(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031903
(43)【公開日】2022-02-22
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20220215BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200360
(22)【出願日】2021-12-09
(62)【分割の表示】P 2020556992の分割
【原出願日】2020-04-10
(31)【優先権主張番号】P 2019075145
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517081323
【氏名又は名称】高山 昌顕
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】高山 昌顕
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医師が患者を効率良く診察に誘導でき、かつ、患者のセルフケアを効率良く行えるようにする情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置であるサーバ1の健口年齢管理部107は、医師による患者の歯の診察を前提とする、医師により示される患者の歯の健康状態のレベルを年齢で表現した健口年齢により患者の歯の健康状態を管理する。健口点数管理部108は、患者が実践したセルフケアに応じて当該患者に付与される健口点数により患者の歯の健康状態を管理する。誘導部109は患者に付与される健口点数に応じて、患者に受診させるための誘導を行う。
【選択図】
図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の歯の健康状態を改善させる所定の処置を前提とする第1の指標に基づく第1の評価結果により前記患者の歯の健康状態を管理する第1管理手段と、
第2の指標に基づく第2の評価結果により前記ユーザの歯の健康状態を管理する第2管理手段と、
前記第2の評価結果に応じて、前記患者の歯の健康状態を改善させる所定の処置を行わせるための所定の誘導を、前記患者に対して行う誘導手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の指標は、前記患者の歯の健康状態のレベルを、年齢で表現した指標である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記誘導手段は、
前記患者に対して行う前記誘導に際して、前記年齢が一定以上になった場合に当該患者が負うこととなるリスクの内容を示す情報を提示する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに検査又は健康診断を受診させることを支援する技術や(特許文献1)、セルフケアについてのアドバイスを行う技術(特許文献2)は存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-81397号公報
【特許文献2】特開2019-200555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような分野では、医師が患者を効率良く診察に誘導でき、かつ、患者のセルフケアを効率良く行えるようにすることができる技術の開発が望まれている状況にある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、医師が患者を効率良く診察に誘導でき、かつ、患者のセルフケアを効率良く行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
患者の歯の健康状態を改善させる所定の処置を前提とする第1の指標に基づく第1の評価結果により患者の歯の健康状態を管理する第1管理手段と、
第2の指標に基づく第2の評価結果により前記患者の歯の健康状態を管理する第2管理手段と、
前記第2の評価結果に応じて、前記患者の歯の健康状態を改善させる所定の処置を行わせるための所定の誘導を、前記患者に対して行う誘導手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、医師が患者を効率良く診察に誘導でき、かつ、患者のセルフケアを効率良く行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の情報処理装置の第1実施形態に係るサーバを含む情報処理システムにより実現可能なサービスのうち、患者の来院時に適用されるサービスの一例の概要を示す図である。
【
図2】本サービスのうち、患者の手続を監視するサービスの一例の概要を示す図である。
【
図3】本サービスのうち、患者の手続を監視するサービスの一例の概要を示す図である。
【
図4】本サービスのうち、診察中に適用されるサービスの一例の概要を示す図である。
【
図5】本サービスのうち、精算処理時に適用されるサービスの一例の概要を示す図である。
【
図6】本サービスのうち、患者による医師等の評価時に適用されるサービスの一例の概要を示す図である。
【
図7】本サービスのうち、
図6の患者による医師等の評価結果に基づいて提供される各種サービスの一例の概要を示す図である。
【
図8A】
図7のサービスを利用する患者の患者端末に表示される画像の具体例として、トップページの例を示す図である。
【
図8B】
図7のサービスを利用する患者の患者端末に表示される画像の具体例として、医療機関の検索画面の例を示す図である。
【
図9A】
図7のサービスを利用する患者の患者端末に表示される画像の具体例として、医療機関の紹介文の例を示す図である。
【
図9B】
図7のサービスを利用する患者の患者端末に表示される画像の具体例として、医療機関情報の例を示す図である。
【
図10A】
図7のサービスを利用する患者の患者端末に表示される画像の具体例として、医療機関の評価情報の例を示す図である。
【
図10B】
図7のサービスを利用する患者の患者端末に表示される画像の具体例として、電話により予約を行う場合の画面の例を示す図である。
【
図11A】
図7のサービスを利用する患者の患者端末に表示される画像の具体例として、医療機関及び医師の評価情報の例を示す図である。
【
図11B】
図7のサービスを利用する患者の患者端末に表示される画像の具体例として、医師の評価情報の例を示す図である。
【
図12】
図7の本サービスに適用される情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の第1実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成を示す図である。
【
図13】
図12に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図14】
図12の情報処理システムにおける
図13のサーバの機能的構成のうち、評価支援処理を実現するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図15A】
図7のサービスの具体例として、患者端末に表示される診療券の例を示す図である。
【
図15B】
図7のサービスの具体例として、患者端末に表示される診療履歴の例を示す図である。
【
図16A】
図7のサービスの具体例として、患者端末に表示される評価入力画面の例を示す図である。
【
図16B】
図7のサービスの具体例として、患者端末に表示されるクーポンの例を示す図である。
【
図17A】
図7のサービスの具体例として、患者端末に表示される保有ポイントの例を示す図である。
【
図17B】
図7のサービスの具体例として、患者端末に表示されるポイント交換の例を示す図である。
【
図18】
図7のサービスの具体例として、医師端末に表示される予約管理画面の例を示す図である。
【
図19】
図7のサービスにおけるサービス提供者による利用停止措置の概要を示すイメージ図である。
【
図20】
図7のサービスにおいて、医療機関に患者が来院した際の受付の手法の具体例を示す図である。
【
図21】
図1乃至
図7のサービスが適用される医療施設の医師の診察に患者を誘導するためのサービスの一例の概要を示す図である。
【
図22】
図21のサービスを適用可能とする、第2実施形態に係る情報処理システムにおけるサーバの機能的構成のうち、誘導支援処理を実現するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図23A】
図21のサービスの具体例として、患者端末に表示される、健口年齢の照会画面の例を示す図である。
【
図23B】
図7のサービスの具体例として、患者端末に表示される、健口点数の照会画面の例を示す図である。
【
図24A】年齢測定アプリの具体例を示す図である。
【
図24B】年齢測定アプリの具体例を示す図である。
【
図24C】年齢測定アプリの具体例を示す図である。
【
図24D】年齢測定アプリの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
[第1実施形態]
まず
図1乃至
図7を参照して、本発明が適用される情報処理システム(後述する
図12参照)の適用対象となるサービスの概要について説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理装置の第1実施形態に係るサーバを含む情報処理システムにより実現可能なサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)のうち、患者の来院時に適用されるサービスの一例の概要を示す図である。
【0012】
患者Uが来院すると(ステップSS1)、医療施設Hの出入口Eに設置されたセンサ・カード検知器Sが来院を検知し、受付・手続端末Tが受付処理を開始する。
【0013】
患者Uが再診である場合には、患者Uのスマートフォン等から検知された患者UのID等の紐付処理が行われる。再診の患者Uが、既に発行済の診察券Kを受付・手続端末Tに挿入すると、診察券Kに保持された情報の読み取りが行われて、順番カードJが発行される(ステップSS2)。
【0014】
患者Uが初診である場合には、受付・手続端末Tが保険証Lに保持されたデータ(個人情報)の読み取りを行う(ステップSS3)。読み取られたデータ(個人情報)は、受付・手続端末Tから医療サーバBに送信されて患者Uの登録が行われる(ステップSS4)。
患者Uの登録が行われると、受付・手続端末Tは、ICチップが付された診察券K及び順番カードJを発行する。受付・手続端末Tにより発行される診察券にKは、患者Uの名前と、患者Uを一意に特定可能なID等のデータが保持されている。受付・手続端末Tは、診察券K及び順番カードJの発行後、所定時間が経過しても患者Uがこれらを受け取らない場合には、患者Uがこれを受け取るまで、警告音を発するとともに、画面上にその旨を表示する(ステップSS5)。
【0015】
