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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032068
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】樹脂製ヒンジキャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/36 20060101AFI20220217BHJP
   B65D 47/08 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
B65D47/36 200
B65D47/08 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020135526
(22)【出願日】2020-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】518172978
【氏名又は名称】メビウスパッケージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100189083
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 圭介
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】中本 英亮
(72)【発明者】
【氏名】山盛 陽
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AA24
3E084AA32
3E084AA34
3E084AB01
3E084AB07
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC03
3E084FA02
3E084FC04
3E084GA08
3E084GB12
3E084KA20
3E084KB01
3E084KB10
3E084LA01
3E084LB02
3E084LB10
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】簡素な構成で、インナー壁に対する接合筒部の位置ズレに起因した接合不良を防止し、しかも、内側ガイドの設計自由度および射出成形時における成形性を向上する樹脂製ヒンジキャップを提供すること。
【解決手段】上蓋40を開く動作によって弱化部33を破断させる樹脂製ヒンジキャップ10であって、上蓋は、切取予定領域31に接合される接合筒部43を備え、キャップ本体20は、接合筒部の内側に配置される内側ガイド34を有し、内側ガイド34は、前後方向に離間して形成された前方側ガイド凸部35と後方側ガイド凸部36を有し、前方側ガイド凸部35は、前方側傾斜ガイド面35dをその前方側の左右両側にそれぞれ有し、後方側ガイド凸部36は、後方側傾斜ガイド面36dをその後方側の左右両側にそれぞれ有している樹脂製ヒンジキャップ10。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器口部に装着されるキャップ本体と、前記キャップ本体の本体側係合部に係合可能な上蓋側係合部を有した上蓋と、左右方向に沿って延びるヒンジ軸を有し前記キャップ本体および前記上蓋をヒンジ連結するヒンジ部とを備え、前記キャップ本体に対して前後方向における後方側に向けて前記上蓋を開く動作によって、前記本体側係合部および前記上蓋側係合部の係合を解除させるとともに弱化部を破断させて内容物の注出を可能にする樹脂製ヒンジキャップであって、
前記キャップ本体は、注出案内筒部と、前記注出案内筒部の内周側に形成され前記弱化部によって区画された切取予定領域を有したインナー壁を備え、
前記上蓋は、その天面壁の下面から突出して形成され前記切取予定領域に接合される接合筒部を備え、
前記キャップ本体は、前記接合筒部の内側に配置され前記切取予定領域と前記接合筒部との間の位置関係をガイドする内側ガイドを有し、
前記内側ガイドは、前記切取予定領域の上面から突出して形成された前方側ガイド凸部と、前記前方側ガイド凸部の後方側に離間した位置において前記切取予定領域の上面から突出して形成された後方側ガイド凸部とを有し、
前記前方側ガイド凸部は、前方側に向かうに従って前記前方側ガイド凸部の左右方向中央側に寄るように傾斜した前方側傾斜ガイド面を、その前方側の左右両側にそれぞれ有し、
前記後方側ガイド凸部は、後方側に向かうに従って前記後方側ガイド凸部の左右方向中央側に寄るように傾斜した後方側傾斜ガイド面を、その後方側の左右両側にそれぞれ有していることを特徴とする樹脂製ヒンジキャップ。
【請求項2】
前記上蓋は、前記接合筒部の内周面の一部同士を左右方向に連結する補強リブを有し、
前記補強リブの下端部は、前後方向に離間した前記前方側ガイド凸部および前記後方側ガイド凸部の間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製ヒンジキャップ。
