(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032020
(43)【公開日】2022-02-24
(54)【発明の名称】マイクロLED表示パネルとその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20220216BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20220216BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
H01L33/62
G09F9/33
G09F9/00 338
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020152711
(22)【出願日】2020-09-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】202010794487.0
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520352481
【氏名又は名称】深超光電(深セン)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】特許業務法人SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 ▲チョウ▼宇
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA32
5C094BA25
5C094CA19
5C094DA15
5C094DB01
5C094DB07
5C094FA01
5C094FA02
5C094GB01
5F142AA32
5F142BA32
5F142CB23
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5F142CD16
5F142CD24
5F142CG26
5F142CG27
5F142DB24
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC09
5G435EE37
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】トップラインが坂登りによる断線問題を効果的に回避することができるマイクロLED表示パネルとその製造方法を提供する。
【解決手段】マイクロLED表示パネルは、基板と、基板の上面に設けられた絶縁層と、基板上に設けられ且つ絶縁層の中に嵌め込まれた複数のマイクロLEDと、基板に設けられ且つ表示領域の外に位置する駆動回路と、基板上に設けられ且つ表示領域の外に位置する複数の導電ブロックと、絶縁層の基板から離れた表面に設けられた複数のトップラインと、を含み、複数のマイクロLEDは、表示領域を限定し、各マイクロLEDは、底面と上面とを有し、底面には、下部電極が接続されており、上面には、上部電極が設けられており、上面は、絶縁層から露出し、各導電ブロックは、駆動回路に電気的に接続され、各トップラインは、少なくとも1つの上部電極と少なくとも1つの導電ブロックとの基板から離れている表面に電気的に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上面に設けられた絶縁層と、
前記基板上に設けられ且つ前記絶縁層の中に嵌め込まれた複数のマイクロLEDと、
前記基板に設けられ且つ表示領域の外に位置する駆動回路と、を含み、
前記複数のマイクロLEDは、互いに間隔をあけて設けられ且つマイクロLED表示パネルの前記表示領域を限定し、各マイクロLEDは、前記基板に近接する底面と前記基板から離れた上面とを有し、前記底面には、下部電極が接続されており、前記上面は、前記絶縁層から露出し、前記上面には、上部電極が接続されており、
前記マイクロLED表示パネルは、前記基板上に設けられた複数の導電ブロックと、前記絶縁層の前記基板から離れた表面に設けられた複数のトップラインと、をさらに含み、
前記複数の導電ブロック、前記複数のマイクロLED及び前記駆動回路は、前記基板の同一表面に位置し、前記複数の導電ブロックは、前記表示領域の外に位置し、各導電ブロックは、前記駆動回路に電気的に接続され、
