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特開2022-32176制御装置、制御プログラム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032176
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】制御装置、制御プログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/264 20060101AFI20220217BHJP
   E06B 9/68 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
E06B9/264 C
E06B9/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020135703
(22)【出願日】2020-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】野村 誠
(72)【発明者】
【氏名】中村 英彦
(72)【発明者】
【氏名】日比 祐輔
【テーマコード(参考)】
2E042
2E043
【Fターム(参考)】
2E042AA06
2E042CA01
2E042CA15
2E042CB06
2E042CB18
2E042CC06
2E043AA01
2E043AA02
2E043AA04
2E043AA05
2E043BB04
2E043BB14
2E043BB24
2E043BB25
2E043BE02
2E043BE03
2E043BE05
2E043BE11
2E043BE12
2E043BE13
2E043BE17
(57)【要約】
【課題】より容易に遮蔽装置に防犯のための動作を行わせることができる技術を提供することにある。
【解決手段】建物の開口部を遮蔽可能な遮蔽装置を開閉制御する制御装置1であって、建物に居住する少なくとも1人以上の居住者が該建物に在宅しているか否かを時間帯毎に示すスケジュール情報を管理する管理部100と、スケジュール情報に基づいて、居住者が建物に在宅していない時間帯を不在期間として算出する算出部101と、現在日時が不在期間ではない場合において第1動作モードにより遮蔽装置の開閉動作を制御するとともに、現在日時が不在期間である場合において第1動作モードとは異なる第2動作モードにより遮蔽装置の開閉動作を制御する制御部103とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部を遮蔽可能な遮蔽装置を開閉制御する制御装置であって、
前記建物に居住する少なくとも1人以上の居住者が該建物に在宅しているか否かを時間帯毎に示すスケジュール情報を管理する管理部と、
前記スケジュール情報に基づいて、居住者が前記建物に在宅していない時間帯を不在期間として算出する算出部と、
現在日時が不在期間ではない場合において第1動作モードにより前記遮蔽装置の開閉動作を制御するとともに、現在日時が不在期間である場合において前記第1動作モードとは異なる第2動作モードにより前記遮蔽装置の開閉動作を制御する制御部と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2動作モードにおいて、現在時刻が属する時間帯に対して設定された動作により前記遮蔽装置の開閉動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2動作モードにおいて、複数に区分された時間帯のそれぞれと前記遮蔽装置の動作とを対応付ける動作定義情報に基づいて、前記遮蔽装置の開閉動作を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記動作定義情報には、前記複数に区分された時間帯のそれぞれに対して、前記建物内に設けられた照明機器の動作が更に対応付けられ、
前記制御部は、前記第2動作モードにおいて、前記動作定義情報に基づいて、更に前記照明機器を制御することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2動作モードにおいて、前記遮蔽装置の許容動作条件を示す許容情報に基づいて、前記遮蔽装置の開閉動作を制御することを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2動作モードにおいて、前記遮蔽装置の操作履歴に基づく機械学習により生成された推定モデルに基づいて、前記遮蔽装置の開閉動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記推定モデルは、前記遮蔽装置の開閉状態と日時とが対応付けられた学習データに基づく機械学習により生成され、
前記制御部は、現在日時と前記推定モデルとに基づいて、前記制御装置の開閉動作を制御することを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
