現在のところ、堆肥を廃棄するためのコスト効率の良い方法はない。特に、堆肥の固形分がコスト効率良く回収可能にされ得る方法はない。
【0010】
定常超音波を使用して液状物質から固形物粒子および繊維を分離するための音響法および音響装置は、そのようなものとして公知である。
【0011】
Kapishnikov et al.は、論文Journal of Statistical Mechanics:Theory and Experiment,IOP Publishing,2006の“Continuous particle size separation and size sorting using ultrasound in microchannel”において、マイクロチャンネル流における粒子および血球の連続的な分離および粒子選別について説明している。
【0012】
米国特許第4,759,775号明細書は、2つの超音波をビートさせることによる液体からの粒子の切り離しまたは分離を開示している。米国特許出願公開第2008/0181828A1号明細書は、特に生細胞の分離に役立つ超音波動作四分の一波長分離室(ultrasound-working quarter-wavelength wave separation chamber)を開示している。
【0013】
米国特許第7,674,620B2号明細書は、定常超音波によって液体中の粒子を分離するための方法および機器を開示している。そこでは、2つの異なる周波数間で定常超音波が交互に切り替えられる。これにより、異なる特性の粒子を互いに分離することができる。
【0014】
独国特許出願公表第696 28 389T2号明細書(欧州特許第0 773 055B1号明細書)から、超音波によって液体中の粒子を取り扱う機器が公知であり、そこでは、超音波ビームの波長は、流路内の懸濁液の流れに対して実質的に垂直となるように流路の壁面に設けられる吸込みラインの直径を上回る。
【0015】
米国特許第5,527,460号明細書は、同様に、分散液から粒子、特に生細胞を分離するための装置および方法を開示している。機器は、バイオリアクターに直接接続される。
【0016】
しかしながら、これらの公知の機器および方法は、商業的または工業的規模で実施するのに好適ではない。
【0017】
生産、例えば塗装業、製紙業およびテキスタイル産業では、異なる構造を有し得るエアロゾルが生産される。そのようなエアロゾルは、ガス中の粒子、繊維、微粒子、エマルジョンまたは液体から形成され得る。エアロゾルは、分画によって分離され、分離され、凝集され、アグロメレーションされ、かつ/もしくは圧縮される必要があり、および/またはそれらの構成成分の濃度は、それらの再使用可能な構成成分および/または廃棄構成成分を分離するために変更される必要がある。
【0018】
現在までのところ、これは、通常、フィルターまたはフィルタリングされ得るボルテクサなどのエアバブリング機器によって行われている。しかしながら、フィルターは、塵埃、繊維凝集体および/または付着物を形成して詰まるという欠点を有し、これは、従って汚染を生じる。さらに、フィルターの性能は決して同じではなく、代わりにフィルターの負荷のステータスおよびその特性に依存する。
【0019】
そのため、フィルターを定期的に交換する必要がある。それらの効果は一定ではない。そのため、それらで達成される清浄化は様々である。さらに、フィルターは、追加的な廃棄物とみなされる。
【0020】
また、エアロゾルを捉えるために水壁、空気供給、降下ウィンチ(fall winch)、厚紙および他の捕捉器具が使用される。しかしながら、これらは、追加的な廃棄物の生成、フィルターの遮断および/またはエネルギー的に好ましくない排気精製につながる。さらに、それらは、非常に高価でありかつ労働集約的である。さらに、それらの使用は、塗装ラインなどのプラントの連続的な動作を阻止する。
【0021】
有機物質の燃焼および熱分解などの可燃性ガスの生産は、粒子、水、ピッチ、油および/またはワックスを生じ、これらは、これらが環境に入ることを防止するためにフィルタリングされる必要がある。結果として得られるガスを清浄化するためにカーボンフィルターおよび乾燥ラインが使用される。
【0022】
結局、現在のところ、環境に優しく、場合により既存のエアロゾル成分のリサイクルおよび一定品質の清浄化をもたらす、エアロゾルを清浄化および分離するためのコスト効率の良い方法はない。
【0023】
定常超音波により、ガスからエアロゾルと固形物粒子および繊維とを分離および/または精製するための音響法および音響機器は、そのようなものとして知られている。
【0024】
米国特許出願公開第2015/0265961A1号明細書から、超音波によってエアロゾルをアグロメレーションおよび分離するための機器が公知であり、そこでは、超音波源を冷却するための機器が提供されている。
【0025】
独国特許出願公表第697 05 226T2号明細書(欧州特許第0 923 410B1号明細書)は、国際公開第92/09354号パンフレットと関連して、ガスストリーム中の粒子をアグロメレーションする方法および機器を開示している。ガスストリームは、音響アグロメレーション室を通して流れ、その室の排出口において流れの一部分を選択的に引き出し、より大きい粒子を優先しかつそれを室の吸入口に戻るように送り込む。機器は、公知のフィルターの入口に設置され、これは特に大きい粒子を保持し得る。
【0026】
独国特許出願公開第195 13 603A1号明細書から、既存の超音波を使用して液体から固形物粒子および/または液滴を分離するための方法および装置も公知である。公知の分離器により、集められた固形物粒子および/または液滴が液体から分離される。
【0027】
独国特許出願公開第10 2009 036 948A1号明細書は、SCR触媒により、塵埃含有排ガス中の窒素酸化物を減少させるための方法およびシステムを開示しており、そこでは、装置の前に、超音波によって塵埃を分離する機器がある。
【0028】
しかしながら、これらの公知の機器および方法は、商業的または工業的規模で実施するのに好適ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明の目的は、液体廃棄物、発酵残渣、動物廃棄物、特に堆肥、屠殺場廃棄物、スラリー、排泄物、台所廃棄物、生物系廃棄物、液体中の有機および/または無機微粒子および繊維物質、バイオガスプラント廃棄物、表面コート剤、塗料残渣、下水汚泥および/または排水などの液状物質が、持続的でコスト効率が良くかつ環境に優しい方法で廃棄され得る方法および装置であって、固形分がリサイクル可能である、方法および装置を提供することである。さらに、方法および機器のフィルター、特にHEPAフィルターは上流に設けられ得、それにより、フィルターは、詰まることがないかまたは詰まりの程度が非常に限定的であり、それらの寿命が著しく長くされ得る。プロセスは、対応する寸法にされた機器を用いて技術的および工業的規模で実施され得る。
【0030】
さらに、本発明の目的は、上述の欠点を回避し、および環境に優しく、質的に一貫して良好でありかつ安価な方法でエアロゾルのその成分への切り離し、分離および/または清浄化を可能にする方法および機器を提供することである。さらに、方法および機器フィルター、特にHEPAフィルターは、上流に設けられ得、それにより、フィルターは、詰まることがないかまたは詰まりの程度が非常に限定的であり、それらの寿命が著しく長くされ得る。この方法は、適切なサイズにされた機器を用いて技術的および工業的規模でも実施され得る。
【0031】
最後に重要な点として、方法および機器は、高エネルギー超音波により、微生物、特に細菌細胞の破壊を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
目的は、本発明に従って独立請求項1に記載の方法、独立請求項5に記載の機器、独立請求項14に記載の使用および請求項15に記載の塗装機器によって達成された。好都合な実施形態は、従属請求項から得ることができる。
【0033】
ガスからエアロゾルと固形物粒子および繊維と、液状物質からの固形物粒子および繊維とを、少なくとも1つの凝集機器におけるエアロゾルの成分ならびに/または固形物粒子および/もしくは固形物繊維の凝結、凝集、アグロメレーション、圧縮、切り離し、分離および/または濃度変化により、分離および/または精製するための発明的な方法によれば、
A)コンベヤベルト、液状物質の液体圧、液柱および液体波動、輸送方向において変調された音波、遠心力、求心力、コリオリの力、重力、インジェクタ、ベンチュリ、ディフューザ、液体増幅器、ガス増幅器、Dyson、ダクト付きタービン、三角翼濃縮機(delta wing concentrator)、環状ベンチュリ、マグヌス効果タービン、berwianまたはberlin風力タービン、受動および強制対流、噴散および拡散からなる群から選択される少なくとも1つのタイプのエアロゾルおよび/または少なくとも1つのタイプの液状物質は、少なくとも1つの凝集機器内で少なくとも1つの輸送手段によって少なくとも1つの輸送方向に輸送され、
B)少なくとも1つのタイプのエアロゾルおよび/または少なくとも1つのタイプの液状物質は、その間に少なくとも1つの音響波による作用を受け、それにより、少なくとも1つの音波の力により、少なくとも1つの音圧の節または少なくとも1つの音圧の腹に向かって、エアロゾルならびに固形物粒子および繊維は、ガスから移動し、かつ/または固形物粒子および繊維は、液状物質から移動し、および
C)少なくとも1つの第1の、凝結された液体および/または凝集された固体を含有する物質部分は、その後、少なくとも1種のエアロゾルおよび/または少なくとも1種の液状物質から分離される。
【0034】
本発明による液状物質は、有機および/または無機液状物質、特に分散液または懸濁液である。
【0035】
そのような液状物質は、例えば、液体廃棄物、バイオガスプラント廃棄物、表面コート剤、塗料残渣、テキスタイル産業もしくは製紙業からの汚泥、発酵残渣、動物廃棄物、堆肥、屠殺場廃棄物、スラリー、排泄物、糞便汚水、サイレージ、グレインポスト廃棄物(grain post waste)、生ごみまたは排水である。液状物質は、異なるサイズおよび/または密度の固形物粒子および繊維を含有し得る。固形物粒子および繊維のサイズは、ナノメートル、ミクロン、ミリメートル、センチメートルおよび/またはデシメートル単位であり得る。液状物質は、わずかに液状であるか、低いペースト状であるか、または高い粘性を有し得る。
