(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032048
(43)【公開日】2022-02-24
(54)【発明の名称】繊維機械
(51)【国際特許分類】
D01H 13/00 20060101AFI20220216BHJP
【FI】
D01H13/00 Z
D01H13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021129866
(22)【出願日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】10 2020 120 991.6
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518264859
【氏名又は名称】ザウラー スピニング ソリューションズ ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Saurer Spinning Solutions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Carlstr. 60, 52531 Uebach-Palenberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ギュンター ヴェーダースホーフェン
(72)【発明者】
【氏名】ベアント-リューディガー テーレ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴア ボース
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056AA00
4L056DA02
4L056EC58
4L056EC70
4L056ED01
4L056ED09
4L056FB20
4L056FC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特に高いフェイルセーフプロパティを有する繊維機械を提供する。
【解決手段】繊維機械1は、少なくとも1つの電気的な負荷、特に電気的な駆動部を有する複数の作業ユニット2と、少なくとも1つの電気的な負荷に電気的なエネルギを供給する、複数の電源ユニット4を有するエネルギ供給システムとを備えており、電源ユニットは、それぞれ相互に独立して、作業ユニットの少なくとも一部に電気的なエネルギを供給するように構成されており、かつ、電気的な負荷に協働して給電するために出力端において並列接続されている。特に高いフェイルセーフプロパティを有する繊維機械を提供するために、電源ユニットは、自身の電力データ及び/又は動作温度を検出し、制御ユニット6に伝達するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電気的な負荷(3)、特に電気的な駆動部を有する複数の作業ユニット(2)と、
前記少なくとも1つの電気的な負荷(3)に電気的なエネルギを供給する、複数の電源ユニット(4)を有するエネルギ供給システムと、
を備える繊維機械(1)であって、
前記電源ユニット(4)は、それぞれ相互に独立して、前記作業ユニット(2)の少なくとも一部に電気的なエネルギを供給するように構成されており、かつ、前記電気的な負荷(3)に協働して給電するために出力端において並列接続されている、繊維機械(1)において、
前記電源ユニット(4)は、自身の電力データ及び/又は動作温度を検出し、制御ユニット(6)に伝達するように構成されている、
ことを特徴とする繊維機械(1)。
【請求項2】
前記制御ユニット(6)は、1つ又は複数の電源ユニット(4)の前記動作温度及び/又は消費電力が、所定の第1の閾値を上回った場合に、1つ又は複数の作業ユニット(2)の動作パラメータの変更を介して、前記作業ユニット(2)の消費エネルギを低減させるように構成されている、請求項1に記載の繊維機械(1)。
【請求項3】
前記制御ユニット(6)は、1つ又は複数の電源ユニット(4)の前記動作温度及び/又は前記消費電力が、所定の第2の閾値を上回った場合に、ある割合の前記作業ユニット(2)への電気的なエネルギの供給をスイッチオフするように構成されている、請求項1又は2に記載の繊維機械(1)。
【請求項4】