建物の開口部を遮蔽可能な遮蔽装置を開閉制御する制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記建物に居住する少なくとも1人以上の居住者が該建物に在宅しているか否かを時間帯毎に示すスケジュール情報を管理する管理部と、
前記スケジュール情報に基づいて、居住者が前記建物に在宅していない時間帯を不在期間として算出する算出部と、
現在日時が不在期間ではない場合において第1動作モードにより前記遮蔽装置の開閉動作を制御するとともに、現在日時が不在期間である場合において前記第1動作モードとは異なる第2動作モードにより前記遮蔽装置の開閉動作を制御する制御部として機能させる制御プログラム。
【請求項9】
建物の開口部を遮蔽可能な遮蔽装置を開閉制御する制御方法であって、
コンピュータが、
前記建物に居住する少なくとも1人以上の居住者が該建物に在宅しているか否かを時間帯毎に示すスケジュール情報を管理し、
前記スケジュール情報に基づいて、居住者が前記建物に在宅していない時間帯を不在期間として算出し、
現在日時が不在期間ではない場合において第1動作モードにより前記遮蔽装置の開閉動作を制御するとともに、現在日時が不在期間である場合において前記第1動作モードとは異なる第2動作モードにより前記遮蔽装置の開閉動作を制御することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽装置を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、居住者の不在時における防犯性を向上させる技術として、建物の外部における人の検出結果に応じて、遮蔽部材としてのシャッターカーテンにより開口部を間欠的に開閉するように制御する在宅演出モードを実行する電動シャッター装置が知られている(特許文献1参照)
【0003】
この電動シャッター装置によれば、居住者の不在時であっても、居住者が在宅しているように演出されることによって防犯性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-85853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の電動シャッター装置によれば、事前の操作により在宅演出モードに切り替える必要があり、特に同一の居住施設に複数人が居住しているような状況においては、防犯のためのモード切り替えを行うタイミングの判断が容易ではなく、利便性が十分ではない、という問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、より容易に遮蔽装置に防犯のための動作を行わせることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る制御装置は、建物の開口部を遮蔽可能な遮蔽装置を開閉制御する制御装置であって、前記建物に居住する少なくとも1人以上の居住者が該建物に在宅しているか否かを時間帯毎に示すスケジュール情報を管理する管理部と、前記スケジュール情報に基づいて、居住者が前記建物に在宅していない時間帯を不在期間として算出する算出部と、現在日時が不在期間ではない場合において第1動作モードにより前記遮蔽装置の開閉動作を制御するとともに、現在日時が不在期間である場合において前記第1動作モードとは異なる第2動作モードにより前記遮蔽装置の開閉動作を制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、より容易に遮蔽装置に防犯動作を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る制御システムの構成を示す概略図である。
図2】第1の実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
図4】第1の実施形態に係るスケジュール情報を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る不在制御処理の動作を示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態に係る動作定義情報を示す図である。
図7】第2の実施形態に係る不在制御処理の動作を示すフローチャートである。
図8】第3の実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図9】第3の実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
図10】第3の実施形態に係る学習データを示す図である。
図11】第3の実施形態に係る不在制御処理の動作を示すフローチャートである。
図12】第4の実施形態に係るプリーツスクリーンを示す居住施設外から見た斜視図である。
図13】第4の実施形態に係るプリーツスクリーンを示す概略図である。