【0036】
音波を液状物質に適用すると、音波は、液状物質に入る。液状物質は、固有振動される。液状物質に少なくとも1つの音響波を適用することにより、固形物粒子および繊維が音圧の節または音圧の腹に向かって移動される。その結果、固形物粒子および繊維は、音圧の節の周りまたは音圧の腹の周りの空間に蓄積する。この場合、固形物粒子および繊維は、例えば、それらのサイズ、それらの気密度、それらの慣性モーメントおよび/またはそれらの圧縮性に依存して音圧の節または腹へ移動する。
【0037】
好ましくは、液状物質は、互いに空間的に離間される複数の音響波による作用を受ける。その結果、空間領域は、音圧の節または音圧の腹を接続する線の周りにほぼ同心状に延在する。好ましい実施形態では、液状物質は、輸送方向に輸送される間に音響波による作用を受ける。この実施形態では、固形物粒子および繊維は、輸送方向に輸送されている間に空き領域に蓄積される。
【0038】
音波は、好ましくは、定常波として形成される。特に好ましくは、定常超音波が使用される。
【0039】
音波は、好ましくは、輸送方向に対して>0°の角度で伝搬する。好ましい実施形態では、角度は直角である。結果として、定常波を生成するために設けられた対応する励振器は、互いに対向して配置され得る。そのため、音圧の節または腹を接続する線は、輸送方向に延在する。
【0040】
しかしながら、原理上、伝搬方向は、輸送方向に対して異なる角度でも配置され得、励振器も互いにある角度で配置される。
【0041】
ある種の固形物粒子および繊維を他の固形物粒子および繊維から分離するために、方法は、異なる周波数、波形および/または振幅を有する音波を液状物質に適用することも提供し得る。また、この実施形態では、音波は、好ましくは、互いに空間的に離間されている。原理上、音波の波形は、任意のもの、例えば正弦曲線、鋸歯状、方形または三角形であり得る。
【0042】
本発明によれば、少なくとも1つの凝集機器における音圧の節および音圧の腹が予め選択された箇所へ制御された方式で移動され得るように、異なる音波の位相を介して音波を動的にデジタル式に制御することが好ましい。好ましくは、個々の音圧の節および音圧の腹の制御は、ブーリアン論理ゲートの組み合わせを使用して実施される。
【0043】
ある種の固形物粒子および繊維を他の固形物粒子および繊維から分離するために、複数の音圧の節および腹を有する高調波の音波を使用することも好ましい。その結果、様々な固形物粒子および繊維は、様々な音圧の節および音圧の腹に凝集される。様々な固形物粒子および繊維は、互いに分離される。
【0044】
異なる固形物粒子および繊維のそのような部分的な流れは、さらに好ましくは、より小さい音圧の節および音圧の腹を有する高調波の音波、またはより少ない音圧の節および腹を有する異なる周波数、波形および/または振幅の音波を受けることによって集中される。その結果、部分的な流れがまとめられる。
【0045】
さらに、周波数および/またはボリュームがヒトおよび動物の聴取範囲外である音波を使用することが好ましい。加えてまたは代わりに、この目的のために、防音手段、特に雑音低減または雑音抑制拡声器(アクティブノイズキャンセル、パッシブノイズキャンセルまたは雑音抑圧)を使用することが好ましい。
【0046】
音波の腹では、固形物粒子および繊維に作用する音圧が大きい。その結果、固形物粒子および繊維が押しのけられる。一方、それにより、固形物粒子および繊維は、空間領域に集まり、従って空間領域内の液状物質を乾燥して凝固させる。さらに、空き領域の周りに液体膜が形成され、それに起因して、液状物質は、ペースト状の稠度の場合でも、管径が比較的小さい容器によって運搬可能である。
【0047】
液状物質の輸送をさらに改善するために、液状物質はまた、好ましくは液状物質を完全に取り囲む音波での衝撃前に輸送流体(シート層)に導入され得る。送給流体は、層流または乱流の境界層を形成する。その結果、容器内壁への液状物質の付着が回避され得、および/または容器における液状物質の輸送速度が増加され得る。送給流体は、相分離線も形成し、それにより液状物質が相分離する能力を高め得る。その結果、液状物質の予備分離が達成されると同時に、液状物質からの固形物粒子および繊維の分離が改善され、および/または分離室が形成される。
【0048】
固形物粒子および繊維を価値ある物質、例えば肥料として使用可能にするために、領域に集められて凝集された固形物粒子および繊維を含有する物質の第1の部分は、それに続いて液状物質から分離される。好ましくは、第1の物質部分は、液状物質から空間的に分離される。そのような分離は、アンモニア、硫化水素または他のガスの蒸発がなくても可能である。
【0049】
プロセスは、好ましくは、第1の物質部分が、定義された限界よりも少ない液体を含有するまで繰り返される。
【0050】
そのため、液状物質への音波の適用は、固形物粒子および繊維を凝集可能にするだけでなく、そのような音波により、液状物質からの、ある種の固形物粒子および繊維または液状物質に含有される他の固形物粒子および繊維の標的とする分離を可能にする。さらに、液状物質への音波の適用は、輸送方向での液状物質の輸送を可能にする。プロセスは、物質の流れの固形分を用いることを可能にするだけではない。紙、テキスタイルまたは他の繊維の乾燥および/または凝固も可能にする。
【0051】
目的は、液状物質の固形物粒子および繊維を凝集するための音響泳動の使用によってさらに達成される。音響泳動を使用することにより、液状物質に存在する固形物粒子および繊維が用いられ得る。これは、液状物質を蒸発させず、第1の物質部分を蒸発させず、かつバインダーを添加せずに安価な方法で可能である。
【0052】
目的は、ガスからエアロゾルと固形物粒子および繊維と、液状物質からの固形物粒子および繊維を、エアロゾルの成分ならびに/または固形物粒子および/もしくは固形物繊維の凝結、凝集、アグロメレーション、圧縮、切り離し、分離および/または濃度変化により、分離および/または精製するための凝集機器であって、
I)コンベヤベルト、液状物質の液体圧、液柱および液体波動、輸送方向において変調された音波、遠心力、求心力、コリオリの力、重力、インジェクタ、ベンチュリ、ディフューザ、液体増幅器、ガス増幅器、Dyson、ダクト付きタービン、三角翼濃縮機、環状ベンチュリ、マグヌス効果タービン、berwianまたはberlin風力タービン、受動および強制対流、噴散および拡散、特にインジェクタ、ベンチュリ、ディフューザ、液体増幅器、ガス増幅器、Dyson、ダクト付きタービン、三角翼濃縮機、環状ベンチュリおよびマグヌス効果タービンからなる群から選択される少なくとも1つの輸送手段であって、凝集機器内で少なくとも1つの輸送方向に少なくとも1つのタイプのエアロゾルおよび/または少なくとも1つのタイプの液状物質を受け入れかつ/または輸送するための少なくとも1つの輸送手段、
II)少なくとも1つのタイプのエアロゾルに適用するための少なくとも1つの音響波を生成するための少なくとも1つの励振器、および
III)少なくとも1つのタイプのエアロゾルおよび/または少なくとも1つのタイプの液状物質の物質部分を含有する少なくとも第1の凝結された液体および/または凝集された固体を分離するための少なくとも1つの手段
を含む凝集機器によってさらに達成される。
【0053】
音波の力により、液状物質に含有される固形物粒子および繊維は、少なくとも部分的に音波の音圧の節または音圧の腹へ移動される。その結果、それらは、音圧の節または腹の周りの空間に集まる。
【0054】
好ましくは、液状物質を受け入れかつ/または輸送する手段の延在方向において、音響波を生成するための、複数の相互に離間された、特に空間的にオフセットされた励振器が設けられる。その結果、空間領域は、音圧の節または音圧の腹を接続する線の周りに同心状に延在する。この手段によって生成された音響波は、線が延在方向に延在するように延在方向に対して横断する方向に伝搬することが好ましい。
【0055】
音波は、好ましくは、定常超音波である。この目的のために、凝集機器は、さらに一層好ましくは、音波を生成するために、それぞれ2つの相互に対応して形成された励振器を有する。相互に対応する手段は、好ましくは、2つの圧電素子、スピーカーもしくは圧電素子および/または反射器である。
【0056】
好ましくは、スピーカーは、音波を生成するための励振器として使用され、圧電素子によって音波を生成する。しかしながら、液浸コイル、静磁(リボンツイータ、箔ツイータ、ジェットツイータ)拡声器、静電拡声器、ホーンドライバー、フレキシュラルウェーブトランスデューサ(flexural wave transducers)、プラズマ拡声器、電磁拡声器、励振器または超音波トランスデューサも使用され得る。
【0057】
異なる組成のいくつかの物質部分を異なる空間領域に集めるために、異なる周波数、振幅および/または波形を有する音波の使用が好ましい。
【0058】
さらに好ましくは、1つまたは複数の空間領域は、例えば、音波の振幅を変更することにより、かつ/または音波を生成するための励振器の配置構成を変更することにより、選択的に特定の方向に向けられる。
【0059】
凝集された固形物粒子および繊維を含有する液状物質の第1の物質部分を分離する手段は、好ましくは、第1の物質部分のための少なくとも1つの第1の排出口または液状物質のための少なくとも1つの排出口を含む。しかしながら、それは、それぞれの他の物質部分のための第2のシーケンスも有し得る。さらに、異なる組成のいくつかの物質部分が異なる空間領域に集められる場合、それは、さらなるプロセスを有し得る。
【0060】
液状物質を受け入れかつ/または輸送するための手段は、好ましくは、容器、特にチューブおよび/またはタンクを含む。容器は、金属、プラスチックまたは複合材で作製され得る。原理上、それは任意の形状を有し得る。容器では、液体は、好ましくは、輸送方向に輸送される。
【0061】
好ましい実施形態では、容器は、少なくとも2つの相互に平行に配置されたシート状プレート(flaechenfoermigen Platten)を含み、そのプレートのそれぞれにおいて、少なくとも2つの励振器またはそれぞれ励振器および反射器が互いに対向して配置される。好ましくは、シート状プレートは、PCBプレートである。
