(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022032345
(43)【公開日】2022-02-25
(54)【発明の名称】報知システム、報知システムの制御方法、及び報知プログラム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20220217BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20220217BHJP
A61M 5/172 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
A61M5/142 530
A61B6/00 331B
A61M5/172 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020136005
(22)【出願日】2020-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】391039313
【氏名又は名称】株式会社根本杏林堂
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 誠
(72)【発明者】
【氏名】田野 敦久
(72)【発明者】
【氏名】根本 茂
【テーマコード(参考)】
4C066
4C093
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC03
4C066DD12
4C066QQ24
4C066QQ62
4C066QQ92
4C093AA24
4C093CA16
4C093EE20
(57)【要約】
【課題】被写体の心拍数が所定値以上に変動した場合に、当初設定されていた注入プロトコルの修正をオペレータへ促す。
【解決手段】報知システム120は、基準心拍数と、測定して得られた被写体の測定心拍数とを取得する心拍数取得部11と、基準心拍数と測定心拍数とを比較して、測定心拍数が基準心拍数に対して所定値以上に変動したか否かを判定する判定部12と、測定心拍数が所定値以上に変動したと判定された場合に報知を行う報知部10とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準心拍数と、測定して得られた被写体の測定心拍数とを取得する心拍数取得部と、
前記基準心拍数と前記測定心拍数とを比較して、前記測定心拍数が前記基準心拍数に対して所定値以上に変動したか否かを判定する判定部と、
前記測定心拍数が前記所定値以上に変動したと判定された場合に報知を行う報知部とを備える、報知システム。
【請求項2】
前記測定心拍数が前記所定値以上に変動したと判定された場合に、薬液の当初注入プロトコルを修正して修正注入プロトコルを生成するプロトコル生成部を備え、
前記報知部は、前記修正注入プロトコルを表示部に表示させることにより前記報知を行う、請求項1に記載の報知システム。
【請求項3】
前記当初注入プロトコルを取得するプロトコル取得部と、
前記薬液の薬液情報を取得する薬液情報取得部と、
前記被写体の被写体情報を取得する被写体情報取得部と、
目標画素値を取得する目標値取得部と、
前記被写体の組織における予測画素値の経時変化をシミュレーションする予測部とをさらに備える、請求項2に記載の報知システム。
【請求項4】
前記予測部は、前記当初注入プロトコルと、前記薬液情報と、前記被写体情報と、前記基準心拍数とに基づいて当初シミュレーション結果を作成するとともに、前記修正注入プロトコルと、前記薬液情報と、前記被写体情報と、前記測定心拍数とに基づく修正シミュレーション結果を作成する、請求項3に記載の報知システム。
【請求項5】
前記プロトコル生成部は、前記当初シミュレーション結果から前記予測画素値が前記目標画素値に到達する当初タイミングを取得するとともに、前記当初タイミングから所定範囲内に含まれるタイミングで前記予測画素値が前記目標画素値に到達するように、前記修正注入プロトコルを生成する、請求項4に記載の報知システム。
【請求項6】
前記当初タイミングは、前記予測画素値が最初に前記目標画素値に到達する第1タイミングと、前記第1タイミングの後に前記予測画素値が前記目標画素値に到達する第2タイミングとを含む、請求項5に記載の報知システム。
【請求項7】
前記プロトコル生成部は、前記当初シミュレーション結果から前記予測画素値がピーク値に到達するピークタイミングを取得するとともに、前記ピークタイミングから所定範囲内に含まれるタイミングで前記予測画素値がピーク値に到達するように、前記修正注入プロトコルを生成する、請求項4に記載の報知システム。
【請求項8】
前記予測部は、前記修正注入プロトコルと、前記薬液情報と、前記被写体情報と、前記測定心拍数とに基づく修正シミュレーション結果を作成し、
前記プロトコル生成部は、所定のタイミングを取得するとともに、前記所定のタイミングから所定範囲内に含まれるタイミングで前記予測画素値がピーク値に到達するように、前記修正注入プロトコルを生成する、請求項3に記載の報知システム。
【請求項9】
目標画素値を取得する目標値取得部と、
被写体の組織における予測画素値の経時変化をシミュレーションする予測部とをさらに備え、
前記報知部は、前記予測画素値が最初に前記目標画素値に到達する第1タイミングと、前記第1タイミングの後に前記予測画素値が前記目標画素値に到達する第2タイミングと、前記予測画素値がピーク値に到達するピークタイミングとの少なくとも一つのタイミングを表示部に表示させ、
前記測定心拍数が前記所定値以上に変動したと判定された場合に、前記少なくとも一つのタイミングの表示態様を変化させる、請求項1に記載の報知システム。
【請求項10】
コンピューターを備える報知システムの制御方法であって、前記コンピューターは、
基準心拍数と、測定して得られた被写体の測定心拍数とを取得し、
前記基準心拍数と前記測定心拍数とを比較して、前記測定心拍数が前記基準心拍数に対して所定値以上に変動したか否かを判定し、
前記測定心拍数が前記所定値以上に変動したと判定した場合に報知を行う、制御方法。
【請求項11】
コンピューターを、
基準心拍数と、測定して得られた被写体の測定心拍数とを取得する心拍数取得部と、
前記基準心拍数と前記測定心拍数とを比較して、前記測定心拍数が前記基準心拍数に対して所定値以上に変動したか否かを判定する判定部と、
前記測定心拍数が前記所定値以上に変動したと判定された場合に報知を行う報知部として機能させる、報知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心拍数が変動した場合に報知を行う報知システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、患者の心拍数が所定閾値レベルより下か又はそれに等しければ造影剤の初期体積を減少し、患者の心拍数が当該所定閾値レベルより上であれば造影剤の初期体積を増加する構成が開示されている。また、特許文献1には、患者の心拍数が所定閾値レベルより下であれば造影剤の初期体積を減少し、患者の心拍数が所定閾値レベルより上か又はそれに等しければ造影剤の初期体積を増加する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被験者である被写体の心拍数は、検査に対する恐怖心又は緊張等によって変動することがある。また、頻脈又は徐脈等の不整脈が被写体に発生した場合にも心拍数が変動してしまう。そして、心拍数の変動によって、撮像対象の組織に造影剤が到達するタイミングがずれるため、撮像対象の組織において目標画素値に到達するタイミングもずれてしまう。そのため、心拍が大きく変動すると、撮像タイミングを調整する必要があり、オペレータの作業負担が増加してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一例としての報知システムは、基準心拍数と、測定して得られた被写体の測定心拍数とを取得する心拍数取得部と、前記基準心拍数と前記測定心拍数とを比較して、前記測定心拍数が前記基準心拍数に対して所定値以上に変動したか否かを判定する判定部と、前記測定心拍数が前記所定値以上に変動したと判定された場合に報知を行う報知部とを備える。
【0006】
また、本発明の他の例としての制御方法は、コンピューターを備える報知システムの制御方法であって、前記コンピューターは、基準心拍数と、測定して得られた被写体の測定心拍数とを取得し、前記基準心拍数と前記測定心拍数とを比較して、前記測定心拍数が前記基準心拍数に対して所定値以上に変動したか否かを判定し、前記測定心拍数が前記所定値以上に変動したと判定した場合に報知を行う。
【0007】
また、本発明の他の例としての報知プログラムは、コンピューターを、基準心拍数と、測定して得られた被写体の測定心拍数とを取得する心拍数取得部と、前記基準心拍数と前記測定心拍数とを比較して、前記測定心拍数が前記基準心拍数に対して所定値以上に変動したか否かを判定する判定部と、前記測定心拍数が前記所定値以上に変動したと判定された場合に報知を行う報知部として機能させる
【0008】
これにより、被写体の心拍数が所定値以上に変動した場合に、当初設定されていた注入プロトコルの修正をオペレータへ促すことができる。
【0009】
本発明のさらなる特徴は、添付図面を参照して例示的に示した以下の実施例の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】当初の時間濃度曲線の一例を示すグラフである。
【
