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特開2022-32196学習支援システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032196
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】学習支援システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/04 20060101AFI20220217BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20220217BHJP
   G16Y 10/55 20200101ALI20220217BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20220217BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20220217BHJP
【FI】
G09B7/04
G06Q50/20 300
G16Y10/55
G16Y20/40
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020135741
(22)【出願日】2020-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】709006024
【氏名又は名称】株式会社ベネッセコーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】513106886
【氏名又は名称】株式会社PKSHA Technology
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】石田 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】永田 祐太郎
(72)【発明者】
【氏名】永見 良介
(72)【発明者】
【氏名】國吉 啓介
(72)【発明者】
【氏名】中島 悠太
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直也
(72)【発明者】
【氏名】森下 賢志
(72)【発明者】
【氏名】葭本 香太郎
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028BA01
2C028BA02
2C028BA03
2C028BB04
2C028BB07
2C028BC01
2C028BD02
2C028CA13
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】学習者の未取組問題に対する解答傾向を用いて、学習者ごとに適切な問題を提供すること。
【解決手段】所定の学習範囲内の各問題に対する学習者の解答を取得する取得部と、解答が正解か否かを判定する解答判定部と、解答判定部の判定結果により示される学習者の第1解答傾向に基づいて、学習者の未取組問題に対する第2解答傾向を特定する傾向特定部と、第1解答傾向、第2解答傾向、及び学習者が選択した志望校に関連付けられる他の学習者の第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、学習者と他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルを用いて、第1解答傾向及び第2解答傾向に基づく一以上の問題を選定する問題選定部と、選定された一以上の問題を、学習者に対して出力する出力部と、を備える学習支援システム。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の学習範囲内の各問題に対する学習者の解答を取得する取得部と、
前記解答が正解か否かを判定する解答判定部と、
前記解答判定部の判定結果により示される前記学習者の第1解答傾向に基づいて、前記学習者の未取組問題に対する第2解答傾向を特定する傾向特定部と、
前記第1解答傾向、前記第2解答傾向、及び前記学習者が選択した志望校に関連付けられる他の学習者の取組問題に対する第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、前記学習者と前記他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルを用いて、前記第1解答傾向及び前記第2解答傾向に基づく前記一以上の問題を選定する問題選定部と、
選定された前記一以上の問題を、前記学習者に対して出力する出力部と、
を備える学習支援システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記解答に要した解答時間を取得することを含み、
前記傾向特定部は、前記解答時間に基づいて、前記学習者の未取組問題に対する解答に要する予測時間を特定することを含み、
前記問題選定部は、前記予測時間にさらに基づいて、前記一以上の問題を選定することを含む、請求項1に記載の学習支援システム。
【請求項3】
前記問題選定部は、
選定された複数の問題の中の各問題に優先順位を付与することを含み、
前記出力部は、前記学習者に対して、前記優先順位が高い方から問題を出力することを含む、請求項1又は2に記載の学習支援システム。
【請求項4】
前記問題選定部は、選定された複数の問題をさらに複数のグループに分けることを含み、