【0062】
少なくとも2つの対の関連付けられた励振器によって発せられた音波は、ブーリアン論理ゲートの組み合わせを使用して、異なる音波の位相を介して動的にデジタル式に制御可能であり、それにより、少なくとも1つの凝集器における音圧の節および音圧の腹は、予め選択された箇所へ制御して移動可能である。
【0063】
代わりにまたは加えて、このために液状物質を受け入れかつ/または輸送するための手段は、好ましくは、輸送手段を含む。輸送手段は、好ましくは、液体増幅器、Dysonまたはコンベヤベルトである。この実施形態では、延在方向は、好ましくは、輸送方向である。液状物質を輸送するための輸送手段に加えてまたはその代わりに、液状物質の液体圧、液柱または液体波動、遠心力、求心力、コリオリの力、重力、インジェクタ、ベンチュリ、ディフューザ、液体増幅器、Dyson、ダクト付きタービン、三角翼濃縮機、環状ベンチュリおよびマグヌス効果タービンが使用され得る。
【0064】
さらに好ましい実施形態では、励振器によって生成された音波は、液状物質を輸送するための輸送手段として使用される。そのような目的のために、輸送方向における音波が連続的に変調され、それにより、液状物質、特に固形物粒子および繊維が輸送方向に輸送される。さらに好ましくは、伝搬方向が輸送方向である輸送音響波が使用される。
【0065】
液状物質を導入するために、吸入口は、好ましくは、輸送方向において凝集機器の前端に設けられる。これは、特に好ましくは、容器内に配置される。しかしながら、液状物質からの第1の物質部分の分離手段は、好ましくは、輸送方向において吸入口の後ろ側、好ましくは凝集機器の後端に配置される。
【0066】
特に好ましい実施形態では、液状物質を受け入れかつ/または輸送するための手段は、コンベヤベルトとして設計される。この実施形態では、容器、特にタンクがさらに提供され得る。そのため、コンベヤベルトは、同時に第1の物質部分の分離手段を形成する。液状物質がどの程度液体であるかに依存して、コンベヤベルトが液状物質に浸漬されることが好ましい。その後、液状物質は、コンベヤベルトの輸送方向において、前側の浸漬された端部で取り上げられる。輸送方向における後端では、第1の物質部分が分離される。この実施形態では、音波を生成するための励振器は、コンベヤベルトの延在方向に配置される。そのような目的のために、それらは、好ましくは、コンベヤベルト上もしくはその内部またはコンベヤベルトの近くに位置決めされる。
【0067】
音波を生成するための励振器は、凝集機器の延在方向、特に好ましくは容器、第1の物質部分の分離手段および/または輸送手段の延在方向に配置されることも好ましい。
【0068】
下記では、本発明による凝集機器および本発明による方法をエアロゾルに関連して説明する。
【0069】
本発明によるエアロゾルの精製は、エアロゾルの凝集、アグロメレーション、圧縮、分離、濃度の変化および/または分離を包含する。エアロゾルは、ガスならびにガスに分散された液体および/またはガスに分散された固体を含む。液体は、純粋液体、液体の混合物、分散液および/またはエマルジョンであり得る。液体は、さらに、水、タール、ピッチ、有機溶媒、無機溶媒ならびに/またはそれらの混合物およびエマルジョンであり得る。固体は、粒子、有機および/もしくは無機組成物の粒子および繊維、または細菌、ウィルスならびにバイオフィルムであり得る。固体は、残液をさらに含有し得る。本発明での意味では、エアロゾルは、例えば、塗料、ラッカーおよびシーラントを備える表面コーティングにおいて、紙および/またはテキスタイルの生産において、およびそれらのさらなる処理において生じる。ガスは、空気、窒素および/または他のガスであり得る。
【0070】
下記では、エアロゾルの固体成分および/または液体成分は、特に清浄化プロセス(分離、凝集、濃縮およびアグロメレーションの段階)中および/またはその後、第1の物質部分と呼ばれる。下記で称される第2の物質部分は、第1の物質部分から精製されたエアロゾルである。下記では、従って、用語第2の物質部分およびエアロゾルは同義的に使用される。
【0071】
エアロゾルは、液体、特に液滴、ならびに/または固体、特に異なる形状、サイズおよびもしくは密度の粒子および/もしくは繊維を含有する。サイズは、ナノメートル、マイクロメートル、ミリメートル、センチメートルおよび/またはデシメートルであり得、分散は、均質および不均質であり得る。エアロゾルの液体および/または固形物は、異なる粘度および/または密度を有し得る。
【0072】
エアロゾルへの少なくとも1つの音響波の適用は、運動力を引き起こし、それにより、液体および/または固体は、音圧の節または音圧の腹に向かって移動される。その結果、エアロゾルの液体成分および/または固体成分は、音圧の節または腹の周りの空間に集まる。その際、液体および/または固体は、例えば、それらのサイズ、それらの密度、それらの慣性モーメントおよび/またはそれらの圧縮性に依存して音圧の節または音圧の腹に向かって移動する。
【0073】
好ましくは、エアロゾルは、複数の音響波の作用を受け、これら音波は、互いに空間的に離間されている。その結果、空き領域は、音圧の節または音圧の腹を接続する線の周りにほぼ同心状に延在する。好ましい実施形態では、エアロゾルは、輸送方向に輸送される間に音響波による作用を受ける。この実施形態では、液体および/または固体は、輸送方向に輸送されている間に空き領域に集められる。
【0074】
音波は、好ましくは、輸送方向に対して0°超の角度で伝搬する。特に好ましくは、角度は直角である。その結果、音圧の節または腹を接続する線は、輸送方向に延在する。
【0075】
音波は、好ましくは、定常波として形成される。特に好ましくは、定常超音波が使用される。
【0076】
エアロゾルのある種の液体および/または固体を他の液体および/またはエアロゾル固体から分離するために、方法は、異なる周波数、波形および/または振幅の音波でエアロゾルに衝撃を与えることをさらに提供し得る。また、この実施形態では、音波は、好ましくは、互いに空間的に離間されている。原理上、音波の波形は、任意のもの、例えば正弦曲線、方形または三角形であり得る。
【0077】
エアロゾルのある種の液体および/または固体を他の液体および/またはエアロゾル固体から分離するために、複数の音圧の節および腹を有する高調波の音波を使用することも好ましい。その結果、様々な液体および/または固体は、それらの密度および/または慣性に依存して、様々な音圧の節および音圧の腹において凝集され、集められ、圧縮され、アグロメレーションされ、かつ/または組み合わされる。そのため、エアロゾルに含有される液体および/または固体はまた、互いに分離され得る。
【0078】
異なる液体および/または固体のそのような部分的な流れは、さらに好ましくは、より少数の音圧の節および腹を有する異なる周波数、波形および/または振幅の音波を適用することによって集中される。その結果、部分的な流れがまとめられる。
【0079】
さらに、周波数および/またはボリュームがヒトおよび動物の聴取範囲外である音波を使用することが好ましい。加えてまたは代わりに、この目的のために、防音手段、特にアクティブノイズキャンセルを使用することが好ましい。
【0080】
音波の音圧の腹では、液体および/または固体に作用する音圧が大きい。しかしながら、音圧の節では、液体および/または固体に作用する音圧が小さい。その結果、液体および/または固体が音圧の節へ追い込まれる。一方では、従って、それらは、空間領域において統合、乾燥および凝固される。他方では、ガス膜が空き領域の周りに形成され、その結果、エアロゾルは、比較的小さい管径で運搬され得る。
【0081】
エアロゾルの送給をさらに改善するために、エアロゾルはまた、音波に曝される前に送給流体、特にガス、粒子ストリームおよび/または繊維状ストリーム(シート状層)に導入され得る。好ましくは、送給流体は、エアロゾルおよび/または第1の物質部分を完全に取り囲む。その結果、容器内壁へのエアロゾルの付着が回避され得、および容器内でのエアロゾルの最高速度が増加され得る。送給流体は、エアロゾルの反応性が高められる相分離線も形成する。その結果、エアロゾルの予備分離が達成されると同時に、液体および/または固体の分離が改善され、および/または細菌の分離が生じる。
【0082】
プロセスは、好ましくは、第2の物質部分が、定義された限界値よりも少ない第1の物質部分を含有するまで繰り返される。
【0083】
そのため、エアロゾルへの音波の適用は、液体および/または固体を凝集させるだけではない。しかし、そのような音波により、エアロゾルまたは他のエアロゾル含有液体および/もしくは固体からのある種の液体および/もしくは固体の標的とする分離が可能となる。さらに、エアロゾルへの音波の適用は、輸送方向におけるエアロゾルの輸送を可能にする。
【0084】
エアロゾルは、好ましくは、表面コーティング材である。音響泳動を使用することにより、エアロゾル中に存在する液体および/または固体は、回収されてリサイクルされ得る。これは、特に塗料、ラッカー、シーラントおよび/または繊維状物質、例えばテキスタイル、紙ならびに/またはそれらの成分および/もしくは構成成分、特に添加剤、フィラー、溶媒、バインダー、硬化剤および/または顔料を含有するエアロゾルに適用される。
【0085】
本発明によるエアロゾル法は、本発明による上述の凝集機器によって実施され得る。
【0086】
音波の力により、エアロゾルを含有する液体および/または固体は、少なくとも部分的に音波の音圧の節または音圧の腹に向かって移動される。その結果、それらは、音圧の節または腹の周りの空間に集まる。
【0087】
好ましくは、音響波を生成するための、複数の相互に離間された、特に空間的にオフセットされた励振器は、輸送方向に設けられる。その結果、空間領域は、音圧の節または腹を接続する線の周りに同心状に延在する。その手段によって生成される音響波は、輸送方向に対して横断する方向に伝搬することが好ましい。この実施形態では、線は、輸送方向に延在する。
【0088】
音波は、好ましくは、定常超音波である。この目的のために、凝集機器は、さらに一層好ましくは、音波を生成するための少なくとも2つの互いに対応する励振器を有する。相互に対応する手段は、好ましくは、2つの圧電素子、もしくは拡声器、もしくは圧電素子および/または反射器である。
【0089】
