(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032061
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】マスク風フェイスナプキン
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220217BHJP
【FI】
A41D13/11 D
A41D13/11 H
A41D13/11 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020135510
(22)【出願日】2020-08-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】519348163
【氏名又は名称】医療法人社団湧泉会
(74)【代理人】
【識別番号】100146020
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 善光
(74)【代理人】
【識別番号】100062328
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 剛啓
(72)【発明者】
【氏名】岡本 佳明
(57)【要約】
【課題】食事ごとに使い捨て可能な低価格であり、食べ物を口に入れる瞬間のみ唇を露わにし、飛沫感染防止ができ、唇を覆った状態で食べ物を容易に咬むことができるマスク風フェイスナプキンを提供することを課題とする。
【解決手段】紙製シート体から作られるマスク風フェイスナプキンであって、略四角形状の右シート部と略四角形状の左シート部を備え、前記左右のシート部は、それぞれ直線状の上端縁部、下端縁部、後端縁部、及び、前端縁部を有し、直線状の前端縁部には、使用者の指で摘むことが可能な前後方向の幅を有する、側面視で長方形状の左右のシート部が折り重なった状態の摘まみ用フランジ部を形成し、左右のシート部を重ねて共縫いする縫合部位を、前端縁部の摘まみ用フランジ部の後端位置で上端部から下端部までの範囲、直線状の下端縁部の縁辺近傍の位置で前端部から後端部までの範囲としたマスク風フェイスナプキンにより課題解決できた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙製シート体から折り曲げて作られているマスク風フェイスナプキンであって、
略四角形状の右シート部と略四角形状の左シート部を備え、
前記左右のシート部は、左右の直線状の上端縁部、前記左右のシート部の左右方向の中央部に位置する直線状の下端縁部、左右の直線状の後端縁部、及び、前記左右のシート部の左右方向の中央部に位置する直線状の前端縁部を有し、
前記直線状の前端縁部には、使用者の指で摘むことが可能な前後方向の幅を有する、側面視で長方形状の左右のシート部が折り重なった状態の摘まみ用フランジ部を形成し、
前記左右のシート部を重ねて共縫いする縫合部位を、前記前端縁部の前記摘まみ用フランジ部の後端位置で上端部から下端部までの範囲、及び、前記直線状の下端縁部の縁辺近傍の位置で前端部から後端部までの範囲とし、
前記直線状の上端縁部には該上端縁部の全長にわたる折り重ね部を形成し、
前記直線状の後端縁部は前記摘まみ用フランジ部後端の位置より後方は左右シート部を左右方向に離隔可能とし、前記直線状の後端縁部は下端縁部の縫い合せ位置より上方は左右シート部を左右方向に離隔可能とし、
前記上端縁部の前記折り重ね部の後端部に、可撓性を有し伸縮可能な材料からなるリング状の耳掛け部を添設させていることを特徴とするマスク風フェイスナプキン。
【請求項2】
前記直線状の前端縁部の下端部と前記直線状の下端縁部の前端部とが交わる角部の形態が、前端縁部の下端部と前記下端縁部の前端部との角部が直交する形態、前端縁部の下端部と前記下端縁部の前端部との角部が斜線状の形態、又は、前端縁部の下端部と前記下端縁部の前端部との角部が円弧状の形態であることを特徴とする請求項1に記載のマスク風フェイスナプキン。
【請求項3】