図2及び
図3は、本サービスのうち、患者の手続を監視するサービスの一例の概要を示す図である。
【0016】
図2に示すように、本サービスでは、受付・手続端末Tにより順番カードJが発行されると、センサ・カード検知器Sにより検知される順番カードJの位置の移動が監視される(ステップSS6)。また、院内における各種の手続(診察、処置、検査、診療端末への入力、処方、支払い等)の完了を示すフラグが監視される(ステップSS7)。各種の手続が所定の順番で行われていない場合には、所定の警告が行われる。ここで、院内における各種の手続は、患者Uのスマートフォン等にインストールされる、本サービス専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「患者アプリ」と呼ぶ)による案内・誘導が行われてもよい。
【0017】
図3に示すように、センサ及びカード検知器による検知の結果、院内において予定された各種の手続がすべて完了している場合には、患者Uが医療施設を退出しようとすると、施錠状態にあった出入口が解錠される(ステップSS8)。これに対して、センサ及びカード検知器による検知の結果、院内において予定された各種の手続がすべて完了していない場合には、患者Uが医療施設を退出しようとすると、出入口は施錠されたままとなり、患者Uは退出することができない。また、それとともに、所定の警告(患者Uのスマートフォン等への警告、及び院内関係者への報知)が行われる(ステップSS9)。
【0018】
図4は、本サービスのうち、診察中に適用されるサービスの一例の概要を示す図である。
【0019】
図4に示すように、本サービスでは、医療施設Hに対する電話での予約変更又は問合せに対し、院内の受付担当者Rや医師Dが電話に出ることができない場合には、コールセンターCに転送されて受付がなされる(ステップSS10)。
コールセンターCでは、予約の変更やキャンセルの受け付けが行われる(ステップSS11)。また、必要に応じて医師Dに対するメッセージの送信や、対応可能な医師Dへの通話の切り替え等が行われる(ステップSS12)。
【0020】
図5は、本サービスのうち、精算処理時に適用されるサービスの一例の概要を示す図である。
【0021】
図5に示すように、本サービスでは、精算処理のキャッシュレス化が実現されている。具体的には、受付・手続端末において、精算処理として、次回の来院登録、及び診察料の収受の処理等が行われる(ステップSS13)。診療料の収受の処理では、診察料の決済が確認されると、領収書が発行されて、次回の診察の予約が可能となる(ステップSS14)。また、薬が処方されている場合には、処方箋が発行されて、次回の診察の予約が可能となる(ステップSS15)。
ここで、患者Uが子供である場合や、患者Uに後見人がいる場合には、患者U本人ではなく支払責任者による精算処理が行われる(ステップSS16)。この場合、医療施設H内における精算処理のみならず、遠隔地など院外における精算処理も可能となる。
【0022】
図6は、本サービスのうち、患者による医師等の評価時に適用されるサービスの一例の概要を示す図である。
【0023】
図6に示すように、本サービスでは、診察後の患者Uによる診察に対する評価が受け付けられる。具体的には、患者Uは、患者アプリを利用して診察の評価を行う(ステップSS17)。
評価対象としては、例えば、総合評価、担当医に対する評価、受付担当者や助手に対する評価等が含まれる。総合評価の評価項目としては、医療施設全体に対する評価等が含まれる。担当する医師Dに対する評価の評価項目としては、患者Uに対する態度、清潔感、診察の内容、診察時間等が含まれる。受付担当者や助手に対する評価の評価項目としては、患者Uに対する態度、清潔感、担当する仕事の内容等が含まれる。
評価の手法としては、例えば5段階評価(非常に良かった、良かった、ふつう、悪かった、とても悪かった)等が採用される。患者Uによる評価の内容は記録されて(ステップSS18)、患者Uによる情報検索の対象となる情報として活用されたり、患者Uと医師Dとのマッチングサービスのための情報として活用されたりする。
【0024】
図7は、本サービスのうち、
図6の患者による医師等の評価結果に基づいて提供される各種サービスの一例の概要を示す図である。
【0025】
図6の患者Uによる医師Dに対する評価等の結果に基づいて提供される各種サービスには、例えば
図7に示すように、患者向けサービスと、医師等向けサービスと、技工所向けサービスと、材料販売者向けサービスとが含まれる。
【0026】
患者向けサービスは、患者Uを支援するためのサービスであり、具体的には、予約サービスと、検索サービスとが含まれる。
【0027】
患者向けサービスのうち予約サービスは、患者Uが診療を受けるための予約を支援するサービスである。
予約サービスによれば、患者Uは、患者アプリを利用して本サービスへの登録を行う。そして、患者Uは、患者アプリを利用して、診療を希望する医療機関や医師D、来院の日時、診療内容等の情報を入力することで容易に予約を行うことができる。
患者Uは、本サービスに登録する際、患者Uに関する情報(以下、「患者情報」と呼ぶ)として、例えば患者Uの撮像画像、氏名、性別、生年月日、郵便番号、住所、電話番号、職業、患者Uを一意に識別する情報、パスワード等を入力する。患者Uの患者情報は、サーバ1の患者DB184に記憶されて管理される。ここで、患者Uを一意に識別する情報としては、例えばIDとしてのメールアドレス等を設定することとし、当該IDにカルテの番号を紐付けるようにしてもよい。
また、患者Uが予約を行う際に入力する情報に診療に係る「場所」や「設備」を含めることができる。これにより、例えば予約を行う患者Uが、介護施設等の施設に入所している高齢者である場合には、患者Uは、希望する医師Dによる当該施設への訪問診療のリクエストを容易に行うことができるようになる。また、患者Uが、特殊な設備(例えば医療機器)を用いた診療を行う必要がある場合には、その条件を満たす医師Dや医療機関のリクエストを容易に行うことができるようになる。
【0028】
また、予約サービスでは、予約の対象となる医療機関で診療を受けた患者Uによる、医師Dの診療に対する評価が受付けられる。当該評価に関する情報(以下、「評価情報」と呼ぶ)は、サーバ1の評価DB183に記憶されて管理される。
ここで、「評価情報」には、患者U毎の医師Dに対する評価として、診療毎の評価や、医師Dに対する総合的な評価、その他評価についてコメント等諸々の評価が含まれる。具体的には例えば、医師Dについての口コミや複数段階の評価(例えば5段階評価)等が評価情報に含まれる。
即ち、患者Uは、医療関で診療を受けた後に当該医療機関で再受診するための予約をするに際し、当該診療に対する評価を入力することができる。ここで、「診療に対する評価」には、医療機関に対する患者Uの評価の他、当該医療機関に属する医師D(診療を受けた医師D)の個人に対する患者Uの評価を含めることができる。
患者Uの評価は、患者Uが予約サービスを利用して診療の予約を行う際の必須事項としてもよいし、評価を行った患者Uに対し何らかのインセンティブが供与されるようにしてもよい。これにより、患者Uの評価の件数を増やすことができるので、他の患者Uにとっての参考情報として有効活用することができる。
【0029】
患者向けサービスのうち検索サービスは、患者Uによる医療機関や医師Dの検索を支援するサービスである。検索サービスによれば、患者Uは、患者アプリを利用して、例えば診療を希望する地域や、利用を希望する医療設備等を入力するだけで、希望にマッチする又はマッチする度合が高い医療機関や医師Dを容易に検索することができる。
【0030】
具体的には例えば、患者Uは、医師Dや医療機関について、1以上の要素に基づく要望を指定して検索することで、その要望を満たす医師Dや医療機関に関する情報を取得することができる。「要素」としては、例えば、医師Dとしての腕(能力)、専門分野、学歴、話し方、性格、性別、年齢、容姿等を含めることができる。
患者Uが医師Dに求めるものは、その患者Uの価値観によって夫々異なるものである。そこで、患者Uは、複数の要素の中から自身の価値観に合う1以上の要素を選択して、医師Dや医療機関を検索することができる。
例えば、患者Uが選択できる要素としては、医師Dの性別や出身大学等が存在する。即ち、患者Uによっては医師Dに対して腕(能力)のみを求め、ぶっきらぼうな話し方であっても構わないという者もいれば、医師Dに対して患者への接し方を特に重視する者もいる。また、○○大学を卒業した医師Dでなければ受診したくないという患者Dもいるし、絶対に女性の医師Dでなければ受診したくないという患者Dもいる。或いはまた、年齢は30代で性格が優しく人当たりの良い○○大学を卒業した容姿の良い男性の医師Dであれば受診してもよいという者もいる可能性がある。
本サービスによれば、このように複数の要素の中から患者Uにより選択された1以上の要素に基づく検索を行うことができるので、当該患者Uの要望に合わせた医療機関や医師Dを検索することができる。
【0031】
検索結果として患者Uに提示される情報には、希望にマッチする又はマッチする度合が高い医療機関や医師Dを一意に識別する情報(例えばID等)とともに、他の患者Uによる医療機関や医師Dに対する評価の内容が提示される。これにより、検索サービスを利用する患者Uは、他の患者Uによる各種評価の内容や、後述する医師情報を参考にして、予約する医療機関や医師Dを具体的に決定することができる。
【0032】
医師等向けサービスは、患者Uの診療を行う医師D、及び医師Dの卵である医学部の学生を支援するサービスであり、具体的には例えば、医師登録サービスと、検索サービスとが含まれる。
【0033】
医師等向けサービスのうち医師登録サービスは、本サービスを利用しようとする医師D及び学生の本サービスへの登録を支援するサービスである。
医師登録サービスによれば、医師Dや学生は、医師端末3にインストールされた専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「医師等アプリ」と呼ぶ)を利用することができる。医師Dや学生は、医師等アプリを利用して、本サービスへの登録に必要となる情報(以下、「医師登録情報」と呼ぶ)を入力することで容易に本サービスに登録することができる。
ここで、医師登録情報は、特に限定されないが、例えば医師D個人に関する情報として、医師Dの撮像画像、氏名、生年月日、出身地、居住地、出身校(例えば大学、高校、中学校、小学校)、所属していたクラブ、趣味、婚姻、家族構成、親族(例えば親、兄弟)の職業や最終学歴、SNS(Social Networking Service)のアカウント等を含めることができる。また、登録情報に、医師Dが得意とする科目を含めることができる。具体的には例えば、医師Dが歯科医である場合には、得意な科目として、インプラント、矯正、ホワイトニング、根管処置、入れ歯、審美歯科等を含めることができる。
なお、医師登録情報は、患者Uが利用する検索サービスの検索対象(上述の要素)として活用されるので、より詳細な情報であることが好ましい。登録情報が詳細であればあるほど医師Dの人となりを判断することに役立つので、患者Uの検索サービスを充実させることが可能となる。