図14】第5の実施形態に係るプリーツスクリーンの第1状態を示す概略図である。
図15】第5の実施形態に係るプリーツスクリーンの第2状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
(制御システム及び制御装置の構成)
第1の実施形態に係る制御システムの構成及び制御装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る制御システムの構成を示す概略図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る制御システムは、制御装置1、遮蔽装置としての電動ブラインド2、照明機器3、端末装置4、無線ルータ5を備える。これらのうち、少なくとも電動ブラインド2及び照明機器3は、いずれも室内に設置され、電動ブラインド2は、室内に設けられた開口部に対して設置され、照明機器3は室内の例えば、天井、壁面、床面又は家具上に設けられるものとする。
【0013】
本実施形態において、電動ブラインド2は、ヘッドボックス20、ボトムレール21、ヘッドボックス20とボトムレール21との間に配される複数のスラット22を備え、モータによりスラットが昇降、回転される横型ブラインドとして構成される。また、電動ブラインド2は、有線接続により制御装置1と接続され、制御装置1によりスラットの回転角度が制御されるものとする。なお、電動ブラインド2は、開口部からの入射光を遮蔽可能に且つ制御装置1により遮蔽の度合を制御可能に構成された他の遮蔽装置であっても良い。
【0014】
照明機器3は、多段に調光可能に構成されるとともに、無線ルータ5を介して、無線LAN(Local Area Network)に接続可能に構成されるものとする。
【0015】
端末装置4は、無線LANあるいはインターネットを介して制御装置1と接続され、後述するスケジュール情報を更新する。また、端末装置4は、制御装置1に対して、電動ブラインド2及び照明機器3の制御に関する設定や指示を行うものとする。本実施形態においては、端末装置4をスマートフォンなどのタブレット端末とするが、設定や指示を行うためのインターフェイスや制御装置1との通信機能を有する機器であれば良く、パーソナルコンピュータなどの機器であっても良い。本実施形態においては、1つの居住施設に2人が居住し、それぞれの居住者が1台の端末装置4を携帯しているものとする。
【0016】
制御装置1は、ハードウェアとして、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)11、記憶部12、入出力IF(Interface)13、ネットワークIF14を備える。CPU10及びRAM11は、協働して後述する各種機能を実行する。記憶部12は、不揮発性の記憶装置であり、後に詳述するスケジュール情報、動作定義情報などのCPU10及びRAM11により実行される各種機能で用いられるデータを記憶する。入出力IF13は、電動ブラインド2との間で信号を入出力するインターフェイスである。ネットワークIF14は、無線ルータ5とネットワーク接続するインターフェイスである。
【0017】
(制御装置の機能構成)
第1の実施形態に係る制御装置の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【0018】
図2に示すように、制御装置1は、管理部100、算出部101、判定部102、制御部103を機能として備える。管理部100は、居住者の在宅状況を示すスケジュール情報を管理する。算出部101は、スケジュール情報に基づいて、電動ブラインド2及び照明機器3が設置される居住施設に居住者が不在である不在期間を算出する。判定部102は、現在時刻が算出部101により算出された不在期間であるか否かを判定する。制御部103は、判定部102による判定結果に応じて、後述する在宅制御処理、不在制御処理を実行する。
【0019】
(制御装置の動作)
第1の実施形態に係る制御装置の動作について説明する。図3は、本実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。図4は、本実施形態に係るスケジュール情報を示す図である。
【0020】
図3に示すように、まず、算出部101は、スケジュール情報を参照し(S101)、このスケジュール情報に基づいて不在期間を算出する(S102)。
【0021】
ここで、スケジュール情報について説明する。図4に示すように、スケジュール情報は、2時間単位で区分された日時と、2人の居住者(居住者A,B)の在宅状況とを対応付ける。在宅状況は、居住者が在宅であるか否かを示し、居住者のそれぞれは、所持する端末装置4を用いて、ネットワークを介して所定の時間帯の在宅状況を制御装置1へ通知する。この通知に基づいて、制御装置1の管理部100は、スケジュール情報を更新する。なお、ここでは2時間単位で区分されたスケジュール情報を例に説明するが、区分の時間単位については任意に設定可能であるものとする。
【0022】