各トップラインは、少なくとも1つの上部電極と少なくとも1つの導電ブロックとの前記基板から離れている表面に電気的に接続されることを特徴とするマイクロLED表示パネル。
【請求項2】
各導電ブロックの前記基板に近接する底部には、接続線が電気的に接続されており、前記接続線は、前記基板と前記絶縁層との間に位置し、且つ前記駆動回路に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロLED表示パネル。
【請求項3】
前記複数の導電ブロックは、二列に配列され、各列の導電ブロックにおける導電ブロックは、互いに間隔をあけて配置され、二列の導電ブロックは、前記表示領域の対向する両側に位置することを特徴とする請求項2に記載のマイクロLED表示パネル。
【請求項4】
前記複数のマイクロLEDは、複数の行と複数の列のマトリックスに配置され、各行のマイクロLEDの上部電極は、1本のトップラインを介して電気的に接続され、各トップラインは、延伸して、前記表示領域の対向する両側に位置する2つの導電ブロックを接続することを特徴とする請求項3に記載のマイクロLED表示パネル。
【請求項5】
各マイクロLEDの下部電極には、ボトムラインが接続されており、前記ボトムラインは、前記基板と前記絶縁層との間に位置し且つ前記駆動回路に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロLED表示パネル。
【請求項6】
前記複数のマイクロLEDは、複数の行と複数の列のマトリックスに配置され、各行のマイクロLEDの上部電極は、1本のトップラインを介して電気的に接続され、各列のマイクロLEDの下部電極は、1本のボトムラインを介して前記駆動回路に電気的に接続されることを特徴とする請求項5に記載のマイクロLED表示パネル。
【請求項7】
前記複数の導電ブロックは、前記絶縁層に埋め込まれており、各導電ブロックの前記基板から離れた表面は、前記絶縁層から露出していることを特徴とする請求項1に記載のマイクロLED表示パネル。
【請求項8】
基板を提供するステップと、
複数のマイクロLEDを前記基板の一方の表面に配置するステップと、
複数の導電ブロックを前記基板の前記複数のマイクロLEDを有する表面に配置し、且つ前記複数の導電ブロックを前記複数のマイクロLEDの隣に配置させるステップと、
前記基板に絶縁材料を充填して絶縁層を形成し、前記複数のマイクロLED及び前記複数の導電ブロックを、前記絶縁層の中に埋め込ませ、且つ各マイクロLED及び各導電ブロックの前記基板から遠く離れた表面を、何れも前記絶縁層から露出させるステップと、
前記絶縁層の前記基板の反対側の表面に複数の上部電極を形成し、各上部電極により1つのマイクロLEDの前記基板から離れた上面をカバーするステップと、
前記絶縁層の前記基板から離れた表面に、少なくとも1つの上部電極と少なくとも1つの導電ブロックとの前記基板から遠く離れた表面に電気的に接続される複数のトップラインを形成するステップと、
を含むマイクロLED表示パネルの製造方法。
【請求項9】
前記基板を提供するステップは、表面には複数のボトムライン及び複数の接続線が形成されている基板を提供し、前記基板には、駆動回路がさらに設けられており、各ボトムラインと各接続線は、前記駆動回路に電気的に接続されることを特徴とする請求項8に記載のマイクロLED表示パネルの製造方法。
【請求項10】
前記複数のマイクロLEDを前記基板の表面に配置することは、多量移転方式を採用し、各マイクロLEDの底面には、下部電極が接続されており、前記基板に配置された後、前記下部電極は、前記ボトムラインに接続されることを特徴とする請求項9に記載のマイクロLED表示パネルの製造方法。
【請求項11】
前記複数の導電ブロックを前記基板に配置することは、多量移転方式を採用し、前記基板に配置された後、各導電ブロックには、1本の接続線が接続されることを特徴とする請求項8に記載のマイクロLED表示パネルの製造方法。
【請求項12】
