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特開2022-32112顧客対応システム及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032112
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】顧客対応システム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/527 20060101AFI20220217BHJP
   G06Q 30/00 20120101ALI20220217BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20220217BHJP
   G10L 13/00 20060101ALI20220217BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20220217BHJP
【FI】
H04M3/527
G06Q30/00 330
G10L15/10 200W
G10L13/00 100M
G10L15/00 200A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020135611
(22)【出願日】2020-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】501415545
【氏名又は名称】株式会社アイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】矢吹 崇
【テーマコード(参考)】
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K201AA04
5K201AA05
5K201BA13
5K201BC14
5K201CA01
5K201DC03
5K201DC04
5K201DC05
5K201EC06
5K201EC09
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】顧客からの問合せに対応する対応者の負担を軽減する顧客対応システムを提供すること
【解決手段】
顧客からの音声通話に係る音声情報を取得する音声情報取得部と、取得した音声情報について音声認識処理を行うとともに、その結果から、商品又はサービスについての所定のキーワードを抽出する音声分析処理部と、抽出したキーワードに基づいて、顧客からの商品又はサービスについての問合せ種別を特定する問合せ内容特定処理部と、特定した問合せ種別に対応する応答情報を特定する応答情報特定処理部と、音声情報取得部、音声分析処理部、問合せ内容特定処理部及び応答情報特定処理部それぞれが行う処理において、顧客からの電話を介した音声通話に対してAIによって音声通話で応答を行うAI応答処理部と、を備える顧客対応システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客からの音声通話に係る音声情報を取得する音声情報取得部と、
前記取得した音声情報について音声認識処理を行うとともに、前記音声認識処理の結果から、商品又はサービスについての所定のキーワードを抽出する音声分析処理部と、
前記抽出したキーワードに基づいて、前記顧客からの商品又はサービスについての問合せ種別を特定する問合せ内容特定処理部と、
前記特定した問合せ種別に対応する応答情報を特定する応答情報特定処理部と、
前記音声情報取得部、前記音声分析処理部、前記問合せ内容特定処理部及び前記応答情報特定処理部それぞれが行う処理において、前記顧客からの電話を介した音声通話に対してAIによって音声通話で応答を行うAI応答処理部と、
を備える顧客対応システム。
【請求項2】
前記音声分析処理部は、前記音声認識処理の結果から前記商品又はサービスについての第一のキーワードを抽出し、
前記抽出した第一のキーワードに基づいて、前記商品又はサービスを特定する商品・サービス特定処理部をさらに備え、
前記商品又はサービスの特定後、前記音声分析処理部は、前記音声認識処理の結果から前記商品又はサービスについての第二のキーワードを抽出し、
前記問合せ内容特定処理部は、前記抽出した第二のキーワードに基づいて、前記顧客からの商品又はサービスについての問合せ種別を特定し、
前記AI応答処理部は、前記商品・サービス特定処理部が行う処理において、前記顧客からの音声通話に対してAIによって音声通話で応答を行う
請求項1記載の顧客対応システム。
【請求項3】
前記第一のキーワードには、
少なくとも前記商品又はサービスを識別可能な名称及び/又は番号が含まれている
請求項2記載の顧客対応システム。
【請求項4】
前記音声分析処理部による前記キーワードの抽出ができなかった場合、又は前記応答情報特定処理部によって特定された応答情報によって顧客からの問合せが解決できなかった場合、前記AI応答処理部は、前記顧客に対して前記顧客の連絡先を求める処理を行い、
前記顧客が使用する顧客端末から取得した前記顧客の連絡先が含まれた通話に係る音声情報から、未解決問合せ情報を作成する未解決問合せ情報作成処理部と、
をさらに備える請求項1~3の何れか一項に記載の顧客対応システム。
【請求項5】
前記応答情報特定処理部によって特定された応答情報によって顧客からの問合せが解決できなかった場合、前記商品を販売する又は前記サービスを提供する事業者が使用する事業者端末から前記未解決問合せ情報に対応する新規応答情報を取得して、前記未解決問合せ情報及び前記新規応答情報を解決済み問合せ情報として学習する解決済み問合せ情報学習処理部
をさらに備える請求項4記載の顧客対応システム。
【請求項6】