図4】修正後の時間濃度曲線の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態で説明する寸法、材料、形状、構成要素の相対的な位置は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されるものではない。
【0012】
特に言及した場合を除き、造影剤という用語は、造影剤単体と、造影剤に加えて他の溶媒及び添加物を含む薬液との両方を含む。また、以下では、特に言及した場合を除き、画素値という用語は、造影される撮像部位における、CT値、関心領域(ROI)に含まれる画素のCT値の和若しくは平均値、又は関心領域のSD値(標準偏差値)を含む。さらに、画素値は、これらの値から造影されていない撮像部位における値(例えば、単純CTにおける撮像部位のCT値)を減算して得られた値を含む。関心領域は予め設定されているか、又はオペレータが関心領域を選択できる。
【0013】
[第1実施形態]
概略図である
図1を参照して、注入システム120及び撮像システム130について説明する。注入システム120及び撮像システム130の少なくとも一方は、被写体の組織における画素値の経時変化を予測する予測部S(
図2)を有しており、シミュレータとしても機能する。また、注入システム120及び撮像システム130の少なくとも一方は、後述する報知システムとしても機能する。
【0014】
図1に示すように、注入システム120は、設定された注入プロトコルに従って造影剤を注入する注入装置の一例である注入ヘッド20を備えている。また、注入システム120は、表示部の一例であるタッチパネル26を備えている。そして、注入ヘッド20は、シリンジに充填された薬液、例えば、生理食塩水及び各種造影剤を被写体に注入する。また、注入システム120は、注入ヘッド20を保持するスタンド22と、注入ヘッド20に有線又は無線接続されたコンソール23とを備えている。
【0015】
コンソール23は、注入ヘッド20を制御する制御装置として機能する。また、コンソール23は、表示部及び入力部として機能するタッチパネル26を備え、注入ヘッド20及び撮像装置30と有線又は無線で通信できる。このタッチパネル26は、注入プロトコル、装置の入力状態、設定状態、注入結果、及び各種情報等を表示できる。また、オペレータは、タッチパネル26によって、薬液情報、注入プロトコル、組織情報、被写体情報及び目標値等を入力できる。一例として、目標値は、撮像部位を撮像する際に望まれる目標画素値、及び目標画素値を維持する維持時間である目標維持時間等である。代替的に、注入システム120は、タッチパネル26に代えて、表示部としてのディスプレイと、入力装置としてのテンキー又はキーボード等とを備えていてもよい。
【0016】
さらに、注入システム120は、コンソール23に代えて、注入ヘッド20に接続された制御装置と、該制御装置に接続され且つ薬液の注入状況が表示される制御装置とは別体の表示部(例えば、タブレット端末又はタッチパネルディスプレイ)とを有していてもよい。この場合、当該制御装置が、注入ヘッド20の制御部25(
図2)を備えている。また、注入ヘッド20、及び注入ヘッド20の制御装置は、スタンド22と一体的に構成することもできる。さらに、スタンド22に代えて天吊部材を設け、該天吊部材を介して天井から注入ヘッド20を天吊することもできる。
【0017】
注入ヘッド20は、注入ヘッド20を遠隔操作する遠隔操作装置(例えば、ハンドスイッチ又はフットスイッチ)を有していてもよい。この遠隔操作装置は、注入ヘッド20を遠隔操作して注入を開始又は停止できる。さらに、注入ヘッド20は、電源又はバッテリーを有していてもよい。この電源又はバッテリーは、注入ヘッド20、又は注入ヘッド20の制御装置のいずれかに設けることができ、これらとは別に設けることもできる。
【0018】
また、注入ヘッド20は、薬液が充填されたシリンジが搭載されるシリンジ保持部と、注入プロトコルに従ってシリンジ内の薬液を押し出す駆動機構(不図示)とを備えている。さらに、注入ヘッド20は、駆動機構の動作を入力するための操作部28を有している。操作部28には、例えば駆動機構の前進ボタン、駆動機構の後進ボタン、注入の開始ボタン、及びエアチェックの確認ボタン等が設けられている。さらに、注入ヘッド20は、注入条件、注入状況、装置の入力状態、設定状態、及び各種注入結果が表示されるヘッドディスプレイを備えていてもよい。例えば、ヘッドディスプレイは、注入ヘッド20の側方に設置されるか、又は注入ヘッド20に内蔵される。さらに、ヘッドディスプレイは、オペレータが操作可能なタッチパネル式のディスプレイであってもよい。この場合、オペレータは、ヘッドディスプレイに表示された画面から各種情報を入力できる。さらに、注入ヘッド20を遠隔操作できるような装置(例えばタブレット端末)を病院内外に設けてもよい。
【0019】
造影剤が注入される際には、注入ヘッド20に搭載されたシリンジの先端部に延長チューブ等の付属品が接続される。そして、注入準備が完了すると、オペレータが操作部28の確認ボタンを押す。代替的に、オペレータは、タッチパネル26に表示された確認ボタンをタッチ操作してもよい。これにより、注入ヘッド20は、注入を開始できる状態で待機する。注入を開始すると、シリンジから押し出された造影剤は、延長チューブを介して被写体の体内へ注入される。
【0020】
また、注入ヘッド20のシリンジ保持部には、RFIDチップ、ICタグ、又はバーコード等のデータキャリアを有するプレフィルドシリンジ、及び種々のシリンジを搭載できる。そのため、注入ヘッド20は、シリンジに取り付けられたデータキャリアの読み取りを行う読取部を備えている。データキャリアには、薬液に関する薬液情報が記憶されている。さらに、注入ヘッド20は、3つ以上のシリンジ保持部を有していてもよく、又は1つのみのシリンジ保持部を有していてもよい。
【0021】
注入ヘッド20は、不図示のサーバー(外部記憶装置)から情報を受信することができ、サーバーへ情報を送信することもできる。また、撮像システム130の撮像装置30も、サーバーから情報を受信することができ、サーバーへ情報を送信することもできる。当該サーバーは、例えば、RIS(Radiology Information System)、PACS(Picture Archiving and Communication System)、又はHIS(Hospital Information System)である。
【0022】
サーバーには、予め検査オーダーが記憶されていてもよい。当該検査オーダーは、被写体に関する被写体情報と、検査内容に関する検査情報とを含んでいる。また、サーバーは、撮像装置30から送信された画像のデータ等の撮像結果に関する情報と、注入ヘッド20から送信された注入結果に関する情報を記憶できる。なお、注入ヘッド20及び撮像装置30を操作するために、外部の検像システム又は画像作成用ワークステーションを用いることもできる。
【0023】
注入システム120は、被写体の心拍数を測定する測定装置29をさらに備えている。一例として、測定装置29は、コンソール23に有線接続又は無線接続されている。代替的に、測定装置29は、注入ヘッド20に接続されていてもよい。この場合、測定装置29が測定した心拍数は、注入ヘッド20がコンソール23に送信する。測定装置29は、一例として、パルスオキシメータである。パルスオキシメータは、被写体の体の一部(例えば、指先又は耳たぶ)を挟むプローブユニットを有している。
【0024】
代替的に、測定装置29は、心拍出量計、患者の心電図情報を取得する心電計であってもよい。これにより、より正確な心拍数を取得して判定精度を向上させることができる。さらに、測定装置29は、圧電素子(例えば、ピエゾ素子)を被写体の体の一部に取り付けて心拍数を取得するパルスオキシメータであってもよい。当該圧電素子は、直接的に被写体の血管の血管壁の振動を検出する。なお、測定装置29は、測定した心拍数を注入システム120以外に送信してもよい。例えば、測定装置29は、測定した心拍数を撮像システム130へ送信してもよい。
【0025】
撮像システム130は、注入ヘッド20に有線又は無線で接続され且つ被写体を撮像する医療用の撮像装置30を備えている。当該撮像装置30としては、例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、CT(Computed Tomography)装置、アンギオ撮像装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、CTアンギオ装置、MRアンギオ装置、超音波診断装置、及び血管撮像装置等の各種医療用の撮像装置がある。以下では、撮像システム130がCT装置を備える例について説明する。
【0026】
撮像装置30は、撮像プランに従って被写体を撮像する撮像部31と、撮像装置30の全体を制御する制御装置32を有している。当該撮像プランには、例えば、撮像部位、実効管電圧、機種名、メーカー名、撮像時間、管電圧、撮像範囲、回転速度、ヘリカルピッチ、曝射時間、線量、及び撮像方法等が含まれている。そして、制御装置32は、撮像プランに従うように撮像部31を制御して被写体を撮像する。さらに、制御装置32は、画素値の経時変化を予測するシミュレータとしても機能してもよい。また、制御装置32は、サーバー等の外部記憶装置、撮像部31、及び注入ヘッド20と有線又は無線によって通信できる。
【0027】
撮像部31は、寝台と、被写体にX線を照射するX線源と、被写体を透過したX線を検出するX線検出器とを有している。また、撮像部31は、被写体にX線を曝射し、被写体を透過したX線に基づいて被写体の体内を逆投影することで、被写体の透視画像を撮像する。
【0028】
