(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031820
(43)【公開日】2022-02-22
(54)【発明の名称】電圧同調可能積層コンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01G 7/06 20060101AFI20220215BHJP
【FI】
H01G7/06
【審査請求】有
【請求項の数】36
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021193229
(22)【出願日】2021-11-29
(62)【分割の表示】P 2018529092の分割
【原出願日】2016-12-07
(31)【優先権主張番号】62/264,491
(32)【優先日】2015-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/371,520
(32)【優先日】2016-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/368,991
(32)【優先日】2016-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】エイブイエックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】リッター,アンドリュー・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ニーズ,クレイグ・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】バンアルスティーン,リチャード
(57)【要約】 (修正有)
【課題】より広範な可能な用途で利用され得る改善された性質を有する電圧同調可能コンデンサを提供する。
【解決手段】4終端同調可能縦続構成積層コンデンサ49は、第1の能動終端38と電気接触している第1の活性電極36及び第2の能動終端42と電気接触している交互の第2の活性電極40を備える。該コンデンサはまた、第1のDCバイアス(-)終端54と電気接触している第1のDCバイアス電極及び第2のDCバイアス(+)終端56と電気接触している交互の第2のDCバイアス電極も備える。交互の第1の活性電極間及び第2の活性電極間並びに交互の第1のバイアス電極間及び第2のバイアス電極間に、複数の誘電層44が設けられる。誘電層の少なくとも一部分が、印加電圧の印加を受けて可変誘電率を呈する誘電材料を含む。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の能動終端と電気接触している第1の活性電極および第2の能動終端と電気接触している交互の第2の活性電極と、
第1のDCバイアス終端と電気接触している第1のDCバイアス電極および第2のDCバイアス終端と電気接触している交互の第2のDCバイアス電極と、
前記交互の第1および第2の活性電極間に、ならびに前記交互の第1および第2のバイアス電極間に設けられる複数の誘電層であって、少なくとも一部分が、印加電圧の印加を受けて可変誘電率を呈する同調可能誘電材料を含む、誘電層とを備える、同調可能積層コンデンサ。
【請求項2】
前記誘電材料が、約10%から約90%までの電圧同調性係数を有し、前記電圧同調性係数が、以下の一般式:
T=100×(ε0-εν)/ε0
に従って求められ、
式中、
Tは、前記電圧同調性係数であり、
ε0は、印加電圧なしの前記材料の静的誘電率であり、
ενは、印加電圧(DC)の印加後の前記材料の前記可変誘電率である、
請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記誘電材料の前記静的誘電率が、25℃の動作温度および1kHzの周波数でASTM D2149-13により求められると、約100から約10,000までである、請求項2に記載のコンデンサ。
【請求項4】
前記誘電材料が、1つまたは複数の強誘電塩基相を含む、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項5】
前記誘電材料が、
ペロブスカイト、タングステンブロンズ材料、層状構造材料、またはそれらの組合せである、請求項4に記載のコンデンサ。
【請求項6】
前記ペロブスカイトが、式BaxSr1-xTiO3のチタン酸バリウムストロンチウムを含み、式中xは0から1までである、請求項5に記載のコンデンサ。
【請求項7】
前記第1および第2のバイアス終端が、異極性を有する、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項8】
前記第1および第2の能動終端ならびに前記第1および第2のバイアス終端が、前記コンデンサについて対称に設けられる、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項9】
前記コンデンサが、縦方向に離間される対向した第1および第2の端領域ならびに横方向に離間される対向した第1および側領域を含む、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項10】
前記第1および第2の能動終端が、前記コンデンサのそれぞれの端領域に設けられ、前記バイアス終端が、前記コンデンサのそれぞれの側領域に設けられる、請求項9に記載のコンデンサ。
【請求項11】
前記第1および第2の能動終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間され、さらに前記第1および第2のバイアス終端が、前記コン
デンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間される、請求項10に記載のコンデンサ。
【請求項12】