前記応答情報には、前記顧客に対して前記顧客の連絡先を求める情報が含まれ、
前記顧客が使用する顧客端末から取得した前記顧客の連絡先が含まれた通話に係る音声情報から、前記商品についての交換品、代替品又は部品の発送先情報を作成する発送先情報作成処理部
をさらに備える請求項1~5の何れか一項に記載の顧客対応システム。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載した顧客対応システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、顧客対応システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客からの商品・サービスについての問合せに対してオペレータやAI(Artifical Intelligence)が対応を行うコールセンタシステムが種々知られている。
【0003】
特許文献1には、AI(Artifical Intelligence)によるバーチャルオペレータが顧客と対話するコールセンタシステムにおいて、AI対話中における顧客の苦情化を予防する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-47170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各種の商品を販売する、あるいはサービスを提供する企業は、一般的に種々のコールセンタシステムを使用して販売後の商品あるいは提供後のサービスについてのアフターサービスに関する業務を行う。
【0006】
しかし、中小企業の多くは、コールセンタシステムを使用するまでに至らず、従業員が個別にアフターサービスに関する業務を行うことが多い。アフターサービスに関する業務には、マニュアルの作成や商品・サービスの知識、等が要求されるため、中小企業にとっては人材の確保、教育についてのコストが負担となっている。また、アフターサービスに関する業務に係る顧客対応においては、顧客が感情的になる場合もあり、オペレータにとって精神的な負担となる。特に、中小企業の従業員がこのような場面に遭遇すると、当該従業員の主業務に支障をきたすことがある。
【0007】
そこで、この発明は、顧客からの問合せに対応する対応者の負担を軽減する顧客対応システム及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]
顧客からの音声通話に係る音声情報を取得する音声情報取得部と、
前記取得した音声情報について音声認識処理を行うとともに、前記音声認識処理の結果から、商品又はサービスについての所定のキーワードを抽出する音声分析処理部と、
前記抽出したキーワードに基づいて、前記顧客からの商品又はサービスについての問合せ種別を特定する問合せ内容特定処理部と、
前記特定した問合せ種別に対応する応答情報を特定する応答情報特定処理部と、
前記音声情報取得部、前記音声分析処理部、前記問合せ内容特定処理部及び前記応答情報特定処理部それぞれが行う処理において、前記顧客からの電話を介した音声通話に対してAIによって音声通話で応答を行うAI応答処理部と、
を備える顧客対応システム。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、顧客からの問合せに対応する対応者の負担を軽減する顧客対応システム及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の顧客対応システムを含むシステム全体の構成の一例を表す図である。
図2】本実施形態の顧客システムの構成の一例を表す図である。
図3】(a)~(e)ともに、本実施形態の顧客システムが備える応答メッセージデータベースに記憶されている情報の一例を表す図である。
図4】本実施形態の顧客システムが備える商品・サービスデータベースに記憶されている情報の一例を表す図である。
図5】本実施形態の顧客システムが備える問合せ・応答データベースに記憶されている情報の一例を表す図である。
図6】本実施形態の顧客対応システムに接続されている出荷システムにおける商品の発送先を入力する表示画面の一例を表す図である。
図7】本実施形態による情報処理の一例を表すフロー図である。
図8】本実施形態による情報処理の他の一例を表すフロー図である。
図9】本実施形態による情報処理の他の一例を表すフロー図である。
図10】本実施形態による情報処理の他の一例を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。本実施形態の顧客対応システム1は、一又は複数のコンピュータで構成され、種々の商品を販売、あるいは種々のサービスを提供する事業者から委託を受けて前記事業者が販売した、あるいは提供した商品、サービスに対する問い合わせ電話に対して前記事業者に替わって対応を行うサービスを提供する本発明の顧客対応システムを提供するサービス提供者が管理するシステムである。
【0012】
本実施形態の顧客対応システム1は、図1に示すように、インターネット通信網、無線通信規格で定められている無線通信網を含む通信ネットワーク4を介して顧客端末2と通信可能に接続され、顧客からの電話を介した音声通話に対してAIによって音声通話で応答を行うシステムとなっている。また、本実施形態の顧客対応システム1は、通信ネットワーク4を介して前記事業者が使用する事業者システム3、前記事業者が販売した商品の代替品や交換部品、等や、前記事業者が提供したサービスに必要な部材・機器等の代替品、等を備蓄し、発送作業が行われる倉庫や配送センターなどに配備されている出荷システム3bと通信可能に接続されている。
【0013】
本実施形態には、この実施形態で説明する顧客対応システム1としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムを含む。