撮像装置30はディスプレイ33を有しており。当該ディスプレイ33は、制御装置32に接続されている。また、ディスプレイ33は、装置の入力状態、設定状態、撮像結果、及び各種情報を表示する。代替的に、制御装置32とディスプレイ33とは、一体的に構成することもできる。さらに、撮像装置30は、入力部として機能するキーボード等のインタフェース34を有している。オペレータは、薬液情報、注入プロトコル、組織情報、被写体情報及び目標値等を、インタフェース34から撮像装置30に入力できる。
【0029】
[報知システム]
注入システム120及び撮像システム130の少なくとも一方は、報知システムとしても機能する。以下では、
図2を参照して、注入システム120が報知システムとして機能する例について説明する。
【0030】
注入システム120のコンソール23は、CPU等からなるコンピューターとしての制御部25と、報知プログラムPG1を記憶している記憶部24とを備えている。当該制御部25は、記憶部24に記憶されたプログラムに従ってコンソール23の各部を制御している。また、制御部25は、予測部S、報知部10、心拍数取得部11、判定部12、プロトコル生成部13、プロトコル取得部14、薬液情報取得部15、被写体情報取得部16、目標値取得部17、組織情報取得部18、及び表示制御部19を有している。そして、コンソール23は、被写体の組織における画素値の経時変化を予測するシミュレータ(灌流シミュレータ)としても機能する。
【0031】
記憶部24に実装された報知プログラムPG1に対応して制御部25が各種処理を実行することにより、各部が各種機能として論理的に実現される。代替的に、これらの各機能部の少なくとも一部は外部に設けられていてもよい。例えば、制御部25は、外部装置の心拍数取得部11から被写体の心拍数を取得してもよい。この場合、コンソール23は、外部装置と協働して報知システムとして機能する。なお、予測部Sがコンソール23の外部に設けられている場合、制御部25が、外部の予測部Sからシミュレーション結果を受け取る。
【0032】
記憶部24は、コンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体である。そして、記憶部24は、制御部25が動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、プログラム若しくはシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、又はSDD(Solid State Drive)を有している。また、記憶部24は、測定心拍数が所定値以上に変動したと判定された場合に報知を行う報知プログラムPG1を記憶している。
【0033】
報知プログラムPG1は、制御部25を、予測部S、報知部10、心拍数取得部11、判定部12、プロトコル生成部13、プロトコル取得部14、薬液情報取得部15、被写体情報取得部16、目標値取得部17、組織情報取得部18、及び表示制御部19として機能させる。また、報知プログラムPG1は、被写体の組織における画素値の経時変化を制御部25に予測させるシミュレーションプログラムとしても機能する。代替的に、制御部25は、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード等の可搬記録媒体、又はインターネット若しくはLANに接続されたサーバー等の外部記憶媒体に記憶された報知プログラムPG1に従って、各種処理を制御することもできる。
【0034】
制御部25の報知部10は、測定心拍数が所定値以上に変動したと判定部12が判定した場合に報知を行う。一例として、報知部10は、プロトコル生成部13が修正注入プロトコルを生成すると、当該修正注入プロトコルをタッチパネル26に表示させる。これにより、報知部10は、心拍数の変動が生じたことをオペレータへ報知する。ただし、報知部10は、注入プロトコルの修正前に変動を報知してもよい。修正前の報知の一例として、報知部10は、タッチパネル26に変動を示す画像及び文字列(例えば、「変動しました」の文字列)の少なくとも一方を表示させる。または、報知部10は、変動を示す音又は音声等をスピーカに発させるか、又は変動を示す光をタッチパネル26又は発光部に発させる。当該発光部は、コンソール23又は注入ヘッド20に設けることができる。さらに、報知部10は、心拍数の変動によって撮像タイミングの変更を要すること(例えば、タイミングを1秒早くすること、又は1秒遅くすること)を報知してもよい。
【0035】
また、報知部10は、記憶部24から修正注入プロトコルを読み出し、薬液毎の注入速度と注入量とを修正注入プロトコルとしてタッチパネル26に表示させてもよい。さらに、報知部10は、注入速度と注入量を数字で表示してもよく、画像又はグラフ等の態様で表示してもよい。なお、報知部10は、注入速度と注入量とをタッチパネル26に同時に表示させてもよく。別々に表示させてもよい。
【0036】
制御部25の心拍数取得部11は、判定部12の判定に用いられる基準心拍数と、測定して得られた被写体の測定心拍数とを取得する。一例として、基準心拍数は、安静時の人間の標準的な心拍数(beats per minute)であって、記憶部24に記憶されている。また、基準心拍数は、安静時に測定された被写体の心拍数であってもよい。そして、心拍数取得部11は、記憶部24から基準心拍数を取得する。代替的に、心拍数取得部11は、サーバー等の外部記憶装置から基準心拍数を取得してもよい。
【0037】
また、心拍数取得部11は、測定装置29から被写体の測定心拍数を取得する。一例として、測定心拍数は、注入開始までの任意のタイミングで測定される。代替的に、測定心拍数は、エアチェック又は注入準備の完了から注入開始までに測定した心拍数の平均値であってもよい。エアチェックとは、注入システム120のシリンジ及びチューブ等の内部に気泡が存在しないことを確認する処理である。一例としてエアチェックは、タッチパネル26に表示されたエアチェックボタン、又は注入ヘッド20のエアチェックボタンを操作することによって完了する。心拍数取得部11は、当該操作を検出すると測定装置29から被写体の測定心拍数を取得し始める。また、注入準備は、タッチパネル26に表示された準備完了ボタン、又は注入ヘッド20の準備完了ボタンを操作することによって完了する。なお、心拍数取得部11は、注入開始後も測定心拍数の取得を継続してもよい。
【0038】
制御部25の判定部12は、心拍数取得部11から基準心拍数と測定心拍数とを取得して、両者を比較する。そして、判定部12は、測定心拍数が基準心拍数に対して所定値以上に変動したか否かを判定する。一例として、所定値は、10bpm又は基準心拍数の10~20%に対応する値である。例えば、基準心拍数が70bpmであるとき、測定心拍数が60bpm又は80bpmに達すると、判定部12は、所定値以上に変動したと判定する。
【0039】
制御部25のプロトコル生成部13は、薬液の薬液情報、及び被写体の被写体情報等に基づいて、当初注入プロトコルを生成して記憶部24に記憶させる。さらに、プロトコル生成部13は、被写体情報等に加えて、目標値及び検査情報等を考慮して、当初注入プロトコルを生成してもよい。また、プロトコル生成部13は、測定心拍数が所定値以上に変動したと判定部12が判定した場合に、薬液の当初注入プロトコルを修正して修正注入プロトコルを生成する。そして、プロトコル生成部13は、生成した修正注入プロトコルを記憶部24に記憶させる。当初注入プロトコル及び修正注入プロトコルは、一例として、各薬液の注入時間及び注入速度を含んでいる。さらに、当初注入プロトコル及び修正注入プロトコルは、注入方法、造影剤注入箇所、注入量、混和注入比率、注入タイミング、造影剤濃度、注入圧力、及び注入速度の加速度を含んでいてもよい。
【0040】
また、当初注入プロトコル及び修正注入プロトコルは、生理食塩水による造影剤の後押し注入の有無、注入速度の増減、クロス注入の有無、リンク速度設定の有無、及び注入用チューブの体積等の情報を含んでいてもよい。クロス注入とは、注入開始から設定された時間が経過するまで、生理食塩水の注入速度より高速で造影剤を注入した後、注入速度が徐々に減少するように造影剤を注入すると同時に、注入速度が徐々に増加するように生理食塩水を注入する注入方法である。また、リンク速度設定とは、造影剤と生理食塩水の注入速度が同一になるように、両者の注入速度をリンクさせる設定である。
【0041】
プロトコル生成部13は、予測部Sによる当初シミュレーション結果から予測画素値が目標画素値に到達する当初タイミングを取得してもよい。この場合、プロトコル生成部13は、当初タイミングから所定範囲内に含まれるタイミングで予測画素値が目標画素値に到達するように、修正注入プロトコルを生成する。例えば、プロトコル生成部13は、予測部Sによる修正シミュレーション結果において、当初タイミングから所定範囲内に含まれるタイミングで予測画素値が目標画素値に到達したと判断すると、当該修正シミュレーション結果の作成に用いられた注入プロトコルを、修正注入プロトコルとして生成する。ここで、当初タイミングは、予測画素値が最初に目標画素値に到達する第1タイミングと、第1タイミングの後に低下した予測画素値が再び目標画素値に到達する第2タイミングとを含む。
【0042】
具体的に、
図3及び
図4を参照して、修正注入プロトコルの生成について説明する。
図3は、当初注入プロトコルに従って薬液を注入した場合の当初シミュレーション結果を示す時間造影効果曲線(以下、TECともいう)である。また、
図4は、修正注入プロトコルに従って薬液を注入した場合の修正シミュレーション結果を示す時間造影効果曲線である。