不在期間は、制御装置1による制御対象である電動ブラインド2が設置された居住施設において、スケジュール情報に登録された全ての居住者が不在である期間を示し、本実施形態においては、算出部101は、居住者Aが不在であり且つ居住者Bが不在である時間帯を不在期間として算出する。
【0023】
不在期間の算出後、判定部102は、現在の日時が属する時間帯が不在期間であるか否かを判定する(S103)。
【0024】
現在の日時が属する時間帯が不在期間ではない場合(S103,NO)、制御部103は、在宅制御処理を実行する(S104)。ここで、在宅制御処理は、居住施設内に居住者が存在することを想定して実行させる既知の制御処理である。本実施形態においては、制御部103は、在宅制御処理として、ネットワークを介して取得可能な居住施設が存在する地域の天気や温度、現在日時に対応する太陽高度などに基づいて、電動ブラインド2におけるボトムレール21の昇降制御、スラット22の回転制御、照明機器3の調光制御を行うものとする。なお、在宅制御処理については、必ずしも上述の自動制御とする必要はなく、居住者がリモコン等で電動ブラインド2や照明機器3を制御することができるようにしてもよい。その際、何れの方法で電動ブラインド2や照明機器3を制御するかについて、居住者が端末装置4の操作を介して選択することができるようにしてもよい。
【0025】
在宅制御処理の実行後、算出部101は、不在期間の算出からスケジュール情報が変更されたか否かを判定する(S105)。
【0026】
スケジュール情報が変更されない場合(S105,NO)、判定部102は、再度、現在の日時が属する時間帯が不在期間であるか否かを判定する(S103)。
【0027】
一方、スケジュール情報が変更された場合(S105,YES)、算出部101は、変更されたスケジュール情報に基づいて不在期間を算出する(S102)。
【0028】
また、ステップS103において、現在の日時が属する時間帯が不在期間である場合(S103,YES)、制御部103は、後述する不在制御処理を実行する(S106)。この不在制御処理は、不在期間において、居住施設外から居住施設内に不法に侵入することを試みる者(以下、侵入者)に対して、居住施設内に居住者が存在するかのように誤認識させるために実行される制御処理である。
【0029】
不在制御処理の実行後、不在期間の算出からスケジュール情報が変更されたか否かを判定する(S105)。
【0030】
(不在制御処理)
第1の実施形態に係る不在制御処理について説明する。図5は、本実施形態に係る不在制御処理の動作を示すフローチャートである。図6は、本実施形態に係る動作定義情報を示す図である。
【0031】
図5に示すように、まず、制御部103は、電動ブラインド2の制御動作が定義された動作定義情報を参照する(S201)。
【0032】
ここで、動作定義情報について説明する。動作定義情報は、図6に示すように、24時間を複数に区分した時間帯のそれぞれと、制御動作としての開閉間隔、点灯間隔とを対応付ける。開閉間隔は、電動ブラインド2におけるボトムレール21の昇降制御を行う間隔時間を示し、点灯間隔は、照明機器3の点灯制御を行う間隔時間を示す。図6においては、例えば、6:00-8:59の時間帯において、10分毎にボトムレール21が昇降され、20分毎に照明機器3が点灯されることが示される。なお、動作定義情報は、スラット22の回転制御や、照明機器3の調光など、あらゆる制御動作を含み得るものとする。
【0033】
動作定義情報の参照後、制御部103は、動作定義情報における時間帯のうち、現在時刻が属する時間帯を選択し(S202)、選択した時間帯に対応付けられる制御動作に基づく制御指示を電動ブラインド2、照明機器3へ送信する(S203)。
【0034】
なお、ここでは電動ブラインド2が動作する時間帯と、照明機器3が点灯する時間帯とが一部重複するような動作定義情報を例に説明したが、両者の時間帯が重複しないように動作定義情報を設定してもよい。また、両者の時間帯の一部が重複するように設定する場合には、開閉間隔と点灯間隔とが同じとなるように動作定義情報を設定してもよい。これにより、電動ブラインド2と照明機器3とが略同一のタイミングで動作するため、防犯効果をより高めることができる。
【0035】
また、ここでは動作定義情報に開閉間隔と点灯間隔とが含まれる場合を例に説明したが、開閉間隔のみが含まれるようにしてもよい。その場合、制御部103は、選択した時間帯に対応付けられる制御動作に基づく制御指示を電動ブラインド2に対してのみ送信する。
【0036】
このように、居住者の在宅状況を示すスケジュール情報に基づいて、全ての居住者が不在である場合に不在制御処理を行うことによって、より容易に防犯のための動作を制御対象に行わせることができる。また、不在制御処理において、時間帯に対して予め設定された動作を制御対象に行わせることによって、侵入者に対して、より自然に居住者が在宅していると誤認識させることができるため防犯効果を高めることができる。特に、侵入者に狙われやすい時間帯は電動ブラインド2の動作における開閉間隔を短くすることで防犯効果を高めることができ、夜間帯には照明機器3を点灯させることで防犯効果を高めることができる。