【請求項3】
前記前方側ガイド凸部は、左右方向に並んで形成され前記前方側傾斜ガイド面を有した左右の前方側コーナー壁と、前記前方側コーナー壁の後端部から後方側に向けて延びる左右の前方側側方壁を有し、
前記前方側側方壁は、後方側に向かうに従ってその高さが下がる前方側上面スロープをその後端側に有していることを特徴とする請求項2に記載の樹脂製ヒンジキャップ。
【請求項4】
前記後方側ガイド凸部は、左右方向に並んで形成され前記後方側傾斜ガイド面を有した左右の後方側コーナー壁と、前記後方側コーナー壁の前端部から前方側に向けて延びる左右の後方側側方壁を有し、
前記後方側側方壁は、前方側に向かうに従ってその高さが下がる後方側上面スロープをその前端側に有していることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の樹脂製ヒンジキャップ。
【請求項5】
前記前方側ガイド凸部は、左右方向に並んで形成され前記前方側傾斜ガイド面を有した左右の前方側コーナー壁と、前記前方側コーナー壁の後端部から後方側に向けて延びる左右の前方側側方壁と、前記左右の前方側コーナー壁の前端部同士を連結する前方側連結部とを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の樹脂製ヒンジキャップ。
【請求項6】
前記後方側ガイド凸部は、左右方向に並んで形成され前記後方側傾斜ガイド面を有した左右の後方側コーナー壁と、前記後方側コーナー壁の前端部から前方側に向けて延びる左右の後方側側方壁と、前記左右の後方側コーナー壁の後端部同士を連結する後方側連結部とを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の樹脂製ヒンジキャップ。
【請求項7】
前記インナー壁は、前記切取予定領域の外周側に位置する外周側部分を有し、
前記上蓋は、前記接合筒部の前端部から前方側に向けて突出した入り込み防止リブを有し、
前記入り込み防止リブは、前記外周側部分の上方に隙間を有して配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の樹脂製ヒンジキャップ。
【請求項8】
前記入り込み防止リブは、前記接合筒部の前端部から前方側に向けて突出するように形成された薄膜状の部位であることを特徴とする請求項7に記載の樹脂製ヒンジキャップ。
【請求項9】
容器口部に装着されるキャップ本体と、前記キャップ本体の本体側係合部に係合可能な上蓋側係合部を有した上蓋と、前記キャップ本体および前記上蓋をヒンジ連結するヒンジ部とを備え、前記キャップ本体に対して前後方向における後方側に向けて前記上蓋を開く動作によって、前記本体側係合部および前記上蓋側係合部の係合を解除させるとともに弱化部を破断させて内容物の注出を可能にする樹脂製ヒンジキャップであって、
前記キャップ本体は、注出案内筒部と、前記注出案内筒部の内周側に形成され注出用開口部を有したインナー壁を備え、
前記上蓋は、前記注出用開口部の外周においてその下端が前記インナー壁の上部に当接して接合される筒状の接合筒部を備え、
前記インナー壁と前記接合筒部との間の接合部が、前記弱化部であり、
前記キャップ本体は、前記接合筒部の内側に配置され前記インナー壁と前記接合筒部との間の位置関係をガイドする内側ガイドを有し、
前記内側ガイドは、前記インナー壁の上面から突出して形成された前方側ガイド凸部と、前記前方側ガイド凸部の後方側に離間した位置に前記インナー壁の上面から突出して形成された後方側ガイド凸部とを有し、
前記前方側ガイド凸部は、前方側に向かうに従って前記前方側ガイド凸部の左右方向中央側に寄るように傾斜した前方側傾斜ガイド面を、その前方側の左右両側にそれぞれ有し、
前記後方側ガイド凸部は、後方側に向かうに従って前記後方側ガイド凸部の左右方向中央側に寄るように傾斜した後方側傾斜ガイド面を、その後方側の左右両側にそれぞれ有していることを特徴とする樹脂製ヒンジキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器口部に装着される樹脂製ヒンジキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器口部に装着される樹脂製ヒンジキャップとして、容器口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジ結合された上蓋とを備え、キャップ本体に、弱化部(破断可能ライン)によって区画された切取予定領域を有した壁部と、切取予定領域に接続されたプルリングとが形成された樹脂製ヒンジキャップが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところが、特許文献1に開示されるような樹脂製ヒンジキャップは、容器の開封時に、キャップ本体に対して上蓋を開き、プルリングを引っ張って切取予定領域を除去するという2アクションを必要とするという問題や、プルリングに使用者の指を挿入した際に、使用者の指がプルリングに局所的に当接して食い込み、使用者の指に痛みを感じさせることがあるという問題や、キャップ本体から分離させた切取予定領域やプルリングがゴミとなり邪魔になるという問題や、プルリングを引っ張って切取予定領域を除去する時に、容器の内容液が跳ねることがある、等の様々な問題を抱えている。