前記第1の能動終端および第2の能動終端が、側領域に設けられ、かつ前記第1のバイアス終端および前記第2のバイアス終端が、両方とも前記能動終端の反対側の別の側領域に設けられる、請求項9に記載のコンデンサ。
【請求項13】
前記第1および第2の能動終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間され、さらに前記第1および第2のバイアス終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間される、請求項12に記載のコンデンサ。
【請求項14】
前記第1および第2の活性電極終端が、斜め構成で反対の側領域に設けられ、さらに前記第1および第2のバイアス終端が、斜め構成で反対の側領域に設けられる、請求項9に記載のコンデンサ。
【請求項15】
前記第1および第2の能動終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間され、さらに前記第1および第2のバイアス終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間される、請求項14に記載のコンデンサ。
【請求項16】
前記コンデンサが、約100pF以上の静電容量値まで同調されることが可能である、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項17】
前記コンデンサが、約100pF未満の静電容量値まで同調されることが可能である、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項18】
前記第1のバイアス電極が、前記第1のバイアス終端に延長するタブを含むか、前記第2のバイアス電極が、前記第2のバイアス終端に延長するタブを含むか、またはその組合せである、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項19】
前記第1の活性電極と前記第2の活性電極との間の距離が、前記第1のバイアス電極と前記第2のバイアス電極との間の距離とおおよそ同じである、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項20】
前記第1の活性電極と前記第2の活性電極との間の距離が、前記第1のバイアス電極と前記第2のバイアス電極との間の距離より大きい、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項21】
前記第1の活性電極と前記第2の活性電極との間の距離が、前記第1のバイアス電極と前記第2のバイアス電極との間の距離より小さい、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項22】
請求項1に記載のコンデンサと、前記第1および第2のバイアス終端を通して前記コンデンサにDCバイアス電圧を供給する電源とを備える、回路。
【請求項23】
請求項1に記載のコンデンサを同調するための方法であって、前記第1および第2のバイアス終端を通して前記コンデンサにDCバイアス電圧を供給するステップを含む、方法。
【請求項24】
前記DCバイアス電圧が、前記コンデンサにおける前記誘電材料の破壊電圧の約50%以下である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記DCバイアス電圧が、約0.5から約100Vまでである、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[001]本出願は、米国特許出願第15/368,991号、米国仮特許出願第62/2
64,491号(2015年12月8日出願)および第62/371,520号(2016年8月5日出願)に対する優先権を主張し、同出願の全てがあらゆる目的で引用により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
[002]同調可能コンデンサが、誘電体の可変誘電性に依存する様々な用途で利用されて
きた。そのようなコンデンサの場合、ゼロバイアスでの静電容量が典型的にその最大値に近く、静電容量は印加電圧とともに低下する。静電容量の変化は、これらのユニットがフィルタ、整合ネットワーク、共振回路ならびに可聴からRFおよびマイクロ波周波数までの他の用途で同調可能回路を構成するために使用されるようにする。そのようなコンデンサの利益にもかかわらず、コンデンサの使用は、達成され得る静電容量値が比較的低いことに一部起因して、比較的制限されてきた。そのため、現在、より広範な可能な用途で利用され得る改善された性質を有する電圧同調可能コンデンサの必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[003]本発明の1つの実施形態によれば、第1の能動終端と電気接触している第1の活
性電極および第2の能動終端と電気接触している交互(alternating)の第2の活性電極
を備える同調可能積層コンデンサが開示される。コンデンサは、第1のDCバイアス終端と電気接触している第1のDCバイアス電極および第2のDCバイアス終端と電気接触している交互の第2のDCバイアス電極も備える。交互の第1および第2の活性電極間に、ならびに交互の第1および第2のバイアス電極間に、複数の誘電層が設けられる。誘電層の少なくとも一部分が、印加電圧の印加を受けて可変誘電率を呈する同調可能誘電材料を含む。
【0005】
[004]本発明の他の特徴および態様は以下にさらに詳細に記載される。
[005]当業者を対象とする本発明の完全かつ実施可能な開示が、本発明の最良の形態を
含め、添付の図を参照する明細書の残りの部分においてより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】[006]正規化バイアス電圧変化の範囲にわたって、本開示の主題を使用して達成可能な静電容量の変化を示すグラフである。
【