【0037】
なお、制御装置1は、不在期間中であっても、端末装置4により送信された帰宅通知を受信することによって、不在制御処理から在宅制御処理に切り替えるようにしても良い。これによって、居住者の予定外の帰宅に対応することができる。
【0038】
また、制御装置1は、上述のスケジュール情報に基づいて不在制御処理から在宅制御処理に切り替える際に、居住者の帰宅を実際に各種センサやカメラなどにより検知してから切り替えるようにしても良い。これにより、スケジュール上は帰宅している予定の時間帯であっても実際には帰宅できていないような状況において、不在制御処理から在宅制御処理に切り替わってしまうことを防ぐことができる。
【0039】
また、居住者は居住施設の外から端末装置4を用いてスケジュール情報を入力することもできるので、当初予定していた時間までに帰宅できない場合はスケジュール情報を更新することにより、帰宅していないのに不在制御処理から在宅制御処理に切り替わってしまうことを防ぐことができる。
【0040】
また、本実施形態では、全ての居住者が不在の時間帯を不在期間と定義して説明したが、必ずしもこれに限る必要はなく、居住者のうち予め定められた人物については対象外とするようにしてもよい。例えば居住者のうち子供を対象外とするように予め設定しておけば、子供が留守番しているような状況であっても不在制御処理を実行することができるため、防犯効果を高めて安心感を得ることができる。このような機能は、算出部101が、スケジュール情報において対象外ではない居住者が不在である時間帯を不在期間として算出することによって実現される。
【0041】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る制御装置は、消費電力を考慮して不在制御処理を実行する点が第1の実施形態とは異なる。以下、第2の実施形態に係る不在制御処理の動作について説明する。図7は、本実施形態に係る不在制御処理の動作を示すフローチャートである。なお、図7の説明においては、制御対象を電動ブラインドのみとする。
【0042】
図7に示すように、まず、制御部103は、消費電力情報を参照する(S301)。この消費電力情報は、所定の設定期間を対象とした許容消費電力と、1回の開閉動作にかかる消費電力とを含む。許容消費電力は、設定期間において許容可能な消費電力を示し、例えば、設定期間としての24時間において許容可能な消費電力や、電動ブラインド2がバッテリー電力により駆動される場合にはバッテリー残量に設定される。
【0043】
次に、制御部103は、消費電力情報に基づいて、設定期間において許容消費電力により動作可能な電動ブラインド2の動作回数である開閉動作回数を算出する(S302)。ここで、開閉動作回数は、例えば、許容消費電力が消費電力により除算されることによって算出される。
【0044】
開閉動作回数の算出後、制御部103は、算出した開閉動作回数に基づく開閉間隔を算出する(S303)。ここで、制御部103は、設定期間における全ての不在期間に開閉動作回数を配分するように開閉間隔を算出する。例えば、制御部103は、S302で開閉動作回数を30回と算出した場合であって、かつ、居住者の不在期間が3時間である場合には、開閉間隔を6分と算出する。なお、ここでは開閉間隔の算出方法として、全ての不在期間において開閉動作回数を略均等に配分するようにしたが、各時間帯に予め重み付けを行うことにより不在期間の時間帯によって開閉間隔を異ならせるようにしても良い。
【0045】
このように、消費電力情報に基づいた開閉間隔による制御動作を行うことにより、消費電力を考慮した不在制御処理を行わせることができる。なお、本実施形態において、許容消費電力は予め設定可能であったり、バッテリー残量に基づいて設定可能であったりする例をあげたが、設定期間において許容可能な電気料金と、不在期間である時間帯における電気代とに基づいて許容消費電力を算出するようにしても良い。
【0046】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る制御装置は、機械学習による不在制御処理を実行する点において第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態においては、説明上、制御対象を電動ブラインドのみとする。
【0047】
(機能構成及び動作)
第3の実施形態に係る制御装置の機能構成及び動作について説明する。図8は、本実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。図9は、本実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0048】
図8に示すように、第3の実施形態に係る制御装置1aは、機能として、学習部104を更に備える点が第1の実施形態とは異なる。
【0049】