【0004】
そこで、上述した諸問題を解決する一つの案として、例えば特許文献2に開示されるように、上蓋の天面壁から接合筒部(引き裂き具)を下方に向けて突出させ、当該接合筒部(引き裂き具)の下端を、弱化部によって区画された切取予定領域(シール板)の周縁部分に溶着することが提案されている。
【0005】
特許文献2に開示される樹脂製ヒンジキャップでは、上述した構成を備えていることにより、キャップ本体に対して上蓋を開く動作によって、キャップ本体の本体側係合部と上蓋の上蓋側係合部との間の係合を解除させるとともに、上蓋と共に接合筒部(引き裂き具)および切取予定領域を上方に移動させることで、弱化部を破断させて切取予定領域(シール板)を除去して注出用開口部を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-182990号公報
【特許文献2】特開2005-289389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような特許文献2に開示される樹脂製ヒンジキャップでは、キャップ製造時において、キャップ本体および上蓋を成形した後に、キャップ本体に対して上蓋を閉じ、接合筒部(引き裂き具)の下端を切取予定領域(シール板)の周縁部分に高周波誘導加熱等の手法によって接合するが、キャップ本体に対して上蓋を閉じた状態では、切取予定領域(シール板)の周縁部分に対して接合筒部(引き裂き具)が適切に位置合わせされているかを確認することが困難であるため、切取予定領域(シール板)に対する接合筒部(引き裂き具)の位置ズレに起因した接合不良が生じるおそれがある、という問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡素な構成で、インナー壁に対する接合筒部の位置ズレに起因した接合不良を防止し、しかも、内側ガイドの設計自由度および射出成形時における成形性を向上する樹脂製ヒンジキャップを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、容器口部に装着されるキャップ本体と、前記キャップ本体の本体側係合部に係合可能な上蓋側係合部を有した上蓋と、左右方向に沿って延びるヒンジ軸を有し前記キャップ本体および前記上蓋をヒンジ連結するヒンジ部とを備え、前記キャップ本体に対して前後方向における後方側に向けて前記上蓋を開く動作によって、前記本体側係合部および前記上蓋側係合部の係合を解除させるとともに弱化部を破断させて内容物の注出を可能にする樹脂製ヒンジキャップであって、前記キャップ本体は、注出案内筒部と、前記注出案内筒部の内周側に形成され前記弱化部によって区画された切取予定領域を有したインナー壁を備え、前記上蓋は、その天面壁の下面から突出して形成され前記切取予定領域に接合される接合筒部を備え、前記キャップ本体は、前記接合筒部の内側に配置され前記切取予定領域と前記接合筒部との間の位置関係をガイドする内側ガイドを有し、前記内側ガイドは、前記切取予定領域の上面から突出して形成された前方側ガイド凸部と、前記前方側ガイド凸部の後方側に離間した位置において前記切取予定領域の上面から突出して形成された後方側ガイド凸部とを有し、前記前方側ガイド凸部は、前方側に向かうに従って前記前方側ガイド凸部の左右方向中央側に寄るように傾斜した前方側傾斜ガイド面を、その前方側の左右両側にそれぞれ有し、前記後方側ガイド凸部は、後方側に向かうに従って前記後方側ガイド凸部の左右方向中央側に寄るように傾斜した後方側傾斜ガイド面を、その後方側の左右両側にそれぞれ有していることにより、前記課題を解決するものである。
本発明の他の態様は、容器口部に装着されるキャップ本体と、前記キャップ本体の本体側係合部に係合可能な上蓋側係合部を有した上蓋と、前記キャップ本体および前記上蓋をヒンジ連結するヒンジ部とを備え、前記キャップ本体に対して前後方向における後方側に向けて前記上蓋を開く動作によって、前記本体側係合部および前記上蓋側係合部の係合を解除させるとともに弱化部を破断させて内容物の注出を可能にする樹脂製ヒンジキャップであって、前記キャップ本体は、注出案内筒部と、前記注出案内筒部の内周側に形成され注出用開口部を有したインナー壁を備え、前記上蓋は、前記注出用開口部の外周においてその下端が前記インナー壁の上部に当接して接合される筒状の接合筒部を備え、前記インナー壁と前記接合筒部との間の接合部が、前記弱化部であり、前記キャップ本体は、前記接合筒部の内側に配置され前記インナー壁と前記接合筒部との間の位置関係をガイドする内側ガイドを有し、前記内側ガイドは、前記インナー壁の上面から突出して形成された前方側ガイド凸部と、前記前方側ガイド凸部の後方側に離間した位置に前記インナー壁の上面から突出して形成された後方側ガイド凸部とを有し、前記前方側ガイド凸部は、前方側に向かうに従って前記前方側ガイド凸部の左右方向中央側に寄るように傾斜した前方側傾斜ガイド面を、その前方側の左右両側にそれぞれ有し、前記後方側ガイド凸部は、後方側に向かうに従って前記後方側ガイド凸部の左右方向中央側に寄るように傾斜した後方側傾斜ガイド面を、その後方側の左右両側にそれぞれ有していることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0010】
