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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022031936
(43)【公開日】2022-02-22
(54)【発明の名称】電磁気針カテーテル挿入システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20220215BHJP
   A61M 25/09 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61M25/06 580
A61M25/09
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203361
(22)【出願日】2021-12-15
(62)【分割の表示】P 2018560034の分割
【原出願日】2017-05-08
(31)【優先権主張番号】15/154,362
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ エル.ソンデレッガー
(57)【要約】
【課題】針先端部の損傷および針汚染などのリスクを低減または解消しながら、針を受働的かつ一貫して磁化するシステムが必要とされている。
【解決手段】デバイスであって、近位部および遠位部を有するハウジングと前記ハウジングの前記遠位部内に含まれて磁場を生み出す磁場発生装置であって、1つまたは複数の永久磁石を備えた、磁場発生装置と、組織貫通副組立体であって、ハブと、近位端および遠位端を有する組織貫通医療デバイスとを含み、前記ハブは、前記ハウジングの前記遠位部分に脱着可能に連結され、組織貫通医療デバイスの前記近位端は、前記ハブから近位に延び、それにより、前記組織貫通医療デバイスの前記近位端が前記磁場に露出され、前記組織貫通医療デバイスの前記遠位端が前記組織貫通医療デバイスの前記近位端の露出時に磁場によって磁化される、組織貫通副組立体と、を備えた、デバイスを提供する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
近位部および遠位部を有するハウジングと
前記ハウジングの前記遠位部内に含まれて磁場を生み出す磁場発生装置であって、1つまたは複数の永久磁石を備えた、磁場発生装置と、
組織貫通副組立体であって、ハブと、近位端および遠位端を有する組織貫通医療デバイスとを含み、前記ハブは、前記ハウジングの前記遠位部分に脱着可能に連結され、組織貫通医療デバイスの前記近位端は、前記ハブから近位に延び、それにより、前記組織貫通医療デバイスの前記近位端が前記磁場に露出され、前記組織貫通医療デバイスの前記遠位端が前記組織貫通医療デバイスの前記近位端の露出時に磁場によって磁化される、組織貫通副組立体と、
を備えた、デバイス。
【請求項2】
前記ハブは、ラッチ組立体によって前記ハウジングの前記遠位部に着脱可能に連結される請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ラッチ組立体は、ラッチボタンによって動作可能である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記組織貫通医療デバイスは、針、ガイドワイヤ、またはスタイレットである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記組織貫通医療デバイスが針であり、前記デバイスは、前記組織貫通医療デバイスの前記ハブ内に配置されたフラッシュチャンバをさらに備えた、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記フラッシュチャンバは、血液の流れが前記フラッシュチャンバ内に入ったときにシールするベントプラグを含む、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
組織貫通医療デバイスは、針であって、前記針の遠位部分上に切欠部を有して挿入点における血管進入の確認を即座に提供する、針を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記組織貫通医療デバイスは、針であり、前記針は、磁化されたとき、超音波撮像デバイスを使用して侵襲医療処置中に前記針を位置特定し、前記針の位置を投影することによって視覚化され得る請求項4に記載のデバイス。
【請求項9】
組織貫通医療デバイスを磁化する方法であって、
近位端および遠位端を有する細長い針を有する組織貫通医療デバイスを得るステップであって、前記細長い針は、針ハブ副組立体内に配置され、前記細長い針の前記近位端がハブから近位方向に延び、前記細長い針の前記遠位端がハブから患者に向かって遠位方向に延びる、組織貫通医療デバイスを得るステップと、
近位部および遠位部を有するハウジングを得るステップであって、前記ハウジングは、前記ハウジングの遠位部内に含まれる磁場発生装置を含み、前記磁場発生装置は、1つまたは複数の永久磁石を備える、ハウジングを得るステップと、
前記細長い針の前記近位端が前記磁場発生装置に露出されるように、前記針ハブ副組立体を前記ハウジングの遠位部に連結するステップと、
前記細長い針の前記遠位端を、所望の血管入口点に隣接して配置するステップと、
磁化された前記細長い針を患者の血管系に挿入するステップと、
を備える、方法。
【請求項10】
磁化された前記細長い針を可視化するために、超音波撮像デバイスを使用することをさらに備える、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
新興医療処置ガイダンスシステムは、超音波および磁気技術の組み合わせを利用して患者の皮下解剖学的構造を視覚化し、たとえば針、スタイレットまたはガイドワイヤなどの侵襲医療デバイスを位置決めするためのガイダンスを提供する。超音波および磁気方法の組み合わせは、患者の解剖学的構造に対する挿入デバイスの位置の推定を可能にし、それによって血管にうまくアクセスし、侵襲処置を完了する可能性を向上させる。
【0003】