図3の当初注入プロトコルにおいては、注入速度が4.0mL/secであり、注入量が60mLである。そして、被写体情報として、身長165cm、体重60kg、性別男、及び年齢30歳が用いられており、撮像部位は上行大動脈である。また、曲線A1は心拍数が70bpmのときのTECであり、曲線B1は心拍数が60bpmのときのTECであり、曲線C1は心拍数が80bpmのときのTECである。代替的に、当初シミュレーション結果は、注入開始からの経過時間毎の予測画素値を示す表であってもよい。
【0043】
また、曲線A1において、予測画素値が最初に目標画素値400HUに到達する第1タイミングT1は、注入開始から略17sec経過した時である。また、第1タイミングT1の後にピーク値から減少する予測画素値が目標画素値400HUに到達する第2タイミングT2は、注入開始から略24.5sec経過した時である。そして、曲線A1において、予測画素値がピーク値に到達するピークタイミングは、注入開始から略21.5sec経過した時である。
図3に示すように、当初シミュレーション結果においては、被写体の心拍数が変動すると、第1タイミングと第2タイミングのそれぞれが変化してしまう。具体的に、心拍数が60bpmのときの曲線B1において、第1タイミングは注入開始から略16.5sec経過した時であり、第2タイミングは注入開始から略26.5sec経過した時である。また、心拍数が80bpmのときの曲線C1において、第1タイミングは注入開始から略18.5sec経過した時であり、第2タイミングは注入開始から略23sec経過した時である。
【0044】
撮像においては、第1タイミングから第2タイミングまでの範囲の任意のタイミングが、撮像タイミングとして設定される。一例として、当該範囲の中央のタイミングが、撮像タイミングとして設定される。そのため、第1タイミング又は第2タイミングが変化してしまうと、撮像タイミングを修正することになり、オペレータの作業負荷が高まってしまう。また、撮像タイミングを修正しない場合には、所望の目標画素値を得ることができないタイミングで撮像されてしまう可能性がある。
【0045】
そこで、プロトコル生成部13は、当初シミュレーション結果から予測画素値が目標画素値に到達する当初タイミングを取得するとともに、当初タイミングから所定範囲内に含まれるタイミングで予測画素値が目標画素値に到達するように、修正注入プロトコルを生成する。一例として、所定範囲は、第1タイミングと第2タイミングのそれぞれの前後1sec、より望ましくは0.5secである。なお、第1タイミングに対する所定範囲と第2タイミングに対する所定範囲とが異なっていてもよい。例えば、第1タイミングに対する所定範囲を、第1タイミングの前0.5secとし且つ第1タイミングの後1secとして、第2タイミングに対する所定範囲を、第2タイミングの前0.5secとし且つ第2タイミングの後1secとしてもよい。
【0046】
これにより、修正注入プロトコルを設定すれば、心拍数が変動しても撮像タイミングを修正する必要がない。具体的に、
図4においては、心拍数が60bpmのときの曲線B2及び心拍数が80bpmのときの曲線C2において、第1タイミング及び第2タイミングのそれぞれが、心拍数が70bpmのときの曲線A1における第1タイミングT1及び第2タイミングT2と略一致している。なお、心拍数が80bpmのときの修正注入プロトコルは、注入速度が4.3mL/secであり、注入量が66mLである。また、心拍数が60bpmのときの修正注入プロトコルは、注入速度が4.1mL/secであり、注入量が52mLである。
【0047】
代替的に、予測画素値がピーク値に到達するピークタイミングが、撮像タイミングとして設定されてもよい。この場合、プロトコル生成部13は、当初シミュレーション結果から予測画素値がピーク値に到達するピークタイミングを取得する。そして、プロトコル生成部13は、ピークタイミングから所定範囲内に含まれるタイミングで予測画素値がピーク値に到達するように、修正注入プロトコルを生成する。例えば、プロトコル生成部13は、予測部Sによる修正シミュレーション結果において、当初シミュレーション結果のピークタイミングから所定範囲内に含まれるタイミングで予測画素値がピーク値に到達したと判断すると、当該修正シミュレーション結果の作成に用いられた注入プロトコルを、修正注入プロトコルとして生成する。一例として、所定範囲は、ピークタイミングの前後0.5secである。さらに、プロトコル生成部13は、予測画素値のピーク値が当初シミュレーション結果のピーク値から所定範囲内に含まれるように、修正注入プロトコルを生成してもよい。一例として、所定範囲は、ピーク値の上下50HUの範囲、又はピーク値に対して上下10%の範囲である。
【0048】
さらに、プロトコル生成部13は、所定のタイミングを取得するとともに、当該タイミングから所定範囲内に含まれるタイミングで予測画素値がピーク値に到達するように、修正注入プロトコルを生成してもよい。例えば、プロトコル生成部13は、予測部Sによる修正シミュレーション結果において、所定のタイミングから所定範囲内に含まれるタイミングで予測画素値がピーク値に到達したと判断すると、当該修正シミュレーション結果の作成に用いられた注入プロトコルを、修正注入プロトコルとして生成する。一例として、プロトコル生成部13は、オペレータがタッチパネル26を介して入力した撮像タイミング、又は撮像プランに含まれる撮像タイミングを、所定タイミングとして取得する。代替的に、プロトコル生成部13は、記憶部24、又はサーバー等の外部記憶装置から、所定タイミングとして撮像タイミングを取得してもよい。一例として、所定範囲はピークタイミングの前後0.5secである。
【0049】
なお、プロトコル生成部13は、標準的な被写体情報(例えば、体重)に対応して作成されている当初注入プロトコルを、記憶部24から読み出すことによって当初注入プロトコルを生成してもよい。代替的に、予め医療従事者が当初注入プロトコルを作成している場合、プロトコル生成部13は、当該当初注入プロトコルを読み出すことによって、当初注入プロトコルを生成してもよい。また、プロトコル生成部13は、複数の修正注入プロトコルを生成してもよい。
【0050】
制御部25のプロトコル取得部14は、プロトコル生成部13が生成した当初注入プロトコルを記憶部24から取得する。また、プロトコル取得部14は、タッチパネル26を介してオペレータが入力した当初注入プロトコルを取得してもよい。代替的に、プロトコル取得部14は、記憶部24、外部記憶装置又は注入ヘッド20から注入プロトコルを取得してもよい。例えば、プロトコル取得部14は、予め医療従事者が作成した当初注入プロトコルを記憶部24又はサーバー等の外部記憶装置から取得してもよい。
【0051】
制御部25の薬液情報取得部15は、薬液(例えば、造影剤及び生理食塩水)の薬液情報を取得する。また、薬液情報取得部15は、タッチパネル26を介してオペレータが入力した薬液情報を取得できる。薬液情報は、例えば、ヨード量、粘稠度、浸透圧比、造影剤量、生理食塩水量、製品ID、製品名称、化学分類、含有成分、濃度、消費期限、シリンジ容量、シリンジ耐圧、シリンダ内径、ピストンストローク、及びロット番号等を含んでいる。代替的に、薬液情報取得部15は、記憶部24、外部記憶装置又は注入ヘッド20から薬液情報を取得してもよい。さらに、薬液情報取得部15は、注入ヘッド20に内蔵された読取部から薬液情報を取得してもよい。当該読取部は、注入ヘッド20に搭載されるシリンジに取り付けられたデータキャリアから薬液情報を読み取る。
【0052】
制御部25の被写体情報取得部16は、被写体の被写体情報を取得する。被写体情報は、例えば、ヘモグロビン量、体重、身長、体表面積、心機能、基準心拍数、一回拍出量、心拍出量、推定糸球体濾過量(eGFR)、クレアチニン値、年齢、性別、除脂肪体重、ボディマス指数、循環血液量、被験者番号(被験者ID)、被験者の疾病並びに副作用の履歴、被験者氏名、生年月日、血液量、及び血流速度等を含んでいる。
【0053】
また、被写体情報取得部16は、一例として、タッチパネル26を介して、オペレータが入力した被写体情報を取得する。さらに、被写体情報取得部16は、記憶部24又は外部記憶装置から被写体情報を取得してもよい。このような外部記憶装置としては、例えば、RIS、PACS、HIS、検像システム、及び画像作成用ワークステーションがある。さらに、被写体情報取得部16は、
図1に示す撮像装置30又は注入ヘッド20から被写体情報を取得してもよい。
【0054】
制御部25の目標値取得部17は、目標値の一例として目標画素値を取得する。さらに、目標値取得部17は、目標画素値を維持する目標維持時間を取得してもよい。例えば、目標値取得部17は、タッチパネル26を介してオペレータが入力した目標画素値又は目標維持時間を取得する。代替的に、目標値取得部17は、記憶部24、外部記憶装置又は注入ヘッド20から、予め記憶された目標値を取得してもよい。例えば、目標値取得部17は、先の撮像時の撮像結果を示すTEC又は先の撮像時の当初シミュレーション結果における目標画素値又は目標維持時間を取得してもよい。
【0055】
制御部25の組織情報取得部18は、被写体の組織情報を取得する。組織情報は、例えば、組織におけるコンパートメント数(例えば、血管及び臓器の分割コンパートメント数)、組織の体積(例えば、血管腔の体積)、毛細血管の体積、細胞外液腔の体積、単位組織あたりの血流量(例えば、血流速度)、組織における造影剤の染み出し速度(例えば、毛細血管透過性表面積)、組織における造影剤の染み戻り速度(例えば、毛細血管透過性表面積)、及び組織生来の画素値等を含んでいる。
【0056】