本請求項1、9に係る発明によれば、上蓋が、その天面壁の下面から突出して形成されインナー壁に接合される接合筒部を備え、キャップ本体が、接合筒部の内側に配置されインナー壁と接合筒部との間の位置関係をガイドする内側ガイドを有していることにより、キャップ製造時においてインナー壁に対して接合筒部を接合する時に、インナー壁に対する接合筒部の位置ズレを回避して、当該位置ズレに起因した接合不良を防止することができるばかりでなく、以下の効果を奏することができる。
すなわち、本請求項1、9に係る発明のようなヒンジキャップではヒンジ部によってキャップ本体と上蓋との間の相対的な動きが制限されることを利用して、左右の前方側傾斜ガイド面および左右の後方側傾斜ガイド面の合計4つのガイド面で、前後方向および左右方向の両方についてインナー壁に対する接合筒部のガイドを達成することが可能であるため、左右の前方側傾斜ガイド面および左右の後方側傾斜ガイド面以外の箇所に関する、内側ガイドの設計自由度を確保することができ、また、これにより、内側ガイドを構成する前方側ガイド凸部および後方側ガイド凸部を前後方向に離間した位置に互いに独立して形成することが可能であるため、内側ガイドによる良好なガイド機能を維持しつつも、射出成形時における内側ガイドの成形性を向上することができる。
また、キャップ製造時においてインナー壁に対して接合筒部を接合する時に、接合筒部内に内側ガイドが位置した状態となるため、接合筒部の下端面だけでなく接合筒部の内周面についても接合面として利用することも可能であるため、接合筒部の接合強度を向上することもできる。
【0011】
本請求項2に係る発明によれば、上蓋が、接合筒部の内周面の一部同士を左右方向に連結する補強リブを有し、補強リブの下端部が、前後方向に離間した前方側ガイド凸部および後方側ガイド凸部の間に配置されている。このように、前後方向に離間した前方側ガイド凸部および後方側ガイド凸部の間の空間を補強リブの下端部の配置スペースとして利用することで、補強リブの上下方向寸法を長く確保して、補強リブによる補強効果を向上することができる。
本請求項3に係る発明によれば、前方側ガイド凸部が、前方側傾斜ガイド面を有した左右の前方側コーナー壁の後端部から後方側に向けて延びる左右の前方側側方壁を有し、前方側側方壁が、後方側に向かうに従ってその高さが下がる前方側上面スロープをその後端側に有していることにより、内側ガイドによる接合筒部のガイド時において、前方側側方壁に対する補強リブの干渉を回避しつつ、前方側側方壁の寸法を前後方向に長く確保することができる。
本請求項4に係る発明によれば、後方側ガイド凸部が、後方側傾斜ガイド面を有した左右の後方側コーナー壁の前端部から前方側に向けて延びる左右の後方側側方壁を有し、後方側側方壁が、前方側に向かうに従ってその高さが下がる後方側上面スロープをその前端側に有していることにより、内側ガイドによる接合筒部のガイド時において、後方側側方壁に対する補強リブの干渉を回避しつつ、後方側側方壁の寸法を前後方向に長く確保することができる。
本請求項5に係る発明によれば、前方側ガイド凸部が、前方側傾斜ガイド面を有した左右の前方側コーナー壁の後端部から後方側に向けて延びる左右の前方側側方壁と、左右の前方側コーナー壁の前端部同士を連結する前方側連結部とを有していることにより、簡素な構造で、接合筒部との接触に起因した、前方側傾斜ガイド面を有した前方側コーナー壁の倒れを抑制することができる。
本請求項6に係る発明によれば、後方側ガイド凸部が、後方側傾斜ガイド面を有した左右の後方側コーナー壁の前端部から前方側に向けて延びる左右の後方側側方壁と、左右の後方側コーナー壁の後端部同士を連結する後方側連結部とを有していることにより、簡素な構造で、接合筒部との接触に起因した、後方側傾斜ガイド面を有した後方側コーナー壁の倒れを抑制することができる。
本請求項7に係る発明によれば、上蓋が、接合筒部の前端部から前方側に向けて突出した入り込み防止リブを有していることにより、樹脂製ヒンジキャップの開封後において、接合筒部に接合された切取予定領域がインナー壁の開口部内に下方に深く入り込もうとした時に、インナー壁に対して入り込み防止リブを突き当たらせて、切取予定領域がインナー壁の開口部内に下方に深く入り込むことを防止することができる。また、入り込み防止リブが、切取予定領域の外周側に位置する外周側部分の上方に隙間を有して配置されていることにより、入り込み防止リブの寸法等について多少の製造誤差が生じた場合であっても、キャップ製造時において、インナー壁に対する入り込み防止リブの突き当たりによって、インナー壁の上面に対する接合筒部の下端の当接が阻害されてしまうことを抑制できる。