【0034】
また、登録サービスでは、医師Dが所属する医療機関に関する情報(以下、「医療機関情報」と呼ぶ)として、医療機関の撮像画像、名称、住所、電話番号、アクセス方法、紹介文、特徴、診療内容等が登録される。なお、医療機関情報は、サーバ1の医療機関DB182に記憶されて管理される。
【0035】
また、登録サービスを利用する医師Dは、自身や自身が所属する医療機関に対する患者Uからの評価を参照することができる。具体的には例えば、医師Dは、過去に行った診療毎に患者Uからの評価を参照することができる。
これにより、医師Dは、悪い評価であったとしても、それを参考にして改善すべき点を改善することで、スキルアップを図ることができる。一方、医師Dは、良い評価が得られた場合には、それを診療の励みにすることができる。
【0036】
また、登録サービスを利用する医師Dは、医師登録情報とは別に、自身の診療の履歴を診療履歴情報として本サービスに登録することができる。
診療履歴情報には、医師Dによる患者Uに対する具体的な治療内容等が含まれる。
診療履歴情報は、医師登録情報とともに、患者Uが利用する検索サービスの検索対象(検索に用いられる各種要素)として活用されるので、より詳細な情報であることが好ましい。診療履歴情報が詳細であればあるほど医師Dの腕(能力)を判断することに役立つので、患者Uの検索サービスを充実させることが可能となる。
なお、本サービスを利用する医師Dにより登録される、医師Dの医師登録情報及び診療履歴情報は、医師Dに関する情報(以下、「医師情報」)に含まれる情報として、いずれもサーバ1の医師DB181に記憶されて管理される。
【0037】
また、登録サービスには、SNS機能を含めることができる。
これにより、本サービスを利用する医師Dや学生は、日々の出来事を、動画や写真等とともに日記やコメントとしてアップロードすることができる。また、医師Dや学生は、本サービスを利用する他の医師Dや他の学生を「友達」として追加することができる。
その結果、医師Dは、例えばサークルに参加することで横の繋がりを作ることができる。また、学生は、医師Dも参加するサークルや会合に参加したり、本サービスを利用する他の学生や医師Dを「友達」として追加したりすることで、医師Dになる前の早い段階から横の繋がりを作ることができる。
【0038】
医師等向けサービスのうち検索サービスは、医師Dによる技工所の検索や、技工物を製作するための材料(以下、単に「材料」と呼ぶ)の管理を支援するサービスである。
検索サービスによれば、医師Dは、医師等アプリを利用して、例えば技工物の製作等を行う技工所がカバーする地域や、製作を依頼したい技工物の数量等を入力する。これにより、医師Dは、希望にマッチする又はマッチする度合が高い技工所を容易に検索することができる。
検索結果として医師Dに提示される情報には、希望にマッチする又はマッチする度合が高い技工所を一意に識別する情報(例えばID等)とともに、他の医師Dによる技工所に対する評価の内容が提示される。これにより、検索サービスを利用する医師Dは、他の医師Dによる各種評価の内容を参考にして、技工物の発注対象となる技工所を具体的に決定することができる。
【0039】
また、検索サービスによれば、医師Dは、医師等アプリを利用して、材料のカテゴリや数量等を入力する。これにより、医師Dは、希望にマッチする又はマッチする度合が高い、材料を販売する者(以下、「材料販売者」と呼ぶ)を容易に検索することができる。
検索結果として医師Dに提示される情報には、希望にマッチする又はマッチする度合が高い材料販売者を一意に識別する情報(例えばID等)とともに、他の医師Dによる材料販売者に対する評価の内容が提示される。これにより、検索サービスを利用する医師Dは、他の医師Dによる各種評価の内容を参考にして、材料の発注対象となる材料販売者を具体的に決定することができる。
また、検索サービスを利用する医師Dは、材料販売者に対する定期発注を確立させることができる。具体的には例えば、材料の最低保管量を予め設定しておくことで、材料の保管料が最低保管量を下回る前に自動発注が行われるようにすることもできる。
【0040】
技工所向けサービスは、技工所を支援するサービスである。技工所は、医師Dや医療機関からの技工物の製作の発注を受注する。技工所向けサービスによれば、技工所は、技工所端末4にインストールされた専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「技工所アプリ」と呼ぶ)を利用して、受注先である医師Dや医療機関に関する情報を確認することができる。具体的には、技工所は、技工所アプリを利用して、自身の受注状況や作業状況等を示す情報(以下、「技工所情報」と呼ぶ)を登録することで、技工所の混雑状況を開示することができる。これにより、医師Dからの発注を効率よく受注することができる。なお、登録された技工所情報は、技工所DB185に記憶されて管理される。
【0041】
材料販売者向けサービスは、材料販売者を支援するサービスである。技工所は、医師Dや医療機関からの材料の発注を受注する。材料販売者向けサービスによれば、材料販売者は、材料販売者端末にインストールされた専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「材料販売者アプリ」と呼ぶ)を利用して、受注先である医師Dや医療機関に関する情報を確認することができる。具体的には、材料販売者は、材料販売者アプリを利用して、材料に関する情報(以下、「材料情報」と呼ぶ)を事前に登録しておくことで、自動受注を行うことができる。なお、登録された材料情報は、材料DB186に記憶されて管理される。
【0042】
このように、本サービスによれは、患者U、医師D、医療機関、技工所、及び材料販売者の夫々を支援することが可能となるため、患者U、医師D、医療機関、技工所、及び材料販売者は各種各様のメリットを享受することができるようになる。
【0043】
以上をまとめると、本サービスによれば、患者Uは、以下のようなメリットを享受することができる。即ち、患者Uは、近くの医療機関や医師Dを容易に検索することができるとともに、空き情報を容易に確認することができる。患者Uは、患者端末2を診療券として使用して予約を行うことができる。患者Uは、自身の診療履歴を確認することができるし、自身の診療に対する評価を行うことができる。患者Uは、本サービス独自、又は他のサービスでも利用可能なポイント等のインセンティブが付与される。また、患者Uは、付与されたポイントを医療機関の特典等と交換することができる。
【0044】
また、本サービスによれば、医師Dや医療機関は、以下のようなメリットを享受することができる。即ち、医師Dや医療機関は、検索や紹介を行うことができる。医師Dや医療機関は、予約管理、及び患者Uの管理を容易に行うことができる。医師Dや医療機関は、自身に対する患者Uの評価を確認することができる。医師Dや医療機関は、医療機関独自の特典を提供することができ、他の医療機関と差別化を図ることができる。
【0045】
図8A乃至
図11Bは、本サービスを利用する患者の患者端末に表示される画像の具体例を示す図である。
【0046】
図8Aには、患者端末2に表示されるトップ画面の一例として、患者Uが歯科医院で歯の治療を行おうとしている場合の例が示されている。
図8Aに示すように、患者端末2は、表示領域F1及びF2で構成されている。表示領域F1には、本サービスの名称や、患者アプリの名称等が表示される。表示領域F2には、「会員登録」と表記されたボタ-ンと、「近くの歯科を探す」と表記されたボタンと、「ログイン」と表記されたボタンと、「アプリに移行」と表記されたボタンとが表示されている。
「会員登録」と表記されたボタンが押下されると、本サービスに登録するための患者情報を入力するための画面(図示せず)に画面遷移する。「会員登録」と表記されたボタンは、はじめて患者アプリを利用する患者Uにより押下されるボタンである。
「近くの歯科を探す」と表記されたボタンが押下されると、
図8Bに示す、歯科医院を探すための画面に画面遷移する。「近くの歯科を探す」と表記されたボタンは、患者Uの所在地付近に所在する歯科医院を地図上に表示させるためのボタンである。なお、「近くの歯科を探す」と表記されたボタンは、会員登録を行う前であっても押下することで地図を表示させることができるが、地図上に表示された歯科医院の予約をとる場合や、口コミ(評価)を閲覧する場合には、会員登録が必要となる。
なお、「近くの歯科を探す」という検索方式は、あくまで任意であり限定されない。本サービスの提供者は、例えば、「現在地から検索」、「都道府県から検索」、「駅名から検索」、「サービスの内容から検索」、「キーワードから検索」、「○○設備から検索」等の各種検索方式を採用することができる。
「ログイン」と表記されたボタンが押下されると、本サービスにログインするための入力画面(図示せず)に画面遷移する。「ログイン」と表記されたボタンは、既に会員登録されている患者Uより押下されるボタンである。
「アプリに移行」と表記されたボタンが押下されると、これまで紙等の診療券を用いて診療を受けていた患者Uが、患者アプリを利用して診療の予約を行うことができるようにするための手続き(以下、「アプリ移行手続」と呼ぶ)を行う画面(図示せず)に画面遷移する。アプリ移行手続を行う画面には、例えば、本サービスにより歯科医院に付与された歯科医院を一意に識別する情報(例えばID等)、紙等の診療券に記載されている診療券番号、アプリ移行手続を行う患者Uの患者情報を紐付ける、当該患者Uを一意に識別する情報(例えば引き継ぎID)等が表示される。「アプリに移行」と表記されたボタンは、患者Uを一意に識別する情報(例えば引き継ぎID)を既に持っている患者Uより押下されるボタンである。
【0047】
図8Bには、患者端末2に表示されるトップ画面のうち、「近くの歯科を探す」と表記されたボタンが押下されたときに患者端末2に表示される画面の一例が示されている。
図8Bに示すように、表示領域F1には、「近くの歯科を探す」という表題が表示される。表示領域F2には、患者Uの所在地付近の歯科医院を示すアイコン等が地図上に表示される。患者Uは、地図上に表示された歯科医院を示すアイコン等を押下することで歯科医院を指定し、その歯科医院の情報を容易に確認することができる。さらに、患者Uは、必要に応じて診療の予約を容易に行うことができる。
なお、地図上にアイコン等で表示された歯科医院のうち、患者Uにより押下されることで指定された歯科医院のことを、以下、「指定歯科医院」と呼ぶ。
【0048】
図9Aには、地図上にアイコン等で表示された歯科医院が押下されたときに、患者端末2に表示される画面の一例が示されている。
図9Aに示すように、表示領域F1には、指定歯科医院の具体的な名称等が表示される。表示領域F2には、指定歯科医院のスタッフの撮像画像と、指定歯科医院の紹介文と、「詳細を見る」と表記されたボタンと、「口コミを見る」と表記されたボタンとが表示されている。