また、組織情報取得部18は、タッチパネル26又はインタフェース34を介してオペレータが入力した組織情報を取得してもよい。組織には、心臓(例えば、右心室及び左心室)、血管、腎臓、尿管、その他の臓器、及び筋肉が含まれる。例えば、組織情報取得部18が組織生来の画素値を取得した場合、予測部Sは、各組織の生来の画素値に基づいて造影剤による増強の程度を予測する。また、組織情報取得部18は、記憶部24、外部記憶装置又は注入ヘッド20から組織情報を取得してもよい。
【0057】
制御部25の表示制御部19は、修正注入プロトコルの選択画面を表示部に表示させる。例えば、選択画面において、表示制御部19は、修正注入プロトコルを設定するか否かをオペレータに選択させるボタンを表示させる。
【0058】
制御部25は、さらに検査情報を取得する検査情報取得部(不図示)を備えていてもよい。例えば、検査情報取得部は、検査情報として、検査部位を特定する部位情報を取得する。オペレータは、タッチパネル26又はインタフェース34から、検査情報を入力できる。この検査情報は、一例として撮像する検査部位を特定する部位情報、圧力リミット、単位時間毎の体重当たりヨード量(又は使用ヨード量ともいう)、管電圧(kV)、検査番号(検査ID)、検査日時、薬液種類、薬液名称、及び撮像装置30の特性等を含んでいる。部位情報は、撮像対象として選択される部位(範囲)を特定できる情報である。例えば部位情報は、検査部位名、撮像方法の名称、及び薬液の注入部位から検査部位までの距離を含む。
【0059】
制御部25の予測部Sは、被写体の組織における予測画素値の経時変化をシミュレーションする。具体的に、予測部Sは、当初注入プロトコルと、薬液情報と、被写体情報と、基準心拍数とに基づいて当初シミュレーション結果を作成する。また、予測部Sは、修正注入プロトコルと、薬液情報と、被写体情報と、測定心拍数とに基づく修正シミュレーション結果を作成する。シミュレーション対象となる被写体の組織は、撮像部位として、オペレータが選択した部位である。一例として、予測部Sは、予測画素値の経時変化を示すTECを、当初シミュレーション結果又は修正シミュレーション結果として作成する。さらに、予測部Sは、被写体の組織を複数に分割した各コンパートメントの画素値を時間ごとに求めて、各組織と関連付けて記憶部24にシミュレーション結果として記憶させてもよい。また、予測部Sは、所定の画素値、例えば目標画素値が維持される予測維持時間を、シミュレーション結果から算出してもよい。
【0060】
一例として、予測部Sは、被写体情報取得部16から、被写体情報として体重又は除脂肪体重を受け取る。また、プロトコル生成部13は、当初注入プロトコルを生成して予測部Sに受け渡す。例えば、プロトコル生成部13は、検査部位、被写体の体重、及び造影剤のヨード量に基づいて、造影剤及び生理食塩水の注入時間及び注入速度を当初注入プロトコルとして算出する。そして、予測部Sは、当初注入プロトコルに基づいて、被写体の組織を血流方向に沿って分割した複数のコンパートメントのそれぞれにおいて、被写体の組織における画素値の経時変化をシミュレーションする。このシミュレーションは、被写体情報と、注入プロトコルと、組織情報とに基づいて実行される。これにより、予測部Sは、検査部位における予測画素値の経時変化を示すTECを当初シミュレーション結果として作成する。
【0061】
さらに、予測部Sは、被写体情報取得部16から、被写体情報として、ヘモグロビン量(g/dL)、体重(kg)、身長(cm)、心機能(%)、基準心拍数(bpm)、体表面積(m2)、心拍出量(L/min)、及びeGFRを受け取ってもよい。これにより、予測部Sは、より多くの情報に基づいて、より正確な高精度シミュレーションを行うことができる。代替的に、予測部Sは、体表面積、心拍出量、及び推定糸球体濾過量の少なくとも1つを算出してもよい。例えば、体表面積は、体重及び身長に基づいて、藤本式、デュボア式又は新谷式によって算出できる。また、心拍出量は、体表面積、心機能及び基準心拍数に基づいて算出できる。また、eGFRは、クレアチニン値、年齢及び性別に基づいて算出できる。
【0062】
予測部Sが外部に設けられている場合、注入システム120は、被写体情報取得部16と、薬液情報取得部15と、目標値取得部17とを備え、外部の予測部Sはこれらの各部から必要な情報を受け取ることができる。そして、注入システム120は、外部の予測部Sからシミュレーション結果を取得する。すなわち、注入システム120の各部と、外部の予測部Sとが協働してシミュレータとして機能する。なお、予測部Sは、撮像プランに含まれる情報をさらに考慮して、より高精度なシミュレーションを行ってもよい。
【0063】
[画素値の経時変化の予測]
以下、予測部Sによるシミュレーションの一例について説明する。被写体の各組織は、組織情報取得部18から取得された組織の分割コンパートメント数に応じて、血流方向に沿って複数のコンパートメントに分割されている。予測部Sは、予測対象のコンパートメントを含む組織の体積と、当該組織の毛細血管体積と、当該組織の細胞外液腔体積とを、分割コンパートメント数で除算して、各コンパートメントについて画素値の経時変化を予測する。
【0064】
被写体の組織は、右心室、大動脈、静脈、動脈、脳(又は頭)、上肢、心筋(例えば、右冠動脈が支配的な心筋、前下行枝が支配的な心筋、回旋枝が支配的な心筋)、肺、肝臓、胃、脾臓、膵臓、腸管、腎臓、尿管、下肢、左心室、上行大動脈、下行大動脈、及び腹部大動脈を含む。そして、上肢静脈から注入された造影剤は、右心室、肺、左心室、大動脈(例えば、上行大動脈、下行大動脈)を介して各臓器に移動し、その後、静脈を介して右心室に到達する。そして、体内に注入された造影剤は、腎臓及び尿管を介して体外に排出される。
【0065】
予測部Sは、各組織(例えば、血管及び臓器)における画素値の変化を時間関数として求めるために、例えば下記数式1のような微分方程式を用いる。ここでは、コンパートメントに流入する造影剤の濃度をC1とし、コンパートメントから流出する造影剤の濃度をC2とし、コンパートメントの体積をVとし、コンパートメントにおける単位組織あたりの血流量(血流速度)をQとしている。
【0066】
【0067】
さらに、予測部Sは、右心室、左心室、血管以外の組織における画素値の変化を求めるために、造影剤が毛細血管から細胞外液腔へと透過する際の染み出し速度と、細胞外液腔から毛細血管へと透過する際の染み戻り速度とを考慮する。そのため、予測部Sは、例えば下記数式2及び数式3のような微分方程式を用いる。ここでは、細胞外液腔の体積をVecとし、細胞外液腔の造影剤の濃度をCecとし、毛細血管の体積をVivとし、毛細血管の造影剤の濃度をCivとし、染み出し速度をPS1とし、染み戻り速度をPS2としている。
【0068】
【0069】
【0070】
予測部Sは、上記微分方程式を解くことにより、注入開始からの経過時間と画素値(すなわち造影剤濃度)の変化を時間関数として求める。さらに、予測部Sは、所定の排出速度に基づく造影剤の排出量を算出し、腎臓の毛細血管内の造影剤から当該排出量を減じてシミュレーションしてもよい。これにより、腎臓に到達した造影剤の一部が、体全体(すなわち血漿中)の合計造影剤量から減算されるようにシミュレーションが行われる。造影剤の排出をシミュレーションすることによって、体全体の合計造影剤量が経時的に減少するため、より精度の高いシミュレーションを行うことができる。
【0071】
シミュレーションが終了すると、予測部Sは、シミュレーション結果を記憶部24に順次記憶させる。このシミュレーション結果は、検査部位における画素値の経時変化を示すTECを含み、その他に組織に関連付けられた時間ごとの画素値の情報を含んでいてもよい。代替的に、予測部Sは、特許第3553968号に記載の方法等の既知の薬物動態モデルを用いてシミュレーションを行ってもよい。
【0072】
[修正注入プロトコルの生成]
オペレータが注入ヘッド20の電源をオンにした後にシリンジを搭載すると、注入ヘッド20の読取部は、薬液情報(例えば、製品ID)を読み取って制御部25に送る。そして、制御部25の薬液情報取得部15は、読取部が読み取った薬液情報を取得し、薬液情報として記憶部24に一時的に記憶させる。また、制御部25の表示制御部19は、メーカー名、製品IDに基づく製品名称及びヨード含有量等をタッチパネル26に表示させる。代替的に、薬液情報取得部15は、タッチパネル26にオペレータが入力した製品名称を薬液情報として取得してもよい。
【0073】
並行して、表示制御部19は、撮像部位の選択画面をタッチパネル26に表示させる。一例として、表示制御部19は、胸部及び腹部等の撮像部位の大分類を選択させるため、人材を模した画像をタッチパネル26に表示させる。オペレータは、タッチパネル26をタッチ操作して撮像部位の大分類を選択する。そして、表示制御部19は、左心室及び上行大動脈等の撮像部位の中分類を選択させるため、中分類のリストをタッチパネル26に表示させる。オペレータは、タッチパネル26をタッチ操作して撮像部位の中分類を選択する。これにより、組織情報取得部18は、撮像部位(例えば、上行大動脈)を特定する情報を取得して、選択された撮像部位を記憶部24に記憶させる。
【0074】
選択された撮像部位に基づいて、目標値取得部17は、予め選択可能な撮像部位と対応して記憶されているROI、ROIの目標画素値、及び目標維持時間を記憶部24から読み出す。一例として、目標画素値は400HUであり、目標維持時間は10secである。代替的に、ROI、ROIの目標画素値、及び目標維持時間の少なくとも一つは、オペレータがタッチパネル26から入力してもよい。
【0075】