前記基板に配置された後の複数のマイクロLEDは、複数の行と複数の列のマトリックスに配置され、前記複数のトップラインを形成するステップは、間隔を空けて平行に配置された複数のトップラインを形成し、各トップラインは、1行のマイクロLEDの上部電極及び当該行のマイクロLEDの両側に位置する2つの導電ブロックを接続することを特徴とする請求項8に記載のマイクロLED表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロLED表示パネルとその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存のマイクロLED表示パネルは、マトリックス状に配置された複数のマイクロLEDを含む。各マイクロLEDの上端と下端には電極が設けられており、2つの電極は金属引き回し線を介して駆動回路に接続され、且つ異なる電圧が印加されて電圧差が形成されると、マイクロLEDは発光する。金属引き回し線は、マイクロLEDの上端電極と駆動回路との間に接続され、金属引き回し線はマイクロLEDの高さ(約30~50ミクロン)の落差を克服するために、坂を登る必要がある。しかし、金属引き回し線が坂を登る時に断線し易い問題はある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の問題に鑑みて、本発明は、トップラインが坂登りによる断線問題を効果的に回避することができるマイクロLED表示パネルとその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明の1つの様態は、マイクロLED表示パネルを提供する。前記マイクロLED表示パネルは、
基板と、
前記基板の上面に設けられた絶縁層と、
前記基板上に設けられ且つ前記絶縁層の中に嵌め込まれた複数のマイクロLEDと、
前記基板に設けられ且つ表示領域の外に位置する駆動回路と、を含み、
前記複数のマイクロLEDは、互いに間隔をあけて設けられ且つ前記マイクロLED表示パネルの前記表示領域を限定し、各マイクロLEDは、前記基板に近接する底面と前記基板から離れた上面とを有し、前記底面には、下部電極が接続されており、前記上面は、前記絶縁層から露出し、前記上面には、上部電極が接続されており、
前記マイクロLED表示パネルは、前記基板上に設けられた複数の導電ブロックと、前記絶縁層の前記基板から離れた表面に設けられた複数のトップラインと、をさらに含み、
前記複数の導電ブロック、前記複数のマイクロLED及び前記駆動回路は、前記基板の同一表面に位置し、前記複数の導電ブロックは、前記表示領域の外に位置し、各導電ブロックは、前記駆動回路に電気的に接続され、
各トップラインは、少なくとも1つの上部電極と少なくとも1つの導電ブロックとの前記基板から離れている表面に電気的に接続される。
【0005】
また、本発明のもう1つの様態は、マイクロLED表示パネルの製造方法を提供する。前記マイクロLED表示パネルの製造方法は、
基板を提供するステップと、
複数のマイクロLEDを前記基板の一方の表面に配置するステップと、
複数の導電ブロックを前記基板の前記複数のマイクロLEDを有する表面に配置し、且つ前記複数の導電ブロックを前記複数のマイクロLEDの隣に配置させるステップと、
前記基板に絶縁材料を充填して絶縁層を形成し、前記複数のマイクロLED及び前記複数の導電ブロックを、前記絶縁層の中に埋め込ませ、且つ各マイクロLED及び各導電ブロックの前記基板から遠く離れた表面を、何れも前記絶縁層から露出させるステップと、
前記絶縁層の前記基板の反対側の表面に複数の上部電極を形成し、各上部電極により1つのマイクロLEDの前記基板から離れた上面をカバーするステップと、
前記絶縁層の前記基板から離れた表面に、少なくとも1つの上部電極と少なくとも1つの導電ブロックとの前記基板から遠く離れた表面に電気的に接続される複数のトップラインを形成するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術に比べて、本発明のマイクロLED表示パネルは、前記基板上に設置された導電ブロックと絶縁層に設置されたトップラインにより、マイクロLEDの上部電極と駆動回路との電気的接続を実現し、トップラインは、前記絶縁層の基板から離れた表面のみにおいて伸び、トップラインが坂登りによる断線問題を効果的に回避した。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係るマイクロLED表示パネルの平面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るマイクロLED表示パネルがD1方向に沿った断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るマイクロLED表示パネルの製造方法のフローチャートである。