超音波および磁気処置ガイダンスシステム技術は、磁場源を有する侵襲デバイスに基づく。挿入前に侵襲デバイスの一部分を磁化する1つの方法は、外部からかけられた磁場を使用することによるものである。外部磁場をかけるシステムの場合、侵襲デバイスの磁化の標的にされる部分は、侵襲デバイスの金属カニューレ、たとえば針のカニューレである。このタイプのシステムの場合、磁石が組み込まれた別個のデバイスを使用して、挿入処置の直前に針を能動的に磁化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザに金属カニューレを能動的に磁化することを求めるシステムは、針を針磁化装置内に置くことがユーザにゆだねられ、これを行う方法の変動(すなわち深さ、速度、中心そろえなど)があることを考えると、この手法は一貫した磁化を保証しないため、特定の制限事項および固有のリスクを有する。
【0005】
したがって、針先端部の損傷および針汚染などのリスクを低減または解消しながら、針を受働的かつ一貫して磁化するシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスに関する。第1の実施形態は、デバイスであって、近位部分および遠位部分を有するハウジングと、ハウジングの遠位部分内に含まれて磁場を生成する磁場発生装置と、組織貫通副組立体とを備えるデバイスに関する。1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、磁場発生装置と電気連通する電源と、電源と連通して磁場発生装置を起動させ、停止させるスイッチとをさらに備える。1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、永久磁石を利用し、そのような実施形態では、電源を必要としなくてよい。
【0007】
1つまたは複数の実施形態では、組織貫通副組立体は、ハブと、近位端部および遠位端部を有する組織貫通医療デバイスとを含む。ハブは、ハウジングの遠位部分に脱着可能に連結され、組織貫通医療デバイスの近位端部はハブから近位に延び、それにより、組織貫通医療デバイスの近位端部は、磁場に露出され、組織貫通医療デバイスの遠位端部は、組織貫通医療デバイスの近位端部の露出時に磁場によって磁化される。1つまたは複数の実施形態では、ハブは、ラッチ組立体によってハウジングの遠位部分に脱着可能に連結される。
【0008】
1つまたは複数の実施形態では、ハウジングは、電源および磁場発生装置と連通する制御装置をさらに含む。制御装置は、磁場発生装置によって生成される磁場の高さを制御する。生成された磁場は、一定であっても可変であってもよく、制御装置は、磁場の高さおよび変動を制御することができる。
【0009】
1つまたは複数の実施形態では、組織貫通医療デバイスは、針またはスタイレットであってよい。組織貫通医療デバイスが針である特有の実施形態では、針を、磁化されたとき、超音波システムを含む処置ガイダンスシステムと共に使用して、侵襲医療処置中に磁化された針を位置特定し、その針の位置を投影するのに用いることができる。
【0010】
1つまたは複数の実施形態では、電源は、直流電源であり、単一の電池、または複数の電池を含むことができる。さらに別の実施形態では、電源は、交流電源である。
【0011】
1つまたは複数の実施形態では、フラッシュチャンバが組織貫通医療デバイスのハブ内に位置することができる。フラッシュチャンバは、血液の流れがフラッシュバックチャンバに入ったときにシールするベントプラグを含むことができる。
【0012】
1つまたは複数の実施形態では、組織貫通デバイスの遠位端部は、切欠部を含んで挿入点における血管進入の確認を即座に提供する。
【0013】
本開示の第2の態様は、カテーテルを有する組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスに関する。1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、近位部分および遠位部分を有するハウジングと、ハウジングの遠位部分内に含まれる磁場発生装置と、組織貫通副組立体であって、近位端部および遠位端部を有するカテーテルと、カテーテルを通って延びる導入針と、遠位端部および近位端部を有するカテーテルアダプタと、内部空洞と、カテーテルがそこを通って延びる円周を有する遠位開口部を有する先端領域とを含む、組織貫通副組立体とを備える。1つまたは複数の実施形態では、カテーテルアダプタは、カテーテルの近位端部に連結される。1つまたは複数の実施形態では、針ハブは、導入針の近位端部に連結され、ハブは、ハウジングの遠位部分に脱着可能に連結される。導入針の近位端部は、ハブから近位に延び、それにより、導入針の近位端部は磁場に露出され、導入針の遠位端部は、導入針の近位端部の露出時に磁場によって磁化される。1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、磁場発生装置と電気連通する電源と、電源と連通して磁場発生装置を起動させ、停止させるスイッチとをさらに備える。1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、永久磁石を利用し、そのような実施形態では、電源を必要としなくてよい。
【0014】
1つまたは複数の実施形態では、針ハブは、ラッチによってハウジングの遠位部分に脱着可能に連結される。
【0015】
1つまたは複数の実施形態では、フラッシュチャンバが、導入針の針ハブ内に位置することができる。フラッシュチャンバは、血液の流れがフラッシュバックチャンバに入ったときにシールするベントプラグを含むことができる。
【0016】
1つまたは複数の実施形態では、導入針は、切欠部を含み挿入点における血管進入の確認を即座に提供する。
【0017】