患者Uは、表示領域F2に表示された指定歯科医院の紹介文を読み、さらに詳細な情報を見たいと思った場合には、「詳細を見る」と表記されたボタンを押下する。「詳細を見る」と表記されたボタンが押下されると、
図9Bに示すような、指定歯科医院の医療機関情報が表示される。
また、患者Uは、指定歯科医院の口コミ(評価)を見たいと思った場合には、「口コミを見る」と表記されたボタンを押下する。「口コミを見る」と表記されたボタンが押下されると、
図10Aに示すような、指定歯科医院の評価情報(口コミ)が表示される。具体的には、表示領域F1に「口コミ」という表題が表示される。表示領域F2には、患者Uによる指定歯科医院の5段階評価の結果と、口コミの総数と、患者U毎の評価(口コミ、及び5段階評価)の内容とが表示される。
【0049】
図9Bに戻り、
図9Bには、
図9Aの表示領域F2に表示されている「詳細を見る」と表記されたボタンが押下されたときに患者端末2に表示される画面の一例が示されている。
図9Bに示すように、表示領域F1には、指定歯科医院の具体的な名称等が表示される。表示領域F2には、指定歯科医院の医療機関情報が表示される。
図9Bには、指定歯科医院の医療機関情報の一例として、診療内容と、受付時間と、アクセス方法と、「Webで予約」と表記されたボタンと、「電話で予約」と表記されたボタンとが表示されている。
患者Uは、表示領域F2に表示された指定歯科医院の医療機関情報を読み、でWeb予約を行いたいと思った場合には、「Webで予約」と表記されたボタンを押下する。「Webで予約」と表記されたボタンが押下されると、問診票の入力画面(図示せず)が表示される。患者Uにより問診票の入力が完了すると、予約内容を確認して決定するための画面が表示され、予約決定を示すボタン(図示せず)が押下されることで予約が完了する。
ここで、患者Uは、初診ではなく再診である場合には、予約とともに過去の診療の評価を行うことができる。
【0050】
また、患者Uは、表示領域F2に表示された指定歯科医院の医療機関情報を読み、電話で予約を行いたいと思った場合には、「電話で予約」と表記されたボタンを押下する。「電話で予約」と表記されたボタンが押下されると、
図10Bに示すダイヤル画面が表示される。
図10Bに示すダイヤル画面の表示領域F1には、指定歯科医院の名称が表示される。表示領域F2には、指定歯科医院の電話番号及び通話ボタン等が表示される。これにより、患者Uは、指定歯科医院に直接電話をかけて予約を取ることができる。
【0051】
以上の例では、患者Uは、診療の予約を取るか否か等を判断する場合において、
図10Aに示すような指定歯科医院の評価情報(口コミ)を参考にしていた。
しかしながら、患者Uの中には、医療機関の単位ではなく、医師Dの単位で診療の予約を取ることを要望する者も存在する。このような要望に応えるべく、患者端末2は、
図11Aや
図11Bに示すような画面を表示させることもできる。
図11Aに示す画面では、指定歯科医院(○○ガーデン歯科)の評価情報として、指定歯科医院の5段階評価の結果(平均評価結果)と、口コミ件数の総数と、患者U毎の5段階評価の結果(各評価結果)とが表示される。
さらに、
図11Aに示す画面では、当該指定歯科医院(○○ガーデン歯科)に属する医師D(同図の例ではA医師乃至C医師)の夫々についての5段階評価の結果(平均評価結果)と、口コミ件数の総数とが表示される。
図11Bには、各患者U(同図の例ではa患者乃至d患者)の夫々により投稿された口コミについて、その実際の内容が表示される。
このように、患者Uは、医療機関の単位のみならず医師Dの単位で、評価の結果や口コミの内容等を容易に確認することができる。その結果、患者Uは、自身にとってより好適な診療を受ける(又はその予約を取る)ことができる。
【0052】
さらに、患者Uは、診療(又はその予約)の対象を、医療機関を主軸とせずに医師Dを主軸とすることで、各種各様な検索等を実行することができる。
例えば、患者Uは、各種各様な観点で、医師Dの評価に基づく医師Dのランキングに基づいて、各種各様な検索等を実行することができる。
具体的には例えば、患者Uは、住んでいる場所から10km以内に存在する医師Dのランキングに基づいて、診療(又はその予約)の対象として所望の医師Dを決定することができる。
【0053】
次に、
図12を用いて上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図12は、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【0054】
図12に示す情報処理システムは、サーバ1と、患者端末2-1乃至2-nと、医師端末3-1乃至3-mと、技工所端末4と、販売者端末5とを含むように構成されている。
サーバ1、患者端末2-1乃至2-n、医師端末3-1乃至3-m、技工所端末4、及び販売者端末5の夫々は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0055】
サーバ1は、サービス提供者Gにより管理され、患者端末2-1乃至2-n、医師端末3-1乃至3-m、技工所端末4、及び販売者端末5と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0056】
患者端末2-1乃至2-nは、患者U1乃至Unの夫々により操作される情報処理装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。なお、患者端末2-1乃至2-n、患者U1乃至Unの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「患者端末2」、「患者U」の夫々と呼ぶ。
【0057】
医師端末3-1乃至3-mは、医師D1乃至Dmの夫々により操作される情報処理装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。なお、医師端末3-1乃至3-m、医師D1乃至Dmの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「医師端末3」、「医師D」の夫々と呼ぶ。
【0058】
技工所端末4は、技工所において操作される情報処理装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
【0059】
販売者端末5は、材料販売者により操作される情報処理装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
【0060】
図13は、
図12に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0061】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0062】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0063】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0064】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を出力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば
図12の患者端末2、医師端末3、技工所端末4、及び販売者端末5等)との間で通信を行う。
【0065】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0066】
なお、図示はしないが、
図12の患者端末2、医師端末3、技工所端末4、及び販売者端末5も、
図13に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、患者端末2、医師端末3、技工所端末4、及び販売者端末5の構成の説明については省略する。
【0067】
次に、このようなハードウェア構成を持つサーバ1の機能的構成について、
図14を参照して説明する。
図14は、
図12の情報処理システムにおける
図13のサーバ1の機能的構成のうち、評価支援処理を実現するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0068】
「評価支援処理」とは、上述の本サービスにおける、医師Dや医療機関に対する患者Uによる評価を支援するための処理をいう。
【0069】
図14に示すように、サーバ1のCPU11(
図13)においては、評価支援処理が実行される場合には、評価受付部101と、管理部102と、要望受付部103と、抽出部104と、提示部105と、インセンティブ部106とが機能する。
なお、記憶部18(
図13)の一領域には、医師DB181と、医師DB182と、評価DB183と、患者DB184と、技工所DB185と、材料DB186とが設けられている。
【0070】
評価受付部101は、医師Dに対する患者Uによる評価を受付ける。
具体的には、評価受付部101は、医師Dの診療を受けた1以上の患者Uの夫々が、患者端末2を操作することにより、当該医師Dに対する評価を行った場合に、当該評価を受付ける。
【0071】
また、評価受付部101は、技工所に技工品を発注した1以上の医師Dの夫々が、医師端末3を操作することにより、当該技工所に対する評価を行った場合に、当該評価を受付ける。
また、評価受付部101は、材料販売者に材料を発注した1以上の医師Dの夫々が、医師端末3を操作することにより、当該材料販売者に対する評価を行った場合に、当該評価を受付ける。
【0072】
管理部102は、評価受付部101により受付けられた、医師Dに対する患者Uによる評価情報を少なくとも含む医師Dの医師情報を、n人(nは1以上の整数値)の医師D毎に管理する。
具体的には、管理部102は、n人の医師Dの夫々の医師情報を医師DB181に記憶させて管理する。また、管理部102は、n人の医師Dの夫々に対する1以上の患者Uの夫々による評価を、n人の医師Dの夫々の評価情報として評価DB183に記憶させて管理する。
【0073】
また、管理部102は、1以上の技工所の夫々により、技工所端末4を介して登録された技工所情報を技工所DB185に記憶させて管理する。また、管理部102は、1以上の技工所の夫々に対する1以上の医師Dの夫々による評価を、1以上の技工所の夫々の評価情報として評価DB183に記憶させて管理する。
また、管理部102は、1以上の材料販売者の夫々により、販売者端末5を介して登録された登録された材料情報を材料DB186に記憶させて管理する。また、管理部102は、1以上の材料販売者の夫々に対する1以上の医師Dの夫々による評価を、1以上の材料販売者の夫々の評価情報として評価DB183に記憶させて管理する。
【0074】
要望受付部103は、所望の医師Dによる診療を希望する患者Uの要望を受付ける。
具体的には、要望受付部103は、患者Uが患者端末2を操作することで、診療を希望する医師Dに関する要望が入力された場合に、その入力内容に基づく情報(以下、「患者要望情報」と呼ぶ)を受付ける。
【0075】