図2A】[007]本開示の主題による4終端バイアス型積層コンデンサの例証的な実施形態の断面図である。
【
図2B】本開示の主題による4終端バイアス型積層コンデンサの例証的な実施形態の分解平面図である。
【
図2C】本開示の主題による4終端バイアス型積層コンデンサの例証的な実施形態の分解斜視図である。
【
図2D】[008]本
図2A~2Cの例証的な実施形態による組み立てられたデバイスの全体的な側面、上面および端面斜視図である。
【
図2E】[009]本
図2A~2Dの例証的な実施形態の分路構成代表図である。
【
図2F】本
図2A~2Dの例証的な実施形態の直列構成代表図である。
【
図3A】[0010]本開示の主題による4終端同調可能縦続構成積層コンデンサの例証的な実施形態の断面図である。
【
図3B】本開示の主題による4終端同調可能縦続構成積層コンデンサの例証的な実施形態の分解平面図である。
【
図3C】本開示の主題による4終端同調可能縦続構成積層コンデンサの例証的な実施形態の分解斜視図である。
【
図3D】[0011]本
図3A~3Cの例証的な実施形態の分路構成代表図である。
【
図3E】本
図3A~3Cの例証的な実施形態の直列構成代表図である。
【
図4A】[0012]本開示の主題による4終端同調可能部分バイアス構成積層コンデンサの例証的な実施形態の断面図である。
【
図4B】本開示の主題による4終端同調可能部分バイアス構成積層コンデンサの例証的な実施形態の分解平面図である。
【
図4C】[0013]本
図4Aおよび4Bの例証的な実施形態の代表図である。
【
図5】[0014]ともに開示される例証的な製造装置実施形態で使用可能な、本開示の主題による例証的なチップ製造自動工程(CMAP)実施形態を表す図である。
【
図6】[0015]本開示の主題によるバイアス型非対称積層コンデンサの例証的な実施形態の断面図である。
【
図7】[0016]
図7Aは、本開示の主題によるバイアス型積層コンデンサの1:1比率重複型対称設計の例証的な実施形態の断面図である。
図7Bは、本開示の主題によるバイアス型積層コンデンサの1:1比率重複型対称設計の例証的な実施形態の部分分解斜視図である。
【
図8】[0017]本開示の主題によるバイアス型積層コンデンサの11:1比率非シールド型非対称設計の例証的な実施形態の断面図である。
【
図9】[0018]本開示の主題によるバイアス型積層コンデンサの11:1比率シールド型非対称設計の例証的な実施形態の断面図である。
【
図10】[0019]本開示の主題による組成ブレンドバイアス型積層コンデンサの例証的な実施形態の断面図である。
【
図11】[0020]
図11Aは、本発明のある実施形態において能動およびバイアス終端のために利用され得る対称方向を示す図である。
図11Bは、本発明のある実施形態において能動およびバイアス終端のために利用され得る対称方向を示す図である。
図11Cは、本発明のある実施形態において能動およびバイアス終端のために利用され得る対称方向を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0021]本明細書および添付の図面を通じた参照符号の反復使用は、本明細書および添付の図面の同じまたは類似の特徴、要素またはステップを表すものと意図される。
[0022]本考察が例証的な実施形態の記載であるだけであり、本発明のより広い態様を限定するとは意図されず、そのより広い態様が例証的な構造で具象化されるものと当業者によって理解されるはずである。
【0008】
[0023]概して言えば、本発明は、交互活性電極層間に介在される複数の誘電層を含む積層コンデンサを対象とする。誘電層の少なくとも一部分が、印加電圧の印加を受けて可変誘電率を呈する同調可能材料を含む。より詳細には、そのような材料は典型的に、約10%から約90%まで、いくつかの実施形態において約20%から約80%まで、およびいくつかの実施形態において約30%から約70%までの範囲内の「電圧同調性係数(voltage tenability coefficient)」を有し、「電圧同調性係数」は以下の一般式:
T=100×(ε0-εν)/ε0
に従って求められ、
式中、
Tは、電圧同調性係数であり、
ε0は、印加電圧なしの材料の静的誘電率であり、
ενは、印加電圧(DC)の印加後の材料の可変誘電率である。
【0009】
[0024]材料の静的誘電率は典型的に、約-55℃から約150℃に及ぶ動作温度(例えば、25℃)および約100Hzから約1GHzに及ぶ周波数(例えば、1kHz)でASTM D2149-13により求められるなど、約100から約25,000に、いくつかの実施形態において約200から約10,000に、およびいくつかの実施形態において約500から約9,000に及ぶ。もちろん、一般にコンデンサが利用される特定の用途に基づいて静的誘電率の具体的な値が選択されると理解されるべきである。増加したDCバイアスが適用されると、誘電率は一般に上記した範囲内で減少する。誘電率の所望の変化を誘発するために印加される同調電圧は一般に、25℃の温度でASTM D149-13により求められることができる、誘電体組成物が電界の印加を受けて導通するようになり始める電圧(「破壊電圧」)に対して変動してもよい。大抵の実施形態において、印加DCバイアス電圧は、誘電体組成物の破壊電圧の約50%以下、いくつかの実施形態において約30%以下、およびいくつかの実施形態において約0.5%から約10%までである。印加DCバイアス電圧は、例えば、約0.5から約100Vに、いくつかの実施形態において約1から約80Vに、およびいくつかの実施形態において約1から約50Vに及んでもよい。印加バイアス場は同様に、約0.2から約50V/μmに、いくつかの実施形態において約0.5から約40V/μmに、およびいくつかの実施形態において約0.5から約25V/μmに及んでもよい。
【0010】