前記紙製シート体がペーパーナプキンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスク風フェイスナプキン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食事の際において、口で咬むときや話をするときに口と鼻を覆ったり、飲食物を口に入れたいときには覆ったものを顎まで引き下げたりの繰り返しを、飲食物を口に入れるたびに容易に繰り返すことができ、食事のときの飛沫感染防止ができる使い捨て用のマスク風フェイスナプキンに関する。
【背景技術】
【0002】
家族や宴会や食事会などの数人以上が集まる場においては、3密を避けるように心がけをしているがマスクを外して飲食している。
【0003】
特許文献1には、一端縁で互いに接合される平板状の一対のシートと、これらシートの他端側縁から延出する平板状且つ略半円弧形状の一対の耳掛け部と、を備え、前記シートの前記一端縁は、前記シートの前記他端縁とは反対側に延出する略円弧状である顔装着用のマスクであって、前記シートの前記一端縁の一端から前記他端縁の一端に亘って延出し、前記シートよりも柔軟な平板状の一対の延出部を更に備え、前記延出部は、前記シートの前記一端縁の一端から前記他端縁の一端に亘って延出するよう、前記シートの前記一端縁の一端から前記他端縁の一端まで前記シートに接合され、前記延出部の外周は、前記延出部が延出する延出方向に凸の少なくとも1つの曲線及び前記延出方向の反対方向である反延出方向に凸の曲線を含み、前記反延出方向に凸の曲線及び前記延出方向に凸の曲線が滑らかに連結された形状であるマスクが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現状では、マスクを外して気を付けてはいるがつい大声が出たり顔が近付き過ぎたりして、家族間でのコロナの家族感染や飲食店内でのコロナの市中感染がなかなか収束しない状況が続いている。また、飲食店内ではエアコン等により飛沫が店内に広く浮遊し飛沫感染が発生するという問題も発生している。
【0006】
特許文献1の発明は、一端縁である前側中央部の縦方向の円弧状の部分は指で掴みにくく、かつ耳掛け部が帯状の不織布なので耳掛け部を耳に掛けた状態でマスクを頻繁に上げ下げすることが難しいので、耳に掛けながら箸等で食べ物を口に入れるときのみ唇と外鼻孔を露わにしたり、食べ物を口に入れるとすぐに唇と外鼻孔を覆うことの繰り返しが困難であるという問題があった。
【0007】
また、上側には目のすぐ下まで届く凸状の延出部を設けているので、マスクの耳掛け部を耳に掛けた状態でマスクを下げるときに大きく下げなければ唇が露わにならないという問題があり、一端縁である前側中央部の縦方向の形態が円弧状なので顔面の形状に沿うため唇とマスクとの間隔が狭いのでマスクを掛けながら食べ物を咬むことが難しいという問題があった。
【0008】
また、材料がポリエチレンの芯鞘繊維等であり、かつ裁断や縫製が複雑なので製造コストが高くつき購入価格も高くなるので、一回の食事ごとに使い捨てることは経済上できないという問題があった。
【0009】
本発明はこうした問題に鑑み想到されたもので、一回の食事ごとに使い捨てることが許容できる低価格内であり、耳に掛けながら箸等で食べ物を口に入れるときのみ唇と外鼻孔を露わにし、口に入れるとすぐに唇と外鼻孔を覆うことが容易にでき、かつその繰り返しを、飲食物を口に入れるごとに行うことが苦にならず、飛沫感染防止が食事時にでき、かつ唇や外鼻孔を覆った状態で食べ物を容易に咬むことができるマスク風フェイスナプキンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載のマスク風フェイスナプキンは、紙製シート体から折り曲げて作られているマスク風フェイスナプキンであって、略四角形状の右シート部と略四角形状の左シート部を備え、前記左右のシート部は、左右の直線状の上端縁部、前記左右のシート部の左右方向の中央部に位置する直線状の下端縁部、左右の直線状の後端縁部、及び、前記左右のシート部の左右方向の中央部に位置する直線状の前端縁部を有し、前記直線状の前端縁部には、使用者の指で摘むことが可能な前後方向の幅を有する、側面視で長方形状の左右のシート部が折り重なった状態の摘まみ用フランジ部を形成し、前記左右のシート部を重ねて共縫いする縫合部位を、前記前端縁部の前記摘まみ用フランジ部の後端位置で上端部から下端部までの範