本請求項8に係る発明によれば、入り込み防止リブは、接合筒部の前端部から前方側に向けて突出するように形成された薄膜状の部位であることにより、入り込み防止リブが弾性変形し易くなるため、キャップ製造時において、インナー壁に対する入り込み防止リブの突き当たりによって、インナー壁の上面に対する接合筒部の下端の当接が阻害されてしまうことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る樹脂製ヒンジキャップを示す断面図。
図2】キャップ本体に対して上蓋を開いた状態を示す平面図。
図3】接合筒部および内側ガイドを説明するための説明図。
図4】本発明の第2実施形態に係る樹脂製ヒンジキャップを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の第1実施形態に係る樹脂製ヒンジキャップ10について、図面に基づいて説明する。
【0014】
まず、樹脂製ヒンジキャップ10は、合成樹脂等から射出成形によって形成され、図1に示すように、容器口部(図示しない)に装着されるキャップ本体20と、キャップ本体20の本体側係合部24に係合可能な上蓋側係合部45を有した上蓋40と、左右方向Yに沿って延びるヒンジ軸を有しキャップ本体20および上蓋40をヒンジ連結するヒンジ部50とを一体に備え、ヒンジ部50のヒンジ軸を中心としてキャップ本体20に対して前後方向Xにおける後方側に向けて上蓋40を回動させて上蓋40を開く動作によって、本体側係合部24および上蓋側係合部45の係合を解除させるとともに弱化部33を破断させて内容物の注出を可能にするものである。
【0015】
以下に、樹脂製ヒンジキャップ10の各構成要素について説明する。なお、以下で用いる前後方向X、左右方向(ヒンジ軸方向)Y、および、上下方向Zは、互いに直交する方向である。
【0016】
キャップ本体20は、図1に示すように、略円筒状の注出案内筒部21と、注出案内筒部21の内周面から内周側に向けて延出した略板状のインナー壁30と、注出案内筒部21の下方に連続して形成された円筒状の挿入筒部22と、挿入筒部22の上部外周に連続して形成された円筒状のスカート壁23と、スカート壁23の上部外周に形成された本体側係合部24とを一体に有している。
【0017】
キャップ本体20を容器口部(図示しない)に装着した状態では、挿入筒部22が、容器口部(図示しない)の内周側に挿入され、また、スカート壁23が、容器口部(図示しない)の外周側に外嵌される。
【0018】
インナー壁30は、図1図2に示すように、その中央(または中央付近)に形成された切取予定領域31と、切取予定領域31の外周側に位置する外周側部分32とを有している。
【0019】
切取予定領域31は、図1に示すように、インナー壁30の下面および上面に環状(無端状に一周繋がった状態)に形成された凹溝状の弱化部33によって区画された部位である。
この切取予定領域31は、樹脂製ヒンジキャップ10の開封時に、上蓋40の回動に伴って接合筒部43を介して上方に引っ張られ、弱化部33が破断することによって外周側部分32から切り離される。
切取予定領域31の除去後にインナー壁30に形成される開口部は、内容物を注出させる注出用開口部として機能する。
なお、弱化部33の具体的態様は、インナー壁30の下面および上面に凹溝状に形成されたものに限られず、周辺箇所よりも強度が弱く破断を生じ易く形成されたものであれば、如何なるものでもよい。
また、上下方向Zに見た場合の弱化部33の形状についても如何なるものでもよいが、図2に示すように、破断開始予定部33aである弱化部33の前端部を起点とした破断を後方側に良好に伝えるために、弱化部33の前方側部分を、前方側(破断開始予定部33a)に向けて先細った形状で形成するのが好ましい。
【0020】
外周側部分32は、図1図2に示すように、円環状の外周縁を有し、外周側に向けて上方側に傾斜して形成された部位であり、外周側部分32の上面は、外周側に向けて上方側に傾斜した注出誘導面として機能する。
【0021】
キャップ本体20は、図1図2に示すように、(キャップ本体20に対して上蓋40を閉じた状態で)上蓋40の接合筒部43の内側に配置され、キャップ製造時においてキャップ本体20に対して上蓋40を閉じる際に切取予定領域31と接合筒部43との間の位置関係をガイドするための内側ガイド34を更に有している。
【0022】
内側ガイド34は、図1図2に示すように、切取予定領域31の上面から突出して形成された前方側ガイド凸部35と、前方側ガイド凸部35の後方側に離間した位置において切取予定領域31の上面から突出して形成された後方側ガイド凸部36とを有している。
【0023】
前方側ガイド凸部35は、図3に示すように、左右方向Yに並んで形成された左右の前方側コーナー壁35aと、前方側コーナー壁35aの後端部から後方側に向けて延びる左右の前方側側方壁35bと、前方側ガイド凸部35の左右方向Y中央において左右の前方側コーナー壁35aの前端部同士を連結する前方側連結部35cとを有している。
【0024】