【
図4】マイクロLED表示パネルを製造するステップS1~S3の断面図である。
【
図5】マイクロLED表示パネルを製造するステップS4~S6の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面には本発明の実施形態が示されており、本発明は複数の異なる形態によって実施されてもよく、ここで述べる実施形態に限定されると解釈されるべきではない。逆に、これらの実施形態を提供することは、本発明をより全面的かつ完全に開示させるためであり、当業者に本発明の範囲をより十分に理解させるためである。はっきり見えるように、図面において、層と領域のサイズが拡大された。
【0009】
別に定義しない限り、ここで使用されるすべての用語(技術及び科学用語を含む)は、本発明に属する技術分野の普通の技術者によって一般的に理解される意味と同じ意味を持つ。また、通常の辞書で定義されているような用語は、本明細書で明確に定義されない限り、それらの関連分野の環境における意味と一致すると解釈されるべきであり、過度に理想化や過度に形式的な意味で解釈されるべきではない。
【0010】
本文における「マイクロLED」とは、サイズが数ミリメートルより小さいまたはそれになどしい(例えば、数ミリメートル、数百ミクロンまたは100ミクロン以下)LEDを意味する。
【0011】
図1及び
図2を併せて参照すると、マイクロLED表示パネル100は、複数のマイクロLED20を含む。複数のマイクロLED20が存在する領域は、マイクロLED表示パネル100の表示領域110を限定している。マイクロLED表示パネル100は、表示領域110と、表示領域110を取り囲む額縁領域130とを含む。複数のマイクロLED20は、マトリックス状に配列されて、平行に設けられた複数行と平行に設けられた複数列を含み、各行のマイクロLED20は、第1の方向D1に沿って延び、各列のマイクロLED20は、第2の方向D2に沿って延びている。本実施形態では、第1の方向D1と第2の方向D2とが互いに垂直である。
【0012】
図2に示すように、マイクロLED表示パネル100は、基板10をさらに備え、複数のマイクロLED20は基板10の一方の表面に設けられる。基板10の材質は、ガラス、石英などとすることが可能であるが、ガラス、石英などに限定されず、例えばフレキシブルなまたは多量移転に適用可能な他の基板であっても良い。基板10には、絶縁層40がさらに積層されて設けられている。複数のマイクロLED20は、絶縁層40に埋め込まれている。各マイクロLED20は、基板10に近接した底面21と、基板10から離れた上面23とを有する。各マイクロLED20の上面23は、絶縁層40に対して露出している。各マイクロLED20の底面21には、下部電極25が接続されており、各マイクロLED20の上面23には、上部電極27が接続されている。即ち、マイクロLED20は垂直構造(Vertical)であり、マイクロLED20の上下両側には、電極がそれぞれ接続されている。マイクロLED表示パネル100は、間隔をあけて設けられた複数の上部電極27を含み、各上部電極27は、1つのマイクロLED20の上面23をカバーしている。
【0013】
図1に示すように、マイクロLED表示パネル100は、額縁領域130に設けられた駆動回路30をさらに備える。駆動回路30は、マイクロLED20の下部電極25及び上部電極27に電圧を供給して、マイクロLED20を駆動して発光させる。各マイクロLED20の下部電極25は、1本のボトムライン80を介して駆動回路30に電気的に接続される。
【0014】
図1及び
図2に示すように、マイクロLED表示パネル100は、額縁領域130に設けられた複数の導電ブロック50をさらに備える。複数のマイクロLED20、駆動回路30及び複数の導電ブロック50は、何れも基板10の同じ表面に設けられている。
図1に示すように、複数の導電ブロック50は、第2の方向D2に沿って延びる二列に配列され、各列の導電ブロック50の導電ブロック50は互いに間隔をあけて設けられ、二列の導電ブロック50は、表示領域110の相対的な両側に配置されている。駆動回路30は、基板10上に直接配置され、且つ二列の導電ブロック50の間に配置される。本実施形態では、複数の導電ブロック50も絶縁層40に埋め込まれており、各導電ブロック50の基板10から離れた表面も絶縁層40に対して露出している。導電ブロック50の材質は、導電性金属などの本技術分野の通常の導電材料であることができる。