好ましくは、音波を生成する励振器として使用されるのは、圧電素子によって音波を生成するスピーカーである。しかしながら、液浸コイル、静磁拡声器、ホーンドライバー、フレキシュラルウェーブトランスデューサ、プラズマ拡声器、電磁拡声器、励振器または超音波トランスデューサも使用され得る。
【0090】
異なる組成の数種の液体および/または固体を空間の異なる領域に集めるために、異なる周波数、振幅および/または波形の音波を使用することがさらに好ましい。
【0091】
例えば、音波の振幅を変更することにより、かつ/または音波を生成するための励振器の配置構成を変更することにより、1つまたは複数の空間領域が特定の方向に向けられることが同様に好ましい。
【0092】
好ましい実施形態では、音波は、ブーリアン論理ゲートの組み合わせを使用して、異なる音波の位相を介して動的にデジタル式に制御され、それにより、凝集器における音圧の節および腹は、予め選択された箇所へと制御され得る。
【0093】
エアロゾルを受け入れかつ/または輸送するための手段は、上述の輸送手段であり得る。同様に、上述の容器が考慮される。容器は、金属、プラスチックおよび/または複合材で構成され得る。原理上、容器は任意の形状を有し得る。
【0094】
容器内のエアロゾルの乱流条件に加えて、層流エアロゾルストリームが好ましく、これは、層流境界層を形成しかつ分離および凝集を促す。
【0095】
さらに好ましい実施形態では、音波は、エアロゾルを輸送するための輸送手段として使用される。この目的のために、輸送方向の音波が連続的に変調され、それにより、エアロゾル、特に液体および/または固体が輸送方向に輸送される。さらに好ましくは、伝搬方向が輸送方向である輸送音響波が使用される。
【0096】
エアロゾルを導入するために、吸入口は、好ましくは、輸送方向において凝集機器の前端に設けられる。これは、特に好ましくは、上述の容器に配置される。対照的に、エアロゾルから第1の物質部分を分離するための手段は、好ましくは、輸送方向において吸入口の後ろ側、好ましくは凝集機器の後端に配置される。
【0097】
音波を生成するための励振器は、凝集機器の延在方向、特に好ましくはエアロゾルを受け入れかつ/または輸送するための手段、特に容器、および/または輸送手段、および/または第2の物質部分の第1の物質部分を分離するための手段の延在方向に配置されることも好ましい。
【0098】
特に好ましい実施形態では、凝集機器は、動的に可動であり、それにより、例えば塗装ラインにあるスプレーヘッドに追従し得る。
【0099】
さらに好ましい実施形態では、凝集機器は、エアロゾルを受け入れかつ/または輸送するための複数の容器を含む。複数の容器は、好ましくは、一方が他方の内部に配置されかつ/または互いに入れ子にされる。それらは、好ましくは、同じまたは異なる直径の異なるチューブから形成される。好ましくは、複数のチューブは、チューブによって取り囲まれる。この実施形態では、励振器は、好ましくは、複数のチューブ上に配置される。この実施形態は、複数のチューブ内に層流があるという利点を有する。
【0100】
さらに好ましい実施形態では、上述のプレート、特にPCBプレートを含む構成が使用される。
【0101】
さらに別の好ましい実施形態では、凝集機器は、閉鎖ガス流、例えば室内、例えば家屋、エアコンディショナ、人工呼吸器、閉鎖された車両、特に自動車、トラック、バス、列車、船および飛行機内の循環空気中に埋め込まれる。
【0102】
さらに別の好ましい実施形態では、凝集機器は、例えば、内部から外部への空間移行部に組み込まれる。ここで、熱回収との組み合わせが好都合である。
【0103】
特に好ましい実施形態では、凝集機器は、放射器、特にUV、IRもしくはマイクロ波放射器および/または放射器の後ろ側にかつ放射器に対向して配置された反射器を有し、放射器は、第1の物質部分を光化学的に励振しかつ/または加熱するためのものである。これは、エアロゾルの液体から、より大きく、より靭性があり、かつ/または収集がより簡単な粒子が形成されるという利点を有する。その結果、エアロゾルの硬化が加速され得る。さらに、アグロメレーションは、化学的に引き起こされかつ温度によって加速される。さらに、細菌、バイオフィルムおよび/またはウィルスは、放射器の放射によって殺される。放射器は、壁内、壁上、容器の内側または外側に装着される。エアロゾルの放射によってそれらを可能にするために、容器は、任意選択的に、放射器のための窓を有する。放射器を振動がないように締結することが好ましい。
【0104】
さらに特に好ましい実施形態では、エアロゾルから分離された第1の物質部分を収集するための凝集機器は、特に再生可能であり、構造化されており、滑らかなまたは粗い、殺菌性および/吸収剤として形成される表面を提供する。物質の第1の部分は、好ましくは、表面に伝えられる。後者は、超疎水性であり、超親水性であり、親水性であり、疎水性であり、かつ/または静電的に帯電されるかもしくは接地され得る。それは、可動であり、かつ/または送給流体、好ましくは水があふれ出ることがある。表面は、物質の第1の部分に結合しかつ/またはそれを除去して、エアロゾル内へ戻るように移行することまたは他の汚染物質を生成することを防止することが好ましい。
【0105】
そのような表面は、好ましくは、第1の物質部分または水分膜を分離するための分離器を備えるコンベヤベルトで形成され、第1の物質部分とまとめられた分離された物質部分または水分膜は、物質容器またはドレーンに放出され得る。
【0106】
さらに好ましい実施形態では、そのような表面は、特に再生可能なおよび/または未乾燥の塗膜、繊維および/またはテキスタイル膜で形成され、これは、例えば、紙、厚紙またはプラスチック膜で構成される。この形態では、繊維、および/またはテキスタイル膜、および/または膜は、廃棄可能である。
【0107】
応用に応じて、さらに、凝集機器は、冷却するための機器または加熱するための機器を含むことが好ましい。
【0108】
特に、本発明による凝集機器は、塗装機器、特に塗装ラインを装備することが好適である。凝集機器により、塗装ライン内で生じたエアロゾルは、精巧なフィルターがなくても分離されて廃棄され得る。
【0109】
概して、本発明による凝集機器は、既述したように、フィルター、特にHEPAフィルターの前に接続されるのに非常に好適である。
【0110】
そのため、本発明による凝集機器および本発明による方法は、液体廃棄物、消化物、動物廃棄物、液体堆肥、屠殺場廃棄物、スラリー、排泄物、台所廃棄物、生物系廃棄物、液体中の有機および/もしくは無機粒子および繊維物質、バイオガスプラント廃棄物、表面コート剤、塗料残渣、下水汚泥および/もしくは排水、ならびに/または塗料、ニス、シーラントおよび/もしくは繊維物質を含有するエアロゾルの廃棄のために、微生物、特に細菌を破壊するために、自宅において、エアコンディショニングにおいて、人工呼吸器において、閉鎖された車両、特に自動車、トラック、バス、列車、船および航空機において、ならびに細胞培養物において空気を精製するために優れている。さらに、回収された固体は、リサイクル可能である。
【0111】
本発明は、実施形態に関する図面を参照して説明され、本発明のさらなる利点が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
図1】(a)に凝集機器の第1の実施形態を、(b)に(a)の凝集機器のAA断面図を、(c)に凝集機器のさらなる実施形態の断面図を、かつ(d)および(e)にそれぞれ(a)の凝集機器のさらなる断面図を示す。
図2】(a)および(b)にそれぞれ凝集機器のさらなる実施形態の詳細を示す。
図3】凝集機器のさらなる実施形態を示す。
図4】凝集機器のさらなる実施形態を示す。
図5】(a)~(d)に、音波を生成する手段の、凝集機器の容器壁への取り付けをそれぞれ示す。
図6】凝集機器のさらなる実施形態を示す。
図7】塗装作業部を通る断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0113】
図1~7では、参照符号は、以下の意味を有する。
1 凝集機器
10 塗装ライン
101 前端
102 後端
11 液状物質またはエアロゾル、チューブ、タンクの受け入れ部の図
110 容器内部
111 タンク吸入口
112 容器放出部
113 表面
114 掌状部
115 壁
116 充填管
117 地面
118 保持プレート
119 凹部
12 分離手段
121 ブランチ吸入口
122 ブランチ排出口
13 受け口
14 液体および/または固体のための収集容器
15 スポットおよび反射器(UV、IR、マイクロ波)
16 加工物
17 ロボット、スプレーアーム、塗装部
181 床用格子
182 シーリングディフューザ
19 コンベヤベルト、組立ライン
2 液状物質、エアロゾル
21 凝集された液体および/または固体を含有する第1の物質部分
211 液体および/または固体
22 第2の物質部分
23 潤滑膜
24 輸送流体、シート層
3 音波を生成するための励振器
31、32 定常波を生じるための第1および第2の励振器
4 液状物質2またはエアロゾル2の輸送方向
5 音響波、定常波
51 音圧の節
52 音圧の腹
53 隅
54 伝搬方向
7 アクスル、タンク中心
71、72、73 第1、第2および第3の空間方向
74 周方向
77 線
8 輸送器、Dyson、コンベヤベルト
81 コンベヤベルト表面
82 傾斜
83 輸送側
84 上部循環
85 下部循環
9 戻りパン
91 締結具、スクリュー、リベット
92 ナット
a 距離
d1 送給室の直径
H 高さ
【0114】
液状物質2での凝集機器1および方法
図1aは、凝集機器1の第1の実施形態を示す。凝集機器1は、液状物質2(図1(d)、(e)を参照されたい)を受け入れかつ輸送するための容器11を含む。容器11は、延在方向71に延在する。容器11は、丸い横断面を有し、および軸に対して同心状に延在する。しかしながら、また、異なる横断面、例えば方形または正方形の横断面を有する容器11が採用され得る。容器11は、中空シリンダーとして形成され、および内側空間110を有する(図1(b)、(c)を参照されたい)。
【0115】
液状物質2を導入するために、容器11は、吸入口111を有し、これは、輸送方向4において容器の前端102に設けられる。液状物質2は、追加的な輸送手段8によって輸送方向4に容器11を通して輸送される。ここで、輸送手段8としてDysonが概略的に示されている。