【0014】
顧客端末2は、事業者から商品を購入した、あるいはサービスの提供を受けた顧客が使用する端末であって、固定電話機、携帯電話機、電話による通信機能を備えたパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末である。図示していないが、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末といった顧客端末2は、CPU等により構成され各種データの処理、演算を行う演算処理部と、メインメモリ等の各種データを記憶する主記憶部と、液晶ディスプレイ等の情報出力部と、タッチパネル等の情報入力部と、各種情報の送受信を行う通信部と、を備えている。
【0015】
事業者システム3は、一又は複数のコンピュータで構成され、事業者の業務を管理するシステムである。図1に示す事業者システム3は、従業員等が使用するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、等の事業者端末3aを備えている。図示していないが、事業者端末3aは、CPU等により構成され各種データの処理、演算を行う演算処理部と、メインメモリ等の各種データを記憶する主記憶部と、液晶ディスプレイ等の情報出力部と、タッチパネル等の情報入力部と、各種情報の送受信を行う通信部と、を備えている。
【0016】
出荷システム3bは、前記事業者から委託を受けて、前記事業者が販売した商品の代替品や交換部品、等や、前記事業者が提供したサービスに必要な部材・機器等の代替品や交換部品、等を備蓄、管理し、通信ネットワーク4を介して取得した発送先情報に基づいて前記代替品や交換部品を、前記発送先情報で特定される発送先に向けて発送する処理を行う倉庫・発送事業者が管理、使用するコンピュータシステムである。図1に示す出荷システム3bは、倉庫・発送事業者が使用するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、等の倉庫・発送事業者端末3cを備えている。図示していないが、倉庫・発送事業者端末3cは、CPU等により構成され各種データの処理、演算を行う演算処理部と、メインメモリ等の各種データを記憶する主記憶部と、液晶ディスプレイ等の情報出力部と、タッチパネル等の情報入力部と、各種情報の送受信を行う通信部と、を備えている。
【0017】
顧客対応システム1は、図2に示すように、制御部5、記憶部6、AI応答処理部7、音声情報取得部8、音声分析処理部9、商品・サービス特定処理部10、問合せ内容特定処理部11、応答情報特定処理部12、未解決問合せ情報作成処理部13、未解決問合せ情報送出処理部14、解決済み問合せ情報学習処理部15、発送先情報作成処理部16及び発送先情報送出処理部17を備えている。顧客対応システム1は、上述したように、一又は複数のコンピュータで構成されるので、上記各処理部を単一のサーバで構成する態様や、上記各処理部に対応したサーバで構成する態様とすることができる。
【0018】
制御部5は、CPU等により構成され、各種データの処理、演算を行う演算処理部と、メインメモリ等の各種データを記憶する主記憶部と、を備え、顧客対応システム1が備える上記各処理部による情報処理を制御する。
【0019】
記憶部6は、内部ストレージ等の補助記憶装置である。本実施形態では、記憶部6は図2に示すように、応答メッセージデータベース(以下、本明細書においてデータベースを「DB」という)18、商品・サービスDB24、問合せ・応答DB26及び未解決問合せDB30を備えている。
【0020】
応答メッセージDB18には、顧客からの電話を介した音声通話に対して、後述するAI応答処理部7が音声通話で応答する応答メッセージが記憶されている。本実施形態では、応答メッセージは図3に示すように、第一の応答メッセージ19、第二の応答メッセージ20、第三の応答メッセージ21、第四の応答メッセージ22、応答終了メッセージ23に分類されている。
【0021】
第一の応答メッセージ19は、顧客からの電話による通話内容からどのような商品・サービスについて問い合わせをしようとしているかを導き出すための応答メッセージである。本実施形態では、図3(a)に例示するように複数の第一の応答メッセージ19a~19dが予め準備されている。
第一の応答メッセージ19a、19aは要件受け付け用の応答メッセージの一例である。
第一の応答メッセージ19bは、事業者の商品又はサービスの名称を顧客から聞き出すための応答メッセージの一例である。
第一の応答メッセージ19c~19cは、事業者の商品の品番、購入場所及び購入時期を顧客から聞き出すための応答メッセージの一例である。
第一の応答メッセージ19d~19dは、事業者のサービスの番号、提供場所及び提供を受けた時期を顧客から聞き出すための応答メッセージの一例である。
【0022】
第二の応答メッセージ20は、顧客からの電話による通話内容から商品・サービスについてどのような問合せなのかを導き出すための応答メッセージである。本実施形態では、図3(b)に例示するように二つの第二の応答メッセージ20a、20bが予め準備されている。
第二の応答メッセージ20aは、事業者のある商品XXXについての問合せ内容を顧客から聞き出すための応答メッセージの一例である。
第二の応答メッセージ20bは、事業者のあるサービスYYYについての問合せ内容を顧客から聞き出すための応答メッセージの一例である。
【0023】
第三の応答メッセージ21は、顧客から聞き出した商品又はサービスの問合せ内容に対応する応答情報に関する応答メッセージである。本実施形態では、図3(c)に示すように、複数種の第三の応答メッセージ21a、21bが予め準備されている。