【0015】
導電ブロック50は、駆動回路30と基板10の同じ表面に設けられている。
図2に示すように、各導電ブロック50の基板10の底部に近い箇所には、接続線51が接続されている。接続線51は、基板10と絶縁層40との間に配置される。
図1に示すように、接続線51が延伸して駆動回路30に電気的に接続されることにより、導電ブロック50と駆動回路30との電気的接続は実現される。
【0016】
駆動回路30と上部電極27との電気的接続を実現するために、絶縁層40の基板10から離れた表面には、上部電極27と導電ブロック50とを接続するためのトップライン60がさらに設けられている。これにより、上部電極27は、絶縁層40の基板10から離れた表面のトップライン60、導電ブロック50、基板10の表面における接続線51を順次に介して、駆動回路30との電気的な接続を実現する。トップライン60が絶縁層40の基板10から離れた表面のみにおいて延びているので、トップライン60の坂登りを効果的に回避した。
【0017】
本発明の実施形態では、
図1に示すように、各行のマイクロLED20の上部電極27は、1本のトップライン60を介して電気的に接続され、各トップライン60は、延伸して、表示領域110の対向両側に位置する2つの導電ブロック50を接続し、2つの導電ブロック50は、それぞれ駆動回路30に電気的に接続されている。異なる行のマイクロLED20の上部電極27は、異なるトップライン60を接続する。
【0018】
本願の実施形態では、各列のマイクロLED20の下部電極25は、1本のボトムライン80を介して駆動回路30に電気的に接続されている。異なる列のマイクロLED20の下部電極25は、異なるボトムライン80を接続する。接続線51は、ボトムライン80と同層に設けられ、両者は同じ導電層(例えば金属)によってパターニングされてもよい。
【0019】
本発明の実施形態では、導電ブロック50がマイクロLED20の高さ/厚さに相当するか、または導電ブロック50の高さ/厚さがマイクロLED20の高さ/厚さよりも僅かに大きい。
【0020】
本実施形態では、絶縁層40は、上下に重ね合せられた平坦層41と充填層43とを含む。平坦層41は、基板10と充填層43との間に配置されている。平坦層41と充填層43との材質は、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素などの本技術分野の通常の各種の電気絶縁材料であり、または絶縁フォトレジストを採用する。
【0021】
マイクロLED表示パネル100は、基板10に設けられた導電ブロック50と絶縁層40に設けられたトップライン60とにより、マイクロLED20の上部電極27と駆動回路30との電気的接続を実現し、トップライン60は、絶縁層40の基板10から離れた表面のみにおいて延伸し、トップライン60が坂登りによる断線問題を効果的に回避した。
【0022】
図3に示すように、本発明の好ましい実施形態に係るマイクロLED表示パネル100の製造方法は、以下のステップS1~S6を含む。
【0023】
ステップS1では、基板10を提供する。
【0024】
ステップS1については、
図4を参照する。本実施形態では、基板10の一方の表面には、複数のボトムライン80と複数の接続線51が予め形成されている。ボトムライン80と接続線51は、導電性金属材料である。基板10の材質は、ガラス、石英などとすることができる。1つの実施形態では、複数のボトムライン80は互いに平行に配置されている。接続線51は、ボトムライン80と同層に設けられ、両者は同じ金属層によってパターニングして形成されてもよい。
【0025】
基板10には、各ボトムライン80と各接続線51とを電気的に接続するための駆動回路30(
図4には図示せず)が設けられてもよい。駆動回路30は、後続のステップにおいて基板10に設けられてもよい。基板10の材質は、ガラス、石英などとすることができるが、ガラス、石英などに限定されず、例えばフレキシブルなまたは多量移転に適用可能な他の基板であっても良い。
【0026】
ステップS2では、複数のマイクロLED20を基板10の一方の表面に配置する。
【0027】
ステップS2については、