【0116】
輸送方向4の後端101において、凝集機器1は、液状物質2から第1の物質部分21(図1(d)、(e)を参照されたい)を分離するための手段12を有する。分離手段12は、チューブ状容器ブランチによって形成される。容器ブランチ12は、第1の物質部分21のためのブランチ排出口122を有する。
【0117】
液状物質2を放出するために、容器11は、容器排出口112を有する。容器排出口112は、ここで、明瞭にするためにのみ、延在方向71に対して横断する方向に位置合わせされている。
【0118】
容器11には、音響波5(図1(b)~(e)を参照されたい)を生成するために複数の励振器3が設けられる。これらは、延在方向71に列(符号なし)をなして距離aだけ互いに離間されている。軸7に対する周方向74には、複数の列が均等に分布して配置されている。この場合、励振器3の隣接する列は、延在方向3において互いに対してオフセットされている。
【0119】
波の干渉によって定常音波5、好ましくは超音波を生成するために、2つの相互に対応する励振器3は、それぞれ同じ周波数、波形および振幅の音波5を生成するように互いに対向して配置される。相互に対応する励振器3は、スピーカーとして設計され、および音波5を生成するための圧電素子(図示せず)を有する。あるいは、2つの励振器3の一方がスピーカーとして、および他方が反射器として設計されることが好ましい。
【0120】
図1(b)は、(a)の凝集機器のA-A断面図を示す。容器11の横断面が示されている。励振器3は、容器11の表面113に配置されている。それらは、それぞれ同じ周波数、波形および振幅の音波5を生成する。2つの励振器3のそれぞれは、互いに対応するように形成されかつ互いに対向して配置されているため、定常音波5が干渉によって生成される。2つの相互に対応する励振器3によって生成された定常音波5は、ここで破線によって示される。この波形は、例としてのみ正弦曲線として選択される。
【0121】
ここで、定常音波5は、容器11の中心に音圧の節51および容器11の内面114にそれぞれの音圧の腹52を有する。そのため、音波5は、それらの基本周波数で振動する。また、それらの基本周波数で振動する定常波5は、容器11の中心7に配置された音圧の腹52および内面114に配置された音圧の節51によって生成され得る。原理上、高調波周波数で振動する音波5も使用され得る。
【0122】
容器11の内側空間110を流れ、かつそれにより定常波5による作用を受ける液状物質2では、液状物質2に含有される固形物粒子および繊維211(図1(d)、(e)を参照されたい)は、音圧の節51または音圧の腹52において移動する。ここで、例として液状物質2が示され、その固形物粒子および繊維211は、その移動によって音圧の節51の周りの領域(符号なし)に蓄積する。固形物粒子および繊維211の集中により、液状物質2に含まれる液体(符号なし)は、外側、すなわち容器内面114に向かって押圧される。そのため、固形物粒子および繊維211が凝集された第1の物質部分21は、軸7の周りで同心状に延在する領域に沿って形成される。下記で第2の物質部分22とも呼ばれる残りの液状物質2は、対応して固形物粒子および繊維211をあまり含有しない。しかしながら、ここで、原理上、これら音波5を使用して、固形物粒子および繊維211が容器内面114に向かって移動するように液状物質2の液体を内向きに押圧することも可能である。
【0123】
第1の物質部分21が蓄積する領域は、音圧の節51を接続する線77の周りにほぼ同心状に延在する。液状物質2が音波5による作用を受けながら輸送方向4に輸送されるため、第1の物質部分21が輸送方向4に輸送される。さらに、音波5は、輸送方向4に対して直角53に伝搬する。その結果、線77は、輸送方向4に延在する。
【0124】
励振器3が周方向74に容器11の周りに分布して配置される図1(a)および(b)の凝集機器1とは対照的に、図1(c)の横断面を有する凝集機器1は、音波5を生成するための相互に対応する励振器3を備える対向する列を2つのみ有する。
【0125】
図1(d)は、(a)の凝集機器1の断面図を示し、軸7の周りで直角の回転角度だけ回転されて示されている。軸7の周りの領域での固形物粒子および繊維211の蓄積が概略的に示されている。液状物質2は、輸送方向4に容器11を通して輸送される。それにより、固形物粒子および繊維211は、定常波5の作用を受ける。定常波5は、輸送方向4に対して横断する方向の伝搬方向54に伝搬することが分かる。
【0126】
音波5の力により、音波5を適用することによって固形物粒子および繊維211が音圧の節51に移動されかつそこに蓄積する。この場合、液状物質2に含有される液体は、外向きに押圧される。線77の周りの同心の領域では、固形物粒子および繊維211が集まって凝集された第1の物質部分21が形成される。容器11が円形断面を有し、および励振器3が軸7の周りに同心状に配置されるため、音圧の節51を接続する線77は、軸7に沿って延在する。
【0127】
液状物質2から第1の物質部分21を分離するために、容器ブランチ12は、容器11内へ延在する。容器ブランチは、軸7に対して同心状に延在する。容器ブランチ12は、容器11の中心に配置されるブランチ吸入口121を有する。容器ブランチ12の直径(符号なし)は、第1の物質部分21がブランチ吸入口121を通してブランチ12に受け入れられるように十分に大きくなるように選択される。
【0128】
励振器3は、容器ブランチ12にも設けられる。これらは、ここで、容器ブランチ12の制限壁115に配置される。その結果、固形物粒子および繊維211は、音圧の節51にさらに押圧され、および液体は、強制的に外向きにされる。その結果が滑動膜23であり、それを通して、第1の物質部分21は、その粘性稠度にもかかわらず、容器ブランチを詰まらせることなく容器ブランチ12を通して輸送され得る。
【0129】
図1(e)の凝集機器1の実施形態では、音波5は、容器11の表面113に配置された励振器3によって生成され、その音圧の節51は、容器11の内面114に配置され、および音圧の腹52は、容器11の中央に配置される。その結果、液状物質2に含有される液体は、中央7に押圧され、固形物粒子および繊維211は、容器内面114に向かって外向きに押圧される。
【0130】
そのため、容器ブランチ12があり、ここで、第2の液状物質部分22が容器11の中央ですくい取られる。その結果、さらなる励振器3は、容器ブランチ12内またはその上に設けられない。
【0131】
液状物質2を、そのペーストのような稠度にもかかわらず、容器11を通して詰まることなく輸送できるようにするために、送給流体24に事前に導入することが可能である。液状物質2に依存して、水は、例えば、好適な輸送流体24であり得る。
【0132】
輸送流体24への液状物質2の導入を図2(a)に概略的に示す。容器11は、輸送流体24によって輸送方向4に流される。液状物質2は、容器11の補給孔116を通して中心に導入される。その結果、送給流体24は、液状物質2を取り囲む。
【0133】
図2(b)の実施形態では、ブランチドレーン122のみが分離手段として設けられる。励振器3は、それらによって生成される定常音波5が音圧の節51を有し、それらの波が、輸送方向4に対して横断する方向の空間方向72においてブランチ排出口122の下方に配置されるように位置決めされる。そのため、第1の物質部分21が周りに蓄積する線77は、ブランチ排出口122の下方に位置する。
【0134】
図3は、凝集機器1のさらなる実施形態を示す。ここで、液状物質2を受け入れかつ/または輸送する手段として容器11、すなわちタンクが提供される。タンク11は、凝集機器1の前端101に容器吸入口111および凝集機器1の後端102に容器排出口112を含む。容器吸入口111および容器排出口112は、タンク11のほぼ同じ高さHに配置される。
【0135】
離間された励振器3がタンク11の延在方向71に配置される。励振器3は、タンク11の下方および上方に、延在方向71に対して横断する方向の第2の空間方向72において列をなして配置される。タンク11の上方の励振器3は、液状物質2の液体レベル25が励振器3の下方に延在するように配置される。タンク11の上方の励振器3、31およびタンク11の下方の励振器3、32は、それぞれ互いに対応するように形成されて定常音波5を生じる。音波5は、タンク11に伝搬し、および線77に沿って延在する音圧の腹52を有する。線77は、第2の空間方向72において容器吸入口111および容器排出口112の高さHより下方に配置される。
【0136】
タンク11内へ輸送される液状物質22の固形物粒子および繊維211は、音波5の力によって音圧の節51へ移動される。第2の空間方向72において線77の上方に配置された励振器3の音圧の節51は、液状物質2の外側に位置決めされるため、固形物粒子および繊維211は、ここで、タンク11の底部17に蓄積して第1の物質部分21を形成する。
【0137】
分離手段12としてブランチ排出口122が地面の近くに配置され、それを通して第1の物質部分21がタンク11から輸送方向4に輸送される。第2の物質部分22は、高さHに沿って配置された容器排出口112を通して流れる。凝集機器1のこの実施形態では、液状物質2を輸送するために液体圧が使用される。さらに、さらなる輸送手段8、例えば液体増幅器が提供され得る。
【0138】
図4の凝集機器では、液状物質2を受け入れかつ/または輸送するための容器11としてタンクも設けられる。しかしながら、音波5の作用を受ける液状物質2は、ここで、コンベヤベルト8によっても輸送される。コンベヤベルト8は、下方戻り端部85でタンク11および液状物質2に入る。コンベヤベルトは、水平面(符号なし)に対して傾斜82を有するコンベヤベルト表面81を有する。コンベヤベルト8の輸送ライン83では、コンベヤベルト表面81は、輸送方向4に運搬される。
【0139】
励振器3は、コンベヤベルト表面81の下方および上方に列をなして配置される。コンベヤベルト表面81の下方の励振器3、31および上方の励振器3、32は、それぞれ対応して互いに作用しかつ定常音波5を生じる。
【0140】