前記出力部は、前記グループごとに問題を出力することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の学習支援システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記グループ内の各問題に対する解答を取得することを含み、
前記傾向特定部は、前記グループ内の各問題に対する解答の判定結果を用いて更新される第1解答傾向に基づいて、前記未取組問題の第2解答傾向を更新することを含み、
前記問題選定部は、更新された前記第1解答傾向及び前記第2解答傾向に基づいて、次のグループに含まれる問題を選定することを含む、請求項4に記載の学習支援システム。
【請求項6】
前記他の学習者は、前記志望校に合格した学習者又は前記志望校を志望する学習者のうち、上位所定数の学習者を含み、
前記学習履歴は、前記他の学習者の各問題に対する解答傾向を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の学習支援システム。
【請求項7】
前記学習者の前記第1解答傾向及び前記第2解答傾向に基づいて、前記志望校を志望する学習者の中での順位を特定する順位特定部をさらに備え、
前記出力部は、前記順位を出力することを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の学習支援システム。
【請求項8】
プロセッサを含む情報処理装置であって、
前記プロセッサが、
所定の学習範囲内の各問題に対する学習者の解答を取得すること、
前記解答が正解か否かを判定すること、
前記各問題の各判定結果により示される前記学習者の第1解答傾向に基づいて、前記学習者の未取組問題に対する第2解答傾向を特定すること、
前記第1解答傾向、前記第2解答傾向、及び前記学習者が選択した志望校に関連付けられる他の学習者の取組問題に対する第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、前記学習者と前記他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルを用いて、前記第1解答傾向及び前記第2解答傾向に基づく前記一以上の問題を選定すること、
選定された前記一以上の問題を、前記学習者に対して出力すること、
を実行する情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が、
所定の学習範囲内の各問題に対する学習者の解答を取得すること、
前記解答が正解か否かを判定すること、
前記各問題の各判定結果により示される前記学習者の第1解答傾向に基づいて、前記学習者の未取組問題に対する第2解答傾向を特定すること、
前記第1解答傾向、前記第2解答傾向、及び前記学習者が選択した志望校に関連付けられる他の学習者の取組問題に対する第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、前記学習者と前記他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルを用いて、前記第1解答傾向及び前記第2解答傾向に基づく前記一以上の問題を選定すること、
選定された前記一以上の問題を、前記学習者に対して出力すること、
を実行する情報処理方法。
【請求項10】
情報処理装置に、
所定の学習範囲内の各問題に対する学習者の解答を取得すること、
前記解答が正解か否かを判定すること、
前記各問題の各判定結果により示される前記学習者の第1解答傾向に基づいて、前記学習者の未取組問題に対する第2解答傾向を特定すること、
前記第1解答傾向、前記第2解答傾向、及び前記学習者が選択した志望校に関連付けられる他の学習者の取組問題に対する第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、前記学習者と前記他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルを用いて、前記第1解答傾向及び前記第2解答傾向に基づく前記一以上の問題を選定すること、
選定された前記一以上の問題を、前記学習者に対して出力すること、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
学習者に対して未習項目を最適学習項目として提供するシステムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2010/119571
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている発明は、学習者側通信端末から管理サーバにキーワードとなるデータを送信する。管理サーバは、当該キーワードに基づいて、文書データベースに記憶されている文書の中から所定の類似度の文書を抽出し、学習範囲を画定する。さらに、管理サーバは、学習側通信端末において入力されたデータに基づいて、当該学習範囲の中から、未習項目と推定される項目を最適学習項目として自動生成する。