続いて、表示制御部19は、身体条件としての被写体情報等の入力欄をタッチパネル26に表示させる。そして、オペレータは、タッチパネル26に被写体情報として、例えば被写体の体重を入力する。すると、被写体情報取得部16は、被写体の体重を取得して、記憶部24に記憶させる。このとき表示制御部19は、タッチパネル26に被写体の体重を表示させてもよい。並行して、心拍数取得部11は、オペレータが入力した基準心拍数を取得して、記憶部24に記憶させる。さらに、被写体情報取得部16は、オペレータが入力した被写体情報として、身長、性別、及び年齢を取得してもよい。代替的に、被写体情報取得部16は、外部サーバー又は不図示の測定機(例えば心拍出量計及び体重計等)から被写体情報を取得してもよい。同様に、心拍数取得部11は、外部サーバー又は測定装置29から基準心拍数を取得してもよい。なお、被写体情報取得部16は、予め記憶されている被写体情報を記憶部24から取得してもよい。
【0076】
予測部Sは、入力された被写体情報を用いて循環血液量BVを算出して、心拍出量として記憶部24に記憶させる。一例として、予測部Sは、体重に係数を乗じて循環血液量BVを算出する。例えば、当該係数は、0.07以上且つ0.08以下の値であり、望ましくは0.07である。また、予測部Sは、循環血液量BVとして、予め記憶された所定値(例えば、成人での場合は5L)を記憶部24から取得してもよい。
【0077】
代替的に、予測部Sは、下記数式4を用いて男性の循環血液量BVを算出してもよく、下記数式5を用いて女性の循環血液量BVを算出してもよい。ここで、Tは身長(m)であり、Wは体重(kg)である。
【0078】
【0079】
【0080】
さらに、予測部Sは、基準心拍数(例えば、一分間の心拍数)に基づいて、心拍出量を計算する。例えば、予測部Sは、予め記憶されている一回拍出量(例えば、標準的な拍出量70mL)を読み出し、一回拍出量に基準心拍数を乗じて心拍出量を算出する。代替的に、予測部Sは、測定装置29から一回拍出量を取得してもよい。一例として、基準心拍数は、安静時に被写体の心拍数を測定して得られた測定値、又は標準的な人間の心拍数(例えば、60bpmから70bpm)である。
【0081】
代替的に、予測部Sは、被写体の体重を係数13で除して心拍出量を算出してもよい。さらに、予測部Sは、体表面積に心係数(例えば、2800)を乗じて心拍出量を算出してもよい。一例として、予測部Sは、藤本式、デュボア式又は新谷式等の方法を用いて体表面積を算出する。なお、予測部Sは、一回拍出量を算出してもよい。例えば、予測部Sは、心拍出量を基準心拍数で除して、一回拍出量を算出する。予測部Sは、上述した算出の処理等をシミュレーションの実行前の任意のタイミングで行う。一例として、予測部Sは、プロトコル取得部14が当初注入プロトコルを取得したタイミングで各処理等を実行する。
【0082】
また、薬液情報取得部15は、オペレータが入力した薬液情報(例えば、ヨード含有量mgI/mL)を取得する。代替的に、薬液情報取得部15は、注入ヘッド20の読取部がシリンジのICタグ等から読み取った薬液情報を取得してもよい。さらに、目標値取得部17は、予め記憶されている目標値を記憶部24から取得する。なお、被写体情報、薬液情報、及び目標値の取得の順序は任意であり、少なくとも二種類の情報の取得が同時に行われてもよい。そして、オペレータが被写体情報を入力したタイミングで、プロトコル取得部14は、当初注入プロトコルを生成して記憶部24に記憶させる。なお、プロトコル取得部14は、オペレータが入力した管電圧をさらに参照して当初注入プロトコルを生成してもよい。代替的に、プロトコル取得部14は、オペレータが入力した当初注入プロトコルを取得するか、又は予め記憶されている当初注入プロトコルを記憶部24又は外部のサーバー等から取得してもよい。
【0083】
図5に示すように、プロトコル生成部13が生成した当初注入プロトコルをプロトコル取得部14が取得すると、予測部Sは、シミュレーションを実行して当初シミュレーション結果を作成する(S501)。すなわち、予測部Sは、当初注入プロトコルと、薬液情報と、被写体情報と、基準心拍数とに基づいてシミュレーションを行い、当初シミュレーション結果を作成する。これらの情報に加えて、予測部Sは、組織情報及び検査情報を参照してシミュレーションを行ってもよい。そして、予測部Sは、目標画素値に到達した第1タイミングT1及び第2タイミングT2(
図3)を含む当初シミュレーション結果を記憶部24に記憶させる。ここで、表示制御部19は、第1タイミングT1及び第2タイミングT2をオペレータへ示すように、当初シミュレーション結果をタッチパネル26に表示させてもよい。なお、通常、オペレータは、標準的な心拍数又は安静時の被写体の心拍数に基づいて、撮像タイミングを決定する。そのため、基準心拍数は、標準的な心拍数又は安静時の被写体の心拍数であることが望ましい。
【0084】
シミュレーションと並行して、心拍数取得部11は、測定装置29が測定した被写体の心拍数を測定心拍数として取得する(S502)。具体例として、測定装置29は、1secの心拍数を測定して、測定した心拍数に60を乗じた値を測定心拍数(bpm)として心拍数取得部11に受け渡す。測定装置29は、常に心拍数を測定していてもよく、任意のタイミング、例えばエアチェックの完了時に心拍数を測定してもよい。さらに、心拍数取得部11は、エアチェックの完了から注入開始までの間の心拍数を取得して、測定時間中の一分間当たりの平均心拍数(例えば、心拍数の移動平均)を測定心拍数としてもよい。また、測定装置29による測定と、心拍数取得部11による心拍数の取得とは、当初シミュレーション結果の作成前であっても作成後であってもよい。
【0085】
そして、判定部12は、測定心拍数を基準心拍数と比較して、心拍数が所定値(例えば、10bpm又は基準心拍数の20%に相当する値)以上に変動したか否かを判定する(S503)。なお、基準心拍数に対する上側閾値となる上限の所定値と下側閾値となる下限の所定値とは異なっていてもよい。例えば、上側閾値を10bpmとして、下側閾値を20bpmとしてもよい。さらに、下側閾値を設定せずに、測定心拍数が基準心拍数よりも少ない場合、判定部12は、心拍数の変動がないと判断してもよい。これは、所定値以上に心拍数が変動すると、予測画素値がピーク値に到達するタイミングが1sec程度ずれてしまうが、測定心拍数が基準心拍数よりも少ない場合は、目標画素値の維持時間が短くならないためである。
【0086】
心拍数が所定値以上に変動していないと判定部12が判定すると(S503でNO)、当初注入プロトコルで薬液の注入を行うことになる。そのため、表示制御部19は、注入の開始ボタンをタッチパネル26に表示させる。そして、オペレータが開始ボタンをタッチ操作すると、注入が開始して(S510)、処理が終了する。代替的に、オペレータは、注入ヘッド20の開始ボタンを押し下げてもよい。
【0087】
一方、心拍数が所定値以上に変動していると判定部12が判定すると(S503でYES)、プロトコル生成部13は、当初注入プロトコルを修正して修正注入プロトコルを生成する(S504)。具体的に、プロトコル生成部13は、変動後の測定心拍数と修正注入プロトコルとを用いたシミュレーション結果において、第1タイミングと第2タイミングとが、当初シミュレーション結果の第1タイミングと第2タイミングとほぼ一致するように、修正注入プロトコルを最適化する。一例として、各タイミングの許容されるズレは、前後0.5secである。この範囲であれば、最大のズレが生じても、予測維持時間の変動は1sec以下となる。
【0088】
例えば、プロトコル生成部13は、心拍数の変動量が上側閾値に達した場合、注入量を所定量増加させるように当初注入プロトコルを修正する。また、プロトコル生成部13は、心拍数の変動量が下側閾値に達した場合、注入量を所定量減少させるように当初注入プロトコルを修正する。ここで、プロトコル生成部13は、注入量を増減させるために、注入速度又は注入時間の少なくとも一方を所定量(例えば、0.1mL/sec、又は0.1sec)増減させる。
【0089】
なお、注入中に注入速度を変化させる注入プロトコル等もあるため、変動量が上側閾値に達した場合に少なくとも一時的に注入速度を減少させてもよく、変動量が下側閾値に達した場合に少なくとも一時的に注入速度を増加させてもよい。そして、予測部Sは、算出した拍出量に変動後の測定心拍数を乗じて心拍出量を算出する。さらに、予測部Sは、プロトコル生成部13が修正して得られた修正注入プロトコルと変動後の測定心拍数とを用いたシミュレーションを実行する。そして、予測部Sは、修正シミュレーション結果としてのTECを作成する(S505)。
【0090】
修正シミュレーション結果における第1タイミングと第2タイミングと、当初シミュレーション結果における第1タイミングと第2タイミングとのズレが所定範囲に収まるまで、プロトコル生成部13による修正と、予測部Sによるシミュレーションとが繰り返される。ズレが許容される範囲に収まったと判断すると、プロトコル生成部13は、そのシミュレーション結果を作成する際に使用された注入プロトコルを、報知部10がオペレータに提案する修正注入プロトコルとして記憶部24に記憶させる(S506)。なお、各タイミングの許容されるズレが許容される範囲に収まらない場合、報知部10がその旨をオペレータに報知してもよい。この場合、オペレータは、当初注入プロトコルで薬液を注入するか、又は手動で当初注入プロトコルを修正する。
【0091】
代替的に、プロトコル生成部13は、予め記憶されている修正注入プロトコルを記憶部24から読み出すことによって当初注入プロトコルを修正してもよい。例えば、予め記憶部24は、基準心拍数に対して所定値(例えば、10bpm)増加した心拍数に対応する修正注入プロトコルと、基準心拍数に対して所定値減少した心拍数に対応する修正注入プロトコルとを記憶している。心拍数が増加した場合、プロトコル生成部13は、増加した心拍数に対応する修正注入プロトコルを読み出す。そして、心拍数が減少した場合、プロトコル生成部13は、減少した心拍数に対応する修正注入プロトコルを読み出す。