励振器3は、コンベヤベルト表面81上またはその下方に音圧の節51が形成されるように設置される。この音圧の節51では、固形物粒子および繊維211が移動する。そのため、第1の物質部分21は、コンベヤベルト表面81上に蓄積する。音圧の節51がコンベヤベルト表面81の下方に配置されると、固形物粒子および繊維211は、コンベヤベルト8に押圧される。これは、コンベヤベルト8の上方戻り端部84において収集容器13に入れられる。そのため、コンベヤベルト8は、液状物質2から第1の物質部分21を分離するための手段12としても使用される。
【0141】
液体は、横方向にまたはコンベヤベルト8の中央に流れ、および部分的に蒸発され得る。液状物質2を蒸発させるために戻り部9が設けられ、そこで液状物質が凝結する。戻り部9は、水平に対して斜めに配置され、それにより、蒸発した液体は、タンク11に戻される。しかし、それは別々に引き出され得る。
【0142】
励振器3を備えるそのようなコンベヤベルト8は、固形物粒子および繊維211を凝固および乾燥させるために別々にも使用され得る。液状物質の液体レベルに依存して、それは、液状物質を受け入れかつ/または輸送するための手段を形成し得る。さらに、液状物質、第1および/または第2の物質部分のための容器が提供され得る。そのため、それは、例えば、紙を乾燥および凝固させ、テキスタイルを乾燥およびフェルト化させ、下水汚泥および/または台所廃棄物を乾燥および凝固させるのに好適である。
【0143】
図5(a)~(d)は、一例としてかつ概略的に、音波5を生成するための励振器3の容器壁15への取り付けを示す。図5(a)および(b)では、容器壁は、凹部119を示す。
【0144】
図5(a)では、容器壁115の表面113上の励振器3は、取り付けられた保持プレート118によって凹部119と位置合わせされている。保持プレートは、リベットまたはスクリューなどの締結手段91によって容器壁15内に固定される。保持プレート118は、励振器3のための受け口(符号なし)を有し、それを取り囲んでいる。それは、外側で凹部119を封止するために弾力性があるように設計される。
【0145】
図5(b)では、励振器3は、凹部119内に配置される。この目的のために複数の保持プレート118が提供され、これらの保持プレートは、容器壁115の内面114および表面113に配置される。また、この場合、保持プレート118は、容器11を封止するように弾力性があるように形成される。保持プレート118を締結するために、ここで、ナット92を備えるスクリューが締結手段91として提供される。
【0146】
図5(c)での励振器3の取り付けは、図5(a)のものと対応するが、容器壁に凹部が設けられていない。代わりに、励振器は、表面に平らに配置される。これは、それが液状物質2と接触しないという利点を有する。
【0147】
図5(d)では、励振器3は、容器壁115の内面113に平らに配置される。保持プレート118も設けられ、励振器3を容器壁115に保持する。ここでも、リベット91が取り付けのために提供される。
【0148】
しかしながら、励振器3はまた、容器壁15、特にその表面13に膠で接着されるか、リベット留めされるか、またはステープル留めされる。容器内部110に励振器3を装着することも可能である。
【0149】
図6は、本発明による凝集機器1のさらなる実施形態を示す。この凝集機器1は、液状物質2を運搬するための容器11として内側チューブを有する。さらに、それは、収集容器13として外側チューブを有する。内側チューブ11は、ブランチ排出口122として複数の排出口開口部を有し、これらは、液体を放出するために設けられる。下記では、用語容器11および内側チューブ、収集容器13および外側チューブならびに排出口開口部およびブランチ排出口122は、同義的に使用される。
【0150】
液状物質2は、前端101において内側チューブ11に導入される。
【0151】
励振器3は、内側チューブ11に配置される。励振器は、音響波5によって液状物質2に作用する。その結果、固形物粒子および繊維211は、音波5の力によって音圧の節51または音圧の腹52へ移動される。この場合、それを取り囲む液体は、第2の物質部分22内に変位される。
【0152】
ここで、音響波5は、固形物粒子および繊維211が内側チューブ中心7に移動するように提供される。この目的のために、ここで、異なる高調波が音響波5として使用される。しかしながら、高調波の音圧の節51および腹52の数は、輸送方向4において減少する。その結果、固形物粒子および繊維211は、高調波によって内側チューブ中心7に集中する。
【0153】
そのため、凝集された固形物粒子および繊維211を含有する第1の物質部分21は、内側チューブ11によってさらに輸送される。しかしながら、主に液体を含有する第2の物質部分22は、外側チューブ13の排出口開口部122を通して放出され得る。
【0154】
内側チューブ11は、輸送方向4にテーパが付けられる。しかしながら、外側チューブ13の外径(符号なし)は、一定である。その結果、液状物質2が運搬される全断面積が維持される。しかしながら、一定の直径d1の内側チューブ11の使用も好ましい。
【0155】
第1の物質部分21および/または第2の物質部分22の運搬を改善しかつ/または相分離線を生じるために、送給流体24は、内側チューブ11および/または外側チューブ13においてさらに使用され得る。
【0156】
エアロゾル2での凝集機器1および方法
図1aは、凝集機器1の第1の実施形態を示す。凝集機器1は、エアロゾル2(図1(d)、(e)を参照されたい)を受け入れかつ輸送するための容器11を含む。容器11は、延在方向71に延在する。容器11は、ここで、円形横断面を有し、および軸7に対して同心状に延在する。しかしながら、また、異なる横断面、例えば方形または正方形の横断面を有する容器11も使用され得る。容器11は、中空シリンダーとして形成され、および内側空間110(図1(b)、(c)を参照されたい)を有する。
【0157】
エアロゾル2を導入するために、容器11は、吸入口111を有し、これは、輸送方向4において容器の前端102に設けられる。エアロゾル2は、追加的な輸送手段8により、輸送方向4において容器11を通して輸送される。ここで、輸送手段8としてDysonが概略的に示されている。
【0158】
輸送方向4の後端101において、凝集機器1は、エアロゾル2の第1の物質部分21(図1(d)、(e)を参照されたい)を分離するための手段12を有する。分離手段12は、チューブ状容器ブランチによって形成される。容器ブランチ12は、第1の物質部分21のためのブランチ排出口122を有する。
【0159】
エアロゾル2を放出するために、容器11は、容器排出口112を有する。容器排出口112は、ここで、明瞭にするためにのみ、延在方向71に対して横断する方向に位置合わせされる。
【0160】
容器11には、音響波5(図1(b)~(e)を参照されたい)を生成するための複数の励振器3が設けられる。これらは、延在方向71に列をなして(符号なし)配置されかつ互いに距離aだけ離間されている。軸7に対する周方向74において、列が均等に分布して配置される。この場合、励振器3の隣接する列は、延在方向3において互いに対してオフセットされている。
【0161】
波の干渉によって定常音波5、好ましくは超音波を生成するために、2つの相互に対応する励振器3は、それぞれ同じ周波数、波形および振幅の音波5を生成するように互いに対向して配置される。相互に対応する励振器3は、スピーカーとして設計され、および音波5を生成するための圧電素子(図示せず)を有する。あるいは、2つの励振器3の一方がスピーカーとして、および他方が反射器として設計されることが好ましい。
【0162】
図1(b)は、(a)の凝集装置のA-A断面図を示す。容器11の横断面が示されている。励振器3は、容器11の表面113に配置される。それらは、それぞれ同じ周波数、波形および振幅の音波5を生成する。2つのそれぞれの励振器3が互いに対応して形成されかつ互いに対向して配置されるため、定常音波5が干渉によって生成される。2つの相互に対応する励振器3によって生成される定常音波5は、ここで破線によって示される。それらの波形は、例としてのみ正弦曲線として選択される。
【0163】
定常音波5は、ここで、容器11の中心に音圧の節51および容器11の内面114にそれぞれの音圧の腹52を有する。そのため、音波5は、それらの基本周波数で振動する。また、それらの基本周波数で振動する定常波5は、音圧の腹52が容器11の中心7に配置され、および音圧の節51が内面114に配置された状態で生成され得る。原理上、高調波周波数で振動する音波5も使用され得る。
【0164】
容器11の内側空間110を通して流れ、それにより定常波5の作用を受けるエアロゾル2では、エアロゾル2に含有される固形物粒子および繊維211(図1(d)、(e)を参照されたい)は、音圧の節51または音圧の腹52において移動する。ここで、例として、その移動により固形物粒子および繊維211が音圧の節51の周りの領域(符号なし)に蓄積するエアロゾル2を示す。固形物粒子および繊維211が集まることにより、エアロゾル2に含有される液体(符号なし)は、外側、すなわち容器の内面114に向かって押圧される。そのため、固形物粒子および繊維211が凝集されている第1の物質部分21は、軸7の周りに同心状に延在する領域に沿って形成される。下記で第2の物質部分22とも呼ばれる残りのエアロゾル2は、対応して固形物粒子および繊維211をあまり含有しない。しかしながら、ここで、原理上、音波5を使用して、固形物粒子および繊維211が容器の内面114に向かって移動するようにエアロゾル2の液体を内向きに押圧することも可能である。
【0165】
第1の物質部分21が蓄積する領域は、音圧の節51を接続する線77の周りにほぼ同心状に延在する。エアロゾル2が音波5による作用を受けながら輸送方向4に輸送されるため、第1の物質部分21が輸送方向4に輸送される。さらに、音波5は、輸送方向4に対して直角53に伝搬する。その結果、線77は、輸送方向4に延在する。
【0166】
励振器3が容器11の周方向74に分配されて配置される図1(a)および(b)の凝集機器1とは対照的に、図1(c)の横断面を有する凝集機器1は、音波5を生成するための相互に対応する励振器3を備える対向する列を2つのみ有する。
【0167】