これにより、学習者に対して、最適な学習内容を提示することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている発明では、未習項目に基づいて、学習者に対して出題する学習項目を生成しているが、学習者ごとに適切な問題をまとめて提供されておらず、また、学習者が取り組んでいない問題がある場合、その未取組問題に対する学習者の解答傾向については出題に考慮されていなかった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、学習者の未取組問題に対する解答傾向を用いて、学習者ごとに適切な一以上の問題を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る学習支援システムは、所定の学習範囲内の各問題に対する学習者の解答を取得する取得部と、前記解答が正解か否かを判定する解答判定部と、前記解答判定部の判定結果により示される前記学習者の第1解答傾向に基づいて、前記学習者の未取組問題に対する第2解答傾向を特定する傾向特定部と、前記第1解答傾向、前記第2解答傾向、及び前記学習者が選択した志望校に関連付けられる他の学習者の取組問題に対する第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、前記学習者と前記他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルを用いて、前記第1解答傾向及び前記第2解答傾向に基づく前記一以上の問題を選定する問題選定部と、選定された前記一以上の問題を、前記学習者に対して出力する出力部と、を備える。
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係る情報処理装置は、プロセッサを含む情報処理装置であって、前記プロセッサが、所定の学習範囲内の各問題に対する学習者の解答を取得すること、前記解答が正解か否かを判定すること、前記各問題の各判定結果により示される前記学習者の第1解答傾向に基づいて、前記学習者の未取組問題に対する第2解答傾向を特定すること、前記第1解答傾向、前記第2解答傾向、及び前記学習者が選択した志望校に関連付けられる他の学習者の取組問題に対する第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、前記学習者と前記他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルを用いて、前記第1解答傾向及び前記第2解答傾向に基づく前記一以上の問題を選定すること、選定された前記一以上の問題を、前記学習者に対して出力すること、を実行する。
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る情報処理方法は、情報処理装置が、所定の学習範囲内の各問題に対する学習者の解答を取得すること、前記解答が正解か否かを判定すること、前記各問題の各判定結果により示される前記学習者の第1解答傾向に基づいて、前記学習者の未取組問題に対する第2解答傾向を特定すること、前記第1解答傾向、前記第2解答傾向、及び前記学習者が選択した志望校に関連付けられる他の学習者の取組問題に対する第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、前記学習者と前記他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルを用いて、前記第1解答傾向及び前記第2解答傾向に基づく前記一以上の問題を選定すること、選定された前記一以上の問題を、前記学習者に対して出力すること、を実行する。
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係るプログラムは、情報処理装置に、所定の学習範囲内の各問題に対する学習者の解答を取得すること、前記解答が正解か否かを判定すること、前記各問題の各判定結果により示される前記学習者の第1解答傾向に基づいて、前記学習者の未取組問題に対する第2解答傾向を特定すること、前記第1解答傾向、前記第2解答傾向、及び前記学習者が選択した志望校に関連付けられる他の学習者の取組問題に対する第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、前記学習者と前記他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルを用いて、前記第1解答傾向及び前記第2解答傾向に基づく前記一以上の問題を選定すること、選定された前記一以上の問題を、前記学習者に対して出力すること、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、学習者の未取組問題に対する解答傾向を用いて、学習者ごとに適切な問題を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態における学習支援システムの一例を示す構成図である。
図2】学習支援サーバのハードウェア構成の一例を示す構成図である。
図3】学習支援サーバを構成の一例を示す構成図である。
図4】学習者基本情報の一例を示す図である。
図5】学習履歴情報の一例を示す図である。
図6】学習用端末を構成の一例を示す構成図である。
図7】学習用端末のユーザインタフェースにより表示される画面の一例を示す図である。
図8】学習支援システムの処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0014】
<学習支援システム1>
図1は、本実施形態における学習支援システム1の一例を示す構成図である。図1に示すように、学習支援システム1は、学習支援サーバ10、学習用端末20A、B、Cを含む。以下、各学習用端末20A、B、Cを区別しない場合は、単に学習用端末20と表記する。学習支援システム1では、学習支援サーバ10及び学習用端末20がネットワークNを介して相互に通信可能に接続される。なお、本実施形態においては、学習支援システム1は複数の装置で構成されるように説明するが、一の装置において実現されてもよく、例えば学習用端末20のみで実現されてもよい。
【0015】
学習支援サーバ10は、学習用端末20を介して学習者に各種問題を提供する情報処理装置である。また、学習支援サーバ10は、学習者が問題に取り組んだ際に解答を取得し、解答の判定結果により示される第1解答傾向を用いて未取組問題に対する第2解答傾向を特定し、第1解答傾向及び第2解答傾向を用いて学習者に合った適切な問題を提供する。