本開示の第4の態様は、組織貫通医療デバイスを磁化するための方法であって、近位端部および遠位端部を有する細長い針を有する組織貫通医療デバイスを得るステップを含む、方法に関する。細長い針は、針ハブ副組立体内に配設され、それにより、細長い針の近位端部は、ハブから近位方向に延び、細長い針の遠位端部はハブから患者に向かって遠位方向に延びる。方法は、近位部分および遠位部分を有するハウジングを得るステップであって、ハウジングは、ハウジングの遠位部分内に含まれる磁場発生装置を含む、ハウジングを得るステップを含む。電源は、磁場発生装置と電気連通し、スイッチは、電源と連通して磁場発生装置を起動させ、停止させる。方法は、細長い針の近位端部が磁場発生装置に露出されるように針ハブ組立体をハウジングの遠位部分に連結するステップと、電源と連通するスイッチを押下して磁場発生装置を起動させて細長い針を磁化するステップとをさらに含む。方法は、細長い針の遠位端部を所望の血管進入点に隣接して位置決めするステップと、磁化された細長い針を患者の血管系内に挿入するステップとをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、方法は、超音波撮像デバイスを使用して磁化された細長い針を視覚化するステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスの実施形態の斜視図である。
図2】本開示の組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスの実施形態の断面図である。
図3】ハウジングが組織貫通副組立体から分離された、本開示の組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスの実施形態の斜視図である。
図4】カテーテル組立体を含む、本開示の組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスの別の実施形態の斜視図である。
図5】本開示の組織貫通医療デバイスを磁化するための図4に示すような実施形態の断面図である。
図6】ハウジングが組織貫通副組立体から分離された、図4に示すようなデバイスの実施形態の斜視図である。
図7】永久磁石を含む、本開示の組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスのさらに別の実施形態の斜視図である。
図8】本開示の組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスの図7に示すような実施形態の断面図である。
図9】ハウジングが組織貫通副組立体から分離された、本開示の組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスの図7に示すような実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、提供する説明が、以下の説明に記載する構造またはプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本明細書において説明するデバイスは、他の実施形態が可能であり、さまざまな方法で実践または実施されることが可能である。
【0020】
本開示では、デバイスの遠位端部が患者に最も近い端部であり、デバイスの近位端部が、患者から離れた、施術者に最も近い端部であるという慣例にしたがう。
【0021】
本開示の態様は、超音波撮像を使用する静脈内への挿入中の視覚化を向上させるために、組織貫通医療デバイスを磁化し、針などの組織貫通医療デバイスのための磁場を発生させるためのデバイスに関する。1つまたは複数の実施形態は、再使用可能な磁場発生装置に脱着可能に連結された廃棄可能な組織貫通医療デバイスを備えるデバイスに関し、磁場発生装置は、ハウジングの遠位部分内に含まれて磁場を生成する。1つまたは複数の実施形態によれば、磁場発生装置を何度も再使用して無制限の数の組織貫通医療デバイスを磁化することができる。特有の実施形態は、末梢静脈内カテーテルなどのカテーテルと組み合わせて使用する導入針を示すが、本開示に説明するデバイスを、それだけ限定されないが、スタイレット、ガイドワイヤ、クモ膜下穿刺針、硬膜外針、皮下注射針、およびカテーテルと使用される導入針を含む、さまざまな組織貫通医療デバイス上で使用することができることが、理解される。1つまたは複数の特有の実施形態では、組織貫通医療デバイスは、患者から流体を取り除き、あるいは流体を患者に送達するために使用することができる、中空カニューレを備えた針を含む。1つまたは複数の実施形態によれば、組織貫通医療デバイスを受働的にかつ一貫して磁化することができるシステムおよびデバイスが、提供される。1つまたは複数の実施形態によれば、組織貫通医療デバイスの受働的磁化は、いかなる追加のまたは新しい臨床ステップも有さずに達成することができ、より一貫した、予測可能な磁場が提供され得る。1つまたは複数の実施形態では、磁化は、組織貫通医療デバイスに対する損傷のさらなるリスク無しに達成することができ、デバイスおよびシステムは、組織貫通医療デバイスの汚染のさらなるリスクをもたらさない。
【0022】
次に図1を参照すれば、本開示の1つの態様は、デバイス10であって、近位部分21および遠位部分22を有するハウジング20と、ハウジング20の遠位部分22内に含まれて磁場を生成する磁場発生装置30と、磁場発生装置30と電気連通する電源40と、電源40と連通して磁場発生装置30を起動させ、停止させる電源スイッチ50と、組織貫通副組立体60とを備える、デバイスに関する。
【0023】
組織貫通副組立体60は、ハブ70と、近位端部81および遠位端部82を有する組織貫通医療デバイス80とを含む。ハブ70は、ハウジング20の遠位部分に脱着可能に連結され得る。組織貫通医療デバイス80の近位端部81は、ハブ70から近位に延び、それにより、組織貫通医療デバイスの近位端部81は、磁場に露出され、組織貫通医療デバイスの遠位端部82は、組織貫通医療デバイス80の近位端部81の露出時に磁場によって磁化される。
【0024】
1つまたは複数の実施形態では、磁場発生装置30は、磁場発生装置30によって電気的に励磁されて組織貫通医療デバイス80内、かつ、この周りに磁場を生成するコイル31をさらに含む。
【0025】
ハウジング20は、グリップ23を含み、磁場発生装置30のコイル31、制御装置90、電源40、およびラッチ組立体110を封入する。グリップ23は、組織貫通医療デバイス80の患者への挿入中に臨床医が通常保持するハウジング20の部分である。1つまたは複数の実施形態では、ハウジング20は、組織貫通医療デバイス80に取り外し可能に連結される。1つまたは複数の実施形態では、組織貫通医療デバイス80は廃棄可能である。
【0026】
ハウジング20は、電源40と連通して磁場発生装置30を起動させ、停止させる電源スイッチ50をさらに含み、磁場発生装置30は、電源40からコイル31への電流の流れを誘発して組織貫通医療デバイス80を磁化する。能動的使用中、電源40からコイル31への電流の流れを選択的に起動させる能力は、電源40の維持を可能にする。
