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  • 特開-ATM管理装置およびATM管理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032094
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】ATM管理装置およびATM管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20220217BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020135578
(22)【出願日】2020-08-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (その1) 公開日 2020年3月19日 公開場所 株式会社南都銀行の設置するATM全機
(71)【出願人】
【識別番号】500447196
【氏名又は名称】株式会社南都銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤木 勝俊
(72)【発明者】
【氏名】奥田 章大
(72)【発明者】
【氏名】橋本 浩至
(72)【発明者】
【氏名】山口 和人
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB04
(57)【要約】
【課題】ATMを利用して携帯電話番号などの連絡先情報の取得を促進するATM管理装置およびATM管理方法を提供する。
【解決手段】ATM管理装置3は、ATM2が顧客の操作を受け付けた場合に、前記顧客の所定の連絡先情報が登録されているか否かを顧客情報DB4に照会する照会部322と、顧客情報DB4に前記連絡先情報が登録されていない場合に、前記連絡先情報の登録を案内する案内画面をATM2に表示させる表示制御部323と、前記連絡先情報の入力が完了した場合に、前記連絡先情報を顧客情報DB4に登録する登録部324と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ATMを管理するATM管理装置であって、
前記ATMが顧客の操作を受け付けた場合に、前記顧客の所定の連絡先情報が登録されているか否かをデータベースに照会する照会部と、
前記データベースに前記連絡先情報が登録されていない場合に、前記連絡先情報の登録を案内する案内画面を前記ATMに表示させる表示制御部と、
前記連絡先情報の入力が完了した場合に、前記連絡先情報を前記データベースに登録する登録部と、
を備えることを特徴とするATM管理装置。
【請求項2】
前記連絡先情報の入力が中止された場合に、前記顧客に発行されるレシートまたは利用明細書に、前記連絡先情報の登録を促すメッセージを前記ATMに印字させる印字制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のATM管理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記ATMが前記顧客の操作を受け付けない期間に、前記案内画面を前記ATMに表示させることを特徴とする請求項1または2に記載のATM管理装置。
【請求項4】
前記連絡先情報は携帯電話番号であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のATM管理装置。
【請求項5】
ATMを管理するATM管理方法であって、
前記ATMが顧客の操作を受け付けた場合に、前記顧客の所定の連絡先情報が登録されているか否かをデータベースに照会する照会ステップと、
前記データベースに前記連絡先情報が登録されていない場合に、前記連絡先情報の登録を案内する案内画面を前記ATMに表示させる表示ステップと、
前記連絡先情報の入力が完了した場合に、前記連絡先情報を前記データベースに登録する登録ステップと、
を備えることを特徴とするATM管理方法。
【請求項6】
前記連絡先情報の入力が中止された場合に、前記顧客に発行されるレシートまたは利用明細書に、前記連絡先情報の登録を促すメッセージを前記ATMに印字させる印字ステップをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のATM管理方法。
【請求項7】
前記表示ステップでは、前記ATMが前記顧客の操作を受け付けない期間に、前記案内画面を前記ATMに表示させることを特徴とする請求項5または6に記載のATM管理方法。
【請求項8】