囲、及び、前記直線状の下端縁部の縁辺近傍の位置で前端部から後端部までの範囲とし、前記直線状の上端縁部には該上端縁部の全長にわたる折り重ね部を形成し、前記直線状の後端縁部は前記摘まみ用フランジ部後端の位置より後方は左右シート部を左右方向に離隔可能とし、前記直線状の後端縁部は下端縁部の縫い合せ位置より上方は左右シート部を左右方向に離隔可能とし、前記上端縁部の前記折り重ね部の後端部に、可撓性を有し伸縮可能な材料からなるリング状の耳掛け部を添設させていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載のマスク風フェイスナプキンは、請求項1において、前記直線状の前端縁部の下端部と前記直線状の下端縁部の前端部とが交わる角部の形態が、前端縁部の下端部と前記下端縁部の前端部との角部が直交する形態、前端縁部の下端部と前記下端縁部の前端部との角部が斜線状の形態、又は、前端縁部の下端部と前記下端縁部の前端部との角部が円弧状の形態であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載のマスク風フェイスナプキンは、請求項1又は2において、前記紙製シート体がペーパーナプキンであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載のマスク風フェイスナプキンは、箸等で食べ物を、一口分を食するときに、耳掛け部を耳に掛けた状態を維持しながら摘まみフランジ部を指で摘まんで下方に下げて唇と外鼻孔を露わにし、一口分を口の中に入れるとすぐに摘まみフランジ部を指で摘まんで上方に上げて唇と外鼻孔を覆うという動作を一口分食するごとに繰り返すことが容易にできる。左右のシート部において左右方向の真ん中の前側に突出させた前記摘まみフランジ部は指で容易に摘まみやすいという効果がある。
【0014】
マスク風フェイスナプキンと唇や外鼻孔との間には前後方向で大きな空間が形成されるので、唇や外鼻孔を前記マスク風フェイスナプキンで覆った状態で、つまり飛沫感染防止ができた状態で、食べ物を容易に咬むことができ、食べ物を噛みながら話をすることができ、食した後も話をすることができる。また、エアコン等により室内の空気中を浮遊する飛沫の吸込みを防止するという効果がある。
【0015】
また、紙製であるので、一回の食事ごとに使い捨てることができる価格帯で製作できるという効果を奏する。
【0016】
請求項2に記載のマスク風フェイスナプキンは、マスク風フェイスナプキンと唇や外鼻孔との前後方向の空間の大きさを調整することができ、外観のデザインを任意の形にすることができる。
【0017】
請求項3に記載のマスク風フェイスナプキンは、極めて安価のペーパーナプキンをも材料とすることができるので、製作コストを一回の食事のみ使用して食事が終わると廃棄するという1回の食事ごとの使い捨てにすることが価格を気にせずにできる。また、レストランなどが準備してお客様に配布するとお客様がコロナ等の飛沫感染防止対策として安全安心な食事所と認識されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明のマスク風フェイスナプキンの前上方からの概要斜視図である。
【
図2】本発明のマスク風フェイスナプキンの概要正面図である。
【
図3】本発明のマスク風フェイスナプキンの左右のシート部を折り重ねた状態における前下部の形態が円弧状の場合の概要左側面図である。
【
図4】本発明のマスク風フェイスナプキンの左右のシート部を折り重ねた状態における前下部の形態が斜線状の場合の概要左側面図である。
【
図5】本発明のマスク風フェイスナプキンの左右のシート部を折り重ねた状態における前下部の形態が直交状の場合の概要左側面図である。
【
図6】本発明のマスク風フェイスナプキンの左右のシート部を左右方向に拡げた状態における平面視の説明図である。
【
図7】本発明のマスク風フェイスナプキンで唇や外鼻孔を覆ったときの説明図である。
【
図8】耳掛け部を耳に掛けた状態を維持しながら摘まみフランジ部を指で摘まんで下方に下げて唇と外鼻孔を露わにした状態の説明図である。
【
図9】本発明のマスク風フェイスナプキンを透明にし、かつ外郭を点線で記載した状態で、前記マスク風フェイスナプキンと唇や外鼻孔との間の空間の大きさの説明図である。