抽出部104は、管理部102によりn人の医師D毎に医師DB181に記憶されて管理されている医師情報の少なくとも一部と、要望受付部103により受付けられた患者要望情報とに基づいて、管理部102により管理されているn人の医師Dのうち、患者Uに提示する対象となるm人(mはn以下であって0以上の整数値)の医師Dを抽出する。
【0076】
提示部105は、抽出されたm人の医師Dの夫々についての医師情報に基づく情報を患者Uに提示する。
具体的には、提示部105は、抽出部104により医師DB181から抽出されたm人の医師Dの夫々についての医師情報に基づく情報を患者Uに提示する。
ここで、「医師情報に基づく情報」には、医師Dの医師情報全体、医師情報の一部、医師情報に基づいて新たに生成又は加工等された情報等が含まれる。
なお、抽出された医師Dの人数が0人の場合(即ち、抽出されない場合)には、患者端末2には、例えば「注出結果0人」といったメッセージや、「該当者なし」といったメッセージが提示される。
【0077】
インセンティブ部106は、評価受付部101により評価が受付けられた場合に、当該評価の内容に応じて、当該評価を行った患者Uに対し所定の報酬を付与する。
具体的には例えば、インセンティブ部106は、患者Uによる医師Dの評価の内容が、複数段階評価(例えば5段階評価)の場合よりも、コメント(口コミ)の場合の方がインセンティブ(例えばポイント)を多く付与するようにしてもよい。また、インセンティブ部106は、予め設定した所定文字数を超えるようなコメント(口コミ)である場合には、インセンティブ(例えばポイント)を通常よりも多く付与するようにしてもよい。
これにより、患者Uが積極的に医師Dの評価を行おうとすることが期待できる。
【0078】
次に、
図15乃至
図20を参照して、本サービスの具体例について説明する。
【0079】
図15Aには、患者端末2を指定歯科医院の診療券として利用する際の具体例が示されている。
上述したように、患者Uは、指定歯科医院の予約をする場合、患者端末2を操作することで、Webによる予約、又は電話による予約を行うことができる。その際、患者Uは、患者端末2を診療券として用いることができる。
この場合、
図15Aに示すように、表示領域F1には、「診療券」という表題が表示される。表示領域F2には、指定歯科医院の名称と、「Webで予約」と表記されたボタンと、「電話で予約」と表記されたボタンと、患者Uの現在の予約状況と、「キャンセル」と表記されたボタンと、指定歯科医院からのお知らせと、「診療履歴」と表記されたボタンと、「クーポン」と表記されたボタンとが表示されている。
【0080】
「Webで予約」と表記されたボタンが押下された場合と、「電話で予約」と表記されたボタンが押下された場合の患者端末2の画面遷移は、上述の
図9Bの場合と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
「キャンセル」と表記されたボタンが押下されると、患者Uの現在の予約をキャンセルすることができる。具体的には例えば、
図15Aに示すように、「予約状況」として「2018/10/1 9:30~」という予約がなされている場合には、患者Uは、「キャンセル」と表記されたボタンを押下することで、この予約をキャンセルすることができる。
【0082】
「診療履歴」と表記されたボタンが押下されると、患者Uの過去の診療の履歴が表示される。具体的には、「診療履歴」と表記されたボタンが押下されると、
図15Bに示す画面が表示される。このうち、表示領域F1には、「診療履歴」という表題が表示される。表示領域F2には、指定歯科医院の名称と、各診療履歴とが表示されている。表示領域F2に表示された各診療履歴の夫々には、「評価済」又は「評価未」と表記されたアイコンが付されている。このうち、「評価済」と表記されたアイコンが付された診療履歴は、患者Uによる評価が既に行われた診療履歴となる。これに対し、「評価未」と表記されたアイコンが付された診療履歴は、患者Uによる評価が未だ行われていない診療履歴となる。
また、「評価済」と表記されたアイコンが付された診療履歴には、「詳細・投稿内容確認」と表記されたボタンが表示されている。「詳細・投稿内容確認」と表記されたボタンが押下されると、診療履歴の詳細な情報と、患者Uにより既に行われた評価の具体的内容とを確認することができる。また、「評価未」と表記されたアイコンが付された診療履歴には、「詳細・投稿する」と表記されたボタンが表示されている。「詳細・投稿する」と表記されたボタンが押下されると、診療履歴の詳細な情報の確認と、患者Uによる当該診療に対する評価を行うことができる。具体的には、「詳細・投稿する」と表記されたボタンが押下されると、
図16Aに示す画面が患者端末2に表示される。
【0083】
図15Aに戻り、表示領域Fに表示された「クーポン」と表記されたボタンが押下されると、患者Uが享受できるクーポンに関する情報(以下、「クーポン情報」と呼ぶ)が患者端末2に表示される。具体的には、「クーポン」と表記されたボタンが押下されると、
図16Bに示す画面が患者端末2に表示される。
なお、例えば、
図15Aに示す、診察券番号の取得方法は、任意の方法で取得されてもよく限定されない。例えば、バーコードやQRコード(登録商標)等の任意の方法により取得されても良い。
【0084】
図16Aには、
図15Bの画面の「詳細・投稿する」と表記されたボタンが押下されたときに患者端末2に表示される画面の具体例が示されている。
図16Aに示す画面は、表示領域F1乃至F3を含むように構成されている。このうち、表示領域F1には、「診療詳細・投稿」という表題が表示されている。表示領域F2には、診療が行われた日の日付(2018/06/20)と、当該診療を担当した医師Dの氏名(○○ ○○)と、診療の内容(抜歯)と、診療に対する患者Uの5段階評価の入力欄及び評価内容のチェック入力欄とが表示されている。なお、
図16Aの例では、診療に対する患者Uの5段階評価は「2」となっている。また、評価内容のチェック入力欄には、例えば、「施術が痛かった・下手だと感じた」、「説明が不十分だった」、「接客態度が良くなかった」、「必要以上に待たされた」、「話を聞いてくれなかった」といったチェック項目を表示させることができる。患者Uは、これらのチェック項目のうち、該当するものがあればチェックを入力する。
図16Aの表示領域F3には、「投稿する」と表記されたボタンが表示されている。患者Uは、表示領域F2に表示された、診療の評価を入力する欄への入力が完了した後、「投稿する」と表記されたボタンを押下することで、診療の評価を登録することができる。
【0085】
図16Bには、
図15Aの画面における「クーポン」と表記されたボタンが押下されたときに患者端末2に表示される画面の具体例が示されている。
図16Bに示す画面は、表示領域F1及びF2を含むように構成されている。このうち、表示領域F1には、「クーポン」という表題が表示されている。表示領域F2には、患者Uが享受できるクーポンとして、「歯ブラシ交換クーポン 有効期限:2018/10/30」と表記されたクーポンが表示されている。患者Uは、このクーポンを有効期限内に対象となる歯科医院で使用することにより、プレゼントとして歯ブラシを入手することができる。なお、患者Uが、このクーポンを使用する場合には、表示領域F2に表示された「使う」と表記されたボタンを押下する必要がある。即ち、
図16Bに示すように、「使う」と表記されたボタンを押下されることで、クーポンを利用した状態になり、クーポンを利用した状態で対象となる歯科医院に提示することで実際にクーポンを使用することができる。
【0086】
図17Aには、患者Uにインセンティブとして付与されるポイントの具体例が示されている。
図17Aに示す画面は、表示領域F1及びF2を含むように構成されている。このうち、表示領域F1には、「ポイント詳細」という表題が表示されている。表示領域F2には、患者Uのポイントに関する情報が表示されている。
具体的には、表示領域F2には、ポイントをクーポンに交換することができる歯科医院に関する情報(以下、「クーポン交換情報」と呼ぶ)が表示されている。具体的には、「○○ガーデン歯科 P 200pt 有効期限 2019/09/30」というクーポン交換情報と、「○○スーパー歯科 P 100pt 有効期限 2019/08/31」というクーポン交換情報とがアイコンで表示されている。このアイコン内には、「ポイント交換」と表記されたボタンが表示されている。患者Uは、「ポイント交換」と表記されたボタンを押下することで、ポイントをクーポンに交換することができる。
【0087】
また、表示領域F2には、「ポイントの貯め方・使い方」と表記されたボタンが表示されている。患者Uは、「ポイントの貯め方・使い方」と表記されたボタンを押下することにより、効率よくポイントを獲得して貯める方法や、ポイントをうまく使う方法についての情報を取得することができる。
【0088】
また、表示領域F2には、患者Uがこれまで獲得したポイント、及び利用したポイントの履歴が表示されている。具体的には、ポイントの獲得又は利用を示すアイコンと、獲得又は利用したポイント数と、ポイントを獲得又は利用した日付と、ポイントの獲得理由又はポイントの利用理由とが、ポイントの獲得又は利用の履歴毎に時系列で表示されている。なお、
図17Aに示すポイントの獲得又は利用の履歴は、3件のみが表示されているが、表示領域F2の下端に表示された、下向きの矢印で表記されたアイコンを押下することで、ポイントの獲得又は利用の履歴を順次閲覧することもできる。
【0089】
図17Bには、
図17Aの画面における「ポイント交換」と表記されたボタンが押下されたときに患者端末2に表示される画面の具体例が示されている。
図17Bに示す画面は、表示領域F1及びF2を含むように構成されている。このうち、表示領域F1には、「ポイント交換」という表題が表示されている。表示領域F2には、患者Uが現在保有しているポイント数と、ポイントの有効期限とが示されている。具体的には、「P 現在のポイント 200pt ポイント有効期限:2019/9/30」と表示されている。患者Uは、この表示を見ることにより、現在保有しているポイント数と、ポイントの有効期限とを確認して、歯科医院毎に設定されたクーポン(商品交換できる権利)への交換を行うかどうかを決めることができる。表示領域F2には、ポイントを商品に交換できる「交換商品」の具体例が表示されている。具体的には、交換商品として、「100pt 歯ブラシ」、「300pt ホワイトニング半額」、及び「500pt ホワイトニング無料」が表示されている。このうち、ポイントを「歯ブラシ」に交換する場合には、患者Uは、「100pt 歯ブラシ」という表記の右側に表示されている「交換する」と表記されたボタンを押下する。これにより、患者Uは、自身が保有するポイント(200pt)のうち、「歯ブラシ」への交換に必要となる「100pt」を使用することで、「歯ブラシ」に交換可能なクーポンを取得することができる。
【0090】
なお、患者Uが現在保有しているポイントの利用の形態は、10(B)に示すようなクーポンに交換する形態に特に限定されない。