第三の応答メッセージ21a~21aは、事業者の商品自体又はサービスに付随する部材・機器等の使用・操作についての問合せに対応する応答メッセージの一例である。
第三の応答メッセージ21b~21bは、事業者の商品自体又はサービスに付随する部材・機器等の保証についての問合せに対応する応答メッセージの一例である。
【0024】
第四の応答メッセージ22は、第一の応答メッセージ19に対する顧客の音声通話からどのような商品・サービスについて問い合わせをしようとしているか導き出せなかった場合、第二の応答メッセージ20に対する顧客の音声通話から商品・サービスについてどのような問合せなのか導き出せなかった場合、又は第三の応答メッセージ21に対する顧客の音声通話から顧客の問合せ内容が解決しなかった場合の応答メッセージである。本実施形態では、図3(d)に示すような二つの第四の応答メッセージ22a、22bが予め準備されている。
第四の応答メッセージ22aは、後程事業者の担当者に対応させる旨の応答メッセージの一例である。
第四の応答メッセージ22bは、顧客の連絡先を聞き出すための応答メッセージの一例である。
【0025】
応答終了メッセージ23は、顧客との間の通話を終了する応答メッセージである。本実施形態では、一例として図3(e)に示すような応答終了メッセージ23aが予め準備されている。
【0026】
第一の応答メッセージ19、第二の応答メッセージ20、第三の応答メッセージ21及び第四の応答メッセージ22はそれぞれ上述のように種々のものが応答メッセージDB18に記憶されているが、AI応答処理部7が各応答メッセージについて様々な応答パターンで音声通話による応答を実現できるように、種々の応答メッセージを学習しておくことが好ましい。
【0027】
例えば、第三の応答メッセージ21について、前記事業者が販売する商品又は提供するサービスに必要な部材・機器等の取扱説明書に記載されている「使用上の注意事項」、「使用上の警告事項」、「製品の各部名称」、「使用説明」、「使用方法」、「メンテナンス方法」、等のテキストデータを認識し、これらに対応する第三の応答メッセージ21や、前記取扱説明書に記載されている製品、部品等の写真、イラストといった画像データを認識し、これらに対応する第三の応答メッセージ21を学習しておく態様が好ましい。
【0028】
なお、前記取扱説明書に記載されていない各部名称等のテキストデータやイラスト等の画像データも認識させ、これらに対応する第三の応答メッセージ21を学習しておく態様がより好ましい。
【0029】
商品・サービスDB24には、第一の応答メッセージ19に対する顧客の音声通話から、後述する音声分析処理部9及び商品・サービス特定処理部10が行う事業者の商品又はサービスの特定処理に使用される第一のキーワード25が記憶されている。本実施形態では、第一のキーワード25は、一例として図4に示すように事業者の商品・サービス名称25a、商品・サービス識別番号25b、販売・提供場所25c及び販売・提供時期25dで構成されている。
【0030】
問合せ・応答DB26には、第二の応答メッセージ20に対する顧客の音声通話から、後述する音声分析処理部9及び問合せ内容特定処理部11が行う商品又はサービスについての問合せ種別の特定処理に使用される第一のキーワード25、第二のキーワード27及び問合せ種別28と、当該問合せ種別28に対する応答情報の特定処理に使用される応答種別29と、が記憶されている。本実施形態では、一例として図5に示すように第一のキーワードである商品・サービス名称25a、商品・サービス識別番号25bに、第二のキーワード27と、問合せ種別28と、応答種別29とが関連付けられて構成されている。
【0031】
第二のキーワード27について、音声分析処理部9及び問合せ内容特定処理部11が問合せ種別28と応答種別29の特定を容易に実現できるように、種々の第二のキーワード27を学習しておくことが好ましい。
【0032】
例えば、上述した商品又はサービスに必要な部材・機器等の取扱説明書に記載されている「使用上の注意事項」、「使用上の警告事項」、「製品の各部名称」、「使用説明」、「使用方法」、「メンテナンス方法」、等のテキストデータを認識し、これらに対応する第二のキーワード27や、前記取扱説明書に記載されている製品、部品等の写真、イラストといった画像データを認識し、これらに対応する第二のキーワード27を学習しておく態様が好ましい。
【0033】
なお、前記取扱説明書に記載されていない各部名称等のテキストデータやイラスト等の画像データも認識させ、これらに対応する第二のキーワード27を学習しておく態様がより好ましい。
【0034】
未解決問合せDB30には、後述する未解決問合せ情報作成処理部13が作成する未解決問合せ情報が記憶されている。
【0035】
以下、AI応答処理部7、音声情報取得部8、音声分析処理部9、商品・サービス特定処理部10、問合せ内容特定処理部11、応答情報特定処理部12、未解決問合せ情報作成処理部13、未解決問合せ情報作成処理部14、解決済み問合せ情報学習処理部15、発送先情報作成処理部16及び発送先情報送出処理部17による顧客対応処理を図7図10のフローチャートを参照しながら説明する。また、一例として事業者が販売する商品についての顧客対応を説明するが、事業者が提供するサービスについては、商品を読み替えて説明可能なのでその説明を省略する。
【0036】
AI応答処理部7は、後述する音声情報取得部8、音声分析処理部9、商品・サービス特定処理部10、問合せ内容特定処理部11及び応答情報特定処理部12それぞれが行う処理において、顧客からの電話を介した音声通話に対してAIによって音声通話で応答を行う。
【0037】
(S101)
音声情報取得部8は、顧客からの電話を介した音声通話に係る音声情報を取得する。本実施形態では、顧客が顧客端末2を使用して顧客対応システム1に架電すると、音声情報取得部8は顧客からの音声通話に係る音声情報を取得可能な状態となる。