【
図10】マスク風フェイスナプキン製作方法例の説明図で、(a)は1枚のシート図で、(b)が(a)から1回折り畳んだ状態の説明図で、(c)が(b)から上端部を少し折り曲げた状態の説明図である。
【
図11】マスク風フェイスナプキン製作方法例の説明図で、(a)は
図10(c)から1回折り畳んだ状態の説明図で、(b)が(a)から上前端部及び下端部を接合手段で左右のシート部を接合させた状態の説明図で、(c)が(b)の状態で耳掛け部を取り付けた状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
マスク着用者が食事をするときにはマスクを外して食事や話をすることが一般的に行われており、このため複数の人がいっしょに同じテーブルで飲食すると飛沫感染が発生しやすいと言われている。本発明のマスク風フェイスナプキン1は、複数の人がいっしょに同じテーブルで飲食するときに飛沫感染を防止するためのものであり、マスク風フェイスナプキン1を使用する使用者は飛沫感染のリスクを減じて安全安心して食事や話ができる。また、エアコン等により室内を浮遊する飛沫の吸込みを抑制させることができる。
【0020】
発明のマスク風フェイスナプキン1は、
図1、
図2に示すように、紙製シート体50から折り曲げて作られているマスク風フェイスナプキン1であって、略四角形状の右シート部2aと略四角形状の左シート部2bを備え、前記左右のシート部2a、2bは、左右の直線状の上端縁部3a、3b、前記左右のシート部2a、2bの左右方向の中央部に位置する直線状の下端縁部4、左右の直線状の後端縁部5a、5b、及び、前記左右のシート部2a、2bの左右方向の中央部に位置する直線状の前端縁部6を有し、前記直線状の前端縁部6には、使用者80の指で摘むことが可能な前後方向の幅を有する、側面視で長方形状の左右のシート部2a、2bが折り重なった状態の摘まみ用フランジ部7を形成し、前記左右のシート部2a、2bを重ねて共縫いする縫合部位を、前記前端縁部6の前記摘まみ用フランジ部7の後端位置33で上端部から下端部までの範囲、及び、前記直線状の下端縁部4の縁辺近傍の位置32で前端部から後端部までの範囲とし、前記直線状の上端縁部3a、3bには該上端縁部3a、3bの全長にわたる折り重ね部8a、8bを形成し、前記直線状の後端縁部5a、5bは前記摘まみ用フランジ部7の後端33の位置より後方は左右シート部2a、2bを左右方向に離隔可能とし、前記直線状の後端縁部5a、5bは下端縁部4の縫い合せ位置より上方は左右シート部2a、2bを左右方向に離隔可能とし、前記上端縁部3a、3bの前記折り重ね部8a、8bの後端部に、可撓性を有し伸縮可能な材料からなるリング状の耳掛け部10a、10bを添設させている。
【0021】
本発明のマスク風フェイスナプキン1は、
図10に示すような1枚の紙製シート体50から
図10及ぶ
図11に示すように折り曲げて作られている。前記1枚の紙製シート体50は、大きさが真ん中で折りたたんで唇や外鼻孔を覆う広さがあればよく、例えばペーパーナプキンがある。マスク風フェイスナプキン1は左右それぞれに右シート部2aと左シート部2bを構成しており、シート状の紙類の硬質の場合は前記左右のシート部2a、2bは一重でよく、例えばペーパーナプキンのようにやや柔軟性を有する場合は前記左右のシート部2a、2bは
図10(b)に示すように二重にする。また、マスク風フェイスナプキン1は紙製なので、軽くて、折り目がしっかりとでき、安価という特徴がある。
【0022】
マスク風フェイスナプキン1を左側のシート部2bと右側のシート部2aを左右方向の中央部で折り曲げて左右のシート部2a、2bを重ねた状態で説明する。
図3~
図5に示すように、左右のシート部2a、2bの一部が共縫いで他の大部分の部位が分離されている直線状の上端縁部3a、3b、左右のシート部2a、2bを重ねて共縫いした部位の直線状の下端縁部4、左右のシート部2a、2bの一部が共縫いで他の大部分の部位が分離されている直線状の後端縁部5a、5b、左右のシート部2a、2bを重ねて共縫いした部位の直線状の前端縁部6を有している。そして、前記直線状の前端縁部6は使用者80の指で摘むことが可能な前後方向の幅を有する、側面視で長方形状の左右のシート部2a、2bが重なった状態の摘まみ用フランジ部7を形成している。