前記連絡先情報は携帯電話番号であることを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載のATM管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関の現金自動預け払い機(Automatic Teller Machine、以下「ATM」と称する)を管理するATM管理装置およびATM管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、銀行業界では、インターネットバンキングおよびキャッシュレスの普及により、店舗への来店者数が減少している。そのため、対面での営業が難しくなり、非対面での営業の強化を余儀なくされている。
【0003】
一方、日本では、諸外国に比べ現金を使用する人が多いため、ATMは銀行にとって依然として重要なチャネルである。出願人は、顧客に対し1:1で接触できるATMを利用した新たなシステムを構築し、ATMに、銀行や取引先の広告を顧客別に表示できるようにしている。同様の技術は、例えば下記の特許文献1にも開示されている。
【0004】
さらに出願人は、顧客起点のチャネルである携帯電話番号に着目している。携帯電話番号は、現代社会において、ほぼ一人一つ以上保有している状況であり、機種変更時に番号を変更するケースも殆どなくなっている。今後は、大手3キャリア専門アプリ「+メッセージ」が「LINE」等に並列する新たな通信手段として確立していると見られている。「+メッセージ」では、携帯電話番号を宛先にして、テキストの他、スタンプ、写真、動画なども送受信できるようになっており、さらに、「+メッセージ」を利用した金融機関共通手続プラットフォーム「AIRPOST」等も開発されている。これにより、携帯電話番号は、単なる電話営業やSMSを活用した営業ツールとしてだけではなく、多様なサービスを提供するツールとなり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-266944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
銀行側が顧客と対面する機会が減少している現状では、口座開設時などに携帯電話番号を登録していない顧客に対して、銀行側から携帯電話番号を聞き出す機会は少ない。また、ATMを介した送金依頼時などに、依頼者の電話番号を入力するための画面が表示されることがあるが、ここで入力された携帯電話番号は、送金取引が完了するまで一時的に保存されるだけで、その後のサービス提供ツールとして活用されることはなかった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、ATMを利用して携帯電話番号などの連絡先情報の取得を促進するATM管理装置およびATM管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を含む。
項1.
ATMを管理するATM管理装置であって、
前記ATMが顧客の操作を受け付けた場合に、前記顧客の所定の連絡先情報が登録されているか否かをデータベースに照会する照会部と、
前記データベースに前記連絡先情報が登録されていない場合に、前記連絡先情報の登録を案内する案内画面を前記ATMに表示させる表示制御部と、
前記連絡先情報の入力が完了した場合に、前記連絡先情報を前記データベースに登録する登録部と、
を備えることを特徴とするATM管理装置。
項2.
前記連絡先情報の入力が中止された場合に、前記顧客に発行されるレシートまたは利用明細書に、前記連絡先情報の登録を促すメッセージを前記ATMに印字させる印字制御部をさらに備えることを特徴とする項1に記載のATM管理装置。
項3.
前記表示制御部は、前記ATMが前記顧客の操作を受け付けない期間に、前記案内画面を前記ATMに表示させることを特徴とする項1または2に記載のATM管理装置。
項4.
前記連絡先情報は携帯電話番号であることを特徴とする項1~3のいずれかに記載のATM管理装置。
項5.
ATMを管理するATM管理方法であって、
前記ATMが顧客の操作を受け付けた場合に、前記顧客の所定の連絡先情報が登録されているか否かをデータベースに照会する照会ステップと、
前記データベースに前記連絡先情報が登録されていない場合に、前記連絡先情報の登録を案内する案内画面を前記ATMに表示させる表示制御ステップと、
前記連絡先情報の入力が完了した場合に、前記連絡先情報を前記データベースに登録する登録ステップと、
を備えることを特徴とするATM管理方法。
項6.
前記連絡先情報の入力が中止された場合に、前記顧客に発行されるレシートまたは利用明細書に、前記連絡先情報の登録を促すメッセージを前記ATMに印字させる印字制御ステップをさらに備えることを特徴とする項5に記載のATM管理方法。
項7.
前記表示制御ステップでは、前記ATMが前記顧客の操作を受け付けない期間に、前記案内画面を前記ATMに表示させることを特徴とする項5または6に記載のATM管理方法。
項8.