例えば、患者Uが現在保有しているポイントは、本サービスのサービス提供者により管理されている種類のポイント(以下、「第1種ポイント」と呼ぶ)である。この第1種ポイントを、図示せぬ他者により管理されている別種類のポイント(以下、「第2種ポイント」と呼ぶ)に交換する形態を、本サービスは採用することができる。この場合の第1種ポイントから第2種ポイントへの交換レートは任意に設定することができる。
さらに例えば、本サービスは、第2種ポイントを第1種ポイントに変換する形態を採用してもよい。
このように第1種ポイントと第2種ポイントとの相互交換を可能にすることで、第2種ポイントの利用者が本サービスの会員となるインセンティブを与えることができ、ひいては本サービスの規模の拡大が容易に実現可能になる。
【0091】
図18には、医師端末に表示される予約管理画面の具体例が示されている。
【0092】
図18に示す予約管理画面は、表示領域F11乃至F14を含むように構成されている。
【0093】
表示領域F11には、「お知らせ」として、新規に入った予約や、予約のキャンセルなど、予約の更新状況が表示されている。具体的には、表示領域F11には、「NEW 10/1 初診の予約が入りました」、「NEW 10/3 キャンセルが入りました」といった更新状況が逐次表示される。医師Dは、「お知らせ」に表示された予約の更新状況を見ながら、進捗を確認することができる。
【0094】
表示領域F12には、「診療メニュー」として、「予約管理」、「次回診療設定」、「次回予約設定」、及び「キャンセル一覧」と夫々表記された4種類のボタンが表示されている。医師Dは、これらのボタンを押下することで予約の管理を容易に行うことができる。
例えば、医師Dは、「予約管理」と表記されたボタンを押下することで、診療の予約をする操作を行うことができる。また、医師Dは、「次回診療設定」と表記されたボタンを押下することで、患者Uの次回の診療内容を設定する操作を行うことができる。また、医師Dは、「次回予約設定」と表記されたボタンを押下することで、患者Uの次回の予約を設定する操作を行うことができる。また、医師Dは、「キャンセル一覧」と表記されたボタンを押下することで、キャンセル処理された予約の一覧を表示させることができる。医師Dは、キャンセル一覧に表示された内容を確認することで、営業にマイナスな影響を与え得る無断キャンセルが多い患者Uを特定することができる。なお、無断キャンセルが多い患者Uに対する措置については、
図19を参照して後述する。
【0095】
表示領域F13には、「管理メニュー」として、「患者情報管理」、「医院情報管理」、「口コミ管理」、「カレンダー管理」、及び「お知らせ管理」と夫々表記された5種類のボタンが表示されている。医師Dは、これらのボタンを押下することで予約の管理を容易に行うことができる。
例えば、医師Dは、「患者情報管理」と表記されたボタンを押下することで、患者情報の少なくとも一部の管理を行う操作を行うことができる。また、医師Dは、「医院情報管理」と表記されたボタンを押下することで、医療機関情報の少なくとも一部の管理を行う操作を行うことができる。また、医師Dは、「口コミ管理」と表記されたボタンを押下することで、評価情報のうち、口コミ(コメント等)の管理を行う操作を行うことができる。また、医師Dは、「カレンダー管理」と表記されたボタンを押下することで、診療時間等の管理を行う操作を行うことができる。また、医師Dは、「お知らせ管理」と表記されたボタンを押下することで、表示領域F11に表示されるお知らせの内容の管理を行う操作を行うことができる。
【0096】
表示領域F14には、「予約管理」として、医師D毎の診療の予約の状況がカレンダー上に表示される。これにより、医師Dは、診療の予約の状況を一見して把握することができる。
【0097】
図19は、サービス提供者による利用停止措置の概要を示すイメージ図である。
【0098】
上述したように、本サービスを利用する患者Uは、医師Dの診療の評価を行う。これにより、他の患者Uは、医師Dに対する評価の内容を確認しながら、所望の医師Dによる診療の予約を行うことができる。
しかしながら、医師Dの評価を行う患者Uの中には、正当性に欠ける評価を行う悪質な患者Uがいる場合がある。これに対して、医師Dや医療機関は、評価を受ける立場上、正当性に欠ける評価を行う悪質な患者U(以下、「クレーマー」と呼ぶ)への診療を断ることが困難な状況にある。
このような場合、本サービスでは、医師Dや医療機関の申し出に基づいて、対象となるクレーマーが本サービスを利用できないようにする措置(以下、「利用停止措置」と呼ぶ)が行われる。即ち、ニュートラルな立場であるサービス提供者Gが、必要に応じて利用停止措置が行われる。これにより、患者Uと医師Dとの間に評価内容を原因とする個人的な争いが起きることや、遺恨が残ることを未然に防ぐことができる。
具体的には例えば、サービス提供者G側で、クレーマーとされる患者Uにより行われた過去の評価の内容を確認して、その内容が正当性に欠けるものであると認められる場合には、当該患者Uに対する利用停止措置が実行される。
【0099】
また、本サービスを利用する患者Uの中には、患者アプリを利用して診療の予約を行ったものの、何度も無断でキャンセルをするような者がいる場合がある。このような場合、予約を取ることができなかった他の患者Uが迷惑を被るだけではなく、医師Dや医療機関に逸失利益が生じることもある。このため、本サービスでは、医師Dや医療機関の申し出に基づいて、何度も無断でキャンセルをするような患者Uに対する利用停止措置が行われる。これにより、無断キャンセルが原因で他の患者Uが迷惑を被ったり、医師Dや医療機関に逸失利益が生じたりすることを防ぐことができる。
なお、クレーマーや、何度も無断でキャンセルをするような患者Uに対して、サービス提供者Gによる利用停止措置が行われた場合であっても、利用停止措置を受けた患者Uは、医療機関を利用することが禁止されるのではなく、あきまでも本サービスを利用することが停止されるのみである。
【0100】
また、本サービスでは、本サービスを利用する患者Uのみならず、医師Dに対しても上述の利用停止措置が行われることがある。
具体的には、サービス提供者Gは、患者Uからの評価が著しく悪い医師Dに対し、利用停止措置を行うことできる。利用停止措置が行われた場合、本サービスを利用する医師Dは、本サービスを利用することで得られるメリットを享受できなくなるので、患者Uからの評価を上げるように努力することが期待できる。
なお、患者Uからの評価が著しく悪い医師Dに対して、サービス提供者Gによる利用停止措置が行われた場合であっても、利用停止措置を受けた医師Dは、診療業務自体を行うことができなくなるのではなく、あきまでも本サービスを利用することが停止されるのみである。
【0101】
以上のように、本サービスでは、ニュートラルな立場にあるサービス提供者Gに対し、患者U及び医師Dへの利用停止措置を行うことができるので、評価情報の質の向上、及び医師Dによるサービスの質の向上が期待できる。
【0102】
以上説明したように、患者Uは、診療の予約が完了すると、その予約の内容に従って医療機関に来院して受付を行う。本サービスを利用する患者Uが医療機関に来院して受付を行う際の具体的な受付の手法は特に限定されないが、例えば
図20に示すような手法を用いて受付を行うことができる。
図20は、医療機関に患者が来院した際の受付の手法の具体例を示す図である。
【0103】
図20に示すように、医療機関に患者が来院した際の受付の手法として、例えば「顔認証」による受付、「患者アプリ(GPS)」による受付、「患者アプリ(単体)」による受付、「初回(患者アプリなし)」による受付の手法がある。
【0104】
「顔認証」により受付が行われる場合、患者Uの顔を撮像した撮像画像のデータを患者情報として予め登録しておく。そして、患者Uの来院時に撮像された顔の撮像画像のデータと、予め登録しておいた撮像画像のデータとを照合することで受付を自動で行う。
即ち、「顔認証」による受付の手法は、
図20に示すように、顔認証用の写真(即ち、顔の撮像画像のデータ)を患者情報として予め登録している患者Uに対して用いられる手法である。
【0105】
「患者アプリ(位置情報)」により受付が行われる場合、患者端末2により取得される自機の位置に関する情報(例えばGPS(GLOBAL Positioning System)位置情報)に基づいて、医療機関の所在地の所定範囲内に患者Uが入ったことをトリガとして、受付を自動で行う。
即ち、「患者アプリ(位置情報)」による受付の手法は、
図20に示すように、例えば患者アプリで位置に関する情報(例えばGPS位置情報)をON(有効)にしている患者Uに対して用いられる手法である。具体的には、患者Uが予約した医療機関に近付いて、所定の条件を満たした場合に、患者端末2に、「到着しましたか?」といったメッセージとともに、「はい」又は「いいえ」を選択させるためのボタンを表示させる。患者Uは、患者端末2を操作して、「はい」又は「いいえ」を選択する入力操作を行う。
「所定の条件」としては、例えば、(1)診療予定日(予約の日)であり、かつ、(2)診療開始時刻(予約した時間)の前後30分以内であること、といった条件を設定することができる。
【0106】
「患者アプリ(単体)」により受付が行われる場合、患者Uが患者端末2を操作することにより、患者アプリを介して受付を行う。
即ち、「患者アプリ(単体)」により受付を行う手法は、
図20に示すように、例えば患者アプリで位置に関する情報(例えばGPS位置情報)をOFF(無効)にしている患者Uや、患者端末2が自機の位置に関する情報をうまく取得できず「患者アプリ(位置情報)」による受付を行うことが困難であるような場合に用いられる受付の手法である。
具体的には、「患者アプリ(単体)」により受付が行われる場合には、患者Uは、医療機関に到着したときに患者端末2を操作して、到着した旨を患者アプリに登録する。これにより、受付が行われる。
【0107】
「初回(患者アプリなし)」により受付が行われる場合、医療機関のスタッフによる受付が行われる。
即ち、「初回(患者アプリなし)」により受付を行う手法は、
図20に示すように、例えば全くの初診の場合や、患者Uが患者端末2を所持していない場合や、患者端末2に患者アプリがインストールされていないために、顔認証等による受付を行うことができないような場合に用いられる受付の手法である。
具体的には、「初回(患者アプリなし)」により受付が行われる場合には、患者Uは、医療機関に到着したときに、医療機関の受付のスタッフに声をかけて従来の受付の手続を行う。なお、その際、医療機関のスタッフから患者Uに対し、患者アプリがインストールされた患者端末2を利用した方がメリットを享受できる旨の案内がなされる。
患者Uは、以上のような手法を用いることで、予約した医療機関で受付を行うことができる。
【0108】
[第2実施形態]
次に、
図1乃至
図7のサービスが適用される医療施設の医師の診察に患者を誘導するためのサービスについて説明する。
図21は、
図1乃至
図7のサービスが適用される医師の診察に患者を誘導するためのサービスの一例の概要を示す図である。
【0109】