[0025]種々の同調可能誘電材料のいずれも周知のように一般に利用されてもよい。特に適切な材料は、ペロブスカイト、タングステンブロンズ材料(例えば、ニオブ酸バリウムナトリウム)、層状構造材料(例えば、チタン酸ビスマス)など、塩基組成が1つまたは複数の強誘電塩基相(ferroelectric base phase)を含む誘電体である。適切なペロブスカイトは、例えば、チタン酸バリウムおよび関連する固溶体(例えば、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸バリウムカルシウム、など)、チタン酸鉛および関連する固溶体(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛ランタン)、チタン酸ナトリウムビスマス、などを含んでもよい。1つの特定の実施形態において、例えば、式Ba
xSr
1-xTiO
3のチタン酸バリウムストロンチウム(「BSTO」)が利用されてもよく、式中xは0から1まで、いくつかの実施形態において約0.15から約0.65まで、およびいくつかの実施形態において約0.25から約0.6までである。部分的または全体的にチタン酸バリウムストロンチウムの代わりに他の電子同調可能誘電材料が使用されてもよい。例えば、一例はBa
xCa
1-xTiO
3であり、式中xは約0.2から約0.8まで、およびいくつかの実施形態において約0.4から約0.6までである。他の適切なペロブスカイトは、Pb
xZr
1-xTiO
3(「PZT」)式中xが約0.05から約0.4に及ぶ、チタン酸鉛ランタンジルコニウム(「PLZT」)、チタン酸鉛(PbTiO
3)、チタン酸バリウムカルシウムジルコニウム(BaCaZrTiO
3)、硝酸ナトリウム(NaNO
3)、KNbO
3、LiNbO
3、LiTaO
3、PbNb
2O
6、PbTa
2O
6、KSr(NbO
3)およびNaBa
2(NbO
3)
5KHb
2PO
4を含んでもよい。まださらなる複合ペロブスカイトはA[B1
1/3B2
2/3]O
3材料を含んでもよく、式中AはBa
xSr
1-xであり(xは0から1までの値であることができる)、B1はMg
yZn
1-yであり(yは0から1までの値であることができる)、B2はTa
zNb
1-zである(zは0から1までの値であることができる)。
図10の例証的な実施形態に図示されるように、2つの端成分組成物を交互層に組み合わせることによって、目的の潜在的な誘電材料が形成され得る。そのような端成分組成物は化学的に類似していてもよいが、上述したようにA部位ドーパントの比率において異なってもよい。例えば、組成物1(
図10における132)
は一般式(A1
x,A2
(1-x))BO
3のペロブスカイト化合物でもよく、組成物2(134)は一般式(A1
y,A2
(1-y))BO
3のペロブスカイトでもよく、式中A1およびA2はBa、Sr、MgおよびCaからであり、潜在的なB部位部材はZr、TiおよびSnであり、「x」および「y」は各成分のモル分率を示す。化合物1に対する具体例は(Ba
0.8 Sr
0.2)TiO
3であってもよく、化合物2は(Ba
0.6 Sr
0.4)TiO
3であってもよい。これらの2つの化合物は、各材料の誘電性が重畳されるように、
図10に図示されるように、同調可能電極構造をもつ焼結積層コンデンサにおける交互層に組み合わされてもよい。所望により、ペロブスカイト材料はまた、5.0モルパーセント以下、およびより好ましくは0.1から1モルパーセントまでの量でなど、希土類酸化物(「REO」)がドープされてもよい。この目的に適切な希土類酸化物ドーパントは、例えば、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムを含んでもよい。
【0011】
[0026]利用される特定の材料に関係なく、同調可能誘電材料の使用は、バイアス終端を通してDCバイアス電圧を印加することによって、結果的なコンデンサの静電容量が同調されることを可能にすることができる。より詳細には、コンデンサは、第1の能動終端(例えば、入力終端)と電気接触している第1の活性電極の集合および第2の能動終端(例えば、出力終端)と電気接触している第2の活性電極の集合を含む。コンデンサは、第1のDCバイアス終端と電気接触している第1のDCバイアス電極の集合および第2のDCバイアス終端と電気接触している第2のDCバイアス電極の集合も含む。回路に設けられると、DC電源(例えば、バッテリ、定電圧電源、多出力電源、DC-DCコンバータ、など)は、異極性を有するという点で典型的に双極である第1および第2のバイアス終端を通してコンデンサにDCバイアスを提供することができる。電極および終端は、貴金属(例えば、銀、金、パラジウム、プラチナ、など)、卑金属(例えば、銅、スズ、ニッケル、など)などの他にそれらの様々な組合せなど、周知のように種々の異なる金属のいずれからも形成されてもよい。誘電層はそれぞれの活性電極とバイアス電極との間に介在される。
【0012】
[0027]必ずしも必要とされるわけではないが、能動およびDCバイアス終端がコンデンサの軸について対称に設けられることが典型的に所望される。例えば、1つの実施形態において、コンデンサは、縦方向に離間される対向した第1および第2の端領域ならびに横方向に離間される対向した第1および側領域を含んでもよい。ある実施形態において、能動終端はコンデンサのそれぞれの端領域に設けられてもよい一方、DCバイアス終端はコンデンサのそれぞれの側領域に設けられてもよい。対称に配置されると、能動終端および/またはDCバイアス終端は、コンデンサの幾何中心を通って延在する縦および/または横軸から等距離で離間されてもよい。
図11(a)を参照すると、例えば、互いに対して垂直であり、かつ幾何中心「C」を通って延在する縦軸「x」および横軸「y」を含むコンデンサ1000の1つの実施形態が図示される。この特定の実施形態において、コンデンサ1000は、それぞれ、コンデンサ1000の端領域に設けられ、かつ両軸「x」および「y」について中心付けられる第1および第2の能動終端1100および1120を含む。同様に、コンデンサ1000は、コンデンサ1000の側領域に設けられ、そのうえ両軸「x」および「y」について中心付けられる第1および第2のバイアス終端1140および1160を含む。