前記制御ユニット(6)は、前記動作温度及び/又は前記消費電力が前記所定の第1の閾値を上回った後で、前記動作温度及び/又は前記消費電力が所定の第3の閾値を下回った場合に、前記動作パラメータの変更を介して、前記消費エネルギが低減された前記1つ又は複数の作業ユニット(2)の前記消費エネルギを増加させるように構成されている、請求項1から3までのいずれか一項又は複数項に記載の繊維機械(1)。
【請求項5】
前記制御ユニット(6)は、前記動作温度及び/又は前記消費電力が前記所定の第2の閾値を上回った後で、前記動作温度及び/又は前記消費電力が所定の第4の閾値を下回った場合に、ある割合の、スイッチオフされていた前記作業ユニット(2)に電気的なエネルギを供給するように構成されている、請求項1から4までのいずれか一項又は複数項に記載の繊維機械(1)。
【請求項6】
前記閾値及び/又は前記第2の閾値を上回った場合にエネルギが供給されない前記作業ユニット(2)の前記割合は、調整可能である、請求項1から5までのいずれか一項又は複数項に記載の繊維機械(1)。
【請求項7】
前記第2の閾値を上回った場合にスイッチオフされるべき前記作業ユニット(2)の前記割合は、5乃至25%、有利には10乃至20%、特に有利には15%である、請求項1から6までのいずれか一項又は複数項に記載の繊維機械(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
少なくとも1つの電気的な負荷、特に電気的な駆動部を有する複数の作業ユニットと、
少なくとも1つの電気的な負荷に電気的なエネルギを供給する、複数の電源ユニットを有するエネルギ供給システムと、
を備える繊維機械に関し、各電源ユニットは、相互に独立して、作業ユニットの少なくとも一部に電気的なエネルギを供給するように構成されており、かつ、電気的な負荷に協働して給電するために出力端において並列接続されている。
【背景技術】
【0002】
冒頭に記載した形式の繊維機械は、従来技術から、多様な構成で知られている。例えば、独国特許出願公開第102015014177号明細書は、隣接して配置されている複数の作業ユニットを備える繊維機械を既に開示している。これらの作業ユニットは、それぞれ複数の電気的な負荷を有しており、これらの電気的な負荷は、例えば、巻成シャフト、糸綾振り装置及びセンサ用の電気的な駆動部である。
【0003】
個々の作業ユニットの電気的な負荷にエネルギを供給するために、繊維機械は、複数の電源ユニットを備えるエネルギ供給システムを有しており、作業ユニットのこれらの電気的な負荷に協働して電気的なエネルギを供給するために、複数の電源ユニットの出力端は並列接続されている。入力端が給電網に接続されているエネルギ供給システムによって、給電網によって提供された電圧又は提供された電流の大きさ又は周波数が必要に応じて整合され得る。従って、種々の作業ユニットにおける電気的な負荷が、必要な供給電圧によって動作可能である。出力端が並列接続されている、エネルギ供給システムの複数の電源ユニットは、個々の作業ユニットの電気的な負荷の、必要に合った給電を可能にし、この並列接続によって、作業ユニットの1つ又は複数の電気的な負荷によって戻されたエネルギを、他の作業ユニットの電気的な負荷に配分することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015014177号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、冒頭に記載した形式の既知の繊維機械は、個々の作業ユニットを給電するためのエネルギ供給システムの監視が不十分であり、1つ又は複数の電源ユニットの欠陥時に、繊維機械が完全に故障し、これに伴って製造が停止してしまうという欠点を有している。これに基づいて、本発明の課題は、特に高いフェイルセーフプロパティを有する繊維機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を、請求項1の特徴部分の構成を有する繊維機械によって解決する。本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明に係る繊維機械の特徴は、エネルギ供給システムの電源ユニットが、自身の電力データ及び/又は動作温度を検出し、制御ユニットに伝達するように構成されていることである。ここで、電力データとは、特に、個々の電源ユニットの消費電力であると理解され、当該電力データは、間隔を空けても、継続的にも検出され、制御ユニットに伝達される。
【0008】