前方側ガイド凸部35は、図3に示すように、前方側傾斜ガイド面35dをその前方側の左右両側にそれぞれ有し、具体的には、前方側ガイド凸部35の各前方側コーナー壁35aは、前方側に向かうに従って前方側ガイド凸部35の左右方向Y中央側に寄るように傾斜した前方側傾斜ガイド面35dを外側面側に有している。
また、前方側側方壁35bは、図3に示すように、前後方向Xに沿って延び左右方向Yに対して垂直に配置された前方側側方ガイド面35eを外側面側に有している。
また、前方側連結部35cの前端面35fは、図3に示すように、前後方向Xに対して垂直に形成されている。この前方側連結部35cの前端面35fは、接合筒部43内に内側ガイド34を配置する時に、接合筒部43の内側面をガイドすることが無い(言い換えると、接合筒部43の内側に内側ガイド34を配置した状態で接合筒部43の内側面から離れた位置に位置する)ように形成されている。
【0025】
また、前方側側方壁35bは、図1図3に示すように、後方側に向かうに従ってその高さが下がる前方側上面スロープ35gをその後端側に有している。
また、前方側ガイド凸部35の各部35a、35b、35cは、図1に示すように、その外側面側に向かうに従ってその高さが下がる傾斜部35hをその上面の外側面側に有している。
【0026】
後方側ガイド凸部36は、図3に示すように、左右方向Yに並んで形成された左右の後方側コーナー壁36aと、後方側コーナー壁36aの前端部から前方側に向けて延びる左右の後方側側方壁36bと、左右の後方側コーナー壁36aの後端部同士を連結する後方側連結部36cとを有している。
【0027】
後方側ガイド凸部36は、図3に示すように、後方側傾斜ガイド面36dをその後方側の左右両側にそれぞれ有し、具体的には、後方側ガイド凸部36の各後方側コーナー壁36aは、後方側に向かうに従って後方側ガイド凸部36の左右方向Y中央側に寄るように傾斜した後方側傾斜ガイド面36dを外側面側に有している。
また、後方側側方壁36bは、図3に示すように、前後方向Xに沿って延び左右方向Yに対して垂直に配置された後方側側方ガイド面36eを外側面側に有している。
また、後方側連結部36cは、図3に示すように、左右方向Yに沿って延び前後方向Xに対して垂直に配置された後端ガイド面36fを外側面側に有している。
【0028】
また、後方側側方壁36bは、図1図3に示すように、前方側に向かうに従ってその高さが下がる後方側上面スロープ36gをその前端側に有している。
また、後方側ガイド凸部36の各部36a、36b、36cは、その外側面側に向かうに従ってその高さが下がる傾斜部36hをその上面の外側面側に有している。
【0029】
上蓋40は、図1図2に示すように、円板状の天面壁41と、天面壁41の外周縁から垂下する円筒状のスカート壁42と、天面壁41の下面から下方に向けて延びる筒状の接合筒部43と、スカート壁42の内周側かつ接合筒部43の外周側において、天面壁41の下面から下方に向けて突出する環状の封止リング44と、スカート壁42の下部内周に形成された上蓋側係合部45と、接合筒部43の内周側に形成された補強リブ46と、接合筒部43の前端部から前方側に向けて突出して形成された入り込み防止リブ47と、天面壁41の下面から下方に向けて突出した突出リブ48とを一体に有している。
【0030】
接合筒部43の下端部は、熱溶着等の手段によって、インナー壁30の切取予定領域31の外周縁において、切取予定領域31の上面に接合されている。
接合筒部43は、図2から分かるように、上下方向Zに見た場合の形状が、切取予定領域31の外周縁(言い換えると、弱化部33)の形状と同様に形成されている。
【0031】
接合筒部43は、図3に示すように、左右方向Yに離間して配置され前後方向Xに沿って延びる左右の側方壁43aと、その後方側において左右方向Yに沿って延びる後方壁43bと、側方壁43aの後端および後方壁43bの左右端部を連結する左右の後方側コーナー壁43cと、側方壁43aの前端から前方側に向けて延びる左右の前方側傾斜壁43dと、接合筒部43の左右方向Y中央において左右の前方側傾斜壁43dの前端同士を連結する連結部43eとを有している。
【0032】
側方壁43aは、図3に示すように、前後方向Xに沿って延び左右方向Yに対して垂直に配置された側方被ガイド面43fを内側面側に有している。側方被ガイド面43fは、接合筒部43内に内側ガイド34を配置した状態で、内側ガイド34の前方側側方ガイド面35eおよび後方側側方ガイド面36eに左右方向Yに対向する。
また、後方壁43bは、図3に示すように、左右方向Yに沿って延び前後方向Xに対して垂直に配置された後端被ガイド面43gを内側面側に有している。後端被ガイド面43gは、接合筒部43内に内側ガイド34を配置した状態で、内側ガイド34の後端ガイド面36fに前後方向Xに対向する。
また、後方側コーナー壁43cは、図3に示すように、後方側に向かうに従って接合筒部43の左右方向Y中央側に寄るように傾斜した後方側被傾斜ガイド面43hを内側面側に有している。後方側被傾斜ガイド面43hは、接合筒部43内に内側ガイド34を配置した状態で、内側ガイド34の後方側傾斜ガイド面36dに前後方向Xおよび左右方向Yに対向する。