【0016】
学習用端末20は、学習支援サーバ10から提供された問題をディスプレイに表示して、学習者の各種操作を受け付ける情報処理装置である。学習用端末20は、例えば、タブレット端末装置やパーソナルコンピュータにより構成される。なお、学習用端末20は、例えば家庭用ゲーム機器(携帯型ゲーム機を含む)、携帯電話機(いわゆるフィーチャーフォン)、スマートフォン(多機能携帯電話機)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant)、電子書籍リーダ、その他のコンピュータ機器により構成されてもよい。
【0017】
ネットワークNは、例えばインターネット等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、学習支援サーバ10、学習用端末20の間で各種情報の送受信可能に構成されていればよい。
【0018】
以下、学習支援サーバ10及び学習用端末20の構成につき説明する。
<学習支援サーバ10>
以下、図2を参照して、学習支援サーバ10のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態に係る学習支援サーバ10のハードウェア構成の一例を示す構成図である。図2に示すように、学習支援サーバ10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ10a、メモリ10b、HDD(Hard Disk Drive)および/またはSSD(Solid State Drive)等の記憶装置10c、およびネットワークインターフェース10dを備える。また、学習支援サーバ10が備える各構成要素10a~10dはバスによってそれぞれ接続されている。
【0019】
プロセッサ10aは、メモリ10bや記憶装置10cに格納されているプログラムを実行することで、図3以降で詳述するような処理および機能を実現する。メモリ10bは、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を含んでよく、ROMは、ブートプログラムなどのプログラムを記憶する。RAMは、プロセッサ10aのワークエリアとして使用される。記憶装置10cは、プロセッサ10aの制御に応じてデータのリード/ライトを制御してディスクにデータを記憶する。記憶装置10cは、例えば後述する各種テーブルを記憶する。なお、メモリ10bや記憶装置10cに格納されているプログラムは、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として構成されてもよい。
【0020】
ネットワークインターフェース10dは、インターネットなどのネットワークNに接続され、該ネットワークNを介して、学習用端末20などの外部装置に接続される。そして、ネットワークインターフェース10dは、ネットワークNと学習支援サーバ10を実現するコンピュータ装置の内部とのインターフェースをつかさどり、学習支援サーバ10を実現するコンピュータ装置と外部装置との間におけるデータの入出力を制御する。
【0021】
以下、図3を参照して、学習支援サーバ10の構成について説明する。図3は、学習支援サーバ10の構成の一例を示す構成図である。図3に示すように、学習支援サーバ10は、例えば、記憶部11、取得部12、解答判定部13、傾向特定部14、問題選定部15、出力部16、順位特定部17を備える。
【0022】
記憶部11は、例えば、学習者基本情報11a、学習履歴情報11b、解答傾向予測モデル11c、問題選定モデル11d、解答時間予測モデル11eを記憶してもよい。また、記憶部11は、図示しない問題情報を記憶してもよく、問題情報は、例えば、各問題のIDに関連付けて、各問題の内容情報(カリキュラム名、科目、単元、問題内容等)、難易度、関連する問題ID、学習者が志望する学校等を含む情報である。
【0023】
図4を参照して、学習者基本情報11aの一例について説明する。図4に示すように、学習者基本情報11aは、例えば、学習者を識別する「学習者ID」などの適宜な項目を主キーとして、学習者の基本的な情報を示す「学校情報」、「志望校情報」、「レベル情報」、「合否情報」などを含む。
【0024】
「学習者ID」は、学習者を識別可能にする情報を含む。「学校情報」は、学習者が通う学校の情報を含み、例えば学校名、学年、クラスなどを含む。「志望校情報」は、学習者が志望する学校(中学、高校、大学など)の情報を含み、例えば、学校名、コース(学部、学科など)などを含む。「レベル情報」は、学習者が志望する志望校、コースの難易度を含む。「合否情報」は、学習者が志望校に合格したか否かの情報、又は現役生であれば未入力「-」などの情報を含む。なお、上記以外にも、学習者基本情報11aは、学習者の氏名等を含んでもよい。
【0025】
図5を参照して、学習履歴情報11bの一例について説明する。図5に示すように、学習履歴情報11bは、「学習者ID」などの適宜な項目を主キーとして、学習者の学習履歴を示す情報である「学習状況情報」、「学習時間情報」などを含む。
【0026】
「学習者ID」は、図4に示す学習者IDに対応し、学習者を識別可能にする情報を含む。「学習状況情報」は、例えば、所定の学習範囲内での学習者が取り組んだ問題の情報、時期、正解か否かの判定結果、未取組問題の情報などを含む。所定の学習範囲は、学習者が志望する学校等により適宜変更されてもよい。「学習時間情報」は、学習者が取り組んだ各問題に対し、解答するのに要した時間(以下、「解答時間」ともいう。)などを含む。
【0027】