【0023】
マスク風フェイスナプキン1の形態の事例として、前記直線状の前端縁部6の下端部と前記直線状の下端縁部4の前端部とが交わる角部20の形態が、
図5に示すように前端縁部6の下端部と前記下端縁部4の前端部との角部20が直交する形態A、
図4に示すように前端縁部6の下端部と前記下端縁部4の前端部との角部20が斜線状の形態B、又は、
図3に示すように前端縁部6の下端部と前記下端縁部4の前端部との角部20が円弧状の形態Cが例として挙げられる。
【0024】
前記形態A~形態Cについては、いずれも左右方向の中央部で折り曲げて左右のシート部2a、2bを重ねた状態で、直線状の上端縁部3a、3b、直線状の下端縁部4、直線状の後端縁部5a、5b、直線状の前端縁部6を有し、前記直線状の前端縁部6は使用者80の指で摘むことが可能な前後方向の幅を有する、側面視で長方形状の左右のシート部2a、2bが重なった状態の摘まみ用フランジ部7を形成している。
【0025】
形態Aから形態Cのいずれであっても、
図9に示すように、前記前端縁部6を直線状にしていることと、前記前端縁部6及び前記下端縁部4では左右のシート部2a、2bを接合させていることから、
図1、
図2及び
図6に示すように、前記直線状の前端縁部6の下端部と前記直線状の下端縁部4の前端部とが交わる角部20を先端にした略ドーム状になるので、マスク風フェイスナプキン1と唇や外鼻孔との前後方向の空間9は前記略ドーム状の先端部分となることから、空間9の奥行を長くすることができ、唇を覆った状態であっても食べ物を咬むことができる。
【0026】
よって、使用者80は、唇と外鼻孔を露わにするのは新たな飲食物を口に入れる瞬間のみであるので、同じテーブルで数人で食事しながらおしゃべりをしても飛沫感染防止が実現できる。
【0027】
なお、前記形態Bや形態Cは、
図11(a)に示す手順において切断線21を斜め状又は円弧状(図示なし)で切断すれば製作をすることができる。
【0028】
前記前端縁部6の前記摘まみ用フランジ部7の後端位置33で上端部から下端部まで前記左右のシート部2a、2bを共縫いして縫合している。縫合手段は、紙類を縫合可能な手段であればよく、例えば糸を用いた縫製、ホッチキスなどがある。紙なので糊による接着も可能であるが重ね合わせているので縫合の方が好ましい。左右のシート部2a、2bが一重の場合は、前記摘まみ用フランジ部7は二重の積層構造となり、左右のシート部2a、2bが二重の場合は、前記摘まみ用フランジ部7は四重の積層構造となって、いずれも紙一重ではなく積層させているので剛性を有するため、指で掴みやすい。
【0029】
前記直線状の下端縁部4の縁辺から上方の位置32で前端部から後端部まで、例えば糸を用いた縫製又はホッチキスによる縫合手段により前記左右のシート部2a、2bを重ね合わせた状態で共縫にして縫合している。前記摘まみ用フランジ部7の縫い目の位置33と前記下端縁部4の縫い目の位置32とは連続させる。これにより、前記摘まみ用フランジ部7(前端縁部7)と下端縁部4との交差する部位を略ドーム状に尖らせることができ、
図9に示すように、唇及び外鼻孔と、前記マスク風フェイスナプキン1との間の空間9を大きく確保することができる。
【0030】
前記摘まみ用フランジ部7の範囲、前記直線状の下端縁部4の縁辺から上方の位置32で前端部から後端部までの下端フランジ部7aの範囲、及び、前記摘まみ用フランジ部7と前記下端フランジ部7aが交わる角部20の交差部フランジ部7bの範囲の剛性をさらに一層高める場合には、剛性を高めたいそれぞれのフランジ部7、7a及び7bの中に紙を挿入して左右のシート部2a、2bとともに共縫いして縫合するか、又は、剛性を高めたいそれぞれのフランジ部7、7a及び7bの範囲に全体にわたって縫い目をつくるかで行う。
【0031】
前記直線状の上端縁部3a、3bは、左右のシート部2a、2bの上端縁を下側に1回折り曲げて折り重ね部8を形成して前記折り重ね部8の上下方向の下端側の位置31a、31bで前端部から後端部まで前記左右のシート部2a、2bそれぞれで、前記折り重ね部8を縫合させている。そして、前記左右のシート部2a、2bは、
図1、