また、図9に示すように、制御装置1aは、現在の日時が属する時間帯が不在期間ではない場合(S103,NO)において学習部104が後述する学習処理を実行する(S104a)とともに、現在の日時が属する時間帯が不在期間である場合(S103,YES)において制御部103が後述する不在制御処理を実行する(S106a)点が、第1の実施形態とは異なる。
【0050】
(学習処理)
第3の実施形態に係る学習処理について説明する。図10は、本実施形態に係る学習データを示す図である。
【0051】
学習処理が実行される状況においては、電動ブラインド2に対して居住者による操作がなされる。学習処理において、学習部104は、居住者による電動ブラインド2に対する操作による電動ブラインド2の動作状態と、図10に示すように、この動作状態となった際の環境とが対応付けられた環境情報とを周期的にログとして記録したデータセットを学習データとした教師あり機械学習を行う。学習部104は、環境情報により示される環境を入力とし、これに対応する動作状態を正しい出力とした教師あり機械学習による推定モデルを生成する。
【0052】
本実施形態においては、環境情報には、月日、時刻、天気、気温が含まれる。このうち、天気、気温は、居住施設が存在する地域についてネットワークを介して取得されたものとする。また、環境情報には、少なくとも、月日と時刻、即ち日時が含まれていれば良い。また、動作状態は、電動ブラインド2の昇降状態を示す開放度と段階的に区分されるスラット角度とによって示され、これらは電動ブラインド2における駆動機構に内蔵されたエンコーダの値に基づいて得られるものとする。
【0053】
(不在制御処理)
第3の実施形態に係る不在制御処理の動作について説明する。図11は、本実施形態に係る不在制御処理の動作を示すフローチャートである。
【0054】
図11に示すように、制御部103は、現在の日時が属する不在期間が期間閾値以上であるか否かを判定する(S401)。ここで、期間閾値は、不在期間に対して設定された所定の期間を示す。
【0055】
不在期間が期間閾値以上ではない場合(S401,NO)、制御部103は、電動ブラインド2に対して、第1の実施形態と同様に動作定義情報に基づく制御指示を行う(S402)。
【0056】
一方、不在期間が期間閾値以上である場合(S401,YES)、制御部103は、電動ブラインド2に対して、上述の学習処理により生成された推定モデルに基づく制御指示を行う(S403)。
【0057】
このように、居住者による操作に基づく機械学習により生成された推定モデルに基づく制御を行うことによって、より自然に電動ブラインド2を制御することができ、ひいては、侵入者に対して、居住者が在宅していると誤認識させることができるため防犯効果を高めることができる。また、予め設定された期間閾値に満たない場合は動作定義情報に基づいた制御を行うことによって、短期間だけ推定モデルに基づく制御を行った場合に電動ブラインド2が動作しないような状況を補完することができる。なお、本実施形態では上述した通り、居住者の不在期間が期間閾値以上であるか否かに応じて、電動ブラインド2に対して動作定義情報に基づく制御指示を行うか、学習処理により生成された推定モデルに基づく制御指示を行うかを判定するものとして説明したが、居住者の不在期間に関わらず電動ブラインド2に対して推定モデルに基づく制御指示を行うようにしてもよい。これにより、より簡易な構成で不在制御処理を実現することができる。
【0058】
なお、不在期間中にのみ推定モデルに基づく制御を行うものとしたが、推定モデルを生成するのに十分な学習データが得られた後は、不在期間中以外において推定モデルに基づく制御を行うようにしても良い。即ち、第1の実施形態で説明した在宅制御処理において、制御部103は、上述の推定モデルに基づく制御指示を電動ブラインド2に対して行うようにしてもよい。
【0059】
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る制御システムは、上下で透過率が異なる複数のスクリーンを有する電動式のプリーツスクリーンを制御対象とする点において、第1の実施形態とは異なる。第4の実施形態に係る制御システムについて説明する。図12図13は、それぞれ、本実施形態に係るプリーツスクリーンを示す居住施設外から見た斜視図、概略図である。
【0060】
図12に示すように、本実施形態に係る制御装置1による制御対象としてのプリーツスクリーン6は、ヘッドボックス60と、ボトムレール61と、ヘッドボックス60とボトムレール61との間に配される中間バー62と、ヘッドボックス60と中間バー62とを連結するように配される第1遮蔽材63と、中間バー62とボトムレール61とを連結するように配される第2遮蔽材64とを備える。
【0061】
第2遮蔽材64が透過性を有さない部材からなるのに対して、第1遮蔽材63は、透過性を有した部材からなる。これによって、図13に示すように、ヘッドボックス60と中間バー62とが離間するようにプリーツスクリーン6が制御されることによって、照明機器3による照明光が居住施設外から視認可能な状態となる。