【0027】
1つまたは複数の実施形態では、電源40は、1つまたは複数の電池102を含むことができる直流電源を含む。本開示のさらに別の実施形態では、電源スイッチ50は、装置10の側部に位置し、場合によっては図1に示すようにハウジング20の側部内に成形された側部プッシュ電源ボタンの形態であってよい。あるいは、電源スイッチ50は、デバイス10のハウジング20またはグリップ23に入る上部の、または上部に装着されたボタン(図示せず)の形態であってよく、デバイスは、電源ボタンを押すことによって起動されて組織貫通医療デバイス80を磁化することができる。電源スイッチ50は、ロッカスイッチ、摺動スイッチ、トグルスイッチ、または回転式スイッチなどのさまざまな方法で構成され得る。電源スイッチ50と接触することによってデバイス10を起動させて針を磁化した後、針を患者の皮膚表面に挿入することができる。1つまたは複数の実施形態では、組織貫通医療デバイス80は、針および/またはカテーテルであってよく、針およびカテーテルは、電源スイッチ50を押下することによってデバイスを起動させて針を磁化した後、皮膚表面に挿入することができる。
【0028】
電源40は、5から20ボルトの範囲であってよい。電源40は、制御装置90、磁場発生装置30、およびコイル31に電力を供給してその意図する目的を達成することができる任意の適切なデバイスを含むことができる。適切なDC電源の一部の例は、1つまたは複数の電池102またはキャパシタを含む。電池102は、低コストの市販のボタンセル、補聴器または時計タイプの電池を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、電源40は、ハウジング20内に含まれるDC電池またはキャパシタである。例示として、図1は、電源40が、1つまたは複数の電池102を含んで制御装置90、磁場発生装置30およびコイル31に電力を供給する1つの実施形態を示す。制御装置90は、1つまたは複数のプリント回路基板91を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、ハウジング20の近位部分21は、電池アクセス蓋103を含んで電池102へのアクセスを可能にする。
【0029】
さらに別の実施形態では、電源は、交流(「AC」)電源を含む。適切なAC電源の例は、公共電源などの配電網との適切な接続(たとえば、プラグ、変圧器、および/または別の適切な構成要素)である。1つまたは複数の実施形態では、電源は、ハウジングの近位部分に取り付けられた電源コード(図示せず)である。
【0030】
図1に示すように、デバイスは、電源400、制御装置90、およびコイル31に電気的に接続するように構成された、配線を含む1つまたは複数の電気構成要素を備える。1つまたは複数の実施形態では、制御装置90は、1つまたは複数のプリント回路基板を含むことができる。
【0031】
1つまたは複数の実施形態では、組織貫通副組立体60は、ハブ70と、近位端部81および遠位端部82を有する組織貫通医療デバイス80とを含む。ハブ70は、ハウジング20の遠位部分22に脱着可能に連結され、組織貫通医療デバイス80の近位端部81は、ハブ70から近位に延び、それにより、組織貫通医療デバイスの近位端部81は磁場に露出され、組織貫通医療デバイス80の遠位端部82は、組織貫通医療デバイス80の近位端部81の露出時に磁場によって磁化される。
【0032】
1つまたは複数の実施形態では、組織貫通医療デバイス80は、針であってよい。本明細書では、用語「針」は、皮下注射針、クモ膜下穿刺針、硬膜外針、カテーテルと共に使用される導入針、および体の外面近くの解剖学的構造にアクセスし、および/またはこれに流体を送達するために使用することができる他の同様のデバイスなどの標準的な針を含む。1つまたは複数の実施形態では、針は、患者から流体を引き出し、または流体を患者に送達することができる中空カニューレを有する。
【0033】
特有の実施形態では、組織貫通医療デバイス80は、針の形態であってよい。針を、磁化されたとき、超音波検出器を含む処置ガイダンスシステムと共に使用して、侵襲的医療処置中に針を位置特定し、針の位置を投影することができる。1つまたは複数の実施形態では、組織貫通デバイスは、中空カニューレを備えた針であってよい。中空カニューレを備えた針は、鋭利にされた遠位先端部を含み、患者の体を穿孔するように構成された事実上任意の剛性チューブを備えて、意図する空間にアクセスし、物質(たとえば流体)を意図する空間から引き出し、または意図する空間に導入することができる。適切なカニューレは、IVカテーテル組立体(たとえば、オーバーザニードル末梢IVカテーテル組立体)で使用するための導入針、静脈針、および動脈針を含むことができる。
【0034】
組織貫通医療デバイス80は、磁化可能な金属材料から作製される。1つまたは複数の実施形態では、磁化可能な金属材料は、ステンレス鋼または類似の材料であってよい。
【0035】
1つまたは複数の実施形態では、組織貫通医療デバイス80は、遠位端部82から近位端部81まで延びる中実本体を含む。1つまたは複数の実施形態では、組織貫通医療デバイス80は、遠位端部82から近位端部81まで組織貫通医療デバイス80を通って延びる内部管腔をさらに含む。組織貫通医療デバイス80は、体への進入を容易にするために組織貫通医療デバイス80の遠位端部内に形成された、ベベル付き先端部83を含むことができる。一部の実施形態では、コイル31は、組織貫通医療デバイス80の近位端部上のみを延びる。あるいは、一部の実施形態では、コイル31は、遠位端部82のベベル付き先端部83のみを除く組織貫通医療デバイス80の全シャフト上を延びる。
【0036】
磁化されたとき、組織貫通医療デバイス80を1つまたは複数の超音波検出器を含む処置ガイダンスシステムと共に使用して、侵襲的医療処置中に針を位置特定し、針の位置を投影することができる。
【0037】