【0038】
(S102)
AI応答処理部7は、顧客対応システム1が顧客からの架電を受け付けると、応答メッセージDB18に記憶されている第一の応答メッセージ19a、19bを顧客端末2へ送信し、顧客に対して音声通話で応答を行う。
AI応答処理部7が行う応答は種々のパターンがあるが、本実施形態では、少なくとも事業者の商品の名称及び/又は番号を顧客から聞き出す応答パターンとしている。例えば、顧客が、事業者の商品「XXX」、商品番号「12345」について問い合わせるため架電してきた場合、AI応答処理部7は、
第一の応答メッセージ19a、19a、19b(商品の名称を聞き出すパターン)、
第一の応答メッセージ19a、19a、19b、19c(商品の名称及び番号を聞き出すパターン)、
第一の応答メッセージ19a、19a、19c(商品の番号を聞き出すパターン)、
の何れかで応答する。この他、第一の応答メッセージ19c、19cを、対応する上記の応答パターンに組み合わせてもよい。
音声情報取得部8は、第一の応答メッセージ19a、19bに対する顧客の音声通話に係る音声情報を取得する。例えば、顧客から「先日購入した商品について問い合わせたい」といった内容の音声情報を取得する。
AI応答処理部7は、続いて、第一の応答メッセージ19bを顧客端末2へ送信し、どのような商品について問い合わせをしようとしているか応答する。
音声情報取得部8は、続いて、第一の応答メッセージ19bに対する顧客の音声通話に係る音声情報を取得する。例えば、顧客から「商品XXXについてです」といった内容の音声情報を取得する。
AI応答処理部7は、続いて、第一の応答メッセージ19cを顧客端末2へ送信し、商品XXXの品番を顧客から聞き出すよう応答する。
音声情報取得部8は、第一の応答メッセージ19cに対する顧客の音声通話に係る音声情報を取得する。例えば、顧客から「12345です」といった内容の音声情報を取得する。
【0039】
(S103)
音声分析処理部9は、取得した顧客の音声通話に係る音声情報について音声認識処理を行うとともに、当該音声認識処理の結果から、事業者の商品についての所定のキーワードを抽出する。本実施形態では、取得した顧客の音声通話に係る音声情報をテキストデータに変換するといった従来公知の音声認識処理を行い、変換したテキストデータから事業者の商品についての第一のキーワード25を抽出する。例えば、音声分析処理部9は、S102で音声情報取得部8が取得した顧客の音声通話に係る音声情報「先日購入した商品について問い合わせたい」、「商品XXXについてです」及び「12345です」をテキストデータに変換し、変換したテキストデータから事業者の商品についての第一のキーワードである商品・サービス名称25a「商品XXX」及び商品・サービス識別番号25b「12345」を抽出する。
商品・サービス特定処理部10は、音声分析処理部9が抽出した第一のキーワード25に基づいて、事業者の商品を特定する。例えば、音声分析処理部9が抽出した第一のキーワードである商品・サービス名称25a「商品XXX」及び商品・サービス識別番号25b「12345」と、商品・サービスDB24に記憶されている情報とを照合し、商品の名称「商品XXX」を特定する。
【0040】
(S104)
AI応答処理部7は、商品・サービス特定処理部10が商品を特定すると、応答メッセージDB18に記憶されている第二の応答メッセージ20を顧客端末2へ送信し、顧客と音声通話で応答を行う。本実施形態では、AI応答処理部7は、商品・サービス特定処理部10が商品を特定すると(S103-Y)、応答メッセージDB18に記憶されている第二の応答メッセージ20aを顧客端末2へ送信し、商品についてどのような問合せなのか応答を行う。
音声情報取得部8は、第二の応答メッセージ20aに対する顧客の音声通話に係る音声情報を取得する。例えば、顧客から「〇〇の使い方がわからない」といった内容の音声情報を取得する。
【0041】
(S105)
音声分析処理部9は、取得した顧客の音声通話に係る音声情報について音声認識処理を行うとともに、当該音声認識処理の結果から、事業者の商品についての所定のキーワードを抽出する。本実施形態では、上述した音声認識処理を行って、取得した顧客の音声通話に係る音声情報をテキストデータに変換し、変換したテキストデータから事業者の商品についての第二のキーワード27を抽出する。例えば、音声分析処理部9は、S104で音声情報取得部8が取得した顧客の音声通話に係る音声情報「〇〇の使い方がわからない」をテキストデータに変換し、変換したテキストデータから事業者の商品についての第二のキーワード27「使い方がわからない」を抽出する。
問合せ内容特定処理部11は、音声分析処理部9が抽出した第二のキーワード27に基づいて、顧客からの商品についての問合せ種別を特定する。例えば、音声分析処理部9が抽出した第二のキーワード27「使い方がわからない」と、問合せ・応答DB26に記憶されている情報とを照合し、問合せ種別28「使用・操作」を特定する。
応答情報特定処理部12は、問合せ内容特定処理部11が特定した問合せ種別28に対応する応答情報を特定する。本実施形態では、第一のキーワード25に紐づく第二のキーワード27及び問合せ種別28に対応する応答種別29を特定する。例えば、図5に示すような第一のキーワードである商品・サービス名称25a「商品XXX」に紐づく第二のキーワード27「使い方がわからない」及び問合せ種別28「使用・操作」に対応する応答種別29「使用・操作説明1」を特定する。
【0042】
(S106)
AI応答処理部7は、応答情報特定処理部12が問合せ種別28に対応する応答情報を特定すると、応答メッセージDB18に記憶されている第三の応答メッセージ21を顧客端末2へ送信し、顧客と音声通話で応答を行う。