図5に示すように、前記摘まみ用フランジ部7の後端の縫い目の位置33から後方を左右方向に離隔可能としている。
【0032】
前記直線状の後端縁部5a、5bは、下端縁部4の縫い目の位置32で前記左右のシート部2a、2bを重ねた共縫状態にして該縫い目から上方は左右シート部2a、2bを左右方向に離隔可能としている。下端縁部4の左右のシート部2a、2bは位置32で共縫状態にあるが、上方側の左右のシート部2a、2bの部位は上方に行くほど左右の間隔を広く確保可能な構成をしている。
【0033】
前記耳掛け部10a、10bは、前記上端縁部3a、3bの前記折り重ね部8の後端部に、可撓性を有し伸縮可能な材料からなるリング状の耳掛け部10a、10bを添設させている。リング状のものとしては、例えば
図1や
図3に示すような輪ゴム、
図5や
図11(c)に示すようなゴム紐、又は、
図4に示すように前記折り重ね部8に貫通孔を設け貫通させた輪状ゴム紐などがある。前記輪ゴムの場合は例えばホッチキスで添設し、ゴム紐の場合は縫製で添設し、輪状ゴム紐の場合は前記折り重ね部8の貫通孔に一端を貫通させた後にゴム紐の両端を結んで添設する。
【0034】
前記掛け部10a、10bは、前記上端縁部3a、3bの前記折り重ね部8の後端部の片側に1か所にしか添設していない。これにより、後端縁部5a、5bを上方にかつ耳の近傍に引き上げるようにするので、顔面には上端縁部3a、3bと後端縁部5a、5bとが当接することになり、前記シート部2aと2bとで略ドーム形状を形成することになり、
図9に示すように唇の前方に大きな空間9を形成させた。
【0035】
したがって、マスク風フェイスナプキン1は、
図1や
図6に示すように、上方から見ると上端縁部3aと3bに挟まれた内側には、右シート部2aの裏面である右シート部裏面2a1と左シート部2bの裏面である左シート部裏面2b1が見える。
【0036】
そして、前記耳掛け部10a、10bを前記上端縁部3a、3bの前記折り重ね部8の後端部の左右の1か所ずつに縫合していること、及び、左右のシート部2a、2bを前記下端縁部4の位置32で共縫していることから、前記耳掛け部10a、10bを耳にかけると、
図7又は
図9に示すように後端縁部5aと後端縁部5bとが上方の左右の耳近傍から下顎角付近までの顎下部の範囲にわたって接する形態となる。これにより、マスクのような平板状のものではなく、
図1に示すような略ドーム状のものを掛ける形態になる。
【0037】
次に、使用方法について説明する。飲食するときにマスク(図示なし)に代えて、
図7に示すように、耳掛け部10a、10bを耳に掛けて、マスク風フェイスナプキン1を装着する。そして、飲食をするときに
図8に示すように、耳掛け部10a、10bを耳に掛けた状態で、前記摘まみ用フランジ部7を指でつまんでマスク風フェイスナプキン1を唇が露わになり飲食物を口に入れられるように下げる。
【0038】
そして、飲食物を口に入れたら、前記摘まみ用フランジ部7を指でつまんでマスク風フェイスナプキン1を上方に上げ、
図7に示すように略元位置に戻し、
図9に示すように唇の周囲には空間9が拡がっているので、唇をマスク風フェイスナプキン1に接することなく咬むことができ食することができ、自分の飛沫をマスク風フェイスナプキン1で飛散阻止できるので、飛沫感染防止ができる。これにより、同じテーブルで数人が飲食を飛沫感染のリスクを抑制させて安全安心に楽しむことができる。
【0039】
次に、ペーパーナプキンからのマスク風フェイスナプキン1の作成手順の例を説明する。なお、マスク風フェイスナプキン1の作成手順は以下の手順に限定されない。
【0040】
まず、
図10(a)に示すように紙製シート体50としてペーパーナプキンを1枚準備する。次に、
図10(a)の状態から上下方向で半分ずつ分けるように、
図10(b)に示すように折り曲げる。次に
図10(c)に示すように上端縁部3a、3bに折り重ね部8をつくるように1回折り曲げる。そして、前記折り曲げ部8の範囲で下方側の位置31a、31bに縫製手段又はホッチキスで縫合する。
【0041】
前記折り重ね部8を4枚重ねにしたので剛性を有するようにしたことにより、マスク風フェイスナプキン1を耳に耳掛け部10a、10bを掛けた状態で上げ下げの繰り返しをしても全体の形が崩れにくいという効果を奏する。