1つまたは複数の実施形態では、図2および3に示すように、組織貫通医療デバイス80は、組織貫通医療デバイス80のハブ70から遠位および近位の両方の方向に延びる針であってよい。細長い針は、コイル内に包まれるのに十分な長さでなければならず、コイルは、励磁されたとき、針を取り囲む磁場を発生させ、こうして針を磁化する。図3に示す実施形態では、組織貫通医療デバイス80は、単回使用後に廃棄され得る。対照的に、ハウジング20は、数多くの異なる針と共に何回も再使用され得る。加えて、ハウジング20は単回使用後に廃棄されないため、ハウジング20は、1つまたは複数のプリント回路基板、磁場発生装置および電源を含む、より高価な構成要素を備えることができる。
【0038】
1つまたは複数の実施形態では、ラッチ100は、ハブ70をハウジング20の遠位部分22および組織貫通医療デバイス80の近位端部81に機械的に連結する。図2に示すように、組織貫通医療デバイス80は、コイル31を完全に貫通するようにハブから近位に延びる細長い針の形態であってよい。
【0039】
1つまたは複数の実施形態では、ラッチボタン110は、組織貫通医療デバイスをハウジングから取り外すためにラッチ100を係合解除する手段である。ラッチボタン110は、押されたとき、ラッチ100を作動させて、組織貫通医療デバイス80のハブ70をハウジングのハブ保持要素から解放することを可能にする。1つまたは複数の実施形態では、ラッチ100は、組織貫通副組立体60をハウジング20に固定するように構成することができ、それにより、ラッチボタン110を押すことで、組織貫通医療デバイス80をハウジング20から取り外すことを可能にする。1つまたは複数の実施形態では、ラッチボタン110は、ハウジング上の1つまたは複数のくぼみと係合することができ、それにより、ラッチボタン110が第1の位置にある場合は組織貫通医療デバイス80をハウジング20から取り外すことはできず、ラッチボタンが第2の位置にあるときに取り外すことができる。図2は、ハブ70の基部内のスロットと係合して、組織貫通副組立体60をハウジング20から不注意で分離しないようにするラッチ100を示す。1つまたは複数の実施形態では、ラッチボタン110は、ハウジング20上に含まれてよい。1つまたは複数の実施形態では、ラッチボタンは、針ハブと係合する位置合わせピンを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、ラッチボタンは、下方向にデバイスに押し込むように構成され、針ハブと係合し、これを解放するためのガイドスロットを含む。
【0040】
1つまたは複数の実施形態では、図2に示すように、ラッチ100は、マッシュルーム形状であってよく、キャップ部分と、ステム部分とを含む。ラッチ100が、キャップとステム部分に隣接する基部との間のスロットに入れられたとき、ハウジングは、図2に示すように基部上にラッチされる。ラッチ100は、図2に示すように、ラッチされた状態で、キャップ部分、ステム部分およびステム部分に隣接する基部の一部分の1つまたは複数を摩擦式に係合させることができる。
【0041】
その後、ユーザが、組織貫通医療デバイスを保持する基部から組織貫通医療デバイス80を取り外すことを望むとき、ユーザはラッチボタン110を押し、それにより、ラッチ100はハウジング20から係合解除されるようになり、組織貫通医療デバイス80をハウジング20から分離することを可能にする。
【0042】
1つまたは複数の実施形態では、ラッチ100は、アームを各々有するレバーの対を含むことができる。レバーはハウジングにヒンジ止めされ、ラッチボタン110を押下することによってレバーを付勢することができる。ハブをハウジングに連結するために、ユーザは、ハブをハウジング内の対応するスロットと位置合わせさせ、ラッチボタンを解放してレバーのアームをハウジングのポケットおよびキャッチ部内に係止することによってレバーのアームと係合する。ハブ70をハウジング20から連結解除するために、ユーザは、ラッチボタンを押し込むかまたは押下してハブのレバーをハウジングのポケットおよびキャッチ部から解放する。その後、ユーザは、ハウジングからハブを持ち上げてハブ70をハウジング20から分離することができる。
【0043】
1つまたは複数の実施形態では、電源スイッチ50およびラッチボタン110は、指突起部を有して、ユーザがそれぞれのボタンを位置特定し、使用することを助けることができる。
【0044】
1つまたは複数の実施形態では、ハウジング20は、電源40および磁場発生装置30と連通する制御装置90をさらに含み、この制御装置は、磁場発生装置30によって生成される磁場の高さを制御する。生成される磁場は、一定であっても可変であってもよい。1つまたは複数の実施形態では、制御装置90は、プリント回路組立体を含むことができ、プリント回路組立体は、コイル31に電力を供給および調節し、組織貫通医療デバイス80周りに磁場を発生させる。1つまたは複数の実施形態では、制御装置90は、他のデバイスとのブルートゥース通信、照明、およびデバイスの作動中に望まれ得る任意の追加の電子機能、などの追加の機能を可能にすることもできる。
【0045】
磁場発生装置30は、所望に応じて一定または可変の電磁場を生み出して、容易に識別可能な磁気特性図を作りだすことを可能にし、受信画像デバイス(図示せず)における組織貫通医療デバイス80の検出を向上させることができる。デバイス10は、磁場の強度および/または周波数を変更することによって強化された磁気特性図を生み出す可能性を有する。
【0046】
磁気特性図は、受信撮像デバイスによって解釈することができるバイナリ情報パルスの形態をとることができる。認識された後、画像を強化し、信号を背景場に関連して増幅して、針先端部のより明確な画像を作りだすことができる。1つまたは複数の実施形態では、磁場発生装置は、要求に応じて磁場を生み出す可能性を有する。
【0047】
1つまたは複数の実施形態では、フラッシュチャンバ120がハブ70内に位置することができ、組織貫通医療デバイス80と流体連通して血液をフラッシュチャンバ内に流して、血管進入の確認をユーザに提供することを可能にする。フラッシュチャンバ120は、血液の流れがフラッシュバックチャンバに入ったときにシールするベントプラグ130を含むことができる。
【0048】
1つまたは複数の実施形態では、いくつかの安全特徴を提供して針突き刺しによる負傷を防止することができる。1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、針シールドおよび針を覆う針シース(図示せず)などの安全デバイスをさらに備えることができる。
【0049】