図4を参照する。本実施形態では、複数のマイクロLED20を基板10の表面に配置するためには、この分野で一般的に使用される多量移転方式を採用することができる。各マイクロLED20の底面21には、下部電極25がそれぞれ接続されており、下部電極25にはボトムライン80が接続されている。下部電極25は、異方性導電性接着剤や共晶半田などであり得る。
【0028】
ステップS3では、複数の導電ブロック50を基板10のマイクロLED20を有する表面に配置し、且つ複数の導電ブロック50を複数のマイクロLED20の隣に配置させる。
【0029】
ステップS3については、
図4を参照する。本実施形態では、複数の導電ブロック50を基板10に配置することは、本技術分野で一般的に使用される多量移転方式を採用することができる。基板10に配置された後、導電ブロック50のそれぞれには、1本の接続線51が接続されている。本実施形態では、接続線51とよりよく電気的に接続するために、各導電ブロック50の基板10の底部に近い箇所には、異方性導電性ゴムや共晶半田などが設けられている。
【0030】
ステップS4では、基板10に絶縁材料を充填して絶縁層40を形成し、複数のマイクロLED20及び複数の導電ブロック50は、絶縁層40に埋め込まれている。各マイクロLED20及び各導電ブロック50の基板10から遠く離れた表面は、何れも絶縁層40から露出している。
【0031】
ステップS4については、
図5に示す通りである。1つの実施形態では、絶縁層40を形成することは、基板10に積層された平坦層41と充填層43とを順次に形成することを含み、そのうち、平坦層41は、基板10と充填層43との間に設けられている。平坦層41及び充填層43の材質は、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素などの本技術分野の通常の各種の電気的絶縁材料とすることができる。各マイクロLED20及び各導電ブロック50の基板10から離れた上面23は、何れも絶縁層40から露出している。
【0032】
ステップS5では、絶縁層40の上面に複数の上部電極27を形成し、各上部電極27により1つのマイクロLED20の基板10から離れた上面23をカバーする。
【0033】
ステップS5については、
図5を参照する。複数の上部電極27は、例えばインジウムスズ酸化物のような透明導電材料からなる。
【0034】
ステップS6では、絶縁層40の基板10から離れた表面に複数のトップライン60を形成する。トップライン60の各々は、少なくとも1つの上部電極27と少なくとも1つの導電ブロック50との基板10から遠く離れた表面に電気的接続される。
【0035】
ステップS6については、
図5を参照する。複数のトップライン60は、間隔を空けて平行に配置されてもよい。各トップライン60は、1行のマイクロLEDの上部電極27と、当該行のマイクロLEDの両側に位置する2つの導電ブロック50とを接続する。トップライン60は、本技術分野で一般的に使用されている様々な導電性材質であり得、例えば、インジウムスズ酸化物などの透明導電金属材料が挙げられる。
【0036】
上記の実施形態は、本発明の技術的解決策を説明するためにのみ使用され、それらを限定するものではない。図面に現れる上下左右の方向は、理解を容易にするためだけのものである。本発明は、好ましい実施形態を参照して詳細に説明されたが、当業者は、本発明の技術的解決策の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の技術的解決策を修正または同等に置き換えることができる。これらの修正または置き換えも本発明の保護範囲内に属するのが言うまでもない。
【符号の説明】
【0037】
100 マイクロLED表示パネル
10 基板
20 マイクロLED
110 表示領域
130 額縁領域
40 絶縁層
21 底面
23 上面
25 下部電極
27 上部電極
30 駆動回路
50 導電ブロック
51 接続線
60 トップライン
80 ボトムライン
41 平坦層
43 充填層
【手続補正書】
【提出日】2021-12-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上面に設けられた絶縁層と、
前記基板上に設けられ且つ前記絶縁層の中に嵌め込まれた複数のマイクロLEDと、
前記基板に設けられ且つ表示領域の外に位置する駆動回路と、を含み、