また、前方側傾斜壁43dは、図3に示すように、前方側に向かうに従って接合筒部43の左右方向Y中央側に寄るように傾斜した前方側傾斜被ガイド面43iを内側面側に有している。前方側傾斜被ガイド面43iは、接合筒部43内に内側ガイド34を配置した状態で、内側ガイド34の前方側傾斜ガイド面35dに前後方向Xおよび左右方向Yに対向する。
【0033】
なお、本実施形態では、図3に示すように、後方側被傾斜ガイド面43h、前方側傾斜被ガイド面43i、後方側傾斜ガイド面36d、および前方側傾斜ガイド面35dが、外周側に凸状に膨らんだ湾曲面として形成されている。しかしながら、これら面43h、43i、36d、35dの少なくとも1つを、平坦面として形成してもよい。
【0034】
補強リブ46は、図2に示すように、接合筒部43の内周面の一部同士を左右方向Yに連結するように形成され、その下端部は、図1に示すように、前後方向Xに離間した前方側ガイド凸部35および後方側ガイド凸部36の間(空間)に配置されている。
なお、本実施形態では、補強リブ46が、前後方向Xに並べて2つ形成されているが、補強リブ46の数量は、1つ等如何なるものでもよい。
【0035】
入り込み防止リブ47は、図1図2に示すように、接合筒部43の前端部(連結部43eの前端部)から前方側に向けて突出するように形成されるとともに、天面壁41にも連続して形成された、左右方向Yに垂直な薄膜状の部位である。
入り込み防止リブ47は、薄膜状に形成されていることから弾性変形可能であり、図1に示すように、外周側部分32の上方に僅かに隙間を有して配置されている。
【0036】
入り込み防止リブ47の設置による効果を具体的に説明すると、まず、樹脂製ヒンジキャップ10の開封後(弱化部33の破断後)には、弱化部33の破断箇所(切取予定領域31の外周面または外周側部分32の内周面の少なくとも一方)に薄膜状の残膜が形成されることがある。そして、このような残膜が形成された場合、切取予定領域31の除去後にインナー壁30に形成された開口部内に、接合筒部43に接合された切取予定領域31が下方に深く入り込んでしまうと、前記残膜が、切取予定領域31の外周面または外周側部分32の内周面に引っ掛かってしまうことがあり、上蓋40を開けた時に、上記引っ掛かりが解除された反動で、切取予定領域31の下面等に付着した内容液が飛び散ってしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、外周側部分32の上方に僅かに隙間を有して配置された入り込み防止リブ47を形成することにより、インナー壁30に形成された開口部内に切取予定領域31が下方に深く入り込もうとした時に、外周側部分32の上面に入り込み防止リブ47を突き当たらせて、前記開口部内に切取予定領域31が下方に深く入り込んで前記残膜が切取予定領域31の外周面または外周側部分32の内周面に引っ掛かってしまうことを防止する。
このように、入り込み防止リブ47の形成目的は、残膜が切取予定領域31の外周面または外周側部分32の内周面に引っ掛かってしまうことを防止することであることから、入り込み防止リブ47の下端と外周側部分32の上面との間の隙間を、切取予定領域31の上下方向Zにおける厚みよりも狭く、より好ましくは、弱化部33から外周側部分32、切取予定領域31の下面までの上下方向寸法)よりも狭く設定することが好ましい。
【0037】
突出リブ48は、図2に示すように、接合筒部43の外周側において、上下方向Zに見た場合に前方側に開口したU字状に形成され、上蓋40の天面壁41の下面に付着した内容液が天面壁41の下面を伝ってヒンジ部50側に移動することを防止するためのものである。
【0038】
キャップ本体20に対して上蓋40を閉じた状態では、図1に示すように、本体側係合部24に対して上蓋側係合部45がスナップ嵌合して、上蓋40の閉状態が維持され、また、注出案内筒部21の内周に対して封止リング44の外周が密着することで、容器(図示しない)の密閉性が維持される。
なお、本実施形態では、本体側係合部24および上蓋側係合部45は、図1図2から分かるように、周方向全周に亘って形成されているが、本体側係合部24および上蓋側係合部45の具体的な位置や態様は、互いに解除可能に係合可能なものであれば如何なるものでもよい。
【0039】
次に、本発明の第2実施形態に係る樹脂製ヒンジキャップ10について、図4に基づいて説明する。ここで、第2実施形態では、一部構成については、前述した第1実施形態と全く同じであるため、相違点以外の構成については、その説明を省略する。
【0040】
まず、第2実施形態では、図4に示すように、インナー壁30の中央(または中央付近)に、第1実施形態における切取予定領域31(および弱化部33)が形成されていない代わりに、上下方向Zに貫通する注出用開口部37が形成されている。
また、これに伴い、第2実施形態におけるインナー壁30の外周側部分32は、注出用開口部37の外周側に形成された部位になる。
【0041】