1つまたは複数の実施形態では、針組立体は、ハウジングの一部分に係合されたシールドを含むこともできる。シールドは、組織貫通デバイス上で、遠位端部が露出される後退位置と、遠位端部がシールドの少なくとも一部分によって遮蔽される延長位置との間を移動可能である。フラッシュチャンバの少なくとも一部分は、後退位置で見ることができる。
【0050】
シールドは、延長位置で組織貫通デバイスの遠位端部を少なくとも部分的に取り囲むことができる。任意選択により、シールドは、カニューレの少なくとも一部分の周りを実質的に円周方向に配設され、後退位置から延長位置までのシールドの移行により、シールドはカニューレ上に嵌め込まれる。特定の実施形態では、カニューレの側壁は、カニューレ内部とフラッシュチャンバとの間を延びる開口部を画定する。
【0051】
1つまたは複数の実施形態では、図1および2に示すように、フラッシュチャンバ120は、組織貫通医療デバイス80のハブ70の一部分内に一体的に形成され得る。多孔性ベントがフラッシュチャンバ内に配設されてよく、それにより、多孔性ベントは、フラッシュチャンバを第1のチャンバおよび第2のチャンバに分離する。第1のチャンバおよび第2のチャンバは、カニューレの遠位端部を患者に挿入したとき、血液がカニューレを流れ抜けて多孔性ベントをシールすることなく第1のチャンバに入るように構成され得る。フラッシュチャンバは、針組立体を取り囲む環境と連通するベント機構を含むことができる。多孔性ベントは、血液を第1のチャンバから第2のチャンバに進めるための複数の孔を含むことができる。ベント機構は、疎水性材料から形成された多孔性プラグ、一方向弁、または血液と接触して膨張する親水性材料から形成された多孔性プラグであってよい。
【0052】
針組立体を取り囲む外部環境と連通するベント機構を含むことができるフラッシュチャンバに加えて、本明細書では、針組立体が、血液の流れがフラッシュバックチャンバに入ったときにシールするベントプラグを有するフラッシュチャンバを含むことを企図されることができ、それによってチャンバ内に蓄積され得る何らかの加圧空気が、カニューレの入口に向かって逆方向に移動することを阻害する。
【0053】
1つまたは複数の実施形態では、ベントプラグ130は、空気がフラッシュチャンバから、これが血液で充填されるにつれて逃げることを可能にする。湿潤されたとき、ベントプラグ130は、血液への露出の結果、塞がれるようになる。
【0054】
1つまたは複数の実施形態では、組織貫通医療デバイス80の遠位端部は、切欠部140を含んで挿入点における血管進入の確認を即座に提供する。
【0055】
1つまたは複数の実施形態では、ハウジング、ハブ、ラッチ機構、および安全デバイス要素は、成形プラスチック材料、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PETおよびPETG)などの熱可塑性ポリマー、または類似の材料から構築することができる。
【0056】
本開示の第2の態様は、カテーテルを有する組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスに関する。図4に示すように、1つまたは複数の実施形態では、デバイス210は、近位端部221および遠位端部222を有するハウジング220と、ハウジング220の遠位端部222内に含まれた磁場発生装置230と、磁場発生装置230と電気連通する電源240と、電源240と連通して磁場発生装置230を起動させ、停止させるスイッチ250と、組織貫通副組立体260であって、近位端部262および遠位端部263を有するカテーテル261と、カテーテル261を通って延びる、近位端部265および遠位端部266を有する導入針264と、カテーテルアダプタ267と、内部空洞268と、カテーテルがそこを通って延びる円周を有する遠位開口部を有する先端領域269とを含み、カテーテルアダプタ267はカテーテルの近位端部262に連結される、組織貫通副組立体と、導入針264の近位端部265に連結されたハブ270であって、ハウジング220の遠位端部222に脱着可能に連結される、ハブとを備える。導入針264の近位端部265は、ハブ270から近位に延び、それにより、導入針の近位端部265は磁場に露出され、導入針の遠位端部266は、導入針264の近位端部265の露出時に磁場によって磁化される。
【0057】
導入針264は、IVカテーテル組立体との使用に適した任意の構成要素を有することができる。導入針264は、カテーテルの内部空洞268内に配設される。組織貫通デバイスの遠位先端部は、標準的なベベル、短いベベル、真に短いベベル、バイアス研削先端、ベット先端、ランセット先端、偏向された先端(アンチコアリング)または別の適した知られている針先端もしくは新規の針先端を含むことができる。組織貫通医療デバイス80は、これを血管アクセスに使用することを可能にする任意の適した長さまたは任意の適したゲージであってよい。
【0058】
組織貫通副組立体260は、ステンレス鋼針を含む磁化可能な金属から作製され得る。
【0059】
1つまたは複数の実施形態では、デバイス210は、標準的なカテーテルハブまたは血液制御ハブを有して、カテーテル261を組織貫通副組立体260に連結することができる。1つまたは複数の実施形態では、糊、圧入、または溶媒接合などの別の接合機構が使用されてカテーテル261をカテーテルアダプタ267に固定する。標準的なカテーテルチュービングまたはカスタムカテーテルチュービングが、利用されてよい。
【0060】
一部の実施形態では、ハブ270またはカテーテルアダプタ267は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネートなどの熱可塑性材料、またはポリウレタン材料から形成され得る。カテーテル261は、通常、ポリマーまたは金属材料などの生体適合性材料を含む静脈内カテーテルを含む。一部の実施形態では、カテーテル261は、シリコーンゴム、ラテックス、および/またはさまざまな熱可塑性エラストマーなどの可撓性のポリマー材料を含む。カテーテル261は、意図する使用に望ましくなり得るような剛性ポリマーまたは金属材料をさらに含むことができる。
【0061】