前記複数のマイクロLEDは、互いに間隔をあけて設けられ且つマイクロLED表示パネルの前記表示領域を限定し、各マイクロLEDは、前記基板に近接する底面と前記基板から離れた上面とを有し、前記底面には、下部電極が接続されており、前記上面は、前記絶縁層から露出し、前記上面には、上部電極が接続されており、
前記マイクロLED表示パネルは、前記基板上に設けられた複数の導電ブロックと、前記絶縁層の前記基板から離れた表面に設けられた複数のトップラインと、をさらに含み、
前記複数の導電ブロック、前記複数のマイクロLED及び前記駆動回路は、前記基板の同一表面に位置し、前記複数の導電ブロックは、前記表示領域の外に位置し、且つ前記絶縁層に埋め込まれており、各導電ブロックは、前記駆動回路に電気的に接続され、各導電ブロックの前記基板から離れた表面は、前記絶縁層から露出しており、
各トップラインは、少なくとも1つの上部電極と少なくとも1つの導電ブロックとの前記基板から離れている表面に電気的に接続されることを特徴とするマイクロLED表示パネル。
【請求項2】
各導電ブロックの前記基板に近接する底部には、接続線が電気的に接続されており、前記接続線は、前記基板と前記絶縁層との間に位置し、且つ前記駆動回路に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロLED表示パネル。
【請求項3】
各マイクロLEDの下部電極には、ボトムラインが接続されており、前記ボトムラインは、前記基板と前記絶縁層との間に位置し且つ前記駆動回路に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロLED表示パネル。
【請求項4】
前記複数のマイクロLEDは、複数の行と複数の列のマトリックスに配置され、各行のマイクロLEDの上部電極は、1本のトップラインを介して電気的に接続され、各列のマイクロLEDの下部電極は、1本のボトムラインを介して前記駆動回路に電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載のマイクロLED表示パネル。
【請求項5】
基板と、
前記基板の上面に設けられた絶縁層と、
前記基板上に設けられ且つ前記絶縁層の中に嵌め込まれた複数のマイクロLEDと、
前記基板に設けられ且つ表示領域の外に位置する駆動回路と、を含み、
前記複数のマイクロLEDは、互いに間隔をあけて設けられ且つマイクロLED表示パネルの前記表示領域を限定し、各マイクロLEDは、前記基板に近接する底面と前記基板から離れた上面とを有し、前記底面には、下部電極が接続されており、前記上面は、前記絶縁層から露出し、前記上面には、上部電極が接続されており、
前記マイクロLED表示パネルは、前記基板上に設けられた複数の導電ブロックと、前記絶縁層の前記基板から離れた表面に設けられた複数のトップラインと、をさらに含み、
前記複数の導電ブロック、前記複数のマイクロLED及び前記駆動回路は、前記基板の同一表面に位置し、前記複数の導電ブロックは、前記表示領域の外に位置し、各導電ブロックは、前記駆動回路に電気的に接続され、
各トップラインは、少なくとも1つの上部電極と少なくとも1つの導電ブロックとの前記基板から離れている表面に電気的に接続されており、
各導電ブロックの前記基板に近接する底部には、接続線が電気的に接続されており、前記接続線は、前記基板と前記絶縁層との間に位置し、且つ前記駆動回路に電気的に接続され、
前記複数の導電ブロックは、二列に配列され、各列の導電ブロックにおける導電ブロックは、互いに間隔をあけて配置され、二列の導電ブロックは、前記表示領域の対向する両側に位置することを特徴とするマイクロLED表示パネル。
【請求項6】
前記複数のマイクロLEDは、複数の行と複数の列のマトリックスに配置され、各行のマイクロLEDの上部電極は、1本のトップラインを介して電気的に接続され、各トップラインは、延伸して、前記表示領域の対向する両側に位置する2つの導電ブロックを接続することを特徴とする請求項5に記載のマイクロLED表示パネル。
【請求項7】
基板を提供するステップと、
複数のマイクロLEDを前記基板の一方の表面に配置するステップと、
複数の導電ブロックを前記基板の前記複数のマイクロLEDを有する表面に配置し、且つ前記複数の導電ブロックを前記複数のマイクロLEDの隣に配置させるステップと、
前記基板に絶縁材料を充填して絶縁層を形成し、前記複数のマイクロLED及び前記複数の導電ブロックを、前記絶縁層の中に埋め込ませ、且つ各マイクロLED及び各導電ブロックの前記基板から遠く離れた表面を、何れも前記絶縁層から露出させるステップと、