AI応答処理部7が行う応答は種々のパターンがあるが、本実施形態では、解決手段を示すメッセージと解決の有無及び再度の問合せの有無を求めるメッセージとを組み合わせた応答パターン又は解決不可とするメッセージと解決の有無及び再度の問合せの有無を求めるメッセージとを組み合わせた応答パターンとしている。
例えば、応答情報特定処理部12が、第一のキーワードである商品・サービス名称25a「商品XXX」に紐づく第二のキーワード27「使い方がわからない」及び問合せ種別28「使用・操作」に対応する応答種別29「使用・操作説明1」を特定した場合(S105-Y)、AI応答処理部7は、第三の応答メッセージ21a(解決手段を示すメッセージ)、21a(解決手段を示すメッセージ)、21a(解決の有無を求めるメッセージ)、21a(再度の問合せの有無を求めるメッセージ)の応答パターンで応答する。
S106では、AI応答処理部7は、応答メッセージDB18に記憶されている第三の応答メッセージ21a(解決手段を示すメッセージ)、21a(解決手段を示すメッセージ)を顧客端末2へ送信し、顧客と音声通話で応答を行う。
【0043】
(S107)
AI応答処理部7は、続いて第三の応答メッセージ21a(解決の有無を求めるメッセージ)を顧客端末2へ送信し、顧客に対し問合せが解決したか確認を求める。
音声情報取得部8は、第三の応答メッセージ21aに対する顧客の音声通話に係る音声情報を取得する。例えば、顧客から「解決しました」といった内容の音声情報を取得する。
【0044】
(S108)
問合せが解決した場合(S107-Y)、AI応答処理部7は、続いて第三の応答メッセージ21a(再度の問合せの有無を求めるメッセージ)を顧客端末2へ送信し、顧客に対し再度の問合せがあるか確認を求める。
【0045】
(S109)
顧客からの再度の問合せがある場合(S109-Y)、上述したS102~S107の処理(商品又はサービス特定処理、問合せ内容特定処理及び応答情報特定処理)を繰り返し行う。
【0046】
(S110)
顧客からの再度の問合せがない場合(S109-N)、AI応答処理部7は、応答メッセージDB18に記憶されている応答終了メッセージ23aを顧客端末2に送信し、顧客との通話を終了する。
【0047】
(S201)
音声分析処理部9によるキーワードの抽出ができなかった場合、又は応答情報特定処理部12によって特定された応答情報では顧客からの問合せが解決できなかった場合、AI応答処理部7は、顧客に対して当該顧客の連絡先を求める処理を行う。本実施形態では、S103において、音声分析処理部9による第一のキーワード25の抽出ができなかった場合(S103-N)、音声分析処理部9による第二のキーワード27の抽出ができなかった場合(S105-N)、又は音声情報取得部8が、第三の応答メッセージ21aに対する顧客の音声通話「解決しなかった」といった内容の音声情報を取得した場合、AI応答処理部7は、応答メッセージDB18に記憶されている第四の応答メッセージ22a、22bを顧客端末2に送信し、顧客の連絡先を求める。
S103において、音声分析処理部9による第一のキーワード25の抽出ができなかった場合(S103-N)とは、顧客が、商品の名称や番号がわからなかった場合だけでなく、例えば、事業者の商品とは無関係の迷惑電話や勧誘電話といった場合が想定される。また、事業者の商品とは直接関係ないが、事業者の従業員と連絡を取りたいといった場合も想定される。
音声情報取得部8は、第四の応答メッセージ22a、23bに対する顧客の音声通話に係る音声情報を取得する。例えば、顧客から顧客の氏名、住所、電話番号、メールアドレスといった顧客の連絡先といった内容の音声情報を取得する。
【0048】
(S202)
未解決問合せ情報作成処理部13は、顧客端末2から取得した顧客の連絡先が含まれた通話に係る音声情報から、未解決問合せ情報を作成する。本実施形態では、顧客の氏名、住所、電話番号、メールアドレスといった顧客の連絡先を含み、S102、S104、S106において音声情報取得部8が取得した顧客の音声通話に係る音声情報が、音声分析処理部10によってテキストデータに変換され、所定のフォーマットによる未解決問合せ情報が作成される。作成された未解決問合せ情報は、未解決問合せDB30に記憶される。
事業者は事業者端末3aを使用して顧客対応システム1にアクセスし、未解決問合せ情報を取得することができる。あるいは、後述する未解決問合せ情報作成処理部14によって所定のタイミングで未解決問合せ情報を事業者システム3に送出してもよい。
【0049】
(S203)
AI応答処理部7は、応答メッセージDB18に記憶されている応答終了メッセージ23aを顧客端末2に送信し、顧客との通話を終了する。
【0050】
(S301)
未解決問合せ情報作成処理部14は、未解決問合せ情報作成処理部13が作成した未解決問合せ情報を所定のタイミングで事業者システム3に送出する。本実施形態では、未解決問合せ情報作成処理部13が未解決問合せ情報を作成したと同時に、当該未解決問合せ情報を事業者システム3にメール通知やプッシュ通知といった手段で送出する。
【0051】
(S302)
事業者システム3では、商品の担当者やオペレータといった事業者の従業員等が事業者端末3aに表示される未解決問合せ情報をもとに顧客対応を行う。なお、未解決問合せ情報が上述した事業者の商品とは無関係の迷惑電話や勧誘電話に基づくものの場合、事業者の従業員等は、必要がなければ対応を行わくともよいことになる。
【0052】
(S303)
事業者の従業員等が未解決問合せ情報について顧客対応を行い、顧客からの問合せへの対応が完了した場合、従業員等は当該未解決問合せ情報に対する新規応答情報を事業者端末3aに入力する。入力された新規応答情報は顧客対応システム1に送出される。
【0053】
(S304)