カテーテル261の長さおよび直径は、通常、静脈内カテーテルデバイスが意図する用途または使用によって決定される。したがって、当業者は、所望の使用を容易にするために望ましくまたは必要になり得るような任意のサイズおよび寸法を含むように、カテーテルを変更または調整してよいことを理解するであろう。
【0062】
一部の実施形態では、ハブ270は、導入針264およびカテーテル261の近位端部262を収容するように構成された開口を含む。導入針264およびカテーテル261の近位端部262は、ハブ270に固定式に締め付けられ、それにより、導入針、静脈内チュービング、およびカテーテルアダプタ267は、一体構造を形成する。導入針264の流体通路または中空本体は、カテーテル261の流体通路と流体連通することができる。
【0063】
1つまたは複数の実施形態では近位端部と、遠位端部と、その間に延びる通路とを有するカテーテルアダプタ267が設けられ得る。カテーテル261は、次いで、カテーテルアダプタ267の遠位端部に結合されてよく、カテーテル261は、管腔および先端部を含む。ハブ270が、導入針264を支持するためにさらに設けられる。導入針264は、通常、鋭利にされた端部と、基部と、その間を延びる中空本体とを含む。導入針の基部は、針アダプタに結合され、これによって支持される。静脈内チュービングの一セクションが、針アダプタにさらに結合され、針アダプタは、導入針の中空本体とカテーテルの流体通路との間の流体連通を容易にする。導入針、針アダプタ、およびカテーテルは、次いで、カテーテルハブアダプタの管腔内に摺動式に収容される。
【0064】
1つまたは複数の実施形態では、ハウジング220は、電源240および磁場発生装置230と連通して磁場発生装置230によって生成された磁場の高さを制御する、制御装置290を含む。制御装置290は、1つまたは複数のプリント回路基板を含むことができる。生成される磁場は、一定であっても可変であってもよい。
【0065】
1つまたは複数の実施形態では、電源240は、ハウジングの近位端部に取り付けられた複数の電池またはAC/DCコードであってよい。
【0066】
1つまたは複数の実施形態では、ハブ270は、ラッチボタン310によって係合され、係合解除されるラッチ300によってハウジング220の遠位端部222に脱着可能に連結される。
【0067】
1つまたは複数の実施形態では、デバイスは、任意の適した形に変えることができる1つまたは複数の血管系進入確認機構を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、図4に示すように、フラッシュチャンバ320が、組織貫通副組立体260の廃棄可能な部分内に位置して、血液が挿入中に組織貫通副組立体260を流れ抜けることを視覚的に確認できるようにし、カテーテル261が患者の静脈内にあることを確実にする。1つまたは複数の実施形態では、導入針264は、フラッシュバック特徴を有して、フラッシュバックを、これがフラッシュチャンバ320内で直接見ることができる前に導入針に沿って視覚化する。1つまたは複数の実施形態では、切欠部340が導入針の遠位端部上に位置し、挿入点における血管進入の確認を即座に提供して、最初の突き刺しの成功を向上させる。カテーテル261は、切欠部を含むことができ、血液はこの切欠部を通って内側管腔から出てフラッシュバック確認を提供することができる。たとえば、デバイスを使用するとき、医療関係者は、血管などの標的となる解剖学的構造内への導入針先端部の進入を視覚化することができる。血液が、導入針に沿って導入針とカテーテルとの間などを流れ始めるとき、医療関係者は、血液がフラッシュバック特徴に入るのを通してフラッシュバックを見ることができる。一部の実施形態では、フラッシュバック確認チャンバは、患者の血管系から血液を受け取り、作業者に血液の視覚化を可能とするように構成されたフラッシュバック区画を備える。
【0068】
フラッシュチャンバ320および切欠部340は、任意の適切なカテーテル組立体を含む任意の適切な組織貫通デバイスまたはシステムと共に使用され得る。例示として、図4は、代表的な実施形態において、フラッシュチャンバ320および切欠部340が、カテーテルアダプタおよびカテーテルを備えるカテーテル組立体と共に使用され得ることを示す。
【0069】
一部の実施形態では、フラッシュバック区画の少なくとも一部分は、チャンバが徐々に血液で充填されることを作業者が見守ることを可能にする半透明のまたは透明の材料を含む。フラッシュバック確認チャンバは、任意の構成要素を備えることができ、この構成要素は、(1)血管アクセスデバイスのカニューレが患者の血管系を穿孔したときに確認チャンバを充填する血液を作業者が視覚化することを可能にし、(2)カニューレの遠位先端部が患者の血管に完全に押し通されるか、または血管が刺し貫かれる場合にチャンバ内への血液の流れの低減(すなわち中断)を作業者が視覚化することを可能にし、(3)作業者が血管アクセスデバイスからの能動的な動脈フラッシュバック確認を観察できる時間をチャンバが延長することを可能にする。
【0070】
フラッシュバック区画は、その意図する目的を達成することを可能にする任意の形状であってよい。たとえば、フラッシュバック区画は、円筒状、立方状、細長い立方状、楕円状、球状、円錐状、らせん状、不定形、管状、多角形状、円錐状、および/または任意の他の適切な形状であってよい。例示として、図4は、フラッシュバック構成要素が円筒状である代表的な実施形態を示す。
【0071】
確認チャンバもまた、ベントを備える。ベントは、血液がカテーテル、延長チューブ、および/またはフラッシュバック区画に入るときに空気をフラッシュバック区画から出すことを可能にすることを含む、任意の適切な機能を実行することができる。図4に示すベントは、任意の適切な場所内に配設され得る。例として、図4は、ベントをフラッシュチャンバの近位端部に配設できることを示す。ベントはまた、その意図する目的を達成することを可能にする任意の構成要素または特徴を含むこともできる。
【0072】
1つまたは複数の実施形態では、フラッシュチャンバが、導入針の針ハブ内に位置することができる。フラッシュチャンバは、血液の流れがフラッシュバックチャンバに入ったときにシールするベントプラグ330を含むことができる。
【0073】