個々の電源ユニットの電力データ及び動作温度の検出が可能であることによって、電源ユニットの許容される電力又は電源ユニットの温度を上回った際に、繊維機械の動作を、制御ユニットを介して、次のように調整することができる。即ち、電源ユニットの負荷が低減されて、エネルギ供給システムの故障の結果における繊維機械の停止を阻止し得るように調整することができる。ここで、電源ユニットの電力データ及び/又は動作温度の検出によって、制御ユニットを介して、差し迫った障害の前に、適当な措置を講じることが可能になり、これによって、場合により低減された電力における繊維機械の動作を安定して維持することができる。これによって、繊維機械の完全な製造停止を効果的に防止することができる。電源ユニットの電力データ及び/又は動作温度は、ここでは、電源ユニットの持続的な可用性に対する確実な指標であるので、全体的に、繊維機械の作業ユニットのエネルギ供給の特に確実な監視が可能になる。
【0009】
エネルギ供給システムの電源ユニットの電力データ及び/又は動作温度の、制御ユニットによる処理は、ここで基本的に、任意の形式により行われるものとしてよい。ここで、各電力データ及び/又は動作温度から生じる、制御ユニットの制御命令も基本的に自由に選択可能である。しかし、本発明の特に有利な構成においては、1つ又は複数の電源ユニットの動作温度及び/又は消費電力が、所定の第1の閾値を上回った際に、制御ユニットが、1つ又は複数の作業ユニットの動作パラメータの変更を介して、作業ユニットの消費エネルギを低減させるように、制御ユニットが構成されている。
【0010】
本発明のこのような構成においては、制御ユニット内に、消費電力及び/又は動作温度に対する第1の閾値が格納されており、この第1の閾値を1つ又は複数の電源ユニットが上回った場合に、作業ユニットのエネルギ供給の障害を回避するために、制御ユニットによって、1つ又は複数の作業ユニットの動作パラメータの変更が、作業ユニットの消費エネルギの低減のために行われ、これによって、エネルギ供給システムの負荷が低減する。ここで、制御ユニットを介して、電気的な負荷の消費電力を、電源ユニットによって提供される電力に整合させることができ、従って、エネルギ供給システムの電源ユニットに損傷を与えて、繊維機械の故障を生じさせる動作状態が効果的に回避される。動作パラメータの変更を介して消費エネルギが低減される作業ユニットの自由に選択可能な数を介して、損傷を与える動作状態が回避されることが確実に保証可能である。第1の閾値として、例えば、基本的に超えてはならない(温度)、及び/又は、所定の時間の間は超えてはならない(消費電力)、個々の電源ユニットの所定の動作温度又は消費電力が、制御ユニット内に格納されているものとしてよい。
【0011】
本発明のさらなる構成においては、制御ユニットは、次のように構成されている。即ち、1つ又は複数の電源ユニットの動作温度及び/又は消費電力が、所定の第2の閾値を上回った場合に、制御ユニットが、ある割合の作業ユニットへの電気的なエネルギの供給をスイッチオフするように、制御ユニットが構成されている。本発明のこのような構成は、ある割合の作業ユニットへの電気的なエネルギの供給の完全なスイッチオフによって、エネルギ供給システムの全体的な消費電力が効果的に低減され、これによって、エネルギ供給システムの電源ユニットの動作状態が改善されるので、電源ユニットに損傷を与える動作状態が回避されることを特に確実に保証する。
【0012】
ここで、本発明のこのような発展形態による制御ユニットの構成は、有利には、制御ユニットの有利に設けられた構成に対して付加的に設けられており、ここで制御ユニットは、第1の閾値を上回る際に、1つ又は複数の作業ユニットの動作パラメータの変更を、作業ユニットの消費エネルギを低減させるために行う。従って、このような有利な構成の場合、制御ユニットは、繊維機械の動作を保証するために、2段階のセーフティシステムを有する。第1の閾値を上回ると、まずは、複数の作業ユニットの消費エネルギの低減が行われ、これによって、電力データ及び/又は動作温度が第1の閾値を下回って低減される。場合によって、さらなる作業ユニットの動作パラメータの変更によっても、これが所望の結果をもたらさない場合には、本発明のこのような発展形態によって、第2の段階において、制御ユニット内に格納されている割合の作業ユニットのエネルギ供給をスイッチオフすることによって、エネルギ供給システムのさらなる負荷低減が行われ、これによって、その電力データ及び/又は動作温度が、確実な動作のために設けられた第1の閾値を下回って低減される。本発明のこのような構成によって、特に有利に、エネルギ供給システムの欠陥の結果における繊維機械の完全な故障を回避することができる。