【0013】
[0028]ある実施形態において、コンデンサの同じ側に2つ以上の終端を設けることも所望されてもよい。
図11(b)において、例えば、同じ側領域に設けられる第1の能動終端2100および第2の能動終端2140を含むコンデンサ2000の1つの実施形態が図示される。コンデンサ2000は、能動終端の側領域の反対側の別の側領域に両方とも
設けられる第1のバイアス終端2160および第2のバイアス終端2120も含む。側領域にだけ設けられるにもかかわらず、能動終端2100および2140は、両方とも軸「x」および「y」から等距離で位置付けられるという点でやはり対称に配置される。同様に、バイアス終端2160および2120も軸「x」および「y」から等距離で設けられる。上述した実施形態において、第1の能動終端および第1のバイアス終端はそれぞれの第2の能動終端および第2のバイアス終端の反対側に位置付けられる。もちろん、これは決して必須ではない。
図11(c)において、例えば、それぞれ、斜め構成(offset configuration)で反対の側領域に設けられる第1および第2の活性電極終端3100および3160を含むコンデンサ3000が図示される。それでも、第1の能動終端3100および第2の能動終端3160は、両方とも軸「x」および「y」から等距離で位置付けられるという点でやはり対称に配置される。同様に、コンデンサ3000は、軸「x」および「y」からやはり等距離の斜め構成で反対の側領域に設けられる第1および第2のバイアス終端3120および3140も含む。
【0014】
[0029]利用される特定の構成に関係なく、本発明者らは、同調可能誘電材料の性質、能動終端およびバイアス終端の選択的制御により、静電容量および電圧値の広い範囲にわたって優れた同調性を呈するコンデンサが達成され得ることを発見した。
図1は、例えば、正規化バイアス電圧変化の範囲にわたって達成され得る静電容量の変化をグラフ形式で例示する。詳細には、横軸は、正規化バイアス電圧を、0%から150%までなど、デバイスの定格電圧の百分率としてグラフで示す。図示されるように、デバイス実効静電容量の対応する変化が、いかなるバイアスもなしの静電容量値からの百分率の変化として、縦軸にグラフで示される。そのような
図1のグラフによって図示されるように、正規化バイアス電圧量の150%の増加が、例示されるように、比較的直線的曲線に沿って、バイアスなし静電容量値の80%の減少に近づく。そのように、本開示の主題による電圧同調可能コンデンサデバイスは、使用条件の範囲にわたって効率を最大化するのを促進する。
【0015】
[0030]ある実施形態において、例えば、静電容量値は、従来可能であると思われてきたより広い値の範囲内で制御されてもよい。例えば、静電容量は0.5~50,000,000ピコファラド(「pF」)の範囲内で同調され得る。したがって、コンデンサは、100pF以上、いくつかの実施形態において約1,000pF以上、いくつかの実施形態において約10,000から約2,000,000pFまで、およびいくつかの実施形態において約100,000から1,000,000pFまでの値でなど、高静電容量が必要とされる用途で使用され得る。同様に、他の実施形態において、コンデンサは、100pF未満、いくつかの実施形態において約50pF以上、いくつかの実施形態において約0.5から約30pFまで、およびいくつかの実施形態において約1から約10pFまでの値でなど、低静電容量が必要とされる用途で使用され得る。静電容量が同調され得る程度は、所望の通り異なってもよい。例えば、静電容量は、その初期値の約10%から約100%まで、いくつかの実施形態において約20%から約90%まで、およびいくつかの実施形態において約30%から約80%までの値だけ調節されてもよい。静電容量は、1kHzまたは1MHzの周波数、約25℃の温度で、および500mVの固定振幅でAgilent 4294Aインピーダンスアナライザを使用して求められてもよい。
【0016】
[0031]ここで
図2A~2Dを参照すると、本発明により形成され得るコンデンサ10の1つの特定の実施形態がここでさらに詳細に記載される。図示されるように、コンデンサ10は、活性電極14および20の2つの別々の集合ならびにバイアス電極22および26の2つの別々の集合に対して交互に積み重ねられる複数の誘電層12を含む。コンデンサは、矩形形状体などの6面体でもよい。例示される実施形態において、第1の能動終端16が第1の活性電極14に電気的に接続され、第2の能動終端18が第2の活性電極20に電気的に接続される。第1のバイアス電極22は、コンデンサ10の側に延長する延長部材24(例えば、タブ)を介して第1のDCバイアス(+)終端30と電気的に接続
される。同様に、第2のバイアス電極26は、延長部材28を介して第2のDCバイアス(-)終端32と電気的に接続される。したがって、結果的なコンデンサ10は4つの別々の終端を含む。
図2Eおよび2Fは、本
図2A~2Dの例証的な実施形態の、それぞれ、分路構成および直列構成代表図を例示する。図示されるように、分路構成について、バイアス入力に対して接地34も設けられることが図示される。
【0017】
[0032]上述した実施形態において、活性電極は、各交互電極が反対側の終端に接続するように積み重ねられる。ある実施形態において、交互層は、活性電極の各集合が積重ね方式でよりもむしろ横に離間される「縦続」構成の使用を通じて同じ終端に接続されてもよい。そのような縦続コンデンサ49の1つの実施形態が