【0062】
このようなプリーツスクリーン6を制御対象とした制御システムにおいて、制御装置1が、不在期間において、ヘッドボックス60と中間バー62とが離間するようにプリーツスクリーン6を制御するとともに、照明機器3を点灯させることによって、居住施設外から居住施設内を容易に視認可能な状態とし、防犯効果を高めることができる。この際、ヘッドボックス60と中間バー62とが離間した状態を維持しつつ、中間バー62を間欠的に昇降動作させる。より具体的には、第1の実施形態で説明した不在制御処理のように、制御装置1が動作定義情報に基づく制御指示をプリーツスクリーン6に対して送信することにより、プリーツスクリーン6は上述の動作を行うことができる。これにより、居住者が在宅しているように誤認識させることができ、さらに防犯効果を高めることができる。
【0063】
なお、居住施設近傍に人の接近を検知する人感センサを設置し、居住施設近傍に人を検知した場合にヘッドボックス60と中間バー62とが離間するようにプリーツスクリーン6を制御するとともに、照明機器3を点灯させるように制御しても良い。
【0064】
<第5の実施形態>
第5の実施形態に係る制御システムは、照度センサの測定値に基づいて不在制御処理を行う点において、第4の実施形態とは異なる。図14図15は、それぞれ、本実施形態に係るプリーツスクリーンの第1状態、第2状態を示す概略図である。
【0065】
図14図15に示すように、本実施形態に係る制御システムは、居住施設外の照度を測定する照度センサ7と、居住施設内の照度を測定する照度センサ8とを更に備える点が第4の実施形態とは異なる。
【0066】
本実施形態に係る制御装置1の制御部103は、不在制御処理において、照度センサ7による測定値を外部照度として取得するとともに、照度センサ8による測定値を内部照度として取得し、外部照度から内部照度を減算した値が所定の判定閾値以上である場合に図14に示す第1状態にプリーツスクリーン6を制御し、そうでない場合には図15に示す第2状態にプリーツスクリーン6を制御する。なお、照明機器3は、第1の実施形態と同様に動作定義情報に基づいて制御されるものとし、図14においては消灯され、図15においては点灯されているものとする。
【0067】
第1状態は、ヘッドボックス60と中間バー62とが離間するようにプリーツスクリーン6が制御されて、透過性を有さない第2遮蔽材64による遮蔽領域よりも透過性を有する第1遮蔽材63による遮蔽領域を大きくした状態である。外部照度が内部照度より判定閾値以上に大きい場合には居住施設外から居住施設内を視認しにくい状態となっていることを想定し、制御部103は、プリーツスクリーン6に限らず、遮蔽装置の開度を大きくするように制御する。
【0068】
第2状態は、中間バー62とボトムレール61とが離間するようにプリーツスクリーン6が制御されて、透過性を有する第1遮蔽材63による遮蔽領域よりも透過性を有さない第2遮蔽材64による遮蔽領域を大きくした状態である。外部照度が内部照度より判定閾値以上に大きくない場合には居住施設外から居住施設内を視認しやすい状態となっていることを想定し、制御部103は、プリーツスクリーン6に限らず、遮蔽装置の開度を小さくするように制御する。
【0069】
このように、本実施形態に係る制御システムによれば、外から見えにくくするという必要最低限の開閉動作のみを行うようにすることができ、これによって、省電力で防犯性を向上させることができる。
【0070】
なお、上述した実施形態において、制御対象としての遮蔽装置を電動ブラインド2、プリーツスクリーン6としたが、開口部を遮蔽する遮蔽材の開閉を電動により制御可能な如何なる遮蔽装置をも制御対象とすることができる。この種の制御装置としては、例えば、電動の縦型ブラインド、ロールスクリーンなどが挙げられる。
【0071】
また、上述した実施形態では、遮蔽装置(電動ブラインド2、プリーツスクリーン6)と照明機器3とを含む制御システムを例に説明したが、制御システムには音声を報音可能なスピーカーなどが含まれていてもよい。更に、スピーカーが予め記憶された生活音や音楽などの音声を報音できるような構成にするとともに、上述した実施形態で説明した動作定義情報にスピーカーの報音間隔が含まれるように構成しておけば、遮蔽装置の開閉、照明機器3の点灯と合わせてスピーカーから音声を報音することができるため、防犯効果をより高めることができる。なお、報音間隔は、遮蔽装置が開閉する時間帯における開閉間隔と揃うように設定してもよいし、照明機器3が点灯する時間帯における点灯間隔と揃うように設定してもよいし、両者に対して揃うように設定してもよい。
【0072】
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1 制御装置
100 管理部
101 算出部
103 制御部
図1
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