また、第2実施形態では、図4に示すように、接合筒部43の下端が、注出用開口部37の外周において、インナー壁30(の外周側部分32)の上部に当接して接合されている。
【0042】
なお、本実施形態では、インナー壁30と接合筒部43との間が、超音波加熱によって接合されている(すなわち、超音波の発振によってインナー壁30と接合筒部43との間の当接面において熱を生じさせてインナー壁30と接合筒部43とを溶着している)が、インナー壁30と接合筒部43との間の接合方法については、破断可能なものであれば如何なるものでもよい。
【0043】
また、第2実施形態では、インナー壁30と接合筒部43との間の接合部が、周辺箇所よりも強度が弱く破断を生じ易い弱化部60として形成されており、すなわち、樹脂製ヒンジキャップ10の開封時に上蓋40を回動させた時に、インナー壁30と接合筒部43との間の接合部としての弱化部60が破断を生じ、注出用開口部37を通じた内容物の注出が可能となる。
なお、第2実施形態においても、弱化部60の破断開始予定部は、弱化部60の前端部付近になる。
【0044】
また、第2実施形態では、図4に示すように、外周側部分32と接合筒部43との間の接合部(弱化部60)よりも内周側(本実施形態では、外周側部分32の内周縁)において、外周側部分32の上面に、第1実施形態と同様に形成された内側ガイド34(前方側ガイド凸部35および後方側ガイド凸部36)が形成されている。
第2実施形態では、内側ガイド34は、接合筒部43の内側に配置されインナー壁30の外周側部分32と接合筒部43との間の位置関係をガイドする部位になる。
【0045】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0046】
例えば、上述した実施形態では、樹脂製ヒンジキャップ10が、容器等の容器口部(図示しない)に取り付けられるキャップであるものとして説明したが、樹脂製ヒンジキャップ10の取付対象となる容器の種類は如何なるものでもよく、例えば、樹脂製容器、ガラス容器や紙パック等でもよい。
また、上述した実施形態では、内容物が液体状のものであるものとして説明したが、内容物の具体的態様は、粉末状のもの等であってもよい。
また、上述した実施形態では、上蓋40とキャップ本体20とが一体に形成されているものとして説明したが、別体に形成された上蓋40とキャップ本体20とをヒンジ連結してもよい。
【0047】
また、上述した実施形態では、接合筒部43が、その上端から下端に亘って周方向に繋がった筒状に形成されているものとして説明したが、接合筒部43の周方向の一部に切り欠き等を形成してもよい。
また、上述した実施形態では、接合筒部43内に内側ガイド34を配置した状態で、内側ガイド34の外側面と接合筒部43の内側面との間に前後方向Xおよび左右方向Yにおいて、多少のガタ(隙間)が生じるように、内側ガイド34および接合筒部43が形成されているものとして説明したが、接合筒部43内に内側ガイド34を配置した状態で、内側ガイド34の外側面と接合筒部43の内側面との間に、前後方向Xおよび左右方向Yの少なくとも一方において、ガタ(隙間)が生じないように、内側ガイド34および接合筒部43を形成してもよい。この場合、内側ガイド34および接合筒部43の少なくとも一方の弾性変形を利用して、接合筒部43内に内側ガイド34を設置すればよい。
【符号の説明】
【0048】
10 ・・・ 樹脂製ヒンジキャップ
20 ・・・ キャップ本体
21 ・・・ 注出案内筒部
22 ・・・ 挿入筒部
23 ・・・ スカート壁
24 ・・・ 本体側係合部
30 ・・・ インナー壁
31 ・・・ 切取予定領域
32 ・・・ 外周側部分
33 ・・・ 弱化部
33a ・・・ 破断開始予定部
34 ・・・ 内側ガイド
35 ・・・ 前方側ガイド凸部
35a ・・・ 前方側コーナー壁
35b ・・・ 前方側側方壁
35c ・・・ 前方側連結部
35d ・・・ 前方側傾斜ガイド面
35e ・・・ 前方側側方ガイド面
35f ・・・ 前端面
35g ・・・ 前方側上面スロープ
35h ・・・ 傾斜部
36 ・・・ 後方側ガイド凸部
36a ・・・ 後方側コーナー壁
36b ・・・ 後方側側方壁
36c ・・・ 後方側連結部
36d ・・・ 後方側傾斜ガイド面
36e ・・・ 後方側側方ガイド面
36f ・・・ 後端ガイド面
36g ・・・ 後方側上面スロープ
36h ・・・ 傾斜部
37 ・・・ 注出用開口部
40 ・・・ 上蓋
41 ・・・ 天面壁
42 ・・・ スカート壁
43 ・・・ 接合筒部
43a ・・・ 側方壁
43b ・・・ 後方壁
43c ・・・ 後方側コーナー壁
43d ・・・ 前方側傾斜壁
43e ・・・ 連結部
43f ・・・ 側方被ガイド面
43g ・・・ 後端被ガイド面
43h ・・・ 後方側被傾斜ガイド面
43i ・・・ 前方側傾斜被ガイド面
44 ・・・ 封止リング
45 ・・・ 上蓋側係合部
46 ・・・ 補強リブ
47 ・・・ 入り込み防止リブ
48 ・・・ 突出リブ
50 ・・・ ヒンジ部
60 ・・・ 弱化部
X ・・・ 前後方向
Y ・・・ 左右方向
Z ・・・ 上下方向
図1
図2
図3
図4