【0013】
前に行われた消費エネルギの低減後の、動作温度及び/又は消費電力が第1の閾値を下回ることによる作業ユニットの消費エネルギの増加は、基本的に任意の形式により、例えば、操作員によって行われるものとしてよい。しかし、本発明の有利な構成においては、制御ユニットは、次のように構成されている。即ち、動作温度及び/又は消費電力が所定の第1の閾値を上回った後に、動作温度及び/又は消費電力が所定の第3の閾値を下回った場合に、制御ユニットが、動作パラメータの変更を介して、消費エネルギが低減された1つ又は複数の作業ユニットの消費エネルギを増加させるように、制御ユニットが構成されている。
【0014】
本発明のこのような構成においては、第1の閾値を下回ったことによって、以前にエネルギ供給が低減されていた作業ユニットのエネルギ供給を自動的に再び増加させるように、制御ユニットが構成されており、これによって、繊維機械は、再び、より高い電力で動作する。ここで、第3の閾値は、第1の閾値の下方にあるので、消費エネルギの低減のための1つ又は複数の作業ユニットの動作パラメータの変更、及び、消費エネルギの低減の前に存在していた値への動作パラメータの回復がヒステリシスの形式に従って行われ、これによって、第1の閾値が1つの場合には、切り換え状態が継続的に移り変わることが効果的に防止される。
【0015】
本発明のさらなる構成においては、制御ユニットは次のように構成されている。即ち、動作温度及び/又は消費電力が所定の第2の閾値を上回った後で、動作温度及び/又は消費電力が所定の第4の閾値を下回った場合に、制御ユニットが、ある割合の、スイッチオフされていた作業ユニットに電気的なエネルギを供給するように、制御ユニットが構成されている。
【0016】
本発明のこのような構成においては、第2の閾値を上回ったためにエネルギ供給から分離された作業ユニットの再給電は、制御ユニットによって、自動的に、第4の閾値を下回った後に行われる。第4の閾値は、ヒステリシス機能を保証するために、エネルギ供給のスイッチオフにとって重要な第2の閾値の下方に位置している。本発明のこのような発展形態の制御ユニットの構成は、特に、動作について臨界的である、エネルギ供給システムの動作状態を下回った後に、繊維機械が自動的に制御ユニットによって、再び、電力低減の前に設定されていた状態で動作させられて、差し迫った、エネルギ供給システムの障害の場合にのみ、繊維機械が、低減された電力において動作させられることを保証する。
【0017】
閾値の選択は、基本的に任意の形式により行われ、有利には、製造業者によって、電源ユニットの障害のない動作のための設けられた動作パラメータが基本条件として用いられるべきである。有利には、動作温度は、第1及び第2の閾値に対して、製造業者によって、電源ユニットのスイッチオフのために設けられた動作温度を下回っているべきである。閾値として使用されるべき電力データに関して、特に、所定の時間にわたった消費電力の監視が適している。従って、消費電力が、設定されたよりも長く、所定の消費電力を上回っている場合には、制御ユニットによって、エネルギ供給システムの電源ユニットの消費電力及び温度の低減のための措置が取られるものとしてよい。ここで、本発明の特に有利な構成においては、閾値及び/又は第2の閾値を上回った際にエネルギが供給されない作業ユニットの割合が調整可能である。本発明のこのような構成によって、繊維機械の操作者は、繊維機械の最適な動作を保証するために、閾値を動作条件に相応に整合させることができる。
【0018】
第2の閾値を上回った際にスイッチオフされるべき作業ユニットの割合は、基本的に自由に選択可能であり、ここで、繊維機械の完全な停止を結果として伴う、エネルギ供給システムの完全な故障を回避するために、第2の閾値を上回った場合に、かなりの割合の作業ユニットへのエネルギ供給が停止されるべきである。本発明の特に有利な構成においては、第2の閾値を上回った場合にスイッチオフされるべき作業ユニットの割合は、5乃至25%、有利には10乃至20%、特に有利には15%である。スイッチオフされるべき作業ユニットのこのような割合は、特に有利には、これによって、エネルギ供給システムに損傷を与える負荷が阻止されることを保証する。
【0019】