図3A~3Cに図示される。描かれるように、コンデンサ49は、活性電極36および40の2つの別々の集合ならびにバイアス電極46および50の2つの別々の集合に対して配置される複数の誘電層44を含む。例示される実施形態において、この例では、第1の能動終端38が第1の活性電極36と電気的に接続され、第2の能動終端42が第2の活性電極40に電気的に接続される。第1のバイアス電極46は、コンデンサ49の側に延長する延長部材48を介して第1のDCバイアス(-)終端54と電気的に接続される。同様に、第2のバイアス電極50は、延長部材52を介して第2のDCバイアス(+)終端56と電気的に接続される。
図3Dおよび3Eは、本
図3A~3Cの例証的な実施形態の、それぞれ、分路構成および直列構成代表図を例示する。図示されるように、分路構成について、バイアス入力に対して接地58も設けられる。
【0018】
[0033]
図4A~4Cは、本発明による部分縦続構成で形成されてもよいコンデンサ59の別の実施形態を例示する。コンデンサ59は、全活性静電容量領域の部分領域60だけがバイアスされる(
図4Aを参照のこと)ので、「部分縦続」と考えられる。例示されるようなバイアス浮遊電極の追加は、外部電圧の印加が、他の要因および特徴によって求められることになる全静電容量の誘電性を変化させるようにする。そのような図によって図示されるように、誘電層62が、活性電極64および66の第1および第2の集合、バイアス電極68および72の第1および第2の集合、ならびに複数の浮遊電極76に対して交互に積み重ねられてもよい。第1の活性電極64が第1の能動終端78と電気的に接続される一方、第2の活性電極66は第2の能動終端80と電気的に接続される。第1のバイアス電極68は、コンデンサ59の側に延長する延長部材70を介して第1のDCバイアス(+)終端82と電気的に接続される。同様に、第2のバイアス電極72は、延長部材74を介して第2のDCバイアス(-)終端84と電気的に接続される。
【0019】
[0034]本発明のさらに別の実施形態が
図7Aおよび7Bに図示される。この実施形態において、それぞれ、活性電極114および120の第1および第2の集合が、それぞれ、バイアス電極122および126の第1および第2の集合と交互の1:1比率パターンで積み重ねられる。それぞれの引出し線124および128が出願
図7Bの表現に例示される。
【0020】
[0035]上述した実施形態において、電極は一般に、第1の活性電極と第2の活性電極との間の距離(または誘電体厚)が第1のバイアス電極と第2のバイアス電極との間の距離と同じであるという点で「対称」構成で利用される。ある実施形態において、しかしながら、この厚さを変化させて「非対称」構成を達成することが所望されてもよい。例えば、第1および第2の活性電極間の距離は第1および第2のバイアス電極間の距離より小さくてもよい。さらに他の実施形態において、第1および第2の活性電極間の距離は第1および第2のバイアス電極間の距離より大きくてもよい。とりわけ、これは、所与のレベルの印加DCバイアスについて印加されるDC場を増加させてもよく、このことが所与のDCバイアス電圧に対する同調性のレベルを上昇させるであろう。そのような配置は、比較的より控え目なDC電圧に対する比較的より大きい同調性ならびに控え目な同調性をもつ(
潜在的により低い損失および温度/周波数変動性をもつ)材料の使用も可能にしてもよい。そのような非対称構成は種々の方法で達成され得るが、活性電極の各対間にさらなる「浮遊」バイアス電極を使用することが典型的に所望される。
図6を参照すると、例えば、それぞれ、第1および第2のバイアス電極122および126と併せて、それぞれ、第1および第2の活性電極114および120を含むそのような非対称コンデンサの1つの実施形態が図示される。
【0021】
[0036]
図8は、11番目の電極ごとにバイアス電極でなくて活性電極である(11:1の比率で設計される)任意の非対称コンデンサの別の実施形態を例示する。この場合には、各そのようなそれぞれのAC(または活性)電極は異極性のDC電極(例えば、バイアス電極)によって囲まれる。したがって、バイアス場はAC電極自体にわたって生成される。そのような構造はAC信号とDCバイアス電圧の両極性との間の容量結合も可能にし、逆もまた同じである。言い換えれば、あらゆるAC電極(
図8における214か220か)はバイアス電圧の両極性(222も226も)に容量結合され、あらゆるDC電極(222か226か)はAC電圧の両極性(214も220も)に結合される。
図9は、本開示の主題によるバイアス型積層コンデンサの11:1比率「シールド型」非対称設計の例証的な実施形態の断面図を例示する。この例は、AC電極の各それぞれの極性が一方の極性だけのDC電極によって囲まれることを除いては、
図8に図示される例と同様である。同極性のDC電極322および326間の材料は同調を有しないものであるが、DC電極はAC信号にシールドを潜在的に提供して、関連するノイズを低減させ、AC信号はAC電極314および320と関連付けられている。そのような配置は、あらゆるそれぞれの極性AC電極314および320が、それぞれ、それぞれのDC電極326および322の単極性に結合されるだけでもよく、逆にあらゆるそれぞれのDC電極326および322が、それぞれ、単極性AC電極314および320に結合されてもよいことも意味する。
【0022】
[0037]本開示の主題は、改善された電圧同調可能デバイスのための、例えばそのようなデバイスの生産の他に、関連する回路網と組み合わせたデバイスの使用を含む、関連および/または対応する方法を等しく包含する。さらなる例として、
図5は、ともに開示される例証的な製造装置実施形態と併せて使用可能な、チップ製造自動工程(CMAP)86を表す。図示されるように、工程86は、代表的に図示されるように、いくつかの例では、セラミックステーションまたは、スクリーンヘッドもしくはエレベータおよびコンベヤ機能の使用などの他のステップ/相が介在する3つのオーブンを伴う、いくつかの連続段階を含んでもよい。当業者は、連続ステップの正確な提供が、ともに開示される例証的なデバイス実施形態(またはその修正)のどれが生産されているかに依存するであろうと理解するであろう。また、示される個々のステップは、示された種類のステップを表すものとして意図されるだけであり、示されたステップの一般的性質を越えて他の態様の使用が必須であることを示すのではない。例えば、スクリーンヘッドステップは、電極層のスクリーン張合せのための電極ペーストとともにステンレス鋼スクリーンの使用を伴ってもよく、またはそのようなステップのための他の技術が実践されてもよい。例えば、交互の積重ねおよび積層(テープで)のより慣習的なステップが実施されてもよい。いずれの工程(またはその他)でも、当業者は、本開示の主題の所与の用途のために選択される特定の設計を生産するために、選択されるステップが実施されてもよいと認識するであろう。