図3の記憶部11に記憶される解答傾向予測モデル11cは、学習者の解答傾向を予測し、特定するためのモデルである。例えば、解答傾向予測モデル11cは、学習者が取り組んだ各問題に対応する解答の正否に基づいて、未取組問題に対する解答傾向を予測し、特定するモデルを含む。
【0028】
具体例として、解答傾向予測モデル11cは、学習者の志望校情報、取り組んだ問題の正答率、取り組んだ問題の範囲、取り組んだ問題の難易度などの解答傾向を予測し、特定するためのレコードの集合体であってもよい。また、解答傾向予測モデル11cは、学習者の志望校情報、取り組んだ問題の正答率、取り組んだ問題の範囲、取り組んだ問題の難易度などを学習データとして機械学習された、各難易度の問題に対する解答傾向(正答率など)を予測し、推論する推論アルゴリズムなどでもよい。
【0029】
図3の記憶部11に記憶される問題選定モデル11dは、学習者が志望する学校に合格するために、他の学習者の学習状況との差異を埋める一以上の問題を選定するためのモデルである。例えば、問題選定モデル11dは、学習者が選択した志望校、コース、取り組んだ学習範囲、及び取り組んだ問題の正答率などと、この志望校、コースに関連付けられた他の学習者の取り組んだ範囲、取り組んだ問題の正答率などとに基づいて、学習者と他の学習者との学習状況の差を小さくすべく、学習者に適切な一以上の問題を選定するためのモデルを含む。志望校には、同校を志望した複数の学習者が関連付けられており、所定の学習者が選択した志望校に関連付けられた他の学習者は、1人でもよいし、複数でもよいし、志望校に合格した者が含まれてもよい。
【0030】
具体例として、問題選定モデル11dは、問題選定モデル11dは、学習者の志望校及びコース、取り組んだ学習範囲、及び取り組んだ問題の第1解答傾向及び未取組問題の第2解答傾向などと、この志望校及びコースに関連付けられた他の学習者の取り組んだ範囲、取り組んだ問題の第3解答傾向などとに基づいて、学習者に適切な一以上の問題を選定するための各パラメータを示すレコードの集合体であってもよい。
【0031】
また、問題選定モデル11dは、第1解答傾向、第2解答傾向、及び学習者の志望校に関連付けられる他の学習者の取組問題に対する第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、学習者と他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルであってもよい。この場合、問題選定モデル11dは、学習者の志望校及びコース、取り組んだ学習範囲、及び取り組んだ問題の第1解答傾向及び未取組問題の第2解答傾向などと、この志望校及びコースに関連付けられた他の学習者の取り組んだ範囲、取り組んだ問題の第3解答傾向などを学習データとして機械学習された、学習者と他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定するための推論アルゴリズムなどでもよい。学習者と他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題は、例えば、学習者の解答傾向(例えば正答率)と、他の学習者との解答傾向(例えば正答率)との差が大きい問題を含む。
【0032】
図3の記憶部11に記憶される解答時間予測モデル11eは、学習者の解答時間(予測時間)を予測し、特定するためのモデルである。例えば、解答時間予測モデル11eは、学習者が取り組んだ各問題に対応する解答時間、問題の難易度などに基づいて、未取組問題に対する解答時間(予測時間)を予測し、特定するモデルを含む。
【0033】
具体例として、解答時間予測モデル11eは、学習者が取り組んだ各問題の難易度ごとの解答時間の平均を算出し、未取組問題の各難易度に応じて予測時間を特定するためのレコードの集合体であってもよい。また、解答時間予測モデル11eは、学習者の各問題の解答時間、各問題の難易度などを学習データとして機械学習された、各難易度の問題に対する解答時間(予測時間)を予測し、推論する推論アルゴリズムなどでもよい。
【0034】
図3に示す取得部12は、学習用端末20などの外部装置から各種情報を取得する。また、取得部12は、例えば、学習用端末20から、学習者が所定の学習範囲内(例えばカリキュラムで設定された学習範囲)で取り組んだ問題について、学習者ID、問題ID、解答情報、解答時間情報などを取得する。
【0035】
解答判定部13は、例えば、解答情報に基づいて所定の問題に対する解答者の解答が正解か否かを判定する。
【0036】
傾向特定部14は、解答判定部13の判定結果により示される学習者の第1解答傾向(例えば正答率)に基づいて、学習者の未取組問題に対する第2解答傾向(例えば正答率)を特定する。傾向特定部14は、例えば、記憶部11に記憶された解答傾向予測モデル11cを用いて第2解答傾向を特定してもよい。また、未取組問題は、所定の学習範囲内における未取組問題であってもよい。
【0037】
問題選定部15は、特定された第1解答傾向、第2解答傾向、及び所定の学習者が選択した志望校に関連付けられる他の学習者の取組問題に対する第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、学習者と他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルを用いて、第1解答傾向及び第2解答傾向に基づく一以上の問題を選定する。問題選定部15は、例えば、記憶部11に記憶された問題選定モデル11dを用いて一以上の問題を選定してもよい。
【0038】
出力部16は、選定された一以上の問題を学習者に対して出力する。例えば、出力部16は、学習者の学習者IDを用いて学習者が利用する学習用端末20を特定したり、解答情報の送信元の学習用端末20を特定したりして、特定した学習用端末20に、選定された一以上の問題情報をまとめて送信してもよい。