図1(d)は、(a)の凝集機器1の断面図を示し、これは、軸7の周りで直角の回転角度だけ回転された状態で示される。軸7の周りの領域での固形物粒子および繊維211の蓄積が概略的に示されている。エアロゾル2は、輸送方向4に容器11を通して輸送される。それにより、固形物粒子および繊維211は、定常波5の作用を受ける。定常波5は、輸送方向4に対して横断する方向の伝搬方向54に伝搬することが分かる。
【0168】
音波5の力により、音波5を適用することによって固形物粒子および繊維211が音圧の節51に移動されかつそこに蓄積する。この場合、エアロゾル2に含有される液体は、外向きに押圧される。線77の周りの同心の領域では、固形物粒子および繊維211が集まって凝集された第1の物質部分21が形成される。容器11は円形の横断面を有し、および励振器3は軸7の周りに同心状に配置されるため、音圧の節51を接続する線77は、軸7に沿って延在する。
【0169】
エアロゾル2から第1の物質部分21を分離するために、容器ブランチ12は、容器11内へ延在する。容器ブランチは、軸7に対して同心状に延在する。容器ブランチ12は、容器11の中心に配置されるブランチ吸入口121を有する。容器ブランチ12の直径(符号なし)は、第1の物質部分21がブランチ吸入口121を通してブランチ12に受け入れられるように十分な大きさになるように選択される。
【0170】
励振器3は、容器ブランチ12にも設けられる。これらは、ここで、容器ブランチ12の制限壁115内に配置される。その結果、固形物粒子および繊維211が音圧の節51にさらに押圧され、および液体が強制的に外向きにされる。その結果が滑動膜23であり、それを通して、第1の物質部分21は、その粘性稠度にもかかわらず、容器ブランチが詰まることなく容器ブランチ12を通して輸送され得る。
【0171】
図1(e)の凝集機器1の実施形態では、音波5は、容器11の表面113に配置された励振器3によって生成され、その音圧の節51が容器11の内面114に、および音圧の腹52が容器11の中央に配置される。その結果、エアロゾル2に含有される液体は、中央7に押圧され、固形物粒子および繊維211は、外向きに容器内面114に向かって押圧される。
【0172】
そのため、容器ブランチ12があり、ここで、第2の液状物質部分22が容器11の中央ですくい取られる。その結果、さらなる励振器3は、容器ブランチ12内またはその上に設けられない。
【0173】
エアロゾル2を、そのペーストのような稠度にもかかわらず、容器11を詰まらせることなく輸送できるようにするために、送給流体24に事前に導入することが可能である。エアロゾル2に依存して、水は、例えば、好適な輸送流体24であり得る。
【0174】
輸送流体24内へのエアロゾル2の導入が図2(a)に概略的に示されている。輸送流体24は、容器11を輸送方向4に流される。エアロゾル2は、容器11の補給孔116を通して中心に導入される。その結果、送給流体24は、エアロゾル2を取り囲む。
【0175】
図2(b)の実施形態では、ブランチドレーン122のみが分離手段として設けられている。励振器3は、それらによって生成された定常音波5が音圧の節51を有するように位置決めされ、それらの波は、輸送方向4に対して横断する方向の空間方向72においてブランチ排出口122の下方に配置される。そのため、第1の物質部分21が蓄積する線77は、ブランチ排出口122の下方に位置する。
【0176】
図3は、凝集機器1のさらなる実施形態を示す。ここで、エアロゾル2を受け入れかつ/または輸送する手段として容器11、すなわちタンクが設けられている。タンク11は、凝集機器1の前端101に容器吸入口111および凝集機器1の後端102に容器排出口112を有する。容器吸入口111および容器排出口112は、タンク11のほぼ同じ高さHに配置される。
【0177】
離間された励振器3がタンク11の延在方向71に配置される。励振器3は、タンク11の下方および上方に、延在方向71に対して横断する方向の第2の空間方向72において列をなして配置される。タンク11の上方の励振器3は、エアロゾル2の液体レベル25が励振器3の下方に延在するように配置される。タンク11の上方の励振器3、31およびタンク11の下方の励振器3、32は、それぞれ互いに対応して形成されかつ定常音波5を生じる。音波5は、タンク11内に伝搬し、および線77に沿って延在する音圧の腹52を有する。線77は、第2の空間方向72において容器吸入口111および容器排出口112の高さHよりも下方に配置される。
【0178】
タンク11に輸送されるエアロゾル22の固形物粒子および繊維211は、音波5の力によって音圧の節51へ移動される。第2の空間方向72において線77の上方に配置された励振器3の音圧の節51は、エアロゾル2の外側に位置決めされるため、固形物粒子および繊維211は、ここで、タンク11の底部17に蓄積し、および第1の物質部分21を形成する。
【0179】
分離手段12としてブランチ排出口122が地面の近くに配置され、それを通して第1の物質部分21がタンク11から輸送方向4に輸送される。第2の物質部分22は、高さHに沿って配置された容器排出口112を通して流れる。凝集機器1のこの実施形態では、液体圧は、エアロゾル2を輸送するために使用される。さらに、さらなる輸送手段8、例えば液体マルチプレクサーが設けられ得る。
【0180】
図4の凝集機器では、エアロゾル2を受け入れかつ/または輸送するための容器11としてタンクも設けられる。しかしながら、音波5の作用を受けるエアロゾル2は、ここで、コンベヤベルト8によっても輸送される。コンベヤベルト8は、下方戻り端部85でタンク11およびエアロゾル2に入る。コンベヤベルトは、水平面(符号なし)に対して傾斜82を有するコンベヤベルト表面81を有する。コンベヤベルト8の輸送ライン83上でコンベヤベルト表面81が輸送方向4に運搬される。
【0181】
励振器3は、コンベヤベルト表面81の下方および上方に列をなして配置される。コンベヤベルト表面81の下方の励振器3、31および上方の励振器3、32は、それぞれ互いに対応して作用しかつ定常音波5を生じる。
【0182】
励振器3は、音圧の節51がコンベヤベルト表面81上またはその下方に形成されるように配置される。この音圧の節51では、固形物粒子および繊維211が移動する。そのため、第1の物質部分21は、コンベヤベルト表面81上に蓄積する。音圧の節51がコンベヤベルト表面81の下方に配置されると、固形物粒子および繊維211は、コンベヤベルト8上に押圧される。コンベヤベルトは、コンベヤベルト8の上方戻り端部84において収集容器13に落とされる。そのため、コンベヤベルト8は、ここで、エアロゾル2から第1の物質部分21を分離するための手段12としても使用される。
【0183】
液体は、横方向にまたはコンベヤベルト8の中央に流れ、および部分的に蒸発され得る。エアロゾル2を蒸発させるために戻り部9が設けられ、そこでエアロゾルが凝結する。戻り部9は、水平に対して斜めに配置され、それにより、蒸発した液体は、タンク11に戻される。しかし、それは別々に引き出され得る。
【0184】
励振器3を備えるそのようなコンベヤベルト8は、固形物粒子および繊維211を凝固および乾燥するために別々にも使用され得る。エアロゾルの液体レベルに依存して、それは、エアロゾルを受け入れかつ/または輸送するための手段を形成し得る。さらに、エアロゾル、第1および/または第2の物質部分のための容器が設けられ得る。そのため、それは、例えば、紙を乾燥および凝固し、テキスタイルを乾燥およびフェルト化し、下水汚泥および/または台所廃棄物を乾燥および凝固するのに好適である。
【0185】
図5(a)~(d)は、一例としてかつ概略的に、音波5を生成するための励振器3の容器壁15への取り付けを示す。図5(a)および(b)では、容器壁は、凹部119を示す。
【0186】
図5(a)では、容器壁115の表面113上の励振器3は、取り付けられた保持プレート118によって凹部119と位置合わせされる。保持プレートは、リベットまたはスクリューなどの締結手段91によって容器壁15内に固定される。保持プレート118は、励振器3のための受け口(符号なし)を有し、それを取り囲む。保持プレートは、外側で凹部119を封止するために弾力性があるように設計される。
【0187】
図5(b)では、励振器3は、凹部119内に配置される。この目的のために、複数の保持プレート118が設けられ、それらは、容器壁115の内面114および表面113に配置される。また、この場合、保持プレート118は、容器11を封止するために弾力性があるように形成される。ここで、保持プレート118を締結するために、ナット92を備えるスクリューが締結手段91として提供される。
【0188】
図5(c)における励振器3の取り付けは、図5(a)のものに対応するが、容器壁に凹部が設けられていない。代わりに、励振器は、表面に平らに配置される。これは、それがエアロゾル2と接触しないという利点を有する。
【0189】
図5(d)では、励振器3は、容器壁115の内面113に平らに配置される。保持プレート118も提供され、励振器3を容器壁115に対して保持する。ここでも、リベット91が取り付けのために提供される。
【0190】
しかしながら、励振器3はまた、容器壁15、特にその表面13に膠で接着されるか、リベット留めされるか、またはステープル留めされる。容器内部110に励振器3を装着することも可能である。
【0191】
図6は、本発明による凝集機器1のさらなる実施形態を示す。この凝集機器1は、エアロゾル2を運搬するための容器11として内側チューブを有する。さらに、それは、収集容器13として外側チューブを有する。内側チューブ11は、ブランチ排出口122として複数の排出口開口部を有し、これらは、液体を放出するために設けられる。下記では、用語容器11および内側チューブ、収集容器13および外側チューブならびに排出口開口部およびブランチ排出口122は、同義的に使用される。
【0192】
エアロゾル2は、前端101において内側チューブ11に導入される。
【0193】
励振器3は、内側チューブ11上に配置される。励振器は、音響波5によってエアロゾル2に作用する。その結果、固形物粒子および繊維211は、音波5の力によって音圧の節51または音圧の腹52へ移動される。この場合、それを取り囲む液体は、第2の物質部分22内に変位される。
【0194】