図21に示すサービスでは、前提として、医師Dによる患者Uの歯の診察が行われる。患者Uは、医師Dの診察を受ける際、医療施設H(歯科医院)で
図1乃至
図7に示すサービスを利用する。
そして、患者Uの歯の診察を行った医師Dは、その診察結果に基づいて、患者Uの歯の健康状態のレベルを年齢で表現した「健口年齢」を示す。健口年齢は、基本的には、より若年である方が歯の健康状態のレベルが高い(より健康な状態にある)ことになる。ただし、患者Uの歯の健康状態のレベルを把握するうえで重要となるものは、患者Uの実際の年齢に対する健口年齢である。例えば健口年齢が同じ30歳であったとしても、患者Uの実際の年齢が20歳であるのと40歳であるのとでは意味合いが異なってくるからである。即ち、患者Uの実際の年齢よりも健口年齢が下回っている場合には、歯の健康状態のレベルは「高い」ということができる。これに対して、患者Uの実際の年齢よりも健口年齢が上回っている場合には、歯の健康状態のレベルは「低い」ということができる。
【0110】
歯の健康状態のレベルが低い患者Uは、セルフケアを行ったうえで再び医師Dの診察を受ける。この2回目の診察において、歯の健康状態を示すレベルがアップしていると判断された場合には、医師Dにより示される健口年齢は1回目のものよりも若年化することになる。例えば患者Uの実際の年齢が20歳であり、1回目の診察の完了の際に示された健口年齢が30歳、2回目の診察の開始の際に示された健口年齢が25歳であった場合には、患者Uのセルフケアの効果が出ていることになる。この場合、患者Uは、その後もセルフケアを続ければ、3回目の診察において示される健口年齢が患者Uの実際の年齢(20歳)よりも下回るようにすることが可能となる。
【0111】
また例えば、患者Uの実際の年齢が20歳であり、1回目の診察の完了の際に示された健口年齢が30歳、2回目の診察の開始の際に示された健口年齢が20歳であった場合には、患者Uのセルフケアの効果が十分に出ていることになる。この場合、患者Uの健口年齢が実際の年齢と同一であるため、その調子でセルフケアを続けてさえいれば、3回目の診察を受けることなく歯の健康レベルのアップ又は維持を図ることができる。ただし、2回目の診察後、一定期間が経過すると、本サービスから患者Uに対して、3回目の診察を促す通知やメール等の「誘導」が行われる。この誘導は、患者Uが3回目の診察を受けることでセルフケアの効果がでているのかどうかを確認しようと考える誘因となる。
【0112】
また例えば、患者Uの実際の年齢が20歳であり、1回目の診察の完了の際に示された健口年齢が30歳、2回目の診察の開始の際に示された健口年齢が30歳又はそれ以上であった場合には、セルフケアの効果が出ていないことになる。この場合、セルフケアが不十分であったり、セルフケアのやり方が間違っていたりするおそれがあるので、セルフケアの再確認等が行われる。そして、患者Uは、3回目の診察で良い結果(医師Dにより示される健口年齢の若年化)を得るために、2回目の診察で再確認したセルフケアを実践する。
【0113】
患者Uは、本サービスにより提供される専用のWebサイト(以下、「健口カフェ」と呼ぶ)にアクセスすることで、いつでも自分の受診履歴や健口年齢の履歴を確認することができる。これにより、患者Uは、セルフケアの効果を時間軸で確認することができる。
【0114】
このように、健口年齢を若年化させるためのセルフケアは、正しい方法で継続的に行わないと、好ましい効果が出ない場合がある。このため、本サービスでは、患者Uがセルフケアを正しい方法で継続的に実践しているのかを容易に確認できるようにするための手法として、患者Uのヘルスケアを「健口点数」で評価する手法が設けられている。「健口点数」とは、具体的なセルフケアの内容毎に予め定められた点数である。患者Uは、正しい方法でセルフケアを実践し、その旨を申告(専用アプリで入力)すると、そのセルフケアに対応する点数を付与してもらうことができる。具体的には例えば、「朝食後に3分間以上歯を磨く」というセルフケアの健口点数が「1点」である場合には、患者Uが朝食後に3分間以上歯を磨くと、その健口点数が患者Uに付与される。また例えば、「デンタルフロスを用いて歯間の汚れを落とす」というセルフケアの健口点数が「3点」である場合には、患者Uがデンタルフロスを用いて歯間の汚れを落とすと、その健口点数が患者Uに付与される。
【0115】
患者Uに付与された健口点数は本サービスにより管理される。患者Uは、上述した「健口カフェ」にアクセスすることで、自分に付与された健口点数の合計をいつでも確認することができる。
医師Dによる診察後、患者Uによるセルフケアが開始され、所定期間が経過した時点における患者Uの健口点数が所定の点数を下回っている場合には、医師Dによる診察を再度受診することを勧める誘導が行われる。具体的には例えば、診察後2週間が経過した時点で、健口点数が所定の点数に達していない場合には、セルフケアが不十分であるとして、再診を勧める通知やメールが患者Uのスマートフォン等に送信される。
これにより、患者Uは、本サービスからの誘導(通知やメール)にしたがって医師Dによる診察を再度受診することで、医師Dの治療を受けるとともに、正しいセルフケアについての指導を受けることができる。また、医師Dは、建口点数を付与してもらうために積極的に受診を希望する患者Uの数を増やすことができる。
【0116】
ここで、本サービスにおいて「健口年齢」と「健口点数」とが区別されている意義は以下のとおりである。即ち、「健口年齢」は、いわゆる「腸内年齢」や「血管年齢」と同様に、実際の年齢と比較することができるため、患者Uは歯の健康状態をより現実的に実感することができる。また、「健口年齢」と「健口点数」とを区別して、医師Dの診察を受けた場合にのみ「健口年齢」が示されるようにすることで、「健口年齢」を示してもらうべく医師Dの診察を受けようとする者の増加を期待することができる。一方、「健口点数」は、患者アプリで所定の操作を行うだけで付与してもらうことができる。このように、患者アプリを利用することで「健口点数」を簡易的に付与してもらうことができるようにすることで、患者Uは患者アプリを気軽に利用することができる。その結果、患者アプリの利用者の増加を期待することができる。
【0117】
患者Uの受診結果、診察料、及び医師Dにより示された健口年齢を示すデータは「診察データ」として、本サービスにおいて記憶されて管理される。また、患者Uのセルフケアの内容、及びセルフケアにより付与された健口点数を示すデータも「セルフケアデータ」として、本サービスにおいて記憶されて管理される。本サービスにより管理される診察データ及びセルフケアデータは、蓄積されて各種の研究(例えば大学病院との共同研究)等に活用される。
【0118】
図22は、第2実施形態に係る情報処理システムにおけるサーバの機能的構成のうち、誘導支援処理を実現するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
なお、本発明の情報処理装置の第2実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成、及び当該サーバのハードウェア構成の夫々は、第1実施形態に係る
図12及び
図13の夫々と同様であるため説明を省略する。
【0119】
「誘導支援処理」とは、患者Uが医療施設H(歯科医院)で診察を受診するように誘導することを支援する処理をいう。
図22に示すように、サーバ1のCPU11(
図13)においては、誘導支援処理が実行される場合には、
図14の機能的構成に加え、健口年齢管理部107と、健口点数管理部108と、誘導部109とが機能する。
【0120】
健口年齢管理部107は、医師Dによる患者Uの歯の診察を前提とする、医師Dにより示される患者Uの健口年齢により患者Uの歯の健康状態を管理する。
【0121】
健口点数管理部108は、患者Uが実践したセルフケアに応じて患者Uに付与される健口点数により患者Uの歯の健康状態を管理する。
【0122】
誘導部109は、患者Uに付与された健口点数に応じて、患者Uに医師Dの診察を受診させるための誘導として、患者Uに対する通知やメールを行わせる制御を実行する。
また、誘導部109は、患者Uに対して行う誘導に際して、患者Uの健口年齢が一定以上になった場合に患者Uが負うこととなるリスクの内容(例えばリウマチのおそれ等)を示す情報を提示する。
【0123】
図23A及びBは、
図21のサービスの具体例として、患者端末に表示される、健口年齢の照会画面と、健口点数の照会画面との夫々の例を示す図である。
【0124】
具体的には例えば、
図23Aに示すように、患者Uが患者端末2を操作して自分の健口年齢を確認しようとすると、患者端末2には「あなたの健口年齢は 45歳」と表示される。さらに、表示された健康年齢に応じて、患者Uが負うこととなるリスクの内容として、「健口年齢が40歳を超えるとリウマチのおそれがあります。ご注意ください。」といったメッセージが併記される。これにより、患者Uが医師Dによる診察を受診しようと考えることが予想される。このため、
図23Aに示すように、患者端末2には、健口年齢、及び所定のメッセージとともに、「近くの歯科を探す」と表記されたボタンが表示される。患者Uが当該ボタンを押下すると、上述の
図8Bの画面が表示される。即ち、
図23Aに示す画面に設けられた「近くの歯科を探す」と表記されたボタンを押下する操作は、上述の
図8Aの表示領域F2に設けられた、「近くの歯科を探す」と表記されたボタンを押下する操作と同様の操作となる。
【0125】
また例えば、
図23Bに示すように、患者Uが患者端末2を操作して自分の健口点数を確認しようとすると、患者端末2には「あなたの健口点数は 32点」と表示される。さらに、表示された健康点数に応じて、患者Uに対する誘導として、「歯科の受診をおすすめします。」といったメッセージが併記される。これにより、患者Uが歯科で受診しようと考えることが予想される。このため、
図23Bに示すように、患者端末2には、健口年齢、及び患者Uを誘導するためのメッセージとともに、
図23Aと同様に「近くの歯科を探す」と表記されたボタンが表示される。患者Uが当該ボタンを押下すると、上述の
図8Bの画面が表示される。即ち、
図23Bに示す画面に設けられた「近くの歯科を探す」と表記されたボタンを押下する操作も、上述の
図8Aの表示領域F2に設けられた、「近くの歯科を探す」と表記されたボタンを押下する操作と同様の操作となる。
【0126】
次に、
図24A乃至Cを参照して、医師Dによる「健口年齢」の判定の具体例を説明する。
本サービスでは、(1)摂食嚥下機能に関わるヘルスケア、(2)患者アプリの利用者の来院促進、(3)若年層の誘導、及び(4)歯科クリニックでの定期健診受診率アップを目的とした、健口(康)年齢測定アプリケーション(以下、「年齢測定アプリ」と呼ぶ)が実装される。
年齢測定アプリによれば、簡易的な診断機能により、口腔機能・口腔環境の重要性に「気づき」を与えることができる。また、セルフチェックだけでは行うことができない医師Dや歯科衛生士による口腔内チェックを受診するよう誘導することができる。また、患者Uのモチベーションをアップさせ、又はモチベーションを維持させることが期待できる。