【0023】
[0038]本発明のコンデンサは多種多様な用途で利用され得る。例えば、スイッチモード電源の発振周波数を同調するために回路網が可能にされてもよい。本発明のコンデンサの使用を通じて、比較的より控え目な同調性をもつが、潜在的により低い損失およびより低い温度/周波数変動性をもつ材料の使用を可能にしつつ、より控え目なDC電圧(すなわち、バイアス電圧)でより良好な同調性が選択的に得られることができる。他の適切な用途は、例えば、導波管、RF用途(例えば、遅延線)、アンテナ構造、フィルタ、整合ネ
ットワーク、共振回路および他の用途を含んでもよい。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の能動終端と電気接触している第1の活性電極および第2の能動終端と電気接触している交互の第2の活性電極と、
第1のDCバイアス終端と電気接触している第1のDCバイアス電極および第2のDCバイアス終端と電気接触している交互の第2のDCバイアス電極と、
前記交互の第1および第2の活性電極間に、ならびに前記交互の第1および第2のDCバイアス電極間に設けられる複数の誘電層であって、少なくとも一部分が、印加電圧の印加を受けて可変誘電率を呈する同調可能な誘電材料を含み、
前記誘電材料が、約10%から約90%までの電圧同調性係数を有し、前記電圧同調性係数が、以下の一般式:
T=100×(ε0-εν)/ε0
に従って求められ、
式中、
Tは、前記電圧同調性係数であり、
ε0は、印加電圧なしの前記誘電材料の静的誘電率であり、
ενは、印加電圧(DC)の印加後の前記誘電材料の前記可変誘電率である、
同調可能積層コンデンサ。
【請求項2】
前記誘電材料の前記静的誘電率が、25℃の動作温度および1kHzの周波数でASTM D2149-13により求められると、約100から約10,000までである、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記誘電材料が、1つまたは複数の強誘電塩基相を含む、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項4】
前記誘電材料が、
ペロブスカイト、タングステンブロンズ材料、層状構造材料、またはそれらの組合せである、請求項3に記載のコンデンサ。
【請求項5】
前記ペロブスカイトが、式BaxSr1-xTiO3のチタン酸バリウムストロンチウムを含み、式中xは0から1までである、請求項4に記載のコンデンサ。
【請求項6】
前記第1および第2のDCバイアス終端が、異極性を有する、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項7】
前記第1および第2の能動終端ならびに前記第1および第2のDCバイアス終端が、前記コンデンサについて対称に設けられる、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項8】
前記コンデンサが、縦方向に離間される対向した第1および第2の端領域ならびに横方向に離間される対向した第1および側領域を含む、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項9】
前記第1および第2の能動終端が、前記コンデンサのそれぞれの端領域に設けられ、前記DCバイアス終端が、前記コンデンサのそれぞれの側領域に設けられる、請求項8に記載のコンデンサ。
【請求項10】
前記第1および第2の能動終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間され、さらに前記第1および第2のDCバイアス終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間される、請求項9に記載のコンデンサ。
【請求項11】
前記第1の能動終端および第2の能動終端が、側領域に設けられ、かつ前記第1のDCバイアス終端および前記第2のDCバイアス終端が、両方とも前記能動終端の反対側の別の側領域に設けられる、請求項8に記載のコンデンサ。
【請求項12】
前記第1および第2の能動終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間され、さらに前記第1および第2のDCバイアス終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間される、請求項11に記載のコンデンサ。
【請求項13】
前記第1および第2の活性電極の終端が、斜め構成で反対の側領域に設けられ、さらに前記第1および第2のDCバイアス終端が、斜め構成で反対の側領域に設けられる、請求項8に記載のコンデンサ。
【請求項14】
前記第1および第2の能動終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間され、さらに前記第1および第2のDCバイアス終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間される、請求項13に記載のコンデンサ。
【請求項15】
前記コンデンサが、約100pF以上の静電容量値まで同調されることが可能である、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項16】