音響波5は、ここで、固形物粒子および繊維211が内側チューブ中心7へ移動するように提供される。この目的のために、ここで、異なる高調波が音響波5として使用される。しかしながら、高調波の音圧の節51および音圧の腹52の数は、輸送方向4において減少する。その結果、固形物粒子および繊維211は、内側チューブ中心7において高調波によって集中される。
【0195】
そのため、凝集された固形物粒子および繊維211を含有する第1の物質部分21は、内側チューブ11によってさらに輸送される。しかしながら、主に液体を含有する第2の物質部分22は、外側チューブ13にある排出口開口部122を通して放出され得る。
【0196】
内側チューブ11は、輸送方向4にテーパが付けられる。しかしながら、外側チューブ13の外径(符号なし)は、一定である。その結果、エアロゾル2が運搬される全断面積が維持される。しかしながら、一定の直径d1を備える内側チューブ11の使用も好ましい。
【0197】
第1の物質部分21および/または第2の物質部分22の運搬を改善しかつ/または相分離線を生じるために、送給流体24も内側チューブ1および/または外側チューブ13において使用され得る。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図1-4】
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスからエアロゾルと固形物粒子および繊維とを少なくとも、少なくとも1つの前端(101)に設けられた少なくとも1つの容器吸入口(111)と、少なくとも1つの後端(102)に設けられた少なくとも1つの容器排出口(112)と、少なくとも1つの容器内側空間(110)とを有する凝集機器(1)においても分離する方法において、
A)少なくとも1つのタイプのエアロゾル(2)が、
-伝搬方向が輸送方向(4)である音波(5)および/または少なくとも1つの輸送音響波であって、ブーリアン論理ゲートの組み合わせにより、異なる音波の位相を介して動的にデジタル式に制御可能であり、これにより、音圧の節(51)および音圧の腹(52)が、少なくとも1つの前記凝集機器(1)において、予め選択された箇所へ制御された方式で移動可能である、音波(5)および/または少なくとも1つの輸送音響波
-コンベヤベルト、
-インジェクタ、
-ベンチュリ、
-ディフューザ、
-ダクト付きタービン、
-三角翼濃縮機、
-マグヌス効果タービン、
-berwianまたはberlin風力タービン
-ならびに遠心力、求心力、コリオリの力、受動および強制対流、噴散および拡散を生ぜしめる装置
から成る群から選択される少なくとも1つの輸送手段(8)によって、少なくとも1つの輸送方向(4)で、前記少なくとも1つの凝集機器(1)の少なくとも1つの容器(11)の前記少なくとも1つの容器吸入口(111)内に輸送されかつ前記少なくとも1つの容器内側空間(110)内を通って輸送され、
B)このとき同時に前記少なくとも1つのタイプのエアロゾル(2)は、前記容器内側空間(110)内で、
-互いに対応して配置された少なくとも2対の励振器(3)により、
-少なくとも2つの励振器(3)と、これらに対応して配置された少なくとも2つの反射器とにより、かつ/または
-互いに対応して配置された少なくとも1対の励振器(3)と、少なくとも1つの励振器(3)と、これに対応して配置された反射器とにより
生成される少なくとも2つの定常音響波(5)により押圧され、これにより、前記エアロゾル(2)および/または固形物粒子および繊維(211)は、前記少なくとも2つの定常音響波(5)の力により、ガスから少なくとも2つの音圧の節(51)または少なくとも2つの音圧の腹(52)に向かって移動し
C)前記少なくとも1種のエアロゾル(2)の、凝結された液体および/または凝集された固体(211)を含有する少なくとも1つの第1の分散相(21)は、その後、前記少なくとも1種のエアロゾル(2から分離され、その後
D)前記少なくとも1種のエアロゾル(2)は、前記少なくとも1つの容器排出口(112)を介して導出されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つ凝集機器(1)は、少なくとも1つのUV放射器、IR放射器またはマイクロ波放射器および/または該放射器の後ろ側にかつ該放射器に対向して配置された反射器を有し、前記放射器は、前記少なくとも1種のエアロゾル(2)の、凝結された液体および/または凝集された固体(211)を含有する前記少なくとも1つの第1の分散相(21)を光化学的に励振しかつ/または加熱することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの凝集機器(1)は、前記少なくとも1種のエアロゾル(2)から分離された、前記少なくとも1種のエアロゾル(2)の、凝結された液体および/または凝集された固体(211)を含有する前記少なくとも1つの第1の分散相(21)を収集するための少なくとも1つの表面を有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ガスからエアロゾル(2)と固形物粒子および繊維とを分離および/または精製する凝集機器(1)であって、少なくとも1つの前端(101)に設けられた少なくとも1つの容器吸入口(111)と、少なくとも1つの後端(102)に設けられた少なくとも1つの容器排出口(112)と、少なくとも1つの容器内側空間(110)とを有する凝集機器(1)において
該凝集機器(1)は
A)-伝搬方向が輸送方向(4)である音波(5)および/または少なくとも1つの輸送音響波であって、ブーリアン論理ゲートの組み合わせにより、異なる音波の位相を介して動的にデジタル式に制御可能であり、これにより、音圧の節(51)および音圧の腹(52)が、少なくとも1つの前記凝集機器(1)において、予め選択された箇所へ制御された方式で移動可能である、音波(5)および/または少なくとも1つの輸送音響波
-コンベヤベルト、
-インジェクタ、
-ベンチュリ、
-ディフューザ、
-ダクト付きタービン、
-三角翼濃縮機、
-マグヌス効果タービン、
-berwianまたはberlin風力タービン
-ならびに遠心力、求心力、コリオリの力、受動および強制対流、噴散および拡散を生ぜしめる装置
から成る群から選択される少なくとも1つの輸送手段(8)を、少なくとも1つのタイプのエアロゾル(2)を少なくとも1つの輸送方向(4)で前記少なくとも1つの凝集機器(1)の少なくとも1つの容器(11)の前記少なくとも1つの容器吸入口(111)内に輸送しかつ前記少なくとも1つの容器内側空間(110)内を通して輸送するために有しており、さらに
B)互いに対応して配置された少なくとも2対の励振器(3)、少なくとも2つの励振器(3)と、これらに対応して配置された少なくとも2つの反射器および/または互いに対応して配置された少なくとも1対の励振器(3)と、少なくとも1つの励振器(3)と、これに対応して配置された反射器とを、少なくとも2つの定常音響波(5)を生成するために有しており、これにより、前記エアロゾル(2)および/または固形物粒子および繊維(211)は、前記少なくとも2つの定常音響波(5)の力により、ガスから少なくとも2つの音圧の節(51)または少なくとも2つの音圧の腹(52)に向かって移動可能であり、これにより、凝結された液体および/または凝集された個体(211)を含有する少なくとも1つの第1の物質部分(21)が、前記少なくとも1種のエアロゾル(2)から分離可能であり、該少なくとも1種のエアロゾル(2)は、前記少なくとも1つの容器排出口(112)を介して導出可能であることを特徴とする、凝集機器(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの容器(11)、少なくとも1つのチューブ、少なくとも1つのタンクおよび/または少なくとも1つの容器は、相互に平行に配置された少なくとも2つのシート状プレートを備え、前記プレートのそれぞれにおいて、前記少なくとも2つの励振器(3)および/または前記少なくとも1つの励振器(3)と前記反射器とは、互いに対向して配置されることを特徴とする、請求項に記載の凝集機器(1)。
【請求項6】
前記シート状プレートは、PCB(プリント基板)プレートであることを特徴とする、請求項に記載の凝集機器(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの密閉ガスサイクルに組み込まれ、かつ/または空間移行部に配置され、かつ/または熱回収と組み合わされ、かつ/またはエアフィルターの上流および/もしくは下流にあることを特徴とする、請求項からのいずれか一項に記載の凝集機器(1)。
【請求項8】
前記エアフィルターは、HEPAフィルターであることを特徴とする、請求項に記載の凝集機器(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1種のエアロゾル(2)の、凝結された液体および/または凝集された固体(211)を含有する前記少なくとも1つの第1の分散相(21)を光化学的に励振しかつ/または加熱するために、少なくとも1つのUV放射器、IR放射器またはマイクロ波放射器および/または該放射器の後ろ側にかつ該放射器に対向して配置された反射器を有していることを特徴とする、請求項4から8のいずれか一項に記載の凝集機器(1)
【請求項10】
エアロゾルおよび/または固形物粒子および/または固形物繊維の成分の凝結、凝集、アグロメレーション、圧縮、切り離し、分離および/または濃度変化により、かつ/または少なくとも1つのUV放射器、IR放射器またはマイクロ波放射器および/または該放射器の後ろ側にかつ該放射器に対向して配置された反射器により、塗料、ニス、シーラントおよび/もしくは繊維物質を含有するエアロゾルを廃棄するための、微生物破壊するための、自宅において、エアコンディショニングにおいて、人工呼吸器においておよび閉鎖された車両において空気を精製するための、請求項からのいずれか一項に記載の凝集機器(1)および/または請求項1からのいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項11】
前記閉鎖された車両は、自動車、トラック、バス、列車、船および航空機である、請求項10記載の使用
【請求項12】
請求項1からのいずれか一項に記載の方法を実施するための、請求項からのいずれか一項に記載の少なくとも1つの凝集機器(1)を備える塗装機器(10)。
【外国語明細書】