本発明の実施例について、以下、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明に係る繊維機械1の概略図を示している。繊維機械1は、相互に隣接して配置されている複数の作業ユニット2を含む。作業ユニット2は、例えば、巻取りユニットとして、それ自体既知の形式により構成されるものとしてよい。
図1は、例示的に、各作業ユニット2に1つの電気的な負荷3しか示していない。電気的な負荷3は、有利には、電気的な駆動部として構成されている。繊維機械1は、機械の長さにわたって延在する直流電圧バー9を有する。直流電圧バー9には、電気的な負荷3と、場合によってはさらなる、図示されていない、電気的なエネルギを供給するための、作業ユニット2の電気的な負荷とが接続されている。
【0022】
繊維機械1の長さにわたって、複数の、この実施例においては3つの電源ユニット4が分配して配置されている。これらは協働して、繊維機械1のエネルギ供給システムを形成している。電源ユニット4は、図示の実施例においては、下流の直流電圧中間回路を備える整流器として構成されている。電源ユニット4の入力端4.1は、それぞれ交流電圧網8に接続されている。電源ユニット4の出力端4.2は、それぞれ直流電圧バー9に接続されている。従って、電源ユニット4は、出力端4.2において並列接続されており、作業ユニット2の電気的な負荷3に協働して給電を行う。
【0023】
繊維機械1は、中央の制御ユニット6を有しており、これは、データバス5を介して、図示されていない、作業ユニット2の作業ユニット制御部及び電源ユニット4に接続されている。
【0024】
作業ユニット制御部は、作業ユニット2の個別の動作を可能にする。中央の制御ユニット6を介して、各作業ユニット2に種々の動作温度が設定可能である。さらに、各電源ユニット4は、データバス5を介して、相互に接続されており、かつ、中央の制御ユニット6に接続されている。従って、各電源ユニット4は、継続的に、自身の電力データ及び動作温度を制御ユニット6に伝達する。
【0025】
電源ユニット4の負荷が過度に高い場合、これは、制御ユニット6内に格納されている第1の閾値、例えば85℃の動作温度、又は、例えば20秒を超えて7.5kWを超える過度に高い消費電力、を上回ることによって識別可能であり、制御ユニット6を介して、事前に定められた複数の作業ユニット2の動作パラメータが、その消費電力ひいては電源ユニット4の負荷が低下するように変更される。
【0026】
以前に、第1の閾値を上回ったことによって電力が低減された場合には、第3の閾値を下回った後、消費電力が再び、制御ユニット6を介して増加させられ得る。このために、以前に、消費電力が低減された作業ユニット2のこのような動作パラメータが相応に整合される。
【0027】
データバス5を介して、制御ユニット6に、動作パラメータの変更の有効性に関して情報が伝達される。動作パラメータの変更によって、エネルギ供給の所望の負荷低減が得られない場合には、制御ユニット6を介して、第1の閾値の上方にある第2の閾値を上回った際に、複数の作業ユニット、例えば15%の作業ユニットがスイッチオフされる、即ち、エネルギ供給から分離される。
【0028】
同様に、電源ユニット4の電力データ及び/又は動作温度が、第2の閾値の下方に位置する第4の閾値を下回った場合に、制御ユニット6は、第2の閾値を上回ったために以前にスイッチオフされた作業ユニット2を再びスイッチオンする。
【0029】
結果として、ある割合の作業ユニット2をスイッチオフする第2の閾値として、例えば、85℃の温度と、20秒を超えて7.5kWを超える電源ユニット4の消費電力とが使用可能である。スイッチオフされた作業ユニットの再度のスイッチオンが結果として生じる第4の閾値として、ここでは、例えば、75℃の電源ユニット温度、及び/又は、40秒を超えて6.5kWを下回る消費電力が使用可能である。
【0030】
これらの閾値は、制御ユニット6により操作者によって自由に選択可能である。
【0031】
図2は、大部分が、
図1の繊維機械1と一致する繊維機械1の第2の実施形態を示している。相違点は、電源ユニット4が、繊維機械1にわたって分配して配置されているのではなく、繊維機械1の終端部において、共通のスイッチキャビネット7内に収容されているということだけである。
【符号の説明】
【0032】
1 繊維機械
2 作業ユニット
3 負荷
4 電源ユニット
4.1 入力端
4.2 出力端
5 データバス
6 制御ユニット
7 スイッチキャビネット
8 交流電圧網
9 直流電圧バー
【外国語明細書】