【0039】
これにより、本実施形態によれば、学習者の未取組問題に対する解答傾向を用いて、学習者ごとに適切な問題を提供することができる。例えば、学習者の取組済みの問題に対する第1解答傾向と、未取組問題に対する第2解答傾向とを用いて、他の学習者との学習状況の差を埋める一以上の問題を選定することが可能になる。また、一度に複数の問題を選定することも可能になるため、一問ずつ問題を選定するよりも処理負荷を軽減することができる。学習者にとっては、選定された複数の問題を解き、理解することで、他の学習者と比較して苦手な分野の問題を優先的に解くことが可能になる。
【0040】
また、取得部12は、問題に対して解答に要した学習者の解答時間を取得することを含んでもよい。例えば、学習用端末20は、解答情報を学習支援サーバ10に送信する際に、解答に要した解答時間を含めて送信する。この場合、取得部12は、各問題の解答時間を取得することが可能になる。
【0041】
この場合、傾向特定部14は、取得された解答時間に基づいて、学習者の未取組問題に対する解答に要する解答時間(予測時間)を特定することを含んでもよい。例えば、傾向特定部14は、記憶部11に記憶された解答時間予測モデル11eを用いて未取組問題の予測時間を予測し、特定してもよい。具体例として、傾向特定部14は、同難易度の問題の解答時間の平均を算出し、この平均解答時間を用いて、同難易度の未取組問題の予測時間として特定したり、機械学習による学習済みの解答時間予測モデル11eを用いて未取組問題の予測時間を予測して特定したりしてもよい。
【0042】
この場合、問題選定部15は、特定された問題の予測時間にさらに基づいて、複数の問題を選定することを含んでもよい。例えば、問題選定部15は、選定された複数の問題の中から、解答時間又は予測時間の合計が所定時間内におさまるように問題をさらに選定してもよい。所定時間は、例えば、その学習者の一日の平均学習時間等が用いられたり、予め設定された時間が用いられたりする。
【0043】
これにより、本実施形態によれば、問題の解答時間を用いて、その学習者の学習状況に応じた、より適切な問題の選定が可能になる。また、問題選定部15は、所定数以上の問題を選定した場合に、所定数以内に問題を選定する際などにも解答時間を用いることが可能になる。
【0044】
また、問題選定部15は、選定された複数の問題の各問題に対して、優先順位を付与することを含んでもよい。問題選定部15は、例えば、各問題の他の学習者の解答傾向と、その学習者の解答傾向とを用いて、その差(例えば正答率の差)が大きいほど優先順位を高くする。例えば、問題選定部15は、問題ごとに、他の学習者の取組済みの問題の正答率、又は、未取組の問題の正答率、あるいはその両方の平均値と、その学習者の未取組問題に対して特定された正答率との差を算出し、その差が大きいほど優先順位を高くしてもよい。
【0045】
この場合、出力部16は、学習者に対して、優先順位が高い方から問題を出力することを含んでもよい。例えば、出力部16は、優先度が高い方から所定数の問題の情報を学習用端末20に送信してもよい。
【0046】
これにより、本実施形態によれば、問題に付与される優先順位に基づいて、その学習者に応じた、より適切な問題を学習者に出力することが可能になる。優先順位は、その学習者に対して、より理解して欲しい順で付与されるため、学習者にとって効率よく問題を解くことが可能になる。
【0047】
また、問題選定部15は、複数の問題をさらに複数のグループに分けることを含んでもよい。例えば、問題選定部15は、所定期間ごとに、所定数の問題を含むように問題を分けてもよい。具体例として、問題選定部15は、1日ごとに5問ずつ出題できるように、選定された問題を分けてもよい。
【0048】
この場合、出力部16は、グループごとに問題を出力することを含んでもよい。例えば、出力部16は、グループごとに問題を解くことができるように、グループごとにフォルダ分け等して学習用端末20に配信してもよい。また、出力部16は、一日ごとに、1つのグループ内の問題を出力するようにしてもよい。
【0049】
これにより、本実施形態によれば、学習者が取り組むことが可能な範囲で、複数の問題をグループに分けて、グループごとに出題することなどが可能になる。
【0050】
また、取得部12は、グループ内の各問題に対する解答を取得することを含んでもよい。例えば、取得部12は、グループごとに問題が出願される場合に、グループ内の問題に対する解答が完了すると、グループ内の問題の解答情報をその都度取得するようにしてもよい。
【0051】
この場合、解答判定部13は、グループ内の問題の解答情報に基づいて、解答が正解か否かを判定する。また、傾向特定部14は、グループ内の各問題に対する解答の判定結果を用いて更新される第1解答傾向に基づいて、未取組問題の第2解答傾向を更新することを含んでもよい。例えば、傾向特定部14は、グループ内の問題を取組済み問題として、これらの問題の解答傾向を用いて、他のグループに含まれる未取組問題の解答傾向を特定してもよい。
【0052】
この場合、問題選定部15は、更新された第1解答傾向及び第2解答傾向に基づいて、次のグループに含まれる問題を選定することを含んでもよい。例えば、問題選定部15は、一度次のグループに分けられた問題であっても、更新された第1解答傾向及び第2解答傾向を用いて、問題を選定し直し、次に学習者に解いて欲しい問題を変更することが可能になる。このとき、上述した優先順位が用いられるとよい。例えば、問題選定部15は、第1解答傾向及び第2解答傾向が更新されること、問題の優先順位が変わるため、変更後の優先順位が高い問題を次に学習者が解くグループの問題に含めるようにしてもよい。