解決済み問合せ情報学習処理部15は、事業者システム3から未解決問合せ情報に対応する新規応答情報を取得して、当該未解決問合せ情報及び新規応答情報を解決済み問合せ情報として学習する。本実施形態では、取得した新規応答情報を基に、応答メッセージDB18に新たな第一の応答メッセージ19を追加、新たな第二の応答メッセージ20を追加、新たな第三の応答メッセージ21を追加、新たな第四の応答メッセージ22を追加し、それぞれのメッセージについて応答パターンを学習する。
また、商品・サービスDB24に新たな第一のキーワード25を追加する。また、問合せ・応答DB26に新たな第二のキーワード27、新たな問合せ種別28及び新たな応答種別29を追加し、問合せ種別28や応答種別29の特定パターンを学習する。
【0054】
(S401)
発送先情報作成処理部16は、第三の応答メッセージ21に、顧客に対して当該顧客の連絡先を求める情報が含まれている場合、顧客端末2から取得した前記顧客の連絡先が含まれた通話に係る音声情報から、商品についての交換品、代替品又は部品の発送先情報を作成する。
本実施形態では、S106において、AI応答処理部7が応答メッセージDB18に記憶されている第三の応答メッセージ21b(顧客の連絡先を求めるメッセージ)を顧客端末2に送信して、顧客の連絡先を求める。
音声情報取得部8は、第三の応答メッセージ21bに対する顧客の音声通話に係る音声情報を取得する。例えば、顧客から顧客の氏名、住所、電話番号、メールアドレスといった顧客の連絡先といった内容の音声情報を取得する。
音声分析処理部9は、顧客の氏名、住所、電話番号、メールアドレスといった顧客の連絡先を含み、S102、S104、S106においてが取得した顧客の音声通話に係る音声情報をテキストデータに変換する。
発送先情報作成処理部16は、変換されたテキストデータを基に、所定のフォーマットによる発送先情報を作成する。倉庫・発送事業者は、出荷システム3bの倉庫・発送事業者端末3cを使用して顧客対応システム1にアクセスし、発送先情報を取得することができる。倉庫・発送事業者は取得した発送先情報に基づいて、図6に示すような出荷システム3bにおける商品についての交換品、代替品又は部品の発送先入力画面に必要な情報を入力する。なお、後述するように、発送先情報作成処理部16が作成した発送先情報が、発送先情報送出処理部17によって、所定のタイミングで出荷システム3bに送出される実施形態にすることもできる。
【0055】
(S402)
発送先情報送出処理部17は、発送先情報作成処理部16が作成した発送先情報を所定のタイミングで出荷システム3bに送出する。本実施形態では、発送先情報作成処理部16が発送先情報を作成したと同時に、当該発送先情報を出荷システム3bに送出している。なお、発送先情報作成処理部16が作成した発送先情報が、発送先情報送出処理部17によって、所定のタイミングで事業者システム3に送出される実施形態にすることもできる。この場合には、事業者システム3から通信ネットワーク4を介して、発送先情報が出荷システム3bに送出されることになる。また、事業者システム3の事業者端末3aから顧客対応システム1にアクセスして発送先情報を取得し、この情報が、通信ネットワーク4を介して事業者システム3から出荷システム3bに送出される形態にすることもできる。
【0056】
(S403)
倉庫・発送事業者の従業員等は、出荷システム3bに表示される発送先情報を基に、商品についての交換品、代替品又は部品の発送処理を行う。
【0057】
以上に説明した実施形態では、本実施形態の顧客対応システム1を、種々の商品を販売、あるいは種々のサービスを提供する事業者から委託を受けて前記事業者が販売した、あるいは提供した商品、サービスに対する問い合わせ電話に対して前記事業者に替わって対応を行うサービスを提供する本発明の顧客対応システムを提供するサービス提供者が管理するシステムとして説明した。
【0058】
これに替えて、前記事業者自身が、販売した、あるいは提供した商品、サービスに対する問い合わせ電話に対して対応を行うシステムにすることもできる。
【0059】
この場合には、事業者が管理、運営するサーバコンピュータが上述した顧客対応システム1としての機能を実現することになる。例えば、この実施形態で説明した上述の顧客対応システム1としてコンピュータを機能させるための本発明のコンピュータプログラムを前記事業者が管理、運営するサーバコンピュータにインストールすることで実現することができる。
【0060】
このように、本実施形態は、顧客からの商品又はサービスについての種々の問合せに対して、AIによる様々な応答パターンで対応する顧客対応システムである。本実施形態の顧客対応システム1によれば、従来のコールセンタシステムに比べて事業者の従業員等が顧客からの商品又はサービスについてのアフターサービスに対して直接対応する機会が減るので、各従業員の労力をアフターサービスに関する業務以外の主業務に割くことができる。また、事業者からの委託を受けて、事業者が販売した、あるいは提供した商品、サービスに対する問い合わせ電話に対して事業者に替わって対応を行うサービスを提供する企業などにおいても、顧客からの商品又はサービスについてのアフターサービスに対して直接対応する機会が減るので負担の軽減を図ることができる。更に、顧客からの問合せに対してAIが対応できず、従業員等が直接対応を行う場合があっても、従業員等による対応結果をAIに学習させる機能を備えているので、将来的にアフターサービスに関する業務に割く人員を数人程度にまで抑えることができ、中小企業にとっては人材の確保、教育についてのコスト負担を削減することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 顧客対応システム
2 顧客端末
3 事業者システム
3b 出荷システム
4 通信ネットワーク
5 制御部
6 記憶部
7 AI応答処理部