【0127】
年齢測定アプリによる「健口年齢診断」の流れは以下のとおりである。
まず、患者Uは、質問表に回答する(STEP1)。次に、患者Uは、口腔機能・口腔内環境・生活習慣の判定を実施する(STEP2)。これにより、簡易的な判定結果の可視化が行われる。例えば
図24Aには、医師Dによる簡易的な判定の結果として、10点満点中7点である旨が示されている。なお、ここでいう「簡易的な判定結果」は、年齢(健口年齢)による表記ではなく、敢えて点数表示としている。これにより、点数表示ではなく健口年齢を算出するためには、より詳しい問診、検査、結果と治療を受診する必要があることを明確化させることができる。その結果、提携クリニックへに患者Uを誘導することができる。
【0128】
次に、歯科クリニックでの受診・定期健診への誘導が行われる(STEP3)。即ち、STEP2における点数に関わらず、患者Uに口腔機能・口腔環境に対してより強い関心を持ってもらう機会を創出する。つまり、より詳細な項目毎の点数評価と「健口年齢」を算出するために、提携歯科クリニックへの誘導を実施する。上述のサービスを利用して、クリニックへの案内や誘導も可能である。
【0129】
次に、歯科クリニックでの検診・診断・治療が行われる(STP4)。医師Dによる検診内容は、(1)歯数、(2)虫歯、(3)歯周病(歯周ポケットチェック)、(4)唾液検査(量・成分測定)、(5)摂食嚥下機能、(6)レントゲン、及び質問票への回答に基づいて、「歯年齢」、「咬合年齢」、「歯周年齢」、「嚥下年齢」、及び「唾液年齢」を点数評価する。これにより、歯科健診の結果をより詳細に作成することができる。また、歯科健診の結果をレーダーチャートなどにより可視化することもできる。例えば、
図24Cには、「歯年齢」、「咬合年齢」、「歯周年齢」、「嚥下年齢」、及び「唾液年齢」を点数評価した具体例が示されている。
【0130】
また、
図24Bには、「あなたの「歯の健康力」」として、「困りごと・QOL(Quality of Life)」、「環境」、「保健活動」、及び「自覚症状・口腔内状態」からなるレーダーチャート、「歯の健康力」の判定結果等が示されている。また、「アンケートからみた「あなたの歯の健康力」として総評が記載されている。また、「今回お勧めする支援は」として、複数の支援策が示されている。
【0131】
また、歯周病リスク、虫歯リスク、嚥下障害リスクなども算出することができる。
図24Dには、健口年齢、歯周病リスク、虫歯リスク、及び嚥下障害リスクの算出例が示されている。これにより、より専門的な治療が必要な場合には、提携クリニックの医師Dへの誘導が行われる。摂食嚥下機能に関わる健口年齢が実年齢よりも一定値以上の差が認められる場合には、「摂食嚥下機能に関わるオーラルヘルスケア」のアプリケーションの機能とも連動させることができる。
【0132】
その後、医師Dや歯科衛生士による継続的なフォローと治療が行われる。一般治療、予防歯科(定期健診・リコール)で用いることで、受診率とリコール率のアップに繋げるツールとしての利用価値がある。
【0133】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0134】
例えば、上述の実施形態において、医師Dは、歯科医師とされているが、これは例示に過ぎない。患者Uに対する何らかの診療を行い得る立場にある医師であればよい。即ち、本発明における医師は、歯科医師に限定されず、例えば外科医、内科医、眼科医、皮膚科医等あらゆる医師を含む概念である。
【0135】
また例えば、上述の実施形態における患者Uの「要望」は例示に過ぎず、患者Uが医師Dや医療機関に対して望み得るあらゆる事項を「要望」とすることができる。
【0136】
また例えば、
図10(A)に示す評価内容のチェック入力欄に記載される事項には、「施術が痛かった・下手だと感じた」、「説明が不十分だった」、「接客態度が良くなかった」、「必要以上に待たされた」、「話を聞いてくれなかった」といったネガティブな評価内容のみならず、例えば「施術が痛くなかった・上手だと感じた」、「説明に満足した」、「接客態度が良かった」、「待ち時間がほとんどなかった」、「話をよく聞いてくれた」といったポジティブな評価内容が表示されてもよい。
【0137】
また例えば、上述の実施形態では、サービス提供者Gにより行われる利用停止措置の対象は、患者U又は医師Dであるが、医師Dによる評価の対象となる技工所や材料販売者も利用停止措置の対象に含めることができる。
【0138】
また例えば、上述の実施形態では、本サービスの利用者として、患者U、医師D、技工所、及び材料販売者が挙げられているが、これに限定されない。例えば看護師、歯科衛生士、歯科助手等、医療機関に従事するあらゆる者を、本サービスの利用者とすることができる。具体的には例えば、看護師や歯科衛生士が、上述の医師向けのサービスの提供を受けることができる。
さらに言えば、上述の実施形態における医師Dとは、あくまでも例示であり、本サービスは、医師以外の職種をターゲットとすることもできる。
具体的に例えば、美容師や職人等、組織に所属しながら個人のスキルを活かして仕事を行うあらゆる職種の人間をターゲットとすることができる。
【0139】
また例えば、上述の実施形態では患者Uが所望の医師Dを見つけ出すことが前提となっているが、本サービスによれば、医師アプリを用いて、医師Dが所望の患者Uを見つけ出すこともできる。また、医師Dが所望の患者Uとともに診療場所を見つけ出すこともできる。
【0140】
さらに、上述の実施形態では、ユーザUによる医師D等の評価に対してポイントを付与したが、そのポイントの対象となるものは、ユーザUによるアンケートの回答としてもよい。なお、このようなアンケートの回答も、「評価」の一種と把握することができる。即ち、本発明が適用される情報処理システムは、ユーザUによる任意の評価に対して、ポイントを付与することができる。
【0141】
また例えば、上述の実施形態では、医師Dが「健口年齢」を診察の都度示しているが、これに限定されない。「健口年齢」が示されるタイミングは特に限定されず、例えば1回目の診察において「健口年齢」が示された後、複数回の診察を経て治療を終えた最後の診察時に「健口年齢」が示されてもよい。
【0142】
また、
図6に示すシステム構成や、
図7に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0143】
また、
図8及び
図22に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に
図8及び
図22の例に限定されない。
【0144】
また、機能ブロックの存在場所も、
図8及び
図22に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1側の少なくとも一部の機能が患者端末2側又は医師端末3側に備えられていてもよいし、患者端末2側又は医師端末3側の少なくとも一部の機能がサーバ1側に備えられていてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
例えば、上述の実施形態では、アプリケーションソフトウェアを利用して患者端末2又は医師端末3で実行させていた処理(機能)を、サーバ1で実行させる処理(機能)としてもよい。この場合、患者端末2又は医師端末3は、ブラウザ等を利用してサーバ1にアクセスすることで、当該処理の結果を取得することができる。
【0145】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0146】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0147】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0148】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【0149】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、
患者(例えば
図21の患者U)の歯の健康状態を改善させる所定の処置(例えば
図21の医師Dによる患者Uの歯の診察)を前提とする第1の指標に基づく第1の評価結果(例えば
図21の医師Dにより示される患者Uの健口年齢)により前記患者の歯の健康状態を管理する第1管理手段(例えば
図22の健口年齢管理部107)と、
第2の指標に基づく第2の評価結果(例えば
図21の患者Uが実践したセルフケアに応じて当該患者Uに付与される健口点数)により前記患者の歯の健康状態を管理する第2管理手段(例えば
図22の健口点数管理部108)と、
前記第2の評価結果に応じて、前記患者の歯の健康状態を改善させる所定の処置(例えば
図21の医師Dによる患者Uの歯の診察)を行わせるための所定の誘導(例えば上述の通知やメール)を、前記患者に対して行う誘導手段(例えば
図20の誘導部109)と、
を備える。
【0150】
これにより、患者の歯の健康状態を改善させる所定の処置を前提とする第1の指標に基づく第1の評価結果と、第2の指標に基づく第2の評価結果との夫々により、患者の歯の健康状態が管理される。また、第2の評価結果に応じて、患者の歯の健康状態を改善させる所定の処置を行わせるための所定の誘導が患者に対して行われる。
その結果、例えば歯科医師が患者を診察に誘導することと、歯科医師の診察を受けた患者のセルフケアとを効率よく行えるようにすることができる。
【0151】
また、前記第1の指標は、前記患者の歯の健康状態のレベルを、年齢で表現した指標である、とすることができる。
【0152】
これにより、患者は、自分の年齢と歯の年齢(例えば上述の健口年齢)とを比較することができるので、自分の歯の健康状態のレベルを容易にイメージすることができる。
【0153】
また、前記誘導手段は、
前記患者に対して行う前記誘導に際して、前記年齢が一定以上になった場合に当該患者が負うこととなるリスクの内容(例えばリウマチのおそれ等)を示す情報を提示することができる。
【0154】
これにより、患者は、自分の今の歯の健康状態がどのようなリスクを抱えているのかを容易にイメージすることができる。
【符号の説明】
【0155】
1・・・サーバ、2,2-1乃至2-n・・・患者端末、3,3-1乃至3-m・・・医師端末、4・・・技工所端末、5・・・材料販売者端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、30・・・リムーバブルメディア、101・・・評価受付部、102・・・管理部、103・・・要望受付部、104・・・抽出部、105・・・提示部、106・・・インセンティブ部、107・・・健口年齢管理部、108・・・健口点数管理部、109・・・誘導部、181・・・医師DB、182・・・医療機関DB、183・・・評価DB、184・・・患者DB、185・・・技工所DB、186・・・材料DB、U,U1乃至Un・・・患者、D,D1乃至Dm・・・医師、F・・・表示領域、N・・・ネットワーク