前記コンデンサが、約100pF未満の静電容量値まで同調されることが可能である、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項17】
前記第1のDCバイアス電極が、前記第1のDCバイアス終端に延長するタブを含むか、前記第2のDCバイアス電極が、前記第2のDCバイアス終端に延長するタブを含むか、またはその組合せである、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項18】
前記第1の活性電極と前記第2の活性電極との間の距離が、前記第1のDCバイアス電極と前記第2のDCバイアス電極との間の距離とおおよそ同じである、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項19】
前記第1の活性電極と前記第2の活性電極との間の距離が、前記第1のDCバイアス電極と前記第2のDCバイアス電極との間の距離より大きい、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項20】
前記第1の活性電極と前記第2の活性電極との間の距離が、前記第1のDCバイアス電極と前記第2のDCバイアス電極との間の距離より小さい、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項21】
請求項1に記載のコンデンサと、前記第1および第2のDCバイアス終端を通して前記コンデンサにDCバイアス電圧を供給する電源とを備える、回路。
【請求項22】
請求項1に記載のコンデンサを同調するための方法であって、前記第1および第2のDCバイアス終端を通して前記コンデンサにDCバイアス電圧を供給するステップを含む、方法。
【請求項23】
前記DCバイアス電圧が、前記コンデンサにおける前記誘電材料の破壊電圧の約50%以下である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記DCバイアス電圧が、約0.5から約100Vまでである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
同調可能積層コンデンサであって、
第1の能動終端と電気接触している第1の活性電極および第2の能動終端と電気接触している交互の第2の活性電極と、
第1のDCバイアス終端と電気接触している第1のDCバイアス電極および第2のDCバイアス終端と電気接触している交互の第2のDCバイアス電極と、
前記交互の第1および第2の活性電極間に、ならびに前記交互の第1および第2のDCバイアス電極間に設けられる複数の誘電層であって、少なくとも一部分が、印加電圧の印加を受けて可変誘電率を呈する同調可能な誘電材料を含み、
前記コンデンサは、縦方向に離間される対向した第1および第2の端領域と、横方向に離間される対向した第1および側領域とを含み、前記第1および第2の活性電極の終端は、斜め構成で反対側の側領域に設けられ、さらに、前記第1および第2のDCバイアス終端は斜め構成で反対側の側領域に設けられ、第1および第2の能動終端が、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間され、さらに、第1および第2のDCバイアス終端は、前記コンデンサの幾何中心を通って延在する縦軸および横軸から等距離で離間される、同調可能積層コンデンサ。
【請求項26】
前記誘電材料の静的誘電率が、25℃の動作温度および1kHzの周波数でASTM D2149-13により求められると、約100から約10,000までである、請求項25に記載のコンデンサ。
【請求項27】
前記誘電材料が、1つまたは複数の強誘電塩基相を含む、請求項25に記載のコンデンサ。
【請求項28】
前記誘電材料が、
ペロブスカイト、タングステンブロンズ材料、層状構造材料、またはそれらの組合せである、請求項25に記載のコンデンサ。
【請求項29】
前記ペロブスカイトが、式BaxSr1-xTiO3のチタン酸バリウムストロンチウムを含み、式中xは0から1までである、請求項25に記載のコンデンサ。
【請求項30】
前記第1および第2のDCバイアス終端が、異極性を有する、請求項25に記載のコンデンサ。
【請求項31】
前記コンデンサが、約100pF以上の静電容量値まで同調されることが可能である、請求項25に記載のコンデンサ。
【請求項32】
前記コンデンサが、約100pF未満の静電容量値まで同調されることが可能である、請求項25に記載のコンデンサ。
【請求項33】
前記第1のDCバイアス終端と前記第2のDCバイアス終端を通して前記コンデンサにDCバイアス電圧を供給することを含む、請求項25に記載のコンデンサを同調するための方法。
【請求項34】
前記DCバイアス電圧が、前記コンデンサにおける前記誘電材料の破壊電圧の約50%以下である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記DCバイアス電圧が、約0.5から約100Vまでである、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
同調可能積層コンデンサであって、
第1の能動終端と電気接触している第1の活性電極および第2の能動終端と電気接触している第2の活性電極と、
第1のDCバイアス終端と電気接触している第1のDCバイアス電極および第2のDCバイアス終端と電気接触している交互の第2のDCバイアス電極と、
前記第1および第2の活性電極間に、ならびに交互の前記第1および第2のバイアス電極間に設けられる複数の誘電層であって、少なくとも一部分が、印加電圧の印加を受けて可変誘電率を呈する同調可能誘電材料を含み、
第1集合は、前記同調可能積層コンデンサの厚さ方向に積層される前記第1の活性電極を含み、第2集合は、前記厚さ方向に積層される前記第2の活性電極を含み、
前記第1集合および前記第2集合は積層方向に直交する横方向に互いに離間して配置される、同調可能積層コンデンサ。
【外国語明細書】