【0053】
これにより、本実施形態によれば、グループ内の各問題が解かれるたびに、グループ内の各問題の解答傾向を用いて、学習者に適切な問題を出題することが可能になる。
【0054】
また、傾向特定部14や、問題選定部15において利用される他の学習者は、学習者と同じ志望校に合格した学習者又は同じ志望校を志望する学習者のうち、上位所定数の学習者を含んでもよい。この場合、利用される学習履歴情報は、他の学習者の各問題に対する解答結果を含んでもよい。
【0055】
これにより、本実施形態によれば、比較対象の学習者は同じ志望校を志望する者の中で成績上位者、又は同じ志望校に合格した者であり、これらの学習者の学習状況(合格者の場合は、同時期の学習状況)との比較で、学習者は、理解が足りない問題を重点的に解くことが可能になる。
【0056】
また、順位特定部17は、学習者の第1解答傾向及び前記第2解答傾向に基づいて、この学習者と同じ志望校を志望する学習者の中での順位を特定してもよい。例えば、順位特定部17は、解答傾向として正答率が用いられる場合、学習者毎に所定の学習範囲内の各問題に対する正答率(未取組問題に対して特定された正答率を含んでもよい)の平均を算出し、平均の正答率が高い方から学習者の順位を特定してもよい。
【0057】
この場合、出力部16は、特定された順位を学習者に出力することを含んでもよい。例えば、出力部16は、選定された一以上の問題を出力する際に、現時点での学習者の順位の情報を学習用端末20に送信してもよい。
【0058】
これにより、本実施形態によれば、学習者は現時点での自分の順位を知ることができ、学習をする際のモチベーション向上に役立てることができる。
【0059】
<学習用端末20>
次に、学習用端末20について説明する。学習用端末20のハードウェア構成(不図示)は、学習支援サーバ10のハードウェア構成に対して、例えば、入力操作を受け付ける入力デバイスと、情報の出力を行う出力デバイスとを加えた構成である。入力デバイスは、例えば、タッチパネル、マイク、キーボード、および/またはカメラであってよい。出力デバイスは、例えば、ディスプレイおよび/またはスピーカーであってよい。学習支援サーバ10と同様の構成についてはその説明を省略する。
【0060】
ディスプレイは、画面を発光させて画像を映し出す表示装置である。ディスプレイは例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどである。
【0061】
タッチパネルは、ディスプレイに積層され、操作位置に応じた信号をプロセッサ10aに対して出力する。タッチパネルは、たとえば抵抗膜方式や静電容量方式、音響パルス認識方式、超音波表面弾性波方式、赤外遮光方式、画像認識方式など公知の各種の方式のものを用いることができる。
【0062】
マイクは、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。
【0063】
スピーカーは、例えば、音読メニューの実行時にデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいて、スピーカーコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。
【0064】
カメラは、タッチパネルの操作によって撮像対象を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データは、メモリ10bなどに記憶される。
【0065】
以下、図6を参照して学習用端末20の構成について説明する。図6は、学習用端末20の構成の一例を示す構成図である。図6に示すように、学習用端末20は、例えば、通信部21、記憶部22、問題表示部23、解答入力受付部24、解答表示部25を備える。
【0066】
通信部21は、学習支援サーバ10から各種情報を受信して取得する。また、通信部21は、後述する解答情報、解答時間などを学習支援サーバ10に送信する。
【0067】
記憶部22は、通信部21を介して学習支援サーバ10から取得した各種情報を記憶する。
【0068】
すなわち、学習用端末20においては、学習支援サーバ10から学習者の学習に関する各種情報を取得して、該各種情報を記憶部22に記憶し、各部での処理に利用する。なお、学習用端末20は、学習支援サーバ10から該各種情報を取得せずに、予め該各種情報を記憶していてもよい。以下説明を省略するが、学習用端末20は、例えば、所定の期間ごとに学習支援サーバ10から各種情報をダウンロードして、ダウンロードした各種情報を記憶部22から適宜取得して利用するものとしてよい。
【0069】
問題表示部23は、記憶部22などに記憶された問題情報に基づいて、ディスプレイに問題を表示する。
【0070】
解答入力受付部24は、学習者によって入力された解答を受け付ける。解答入力受付部24は、例えば、学習者がディスプレイのタッチパネルに接触して解答を記入し、プロセッサが当該解答を標準文字に変換する。これにより、解答をディスプレイに表示することができる。また、解答入力受付部24は、問題ごとに、解答するのにどれくらいの時間がかかったかを計測してもよい。
【0071】
解答表示部25は、学習者によって入力された解答をディスプレイに表示する。解答表示部25は、所定の領域に学習者の手書き入力をプロセッサが解析して標準文字に変換し、当該標準文字を表示する。これにより、学習者に対して手書き学習を提供できるため、学習者の学習効率を向上できる。
【0072】
<画面例>