【0042】
次に、
図11(a)に示すように、前記折り重ね部8が内側になるように裏返して(折り重ね部8を表に出す場合は裏返さなくてもよい。)、さらに中央を折り目として左右を折り重ねる。そして、角部9の形状を
図5に示すように直交の形態にする場合はそのままとし、
図4に示すように斜線状の形態にしたい場合は切断線21を直線状に切断し、
図3に示すように円弧状の形態にしたい場合は切断線21を円弧状に切断する。本実施例は直交の形態にした場合で以下に進める。
【0043】
次に、
図11(b)に示すように、前端縁部6の前記摘まみ用フランジ部7の幅を決めて、その幅の後端の位置33に縫製又はホッチキスで右シート部2aと左シート部2bを重ねた状態で共縫し、下端縁部4の前記摘まみ用フランジ部7の幅と略同じ幅の位置32に縫製又はホッチキスで右シート部2aと左シート部2bを重ねた状態で共縫する。
【0044】
次に、前記上端縁部3a、3bの折り重ね部8a、8bの後端部に、可撓性を有し伸縮可能な材料からなるリング状の耳掛け部10a、10b、例えばゴム紐を縫製して添設する。以上でマスク風フェイスナプキン1が完成する。
【符号の説明】
【0045】
1 マスク風フェイスナプキン
2 シート部
2a 右シート部
2a1 右シート部裏面
2b 左シート部
2b1 左シート部裏面
3 上端縁部
4 下端縁部
5 後端縁部
6 前端縁部
7 摘まみ用フランジ部
7a 下端フランジ部
7b 交差部フランジ部
8 折り重ね部
9 空間
10 耳掛け部
20 角部
21 切断位置
31 位置
32 位置
33 位置
50 紙製シート体
80 使用者
【手続補正書】
【提出日】2020-12-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項1に記載のマスク風フェイスナプキンは、紙製シート体から折り曲げて作られているマスク風フェイスナプキンであって、略四角形状の右シート部と略四角形状の左シート部を備え、前記左右のシート部は、左右の直線状の上端縁部、前記左右のシート部の左右方向の中央部に位置する直線状の下端縁部、左右の直線状の後端縁部、及び、前記左右のシート部の左右方向の中央部に位置する直線状の前端縁部を有し、前記直線状の前端縁部には、使用者の指で摘むことが可能な前後方向の幅を有する、側面視で長方形状の左右のシート部が折り重なった状態の摘まみ用フランジ部を形成し、前記左右のシート部を重ねて共縫いする縫合部位を、前記前端縁部の前記摘まみ用フランジ部の後端位置で上端部から下端部までの範囲、及び、前記直線状の下端縁部の縁辺近傍の位置で前端部から後端部までの範囲とし、前記直線状の上端縁部には該上端縁部の全長にわたる折り重ね部を形成し、前記直線状の後端縁部は下端縁部の縫い合せ位置より上方は左右シート部を左右方向に離隔可能とし、前記上端縁部の前記折り重ね部の後端部に、可撓性を有し伸縮可能な材料からなるリング状の耳掛け部を添設させていることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
紙製シート体から折り曲げて作られているマスク風フェイスナプキンであって、
略四角形状の右シート部と略四角形状の左シート部を備え、
前記左右のシート部は、左右の直線状の上端縁部、前記左右のシート部の左右方向の中央部に位置する直線状の下端縁部、左右の直線状の後端縁部、及び、前記左右のシート部の左右方向の中央部に位置する直線状の前端縁部を有し、
前記直線状の前端縁部には、使用者の指で摘むことが可能な前後方向の幅を有する、側面視で長方形状の左右のシート部が折り重なった状態の摘まみ用フランジ部を形成し、
前記左右のシート部を重ねて共縫いする縫合部位を、前記前端縁部の前記摘まみ用フランジ部の後端位置で上端部から下端部までの範囲、及び、前記直線状の下端縁部の縁辺近傍の位置で前端部から後端部までの範囲とし、
前記直線状の上端縁部には該上端縁部の全長にわたる折り重ね部を形成し、
前記直線状の後端縁部は下端縁部の縫い合せ位置より上方は左右シート部を左右方向に離隔可能とし、
前記上端縁部の前記折り重ね部の後端部に、可撓性を有し伸縮可能な材料からなるリング状の耳掛け部を添設させていることを特徴とするマスク風フェイスナプキン。