本開示の第3の態様は、組織貫通医療デバイスを磁化するためのデバイスであって、針先端部が露出され磁化される1つまたは複数の永久磁石を有するハウジングを有する、デバイスに関する。1つまたは複数の実施形態では、図7に示すように、デバイス410は、近位部分421および遠位部分422を有するハウジング420と、ハウジング420の遠位部分422内に含まれて磁場を生み出す1つまたは複数の永久磁石430と、組織貫通副組立体440であって、ハブ450と、近位端部461および遠位端部462を有する組織貫通医療デバイス460とを含む組織貫通副組立体440とを備え、ハブ450は、ハウジング420の遠位部分422に脱着可能に連結され、組織貫通医療デバイス460の近位端部461は、ハブ450から近位に延び、それにより、組織貫通医療デバイスの近位端部461は、ハウジング420の遠位部分422内に含まれる1つまたは複数の永久磁石430によって生み出される磁場に露出され、組織貫通医療デバイス460の遠位端部462は、組織貫通医療デバイス460の近位端部461の露出時に磁場によって磁化される。1つまたは複数の実施形態では、組織貫通医療デバイス460は、針、ガイドワイヤまたはスタイレットである。上記で説明したように、針は、任意のタイプの針であってよく、特有の実施形態では、針は、流体の引き出しまたは患者への送達に使用することができる中空カニューレを含む。
【0074】
特有の実施形態では、図8に示すように、組織貫通医療デバイスは針であり、この針を、磁化されたとき、処置ガイダンスシステムと共に使用して、侵襲医療処置中に針を位置特定し、針の位置を投影することができる。
【0075】
1つまたは複数の実施形態では、図9に示すように、ハブ450は、ラッチボタン471によって作動されるラッチ470によってハウジング420の遠位部分422に脱着可能に連結される。
【0076】
1つまたは複数の実施形態では、図7に示すように、フラッシュチャンバ480が、組織貫通副組立体440のハブ450内に位置することができる。1つまたは複数の実施形態では、フラッシュチャンバは、血液の流れがフラッシュバックチャンバに入ったときにシールするベントプラグ481を含む。
【0077】
1つまたは複数の実施形態では、図8に示すように、組織貫通医療デバイス460は、切欠部490を含んで挿入点における血管進入の確認を即座に提供する。
【0078】
本開示の第4の態様は、組織貫通医療デバイスを磁化するための方法であって、近位端部および遠位端部を有する細長い針を有する組織貫通医療デバイスを得るステップであって、細長い針は針ハブ副組立体内に配設され、それにより、細長い針の近位端部はハブから近位方向に延び、細長い針の遠位端部は、ハブから患者に向かって遠位方向に延びる、組織貫通医療デバイスを得るステップを含む、方法に関する。方法は、近位部分および遠位部分を有するハウジングをユーザが得るステップであって、ハウジングは、ハウジングの遠位部分内に含まれる磁場発生装置と、磁場発生装置と電気連通する電源と、電源と連通して磁場発生装置を起動させ、停止させるスイッチとを含む、ハウジングをユーザが得るステップを含む。ユーザは、次いで、針ハブ組立体をハウジングの遠位部分に連結し、それにより、細長い針の近位端部は、磁場発生装置によって生成される磁場に露出される。電源と連通するスイッチは、押下されて磁場発生装置を起動させて細長い針を磁化する。ユーザは、細長い針の遠位端部を所望の血管進入点に隣接して位置決めし、磁化された細長い針は、患者の血管系内に挿入される。1つまたは複数の実施形態では、方法は、超音波撮像デバイスを使用して磁化された細長い針を視覚化するステップをさらに含む。
【0079】
実際、ユーザは、カニューレの遠位先端を使用して患者の皮膚を穿孔し、オーバーザニードル末梢IVカテーテルを血管内に押し入れる。針が血管を貫通し、血液がカニューレの管腔内に流れた後、一定または可変の磁場が生み出される。
【0080】
ユーザは、組織貫通デバイスをハウジングの基部に押し下げ、これを所定位置にスナップ止めすることによって、組織貫通デバイスをハウジングの基部に取り付ける。このプロセスでは、ラッチは、弾性的に偏向してラッチがキャッチ部上を通り過ぎることを可能にする。その後、ラッチはその変形されない位置に戻って、組織貫通デバイスがハウジングから外れることを防止する。
【0081】
患者の静脈内への針/カテーテルの挿入後、ユーザは、ラッチボタンを押すことによってハウジングから針ハブを外すことができる。ラッチがスロットから係合解除されると、組織貫通デバイスを有するハブをハウジングから取り外すことができ、この時点で、針突き刺し保護機構が起動する。加えて、導入針もカテーテルから後退され得る。使用後、カニューレをカテーテルハブから後退させ、針およびカニューレを破棄することができる。
【0082】
本明細書を通じて、「1つの実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つまたは複数の実施形態では」、または「一実施形態では」への参照は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態内に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じてさまざまな場所における「1つまたは複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つの実施形態では」、または「一実施形態では」などの語句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すものではない、さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性を1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0083】
本明細書の本開示は、特定の実施形態を参照して説明を提供してきたが、これらの実施形態は本開示の原理および用途を例示するものにすぎないことを理解されたい。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更(修正)および変形を本開示の方法および装置に加えることができることが当業者に明らかであろう。したがって、本開示は、付属の特許請求の範囲およびその等価物の範囲に含まれる変更(修正)形態および変形形態を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9