前記連絡先情報は携帯電話番号であることを特徴とする項5~7のいずれかに記載のATM管理方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ATMを介して携帯電話番号などの連絡先情報の登録を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るATM管理システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係るATM管理方法の処理手順を示すフローチャートである。
図3】案内画面の一例である。
図4】入力受付画面の一例である。
図5】利用明細書の一例である。
図6】レシートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
(システム構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るATM管理システム1の概略構成を示すブロック図である。ATM管理システム1は、ATM2と、ATM管理装置3と、顧客情報データベース(DB)4とを備えている。
【0013】
ATM2は、金融機関の店舗の他、ショッピングモールなどに設置されている。ATM2は、通信部21と、タッチパネル22と、ディスプレイ23と、制御部24とを主に備えている。
【0014】
通信部21は、ネットワークNを介して他の機器との通信を行うためのモジュールである。ネットワークNは、例えば、都市銀行オンライン(BANCS)、地方銀行オンライン(ACS)、第二地方銀行オンライン(SCS)、信託銀行オンライン(SOCS)などのATM専用のネットワークである。
【0015】
タッチパネル22は、ディスプレイ23上に設けられており、ATM2の利用者(顧客)のタッチ操作を受け付ける。
【0016】
制御部24は、ATM2の各種動作を制御する装置であり、機能ブロックとして、印字部241と、操作受付部242と、表示部243とを主に備えている。
【0017】
印字部241は、各種取引の終了時に発行されるレシートまたは利用明細書に文字情報を印刷する機能を有している。操作受付部242は、タッチパネル22から入力される信号に基づき、顧客の操作内容を、ATM2の他の機能ブロックやATM管理装置3に送信する機能を有している。表示部243は、ATM2に保存されている画像データや、ATM管理装置3から受信した画像データに基づき、ディスプレイ23に各種画像を表示する機能を有している。
【0018】
ATM管理装置3は、ATM2を管理するサーバであり、汎用のコンピュータで構成することができる。顧客情報DB(データベース)4は、金融機関の口座を保有する顧客に関する情報を記憶するデータベースである。ATM管理装置3は、通信部31と、制御部32とを主に備えている。なお、ATM管理装置3に顧客情報DB4を組み込んでもよい。
【0019】
通信部31は、ネットワークNを介して他の機器との通信を行うためのモジュールである。制御部32は、ATM管理装置3の各種動作を制御する装置であり、機能ブロックとして、認証部321と、照会部322と、表示制御部323と、登録部324と、印字制御部325とを主に備えている。これらの機能ブロックは、所定のプログラムをATM管理装置3のCPUまたはGPUが主記憶装置に読み出して実行することにより実現することができる。
【0020】
認証部321は、ATM2において預金引出や送金の操作を受け付けた場合に、暗証番号の入力や指紋、静脈などによる認証を行う機能を有している。照会部322は、顧客情報DB4にアクセスして、各種顧客情報の照会を行う機能を有している。表示制御部323は、ATM2の表示部243を制御することにより、ディスプレイ23へ各種画面を表示させる機能を有している。登録部324は、ATM2から送信された顧客に関する情報を顧客情報DBに登録する機能を有している。印字制御部325は、ATM2の印字部241を制御することにより、レシートまたは利用明細書に各種メッセージを印字させる機能を有している。
【0021】
(処理手順)
本実施形態に係るATM管理方法では、顧客の所定の連絡先情報(携帯電話番号)を取得するために、図1に示すATM管理システム1において、図2に示す処理を行う。以下では、顧客がATM2において預金の引出操作を行う場合の処理について説明する。
【0022】
顧客がATM2にキャッシュカードまたは通帳を挿入して所定の操作を行うことにより、預金の引出操作を開始すると(ステップS1)、ATM管理装置3の認証部321は、顧客の認証を行う(ステップS2、照会ステップ)。
【0023】
続いて、照会部322は、顧客情報DB4にアクセスして、顧客の携帯電話番号が登録されているか否かを顧客情報DB4に照会する(ステップS3)。なお、ステップS3は、ATM2が顧客の操作を受け付けて、顧客の口座情報を取得した後であれば、いつでも実施してもよく、例えば、ステップS2の前に実施してもよい。