8 音声情報取得部
9 音声分析処理部
10 商品・サービス特定処理部
11 問合せ内容特定処理部
12 応答情報特定処理部
13 未解決問合せ情報作成処理部
14 未解決問合せ情報送出処理部
15 解決済み問合せ情報学習処理部
16 発送先情報作成処理部
17 発送先情報送出処理部
18 応答メッセージDB
19 第一の応答メッセージ
20 第二の応答メッセージ
21 第三の応答メッセージ
22 第四の応答メッセージ
23 応答終了メッセージ
24 商品・サービスDB
25 第一のキーワード
26 問合せ・応答DB
27 第二のキーワード
28 問合せ種別
29 応答種別
30 未解決問合せDB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-02-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の商品を販売、あるいは種々のサービスを提供する事業者が使用する事業者端末及び、前記商品を購入した、あるいは前記サービスの提供を受けた顧客が使用する顧客端末とそれぞれネットワークを介して通信可能に構成されていて、
前記顧客からの音声通話に係る音声情報を取得する音声情報取得部と、
取得した前記音声情報について音声認識処理を行うとともに、前記音声認識処理の結果から、前記商品又は前記サービスについての所定のキーワードを抽出する音声分析処理部と、
抽出した前記キーワードに基づいて、前記顧客からの前記商品又は前記サービスについての問合せ種別を特定する問合せ内容特定処理部と、
定した前記問合せ種別に対応する応答情報を特定する応答情報特定処理部とを備えていて
特定された前記応答情報によりAI応答処理部にてAIにて音声通話で応答を行う
顧客対応システムであって、
前記音声分析処理部による前記キーワードの抽出ができなかった場合、又は前記応答情報特定処理部によって特定された前記応答情報によって顧客からの問合せが解決できなかった場合、前記AI応答処理部は、前記顧客に対して前記顧客の連絡先を求める処理を行い、
前記顧客に対する前記連絡先を求める処理に対して前記顧客端末から取得した前記顧客の前記連絡先と、前記連絡先を把握した前記顧客からの前記音声通話に係る前記音声情報から、未解決問合せ情報を作成する未解決問合せ情報作成処理部と
前記事業者端末から前記未解決問合せ情報に対応する新規応答情報を取得して、前記未解決問合せ情報及び前記新規応答情報を解決済み問合せ情報として前記応答情報特定処理部が前記問合せ種別に対応する前記応答情報を特定する際に使用する情報として追加する解決済み問合せ情報学習処理部と
を備えている顧客対応システム
【請求項2】
前記音声分析処理部は、前記音声認識処理の結果から前記商品又はサービスについての第一のキーワードを抽出し、
前記抽出した第一のキーワードに基づいて、前記商品又はサービスを特定する商品・サービス特定処理部をさらに備え、
前記商品又はサービスの特定後、前記音声分析処理部は、前記音声認識処理の結果から前記商品又はサービスについての第二のキーワードを抽出し、
前記問合せ内容特定処理部は、前記抽出した第二のキーワードに基づいて、前記顧客からの商品又はサービスについての問合せ種別を特定する
求項1記載の顧客対応システム。
【請求項3】
前記第一のキーワードには、
少なくとも前記商品又はサービスを識別可能な名称及び/又は番号が含まれている
請求項2記載の顧客対応システム。
【請求項4】
前記応答情報には、前記顧客に対して前記顧客の連絡先を求める情報が含まれ、
前記顧客が使用する顧客端末から取得した前記顧客の連絡先が含まれた通話に係る音声情報から、前記商品についての交換品、代替品又は部品の発送先情報を作成する発送先情報作成処理部
をさらに備える請求項1~3の何れか一項に記載の顧客対応システム。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載した顧客対応システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
[1]
種々の商品を販売、あるいは種々のサービスを提供する事業者が使用する事業者端末及び、前記商品を購入した、あるいは前記サービスの提供を受けた顧客が使用する顧客端末とそれぞれネットワークを介して通信可能に構成されていて、
前記顧客からの音声通話に係る音声情報を取得する音声情報取得部と、
取得した前記音声情報について音声認識処理を行うとともに、前記音声認識処理の結果から、前記商品又は前記サービスについての所定のキーワードを抽出する音声分析処理部と、
抽出した前記キーワードに基づいて、前記顧客からの前記商品又は前記サービスについての問合せ種別を特定する問合せ内容特定処理部と、
定した前記問合せ種別に対応する応答情報を特定する応答情報特定処理部とを備えていて
特定された前記応答情報によりAI応答処理部にてAIにて音声通話で応答を行う
顧客対応システムであって、
前記音声分析処理部による前記キーワードの抽出ができなかった場合、又は前記応答情報特定処理部によって特定された前記応答情報によって顧客からの問合せが解決できなかった場合、前記AI応答処理部は、前記顧客に対して前記顧客の連絡先を求める処理を行い、
前記顧客に対する前記連絡先を求める処理に対して前記顧客端末から取得した前記顧客の前記連絡先と、前記連絡先を把握した前記顧客からの前記音声通話に係る前記音声情報から、未解決問合せ情報を作成する未解決問合せ情報作成処理部と
前記事業者端末から前記未解決問合せ情報に対応する新規応答情報を取得して、前記未解決問合せ情報及び前記新規応答情報を解決済み問合せ情報として前記応答情報特定処理部が前記問合せ種別に対応する前記応答情報を特定する際に使用する情報として追加する解決済み問合せ情報学習処理部と
を備えている顧客対応システム