図7は、学習用端末20のユーザインタフェースにより表示される画面の一例を示す図である。図7に示す例では、学習用端末20の表示画面には、学習支援サーバ10により選定された一以上の問題が受信された際の画面が表示される。画面上部左の「志望大別パック」が、上述した各処理により実現される機能であり、この「志望大別パック」が学習者により選択されることで、志望校、自身の問題の解答傾向、未取組問題に対する解答傾向、他の学習者の学習状況との関係で選定された一以上の問題を解くことが可能になる。
【0073】
また、図7に示す例では、学習者は、選定された複数の問題の中から、5問ずつのグループに分けて問題を解くことができる。学習者が、「高1・8月演習パック」の「次の5問」を選択することで、次に学習者が取り組むべき5つの問題が表示される。この次の5問に含まれる問題は、現在の5問の解答傾向を用いて更新された最新の解答傾向に基づいて、学習支援サーバ10により選定された各問題が表示されてもよい。
【0074】
また、図7に示す例では、学習支援サーバ10により特定された学習者の順位が表示されてもよい。この例では、学習者の順位は、1054人中125位である。母数の人数は、学習者の志望校と同じ学校を志望する他の学習者の総数などである。この順位は、学習支援サーバ10により、所定の学習範囲内で取り組んだ問題の解答傾向、又は未取組問題に対して予測された解答傾向を用いて順位付けされてもよい。これにより、学習者は現在の自身の順位を容易に把握することができる。
【0075】
<処理手順>
次に、図8を用いて学習支援システム1の処理手順の一例について説明する。図8は、学習支援システム1の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0076】
S102において、学習用端末(端末)20の問題表示部23は、学習支援サーバ10により配信される、又は記憶部22に記憶される問題を表示する。
【0077】
S104において、学習用端末20の解答入力受付部24は、画面に表示された問題に対する解答を学習者から受け付ける。例えば、解答入力受付部24は、キーボードやタッチパネル等の入力インターフェースを用いて入力された情報を、解答情報として受け付けて取得する。
【0078】
S106において、学習用端末20の通信部21は、受け付けられた問題の解答情報を学習支援サーバ(サーバ)10に送信する。
【0079】
S108において、学習支援サーバ10の取得部12は、学習用端末20から受信された解答情報を取得する。解答情報は、問題ID、解答の内容、問題の解答時間を含んでもよい。
【0080】
S110において、学習支援サーバ10の解答判定部13は、取得された解答情報に基づいて、解答情報に含まれる解答が正解か否かを判定する。
【0081】
S112において、学習支援サーバ10の傾向特定部14は、解答判定部13の判定結果により示される学習者の第1解答傾向に基づいて、学習者の未取組問題に対する第2解答傾向を特定する。解答傾向は、例えば正答率などである。
【0082】
S114において、学習支援サーバ10の問題選定部15は、特定された第1解答傾向、第2解答傾向、及び学習者が選択した志望校に関連付けられる他の学習者の取組問題に対する第3解答傾向を含む学習履歴に基づき、学習者と他の学習者との解答傾向を含む学習状況の差を埋める一以上の問題を選定する学習済みモデルを用いて、第1解答傾向及び第2解答傾向に基づく一以上の問題を選定する。
【0083】
S116において、学習支援サーバ10の出力部16は、問題選定部15により選定された一以上の問題を学習用端末20に出力する。これにより、学習者の未取組問題に対する解答傾向を用いて、学習者ごとに適切な問題を提供することができる。
【0084】
また、学習支援サーバ10は、上述した各処理を実行することが可能であり、例えば、選定された問題に対して優先順位を付与したり、学習者の所定のグループ内での順位を特定したりして、これらの情報を問題の情報とともに学習用端末20に送信してもよい。
【0085】
以上、本実施形態によれば、学習者の未取組問題に対する解答傾向を用いて、学習者ごとに適切な問題を提供することができる。例えば、学習者の取組済みの問題に対する第1解答傾向と、未取組問題に対する第2解答傾向とを用いて、他の学習者との学習状況の差を埋める一以上の問題を選定することが可能になる。また、一度に複数の問題を選定することも可能になるため、一問ずつ問題を選定するよりも処理負荷を軽減することができる。学習者にとっては、選定された複数の問題を解き、理解することで、他の学習者と比較して苦手な分野の問題を優先的に解くことが可能になる。
【0086】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の実施形態でも実施することが可能である。
【0087】
例えば、変形例として、学習支援サーバ10の一部の処理又は機能を、他のサーバで処理させるようにしてもよい。例えば、傾向特定部14、問題選定部15は、他のサーバに構成されるようにしてもよい。この場合、学習支援サーバ10の傾向特定部14は、解答傾向を特定するために必要な情報を他のサーバに送信し、特定された解答傾向を取得してもよい。また、問題選定部15は、問題を選定するために必要な情報を他のサーバに送信し、選定された一以上の問題を取得してもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…学習支援システム、10…学習支援サーバ、11…記憶部、12…取得部、13…解答判定部、14…傾向特定部、15…問題選定部、16…出力部、17…順位特定部、20…学習用端末、21…通信部、22…記憶部、23…問題表示部、24…解答入力受付部、25…解答表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8