【0092】
修正注入プロトコルが生成されると、報知部10は、当該修正注入プロトコルをタッチパネル26に表示させ(S507)、変動が生じたことをオペレータへ報知する。また、報知部10は、修正シミュレーション結果としてのTECをタッチパネル26に表示させることにより報知してもよい。このとき、報知部10は、TECとともに撮像タイミングの変更を要することを表示させてもよい。また、報知部10は、当初シミュレーション結果としてのTECと修正シミュレーション結果としてのTECとを同時に表示させてもよい。この場合、報知部10は、両TECを重畳的に表示させてもよく、両TECを並べて表示させてもよい。さらに、報知部10は、修正注入プロトコルをタッチパネル26に表示させてもよい。また、報知部10による報知と同時又は報知の前後に、表示制御部19は、修正注入プロトコルの選択ボタン又は修正の可否の選択ボタンが表示されている選択画面をタッチパネル26に表示させてもよい。
【0093】
報知部10による報知を認識したオペレータは、心拍数の変動量が所定値を下回るまで、注入開始を中断してもよい。この場合、表示制御部19は、心拍数の変動量が所定値を下回り、判定部12が心拍数の変動がないと判定すると、注入の開始ボタンをタッチパネル26に表示させる。代替的に、判定部12が心拍数の変動がないと判定するまで、制御部25が、注入の開始ボタンの操作を制限するか又は無視してもよい。また、報知部10は、心拍数の変動量が所定値を下回り、判定部12が心拍数の変動がないと判定すると、その旨をオペレータへ報知してもよい。
【0094】
報知部10による報知と並行して、又は報知の前後に、表示制御部19は、当初注入プロトコルから修正注入プロトコルへの変更ボタンをタッチパネル26に表示させる。オペレータが変更ボタンをタッチ操作して注入プロトコルの変更を選択すると(S508でYES)、当初注入プロトコルに代えて修正注入プロトコルが設定される(S509)。その後、表示制御部19は、注入の開始ボタンをタッチパネル26に表示させる。そして、オペレータが開始ボタンをタッチ操作すると、注入が開始して(S510)、処理が終了する。一方、オペレータが注入プロトコルの変更を選択しない場合(S508でNO)、当初注入プロトコルで薬液の注入を行うことになる。そのため、表示制御部19は、注入の開始ボタンをタッチパネル26に表示させる。そして、オペレータが開始ボタンをタッチ操作すると、注入が開始して(S510)、処理が終了する。
【0095】
また、報知部10は、心拍数が変動した旨、及び注入プロトコルの変更を選択できる旨を示す文字列をタッチパネル26に表示させてもよい。この場合、報知部10は、オペレータによるタッチ操作に従って、修正注入プロトコルを表示させてもよい。また、オペレータによる確認を経ずに、プロトコル生成部13が、当初注入プロトコルに代えて自動的に修正注入プロトコルを設定してもよい。この場合、注入システム120は、自動的に設定された修正注入プロトコルに従って薬液を注入する。また、報知部10は、心拍数が変動した旨、及び注入プロトコルを変更した旨を示す文字列をタッチパネル26に表示させてもよい。さらに、報知部10は、修正注入プロトコルと同時に、当初シミュレーション結果、及び修正シミュレーション結果の少なくとも一方を表示させてもよい。報知部10は、複数のシミュレーション結果を重畳表示させてもよく、並べて表示させてもよい。
【0096】
なお、表示制御部19は、修正注入プロトコルの作成前に変更ボタンを表示させてもよい。オペレータが変更ボタンをタッチ操作すると、プロトコル生成部13が修正注入プロトコルを実行し、予測部Sはシミュレーションを実行する。この場合も、報知部10は生成された修正注入プロトコルを表示し、且つ表示制御部19は注入プロトコルの変更を確認するボタンを表示させてもよい。若しくは、プロトコル生成部13が、オペレータによる確認を経ずに、当初注入プロトコルに代えて修正注入プロトコルを自動的に設定してもよい。
【0097】
以上説明した第1実施形態に係る発明によれば、被写体の心拍数が所定値以上に変動した場合に、当初設定されていた当初注入プロトコルの修正をオペレータへ促すことができる。そして、オペレータが当初注入プロトコルから修正注入プロトコルへの変更を選択すると、撮像タイミングの変更が不要な注入プロトコルへと変更できる。その結果、心拍数が大きく変動した場合であっても、撮像タイミングや撮像条件を調整する必要がなく、オペレータの作業負担の増加を抑制できる。
【0098】
また、撮像直前に被写体の心拍数が変動しても、予測部Sによるシミュレーション結果を利用して、注入準備をしている最中に注入プロトコルを調整できる。そのため、目標画素値及び目標維持時の変動が抑制される修正注入プロトコルをオペレータへ提案できる。これにより、撮像タイミングを調整する必要がなく、撮影プランを変更する必要がないため、オペレータの作業負担の増加を抑制できる。
【0099】
[第2実施形態]
図6及び
図7を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態は、注入中も被写体の心拍数の監視が継続される点において、第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態の説明においては、第1実施形態との相違点について説明し、既に説明した構成要素については同じ参照番号を付し、その説明を省略する。特に説明した場合を除き、同じ参照符号を付した構成要素は略同一の動作及び機能を奏し、その作用効果も略同一である。
【0100】
第2実施形態の心拍数取得部11は、注入開始後も測定装置29から測定心拍数を取得する。そして、判定部12は、修正注入プロトコルを生成した際の測定心拍数を基準心拍数として、心拍数の変動を判定する。また、心拍数が変動したと判断されると、報知部10は、変動をオペレータへ報知する。一例として、予測部Sは、注入中に使用されるように設定された修正注入プロトコル又は当初注入プロトコル(以下、設定注入プロトコルともいう)と、注入中に測定された測定心拍数とに基づいて、再シミュレーションを実行する。そして、報知部10は、予測画素値がピーク値に到達するピークタイミングを示す画像又は文字列をタッチパネル26に表示させる。その結果、ピークタイミングの表示は、心拍数の変動に応じて表示位置が変化する。そのため、表示位置の変化を視認することによって、オペレータは心拍数の変動を認識できる。代替的に、報知部10は、心拍数の変動に応じた撮像タイミングを示す画像又は文字列を、タッチパネル26に表示させてもよい。
【0101】
予測部Sが再シミュレーションを実行すると、プロトコル生成部13は、当該当初注入プロトコルを修正して修正注入プロトコルを再生成してもよい。この場合、報知部10は、当該修正注入プロトコルをタッチパネル26に表示させてオペレータへ変動を報知できる。また、表示制御部19は、注入プロトコルの変更の有無をオペレータに確認するために、変更ボタンを表示させる。代替的に、プロトコル生成部13は、当初注入プロトコルの一部を修正注入プロトコルに自動的に置き換えてもよい。この場合、心拍数の変動に応じて、注入プロトコルが注入前又は注入中に動的に修正される。例えば、注入時間を長く又は短くするか、注入速度を増減することによって、注入量が増減するように注入プロトコルが動的に修正される。
【0102】
また、報知部10は、予測画素値が最初に目標画素値に到達する第1タイミングと、第1タイミングの後に予測画素値が目標画素値に到達する第2タイミングと、予測画素値がピーク値に到達するピークタイミングとの少なくとも一つのタイミングをタッチパネル26に表示させてもよい。さらに、報知部10は、測定心拍数が所定値以上に変動したと判定された場合に、上記少なくとも一つのタイミングの表示態様を変化させてもよい。
【0103】
一例として、表示制御部19は、
図6に示すようなタイミング表示画面170を作成して、タッチパネル26に表示させる。そして、報知部10は、設定注入プロトコルに基づく経過時間を示す経過時間バーTに沿って、ピークタイミングに対応する撮像タイミングを示すインジケータFS1,FS2を合成して、タッチパネル26に表示させる。タイミング表示画面170の横軸は、薬液の注入開始タイミングを基準(ゼロ)とする経過時間(sec)を示している。
図6例では、経過時間を示す経過時間バーTと、注入プロトコルを示すプロトコル表示欄Pとがタイミング表示画面170に含められている。
【0104】
図6に示すプロトコル表示欄Pには、造影剤を注入する第1フェーズにおいて、注入速度が5.0mL/secであり且つ注入量が47mLであることが示されている。また、造影剤を注入する第2フェーズにおいて、注入速度が3.5mL/secであり且つ注入量が20mLであることが示されている。さらに、生理食塩水を注入する第3フェーズにおいて、注入速度が2.5mL/secであり且つ注入量が20mLであることが示されている。そして、注入開始から25.0secを経過した時に当初の撮像タイミングが、インジケータFS1によって示されている。一例として、インジケータFS1が示す撮像タイミングは修正シミュレーション結果又は当初シミュレーション結果におけるピークタイミングである。当該インジケータFS1によって、報知部10は、ピークタイミングをタッチパネル26に表示させる。
【0105】
タイミング表示画面170は、経過時間の進行に応じて変化する。具体的にタイミング表示画面170においては、経過時間バーTが経過時間の進行に応じて長くなるように変化する。例えば、