前記絶縁層の前記基板の反対側の表面に複数の上部電極を形成し、各上部電極により1つのマイクロLEDの前記基板から離れた上面をカバーするステップと、
前記絶縁層の前記基板から離れた表面に、少なくとも1つの上部電極と少なくとも1つの導電ブロックとの前記基板から遠く離れた表面に電気的に接続される複数のトップラインを形成するステップと、
を含むマイクロLED表示パネルの製造方法。
【請求項8】
前記基板を提供するステップは、表面には複数のボトムライン及び複数の接続線が形成されている基板を提供し、前記基板には、駆動回路がさらに設けられており、各ボトムラインと各接続線は、前記駆動回路に電気的に接続されることを特徴とする請求項7に記載のマイクロLED表示パネルの製造方法。
【請求項9】
前記基板に配置された後の複数のマイクロLEDは、複数の行と複数の列のマトリックスに配置され、前記複数のトップラインを形成するステップは、間隔を空けて平行に配置された複数のトップラインを形成し、各トップラインは、1行のマイクロLEDの上部電極及び当該行のマイクロLEDの両側に位置する2つの導電ブロックを接続することを特徴とする請求項7に記載のマイクロLED表示パネルの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明の1つの様態は、マイクロLED表示パネルを提供する。前記マイクロLED表示パネルは、
基板と、
前記基板の上面に設けられた絶縁層と、
前記基板上に設けられ且つ前記絶縁層の中に嵌め込まれた複数のマイクロLEDと、
前記基板に設けられ且つ表示領域の外に位置する駆動回路と、を含み、
前記複数のマイクロLEDは、互いに間隔をあけて設けられ且つ前記マイクロLED表示パネルの前記表示領域を限定し、各マイクロLEDは、前記基板に近接する底面と前記基板から離れた上面とを有し、前記底面には、下部電極が接続されており、前記上面は、前記絶縁層から露出し、前記上面には、上部電極が接続されており、
前記マイクロLED表示パネルは、前記基板上に設けられた複数の導電ブロックと、前記絶縁層の前記基板から離れた表面に設けられた複数のトップラインと、をさらに含み、
前記複数の導電ブロック、前記複数のマイクロLED及び前記駆動回路は、前記基板の同一表面に位置し、前記複数の導電ブロックは、前記表示領域の外に位置し、且つ前記絶縁層に埋め込まれており、各導電ブロックは、前記駆動回路に電気的に接続され、各導電ブロックの前記基板から離れた表面は、前記絶縁層から露出しており、
各トップラインは、少なくとも1つの上部電極と少なくとも1つの導電ブロックとの前記基板から離れている表面に電気的に接続される。
上記の課題を解決するために、本発明の他の1つの様態は、マイクロLED表示パネルを提供する。前記マイクロLED表示パネルは、
基板と、
前記基板の上面に設けられた絶縁層と、
前記基板上に設けられ且つ前記絶縁層の中に嵌め込まれた複数のマイクロLEDと、
前記基板に設けられ且つ表示領域の外に位置する駆動回路と、を含み、
前記複数のマイクロLEDは、互いに間隔をあけて設けられ且つマイクロLED表示パネルの前記表示領域を限定し、各マイクロLEDは、前記基板に近接する底面と前記基板から離れた上面とを有し、前記底面には、下部電極が接続されており、前記上面は、前記絶縁層から露出し、前記上面には、上部電極が接続されており、
前記マイクロLED表示パネルは、前記基板上に設けられた複数の導電ブロックと、前記絶縁層の前記基板から離れた表面に設けられた複数のトップラインと、をさらに含み、
前記複数の導電ブロック、前記複数のマイクロLED及び前記駆動回路は、前記基板の同一表面に位置し、前記複数の導電ブロックは、前記表示領域の外に位置し、各導電ブロックは、前記駆動回路に電気的に接続され、
各トップラインは、少なくとも1つの上部電極と少なくとも1つの導電ブロックとの前記基板から離れている表面に電気的に接続されており、
各導電ブロックの前記基板に近接する底部には、接続線が電気的に接続されており、前記接続線は、前記基板と前記絶縁層との間に位置し、且つ前記駆動回路に電気的に接続され、
前記複数の導電ブロックは、二列に配列され、各列の導電ブロックにおける導電ブロックは、互いに間隔をあけて配置され、二列の導電ブロックは、前記表示領域の対向する両側に位置する。