【0024】
続いて、顧客が所定の操作を行うことにより預金の引出を指示すると(ステップS4)、出金処理や通帳記入処理のため、しばらくの間、ATM2が顧客の操作を受け付けない状態となる。その期間に、ATM2のディスプレイ23に表示される画面は、ステップS3の照会結果によって異なる。
【0025】
具体的には、顧客情報DB4に顧客の携帯電話番号が登録されている場合、ステップS6に移行し、表示制御部323が、顧客に応じた商品の広告画面をATM2のディスプレイ23に表示させる。なお、ステップS6では、広告画面を表示させることは任意であり、「しばらくお待ちください」などのメッセージを表示させてもよい。
【0026】
一方、顧客情報DB4に顧客の携帯電話番号が登録されていない場合、ステップS7(表示ステップ)に移行し、表示制御部323は、携帯電話番号の登録を案内する案内画面をATM2のディスプレイ23に表示させる。
【0027】
図3は、案内画面の一例であり、領域R1に「携帯電話番号のご登録をお願いします。」というメッセージが表示されている。案内画面の下部には、携帯番号登録ボタンB1と、画面表示終了ボタンB2とが表示されている。携帯番号登録ボタンB1が押下されると、図4に示す入力受付画面がディスプレイ23に表示される。
【0028】
入力受付画面において、数字キーを操作することにより携帯電話番号を入力し、確認ボタンB3を押下すると、携帯電話番号の入力が完了する(ステップS8においてYes)。この場合、登録部324が、携帯電話番号を口座情報と関連付けて顧客情報DB4に登録する(ステップS9、登録ステップ)。これにより、顧客の携帯電話番号の取得が完了する。
【0029】
一方、図3に示す案内画面において画面表示終了ボタンB2が押下されると、または、図4に示す入力受付画面において入力中止ボタンB4が押下されると、携帯電話番号の入力が中止される(ステップS10においてYES)。この場合、印字制御部325が、顧客に発行される利用明細書に、携帯電話番号の登録を促すメッセージをATM2に印字させる(ステップS11、印字ステップ)。
【0030】
なお、案内画面または入力受付画面において、操作がなされることなく一定時間(例えば1分間)経過した場合も、入力が中止されたとみなして、ステップS11に移行してもよい。この場合、ステップS11を省略して、ステップS12において、携帯電話番号の登録を促すメッセージが印字されていない利用明細書を発行してもよい。
【0031】
その後、出金処理が完了すると、現金取出口に現金が供給されるとともに、利用明細書が発行される(ステップS12)。なお、ステップS11を経た場合、図5に示すように、下部領域R2に「またの機会に携帯電話番号のご登録をお願いします。」というメッセージが印字された利用明細書が発行される。
【0032】
また、利用明細書に上記メッセージを印字する代わりに、図6に示すように、取引内容を記載していないレシートを別途発行して、当該レシートに上記メッセージを印字してもよい。これにより、顧客が利用明細書の発行を希望しない旨の操作を行った場合であっても、顧客に携帯電話番号の登録を促すことができる。
【0033】
(付記事項)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0034】
例えば、上述のステップS7の案内画面の表示は、顧客が預金の引出を指示した後、ATM2が顧客の操作を受け付けない期間に実施していたが、案内画面を表示するタイミングは特に限定されない。ただし、顧客が操作している途中に案内画面を表示すると、利便性が下がるため、案内画面は、ATM2が顧客の操作を受け付けない期間に表示することが好ましい。
【0035】
また、ATM管理装置3の認証部321、照会部322、表示制御部323、登録部324および印字制御部325の少なくとも一部を、ATM2または他の装置に持たせてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、所定の連絡先情報が携帯電話番号であったが、連絡先情報は金融機関から顧客に簡便に連絡をとるための情報であれば、特に限定されない。例えば、連絡先情報として、固定電話番号やメールアドレスなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0037】
1 ATM管理システム
2 ATM
21 通信部
22 タッチパネル
23 ディスプレイ
24 制御部
241 印字部
242 操作受付部
243 表示部
3 ATM管理装置
31 通信部
32 制御部
321 認証部
322 照会部
323 表示制御部
324 登録部
325 印字制御部
4 顧客情報DB(データベース)
図1
図2
図3
図4
図5
図6