図6は、ゼロから表示されていた経過時間バーTが、注入開始から26sec経過した時点まで変化した状態を示している。さらに、心拍数が変動したと判定部12が判定すると、報知部10は、ピークタイミングの表示態様を変化させる。具体的に、報知部10は、変動後のピークタイミングがインジケータFS2によって示されるようにタイミング表示画面170を変化させる。
図6の例では、インジケータFS2によって、注入開始から27.0secを経過した時点に変動後のピークタイミングが示されている。すなわち、報知部10は、インジケータFS1をインジケータFS2の表示位置まで移動させている。
【0106】
一例として、報知部10は、予測部Sが作成した再シミュレーションの結果を参照して、ピークタイミングを取得する。そして、ピークタイミングにインジケータFS2が表示されるように、インジケータFS1を移動させる。例えば、ピークタイミングが早まる場合、報知部10は、注入開始からの経過時間が短いタイミング(例えば、24sec経過した時点)にインジケータFS1を移動させる。なお、報知部10が撮像システム130等から撮像タイミングを取得できる場合、撮像タイミングとピークタイミングとは一致していなくともよい。この場合、報知部10は、ピークタイミングの変動量と一致するように、インジケータFS1を移動させる。例えば、報知部10は、ピークタイミングが1sec変動すると、1secに対応する距離だけ撮像タイミングを示すインジケータFS1を移動させる。なお、インジケータFS1、FS2の形状は、逆三角形、円形、楕円形、上向き三角形、矩形、多角形又は星形であってもよい。
【0107】
さらに、報知部10は、撮像タイミングが近づいたことをオペレータへ報知してもよい。一例として、報知部10は、撮像タイミングが近づくにつれてインジケータFS1、FS2の表示態様を変化せて撮像タイミングを報知する。例えば、報知部10は、撮像タイミングが近づくにつれてインジケータFS1、FS2の点滅間隔を短くすることにより撮像タイミングを報知する。または、撮像タイミングが近づくにつれてインジケータFS1、FS2の色、サイズ、形状、又は明るさ等を変化せて撮像タイミングを報知する。代替的に、報知部10は、不図示のスピーカに音を発させるとともに、撮像タイミングが近づくにつれて音を発する間隔を短く若しくは長くさせること、又は周波数を高く若しくは低くさせることにより撮像タイミングを報知してもよい。代替的に、報知部10は、不図示の発光部を発光させるとともに、撮像タイミングが近づくにつれて、発光する間隔を短く若しくは長くさせること、又は明るく若しくは暗く発光させることにより撮像タイミングを報知してもよい。
【0108】
さらに、報知部10は、撮像タイミングを報知するタイマーとしてカウントダウンタイマー171を表示させてもよい。なお、
図6のカウントダウンタイマー171は、数字を表示している。しかし、報知部10は、アナログ時計状のタイマー画像の針の位置、又はタイマーの表示態様を変化させることによって撮像タイミングを報知してもよい。一例として、報知部10は、扇形の形状のカウントダウンタイマー171を、撮像タイミングが近づくにつれて徐々に円形へと変化させることにより撮像タイミングを報知してもよい。さらに、報知部10は、略長方形状のカウントダウンタイマー171の長さを、撮像タイミングが近づくにつれて徐々に短くすることにより撮像タイミングを報知してもよい。
【0109】
報知部10は、注入システム120と撮像システム130とが連動している場合、連動していない場合と比較してインジケータFS1、FS2の表示態様を変化させて、連動を報知してもよい。例えば、注入システム120と撮像システム130とが情報(例えば、注入開始タイミング、又は撮像タイミング)を相互に送受信している連動中、報知部10は、インジケータFS1、FS2の色を、連動前の緑から赤へと変化させてもよい。一例として、注入システム120と撮像システム130とが連動している場合、注入開始後に撮像タイミングに到達すると、自動的に撮像が行われる。なお、CT装置であれば、X線の曝射も自動的に行われる。
【0110】
図7に示すように、報知部10は、撮像可能な時間範囲173をオペレータへ報知してもよい。
図7の例では、表示制御部19は、圧力表示画面172を作成して、タッチパネル26に表示させる。この場合、表示制御部19は、圧力表示欄Rに、設定注入プロトコルに基づく経過時間を示す横軸と、注入圧力を示す縦軸とを表示させる。そして、報知部10は、撮像タイミングを示すインジケータFS1を圧力表示欄Rに合成し、タッチパネル26に表示させる。代替的に、表示制御部19は、注入速度を示す縦軸を表示させてもよく、注入速度を示す縦軸と注入圧力を示す縦軸とを表示させてもよい。
【0111】
一例として時間範囲173は、予測画素値が最初に目標画素値に到達する第1タイミングから、第1タイミングの後に予測画素値が目標画素値に到達する第2タイミングまでの範囲である。この時間範囲173により、報知部10は、第1タイミングと、第2タイミングとをタッチパネル26に表示させる。一例として、報知部10は、時間範囲173を示す線、又は長方形の画像等を、圧力表示画面172の横軸に沿うようにタッチパネル26に表示させる。代替的に、報知部10は、第1タイミングから第2タイミングまでの時間の長さ(すなわち予測維持時間)を示す数字を表示させてもよい。また、報知部10は、第1タイミング及び第2タイミングのそれぞれを示す数字(すなわち注入開始からの経過時間)を表示させてもよい。
【0112】
さらに、心拍数が変動したと判定部12が判定すると、報知部10は、時間範囲173の表示態様を変化させてもよい。一例として、報知部10は、変動後の時間範囲173を示す線又は画像等の位置若しくは長さを変化させる。なお、報知部10は、時間範囲173と、撮像タイミングを示すインジケータFS1、FS2とを同時に表示させてもよい。さらに、心拍数が変動した場合、報知部10は、時間範囲173と、インジケータFS1とのそれぞれの表示態様を上述したように変化させてもよい。
【0113】
また、報知部10は、撮像可能な時間範囲内で撮像が行われたことをオペレータに報知してもよい。一例として、報知部10は、撮像が実行された実行タイミングの情報を撮像システム130、又は外部の検出装置から取得する。そして、報知部10は、撮像可能な時間範囲内で撮像が行われたか否かを判定して、当該時間範囲内に撮像が行われていれば、インジケータFS1、FS2の表示態様を変化させる。例えば、報知部10は、インジケータFS1、FS2の色を変化させる。一例として、検出装置は、撮像時のX線を検出するX線検出装置、撮像時の被写体等の画像を検出して画像解析結果から撮像の実行タイミングを検出する解析装置、又は撮像時の音声を検出する音声検出装置等である。
【0114】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0115】
例えば、修正注入プロトコルを生成する際に、プロトコル生成部13は、オペレータが入力した第1タイミング(例えば、注入開始からの経過時間)を取得して、第1タイミングに目標維持時間を加算して第2タイミングを算出してもよい。または、プロトコル生成部13は、オペレータが入力した第1タイミング及び第2タイミングを取得してもよい。さらに、プロトコル生成部13は、記憶部24又は外部のサーバーに記憶されている過去の撮像結果を示すTECから、第1タイミング及び第2タイミングを取得してもよい。これらの場合も、プロトコル生成部13は、取得した各タイミングから所定範囲内に含まれるタイミングで予測画素値が目標画素値に到達するように、修正注入プロトコルを生成する。
【0116】
なお、撮像タイミングは一回には限定されない。例えば、撮像対象部位として肝動脈と門脈とが選択されたような場合は、撮像タイミングが二回存在する。さらに、ピークタイミングも一回には限定されない。例えば、一回目のピーク値から下がった画素値が再度上昇して二回目のピーク値に到達するような注入プロトコルを用いたシミュレーションが実行されてもよい。この場合、二回目のピークタイミングで撮像が行われてもよく、それぞれの撮像タイミングに対応して第1タイミングと第2タイミングとが設定される。さらに、複数の撮像部位を同時に撮像する場合等は、二回目のピークタイミングのみで撮像が行われてもよい。ただし、撮像タイミングが一回目又は二回目のピークタイミングと一致してなくともよく、目標画素値に到達した後の任意のタイミングで撮像が行われてもよい。
【0117】
また、撮像タイミングは、所定の幅を持った時間範囲であってもよい。一例として、撮像に要する時間、例えば1secから10sec程度の時間範囲が撮像タイミングとして設定されてもよい。当該時間範囲は、一例として、ピークタイミングを中央としてその前後の時間を含む範囲に設定できる。また、報知システムは、撮像システム130に設けることもできる。この場合、制御部25は制御装置32に設けられるとともに、ディスプレイ33が表示部として機能する。さらに、測定装置29は、注入システム120の外部に設けられていてもよい。この場合、コンソール23は、外部に設けられた測定装置29と協働して報知システムとして機能する。加えて、当初注入プロトコル、修正注入プロトコル、心拍数の変動経過、当初シミュレーション結果、及び修正シミュレーション結果を記憶部24に記憶させてもよい。さらに、これらの情報を、不図示のサーバー(外部記憶装置)に記憶させてもよい。
【符号の説明】
【0118】
10:報知部、11:心拍数取得部、12:判定部、13:プロトコル生成部、14:プロトコル取得部、15:薬液情報取得部、16:被写体情報取得部、17:目標値取得部、26:表示部、120:報知システム、PG1:報知プログラム、S:予測部